JPH0733758B2 - 穿孔ロツドのクランプ・回転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、穿孔機、小口径管推進機、アンカー折込機等
で使用される穿孔ロツドのクランプ・回転装置に関する
ものである。

（従来の技術） アンカー孔のボーリングに使用される穿孔機について従
来例を説明すると、第７図に示すようにスライド台
（ｓ）上に配設されフイード用モータ（ｇ）によりチエ
ン（ｈ）を介して前後スライドされる穿孔機の本体
（ａ）、本体（ａ）内に回転可能に配設されたロツド貫
通孔（b₁）を備えた回転筒（ｂ）、回転筒（ｂ）内に配
設されたスリーブ（ｃ）、回転筒（ｂ）に装着された固
定用ボルト（ｄ）、本体（ａ）に装着された油圧または
電動モータ（ｅ）、電動モータ（ｅ）によって駆動され
回転筒（ｂ）のギヤに噛合した駆動ギヤ（ｆ）等からな
り、固定用ボルト（ｄ）によりスリーブ（ｃ）をロツド
貫通孔（b₁）内の穿孔ロツド（ｒ）に締付け圧着してク
ランプし、該穿孔ロツド（ｒ）は、電動（または油圧）
モータ（ｅ）により駆動ギヤ（ｆ）、回転筒（ｂ）、ス
リーブ（ｃ）を介して回転され、フイード用モータ
（ｇ）によりチエン（ｃ）、本体（ａ）、回転筒
（ｂ）、スリーブ（ｃ）を介して前後動されて壁面
（ｊ）等を穿孔し、穿孔ロツドのクランプ、回転および
フイードを兼ねた装置になつており、穿孔ロツド（ｒ）
の円形外周面とスリーブ（ｃ）の内面間の締付け圧着に
よる摩擦力によって、穿孔ロツドに回転力とフイード力
を伝達する構造になっている。

（発明が解決しようとする課題） 従来の前記穿孔機は、穿孔ロツドとスリーブの締付け圧
着面が周方向および軸方向に滑り易い構造になつている
とともに、該圧着面の摩擦力によって回転力とフイード
力を伝達するため、穿孔時に加わる大きい回転トルク
や、ボーリング孔へのロツド押込みまたは引抜時の大き
い反力によって、摩擦力の不足により前記圧着面に滑り
が生じ作業に支障を来す場合があり、滑り防止のために
固定用ボルトを締め過ぎると、穿孔ロツドとスリーブの
圧着面が変形したり、固着状態になるなどの恐れがあ
る。

本発明は、前記のような課題に対処するために開発され
たものであって、その目的とする処は、スイベルブロツ
ク内に嵌挿され回転駆動されるロツド貫通孔を備えた回
転体に、穿孔ロツドのクランプ機構と回転機構を個別に
設け、該各機構の作動信頼性を高めることにより、穿孔
性能、能率を向上した穿孔ロツドのクランプ・回転装置
を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本発明は、スイベルブロツク内に嵌装され回転駆動され
るロツド貫通孔を備えた回転体と、該回転体内に設けた
シリンダに嵌装され摺動されるテーパ面付きピストン
と、前記回転体の切欠部内に嵌装され前記ピストンのテ
ーパ面によって径方向に作動されロツド貫通孔内の穿孔
ロツドの凹テーパ溝に嵌合するクランププレートと、前
記回転体に装着され前記穿孔ロツドを摺動のみ自在に嵌
装するソケツトを具備した構成に特徴を有し、回転体内
のシリンダに嵌装したピストンのテーパ面によってクラ
ンププレートを穿孔ロツドの凹テーパ溝に嵌合すること
によって、そのクサビ作用により穿孔ロツドをクランプ
し、回転体によりソケツトを介して穿孔ロツドを回転駆
動し、クランププレートによってフイード力のみを伝達
し、ソケツトによって回転力のみを伝達する。

（作 用） 回転体内に設けたシリンダ内のピストンを作動すると、
該ピストンのテーパ面によるクサビ作用によりクランプ
プレートが径方向に移動され穿孔ロツドの凹テーパ溝に
嵌合してクランプし、回転体、ピストン、クランププレ
ートおよび穿孔ロツドの一体の回転で該嵌合部に回転力
がかからず、信頼性のある優れたフイード力の伝達性能
が得られるとともに、回転体によりソケツトを介して穿
孔ロツドが回転され、ソケツトと穿孔ロツドは摺動のみ
自在であってフイード力がかからず、信頼性のある優れ
た回転力の伝達性が得られて、穿孔作業が円滑に遂行さ
れる。

（実施例） 第１図ないし第６図に本発明の一実施例を示し、図中
（１）は横断多角形状に形成され適宜間隔をおき複数の
凹テーパ溝（1a）が設けられている穿孔ロツド、（２）
はスイベルブロツクであって、該スイベルブロツク
（２）は、スライド台（ｓ）上に摺動可能に装着されフ
イード用モータ（ｇ）によりチエン（ｈ）を介して前後
方向にスライドされ、スイベルブロツク（２）内に嵌装
され回転駆動されるロツド貫通孔（3a）を備えた回転体
（3,7）と、回転体（3,7）内に設けたシリンダ（10）に
嵌装され摺動されるテーパ（11a）付きピストン（11）
と、回転体（3,7）の切欠部（3d）内に嵌装されピスト
ン（11）のテーパ面（11a）によって径方向に移動され
ロツド貫通孔（3a）内の穿孔ロツド（１）の凹テーパ溝
（1a）に嵌合するクランププレート（15）と、回転体
（3,7）に装着され穿孔ロツド（１）を摺動のみ自在に
嵌装するソケツト（16）を具備した穿孔ロツドのクラン
プ・回転装置になっている。

前記回転体（3,7）は、スイベルブロツク（２）に回転
可能に嵌装されたボルト（５）で取付けられたエンドプ
レート（４）で抜止めされ中心部にロツド貫通孔（3a）
を備えたインナケース（３）（段付の中空円筒形）と、
インナケース（３）にスプライン係合（4a）されボルト
（６）で固着されたアウタケース（７）（円筒形）から
なり、スイベルブロツク（２）に装着された油圧または
電動モータ（８）の出力ギヤ（９）がインナケース
（３）のギヤ（3c）に噛合し、電動モータ（８）により
出力ギヤ（９）、ギヤ（3c）を介して回転駆動される。
図中（19）は回転体の回転用スライドワツシヤである。

回転体（3,7）内にはシリンダ（10）が形成され、同シ
リンダ（10）内にテーパ（11a）付きのピストン（11）
が摺動可能に嵌装され（12はＯリング）、シリンダ（1
0）の前，後室に油路（13a）（13b）を介してポート（1
4a）（14b）が連設され、図示省略した油圧供給源から
油圧配管を介してポート（14a）または（14b）に作動油
が給、排されて、ピストン（11）が往復駆動される。

前記インナケース（３）には、第1,2,3図に示すように
複数の径方向切欠部（3d）が設けられ、各切欠部（3d）
にクランプレート（15）が径方向移動自在に嵌装され
て、クランププレート（15）の外周側テーパ面（15a）
がピストン（11）のテーパ面（11a）に対接され、内周
側テーパ面（15b）が穿孔ロツド（１）の凹テーパ溝（1
a）に嵌合する対称形状になっており、ピストン（11）
が突出作動されると、そのテーパ面（11a）によって各
クランププレート（15）が中心側へ移動され、内周側テ
ーパ面（15b）が凹テーパ溝（1a）に嵌合してクランプ
し、穿孔ロツド（１）の軸方向移動が阻止される。

さらに、インナケース（３）の図示左端側にはスプライ
ン係合（4a）によってソケツト（16）が嵌着され、アウ
タケース（７）の左端側にボルト（18）で取付けられた
エンドプレート（17）で抜け止めされており、第４図ま
たは第５図に示すように該ソケツト（16）の内孔（16
a）は穿孔ロツド（１）断面多角形状（第４図は六角
形、第５図は二面加工形）に対称な形状とし、ソケツト
（16）に対して穿孔ロツド（１）は摺動のみ自在とな
り、一体に回転される。図中（16b）はスプライン係合
の歯である。

本発明の実施例は、前記のような構成になっており作用
について詳述すると、回転対（3,7）はロツド貫通孔（3
a）内に穿孔ロツド（１）を貫通し、ポート（14a）から
油路（13a）を経てシリンダ（10）内に作動油を供給し
他室側の作動油を排出すると、ピストン（11）が図示左
方へ突出しそのテーパ面（11a）で各クランププレート
（15）が中心側へ作動され、その内周側テーパ面（11
b）部が穿孔ロツド（１）の凹テーパ溝（1a）内に嵌合
し、クサビ作用によって穿孔ロツド（１）の軸方向移動
が確実に阻止され、穿孔ロツド（１）を前後動する優れ
たフイード力の伝達性が得られる。

油圧または電動モータ（８）により出力ギヤ（９）、ギ
ヤ（3c）を介して回転体（3,7）が所定の減速比で回転
駆動され、ソケツト（16）が回転体とともに回転し穿孔
ロツド（１）に回転伝達するとともに、フイード用モー
タ（ｇ）によりチエン（ｈ）、スイベルブロツク
（２）、回転体（3,7）、各クランププレート（15）を
介して穿孔ロツド（１）が前後動、即ちフイードされ
て、壁面等を穿孔する。

各クランププレート（15）は、穿孔ロツド（１）にフイ
ード力のみを伝達し、回転体（3,7），各クランププレ
ート（15）および穿孔ロツド（１）が一体になって回転
するため回転トルクがかからず、クサビ作用と相まって
滑りが生じない信頼性の高いフイード力の伝達特性を有
し、また、ソケツト（16）は、回転体（3,7）と一体と
なり、穿孔ロツド（１）とは回転方向の滑りが生じない
構造になっていて優れた回転力の伝達性能を有し、軸方
向の摺動は自在になっているためフイード力がかからず
信頼性が高められている。

穿孔ロツド（１）の解放時は、ポート（14b）から油路
（13b）を経て作動油を供給しピストン（11）を図示右
側へ後退させると、各クランププレート（15）が外方へ
移動自在となり、テーパ面により穿孔ロツド（１）が容
易に摺動可能になって解放され（第３図参照）。回転体
（3,7）に対し穿孔ロツド（１）を摺動し他の凹テーパ
溝（1a）にクランププレート（15）を嵌合することによ
り、穿孔ロツド（１）が順次に延長、または短縮され、
本体の前後移動と相まって、穿孔ロツド（１）の押込
み、引抜きが容易、迅速に行われ穿孔作業、または引抜
作業が能率よく遂行される。

前記クランププレート（15）は、必要に応じて増減可能
であり、また、穿孔ロツド（１）の断面外周形状、ソケ
ツト（16）の内孔形状は、六角形、四角形、二面幅付き
丸穴等によることができ、フイード用モータ（ｇ）に代
えて推進シリンダの使用も可能である。

（発明の効果） 本発明は、前述のような構成よりなり、回転体内のシリ
ンダに嵌装されているピストンのテーパ面によって、ク
ランププレートがクサビ作用によりロツド貫通孔内の穿
孔ロツドの凹テーパ溝に嵌合され、回転体、ピストン、
クランププレートおよび穿孔ロツドの一体回転によって
該部に回転トルクがかからず、信頼性のある優れたフイ
ード力の伝達特性が得られ、回転体によりソケツトを介
し穿孔ロツドに回転力が伝達されて、ソケツトと穿孔ロ
ツドの摺動によりフイード力がかからず、信頼性のある
優れた回転力の伝達性能が得られ、クランプ性能、回転
性能が著しく高められ穿孔性能、能率が向上されてい
る。

以上本発明を実施例について説明したが、勿論本発明は
このような実施例にだけ局限されるものではなく、本発
明の精神を逸脱しない範囲内で種種の設計の改変を施し
うるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第２図はク
ランププレート配設部分の断面図、第３図はクランプ解
放状態を示す要部拡大縦断面図、第４図および第５図は
ソケツトと穿孔ロツド部分の各断面図、第６図は穿孔配
置を示す全体の縦断側視図、第７図は従来例を示す縦断
側視図である。 1:穿孔ロツド、1a:凹テーパ溝 2:スイベルブロツク、3,7:回転体 10:シリンダ、11:ピストン 11a:テーパ面、15:クランププレート 16:ソケツト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スイベルブロツク内に嵌装され回転駆動さ
   れるロツド貫通孔を備えた回転体と、該回転体内に設け
   たシリンダに嵌装され摺動されるテーパ面付きピストン
   と、前記回転体の切欠部内に嵌装され前記ピストンのテ
   ーパ面によって径方向に作動されロツド貫通孔内の穿孔
   ロツドの凹テーパ溝に嵌合するクランププレートと、前
   記回転体に装着され前記穿孔ロツドを摺動のみ自在に嵌
   装するソケツトを具備したことを特徴とする穿孔ロツド
   のクランプ・回転装置。