JPH0733940U - スナップファスナー取付機 - Google Patents

スナップファスナー取付機

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JPH0733940U
JPH0733940U JP6841793U JP6841793U JPH0733940U JP H0733940 U JPH0733940 U JP H0733940U JP 6841793 U JP6841793 U JP 6841793U JP 6841793 U JP6841793 U JP 6841793U JP H0733940 U JPH0733940 U JP H0733940U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓性膜体の厚さに応じてカシメパンチを交
換するといった時間のかかる煩わしい作業を行わなくて
も、厚さの異なる可撓性膜体に対するスナップファスナ
ーの取付けを1台のスナップファスナー取付機で行える
ようにする。 【構成】 昇降自在な打込み具本体17と、打込み具本
体に対して上下方向スライド自在で且つ付勢手段18に
より下方へ付勢された筒軸状のガイドパンチ19と、そ
の内側に配置され且つ打込み具本体に対して固定された
カシメパンチ20とを備えた打込み具7と、受け具8と
の間に可撓性膜体Sを介在させた状態で打込み具を下降
させることにより、受け具で支持されたリベット部材B
と打込み具で押し下げられた嵌合部材Aとを可撓性膜体
Sを挟んだ状態にカシメ止めするスナップファスナー取
付機において、前記打込み具7を、その昇降駆動手段9
に対して上下方向スライド自在に構成し、付勢手段33
により下方へ付勢する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、雄スナップと雌スナップの組合せから成るスナップファスナーの雄 スナップ又は雌スナップを、衣服などの可撓性膜体に取り付けるためのスナップ ファスナー取付機に関し、詳しくは、雄スナップや雌スナップの構成部品である 二つの部材、つまり、リベット部材と、中央にリベット部材の突起を挿通するた めの貫通孔が形成された雄型又は雌型の嵌合部材とを、可撓性膜体の両側に配置 し、リベット部材の突起を可撓性膜体に突き刺すと共に前記嵌合部材の貫通孔に 挿通させ、その突起の先端部を打撃して拡径変形させることにより、前記リベッ ト部材と前記嵌合部材とを可撓性膜体を挟んだ状態にカシメ止めするようにした スナップファスナー取付機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リベット部材を突起が上向きになるように支持する受け具と、その上方に受け 具と対向して配置された昇降自在な打込み具と、打込み具の昇降駆動手段と、前 記受け具にリベット部材を、前記打込み具には中央にリベット部材の突起を挿通 するための貫通孔が形成された嵌合部材を夫々供給するプッシャーとを備え、前 記打込み具は、昇降自在な打込み具本体と、打込み具本体に対して上下方向スラ イド自在で且つ付勢手段により下方へ付勢された筒軸状のガイドパンチと、ガイ ドパンチの内側に配置され且つ打込み具本体に対して固定されたカシメパンチと を備え、前記受け具と前記打込み具との間に可撓性膜体を介在させた状態で、打 込み具を下降させることより、前記ガイドパンチで嵌合部材を押し下げて、リベ ット部材の突起を可撓性膜体に突き刺すと共に前記嵌合部材の貫通孔に挿通させ 、前記カシメパンチで前記突起の先端部を打撃して、前記リベット部材と前記嵌 合部材とを可撓性膜体を挟んだ状態にカシメ止めするようにしたスナップファス ナー取付機は、既に知られている。
【0003】 上記構成のスナップファスナー取付機によれば、嵌合部材とリベット部材とを プッシャーによって打込み具と受け具とに供給し、両者間に可撓性膜体を挿入位 置させた状態で、打込み具を昇降駆動手段により所定範囲にわたって駆動下降さ せると、先ず、ガイドパンチが嵌合部材を押し下げて、可撓性膜体の上からリベ ット部材の突起に押圧するので、リベット部材の突起が可撓性膜体を突き破って 嵌合部材の貫通孔に挿通される。
【0004】 そして、嵌合部材の押圧に伴ってガイドパンチに過負荷がかかると、このガイ ドパンチを相対的に上方にスライドさせつつ、つまり、ガイドパンチの下降を停 止させた状態でカシメパンチが更に下降し、当該カシメパンチが嵌合部材の貫通 孔から突出した突起の先端部を打撃して拡径変形させ、嵌合部材とリベット部材 とが可撓性膜体を挟んだ状態にカシメ止めされることになる。
【0005】 しかしながら、従来のスナップファスナー取付機では、打込み具と昇降駆動手 段とが実質的に直結されていて、カシメパンチの昇降ストロークの下限位置が一 定していたため、次のような問題点があった。
【0006】 即ち、カシメパンチの外周にある筒軸状のガイドパンチは、打込み具本体に対 して上下方向スライド自在に構成され且つ付勢手段により下方へ付勢されている ので、可撓性膜体の厚みに応じて上下にスライドすることができ、可撓性膜体の 厚みが薄い場合には、ガイドパンチが嵌合部材を低い位置まで押し下げるので、 嵌合部材の貫通孔から突き出るリベット部材の突起の突出長さが長くなり、可撓 性膜体の厚みが厚い場合には、嵌合部材が必要量下降した時点で、ガイドパンチ が前記付勢手段に抗して上方へ逃げ、リベット部材の突起の前記貫通孔からの突 出長さが短くなる。一方、カシメパンチは、可撓性膜体の厚さに関係なく、常に 昇降ストロークの下限位置まで下降して、リベット部材の突起を打撃し、突起を 押し潰すことになる。
【0007】 従って、カシメパンチの昇降ストロークの下限位置を、厚い可撓性膜体に合わ せて高く設定しておくと、薄い可撓性膜体を取付け対象とした場合には、カシメ パンチでリベット部材の突起を打撃しても、嵌合部材の貫通孔よりも上方に長く 突き出た突起の頂部が拡径変形するだけで、カシメ止めが不完全になる。これと は逆に、カシメパンチの昇降ストロークの下限位置を薄い可撓性膜体に合わせて 低く設定しておくと、厚い可撓性膜体を取付け対象とした場合には、貫通孔から 突き出た突起部分の長さが短いにもかかわらず、カシメパンチが必要以上に下降 してリベット部材の突起を打撃することになり、突起の拡径変形に伴い、嵌合部 材に貫通孔を拡大させる方向の無理な力がかかって、嵌合部材が割れてしまうこ とになる。
【0008】 このような不都合を回避するために、従来のスナップファスナー取付機では、 可撓性膜体の厚さが変わった場合、打込み具本体に固定したカシメパンチを長さ の異なるものと交換して、カシメパンチの昇降ストロークの下限位置を設定し直 す必要があった。
【0009】 殊に、スナップファスナーの取付け対象である可撓性膜体が衣服である場合、 通常、衣服のスナップファスナー取付け箇所の厚みは、一着の衣服においても、 布地が一重や二重あるいは二度折りした三枚重ねになっている部分など、各部位 で区々であるから、1台のスナップファスナー取付機によって、全てのスナップ ファスナーを均一かつ良好な状態に取り付けるためには、何度もの煩わしいパン チ交換が必要となり、作業能率が悪くなるという問題があった。
【0010】 このため、一着の衣服について、布地の厚みがほゞ同じである箇所を一つのグ ループとして、スナップファスナーの取付け箇所を複数のグループに分け、その グループ毎の布地厚さに対応させてカシメパンチの長さを設定した、つまり、ガ イドパンチの昇降ストロークの下限位置を異ならせた複数台のスナップファスナ ー取付機を用意し、衣服をこれらのスナップファスナー取付機に持ち回って、ス ナップファスナーの取付け作業を分担して行うこともあるが、これによる場合は 、複数台のスナップファスナー取付機と、そのための広い設置場所とを要するこ とから、スナップファスナーの取付けコストが高く付くという問題があった。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、かかる実情に鑑みて成されたものであって、その目的とするところ は、可撓性膜体の厚さに応じてカシメパンチを交換するといった時間のかかる煩 わしい作業を行わなくても、厚さの異なる可撓性膜体に対するスナップファスナ ーの取付けを1台のスナップファスナー取付機で行えるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本考案は、リベット部材を突起が上向きになるよ うに支持する受け具と、その上方に受け具と対向して配置された昇降自在な打込 み具と、打込み具の昇降駆動手段と、前記受け具にリベット部材を、前記打込み 具には中央にリベット部材の突起を挿通するための貫通孔が形成された嵌合部材 を夫々供給するプッシャーとを備え、前記打込み具は、昇降自在な打込み具本体 と、打込み具本体に対して上下方向スライド自在で且つ付勢手段により下方へ付 勢された筒軸状のガイドパンチと、ガイドパンチの内側に配置され且つ打込み具 本体に対して固定されたカシメパンチとを備え、前記受け具と前記打込み具との 間に可撓性膜体を介在させた状態で打込み具を下降させることより、前記ガイド パンチで嵌合部材を押し下げて、リベット部材の突起を可撓性膜体に突き刺すと 共に前記嵌合部材の貫通孔に挿通させ、前記カシメパンチで前記突起の先端部を 打撃して、前記リベット部材と前記嵌合部材とを可撓性膜体を挟んだ状態にカシ メ止めするようにしたスナップファスナー取付機において、前記打込み具を前記 昇降駆動手段に対して上下方向スライド自在に構成し、付勢手段により下方へ付 勢したことを特徴としている。
【0013】
【作用】
上記の構成によれば、ガイドパンチが打込み具本体に対して上下方向スライド 自在で且つ付勢手段により下方へ付勢されているので、スナップファスナーの取 付け対象である可撓性膜体の厚さに応じて、ガイドパンチに作用する負荷(ガイ ドパンチの下降に対する抵抗)が変わることにより、ガイドパンチの昇降ストロ ークの下限位置が変化して、嵌合部材の貫通孔から突き出るリベット部材の突起 の突出長さが変化する。
【0014】 嵌合部材の貫通孔から突き出た突起部分は、打込み具本体と一体に下降する内 側のカシメパンチで打撃され、拡径変形されるが、嵌合部材の貫通孔から突き出 る突起部分が長い程、貫通孔の孔壁による拘束が少ないので、カシメパンチによ る突起の押し潰し(拡径変形)が軽い力で行われ、貫通孔から突き出る突起部分 が短いと、周囲が貫通孔の孔壁で拘束されて変形しにくいので、カシメパンチに よる突起の押し潰しに大きな力が必要となる。つまり、可撓性膜体の厚みが厚く て、貫通孔から突き出る突起部分が短くなる場合には、突起を押し潰す際のカシ メパンチに作用する負荷(カシメパンチの下降に対する抵抗)が大きくなる。
【0015】 打込み具は昇降駆動手段に対して上下方向スライド自在に構成され、且つ、付 勢手段により下方へ付勢されているので、突起を押し潰す際のカシメパンチに作 用する負荷が大きくなると、昇降駆動手段が下降の駆動力を打込み具本体に付与 するにも拘らず、この昇降駆動手段に対して打込み具本体が、延いてはカシメパ ンチが、前記付勢手段による付勢力に抗して相対的に上方へスライドし、カシメ パンチの昇降ストロークの下限位置が自動的に引き上げられることになる。
【0016】 その結果、可撓性膜体の厚さに関係なく、常に、貫通孔から突き出た突起部分 だけがカシメパンチによって押し潰されることになる。
【0017】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1、図2はスナップファ スナー取付機の全体を示し、図3〜図6はスナップファスナー取付機の要部を示 す。これらの図において、1は多数の雄型(又は雌型)の嵌合部材Aを収納する ホッパー、2は多数のリベット部材Bを収納するホッパーである。これらのホッ パー1,2は、自立可能なフレーム3の上部側に、左右方向に相対峙させて設け られている。Sは取付け対象である衣服等の可撓性膜体である。
【0018】 尚、前記嵌合部材A及びリベット部材Bは、何れも合成樹脂製であり、リベッ ト部材Bは、円板状の頭部aと、その裏面中央部から突出した先鋭な突起bとか ら構成されている。嵌合部材Aは、スナップ作用を行うための雄型(又は雌型) の嵌合部cを有し、その中央部には前記突起bを挿通するための貫通孔dが形成 されている。
【0019】 4,5はホッパー1,2の回転に伴って一定姿勢に整えられた嵌合部材Aとリ ベット部材Bを取り出すシュートである。上部側のシュート4の先端部分には、 嵌合部材Aの送り出し溝eが前後方向に形成され、下部側のシュート5の先端部 には、リベット部材Bの送り出し溝fを形成したガイドレール6が前後方向に設 けられている。
【0020】 前記送り出し溝e,fの前方には、昇降自在な打込み具7と、リベット部材B を突起bが上向きになるように支持する受け具8とが、上下に相対向して設けら れている。9は打込み具7の昇降駆動手段、10は、打込み具7に嵌合部材Aを 、受け具8にはリベット部材Bを夫々供給する上下2段のアーム10a,10b を備えたプッシャーであり、打込み具7の昇降に同期して前後方向に往復移動す るようになっている。そして、プッシャー10が後方へ移動することにより、前 記シュート4,5内の嵌合部材Aとリベット部材Bとが、夫々、1個ずつ前記送 り出し溝e,fに供給され、プッシャー10が前方へ移動することにより、前記 嵌合部材Aとリベット部材Bが送り出し溝e,f内を移動して、夫々、送り出し 溝e,fの端部から打込み具7と受け具8に送り込まれるようになっている。1 1はプッシャー10の駆動機構である。
【0021】 前記受け具8は、フレーム3に対して固定された受け台12と、受け台12に 載置されたリベット部材Bの頭部aを両側から保持する開閉自在な一対の保持金 具13a,13bと、保持金具13a,13bを閉じ方向に付勢するバネ14と を備えている。保持金具13a,13bの下端側は、図外の駆動系により打込み 具7の昇降と同期して上下方向に移動する可動枠15に連結されている。そして 、保持金具13a,13bの上端側は、可動枠15の下降に伴い、受け台12に 対して下降しつつバネ14に抗して開動するようになっている。
【0022】 前記打込み具7は、ガイド部材16に沿って昇降自在な打込み具本体17と、 打込み具本体17の下端に、打込み具本体17に対して一定範囲内で上下方向ス ライド自在に構成され且つコイルスプリングより成る付勢手段18により下方へ 付勢された筒軸状のガイドパンチ19と、ガイドパンチ19の内側に配置され且 つ打込み具本体17に対して固定されたカシメパンチ20と、打込み具本体17 の前面に打込み具本体17に対して上下移動自在に設けられた開閉自在な一対の 保持金具21a,21bと、保持金具21a,21bを閉じ方向に付勢するバネ 22とを備えており、打込み具本体17の上端部には、矩形の開口部gが形成さ れたコンロッド23が前後方向の支軸24を介して揺動自在に連結されている。 25はガイドパンチ19の抜止めピン、26はカシメパンチ20のセットビスで ある。カシメパンチ20の下端面(打撃面)の中央部には略円錐状の窪みが形成 されており、カシメパンチ20が下降した際、この窪みにリベット部材Bの突起 bの先端が嵌まり込んで位置決めされ、この状態で、カシメパンチ20による突 起bの押し潰しが行われるようになっている。
【0023】 前記昇降駆動手段9は、中心部にピン孔27が形成されたスライドブロック2 8を前記開口部g内において上下方向スライド自在に設け、モーター29の出力 により図外の一回転クラッチを介して回転駆動される回転軸30に設けたクラン クピン31を、前記スライドブロック28のピン孔27に回転自在に挿通して構 成してある。32は前記一回転クラッチを接続操作するためのペダルである。
【0024】 前記打込み具7は、前記昇降駆動手段9に対して、前記開口部gとスライドブ ロック28との隙間Lの範囲内で、上下方向スライド自在に構成されており、前 記付勢手段18よりも付勢力の大きな付勢手段33によって下方へ付勢されてい る。
【0025】 前記付勢手段33は、図3、図5、図6に示すように、コンロッド23の上部 に孔34を形成すると共に、この孔34と同芯状のネジ孔35を前記スライドブ ロック28の上部に形成し、段付きネジ部材36の下部側の小径ネジ部hを、前 記孔34を通して前記ネジ孔35にネジ込むと共に、廻り止めピン37で小径ネ ジ部hの廻り止めを行い、更に、上下の向きを互いに異ならせた複数枚の皿バネ 38を前記ネジ部材36に套嵌すると共に、このネジ部材36の上端部に座金3 9を介して皿バネ押圧用のナット40を螺着して構成したものである。
【0026】 尚、付勢手段33などはカバー(図2を参照)41によって覆われている。ま た、前記小径ネジ部hに臨む皿バネ38の水平移動を防止するために、下部側の 所定範囲における皿バネ38に筒体42を套嵌しているが、前記皿バネ38はコ イルスプリングなどに変更可能である。皿バネ38の代わりにコイルスプリング を用いる場合は、上記の筒体42を省略することができる。
【0027】 次に、上記構成のスナップファスナー取付機の作用を説明する。 図4、図7に示すように、受け具8と打込み具7との間に可撓性膜体Sを介在 させた状態で、前記ペダル32を踏むと、打込み具7が下降し、図8の(イ)に 示すように、保持金具21a,21bが適当なタイミングで開動すると同時に、 ガイドパンチ19が嵌合部材Aを押し下げて、可撓性膜体Sの上からリベット部 材Bに押圧するので、リベット部材Bの突起bが可撓性膜体Sを突き破って、前 記嵌合部材Aの貫通孔dに挿入される。
【0028】 この場合、ガイドパンチ19は、打込み具本体17に対して上下方向スライド 自在に構成され且つ付勢手段18により下方へ付勢されているので、可撓性膜体 Sの厚さに応じて、ガイドパンチ19に作用する負荷(ガイドパンチ19の下降 に対する抵抗)が変わることにより、ガイドパンチ19の昇降ストロークの下限 位置が変化して、嵌合部材Aの貫通孔dから突き出るリベット部材Bの突起bの 突出長さが変化することになる。例えば、図8の(イ)に示すように、可撓性膜 体Sが1枚である場合は、嵌合部材Aが低い位置まで押し下げられるから、貫通 孔dから突き出る突起部分の長さが長いが、図9の(イ)に示すように、3枚の 可撓性膜体Sを重ね合わせた部位にスナップファスナーを取り付ける場合は、ガ イドパンチ19が付勢手段18に抗して上方へ逃げるので、貫通孔dから突き出 る突起部分の長さが短くなる。
【0029】 しかる後、打込み具本体17の下降につれてカシメパンチ20が更に下降し、 図8の(ロ)に示すように、カシメパンチ20で前記突起bの先端部を打撃して 拡径変形させることより、嵌合部材Aとリベット部材Bとが、可撓性膜体Sを挟 んだ状態にカシメ止めされる。
【0030】 この場合、カシメパンチ20は打込み具本体17と一体に下降するが、打込み 具7が、昇降駆動手段9に対して、前記隙間Lの範囲内で、上下方向スライド自 在に構成されており、且つ、前記付勢手段33によって下方へ付勢されているの で、突起bを押し潰す際のカシメパンチ20に作用する負荷(カシメパンチ20 の下降に対する抵抗)に応じてカシメパンチ20が相対的に上方へスライドし、 カシメパンチ20の昇降ストロークの下限位置が変化することになる。
【0031】 従って、可撓性膜体Sの厚さに関係なく、常に、貫通孔dから突き出た突起部 分だけがカシメパンチ20によって押し潰されることになり、嵌合部材Aの割れ やカシメ不良の発生を防止できる。
【0032】 即ち、カシメパンチ20がリベット部材Bの突起bの先端部を打撃した際、嵌 合部材Aの貫通孔dから突き出る突起部分が長い程、貫通孔dの孔壁による拘束 が少ないので、カシメパンチ20による突起bの押し潰し(拡径変形)が軽い力 で行われ、貫通孔dから突き出る突起部分が短いと、周囲が貫通孔dの孔壁で拘 束されて変形しにくいので、カシメパンチ20による突起3の押し潰しに大きな 力が必要となるが、突起bを押し潰す際のカシメパンチ20に作用する負荷に応 じてカシメパンチ20の昇降ストロークの下限位置が変化するので、例えば、図 8の(ロ)に示すように、可撓性膜体Sが1枚であっても、図9の(ロ)に示す ように、可撓性膜体Sが3枚重ねにされていても、常に、貫通孔dから突き出た 突起部分だけがカシメパンチ20によって押し潰されることになり、可撓性膜体 Sの厚さが変わっても、カシメパンチ20を長さの異なるものと交換する必要が ない。
【0033】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、可撓性膜体の厚さに応じて、嵌合部材 の貫通孔から突き出るリベット部材の突起の突出長さが変化しても、貫通孔から 突き出た突起部分だけをカシメパンチで押し潰すことができるので、嵌合部材の 割れやカシメ不良の発生を防止できる。 従って、可撓性膜体の厚さに応じてカシメパンチを交換するといった時間のか かる煩わしい作業を行わなくても、厚さの異なる可撓性膜体に対するスナップフ ァスナーの取付けを1台のスナップファスナー取付機で行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スナップファスナー取付機の正面図である。
【図2】スナップファスナー取付機の側面図である。
【図3】要部の分解斜視図である。
【図4】一部を破断して示した要部の側面図である。
【図5】一部を破断して示した要部の正面図である。
【図6】一部を破断して示した要部の側面図である。
【図7】作用の説明図である。
【図8】作用の説明図である。
【図9】作用の説明図である。
【符号の説明】
7…打込み具、8…受け具、9…昇降駆動手段、10…
プッシャー、17…打込み具本体、18…付勢手段、1
9…ガイドパンチ、20…カシメパンチ、33…付勢手
段、A…嵌合部材、B…リベット部材、S…可撓性膜
体、b…突起、d…貫通孔。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リベット部材を突起が上向きになるよう
    に支持する受け具と、その上方に受け具と対向して配置
    された昇降自在な打込み具と、打込み具の昇降駆動手段
    と、前記受け具にリベット部材を、前記打込み具には中
    央にリベット部材の突起を挿通するための貫通孔が形成
    された嵌合部材を夫々供給するプッシャーとを備え、前
    記打込み具は、昇降自在な打込み具本体と、打込み具本
    体に対して上下方向スライド自在で且つ付勢手段により
    下方へ付勢された筒軸状のガイドパンチと、ガイドパン
    チの内側に配置され且つ打込み具本体に対して固定され
    たカシメパンチとを備え、前記受け具と前記打込み具と
    の間に可撓性膜体を介在させた状態で打込み具を下降さ
    せることより、前記ガイドパンチで嵌合部材を押し下げ
    て、リベット部材の突起を可撓性膜体に突き刺すと共に
    嵌合部材の貫通孔に挿通させ、前記カシメパンチで前記
    突起の先端部を打撃して、前記リベット部材と前記嵌合
    部材とを可撓性膜体を挟んだ状態にカシメ止めするよう
    にしたスナップファスナー取付機において、前記打込み
    具を前記昇降駆動手段に対して上下方向スライド自在に
    構成し、付勢手段により下方へ付勢したことを特徴とす
    るスナップファスナー取付機。
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