JPH0734147Y2 - 面格子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば、既設の窓格子，手すり格子，階段格
子，踊り場手すり格子，ベランダ，バルコニー，フェン
ス，壁，さく等、縦格子あるいは横格子より構成される
桟を利用するなどによって組み付けられる面格子に関す
る。

［従来の技術］ 窓格子や手すり格子等の既設の桟に、前面側に溝部を形
成した取付具を取り付け、該取付具の溝部に羽根材を嵌
着して一定間隔で複数の羽根材を配設した面格子を本出
願人は既に提案している。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら上記の面格子では、取付具を取り付ける桟
の大きさや形状によってはこの取付具が取り付かない場
合があり、これでは面格子を組み立てられないといった
問題があった。

また、ベランダやバルコニーの既設の縦桟に面格子を組
み立てると、この縦桟に取り付けた取付具によって羽根
材は上下方向に一定間隔で配列され、該羽根材を踏台と
して幼児や子供が登って乗り越え、外部に転落するとい
う危険がある。そのため、羽根材を縦向きにして左右方
向に一定間隔で配設させる必要があるが、縦桟に取付具
を取り付けて羽根材を左右方向に一定間隔で配列させる
ことができなかった。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するために本考案の面格子は、既設の格
子に補助桟を横向きに固定し、前面側に溝部を備え且つ
後面側に一対の挟持片を備えた取付具をその挟持片によ
って前記補助桟に挟着すると共に、該取付具の溝部に羽
根材を嵌着させて複数の羽根材を一定の間隔で縦向きに
平行に配設してなることを特徴とする。

［作用］ 上記構成の面格子では、窓格子や手すり格子等の既設の
格子に補助桟を横向きに固定し、該補助桟に取付具をそ
の後面側の挟持片によって挟着すると共に、該取付具の
前面側の溝部に羽根材を嵌着するだけで、羽根材を一定
間隔で縦向きに配設した面格子を組み立てることがで
き、補助桟に対する取付具の取付作業や、取付具に対す
る羽根材の取付作業を簡単に行うことができる。この場
合、補助桟や羽根材を所望の寸法に合わせて切断するこ
とにより、どのような大きさの面格子にも組み立てるこ
とができる。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の面格子の一実施例を示す一部破断斜視
図であり、第２図は同実施例の要部分解斜視図で、第３
図は第１図のＩ−Ｉ線に沿った断面図である。

図に示す面格子は、特に個人住宅やアパートやマンショ
ン等のベランダやバルコニーに形成された上下枠1,1と
これに一定間隔で縦に配列される縦桟２とで構成された
格子に取り付けられるものであり、複数本の縦桟２のう
ちの外側２本の縦桟2,2と直交するように上下に２本の
補助桟3,3をそれぞれ緊締部材７によって緊縛固定し、
この補助桟3,3に取り付けられた複数組の取付具4,4の前
面側の各溝部５に羽根材６の一端縁部61を嵌着して、複
数枚の羽根材６を縦向きにして一定の間隔で左右平行に
配設して組み立てたものである。

上記羽根材６は、例えばポリカーボネート樹脂やアクリ
ル樹脂や塩化ビニル樹脂等の透明な合成樹脂にて射出成
形又は押出成形されるもので、一端縁部61及び他端縁部
62間に挟まれた傾斜部43が角度α１をもって形成されて
いる。そして、この羽根材６の表裏面のうち一面又は両
面が所謂シボ付金型やシボ付ロール等により凹凸粗面化
されており、拡散光線透過率を高くし、且つ全光線透過
率の高い半透明の白濁状態を呈している。

上記補助桟３は、アルミニウムの軽金属やポリ塩化ビニ
ル樹脂等の発泡体や木材等で製作される長尺の棒状体で
あり、第２図及び第３図に示すように、前面側が先細と
なり、縦桟２寄りの上下面はそれぞれ半球状の凹条31,3
1が凹設されている。そして、該補助桟３は、例えば針
金等の金属細線や耐候性を有するナイロン66等の合成樹
脂で製されるインシュロックタイ（商品名）や紐などの
緊締部材７によって縦桟2,2に緊縛固定されている。
尚、第４図に示すように、補助桟３を嵌着する保持部81
と縦桟２を嵌着する取付部82とよりなり、これら保持部
81と取付部82が直交する保持具８を用いて取付具３を縦
桟２に直交させても良く、保持具８の取付部82を緊締部
材７によって桟２に固定してもよい。

上記補助桟３に取り付けられる取付具４は、例えばAES
樹脂や硬質ポリ塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等の合成
樹脂により射出成形されるもので、第２図に示すよう
に、前面側に３枚の羽根材６の各端縁が僅かに重なり合
うように配設するための一端が開口した溝部５を有する
押え部41が一定間隔で３箇所に形成されており、各溝部
５に上記羽根材の一端縁部61が嵌着されるようになって
いる。各溝部５の溝幅は嵌着する上記羽根材６の板厚と
略同一となっているが、羽根材６が嵌着されていない状
態では、溝部５の開口51の開口幅が羽根材６の板厚より
狭くなったテーパ状に形成されており、羽根材６を溝部
５に取り付ける際に弾性的に羽根材６の一端縁部61を押
え部41で押圧して確実に嵌着できるようになっている。
尚、溝部５の開口51内面は面取りされ、羽根材の挿入取
り付けを容易にしてある。さらに、各溝部５の開口51の
側方には羽根材６の傾斜角度α１と略同じ大きさの突出
角度α２を有する略三角形状の突起42がそれぞれ突設さ
れており、嵌着された羽根材６の傾斜部63を確実に支持
して溝部５からの脱落を防止している。ここで、羽根材
６の傾斜角度α１と突起42の突出角度α２が等しけれ
ば、羽根材６は取付具４の押え部41で押えるのみであ
り、溝部５内をスライドして下方に落下する恐れがある
ので、突起42の突出角度α２を羽根材６の傾斜角度α１
より大きくして羽根材６の突起42とを弾接させて確実に
溝部５に嵌着固定させ、羽根材６の脱落を防止を図るこ
とが好ましい。

一方取付具４の後面側には上下一対の挟持片43,43が内
側にそれぞれ狭められた状態で延設されており、その後
端上下縁に略半球状の突条44,44が内面に対向して延設
されている。該突条44,44は上記補助残３の半球状凹条3
1,31に嵌合される大きさとなっている。

上記構成の面格子は、第２図及び第３図に示すように、
まず外側の縦桟2,2の上方及び下方にそれぞれ補助桟3,3
を該縦桟2,2と直交するように位置させてから、緊締部
材７によって両者を水平に固定する。このとき、固定す
る縦桟２の間隔等を考慮し所望の長さに補助桟３を切断
して固定することで必要な部分だけに面格子を形成する
こともでき、また、補助桟３と縦桟２との接触部分に接
着剤等を介在させると補助桟３の固定が確実となり好ま
しい。

２本の補助桟3,3を水平に縦桟2,2に固定すると、次いで
複数組の取付具４をその後面側の一対の挟持片43,43で
補助桟３を挟持させて補助桟３の前面側に取り付ける。
このとき、補助桟３の前面が先細となっているので、取
付具４の突条43,43の挿着がスムーズとなり、凹状31,31
に容易に嵌着固定できる。尚、補助桟３の寸法に合致す
るように羽根材１枚分、又は２枚分の溝部５上で取付具
４を切除することも、この取付具４が樹脂製であるため
容易に行える。また、補助桟３への取付具４の固定をよ
り確実にするため、取付具４と補助桟３との接触面に両
面テープ等を介在させて貼着もしくは接着一体化させて
もよい。

複数組の取付具４を上下の補助桟3,3に嵌着固定する
と、対応する各溝部５の開口51に羽根材６の一端縁部61
を斜め側方より挿入し、押え部41により３枚の羽根材６
を溝部５内にそれぞれ嵌着する。この羽根材６の溝部５
への嵌着は、羽根材６が合成樹脂製であるため、弾性に
よりその嵌着は極めて容易である。また、上記羽根材６
の傾斜部63の傾斜角度α１と取付部４の突起42の突出角
度α２とが略同一で突起42が羽根材６の傾斜部63を確実
に支持し、溝部５の押え部41による羽根材６の一端縁部
61の押圧とにより羽根材６の脱落が確実に防止される。

このように組み立てられた面格子では、既存の格子の縦
桟２を利用して簡単に組み立てられ、しかも、拡散光線
透過率が高く、且つ全光線透過率の高い半透明の白濁状
態の羽根材６によってベランダやバルコニーの外部から
室内への視線が遮断されると共に、採光性も確保され、
また、通風性も良好なものとなる。この場合、縦桟２の
形状や大きさや方向に関係なく補助桟３を緊締部材７に
て固定することで面格子が形成できる。

尚、ベランダやバルコニーに取り付ける場合には、羽根
材６が上下方向に配設されていると該羽根材６を踏台と
して幼児や子供が登って乗り越え、外部に転落する危険
性があるが、本考案のように羽根材６を縦向きにして一
定間隔で左右方向に配設すると安全性が向上する。

本考案は面格子は、実施例に限らず、既設の手すり格
子，階段格子，踊り場手すり格子，フェンス，壁，くさ
等の縦格子又は横格子を構成する縦桟または横桟に補助
桟３を横方向に固定し、該補助桟３に取付具４を挟着し
て該取付具４の溝部５に羽根材６の一端縁61を嵌着する
ことで縦向きに羽根材６を一定間隔で配設することがで
きる。さらに、補助桟３の長さや羽根材６の寸法が切断
により簡単に調整できるので、既設の桟の大きさに関係
なく自由な大きさの面格子を組み立てることができる。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案の面格子は、既
設の格子に補助桟を横向きに固定し、該補助桟に取付具
を挟着して前面側の溝部に羽根材を挟着し、複数の羽根
材を一定間隔で縦向きに平行に配設するので、子供等が
羽根材をよじ登る危険性がなく、また、取付具や羽根材
の取付作業が簡単であるため組立性が良好であり、さら
には、補助桟や羽根材を切断して寸法を調節することに
よって、どのような大きさの面格子にも簡単に組み立て
ることができるようになり、汎用性に富むものになると
いった効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の面格子の一実施例を示す一部破断斜視
図、第２図は同実施例の要部を拡大した分解斜視図、第
３図は第１図Ｉ−Ｉ線に沿った断面図、第４図は補助桟
を取り付ける保持具例を示す斜視図である。 ２……縦桟、３……補助桟、４……取付具、５……溝
部、６……羽根材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】既設の格子に補助桟を横向きに固定し、前
   面側に溝部を備え且つ後面側に一対の挟持片を備えた取
   付具をその挟持片によって前記補助桟に挟着すると共
   に、該取付具の溝部に羽根材を嵌着させて複数の羽根材
   を一定の間隔で縦向きに平行に配設してなる面格子。