JPH073401U - 敷布団用保護パット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は敷布団用保護パットに関し、皺がよ
ったり、ずれたりすることがなく、患者の粗相の際に下
パットの交換のみで足らして、その作業の容易化を図
る。 【構成】 敷布団の長手方向に対して上パット１をやや
短く、下パット２をやや長くし、その上パット１の下パ
ット２への接合側の下面に、上パット１から突出してテ
ープ３を取り付け、下パット２の接合側の下面とテープ
３との間に面ファスナー１４を設け、上パット１と下パ
ット２には、前記接合側と反対側にその端面から突出さ
せて布４を逢着し、この布４と各パット１、２の左右両
側には紐１５を設け、敷布団Ａの下面に挿通する敷テー
プ５とテープ３の左右両端に面ファスナー１６を設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は病人、特に起き上がることができない寝たきり病人等に使用するのに 適した敷布団上に敷く敷布団用保護パットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から病院等においては、ベッドマット、或いは敷布団の上に敷パットを敷 き、その上からカバーを被せて敷布団等を含めて覆うのが一般である。 そのため、患者が粗相をした場合には、敷パットとカバーの両方を交換しなけ ればならないが、その交換のためには病人をベッドから出さねばならず、患者が 重症の場合にはこの交換作業が特に面倒であった。

【０００３】 このような問題点を解決する手段として、実公昭５９−５０８５３号公報記載 の敷ぶとん用保護パットが提案されている。 この敷ぶとん用保護パットは、敷布団と略同形に形成したパットを長手方向に 略中間から２分し、その分離面にファスナー等の結着具を取り付けて分離可能と し、少なくともパット４隅に敷布団に対するずれ防止の止め具を取り付けたもの である。

【０００４】 この敷ぶとん用保護パットは、患者が粗相をした場合に、下パットのみを交換 すればよいので、患者を上パット上に移動させ、或いは腰を上げた後、ファスナ ー等の結着具を外して上パットと下パットとを分離すると共に、ずれ防止の止め 具を敷布団から外すことによって、下パットの交換が容易に行えるようにしたも のである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この敷ぶとん用保護パットにおいては、ずれ防止の止め具として敷布団の下に 複数のテープバンドを縦横に敷き、このテープバンドの両端に取り付けられてい るフックに引っ掛け金具を引っ掛けるようになっている。

【０００６】 従って、敷布団を敷く前に複数のテープを所定の位置に敷く作業が必要となっ て、その作業が面倒であるばかりでなく、このテープバンドの縦横の位置がパッ トの４隅に設けられた引っ掛け金具の位置と食い違うと、フックと引っ掛け金具 の引っ掛けが不能となったり、敷ぶとん用保護パットがフックに引かれて移動し てしまう欠点があった。

【０００７】 又、パットが２分されているので、患者の腰は上パットと下パットの境界付近 に位置することになるので、患者が粗相をした場合には上パットまで汚してしま う恐れがあり、結局下パットと共に上パットまで交換しなければならなくなり、 その交換作業が依然として面倒な欠点が残っていた。

【０００８】 本考案は、従来の敷ぶとん用保護パットにおける前述の課題を解決するための もので、下パットの面積を大きくすることによって、患者の粗相が上パットに及 ばないようにして、粗相による上パットの交換の必要性をなくすと共に、敷布団 を敷く前の作業を簡略化してその作業を容易化する。

【０００９】 更に、上パットと下パットが離れたり、ずれたりすることによって、患者の寝 心地が悪化することがなく、且つ敷布団用保護パットの敷布団に対するずれ防止 が簡単、確実に行えるようにすることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前述の目的を達成するための敷布団用保護パットの手段に関し、そ の手段は、長手方向に対して上パットをやや短く、下パットをやや長くし、接合 することにより敷布団と略同寸に形成されたパット本体と、前記上パットあるい は下パットの接合側の下面に突出して取り付けられたテープと、該テープおよび 該テープと重ね合わされる上パットあるいは下パットの接合面に固定された面フ ァスナー等の着脱手段と、前記上パットと下パットの前記接合側とは反対側に逢 着された布と、該布の左右両側と前記上パットと下パットの下面に逢着された紐 等の結着手段と、前記テープの左右両端と敷布団の下面に敷かれる敷テープの左 右両端とに固定された面ファスナー等の着脱手段とから構成したものである。

【００１１】

【作用】

本考案の敷布団用保護パットは、上パットから突出しているテープと、下パッ トの上パット接合側の下面との間に設けられた面ファスナー等の着脱手段を接合 することによって、上パットと下パットが一体化されるので、この一体化された 敷布団用保護パットを敷布団上に敷くことができる。

【００１２】 この敷布団用保護パットを敷布団上に敷く前に、敷布団の下に敷テープを敷い ておいて、その左右両端と上パットのテープとの間に設けられている面ファスナ ー等の着脱手段を接合することによって、上パットと下パットの接合部分の止着 が行える。

【００１３】 次に上パットと下パットそれぞれに縫着されている布を下布団の下に折り返し 、その布と上パット並びに下パットに設けられた紐等の結着手段を結着すること によって、上パットと下パットの敷布団に対するずれ、皺のよるのが防止される 。

【００１４】 そして、下パットが上パットよりも大きいために、患者が粗相した場合に汚損 するのは下パットのみに限定され、下パットのみを交換すれば良く、下パットと 折り返した布とを結着している結着手段を解いた後に、患者の下半身を下パット から持ち上げ、上パットのテープと下パットの下面間の着脱手段を離すことによ って下パットを上パットから分離し、下パットの交換を行うことができるもので ある。

【００１５】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面について以下に説明する。 この実施例においては、上パット１、下パット２の何れも上面が完全に不純物 を除去した綿１００％の生地で形成されたシーツ地１１、下面は通気性があって 防水性１００％の防水布地１２で形成され、その間に防臭殺菌効果を有するポリ エステル繊維１３が１平方メートル当たり１００〜２００ｇ充填されている。

【００１６】 この上パット１の下パット２と接合する辺の下面にはテープ３が上パット１か ら突出する状態で縫着され、このテープ３と下パット２の下面とには面ファスナ ー１４が縫着され、この面ファスナー１４を接合することによって、上パット１ と下パット２とは一体化される。

【００１７】 又、上パット１と下パット２には、前記の接合側とは反対側の下面に、敷布団 Ａの下面に折り返すことができる長さで、上パット１と下パットの全幅にわたる 布４が逢着されている。

【００１８】 この上パット１に逢着された布４と上パット１の左右両側、並びに下パット２ に逢着された布４と下パット２の左右両側には、互いに結び付けることができる 位置に、紐１５が逢着されている。

【００１９】 更に、敷布団Ａの下側に敷く敷テープ５の左右両端と、前記テープ３の左右両 端とには、接着可能な面ファスナー１６が逢着されており、敷布団Ａの上下の中 間よりも頭よりの下面にこの敷テープ５を敷く。

【００２０】 その後にテープ３と下パット２の面ファスナー１４を接合して一体化された上 パット１と下パット２とを敷き布団Ａ上に敷き、敷テープ５を弛ませることなく その両端とテープ３の面ファスナー１６を接合することによって、テープ３を敷 布団Ａに固定できる。

【００２１】 次に、上パット１と下パット２の布４を敷布団Ａの頭側、足側の下面に折り返 し、上パット１の布４と上パット１の左右両側に逢着された紐１５を、更に下パ ット２の布４と下パット２の左右両側に逢着された紐１５を結ぶ。

【００２２】 これらによって、一体化された上パット１の頭端側、および下パット２の足端 側が固定されると共に、接合させれた両者の中間付近のテープ３が固定されるこ とと相まって、上パット１並びに下パット１は敷布団Ａ上にずれたり、皺がよる 恐れなしに敷かれるものである。

【００２３】 この敷布団用保護パット上に寝ていた患者が粗相をした場合には、下パット２ の長さが上パット１よりも長いために、寝ている患者の腰は下パット２の上に位 置するので、上パット１が汚損されることがなく、下パット２のみを交換すれば 良いことになる。

【００２４】 そこで、下パット２とその布４の結ばれていた紐１５を解き、敷布団Ａの下面 に折り返されていた布４を敷布団Ａの下面から抜取り、下パット２の足側をフリ ーな状態にする。

【００２５】 次に、患者の足側に看護人が入り込み、患者の下半身を担ぎ上げるようにして 上パット１と下パット２の接合部分から患者を浮かした状態として、テープ３と 下パット２の下面とを接合している面ファスナー１４を解き離す。

【００２６】 すると、下パット２は上パット１に対してフリーになり、敷布団Ａに対しても フリーであるために、上パット１を敷布団Ａ上に残したまま、下パット２を敷布 団Ａ上から抜き取ることができ、その動作を逆に行うことによって、交換した下 パット２を敷布団Ａ上に敷くことができる。

【００２７】 即ち、患者の下半身が持ち上げられている敷布団Ａ上に下パット２を敷いて、 上パット１に面ファスナー１４を接合でき、下パット２の布４を敷布団Ａの下側 に折り込み、それらの紐１５を結んで下パット２の交換作業が完了するものであ る。

【００２８】

【考案の効果】

叙上のように本考案は、下パットの面積を大きくすることによって、患者の粗 相が上パットに及ばないようにし、粗相による上パットをも交換する必要をなく すと共に、敷布団を敷く前には敷テープを所定の位置に敷けばよいので、敷布団 を敷く前の作業が簡略化され、その作業の容易化が図れる。

【００２９】 又、上パットと下パットは面ファスナー等の着脱手段で接合され、且つこの着 脱手段の一方が設けられているテープは、敷布団の下に敷かれた敷テープの面フ ァスナー等の着脱手段で固定されており、且つ上パットの頭側、下パットの足側 は敷布団の下側に折り込まれた布と各パットとを紐等の結着手段で止着されてい るので、患者の寝返り等で皺になったり、ずれることがない。

【００３０】 更に、患者の粗相で下パットの交換を行う際に、患者の看護を行う看護人が前 述のような手段で行えば看護人一人でその作業を行うことができ、看護人の数を 増やしたり、或いは非常に困難な作業となることがない等の利点を有するもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の斜面図である。

【図２】同上の敷布団上に敷いた状態を示す斜面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 敷布団 １ 上マット ２ 下マット ３ テープ ４ 布 ５ 敷テープ １４ 面ファスナー １５ 紐 １６ 面ファスナー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に対して上パットをやや短く、
   下パットをやや長くし、接合することにより敷布団と略
   同寸に形成されたパット本体と、前記上パットあるいは
   下パットの接合側の下面に突出して取り付けられたテー
   プと、該テープおよび該テープと重ね合わされる上パッ
   トあるいは下パットの接合面に固定された面ファスナー
   等の着脱手段と、前記上パットと下パットの前記接合側
   とは反対側に逢着された布と、該布の左右両側と前記上
   パットと下パットの下面に逢着された紐等の結着手段
   と、前記テープの左右両端と敷布団の下面に敷かれる敷
   テープの左右両端とに固定された面ファスナー等の着脱
   手段とから構成したことを特徴とする敷布団用保護パッ
   ト。