JPH07336918A - 永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ - Google Patents

永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ

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Publication number
JPH07336918A
JPH07336918A JP6125061A JP12506194A JPH07336918A JP H07336918 A JPH07336918 A JP H07336918A JP 6125061 A JP6125061 A JP 6125061A JP 12506194 A JP12506194 A JP 12506194A JP H07336918 A JPH07336918 A JP H07336918A
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JP
Japan
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rotor
permanent magnet
core
iron
stator
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Application number
JP6125061A
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English (en)
Inventor
Shigeya Tanimoto
茂也 谷本
Mayumi So
まゆみ 楚
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空隙磁束密度を極力増加することができ、こ
れにより駆動効率の向上や小形化を図ることができるよ
うにする。 【構成】 回転子鉄心30は、直交する2方向の磁化容
易方向A、Bを有する鉄板30aを多数枚積層して構成
している。回転子28における4個の永久磁石32は、
断面形状が円弧状をなし、各磁極の周方向中央部Cと回
転子28の回転中心Oとを結ぶ磁極軸Oが鉄板30aの
磁化容易方向A、Bと略一致するするように配置してい
る。回転子鉄心30にあって永久磁石32と空隙33と
の間に存する鉄心部35において、磁束が径方向にスム
ーズに流れるようになるから、永久磁石32の磁束が回
転子鉄心30から空隙33に容易に到達するようにな
り、空隙33の磁束密度の増加が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転子鉄心の内部に永
久磁石を配設して構成される回転子を備えた永久磁石形
モータ及びこの種の永久磁石形モータを搭載した冷却装
置用コンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば冷蔵庫や空調装置(エアー
コンディショナー)などのコンプレッサを駆動するモー
タとして、図23及び図24に示すような回転数の制御
が容易な永久磁石形モータが開発されている。これらの
ものは次のような構成となっている。
【0003】まず図23の永久磁石形モータ1におい
て、固定子2は、環状をなす固定子鉄心3に形成された
24個のスロット4に、固定子巻線5を挿入配置して構
成されている。回転子6は、回転軸7を回転子鉄心8の
中心部に嵌合固着し、回転子鉄心8に形成された収納部
9に、断面が円弧状をなす4個の永久磁石10を軸方向
から挿入して組み込むことによって構成されていて、固
定子鉄心3の空間部にその内周面と所定の空隙11を存
する状態で回転可能に配設されている。上記固定子鉄心
3及び回転子鉄心8は、一般にけい素鋼板を多数枚積層
して構成されている。
【0004】そして、回転子6における各永久磁石10
は、凸部10a側が回転子6の回転中心、すなわち回転
軸7を向くように配置されている。また、4個の永久磁
石10は、N極とS極とが交互になるように着磁されて
いる。
【0005】一方、図24の構成の永久磁石形モータ1
2は、図23のモータ1とは、回転子6における永久磁
石10の配置の形態が異なっている。すなわち、各永久
磁石10は、凹部10b側が回転子6の回転中心である
回転軸7を向くように配置されている。
【0006】これら永久磁石形モータ1,12は、図示
はしないが、可変電圧可変周波数電源であるインバータ
で駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した永久磁石形モ
ータ1,12においては、永久磁石10の寸法や永久磁
石10内部の磁気配向(磁化容易方向)によって空隙1
1中の磁束密度は種々な分布を取り得るが、一方、周知
のように、この種のモータのトルクは、フレミングの左
手の法則の原理から得られることから、下記の(1)式
から求めることができる。
【0008】 T=α×B×I ……(1) ここで、T:モータのトルク α:固定子巻線の巻線数、相数などに関係する定数 B:空隙中の磁束密度 I:巻線電流値
【0009】固定子巻線に流れる電流が同じであれば、
空隙中の磁束密度が大きくなればなるほど得られるトル
クは大きくなる。また、同じトルクを得る場合には、空
隙中の磁束密度を大きくすれば電流を少なくでき、それ
だけ巻線抵抗による損失を低減でき、モータの駆動効率
が向上することになる。
【0010】ところで、上記した構成のモータ1,12
は、優れた特徴があるが、回転子鉄心8及び固定子鉄心
3の構成方法により、さらに性能の向上が得られる余地
がある。それは、空隙磁束密度のさらなる増大である。
【0011】図23のモータ1においては、永久磁石1
0から発生する磁束の磁路は、回転子鉄心8において永
久磁石10の凹部10bと空隙11との間に存する鉄心
部8aと、固定子鉄心3の24本の歯部3aと、固定子
鉄心3の継鉄部3bと、空隙11が主なものである。こ
れらの部分のうち、空隙11の磁気抵抗は大きく、つい
で回転子鉄心8の鉄心部8a、固定子鉄心3の歯部3a
で磁気抵抗は大きくなる。
【0012】ただし、固定子鉄心3の継鉄部3bは、鉄
心の機械的強度を保つ必要などから、通常比較的寸法の
余裕があり、磁気抵抗は余り高くならない。また、空隙
11の寸法も組立て性の関係からその寸法が決められる
ことが多く、構成方法の対象外である。
【0013】一般に、空隙11を介して対向する回転子
鉄心8の鉄心部8aと固定子鉄心3の歯部3aで磁束の
磁気抵抗が高いと、空隙11内での磁束が回転子鉄心8
の鉄心部8aへの出入りの磁路が高くなり、その分永久
磁石10から得られる磁束が少なくなり、空隙磁束密度
が低くなる。従って、空隙磁束密度を大きくしてモータ
の駆動効率の向上やモータの小形化を達成するには、永
久磁石10から得られる磁束を、空隙11を介して対向
している回転子鉄心8の鉄心部8aと固定子鉄心3の歯
部3aにおいて、いかにしてスムーズに通過させるかが
問題となる。
【0014】また、図24におけるモータ12において
は、永久磁石10を覆う薄い鉄心部8bにも磁束が通過
するが、この部分を通過する磁束のうち固定子鉄心3に
到達しない漏れ磁束となるものものあり、やはり空隙磁
束密度が減少する場合があった。
【0015】そこで、本発明の目的は、空隙磁束密度を
極力増加することができ、これにより駆動効率の向上や
小形化を図ることができる永久磁石形モータを提供し、
また、運転効率の向上や小形化に対応できる冷却装置用
コンプレッサを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、環状
をなす固定子鉄心を備えた固定子と、直交する2方向の
磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積層して構成される
回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧状をなす4極の永
久磁石を均等に配設して構成される回転子とを具備し、
前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
る永久磁石形モータにあって、前記永久磁石を、各磁極
の周方向中央部と回転子の回転中心とを結ぶ磁極軸が前
記鉄板の磁化容易方向と略一致するするように配置した
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項2の発明は、環状をなす固定子鉄心
を備えた固定子と、直交する2方向の磁化容易方向を有
する鉄板を多数枚積層して構成される回転子鉄心の内部
に、断面形状が円弧状をなす(2×N)極(Nは3以上
の整数)の永久磁石を均等に配設して構成される回転子
とを具備し、前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部に
その内周面と所定の空隙を存する状態で回転可能に配設
して構成される永久磁石形モータにあって、前記回転子
鉄心は、前記鉄板をm枚(mは1以上の整数)ごとに周
方向に360/(2×N)度ずつずらして積層すること
によって構成し、前記永久磁石は、少なくとも一部の磁
極の周方向中央部と回転子の回転中心とを結ぶ磁極軸が
前記鉄板の磁化容易方向と略一致するするように配置し
たことを特徴とするものである。
【0018】請求項3の発明は、環状をなす固定子鉄心
を備えた固定子と、1方向の磁化容易方向を有する鉄板
を多数枚積層して構成される回転子鉄心の内部に、断面
形状が円弧状をなす2極の永久磁石を均等に配設して構
成される回転子とを具備し、前記回転子を、前記固定子
鉄心の空間部にその内周面と所定の空隙を存する状態で
回転可能に配設して構成される永久磁石形モータにあっ
て、前記永久磁石を、各磁極の周方向中央部と回転子の
回転中心とを結ぶ磁極軸が前記鉄板の磁化容易方向と略
一致するするように配置したことを特徴とするものであ
る。
【0019】請求項4の発明は、環状をなす固定子鉄心
を備えた固定子と、1方向の磁化容易方向を有する鉄板
を多数枚積層して構成される回転子鉄心の内部に、断面
形状が円弧状をなす(2×N)極(Nは1以上の整数)
の永久磁石を均等に配設して構成される回転子とを具備
し、前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周
面と所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成
される永久磁石形モータにあって、前記回転子鉄心は、
前記鉄板をm枚(mは1以上の整数)ごとに周方向に3
60/(2×N)度ずつずらして積層することによって
構成し、前記永久磁石は、少なくとも一部の磁極の周方
向中央部と回転子の回転中心とを結ぶ磁極軸が前記鉄板
の磁化容易方向と略一致するするように配置したことを
特徴とするものである。
【0020】請求項5の発明は、1方向の磁化容易方向
を有する鉄板を多数枚積層して構成される環状をなす固
定子鉄心を備えた固定子と、1方向の磁化容易方向を有
する鉄板を多数枚積層して構成される回転子鉄心の内部
に、断面形状が円弧状をなす(2×N)極(Nは1以上
の整数)の永久磁石を均等に配設して構成される回転子
とを具備し、前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部に
その内周面と所定の空隙を存する状態で回転可能に配設
して構成される永久磁石形モータにあって、前記固定子
鉄心及び回転子鉄心は、それぞれ前記鉄板をm枚(mは
1以上の整数)ごとに360/(2×N)度周方向にず
らして積層することによって構成し、前記永久磁石は、
少なくとも一部の磁極の周方向中央部と回転子の回転中
心とを結ぶ磁極軸が前記回転子鉄心の鉄板の磁化容易方
向と略一致するするように配置したことを特徴とするも
のである。
【0021】請求項6の発明は、請求項5の永久磁石形
モータにおいて、固定子鉄心の鉄板の積層枚数及び回転
子鉄心の鉄板の積層枚数は、mと(2×N)の公倍数と
なるように設定したことを特徴とするものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項4の永久磁石形
モータにおいて、固定子鉄心は固定子巻線を納めるスロ
ットをS個有し、この固定子鉄心は、1方向の磁化容易
方向を有する鉄板をm枚(mは1以上の整数)ごとに周
方向に360/S度ずつずらして積層することによって
構成したことを特徴とするものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項7の永久磁石形
モータにおいて、固定子鉄心の鉄板の積層枚数及び回転
子鉄心の鉄板の積層枚数は、Sと(2×N)とmの公倍
数となるように設定したことを特徴とするものである。
【0024】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれかに記載の永久磁石形モータを冷却装置用コンプレ
ッサに搭載したことを特徴とするものである。
【0025】
【作用】請求項1の永久磁石形モータによれば、回転子
鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心部にお
いて、磁束が径方向にスムーズに流れるようになるか
ら、永久磁石の磁束が回転子鉄心から空隙に容易に到達
するようになり、空隙の磁束密度の増加が可能となる。
また、回転子鉄心における上記鉄心部において、周方向
には磁束が流れにくくなっているので、周方向の磁束は
減少し、その分空隙の磁束密度が増加する。
【0026】請求項2の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心部
において磁束が流れやすくなっているので、永久磁石の
磁束が回転子鉄心から空隙に容易に到達するようにな
り、空隙の磁束密度の増加が可能となる。また、回転子
鉄心における上記鉄心部において、周方向には磁束が流
れにくくなっているので、周方向の磁束は減少し、その
分空隙の磁束密度が増加する。
【0027】請求項3の永久磁石形モータによれば、請
求項1の場合と同様に、回転子鉄心にあって永久磁石と
空隙との間に存する鉄心部において、磁束が径方向にス
ムーズに流れるようになるから、永久磁石の磁束が回転
子鉄心から空隙に容易に到達するようになり、空隙の磁
束密度の増加が可能となる。また、回転子鉄心における
上記鉄心部において、周方向には磁束が流れにくくなっ
ているので、周方向の磁束は減少し、その分空隙の磁束
密度が増加する。
【0028】請求項4の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心部
において、磁気抵抗が平均化されているので、永久磁石
の磁束が回転子鉄心から空隙に容易に到達するようにな
り、空隙の磁束密度の増加が可能となる。
【0029】請求項5の永久磁石形モータによれば、請
求項4の場合と同様に、回転子鉄心にあって永久磁石と
空隙との間に存する鉄心部において、磁気抵抗が平均化
されているので、永久磁石の磁束が回転子鉄心から空隙
に容易に到達するようになり、空隙の磁束密度の増加が
可能となる。加えて、固定子鉄心内の磁気抵抗も平均化
されているので、固定子鉄心内を磁束が流れやすくな
る。
【0030】請求項6の永久磁石形モータによれば、固
定子鉄心及び回転子鉄心は、共に磁気抵抗が一層平均化
され、磁束が流れやすくなる。また、各磁極の磁気抵抗
のばらつきが少なくなり、空隙磁束密度が一様に分布す
るようになる。
【0031】請求項7の永久磁石形モータによれば、特
に固定子鉄心内での磁気抵抗が一層平均化されると共
に、各磁極の磁気抵抗のばらつきも一層少なくなる。
【0032】請求項8の永久磁石形モータによれば、固
定子鉄心及び回転子鉄心は、共に磁気抵抗が一層平均化
され、磁束が流れやすくなる。また、各磁極の磁気抵抗
のばらつきが少なくなり、空隙磁束密度が一様に分布す
るようになる。
【0033】請求項9の冷却装置用コンプレッサによれ
ば、永久磁石形モータの駆動効率の向上や小形化を図る
ことができる分、コンプレッサの運転効率の向上や小形
化を図ることが可能となる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図1及び図
2を参照して説明する。この第1実施例は、請求項1に
対応するものである。
【0035】まず、図1において、永久磁石形モータ2
1は、基本的には図23に示すモータ1と略同様な構成
となっている。すなわち、このモータ21の固定子22
は、環状をなす固定子鉄心23に形成された24個のス
ロット24に、固定子巻線25を挿入配置して構成され
ている。固定子鉄心23は、各スロット24間に位置す
る歯部26と、継鉄部27とを有している。
【0036】回転子28は、回転軸29を回転子鉄心3
0の中心部に嵌合固着し、回転子鉄心30に形成された
収納部31に、断面が円弧状をなす4個の永久磁石32
を軸方向から挿入して組み込むことによって構成されて
いて、固定子鉄心23の空間部にその内周面と所定の空
隙33を存する状態で回転可能に配設されている。そし
て、回転子28における各永久磁石32は、凸部32a
側が回転子28の回転中心O、すなわち回転軸29を向
き、凹部32b側が外側を向くように配置されている。
また、4個の永久磁石32は、N極とS極とが交互にな
るように着磁されている。
【0037】上記固定子鉄心23は、例えばけい素鋼板
からなる鉄板23aを多数枚積層して円筒状に構成した
ものである。また、回転子鉄心30も、固定子鉄心23
と同様に、例えばけい素鋼板からなる鉄板30aを多数
枚積層して円柱状に構成したものである。
【0038】そして、これら固定子鉄心23の鉄板23
a及び回転子鉄心30の鉄板30aは、図2に示すよう
に、直交する2方向の磁化容易方向A、Bを有する、け
い素鋼板から成る長尺な鉄板34からプレスによる打ち
抜き加工することによって製作している。
【0039】ここで、回転子鉄心30の鉄板30aは、
永久磁石32を収納する各収納部31の周方向中央部C
と回転子28の回転中心Oとを結ぶ直線O−Cが鉄板3
4の上記磁化容易方向A、Bと略一致するように、換言
すれば各永久磁石32の周方向中央部Cと回転子28の
回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板34の磁化容易
方向A、Bと略一致するように、鉄板34から打ち抜か
れている。従って、各永久磁石32は、回転子鉄心30
において各磁極の周方向中央部Cと回転子28の回転中
心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板30aの磁化容易方向
A、Bと略一致するように配置されている。
【0040】このような第1実施例によれば、回転子鉄
心30にあって永久磁石32と空隙33との間に存する
鉄心部35において、磁束が径方向にスムーズに流れる
ようになるから、永久磁石32の磁束が回転子鉄心30
から空隙33に容易に到達するようになり、空隙33の
磁束密度の増加が可能となる。また、回転子鉄心30に
おける上記鉄心部35において、周方向には磁束が流れ
にくくなっているので、周方向の磁束は減少し、その分
空隙33の磁束密度が増加する。従って、このように空
隙磁束密度を極力増加することができるから、モータと
しての駆動効率の向上や小形化を図ることが可能とな
る。
【0041】図3及び図4は本発明の第2実施例を示し
たものである。この第2実施例も請求項1に対応したも
のとなっている。この第2実施例の永久磁石形モータ3
6は、上記した第1実施例とは永久磁石の配置形態が異
なっている。
【0042】すなわち、回転子37は、回転軸29を回
転子鉄心38の中心部に嵌合固着し、回転子鉄心38に
形成された収納部39に、断面が円弧状をなす4個の永
久磁石40を軸方向から挿入して組み込むことによって
構成されている。そして、回転子37における各永久磁
石40は、凸部40a側が外側を向き、凹部40b側が
回転子37の回転中心Oを向くように配置されている。
【0043】ここで、この第2実施例においても、回転
子鉄心38の鉄板38aは、図4に示すように、永久磁
石40を収納する各収納部39の周方向中央部Cと回転
子37の回転中心Oとを結ぶ直線O−Cが鉄板34の上
記磁化容易方向A、Bと略一致するように、換言すれば
各永久磁石40の周方向中央部Cと回転子37の回転中
心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板34の磁化容易方向
A、Bと略一致するように、鉄板34から打ち抜かれて
いる。従って、各永久磁石40は、回転子鉄心38にお
いて各磁極の周方向中央部Cと回転子37の回転中心O
とを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板38aの磁化容易方向A、
Bと略一致するように配置されている。
【0044】このような第2実施例においても、第1実
施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0045】図5ないし図7は本発明の第3実施例を示
したものである。この第3実施例は請求項2に対応した
ものとなっている。この第3実施例は、第1実施例とは
回転子の構成が異なっており、この場合(2×N)が8
極(N=4)のモータの例となっている。
【0046】すなわち、回転子41は、回転軸(図示せ
ず)を回転子鉄心42の中心部に嵌合固着し、回転子鉄
心42に形成された収納部43に、断面が円弧状をなす
8個の永久磁石44を軸方向から挿入して組み込むこと
によって構成されている。そして、回転子41における
各永久磁石44は、凸部44a側が回転子37の回転中
心Oを向き、凹部44b側が外側を向くように配置され
ている。
【0047】ここで、回転子鉄心42の鉄板42aは、
図6に示すように、直交する2方向の磁化容易方向A、
Bを有していて、永久磁石44を収納する4個の収納部
43の周方向中央部Cと回転子41の回転中心Oとを結
ぶ直線O−Cが上記磁化容易方向A、Bと略一致するよ
うに、換言すれば4個の永久磁石44の周方向中央部C
と回転子41の回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが磁化
容易方向A、Bと略一致するように、鉄板から打ち抜か
れている。
【0048】そして、回転子鉄心42は、上記鉄板42
aを1枚(m=1)ごとに機械角で周方向に45度(3
60/(2×4))ずつずらして積層することによって
構成されている。図6は例えば上から1枚目(奇数枚
目)の鉄板42aを示し、図7は上から2枚目(偶数枚
目)の鉄板42aを示している。従って、各永久磁石4
4は、回転子鉄心42において4個の磁極の周方向中央
部Cと回転子41の回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが
鉄板42aの磁化容易方向A、Bと略一致するように配
置されている。
【0049】このような第3実施例によれば、8極の永
久磁石44を備えたものにおいて、各磁極の磁極軸O−
Cと鉄板42aの磁化容易方向A、Bとを極力一致させ
ることができるので、回転子鉄心42にあって永久磁石
44の凹部44b側に存する鉄心部45において磁束が
流れやすくなり、各永久磁石44の磁束が回転子鉄心4
2から空隙33(図1参照)に容易に到達するようにな
り、空隙33の磁束密度の増加が可能となる。また、回
転子鉄心42における上記鉄心部45において、周方向
には磁束が流れにくくなっているので、周方向の磁束は
減少し、その分空隙33の磁束密度が増加する。従っ
て、このように空隙磁束密度を極力増加することができ
るから、モータとしての駆動効率の向上や小形化を図る
ことが可能となる。
【0050】なお、回転子鉄心42は、鉄板42aを1
枚ごとに代えて、2枚ごと(m=2)、或いは3枚ごと
(m=3)に周方向に45度ずつずらすようにしても良
い。また、永久磁石の磁極の数が、例えば12極であれ
ば(N=6)、ずらす角度は、360/(2×6)、す
なわち30度とする。
【0051】図8ないし図10は本発明の第4実施例を
示したものである。この第4実施例も請求項2に対応し
たものとなっている。この第4実施例は、上記した第3
実施例とは回転子の構成が異なっている。
【0052】すなわち、回転子46は、回転軸(図示せ
ず)を回転子鉄心47の中心部に嵌合固着し、回転子鉄
心47に形成された収納部48に、断面が円弧状をなす
8個の永久磁石49を軸方向から挿入して組み込むこと
によって構成されている。そして、回転子46における
各永久磁石49は、凸部49a側が外側を向き、凹部4
9b側が回転子46の回転中心Oを向くように配置され
ている。
【0053】ここで、この第4実施例においても、回転
子鉄心47の鉄板47aは、永久磁石49を収納する4
個の収納部48の周方向中央部Cと回転子46の回転中
心Oとを結ぶ直線O−Cが磁化容易方向A、Bと略一致
するように、換言すれば4個の永久磁石49の周方向中
央部Cと回転子46の回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−C
が磁化容易方向A、Bと略一致するように、鉄板から打
ち抜かれている。
【0054】そして、回転子鉄心47は、上記鉄板47
aを1枚(m=1)ごとに機械角で周方向に45度(3
60/(2×4))ずつずらして積層することによって
構成されている。図9は例えば上から1枚目(奇数枚
目)の鉄板47aを示し、図10は上から2枚目(偶数
枚目)の鉄板47aを示している。従って、各永久磁石
49は、回転子鉄心47において4個の磁極の周方向中
央部Cと回転子41の回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−C
が鉄板47aの磁化容易方向A、Bと略一致するように
配置されている。
【0055】このような第4実施例においても、第3実
施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0056】図11及び図12は本発明の第5実施例を
示したものである。この第5実施例は、請求項3に対応
するものである。
【0057】まず、図11において、永久磁石形モータ
51は、回転子における永久磁石の磁極が2極となって
いる。固定子52は、環状をなす固定子鉄心53に形成
された24個のスロット54に、固定子巻線55を挿入
配置して構成されている。固定子鉄心53は、各スロッ
ト54間に位置する歯部56と、継鉄部57とを有して
いる。
【0058】回転子58は、回転軸59を回転子鉄心6
0の中心部に嵌合固着し、回転子鉄心60に形成された
収納部61に、断面が円弧状をなす2個の永久磁石62
を軸方向から挿入して組み込むことによって構成されて
いて、固定子鉄心33の空間部にその内周面と所定の空
隙63を存する状態で回転可能に配設されている。そし
て、回転子58における各永久磁石62は、凸部62a
側が回転子58の回転中心O、すなわち回転軸59を向
き、凹部62b側が外側を向くように配置されている。
【0059】上記固定子鉄心53及び回転子鉄心60
は、それぞれけい素鋼板からなる鉄板53a、60aを
多数枚積層して構成したものである。そして、これら固
定子鉄心53の鉄板53a及び回転子鉄心60の鉄板6
0aは、図12に示すように、1方向の磁化容易方向A
を有する、けい素鋼板から成る長尺な鉄板64からプレ
スによる打ち抜き加工することによって製作している。
【0060】ここで、回転子鉄心60の鉄板60aは、
永久磁石62を収納する各収納部61の周方向中央部C
と回転子58の回転中心Oとを結ぶ直線O−Cが鉄板6
4の上記磁化容易方向Aと略一致するように、換言すれ
ば各永久磁石62の周方向中央部Cと回転子58の回転
中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板64の磁化容易方向
Aと略一致するように、鉄板64から打ち抜かれてい
る。従って、各永久磁石62は、回転子鉄心60におい
て各磁極の周方向中央部Cと回転子58の回転中心Oと
を結ぶ磁極軸O−Cが鉄板60a磁化容易方向Aと略一
致するように配置されている。
【0061】このような第5実施例によれば、第1実施
例の場合と同様に、回転子鉄心60にあって永久磁石6
2と空隙63との間に存する鉄心部65において、磁束
が径方向にスムーズに流れるようになるから、永久磁石
62の磁束が回転子鉄心60から空隙63に容易に到達
するようになり、空隙63の磁束密度の増加が可能とな
る。また、回転子鉄心60における上記鉄心部65にお
いて、周方向には磁束が流れにくくなっているので、周
方向の磁束は減少し、その分空隙63の磁束密度が増加
する。従って、このように空隙磁束密度を極力増加する
ことができるから、モータとしての駆動効率の向上や小
形化を図ることが可能となる。
【0062】図13及び図14は本発明の第6実施例を
示したものである。この第6実施例も請求項3に対応し
たものとなっている。この第6実施例の永久磁石形モー
タ66は、上記した第5実施例とは永久磁石の配置形態
が異なっている。
【0063】すなわち、回転子67は、回転軸59を回
転子鉄心68の中心部に嵌合固着し、回転子鉄心68に
形成された収納部69に、断面が円弧状をなす2個の永
久磁石70を軸方向から挿入して組み込むことによって
構成されている。そして、回転子67における各永久磁
石70は、凸部70a側が外側を向き、凹部70b側が
回転子67の回転中心Oを向くように配置されている。
【0064】ここで、この第6実施例においても、回転
子鉄心68の鉄板68aは、図14に示すように、永久
磁石70を収納する各収納部69の周方向中央部Cと回
転子67の回転中心Oとを結ぶ直線O−Cが鉄板64の
上記磁化容易方向Aと略一致するように、換言すれば各
永久磁石70の周方向中央部Cと回転子67の回転中心
Oとを結ぶ磁極軸O−Cが鉄板64の磁化容易方向Aと
略一致するように、鉄板64から打ち抜かれている。従
って、各永久磁石70は、回転子鉄心68において各磁
極の周方向中央部Cと回転子67の回転中心Oとを結ぶ
磁極軸O−Cが鉄板68aの磁化容易方向Aと略一致す
るように配置されている。
【0065】このような第6実施例においても、第5実
施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0066】図15ないし図18は本発明の第7実施例
を示したものである。この第7実施例は、請求項4、
5、及び6に対応したものとなっている。この第7実施
例の永久磁石形モータ71は、第1実施例とは次の点が
異なっている。
【0067】すなわち、固定子鉄心23を構成する鉄板
23b、及び回転子鉄心30を構成する鉄板30bは、
共に磁化容易方向Aが一方向のみのけい素鋼板を使用し
ている。
【0068】ここで、回転子鉄心30の鉄板30bは、
図17及び図18に示すように、永久磁石32を収納す
る4個の収納部31のうちの2個の収納部31の周方向
中央部Cと回転子28の回転中心Oとを結ぶ直線O−C
が上記磁化容易方向Aと略一致するように、換言すれば
2個の永久磁石32の周方向中央部Cと回転子28の回
転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが磁化容易方向Aと略一
致するように、鉄板から打ち抜かれている。
【0069】そして、回転子鉄心30は、上記鉄板30
bを1枚(m=1)ごとに機械角で周方向に90度(3
60/(2×2)(N=2))ずつずらして積層するこ
とによって構成されている。図17は例えば上から1枚
目(奇数枚目)の鉄板30bを示し、図18は上から2
枚目(偶数枚目)の鉄板30bを示している。従って、
各永久磁石32は、回転子鉄心30において4個の磁極
の周方向中央部Cと回転子28の回転中心Oとを結ぶ磁
極軸O−Cが各鉄板30bの磁化容易方向Aと略一致す
るように配置されている。
【0070】また、固定子鉄心23も、回転子鉄心30
と同様に、上記鉄板23bを1枚(m=1)ごとに機械
角で周方向に90度(360/(2×2))ずつずらし
て積層することによって構成されている。
【0071】そして、この場合、固定子鉄心23の鉄板
23bの積層枚数y、及び回転子鉄心30の鉄板30b
の積層枚数kは、m(m=1)と(2×N)(N=2)
の公倍数、例えば48枚に設定している。
【0072】このような第7実施例によれば、回転子鉄
心30において、1方向の磁化容易方向Aを有する鉄板
30bを1枚ごとに機械角で周方向に90度ずつずらし
て積層することによって構成しているので、永久磁石3
2と空隙33との間に存する鉄心部35において磁気抵
抗が平均化され、永久磁石32の磁束が回転子鉄心30
から空隙33に容易に到達するようになり、空隙の磁束
密度の増加が可能となる。
【0073】また、固定子鉄心23においても、回転子
鉄心30と同様に、鉄板23bを1枚ごとに機械角で周
方向に90度ずつずらして積層することによって構成し
ているので、固定子鉄心23内の磁気抵抗も平均化さ
れ、固定子鉄心23内を磁束が流れやすくなる。
【0074】さらに、固定子鉄心23の鉄板23bの積
層枚数y、及び回転子鉄心30の鉄板30bの積層枚数
kは、mと(2×N)の公倍数である48枚に設定して
いるので、固定子鉄心23及び回転子鉄心30は、共に
磁気抵抗が一層平均化され、磁束が流れやすくなる。ま
た、各磁極の磁気抵抗のばらつきが少なくなり、空隙磁
束密度が一様に分布するようになる。
【0075】そして、この第7実施例の変形例として、
次のような構成としても良い。すなわち、固定子鉄心2
3のスロット24が24個ある場合(S=24)、固定
子鉄心23は、鉄板23bを1枚(m=1)ごとに機械
角で周方向に15度(360/24)(S=24)ずつ
ずらして積層することによって構成する。このような構
成とした場合には、特に固定子鉄心23内での磁気抵抗
が一層平均化されると共に、各磁極の磁気抵抗のばらつ
きも一層少なくなる。
【0076】また、固定子鉄心23の鉄板23bの積層
枚数y、及び回転子鉄心30の鉄板30bの積層枚数k
は、Sと(2×N)とmの公倍数である例えば48枚に
設定することが好ましい。このような構成とした場合に
は、固定子鉄心23及び回転子鉄心30は、共に磁気抵
抗が一層平均化され、磁束が流れやすくなる。また、各
磁極の磁気抵抗のばらつきが少なくなり、空隙磁束密度
が一様に分布するようになる。
【0077】図19ないし図22は本発明の第8実施例
を示したものである。この第8実施例も、請求項4、
5、及び6に対応したものとなっている。この第8実施
例の永久磁石形モータ72は、回転子における永久磁石
の配置形態が第2実施例と同様な構成となっている以外
は、上記した第7実施例と同様な構成となっている。
【0078】すなわち、回転子37における各永久磁石
40は、凸部40a側が外側を向き、凹部40b側が回
転子37の回転中心Oを向くように配置されている。固
定子鉄心23を構成する鉄板23b、及び回転子鉄心3
8を構成する鉄板38bは、共に磁化容易方向Aが一方
向のみのけい素鋼板を使用している。
【0079】ここで、回転子鉄心38の鉄板38bは、
図21及び図22に示すように、永久磁石40を収納す
る4個の収納部39のうちの2個の収納部39の周方向
中央部Cと回転子37の回転中心Oとを結ぶ直線O−C
が上記磁化容易方向Aと略一致するように、換言すれば
2個の永久磁石40の周方向中央部Cと回転子37の回
転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが磁化容易方向Aと略一
致するように、鉄板から打ち抜かれている。
【0080】そして、回転子鉄心38は、第7実施例と
同様に、上記鉄板38bを1枚(m=1)ごとに機械角
で周方向に90度(360/(2×2)(N=2))ず
つずらして積層することによって構成されている。図2
1は例えば上から1枚目(奇数枚目)の鉄板38bを示
し、図22は上から2枚目(偶数枚目)の鉄板38bを
示している。従って、各永久磁石40は、回転子鉄心3
8において2個の磁極の周方向中央部Cと回転子37の
回転中心Oとを結ぶ磁極軸O−Cが各鉄板38bの磁化
容易方向Aと略一致するように配置されている。
【0081】また、固定子鉄心23も、回転子鉄心30
と同様に、上記鉄板23bを1枚(m=1)ごとに機械
角で周方向に90度(360/(2×2))ずつずらし
て積層することによって構成されている。
【0082】そして、この場合、固定子鉄心23の鉄板
23bの積層枚数y、及び回転子鉄心38の鉄板38b
の積層枚数kは、m(m=1)と(2×N)(N=2)
の公倍数、例えば48枚に設定している。
【0083】このような第8実施例においても、第7実
施例と同様な作用効果を得ることができる。そして、こ
の第8実施例の変形例として、第7実施例の変形例と同
様な構成を採用することができる。
【0084】すなわち、固定子鉄心23のスロット24
が24個ある場合(S=24)、固定子鉄心23は、鉄
板23bを1枚(m=1)ごとに機械角で周方向に15
度(360/24)(S=24)ずつずらして積層する
ことによって構成する。また、固定子鉄心23の鉄板2
3bの積層枚数y、及び回転子鉄心30の鉄板30bの
積層枚数kは、Sと(2×N)とmの公倍数である例え
ば48枚に設定することが好ましい。
【0085】一方、上記した第1ないし第8実施例のモ
ータ、並びに第7及び第8実施例の変形例のモータを、
冷却装置用のコンプレッサ(図示せず)に用いた場合、
モータの駆動効率の向上や小形化を図ることができるこ
とに伴い、コンプレッサの運転効率の向上や小形化を図
ることができる。
【0086】本発明は、上記した各実施例にのみ限定さ
れるものではなく、次のように変形または拡張すること
がてきる。例えば、回転子における永久磁石は、フェラ
イト以外のものを用いてもよい。また、モータの駆動回
路についてもインバータに限定されるものではない。
【0087】
【発明の効果】請求項1の永久磁石形モータによれば、
回転子鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心
部において、磁束が径方向にスムーズに流れるようにな
るから、永久磁石の磁束が回転子鉄心から空隙に容易に
到達するようになり、空隙の磁束密度の増加が可能とな
る。また、回転子鉄心における上記鉄心部において、周
方向には磁束が流れにくくなっているので、周方向の磁
束は減少し、その分空隙の磁束密度が増加する。これに
伴い、駆動効率の向上や小形化を図ることができるもの
である。
【0088】請求項2の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心部
において磁束が流れやすくなっているので、永久磁石の
磁束が回転子鉄心から空隙に容易に到達するようにな
り、空隙の磁束密度の増加が可能となる。また、回転子
鉄心における上記鉄心部において、周方向には磁束が流
れにくくなっているので、周方向の磁束は減少し、その
分空隙の磁束密度が増加する。これに伴い、駆動効率の
向上や小形化を図ることができるものである。
【0089】請求項3の永久磁石形モータによれば、請
求項1の場合と同様に、回転子鉄心にあって永久磁石と
空隙との間に存する鉄心部において、磁束が径方向にス
ムーズに流れるようになるから、永久磁石の磁束が回転
子鉄心から空隙に容易に到達するようになり、空隙の磁
束密度の増加が可能となる。また、回転子鉄心における
上記鉄心部において、周方向には磁束が流れにくくなっ
ているので、周方向の磁束は減少し、その分空隙の磁束
密度が増加する。これに伴い、駆動効率の向上や小形化
を図ることができるものである。
【0090】請求項4の永久磁石形モータによれば、回
転子鉄心にあって永久磁石と空隙との間に存する鉄心部
において、磁気抵抗が平均化されているので、永久磁石
の磁束が回転子鉄心から空隙に容易に到達するようにな
り、空隙の磁束密度の増加が可能となる。これに伴い、
駆動効率の向上や小形化を図ることができるものであ
る。
【0091】請求項5の永久磁石形モータによれば、請
求項4の場合と同様に、回転子鉄心にあって永久磁石と
空隙との間に存する鉄心部において、磁気抵抗が平均化
されているので、永久磁石の磁束が回転子鉄心から空隙
に容易に到達するようになり、空隙の磁束密度の増加が
可能となる。加えて、固定子鉄心内の磁気抵抗も平均化
されているので、固定子鉄心内を磁束が流れやすくな
る。これに伴い、駆動効率の向上や小形化を図ることが
できるものである。
【0092】請求項6の永久磁石形モータによれば、固
定子鉄心及び回転子鉄心は、共に磁気抵抗が一層平均化
され、磁束が流れやすくなる。また、各磁極の磁気抵抗
のばらつきが少なくなり、空隙磁束密度が一様に分布す
るようになる。
【0093】請求項7の永久磁石形モータによれば、特
に固定子鉄心内での磁気抵抗が一層平均化されると共
に、各磁極の磁気抵抗のばらつきも一層少なくなる。
【0094】請求項8の永久磁石形モータによれば、固
定子鉄心及び回転子鉄心は、共に磁気抵抗が一層平均化
され、磁束が流れやすくなる。また、各磁極の磁気抵抗
のばらつきが少なくなり、空隙磁束密度が一様に分布す
るようになる。
【0095】請求項9の冷却装置用コンプレッサによれ
ば、永久磁石形モータの駆動効率の向上や小形化を図る
ことができる分、コンプレッサの運転効率の向上や小形
化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すモータの断面図
【図2】固定子鉄心及び回転子鉄心を構成する鉄板を打
ち抜く際の配置を示す平面図
【図3】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図4】図2相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す回転子の斜視図
【図6】回転子鉄心の鉄板において、奇数枚目の鉄板の
斜視図
【図7】回転子鉄心の鉄板において、偶数枚目の鉄板の
斜視図
【図8】本発明の第4実施例を示す図5相当図
【図9】図6相当図
【図10】図7相当図
【図11】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図12】図2相当図
【図13】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】本発明の第7実施例を示す図1相当図
【図16】図5相当図
【図17】回転子鉄心の鉄板において、奇数枚目の鉄板
の平面図
【図18】回転子鉄心の鉄板において、偶数枚目の鉄板
の平面図
【図19】本発明の第8実施例を示す図1相当図
【図20】図5相当図
【図21】図17相当図
【図22】図18相当図
【図23】従来構成を示す図1相当図
【図24】異なる従来構成を示す図1相当図
【符号の説明】
21は永久磁石形モータ、22は固定子、23は固定子
鉄心、23aは鉄板、24はスロット、28は回転子、
30は回転子鉄心、30a、30bは鉄板、32は永久
磁石、33は空隙、36は永久磁石形モータ、37は回
転子、38は回転子鉄心、38a、38bは鉄板、40
は永久磁石、41は回転子、42は回転子鉄心、42a
は鉄板、44は永久磁石、46は回転子、47は回転子
鉄心、47aは鉄板、49は永久磁石、51は永久磁石
形モータ、52は固定子、53は固定子鉄心、53aは
鉄板、54はスロット、58は回転子、60は回転子鉄
心、60aは鉄板、62は永久磁石、63は空隙、66
は永久磁石形モータ、67は回転子、68は回転子鉄
心、68aは鉄板、70は永久磁石、71、72は永久
磁石形モータ、A、Bは磁化容易方向、O−Cは磁極
軸、Oは回転子の回転中心である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状をなす固定子鉄心を備えた固定子
    と、 直交する2方向の磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積
    層して構成される回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧
    状をなす4極の永久磁石を均等に配設して構成される回
    転子とを具備し、 前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
    所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
    る永久磁石形モータにあって、 前記永久磁石を、各磁極の周方向中央部と回転子の回転
    中心とを結ぶ磁極軸が前記鉄板の磁化容易方向と略一致
    するするように配置したことを特徴とする永久磁石形モ
    ータ。
  2. 【請求項2】 環状をなす固定子鉄心を備えた固定子
    と、 直交する2方向の磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積
    層して構成される回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧
    状をなす(2×N)極(Nは3以上の整数)の永久磁石
    を均等に配設して構成される回転子とを具備し、 前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
    所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
    る永久磁石形モータにあって、 前記回転子鉄心は、前記鉄板をm枚(mは1以上の整
    数)ごとに周方向に360/(2×N)度ずつずらして
    積層することによって構成し、前記永久磁石は、少なく
    とも一部の磁極の周方向中央部と回転子の回転中心とを
    結ぶ磁極軸が前記鉄板の磁化容易方向と略一致するする
    ように配置したことを特徴とする永久磁石形モータ。
  3. 【請求項3】 環状をなす固定子鉄心を備えた固定子
    と、 1方向の磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積層して構
    成される回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧状をなす
    2極の永久磁石を均等に配設して構成される回転子とを
    具備し、 前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
    所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
    る永久磁石形モータにあって、 前記永久磁石を、各磁極の周方向中央部と回転子の回転
    中心とを結ぶ磁極軸が前記鉄板の磁化容易方向と略一致
    するするように配置したことを特徴とする永久磁石形モ
    ータ。
  4. 【請求項4】 環状をなす固定子鉄心を備えた固定子
    と、 1方向の磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積層して構
    成される回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧状をなす
    (2×N)極(Nは1以上の整数)の永久磁石を均等に
    配設して構成される回転子とを具備し、 前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
    所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
    る永久磁石形モータにあって、 前記回転子鉄心は、前記鉄板をm枚(mは1以上の整
    数)ごとに周方向に360/(2×N)度ずつずらして
    積層することによって構成し、前記永久磁石は、少なく
    とも一部の磁極の周方向中央部と回転子の回転中心とを
    結ぶ磁極軸が前記鉄板の磁化容易方向と略一致するする
    ように配置したことを特徴とする永久磁石形モータ。
  5. 【請求項5】 1方向の磁化容易方向を有する鉄板を多
    数枚積層して構成される環状をなす固定子鉄心を備えた
    固定子と、 1方向の磁化容易方向を有する鉄板を多数枚積層して構
    成される回転子鉄心の内部に、断面形状が円弧状をなす
    (2×N)極(Nは1以上の整数)の永久磁石を均等に
    配設して構成される回転子とを具備し、 前記回転子を、前記固定子鉄心の空間部にその内周面と
    所定の空隙を存する状態で回転可能に配設して構成され
    る永久磁石形モータにあって、 前記固定子鉄心及び回転子鉄心は、それぞれ前記鉄板を
    m枚(mは1以上の整数)ごとに360/(2×N)度
    周方向にずらして積層することによって構成し、前記永
    久磁石は、少なくとも一部の磁極の周方向中央部と回転
    子の回転中心とを結ぶ磁極軸が前記回転子鉄心の鉄板の
    磁化容易方向と略一致するするように配置したことを特
    徴とする永久磁石形モータ。
  6. 【請求項6】 固定子鉄心の鉄板の積層枚数及び回転子
    鉄心の鉄板の積層枚数は、mと(2×N)の公倍数とな
    るように設定したことを特徴とする請求項5記載の永久
    磁石形モータ。
  7. 【請求項7】 固定子鉄心は固定子巻線を納めるスロッ
    トをS個有し、この固定子鉄心は、1方向の磁化容易方
    向を有する鉄板をm枚(mは1以上の整数)ごとに周方
    向に360/S度ずつずらして積層することによって構
    成したことを特徴とする請求項4記載の永久磁石形モー
    タ。
  8. 【請求項8】 固定子鉄心の鉄板の積層枚数及び回転子
    鉄心の鉄板の積層枚数は、Sと(2×N)とmの公倍数
    となるように設定したことを特徴とする請求項7記載の
    永久磁石形モータ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の永
    久磁石形モータを搭載した冷却装置用コンプレッサ。
JP6125061A 1994-06-07 1994-06-07 永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ Pending JPH07336918A (ja)

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