JPH07336971A - 誘導電動機及びその運転制御装置 - Google Patents

誘導電動機及びその運転制御装置

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JPH07336971A
JPH07336971A JP6131511A JP13151194A JPH07336971A JP H07336971 A JPH07336971 A JP H07336971A JP 6131511 A JP6131511 A JP 6131511A JP 13151194 A JP13151194 A JP 13151194A JP H07336971 A JPH07336971 A JP H07336971A
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phase
induction motor
inverter
winding
control device
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JP6131511A
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English (en)
Inventor
Isao Matsuda
功 松田
Takayuki Mizuno
孝行 水野
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機及びインバータの体格を増すことな
く、またトルクショックを起こすことの無い定出力運転
を得る。 【構成】 誘導電動機1の巻線構成を単層同心巻や2層
重ね巻の2組独立した同一結線としかつ3相で6つの引
き出し端子を持つ構成とし、インバータ制御装置4によ
る2台のインバータ2,3の制御は定出力範囲の低速域
以下では互いの出力位相を同じにした運転をし、高速域
では互いの位相を180度反転させた運転によって誘導
電動機1に対して1対2の極数変換を行い得る。これに
より、誘導電動機の最大トルク特性を高速域で高くし、
誘導電動機の体格を大きくすることなく高速域でのトル
ク不足を無くす。また、両インバータは従来の体格のも
のを分割した同等の出力容量にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機を定トルク
範囲から定出力範囲まで高範囲に可変速運転するための
巻線を備えた誘導電動機及びその運転制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機の可変速制御には、インバー
タを電源とする周波数制御が多く採用され、このときの
トルク特性は定トルク特性であり、速度の上昇に比例さ
せて供給電圧も高める。この周波数制御における回転数
−トルク特性は、図6に実線で示すように、定トルク範
囲の速度を越えた定出力範囲では、電源の電圧Vの制限
によって、周波数fの増加に反比例した1/fのカーブ
でトルクTが低下する。また同図中、破線は誘導電動機
が持つ最大トルク特性T’であり、トルク特性Tとの交
点になる周波数afより高い回転数では、最大トルク特
性T’で出力トルクが制限されることになる。aは一般
に2より大きい任意の数であるが、1以上であれば成り
立つ。
【0003】誘導電動機を定出力範囲で運転するとき、
高速域になるほどトルクが低下し、また誘導電動機の最
大トルク特性でトルクが制限され、負荷によってはトル
ク不足を招くことがある。このトルク不足を解消するた
めの従来の運転方法には以下の3つの方法が知られてい
る。
【0004】(1)誘導電動機を体格の大きいものにす
る。誘導電動機の最大トルク特性T’の大きいものを使
用することにより、図7に示すように最大トルク特性
T’に代えた最大トルク特性T”によって回転数2af
までトルク特性Tのトルクを得ることができる。
【0005】(2)インバータを体格の大きいものにす
る。インバータの出力容量を高めることにより、図8に
示すように、出力電圧をV 1 からV2 に変え、誘導電動
機の最大トルク特性にT1 ’からT1 ”を得て回転数2
afまでのトルクを保証する。
【0006】(3)電動機の巻線の結線を切り替える。
運転回転数がある範囲を越えたときに誘導電動機の巻線
切換端子とインバータとの接続を切り替えることによっ
て極数変換を行った運転をする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の運転方法におい
て、誘導電動機の体格を大きくする方法では、トルクア
ップの値として2af/af=2倍を得るためには、電
動機の体格も2倍に高くなり、装置の大形化を招く。
【0008】インバータの体格を大きくする方法では、
トルクアップをすると電圧特性の変更によりインバータ
の出力電流も増加し、インバータ自体の大形化になる。
【0009】電動機の結線切換方法では、切換スイッチ
を必要とし、また連続した可変速運転に該スイッチの切
換動作期間が運転のアイドル時間になり、切り替え時に
トルクショックを伴う問題があった。また、スイッチの
開閉寿命や故障が問題となる。
【0010】本発明の目的は、電動機及びインバータの
体格を増すことなく、またトルクショックを起こすこと
の無い定出力運転を得る巻線を備えた誘導電動機及びそ
の運転制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るため、3相で6つの引き出し端子を持つ固定子
巻線を備えた誘導電動機と、この誘導電動機の3つの端
子で構成された2組に周波数制御した3相の電流を供給
する一対のインバータと、前記誘導電動機の定出力範囲
で且つ所定回転数以下の低速運転範囲では前記両インバ
ータの出力を同相にした制御をし、該所定回転数を越え
た高速運転範囲では一方のインバータの出力位相を18
0度反転しかつ両インバータの出力周波数を前記低速逆
転範囲における制御の場合に対して略1/2にするとと
もに相回転を反転した状態で制御することのできるイン
バータ制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0012】また、本発明によるインバータ制御装置
は、前記両インバータの電圧制御信号又は電流制御信号
1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式のいずれか
に従って運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換に
インバータの位相と周波数を切換えることを特徴とす
る。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】更に本発明は、等価的に6相巻線された6
つの引き出し端子を持つ固定子巻線を備えた誘導電動機
と、この誘導電動機の前記6つの引き出し端子に周波数
制御した6相の電流を供給するインバータと、前記誘導
電動機の定出力範囲内で且つ所定回転数以下の低速運転
範囲では前記インバータの各相出力の位相を順次2π/
3ずらした低速時の制御をし、該所定回転数を越えた高
速運転範囲では前記インバータの各相出力の位相を順次
π/3ずらし、且つ周波数を前記低速時の制御をしたと
きの略1/2にする高速時の制御をするインバータ制御
装置とを備えたことを特徴とする。
【0016】また本発明によるインバータ制御装置は、
前記インバータの電圧制御信号又は電流制御信号u1
1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式のいずれかに従っ
て運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換にインバ
ータの位相と周波数を切換えることを特徴とする。
【0017】
【数7】
【0018】
【数8】
【0019】本発明は、単層同心巻された任意の極数の
巻線であって、互いに電気角で4πの間隔を有する巻線
どうしを直列又は並列に接続して6個の巻線群を形成
し、電気角で2π/3ごとに存在する巻線群を順に
1 ,v2 ,w1 ,u2 ,v1 ,w 2 相とし、u1 ,v
1 ,w1 相を第1組u2 ,v2 ,w2 相を第2組として
この第1組、第2組を同一結線とし、6本の引出し端子
を有する巻線を備えたことを特徴とする。
【0020】本発明は、単層同心巻された6個の巻線か
らなる4極の三相誘導電動機において、各巻線を順にu
1 ,v2 ,w1 ,u2 ,v1 ,w2 相とし、u1
1 ,w 1 相を第1組の三相巻線u2 ,v2 ,w2 を第
2組の三相巻線として、この第1組、第2組共同一のY
又はΔ結線とし、6本の引出し端子を有する巻線を備え
たことを特徴とする。
【0021】本発明は、磁極ピッチの1/2ピッチで二
層重ね巻きされた任意の極数の巻線であって、互いに電
気角で2πの間隔を有する巻線どうしを直列又は並列に
接続して6個の巻線群を形成し、電気角でπ/3ごとに
存在する巻線群を順にu1 ,v2 ,w1 ,u2 ,v1
2 相とし、u1 ,v1 ,w1 相を第1組u2 ,v2
2 を第2組としてこの第1組、第2組を同一結線と
し、6本の引出し端子を有する巻線を備えたことを特徴
とする。
【0022】
【作用】2台の3相インバータを用いる場合には、誘導
電動機の固定子巻線に供給する電流を、位相反転で18
0度変えることにより、また1台の6相インバータを用
いる場合には、供給電流の位相調整をすることにより、
巻線構成に1対2の極数変換を得、誘導電動機の最大ト
ルク特性を高速域で高くし、誘導電動機の体格を大きく
することなく高速域でのトルク不足を無くす。
【0023】また、本発明は、インバータの制御信号
を、振幅補正関数K1 (t),K2 (t)を持ちかつ1
/2周波数の信号を含む信号とし、運転範囲の切換には
切換時間T内に時間の経過tに従って一方の振幅補正関
数の値を1から0に変化させると共に他方の振幅補正関
数の値を0から1に変化させることによる波高値制御に
よってスムースな信号の切換を行う。また、巻線は、単
層同心巻が二層重ね巻きの2組独立した同一結線の巻線
構成とし、又は等価6相巻線としており、極数変換には
好都合となっている。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す構成図であ
る。誘導電動機1は、その固定子巻線が3相で6つの引
き出し端子U1 ,V1 ,W1 ,U2 ,V2 ,W2 を持つ
構成にされ、2台の3相インバータ2,3によって運転
される。インバータ2,3の共通の可変速インバータ制
御装置4は、速度指令と回転数の検出値とから速度制御
演算した自動速度制御系またはオープンループの速度制
御系によって両インバータ2,3の出力周波数及び電圧
を制御する。
【0025】インバータ2,3の出力容量は、従来の1
台のインバータを2台に分割した可制御電流容量に相当
するものにされる。即ち、インバータ2,3の主回路ス
イッチング素子はその可制御電流が半分の小形のものを
使用した構成、またはスイッチング素子の並列構成にな
る主回路では並列素子数を半減した構成にされる。
【0026】インバータ制御装置4は、定トルク範囲及
び定出力範囲内で且つ周波数afまでの回転数で誘導電
動機1を運転するときには、両インバータ2,3の出力
電圧位相を同相にした制御を行い、周波数afを越える
高速域で誘導電動機1を運転するときには、一方のイン
バータ3の電圧位相を180度反転させると共に、両イ
ンバータ2,3の出力周波数を1/2にして相回転を反
転する。このときの切換相の関係は以下の表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】この制御により、誘導電動機1に対し等価
的に1対2の極数変換を行い得る。即ち、インバータ
2,3を同相で運転する低速域では2巻線11 ,12
の電流方向(矢印で示す)からN,S,N,Sの4極と
なっているが、インバータ3の位相反転時には巻線12
の電流方向が破線で示すように反転し、N,Sの2極に
極数変換される。
【0029】この4極から2極への変換の際には、周波
数を1/2とすることにより、回転数は極数切換前と後
とで同じになり、滑らかに移行して高速域に入る。ま
た、極数変換により高速域では、図2に示すように、誘
導電動機の最大トルク特性T’が周波数afで2倍にな
り、このトルクから1/f2 特性で下がることで周波数
2afまで所期の運転トルクを得ることができる。
【0030】図3は、誘導電動機の4極と2極での等価
回路を示し、2極への変換では一次と二次のリアクタン
スx1 ,x2 が1/2になり、相互リアクタンスxn
77%になる。これら等価回路において、最大トルクT
mは、次式で表される。
【0031】
【数9】
【0032】この式において、高速域ではx1 ,x2
一次抵抗r1 よりも十分に大きくなることから、最大ト
ルクTmは次式で表すことができ、低速域に比べて2倍
のトルクになる。
【0033】
【数10】
【0034】図4は、本発明におけるインバータと制御
装置の構成図を示す。両インバータ2,3は、電圧形又
は電流形の3相トランジスタインバータ主回路に構成さ
れる。インバータ制御装置4は、インバータ2,3の各
相トランジスタのゲート信号を発生する。
【0035】ここで、インバータ制御装置4のゲート信
号の発生は、以下の式に従って制御される。
【0036】
【数11】
【0037】ここで、振幅補正関数K1 (t),K
2 (t)は、誘導電動機1の運転範囲の切換時に時刻t
の経過に従って1と0の範囲に調整される。これによ
り、低速運転範囲では上記各式の第1項の振幅補正関数
1 (t)が1で、第2項の振幅補正関数K2 (t)が
零になるゲート制御信号を発生する。補正関数K
1 (t),K2 (t)は、インバータ2,3の位相及び
周波数を切換えた場合の過渡現象を最小限に抑えるため
のものであり、後述する別の関数とすることもできる。
【0038】この後、高速運転範囲への切換時には時間
Tの間に関数K1 (t)を1から零に調整すると共に関
数K2 (t)を零から1に調整する。この調整により上
記各式の第1項の成分が徐々に低下すると共に第2項の
成分が徐々に増加し、時間Tの経過では第2項の成分の
みになる。
【0039】逆に、高速運転範囲から低速運転範囲への
切換時には関数K1 (t)が零から1に増加すると共に
関数K2 (t)を1から零に低下させる調整を行い、第
1項の成分に移行させる。
【0040】なお、運転範囲の切換時において、上記式
の第1項と第2項は角速度が異なるので互いの干渉を避
け、誘導電動機1に発生するトルクは第1項で発生する
分と第2項で発生する分の和になる。そして、誘導電動
機1で発生するトルクは、電圧の二乗に比例することか
ら、切換時に第1項による発生トルクと第2項による発
生トルクの和は常に一定である。つまり、切換時にも誘
導電動機1の発生トルクに変動がなく、トルクショック
の無い切換ができる。
【0041】従って、インバータ制御装置4の制御信号
発生装置としては、上記式の関数発生器を有してゲート
信号を生成する構成にしておき、運転範囲の切換には振
幅補正関数のみを制御する構成で済み、しかも運転範囲
の切換をスムースに行うことができる。
【0042】なお、図4の両インバータ2,3の形式は
電圧形に限らず、電流形のものにして同等の作用効果を
得ることができる。
【0043】またインバータ制御装置4のゲート信号の
発生は、次の式に従って制御してもよい。
【0044】
【数12】
【0045】上述した数12において、T1 ,T2 を、
低速側運転時と高速側運転時でのモータ二次時定数以上
の値としているため、インバータ2,3の位相と周波数
を切換えた場合の過渡現象を最小限に抑えることができ
る。
【0046】図5は本発明の他の実施例を示す。誘導電
動機11は、6相巻線された固定子巻線を備えており各
相巻線から引き出された6つの引き出し端子U1
1 ,W 1 ,U2 ,V2 ,W2 を持っている。この誘導
電動機11は1台の6相インバータ12により運転さ
れ、インバータ12の出力周波数及び電圧はインバータ
制御装置14により制御する。
【0047】インバータ制御装置14は、定トルク範囲
及び定出力範囲で且つ周波数afまでの回転数で誘導電
動機11を運転するときには、インバータ12の各相U
1 ,V2 ,W1 ,U2 ,V1 ,W2 の位相をこの順で2
π/3づつずらし、周波数afを越える高速域で誘導電
動機を運転するときには、インバータ12の各相U1
2 ,W1 ,U2 ,V1 ,W2 の位相をこの順でπ/3
づつずらすと共に周波数を1/2にする。この制御によ
り、誘導電動機11に対して等価的に1対2の極数変換
を行ない得る。
【0048】インバータ制御装置14のゲート信号の発
生は次に示す2つのうちのいずれを用いてもよい。
【0049】
【数13】
【0050】
【数14】
【0051】ここで、振幅補正関数K1 (t),K
2 (t)は、誘導電動機11の運転範囲の切換時に時刻
tの経過に従って1と0の範囲に調整される。これによ
り、低速運転範囲では上記各式の第1項の振幅補正関数
1 (t)が1で、第2項の振幅補正関数K2 (t)が
零になるゲート制御信号を発生する。
【0052】この後、高速運転範囲への切換時には時間
Tの間に関数K1 (t)を1から零に調整すると共に関
数K2 (t)を零から1に調整する。この調整により上
記各式の第1項の成分が徐々に低下すると共に第2項の
成分が徐々に増加し、時間Tの経過では第2項の成分の
みになる。
【0053】逆に、高速運転範囲から低速運転範囲への
切換時には関数K1 (t)が零から1に増加すると共に
関数K2 (t)を1から零に低下させる調整を行い、第
1項の成分に移行させる。
【0054】なお、運転範囲の切換時において、上記式
の第1項と第2項は角速度が異なるので互いの干渉を避
け、誘導電動機1に発生するトルクは第1項で発生する
分と第2項で発生する分の和になる。そして、誘導電動
機11で発生するトルクは、電圧の二乗に比例すること
から、切換時に第1項による発生トルクと第2項による
発生トルクの和は常に一定である。つまり、切換時にも
誘導電動機11の発生トルクに変動がなく、トルクショ
ックの無い切換ができる。
【0055】従って、インバータ制御装置14の制御信
号発生装置としては、上記式の関数発生器を有してゲー
ト信号を生成する構成にしておき、運転範囲の切換には
振幅補正関数のみを制御する構成で済み、しかも運転範
囲の切換をスムースに行うことができる。
【0056】なお、図5のインバータ12の形式は電圧
形に限らず、電流形のものにして同等の作用効果を得る
ことができる。
【0057】なお前述したインバータ制御装置4,14
では、加速時に低速運転から高速運転に切り換える回転
数も、減速時に高速運転から低速運転に切り換える回転
数も、同じafとしていたが、低速→高速に切り換える
回転数と高速→低速に切り換える回転数をずらしてヒス
テリシスを持たせるようにしてもよい。切り換え回転数
が1つであると、この回転数付近で運転するとハンチン
グ状に切り換えが発生して不安定になるおそれがある
が、ヒステリシスを備えておけば安定した運転ができ
る。
【0058】次に、上述の運転制御のための巻線につき
説明する。今までの説明の如く、巻線のモータ端子は3
相であれ6相であれ6個の端子が必要であり、巻線もこ
の数に見合って6個必要になる。すなわち、図9にて原
理を示すように6個の巻線配置を回転子の回転方向に沿
って順にu1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 相とし、
定出力運転での低速運転範囲では、図9(a)に示すよ
うにu1 ,v1 ,w1相の巻線を第1のインバータ2の
端子uvwに接続し、同様にu2 ,v2 ,w2相の巻線
を第2のインバータ3に接続する。この場合、各巻線u
1 ,v1 ,w1,u2 ,v2 ,w2 は単層同心巻か二層
重ね巻とされ、u1 ,v1 ,w1 相の第1組及びu2
2 ,w2 相の第2組それぞれΔ又はYの同一結線とさ
れている。
【0059】他方、定出力運転での高速運転範囲では、
図9(b)に示すようにu1 ,v1,w1 相の巻線を第
1のインバータ2の端子uvwに接続し、u2 ,v2
2相の巻線を第2のインバータ3の−u−v−wに接
続する。このようにインバータの相順と位相との変換に
よって低速運転範囲から高速運転範囲に4極から2極に
変わることになる。このように三相巻線を2組それぞれ
独立して配置し、このことは等価的に6相巻線ともな
り、各組に加える電圧又は電流信号を1/2周波数とし
て前掲式により変化させればトルクショックのない極数
変換が可能となる。
【0060】図10及び図11は単層同心巻の巻線例を
示すものであり、固定子のスロット数36で2極/4極
の極数変換例を示している。そして、図10ではu1
1,w1 相の第1組とu2 ,v2 ,w2 相の第2組と
をそれぞれ中性点O1 2 からなるY結線とし、図11
では上記第1組と第2組とをそれぞれΔ結線としたもの
である。
【0061】また、図12は二層重ね巻の例を示し、Y
結線の例を示している。この例でも固定スロット数36
であり、巻数は二層のため図10の2倍となり、4極/
8極の極数変換を行なうものである。この場合、巻線を
2相に分けるため高速運転範囲の巻線として見た場合、
各相同極となる巻線を直列に接続して1相とし、高速運
転範囲の電気角に2π/3の位相にある巻線を集め、2
組の三相巻線としている。更に、図13は二層重ね巻き
の例で、2極14極の極数変換を行なう例を示してい
る。ここでは、スロット数12とし電機角としてπ/3
を採るY−Y結線を示している。
【0062】以上は単層同心巻及び二層重ね巻を例示し
たのであるが、かかる巻線として種々のものが考えら
れ、条件としては次にようになる。 (1)各巻線の巻線ピッチは高速運転範囲の磁極ピッチ
に対して略1/2とする。この場合、低速運転範囲の磁
極ピッチに対して全節巻となるが、イメージポールが作
られる。 (2)2極/4極以上のモータでは、1相の巻線が2個
以上となる。この場合、高速運転範囲の電気角からみて
同一位相となる巻線は直列又は並列に接続することによ
り1相とする。 (3)各相は高速運転範囲の電気角からみて互に2π/
3の位置にある3相を第1組、残りの3相を第2組と
し、これら第1組第2組は両者共Y又はΔ結線とする。 (4)相順については1組目をu1 ,v1 ,w1 とした
とき、高速運転範囲の電気角からみてπの位置にある2
組の巻線をu2 とし残りを1組目と同じ向きv 2 ,w2
とする。
【0063】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、単層同
心巻や2層重ね巻の2組独立した同一結線の誘導電動機
の巻線構成を3相で6つの引き出 し端子を持つ構成と
したり、6相巻線で6つの端子を持つ構成とし、2台の
インバータ間の互いの位相反転の有無や6相インバータ
の位相調整によって誘導電動機に1対2の極数変換を得
るシステム構成としたため、誘導電動機の体格を大きく
することなく、またインバータの体格を大きくすること
なく、定出力範囲での運転にトルク不足を無くした運転
ができる。また、従来の巻線切換方式に比べて極数切換
がインバータの出力制御でなされることから、従来の切
換スイッチによるアイドル時間の発生や故障の問題も解
消される。
【0064】また、本発明によれば、両インバータの制
御信号を振幅補正関数K1 (t),K2 (t)を持ちか
つ1/2周波数の信号を含む信号とし、運転範囲の切換
には切換時間T内に時間の経過tに従って一方の振幅補
正関数の値を1から0に変化させると共に他方の振幅補
正関数の値を0から1に変化させることによる波高値制
御によってスムースな信号の切換を行うことができる。
【0065】また低速運転と高速運転との切り換え速度
にヒステリシスを設けておくことにより、安定した運転
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】実施例の特性図。
【図3】実施例の極数変換の等価回路図。
【図4】実施例におけるインバータと制御装置の構成
図。
【図5】本発明の他の実施例を示す構成図。
【図6】誘導電動機の回転数−トルク特性図。
【図7】従来の最大トルク特性の変更例を示す特性図。
【図8】従来のインバータ容量の変更例を示す特性図。
【図9】巻線例の原理図。
【図10】単層同心巻(Y−Y)結線図。
【図11】単層同心巻.Δ−Δ)結線図。
【図12】2層重ね巻(Y−Y)結線図。
【図13】2層重ね巻(Y−Y)結線図。
【符号の説明】 1,11 誘導電動機 2,3,12 インバータ 4,14 インバータ制御装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相で6つの引き出し端子を持つ固定子
    巻線を備えた誘導電動機と、この誘導電動機の3つの端
    子で構成された2組に周波数制御した3相の電流を供給
    する一対のインバータと、前記誘導電動機の定出力範囲
    内で且つ所定回転数以下の低速運転範囲では前記両イン
    バータの出力を同相にした制御をし、該所定回転数を越
    えた高速運転範囲では一方のインバータの出力位相を1
    80度反転しかつ両インバータの出力周波数を前記低速
    運転範囲における制御の場合に対して略1/2にすると
    ともに相回転を反転した状態で制御することのできるイ
    ンバータ制御装置とを備えたことを特徴とする誘導電動
    機の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において前記インバータ制御装
    置は、前記両インバータの電圧制御信号又は電流制御信
    号u1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式 【数1】 に従って運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換に
    両インバータの位相と周波数を切換えることを特徴とす
    る誘導電動機の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において前記インバータ制御装
    置は、前記両インバータの電圧制御信号又は電流制御信
    号u1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式 【数2】 に従って運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換に
    両インバータの位相と周波数を切換えることを特徴とす
    る誘導電動機の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 等価的に6相巻線された6つの引き出し
    端子を持つ固定子巻線を備えた誘導電動機と、この誘導
    電動機の前記6つの引き出し端子に周波数制御した6相
    の電流を供給するインバータと、前記誘導電動機の定出
    力範囲内で且つ所定回転数以下の低速運転範囲では前記
    インバータの各相出力の位相を順次2π/3ずらした低
    速時の制御をし、該所定回転数を越えた高速運転範囲で
    は前記インバータの各相出力の位相を順次π/3ずら
    し、且つ周波数を前記低速時の制御をしたときの略1/
    2にする高速時の制御をするインバータ制御装置とを備
    えたことを特徴とする誘導電動機の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において前記インバータ制御装
    置は、前記インバータの電圧制御信号又は電流制御信号
    1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式 【数3】 に従って運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換に
    前記インバータの位相と周波数を切換えることを特徴と
    する誘導電動機の運転制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において前記インバータ制御装
    置は、前記インバータの電圧制御信号又は電流制御信号
    1 ,v1 ,w1 ,u2 ,v2 ,w2 を次式 【数4】 に従って運転し、低速運転範囲と高速運転範囲の切換に
    前記インバータの位相と周波数を切換えることを特徴と
    する誘導電動機の運転制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2又は請求項3又は
    請求項4又は請求項5又は請求項6において、前記イン
    バータ制御装置は、加速する際に低速運転から高速運転
    に切り換える前記所定回転数と、減速する際に高速運転
    から低速運転に切り換える前記所定回転数とをずらして
    切換動作をすることを特徴とする誘導電動機の運転制御
    装置。
  8. 【請求項8】 単層同心巻された任意の極数の巻線であ
    って、互いに電気角で4πの間隔を有する巻線どうしを
    直列又は並列に接続して6個の巻線群を形成し、電気角
    で2π/3ごとに存在する巻線群を順にu1 ,v2 ,w
    1 ,u2 ,v 1 ,w2 相とし、u1 ,v1 ,w1 相を第
    1組u2 ,v2 ,w2 を第2組としてこの第1組、第2
    組を同一結線とし、6本の引出し端子を有する巻線を備
    えた誘導電動機。
  9. 【請求項9】 単層同心巻された6個の巻線からなる4
    極の三相誘導電動機において、各巻線を順にu1
    2 ,w1 ,u2 ,v1 ,w2 相とし、u1 ,v 1 ,w
    1 相を第1組の三相巻線u2 ,v2 ,w2 を第2組の三
    相巻線として、この第1組、第2組共同一のY又はΔ結
    線とし、6本の引出し端子を有する巻線を備えた請求項
    8記載の誘導電動機。
  10. 【請求項10】 磁極ピッチの1/2ピッチで二層重ね
    巻きされた任意の極数の巻線であって、互いに電気角で
    2πの間隔を有する巻線どうしを直列又は並列に接続し
    て6個の巻線群を形成し、電気角でπ/3ごとに存在す
    る巻線群を順にu1 ,v2 ,w1 ,u2 ,v1 ,w2
    とし、u1 ,v1 ,w1 相を第1組u 2 ,v2 ,w2
    第2組としてこの第1組、第2組を同一結線とし、6本
    の引出し端子を有する巻線を備えた誘導電動機。
  11. 【請求項11】 二層重ね巻きされた2極の巻線であっ
    て、各巻線をu1 ,v2 ,w1 ,u2 ,v1 ,w2 相と
    した請求項10記載の誘導電動機。
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