JPH0733704A - 脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法 - Google Patents
脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法Info
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- JPH0733704A JPH0733704A JP18265693A JP18265693A JPH0733704A JP H0733704 A JPH0733704 A JP H0733704A JP 18265693 A JP18265693 A JP 18265693A JP 18265693 A JP18265693 A JP 18265693A JP H0733704 A JPH0733704 A JP H0733704A
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- lactic acid
- oxyacid
- oxy
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 希薄な乳酸水溶液にトリオクチルメチルアン
モニウムクロライドまたはトリオクチルメチルアンモニ
ウムヒドロキサイドを加えて乳酸イオンをイオン対抽出
するα−オキシ酸の濃縮方法。 【効果】 本発明によれば効率良く乳酸等のα−オキシ
酸を高純度、高濃度に濃縮することができる。
モニウムクロライドまたはトリオクチルメチルアンモニ
ウムヒドロキサイドを加えて乳酸イオンをイオン対抽出
するα−オキシ酸の濃縮方法。 【効果】 本発明によれば効率良く乳酸等のα−オキシ
酸を高純度、高濃度に濃縮することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族α−オキシ酸
(以下α−オキシ酸という)を効率的に濃縮する方法に
関する。
(以下α−オキシ酸という)を効率的に濃縮する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】α−オ
キシ酸の代表である乳酸は、食品添加物、医薬、農薬の
合成原料として多用されており、工業的にはでんぷんを
原料とする乳酸発酵により製造されている。ところで、
α−オキシ酸は1分子内にカルボキシル基とアルコール
性水酸基を有しているため、水溶液を常圧で蒸溜すると
分解し、容易に環化、二量化、さらにはポリマー生成が
おこるため、高濃度のα−オキシ酸を得ることは極めて
困難であった。
キシ酸の代表である乳酸は、食品添加物、医薬、農薬の
合成原料として多用されており、工業的にはでんぷんを
原料とする乳酸発酵により製造されている。ところで、
α−オキシ酸は1分子内にカルボキシル基とアルコール
性水酸基を有しているため、水溶液を常圧で蒸溜すると
分解し、容易に環化、二量化、さらにはポリマー生成が
おこるため、高濃度のα−オキシ酸を得ることは極めて
困難であった。
【0003】一方、反応原料として用いる場合に水溶液
のままでは反応が進行しないことが多いので、例えばエ
ステル化反応では、多量のアルコールを用いるか、ベン
ゼン等の水と共沸混合物を形成する溶媒を用いて、脱水
を行いながら反応を進行させなければならなかった(例
えば、F. A. McDermott, Organic syntheses, 2, p365-
366,1943) 。
のままでは反応が進行しないことが多いので、例えばエ
ステル化反応では、多量のアルコールを用いるか、ベン
ゼン等の水と共沸混合物を形成する溶媒を用いて、脱水
を行いながら反応を進行させなければならなかった(例
えば、F. A. McDermott, Organic syntheses, 2, p365-
366,1943) 。
【0004】このように、従来の技術は、α−オキシ酸
を製造するという技術的な課題には成功しているもの
の、濃縮、精製等の高純度化が困難なため、安価な高純
度のα−オキシ酸を供給することに問題があった。本発
明はα−オキシ酸の濃縮方法を提供する。
を製造するという技術的な課題には成功しているもの
の、濃縮、精製等の高純度化が困難なため、安価な高純
度のα−オキシ酸を供給することに問題があった。本発
明はα−オキシ酸の濃縮方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、α−オキシ酸水溶液に非水
溶性四級塩を加えてα−オキシ酸イオンをイオン対抽出
することによって、効率良く、濃縮されたα−オキシ酸
を回収することができることを見い出した。
について鋭意検討した結果、α−オキシ酸水溶液に非水
溶性四級塩を加えてα−オキシ酸イオンをイオン対抽出
することによって、効率良く、濃縮されたα−オキシ酸
を回収することができることを見い出した。
【0006】対象となるα−オキシ酸としては、グリコ
ール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸等に適用可能であるが、特に乳酸、グリセリン酸等
の常温で液体であるが沸点が高く、常圧で蒸留すると分
解する安定性が低いものに対して有効である。対象とな
るα−オキシ酸水溶液のα−オキシ酸濃度は、一般に、
5〜70wt%、好ましくは10〜50wt%である。
ール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸等に適用可能であるが、特に乳酸、グリセリン酸等
の常温で液体であるが沸点が高く、常圧で蒸留すると分
解する安定性が低いものに対して有効である。対象とな
るα−オキシ酸水溶液のα−オキシ酸濃度は、一般に、
5〜70wt%、好ましくは10〜50wt%である。
【0007】非水溶性四級塩は、非水溶性であればいか
なるものでも使用可能であるが、テトラブチルアンモニ
ウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド等の総炭素数16以上で、常温液状のものが好ま
しく、入手のしやすさから、トリオクチルメチルアンモ
ニウムクロライドが最も適している。四級塩はそのまま
用いても良いが、あらかじめ水酸化ナトリウム等のアル
カリ水溶液を2当量以上用いてイオン交換処理したトリ
オクチルメチルアンモニウムヒドロキサイドとして用い
ることは、イオン対抽出効率が上昇するため有効であ
る。
なるものでも使用可能であるが、テトラブチルアンモニ
ウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライド等の総炭素数16以上で、常温液状のものが好ま
しく、入手のしやすさから、トリオクチルメチルアンモ
ニウムクロライドが最も適している。四級塩はそのまま
用いても良いが、あらかじめ水酸化ナトリウム等のアル
カリ水溶液を2当量以上用いてイオン交換処理したトリ
オクチルメチルアンモニウムヒドロキサイドとして用い
ることは、イオン対抽出効率が上昇するため有効であ
る。
【0008】イオン対抽出は、α−オキシ酸水溶液と酸
1当量に対し0.9〜1.5当量の非水溶性四級塩とを
混合し、激しく攪拌することによって行う。このとき、
トルエン等の芳香族炭化水素類、ジイソプロピルエーテ
ル等のエーテル類のような非水溶性溶媒を加えること
は、抽出層の粘度を低下させ、抽出効率の上昇、後の取
扱いを容易にする等の効果があるので好ましい。混合
後、静置することによって水層と四級塩層が容易に分離
し、α−オキシ酸イオンを含む四級塩層を回収する。α
−オキシ酸イオンを含む四級塩層には、酸を加えて分液
することによって、下層から、容易に濃縮されたα−オ
キシ酸を回収することができる。
1当量に対し0.9〜1.5当量の非水溶性四級塩とを
混合し、激しく攪拌することによって行う。このとき、
トルエン等の芳香族炭化水素類、ジイソプロピルエーテ
ル等のエーテル類のような非水溶性溶媒を加えること
は、抽出層の粘度を低下させ、抽出効率の上昇、後の取
扱いを容易にする等の効果があるので好ましい。混合
後、静置することによって水層と四級塩層が容易に分離
し、α−オキシ酸イオンを含む四級塩層を回収する。α
−オキシ酸イオンを含む四級塩層には、酸を加えて分液
することによって、下層から、容易に濃縮されたα−オ
キシ酸を回収することができる。
【0009】酸は、α−オキシ酸イオンを四級塩からの
脱離させるために用いるものである。したがって添加量
はα−オキシ酸イオンに対して当量以上必要である。用
いる酸は、硫酸のような鉱酸が好ましい。
脱離させるために用いるものである。したがって添加量
はα−オキシ酸イオンに対して当量以上必要である。用
いる酸は、硫酸のような鉱酸が好ましい。
【0010】
実施例1 50%乳酸水溶液179g(1.0モル)とトリオクチ
ルメチルアンモニウムクロライド400g(1.0モ
ル)を、分液ロート(2L)に投入し、激しく混合し
た。このものを2時間静置後、上層のトリオクチルメチ
ルアンモニウム層を回収した。下層である水層130g
を液体クロマトグラフィーで分析したところ、投入した
乳酸の91%がトリオクチルメチルアンモニウム層に移
動していることが確認された。得られたトリオクチルメ
チルアンモニウム層440gを水16gとともにフラス
コに投入し、硫酸50g(0.5モル)をゆっくり滴下
した。硫酸を滴下後、内容物を分液ロートに投入し、分
液したところ、下層から85%乳酸水溶液100gを回
収した。
ルメチルアンモニウムクロライド400g(1.0モ
ル)を、分液ロート(2L)に投入し、激しく混合し
た。このものを2時間静置後、上層のトリオクチルメチ
ルアンモニウム層を回収した。下層である水層130g
を液体クロマトグラフィーで分析したところ、投入した
乳酸の91%がトリオクチルメチルアンモニウム層に移
動していることが確認された。得られたトリオクチルメ
チルアンモニウム層440gを水16gとともにフラス
コに投入し、硫酸50g(0.5モル)をゆっくり滴下
した。硫酸を滴下後、内容物を分液ロートに投入し、分
液したところ、下層から85%乳酸水溶液100gを回
収した。
【0011】実施例2 実施例1に記載のトリオクチルメチルアンモニウムクロ
ライドを、あらかじめ1N水酸化ナトリウム水溶液2L
で処理した以外は、実施例1と同様な操作を行った。2
時間静置後、上層のトリオクチルメチルアンモニウム層
を回収した。水層140gを分析したところ、投入した
乳酸の93%がトリオクチルメチルアンモニウム層に移
動していることを確認した。これに硫酸を滴下後、分液
によって85%乳酸水溶液100gを得た。
ライドを、あらかじめ1N水酸化ナトリウム水溶液2L
で処理した以外は、実施例1と同様な操作を行った。2
時間静置後、上層のトリオクチルメチルアンモニウム層
を回収した。水層140gを分析したところ、投入した
乳酸の93%がトリオクチルメチルアンモニウム層に移
動していることを確認した。これに硫酸を滴下後、分液
によって85%乳酸水溶液100gを得た。
【0012】実施例3 実施例1に記載の50%乳酸水溶液を10%乳酸水溶液
900gに変更した以外は、実施例2と同様な操作を行
った。2時間静置後、トリオクチルメチルアンモニウム
層を回収した。水層830gを分析したところ、投入し
た乳酸の91%がトリオクチルメチルアンモニウム層に
移動していることを確認した。これに硫酸を滴下後、分
液によって85%乳酸水溶液98gを得た。
900gに変更した以外は、実施例2と同様な操作を行
った。2時間静置後、トリオクチルメチルアンモニウム
層を回収した。水層830gを分析したところ、投入し
た乳酸の91%がトリオクチルメチルアンモニウム層に
移動していることを確認した。これに硫酸を滴下後、分
液によって85%乳酸水溶液98gを得た。
【0013】比較例1 10%乳酸水溶液900g(1モル)をフラスコに投入
し、蒸留した。100℃(常圧)で水を留去したとこ
ろ、760g留去したところでフラスコ内に白色の沈殿
が観察された。蒸留を中断し、内容物をろ過した後、ろ
液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、乳酸は
0.6モルに減少していた。
し、蒸留した。100℃(常圧)で水を留去したとこ
ろ、760g留去したところでフラスコ内に白色の沈殿
が観察された。蒸留を中断し、内容物をろ過した後、ろ
液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、乳酸は
0.6モルに減少していた。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、効率良
く、α−オキシ酸を高純度、高濃度に濃縮することがで
きる。
く、α−オキシ酸を高純度、高濃度に濃縮することがで
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 脂肪族α−オキシ酸水溶液に非水溶性四
級塩を加えてα−オキシ酸イオンをイオン対抽出するこ
とを特徴とする脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法。 - 【請求項2】 脂肪族α−オキシ酸が乳酸であり、非水
溶性四級塩がトリオクチルメチルアンモニウムクロライ
ドである請求項1の濃縮方法。 - 【請求項3】 脂肪族α−オキシ酸が乳酸であり、非水
溶性四級塩がトリオクチルメチルアンモニウムヒドロキ
サイドである請求項1の濃縮方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18265693A JPH0733704A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18265693A JPH0733704A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733704A true JPH0733704A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16122140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18265693A Pending JPH0733704A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 脂肪族α−オキシ酸の濃縮方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0733704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7332085B2 (en) | 2000-09-15 | 2008-02-19 | Purac Biochem B.V. | Method for the purification of an α-hydroxy acid on an industrial scale |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP18265693A patent/JPH0733704A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7332085B2 (en) | 2000-09-15 | 2008-02-19 | Purac Biochem B.V. | Method for the purification of an α-hydroxy acid on an industrial scale |
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