JPH07332423A - ショックアブソーバ用ピストン - Google Patents
ショックアブソーバ用ピストンInfo
- Publication number
- JPH07332423A JPH07332423A JP12215194A JP12215194A JPH07332423A JP H07332423 A JPH07332423 A JP H07332423A JP 12215194 A JP12215194 A JP 12215194A JP 12215194 A JP12215194 A JP 12215194A JP H07332423 A JPH07332423 A JP H07332423A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- main body
- outer peripheral
- peripheral surface
- piston main
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造コスト安価にして、品質、性能のよいシ
ョックアブソーバ用ピストンを提供する。 【構成】 ピストン主体の外周部に、インサート射出成
形法を適用して一体成形された耐熱性樹脂からなるシー
ル部が備えられていることを特徴とする。
ョックアブソーバ用ピストンを提供する。 【構成】 ピストン主体の外周部に、インサート射出成
形法を適用して一体成形された耐熱性樹脂からなるシー
ル部が備えられていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はショックアブソーバ用ピ
ストンに関する。
ストンに関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ショックアブソーバ用ピス
トンは一般に金属製ピストン主体と該主体の外周部に一
体に形成されたシール部とから構成されている。
トンは一般に金属製ピストン主体と該主体の外周部に一
体に形成されたシール部とから構成されている。
【0003】上記シール部はシリンダの内周面と激しく
摺接する部分であり、使用条件が極めて過酷なことか
ら、耐熱性、耐摩耗性、摺動性などに優れていることが
望まれる。而して従来では上記シール部の構成材料とし
てはプラスチックの中でも最も材質面での諸特性、特に
耐熱性(260℃での長時間使用可能)及び摺動性(低
摩擦係数)に優れるポリ四フッ化エチレンが使用されて
いる。
摺接する部分であり、使用条件が極めて過酷なことか
ら、耐熱性、耐摩耗性、摺動性などに優れていることが
望まれる。而して従来では上記シール部の構成材料とし
てはプラスチックの中でも最も材質面での諸特性、特に
耐熱性(260℃での長時間使用可能)及び摺動性(低
摩擦係数)に優れるポリ四フッ化エチレンが使用されて
いる。
【0004】ところがポリ四フッ化エチレンは、よく知
られているように加熱しても溶融せず、330℃以上で
ゲル状になるに過ぎないので、加工がむずかしく、射出
成形などの通常の成形手段を適用することはできない。
られているように加熱しても溶融せず、330℃以上で
ゲル状になるに過ぎないので、加工がむずかしく、射出
成形などの通常の成形手段を適用することはできない。
【0005】従って従来では、例えばポリ四フッ化エチ
レンを高温加熱のもとに圧縮成形して得られたシート材
を円盤状に打抜き、これをピストン主体に嵌め込んだ
後、絞り加工などにより筒状に変形しつつピストン主体
の外周面に圧着し被覆してシール部を形成するという手
段が採られているが、これではシール部の形成に多くの
加工工程を要し製造コスト高になることに加え、図4に
概略的に示すように、ピストン主体1′のリング状凹溝
2′に対するシール部3′の噛み込みが浅く、シール部
3′の保持力が弱く、ポリ四フッ化エチレンの材質面の
諸特性を十分に活かしきれないという問題点があった。
レンを高温加熱のもとに圧縮成形して得られたシート材
を円盤状に打抜き、これをピストン主体に嵌め込んだ
後、絞り加工などにより筒状に変形しつつピストン主体
の外周面に圧着し被覆してシール部を形成するという手
段が採られているが、これではシール部の形成に多くの
加工工程を要し製造コスト高になることに加え、図4に
概略的に示すように、ピストン主体1′のリング状凹溝
2′に対するシール部3′の噛み込みが浅く、シール部
3′の保持力が弱く、ポリ四フッ化エチレンの材質面の
諸特性を十分に活かしきれないという問題点があった。
【0006】本発明はこのような従来の問題点を一掃す
ることを目的としてなされたものである。
ることを目的としてなされたものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者は上記問題点
を一掃するべく鋭意研究を重ねた結果、上記シール部を
ピストン主体の外周面に、射出成形可能なフッ素樹脂そ
の他、耐熱性樹脂を用いて、インサート射出成形法の適
用のもとに形成するときは、ポリ四フッ化エチレンを用
いた従来品と変らない品質、性能の製品が得られること
を見出し、茲に本発明を完成するに至ったものである。
を一掃するべく鋭意研究を重ねた結果、上記シール部を
ピストン主体の外周面に、射出成形可能なフッ素樹脂そ
の他、耐熱性樹脂を用いて、インサート射出成形法の適
用のもとに形成するときは、ポリ四フッ化エチレンを用
いた従来品と変らない品質、性能の製品が得られること
を見出し、茲に本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち本発明は、ピストン主体の外周部に、
インサート射出成形法を適用して一体成形された耐熱性
樹脂からなるシール部が備えられていることを特徴とす
るショックアブソーバ用ピストンに係る。
インサート射出成形法を適用して一体成形された耐熱性
樹脂からなるシール部が備えられていることを特徴とす
るショックアブソーバ用ピストンに係る。
【0009】
【実施例】以下に本発明の1実施例を添附図面にもとづ
き説明すると次の通りである。
き説明すると次の通りである。
【0010】図1は本発明ピストンを示し、該ピストン
は、ピストン主体1と該主体1の外周面に一体に形成さ
れた耐熱性樹脂からなるシール部2とから構成され、ピ
ストン主体1には常法通りオリフィス3とピストンロッ
ドの取付け部4とが形成されている。さらに外周部にリ
ング状の凹溝5が例えば一端側と他端側の2個所に形成
されている。
は、ピストン主体1と該主体1の外周面に一体に形成さ
れた耐熱性樹脂からなるシール部2とから構成され、ピ
ストン主体1には常法通りオリフィス3とピストンロッ
ドの取付け部4とが形成されている。さらに外周部にリ
ング状の凹溝5が例えば一端側と他端側の2個所に形成
されている。
【0011】ピストン主体1はステンレス、銅合金など
の金属製であり、特に焼結金属製のものは軽量、安価で
あり、好適である。
の金属製であり、特に焼結金属製のものは軽量、安価で
あり、好適である。
【0012】シール部2は、ピストン主体1を金型内に
インサートし、射出成形手段を適用して一体成形され
る。インサート射出成形時の状況が図2に概略的に示さ
れ、図2において、Aは金型、Bはゲートを示してい
る。
インサートし、射出成形手段を適用して一体成形され
る。インサート射出成形時の状況が図2に概略的に示さ
れ、図2において、Aは金型、Bはゲートを示してい
る。
【0013】シール部2の射出成形に用いる樹脂は、耐
熱性を有していることが必要であり、例えばポリ三フッ
化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチ
レンと六フッ化プロピレンとの共重合などのような射出
成形可能なフッ素樹脂、その他、耐熱強化ナイロン樹脂
(例えば帝人アモユ製アモデル)、ポリフェニレンサル
ファイド(例えばポリプラスチック製フォートロン)な
どを用い得る。之等樹脂には、強度、摺動性、耐摩耗性
などの向上を目的として各種の充填剤を添加することが
できる。充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、無機
質短繊維(例えばチタン酸カリウムの短繊維、フッ素系
樹脂、油(例えばシリコンオイル)などを例示でき、之
等のうちから樹脂の種類などに応じ選択使用する。樹脂
に対する添加量は2〜50重量%の範囲から適宜選択さ
れる。
熱性を有していることが必要であり、例えばポリ三フッ
化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチ
レンと六フッ化プロピレンとの共重合などのような射出
成形可能なフッ素樹脂、その他、耐熱強化ナイロン樹脂
(例えば帝人アモユ製アモデル)、ポリフェニレンサル
ファイド(例えばポリプラスチック製フォートロン)な
どを用い得る。之等樹脂には、強度、摺動性、耐摩耗性
などの向上を目的として各種の充填剤を添加することが
できる。充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、無機
質短繊維(例えばチタン酸カリウムの短繊維、フッ素系
樹脂、油(例えばシリコンオイル)などを例示でき、之
等のうちから樹脂の種類などに応じ選択使用する。樹脂
に対する添加量は2〜50重量%の範囲から適宜選択さ
れる。
【0014】上記樹脂のうち、フッ素樹脂は耐熱性、耐
摩耗性、摺動性(摩擦係数小)に優れ、特に適当であ
る。
摩耗性、摺動性(摩擦係数小)に優れ、特に適当であ
る。
【0015】本発明において、シール部2はピストン主
体1の外周面に、インサート射出成形手段を適用して一
体成形されているので、シール部2を構成している樹脂
層の一部が上記主体1の外周面のリング状凹溝5内に填
充状態にくい込み、ピストン主体1との結合が極めて強
固になる。
体1の外周面に、インサート射出成形手段を適用して一
体成形されているので、シール部2を構成している樹脂
層の一部が上記主体1の外周面のリング状凹溝5内に填
充状態にくい込み、ピストン主体1との結合が極めて強
固になる。
【0016】以下に本発明ピストンと従来ピストンとの
比較試験例をあげる。
比較試験例をあげる。
【0017】[シール部] 本発明1:溶融フッ素樹脂(ダイキン工業製ネオフロン
FMC)+炭素繊維(20重量%) 本発明2:耐熱強化ナイロン樹脂(帝人アモユ製アモデ
ル)+フッ素樹脂(30重量%) 従来品:炭素繊維25重量%含有ポリ四フッ化エチレン
圧縮成形品 [ピストン主体] Fe−2%Cu−0.5%焼結体 密度6.5g/cm
3 [摩擦試験条件] 試験方法…図3参照、図中aは相手材、bは試料、cは
潤滑剤の滴下具、dは相手材の回転方向、eは加圧方向 相手材の回転速度…1.46m/sec 荷重…50kg 滑走方法…スピンドル油、1sec毎滴下 相手材…STKM−12B 時間…5分 [試験結果]
FMC)+炭素繊維(20重量%) 本発明2:耐熱強化ナイロン樹脂(帝人アモユ製アモデ
ル)+フッ素樹脂(30重量%) 従来品:炭素繊維25重量%含有ポリ四フッ化エチレン
圧縮成形品 [ピストン主体] Fe−2%Cu−0.5%焼結体 密度6.5g/cm
3 [摩擦試験条件] 試験方法…図3参照、図中aは相手材、bは試料、cは
潤滑剤の滴下具、dは相手材の回転方向、eは加圧方向 相手材の回転速度…1.46m/sec 荷重…50kg 滑走方法…スピンドル油、1sec毎滴下 相手材…STKM−12B 時間…5分 [試験結果]
【0018】
【表1】
【0019】[考察]摩耗試験の結果、従来のピストン
である炭素繊維25%含有ポリ四フッ化エチレン圧縮成
形品と比較して、本発明ピストンの方が耐摩耗性に優れ
ていることが判る。また従来のピストンは試験後皮膜の
はがれが見られるのに対して、本発明ピストンには皮膜
のはがれは見られず耐久性においても優れていることが
判明した。
である炭素繊維25%含有ポリ四フッ化エチレン圧縮成
形品と比較して、本発明ピストンの方が耐摩耗性に優れ
ていることが判る。また従来のピストンは試験後皮膜の
はがれが見られるのに対して、本発明ピストンには皮膜
のはがれは見られず耐久性においても優れていることが
判明した。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、シール部を射出成形手
段を適用して成形できるので、量産が可能となり、製造
コスト安価にして、品質、性能のよいショックアブソー
バ用ピストンを提供できる。
段を適用して成形できるので、量産が可能となり、製造
コスト安価にして、品質、性能のよいショックアブソー
バ用ピストンを提供できる。
【図1】本発明の1実施例を示す縦断面図である。
【図2】射出成形時の状況を示す説明図である。
【図3】摩耗試験方法の説明図である。
【図4】従来品の1例を概略的に縦断面図である。
1 ピストン主体 2 シール部 3 オリフイス 4 取付け部 5 リング状凹溝
Claims (4)
- 【請求項1】 ピストン主体の外周部に、インサート射
出成形法を適用して一体成形された耐熱性樹脂からなる
シール部が備えられていることを特徴とするショックア
ブソーバ用ピストン。 - 【請求項2】 上記シール部が射出成形可能なフッ素樹
脂から成形されていることを特徴とする請求項1記載の
ピストン。 - 【請求項3】 ピストン主体が焼結金属から構成されて
いることを特徴とする請求項1又は2記載のピストン。 - 【請求項4】 ピストン主体が外周部に凹溝を有し、該
凹溝内にシール部を構成している樹脂層の一部が填充状
態にくい込んでいることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1つに記載のピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12215194A JPH07332423A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ショックアブソーバ用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12215194A JPH07332423A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ショックアブソーバ用ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332423A true JPH07332423A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14828873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12215194A Pending JPH07332423A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | ショックアブソーバ用ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07332423A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19651161C1 (de) * | 1996-12-10 | 1998-06-04 | Mannesmann Sachs Ag | Verfahren zur Herstellung eines Kolbenringes |
WO2000034682A1 (en) * | 1998-12-04 | 2000-06-15 | W.S. Shamban Europa A/S | A piston or plunger and a method for making the same |
WO2002053934A1 (fr) * | 2000-12-27 | 2002-07-11 | Kayaba Industry Co., Ltd. | Procede de fabrication d'un amortisseur hydraulique et systeme pour la production d'un amortisseur hydraulique en usine |
JP2007021672A (ja) * | 2005-07-19 | 2007-02-01 | Aoi Seiko:Kk | 工具ポット |
JP2012202430A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Kyb Co Ltd | ピストンリングおよびピストン構造 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP12215194A patent/JPH07332423A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19651161C1 (de) * | 1996-12-10 | 1998-06-04 | Mannesmann Sachs Ag | Verfahren zur Herstellung eines Kolbenringes |
WO2000034682A1 (en) * | 1998-12-04 | 2000-06-15 | W.S. Shamban Europa A/S | A piston or plunger and a method for making the same |
US6327963B1 (en) | 1998-12-04 | 2001-12-11 | W.S. Shamban Europa A/S | Piston or plunger and a method for making the same |
WO2002053934A1 (fr) * | 2000-12-27 | 2002-07-11 | Kayaba Industry Co., Ltd. | Procede de fabrication d'un amortisseur hydraulique et systeme pour la production d'un amortisseur hydraulique en usine |
US7065852B2 (en) | 2000-12-27 | 2006-06-27 | Kayaba Industry Co., Ltd. | Method of manufacturing hydraulic shock absorber and production system for shock absorber in plant |
JP2007021672A (ja) * | 2005-07-19 | 2007-02-01 | Aoi Seiko:Kk | 工具ポット |
JP4701028B2 (ja) * | 2005-07-19 | 2011-06-15 | 株式会社葵精工 | 工具ポット |
JP2012202430A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Kyb Co Ltd | ピストンリングおよびピストン構造 |
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