JPH07332410A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JPH07332410A
JPH07332410A JP6130411A JP13041194A JPH07332410A JP H07332410 A JPH07332410 A JP H07332410A JP 6130411 A JP6130411 A JP 6130411A JP 13041194 A JP13041194 A JP 13041194A JP H07332410 A JPH07332410 A JP H07332410A
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back plate
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brake
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vibration
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Application number
JP6130411A
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English (en)
Inventor
Kenji Abe
健司 阿部
Shigeru Ichikawa
繁 市川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH07332410A publication Critical patent/JPH07332410A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキパッドが剛体として振動することに
よる鳴きの発生を低減させ得るディスクブレーキ装置を
提供する。 【構成】 裏板20の車両前進中のリーディング側端部
に対向して接触部材駆動シリンダ82を設け、液圧室1
08にマスタシリンダ圧を伝達してピストンロッド10
4を裏板20に接触させるとともに、遮断弁112を設
けて液圧室108へのブレーキ液の供給を遮断し、液圧
室108の液圧をピストンロッド104が裏板20に4
9N(5kgf )の力で接触する高さに保つ。ピストンロ
ッド104は非制動時には非接触位置にあり、制動時に
前進して裏板20に接触し、裏板20のリーディング側
端部の移動を規制して振動を抑制し、鳴きを低減させ
る。電動モータを駆動源とする装置により接触部材を裏
板に接触させてもよく、裏板の摩擦面に直角な側面に接
触部材を接触させて摩擦により振動を抑制してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスクブレーキ装置に
関するものであり、特に、制動時における鳴きの低減に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキ装置は、一般に、
(a)一軸線まわりに回転可能なディスクロータと、
(b)非回転部材に固定されたトルク受け部材と、
(c)裏板と、その裏板に固着された摩擦材とを有し、
ディスクロータの両側の摩擦面にそれぞれ対向する位置
に配設されるとともに、トルク受け部材によってディス
クロータ回転軸線に平行な方向に移動可能に支持された
一対のブレーキパッドと、(d)それらブレーキパッド
をそれぞれディスクロータの摩擦面に押し付ける押圧装
置とを含むように構成される。
【0003】このようなディスクブレーキ装置におい
て、制動時に鳴きと称する異音が発生することがある。
この鳴きは、ブレーキパッドのディスクロータへの摺接
の結果生じる摩擦振動が原因となって生じ、乗員に不快
感を与える。そのため、鳴きの発生を防止するために、
従来から、摩擦材の気孔率を大きくし、あるいはカシュ
ーダストやラバーダストを多くして振動減衰能を高くし
たり、裏板に振動減衰性に優れた材料を挿入して振動エ
ネルギを吸収し、あるいは裏板にシムを取り付けて振動
を減衰させたりすることが行われている。また、ディス
クロータに液体,砂等の振動減衰材を封入して振動エネ
ルギを吸収させ、あるいはディスクロータにリングを巻
き付けて振動時における両者の摩擦を伴う相対移動によ
り振動エネルギを吸収させることも提案されている。
【0004】しかしながら、このような鳴き防止手段
は、鳴きが1万ヘルツ前後の振動により発生するときに
は効果が得られるが、2千ヘルツ前後の振動により発生
するときには十分な効果を得ることができない。この周
波数の振動は流入エネルギが大きいため、摩擦材,裏板
あるいはディスクロータの振動減衰能を高めても収束し
難く、鳴き防止効果が低いのである。
【0005】上記周波数の鳴きが生ずるときは、ブレー
キパッドが剛体として振動し、車両前進中においてリー
ディング側となるリーディング側端部が特に大きく振動
することがわかっている。これは、制動時にはディスク
ロータの回転と共にブレーキパッドがトレーリング側へ
移動し、裏板のトレーリング側端部がトルク受け部材の
トルク受け面に押し付けられ、大きな摩擦力により拘束
されて振動し難いのに対し、リーディング側端部はトル
ク受け面から離れた状態になって拘束されず、振動し易
いためであると推測される。
【0006】特開昭63−135623号公報に記載さ
れているように、1つのブレーキパッドが、並列に配設
された2個のピストンによってディスクロータに押し付
けられるディスクブレーキ装置においては、ブレーキパ
ッドがディスクロータの回転方向において離れた2個所
でディスクロータに押し付けられる。そのため、ブレー
キパッドがピストン1個でディスクロータに押し付けら
れる場合に比較して、ブレーキパッドの端に近い部分を
押さえることができ、裏板のリーディング側端部の振動
を抑制して鳴きの発生を低減させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のディスクブレーキ装置においても鳴きの発生を十分に
抑制できない場合がある。鳴きは、液圧が低く、ピスト
ンによるブレーキパッドの拘束力が小さいときに生じ易
い。液圧が低い状態では、ホイールシリンダの液圧室に
液圧を伝達するための液通路を構成するゴムホースやシ
ール部材が容易に弾性変形し得るため、液圧室から液通
路側へブレーキ液が流出することが容易であり、ブレー
キパッドの振動が許容される。上記のように1つのブレ
ーキパッドが2個のピストンによってディスクロータに
押し付けられるディスクブレーキ装置において、ブレー
キパッドの端に近い部分がピストンにより押さえられて
も、ピストンによるブレーキパッドの拘束力が不足する
状態が生じ、ブレーキパッドの振動が許容され、鳴きが
発生することがあるのである。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑み、ブレーキパ
ッドが剛体として振動することにより生ずる鳴きの発生
を良好に低減することができるディスクブレーキ装置を
提供することを課題として為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、ブレーキパッドの裏板の車両前進中に
リーディング側となるリーディング側端部に少なくとも
車両前進中の制動時に接触し、リーディング側端部の振
動を抑制する接触部材を備えた振動抑制装置を設けたこ
とを要旨とするものである。
【0010】
【作用】裏板のリーディング側端部に接触部材を接触さ
せれば、裏板の移動が規制され、あるいは裏板の振動エ
ネルギが摩擦により熱エネルギに変換されて振動が抑制
される。
【0011】
【発明の効果】このように本発明によれば、ブレーキパ
ッドが剛体として振動する場合であってもブレーキパッ
ドの振動を良好に減衰させることができ、鳴きが発生し
難いディスクブレーキ装置を得ることができる。
【0012】
【発明の望ましい態様】以下、本発明の望ましい態様を
列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。 (1)前記接触部材が前記裏板の前記ディスクロータの
摩擦面に平行な面に接触する請求項1に記載のディスク
ブレーキ装置。裏板のディスクロータの摩擦面に平行な
面は、裏板の摩擦材が固着された表面でもよく、あるい
は摩擦材が固着された側とは反対側の裏面でもよい。い
ずれにしても接触部材が裏板に接触することにより、実
施例の項において述べるように、裏板の移動が規制さ
れ、あるいは裏板の振動に伴い裏板から接触部材に伝達
される振動エネルギが摩擦によって熱エネルギに変換さ
れることにより振動が抑制される。
【0013】(2)前記接触部材が前記裏板の前記ディ
スクロータの摩擦面に直角な面に接触する請求項1に記
載のディスクブレーキ装置。この態様の装置において
は、裏板と接触部材との間の摩擦により裏板の振動エネ
ルギが熱エネルギに変換されて振動が抑制される。
【0014】(3)前記接触部材が裏板の摩擦材が固着
された表面とは反対側の裏面に対向する位置においてデ
ィスクロータ回転軸線と平行な方向に移動可能に設けら
れた態様(1)に記載のディスクブレーキ装置。
【0015】(4)前記接触部材が裏板の摩擦面に直角
な面に対向する位置においてディスクロータの回転軸線
と直角な方向に移動可能に設けられた態様(2)に記載
のディスクブレーキ装置。
【0016】(5)前記振動抑制装置が、接触部材を裏
板に接触する接触位置と、裏板から離れる非接触位置と
に移動させる接触部材移動装置を有する態様(3)また
は(4)に記載のディスクブレーキ装置。
【0017】(6)前記接触部材移動装置が流体圧によ
り作動する接触部材駆動シリンダを含む態様(5)に記
載のディスクブレーキ装置。流体圧は、液圧でもよく、
あるいは気体圧でもよい。
【0018】(7)前記押圧装置が、液圧の伝達による
ピストンの作動によりブレーキパッドをディスクロータ
に押し付けるブレーキシリンダを含み、前記接触部材移
動装置が、ブレーキシリンダに伝達される液圧を前記接
触部材駆動シリンダに伝達する液圧伝達装置を含む態様
(6)に記載のディスクブレーキ装置。この態様の装置
において制動時には、液圧の伝達によりピストンが前進
してブレーキパッドをディスクロータに押し付け、車輪
の回転を抑制する。ブレーキシリンダへの液圧の伝達と
同時に、液圧伝達装置により接触部材駆動シリンダに液
圧が伝達され、接触部材が非接触位置から接触位置へ移
動させられて裏板に接触し、振動を抑制する。ブレーキ
シリンダと接触部材駆動シリンダとが液圧源を共用する
ため、接触部材駆動シリンダ専用の液圧源を設ける場合
に比較して装置を安価に構成することができる。この共
用の液圧源は、ブレーキシリンダのピストンがマスタシ
リンダの加圧室に発生した液圧に基づいて作動するもの
であるときにはマスタシリンダであり、マスタシリンダ
とは別に設けられた液圧源、例えば、アキュムレータお
よびポンプにより構成される液圧源の液圧に基づいて作
動するものであるときには、その別に設けられた液圧源
である。
【0019】(8)前記接触部材移動装置が、電動モー
タと、その電動モータの回転を前記接触部材の接触位置
と非接触位置との間の運動に変換して伝達する運動伝達
機構と、電動モータを制御するモータ制御装置とを含む
態様(5)に記載のディスクブレーキ装置。
【0020】(9)前記接触部材の前記裏板への接触力
を予め設定された大きさに制御する接触力制御装置を含
む態様(1)〜(8)のいずれか1つに記載のディスク
ブレーキ装置。この態様の装置においては、接触部材の
裏板への接触力の設定により、接触力が過大になって裏
板を損傷したり、ブレーキパッドのディスクロータへの
押圧力が過大になることがないようにすることができ
る。
【0021】(10)前記接触部材移動装置が、前記ブレー
キシリンダに伝達される液圧の伝達によりピストンが作
動して接触部材を移動させる接触部材駆動シリンダを含
み、前記接触力制御装置が、接触部材が所定の接触力で
裏板に接触する状態で接触部材駆動シリンダの液圧室に
作動液を封入する作動液封入手段を含む態様(9)に記
載のディスクブレーキ装置。
【0022】(11)前記作動液封入手段が、前記接触部材
駆動シリンダの液圧室に伝達される液圧が接触部材を所
定の力で裏板に接触させる高さになった状態で液圧室へ
のブレーキ液の供給を遮断する遮断弁を含む態様(10)に
記載のディスクブレーキ装置。遮断弁は、実施例の項に
おいて述べるように、液圧室の液圧が設定値を超えたと
きに機械的に液通路を閉じてブレーキ液の供給を遮断す
るパイロット式開閉弁やパイロット式方向切換弁等でも
よく、あるいは液圧室の液圧が設定値を超えたことを電
気的に検出し、その検出に基づいて液通路を閉じる電磁
開閉弁や電磁方向切換弁等でもよい。
【0023】(12)前記押圧装置によりブレーキパッドが
ディスクロータに押し付けられたことを検出する押圧検
出手段を有し、前記振動抑制装置が、押圧検出手段によ
りブレーキパッドのディスクロータへの押圧が検出され
た後に前記接触部材移動装置に接触部材を接触位置へ移
動させる移動制御手段を含む態様(1) 〜(12)のいずれか
1つに記載のディスクブレーキ装置。制動開始後、まだ
摩擦材と摩擦面との間にブレーキクリアランスがあり、
摩擦材が摩擦面に接触していない状態では裏板は振動せ
ず、接触部材を接触させて振動を抑制する必要はない。
ブレーキパッドのディスクロータへの押圧が検出された
後に接触させれば振動抑制には十分であり、振動抑制装
置がディスクブレーキ装置の作動を妨げたり、無駄に作
動したりすることがない。
【0024】(13)前記押圧検出手段が、前記トルク受け
部材に設けられたトルクセンサを含む態様(12)に記載の
ディスクブレーキ装置。ブレーキパッドがディスクロー
タの摩擦面に押し付けられて回転を抑制するとき、トル
ク受け部材にはブレーキパッドから回転トルクが加えら
れる。この回転トルクはブレーキパッドが摩擦面に押し
付けられることにより生ずるため、トルク受け部材にト
ルクセンサを設けることにより、ブレーキパッドのディ
スクロータへの押圧を検出することができる。トルクセ
ンサとしては、通常はトルク受け面から僅かに突出して
おり、ブレーキパッドがトルク受け面に強く押しつけら
れた場合にはトルク受け面と同一平面上まで後退する圧
力センサを使用することができ、トルク受け部材自体の
の歪みや変位を検出する歪みゲージや変位検出器を使用
することもできる。
【0025】(14)前記押圧装置が液圧の伝達によりピス
トンが作動し、ブレーキパッドをディスクロータに押し
付けるブレーキシリンダを含み、前記押圧検出手段が、
ブレーキシリンダの液圧を検出する液圧センサを含む態
様(12)に記載のディスクブレーキ装置。この態様の装置
においては、ブレーキパッドはブレーキシリンダへの液
圧の伝達によりディスクロータに押し付けられ、車輪の
回転を抑制する。ブレーキシリンダの液圧は、ブレーキ
パッドがディスクロータに押し付けられた後に上昇する
ため、液圧シリンダの液圧が設定値以上になったか否か
により、ブレーキパッドのディスクロータへの押圧を検
出することができる。
【0026】(15)前記振動抑制装置が、接触部材を弾性
的に付勢して裏板に接触させる付勢手段を含む態様(2),
(4) 〜(8),(12)〜(14)のいずれか1つに記載のディスク
ブレーキ装置。この態様の装置においては、制動時には
接触部材が裏板のディスクロータの摩擦面に直角な面と
の間の摩擦により振動を減衰させ、鳴きの発生を低減さ
せる。接触部材を制動時,非制動時を問わず常時裏板に
接触させることも可能である。
【0027】(16)前記振動抑制装置が、少なくとも制動
中は接触部材のディスクロータ回転軸線と平行な方向の
移動を阻止する移動阻止装置を含む請求項1または態様
(1)〜(15)のいずれか1つに記載のディスクブレーキ装
置。接触部材がディスクロータ回転軸線と平行な方向に
移動可能なものである場合に接触部材のディスクロータ
回転軸線と平行な方向の移動を阻止すれば、制動中にブ
レーキパッドから接触部材に力が加えられても接触部材
は移動せず、ブレーキパッドの移動を阻止して振動を抑
制し、あるいは押圧装置の押圧力に変化が生じても接触
部材は移動せず、ブレーキパッドを振動させず、鳴きの
発生を低減させ得る。また、接触部材がディスクロータ
回転軸線と直角な方向に移動可能なものである場合に接
触部材のディスクロータ回転軸線と平行な方向の移動を
阻止すれば、鳴き発生時にブレーキパッドと接触部材と
の間に摩擦を伴う相対移動を確実に生じさせて振動減衰
効果を得ることができる。
【0028】(17)前記振動抑制装置が、制動解除時に前
記接触部材を前記ディスクロータから離れる向きに移動
させることにより前記ブレーキパッドの引き摺りを防止
する引き摺り防止装置を有する請求項1または態様(1)
〜(16)のいずれか1つに記載のディスクブレーキ装置。
ディスクブレーキ装置においては、制動が解除されても
ブレーキパッドがディスクロータに接触したままとなる
引き摺りを防止するために、スプリング等のブレーキパ
ッド戻し手段が設けられ、ブレーキパッドをディスクロ
ータから離間させるようにされている。したがって、こ
の引き摺り防止装置は、ディスクブレーキ装置にもとも
と設けられているブレーキパッド戻し手段でもよく、あ
るいは振動抑制装置に設けられ、制動解除時に接触部材
を強制的に非接触位置へ戻してブレーキパッドの戻りを
妨げないようにするものでもよく、あるいは接触部材を
移動させることによりブレーキパッドを積極的に非制動
位置へ戻すものでもよい。
【0029】(18)前記接触部材の移動方向には移動不能
に設けられ、接触部材と摩擦係合し、接触部材の振動を
抑制する摩擦係合部材を含む請求項1または態様(1) 〜
(9),(12)〜(17)のいずれか1つに記載のディスクブレ
ーキ装置。摩擦係合部材は、裏板の振動に伴って振動す
る接触部材の振動エネルギを摩擦により熱エネルギに変
換し、それにより接触部材の振動が抑制されるとともに
裏板の振動が抑制され、鳴きの発生が低減させられる。
【0030】(19)前記振動抑制装置がブレーキパッドの
裏板のディスクロータ回転方向の両端部にそれぞれ設け
られている請求項1または態様(1) 〜(18)のいずれか1
つに記載のディスクブレーキ装置。この態様の装置にお
いては、裏板の車両前進中のトレーリング側となるトレ
ーリング側端部にも接触部材が接触させられ、裏板全体
の振動が抑制され、鳴きの発生が十分に低減させられ
る。また、車両後退時にも裏板の振動が抑制され、鳴き
の発生が低減させられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明をピンスライド型キャリパ浮動
式ディスクブレーキ装置に適用した実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図2において10はディスクロー
タであり、図示しない車輪と共に自身の軸線まわりに回
転する。ディスクロータ10の両側の摩擦面12,14
に対向してそれぞれブレーキパッド、すなわちインナパ
ッド16およびアウタパッド18が配設されている。イ
ンナパッド16およびアウタパッド18はそれぞれ、金
属製の裏板20,22に摩擦材24,26が固着されて
成る。裏板20,22のディスクロータ回転方向におい
て隔たった両端部にはそれぞれ、図3に示すように耳片
28,30が形成され、トルク受け部材32に形成され
た切欠34,36にディスクロータ10の回転軸線に平
行な方向に移動可能に嵌合されている。
【0032】トルク受け部材32は、図示しない非回転
部材としての車軸管あるいはナックルアーム等に固定さ
れている。トルク受け部材32は、ディスクロータ10
に対して車両内側において非回転部材に取り付けられる
板状の取付部38と、取付部38のディスクロータ回転
方向に隔たった両端部からそれぞれ延び出させられてデ
ィスクロータ10を跨ぐ一対の跨ぎ部40と、ディスク
ロータ10に対して車両外側において跨ぎ部40を連結
する連結部42とを有し、取付部38と連結部42とに
それぞれ前記切欠34,36が形成され、インナパッド
16およびアウタパッド18を支持している。
【0033】上記ディスクロータ10,インナパッド1
6およびアウタパッド18を跨いでキャリパ46が配設
されている。キャリパ46は鞍形を成すとともに、一対
の円筒状の摺動部48,50を有し、トルク受け部材3
2の取付部38側にディスクロータ回転軸線と平行に立
設された一対のスライドピン52,54に摺動可能に嵌
合されている。
【0034】キャリパ46のインナパッド16に対向す
る部分には、インナパッド16側に開口するシリンダボ
ア58が形成されるとともに、ピストン60が液密かつ
ディスクロータ回転軸線と平行な方向に摺動可能に嵌合
されている。シリンダボア58の底面とピストン60と
の間に形成された液圧室62は、図1に示す液通路63
によってマスタシリンダ64の加圧室に接続されてお
り、ブレーキペダル66の踏込みによりマスタシリンダ
64の加圧室に発生させられた液圧が液圧室62に伝達
されることによりピストン60が前進し、インナパッド
16をディスクロータ10の摩擦面12に押し付ける。
キャリパ46のインナパッド16に対向する部分とピス
トン60とが液圧室62を備えたブレーキシリンダ68
を構成しているのである。
【0035】キャリパ46のアウタパッド18に対向す
る部分には、図2に示すように一対の爪部70が形成さ
れており、インナパッド16がピストン60によりディ
スクロータ10に押し付けられるとき、キャリパ46が
反力により移動し、爪部70がアウタパッド18をディ
スクロータ10の摩擦面14に押し付ける。ブレーキペ
ダル66の踏込みが解除されれば液圧室62の液圧が低
下し、インナパッド16およびアウタパッド18は、一
対のリトラクションスプリング72の付勢力によって摩
擦面12,14から離間させられる。これらリトラクシ
ョンスプリング72は、トルク受け部材32の跨ぎ部4
0に取り付けられるとともにインナパッド16,アウタ
パッド18に係合させられている。
【0036】トルク受け部材32の取付部38と連結部
42とにはそれぞれ振動抑制装置80が設けられ、制動
時におけるインナパッド16およびアウタパッド18の
振動を抑制するようにされている。これら振動抑制装置
80の構成は同じであり、インナパッド16の振動を抑
制する振動抑制装置80を代表的に説明する。
【0037】振動抑制装置80は、取付部38の車両前
進中(このときディスクロータ10は図2および図3に
矢印で示す方向に回転する)にリーディング側となる部
分に設けられており、液圧により作動する接触部材駆動
シリンダ82を有する。接触部材駆動シリンダ82は、
取付部材84によって取付部38に取り付けられてい
る。
【0038】取付部材84は、図1に示すように取付部
38からロータ回転軸線に平行な方向に取付部38から
離れる向きに延び出させられた後、図1および図3に示
すように斜め上方、すなわち裏板20の車両前進中にリ
ーディング側となる耳片28側へ延び出させられてい
る。取付部材84の、裏板20の耳片28を含むリーデ
ィング側端部86に対向する部分に、接触部材駆動シリ
ンダ82がディスクロータ回転軸線と平行な姿勢で固定
されている。
【0039】取付部材84は、取付部38に位置調節可
能に固定されている。取付部材84には貫通穴90およ
び貫通穴90と同心の円弧状を成す長穴92が形成され
ており、これら貫通穴90および長穴92を通ってボル
ト94,96が取付部38に螺合されることにより、取
付部材84が取付部38に固定されている。貫通穴90
および長穴92はいずれもボルト94,96のねじ部の
直径より大きな内のり寸法で形成されており、取付部材
84を貫通穴90の中心のまわりに回動させるととも
に、貫通穴90,長穴92とボルト94,96との相対
位置を調節することにより、接触部材駆動シリンダ82
の裏板20に対する位置を調節することができる。
【0040】接触部材駆動シリンダ82のシリンダハウ
ジング100内には、図1に示すようにピストン102
が液密かつ摺動可能に嵌合されるとともに、ピストンロ
ッド104がシリンダハウジング100から突出させら
れ、裏板20に僅かな隙間を残して対向させられてい
る。ピストン102はシリンダハウジング100内に配
設されたスプリング106により、ピストンロッド10
4が裏板20から離間する向きに付勢されている。この
スプリング106のセット荷重は49N(5kgf)に設
定されている。
【0041】シリンダハウジング100内の液圧室10
8は、液通路110により、前記マスタシリンダ64の
加圧室と前記ブレーキシリンダ68とを接続する液通路
63に接続されている。この液通路110にはパイロッ
ト式の遮断弁112が設けられている。遮断弁112
は、通常はマスタシリンダ64と液圧室108との連通
を許容するが、マスタシリンダ圧が上昇し、液圧室10
8内の液圧が設定値を超えたとき、閉じて液圧室108
へのブレーキ液の流入,流出を阻止するものである。本
実施例において遮断弁112のブレーキ液遮断圧は、ピ
ストン102を98N(10kgf )の力で押す大きさに
設定されている。
【0042】液通路110には遮断弁112をバイパス
するバイパス通路116が設けられるとともに、バイパ
ス通路116には、液圧室108からマスタシリンダ6
4へのブレーキ液の流れは許容するが、逆向きの流れは
阻止する逆止弁118が設けられている。
【0043】アウタパッド18の振動を抑制する振動抑
制装置80は、図2に示すように、接触部材駆動シリン
ダ82が裏板22の裏板20と同じ位置に対向するよう
に設けられている。ブラケット84は、取付部38に固
定されるときとは逆向きの姿勢で連結部42に固定さ
れ、2組の振動抑制装置80のブラケット84は共通と
されている。
【0044】次に作動を説明する。非制動時には、イン
ナパッド16およびアウタパッド18はいずれも図2に
示すようにディスクロータ10の摩擦面12,14から
離間した非制動位置にあり、振動抑制装置80の接触部
材駆動シリンダ82のピストンロッド104も裏板2
0,22から離間した非接触位置にある。
【0045】制動時にはブレーキペダル66が踏み込ま
れ、マスタシリンダ64の加圧室に発生した液圧はブレ
ーキシリンダ68の液圧室62に伝達され、インナパッ
ド16およびアウタパッド18がディスクロータ10の
摩擦面12,14に押圧される。その結果、インナパッ
ド16およびアウタパッド18にディスクロータ10の
回転方向のつれまわりトルクが生ずるが、このつれまわ
りトルクがトルク受け部材32により受けられることに
よって、ディスクロータ10および車輪の回転が抑制さ
れる。このとき、振動抑制装置80の接触部材駆動シリ
ンダ82の液圧室108にも液圧が伝達され、ピストン
102に加えられる力が49N(5kgf )を超えたとき
にピストン102が前進させられ、ピストンロッド10
4が裏板20,22に接触させられる。ブレーキペダル
66の踏込み開始当初であって、インナパッド16およ
びアウタパッド18が未だディスクロータ10に押し付
けられていない状態では、ピストンロッド104は前進
させられないようにされているのである。
【0046】遮断弁112はピストン102を押す力が
98N(10kgf )を超えたとき閉じて液圧室108へ
のブレーキ液の供給を遮断する。そのため、ピストンロ
ッド104はスプリング106のセット荷重と遮断弁1
12の遮断圧によって決まる力との差である49N(5
kgf )の力で裏板20,22に接触させられる。
【0047】上記のようにインナパッド16およびアウ
タパッド18がディスクロータ10に押し付けられた
際、裏板20,22のリーディング側端部84がトレー
リング側端部より大きく振動するモードの振動が生じ易
い。しかし、リーディング側端部84には接触部材駆動
シリンダ82のピストンロッド104が接触させられて
おり、裏板20,22の移動を規制するため、振動が抑
えられ、鳴きの発生が低減される。
【0048】遮断弁112が閉じた後は、液圧室108
にブレーキ液は供給されず、ピストンロッド104は前
進させられない。また、液圧室108からのブレーキ液
の流出は逆止弁118によって許容されるが、制動中は
逆止弁118よりマスタシリンダ側の液圧の方が高いの
が普通であり、液圧室108からブレーキ液が流出して
ピストンロッド104が後退させられることもない。制
動中は、ピストンロッド104は49N(5kgf )の力
で裏板20,22に接触させられるとともに、ディスク
ロータ回転軸線に平行な方向の移動を阻止された状態に
保たれるのであり、それにより裏板20,22の移動が
確実に規制され、振動が抑制される。
【0049】制動解除時には、マスタシリンダ圧の低下
により液圧室108から逆止弁118を通ってブレーキ
液がマスタシリンダ64に戻り、液圧室108の液圧が
低下し、遮断弁112が開く。また、ピストンロッド1
04はスプリング106の付勢力により後退させられ、
裏板20,22から離間する。そのため、ピストンロッ
ド104が裏板20,22に接触し続け、インナパッド
16,アウタパッド18の戻りを妨げて摩擦材24,2
6がディスクロータ10に接触させられたままとなる引
き摺りが生ずることはない。
【0050】なお、摩擦材24,26の摩耗により、イ
ンナパッド16,アウタパッド18の非制動位置がディ
スクロータ10側へずれたときには、ピストンロッド1
04はずれた分余分に前進して裏板20,22に接触す
る。ピストンロッド104が裏板20,22に接触して
49N(5kgf )の力が作用する状態になるまで液圧室
108にブレーキ液が供給されるからである。
【0051】また、接触部材駆動シリンダ82の裏板2
0に対する位置は取付部材84のトルク受け部材32に
対する固定位置を調節することにより調節することがで
き、摩擦材に面取りが施されているなど、摩擦材の形
状,寸法が異なっても、裏板の可及的に効果的な部分に
ピストンロッド104を接触させることができる。この
調節は、ディスクブレーキ装置の組付け時に振動抑制装
置80をトルク受け部材32に固定する際に行われる。
【0052】さらに、インナパッド16およびアウタパ
ッド18のディスクロータ10への押付けの検出,接触
部材駆動シリンダ82の液圧室108へのブレーキ液の
封入が機械的に行われるようになっており、電気的に検
出,封入を行う場合に比較して信頼性が高い。
【0053】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ブレーキシリンダ68およびキャリパ46
が押圧装置を構成し、ピストンロッド104が接触部材
を構成している。また、液通路110がブレーキシリン
ダ68に伝達される液圧を接触部材駆動シリンダ82に
伝達する液圧伝達装置を構成し、接触部材駆動シリンダ
82のスプリング106が押圧検出手段を構成し、ピス
トン102にスプリング106のセット荷重を超える力
を加えてピストンロッド104を前進させる構成が移動
制御手段を構成している。さらに、接触部材駆動シリン
ダ82および遮断弁112が移動阻止装置を構成してい
る。遮断弁112はまた、接触力制御装置を構成する作
動液封入手段を構成している。また、接触部材駆動シリ
ンダ82をトルク受け部材32に取り付けるための取付
部材84を貫通穴90および長穴92とボルト94,9
6とによって取り付けるとともに、それら貫通穴90,
長穴92とボルト94,96との相対位置を調節可能と
した構成が接触部材駆動シリンダ82の取付位置を調節
する調節装置を構成している。さらに、シリンダハウジ
ング100が振動抑制装置80の本体を構成し、ピスト
ン102およびシリンダハウジング100が接触部材の
移動を案内する案内装置を構成している。
【0054】なお、上記実施例においてはピストンロッ
ド104が直接裏板28に接触させられるようになって
いたが、ピストンロッド104の先端に耐摩耗性の高い
材料により作られた部材を取り付けて接触部材としても
よい。
【0055】このように制動時に裏板20,22に接触
部材を接触させることにより、鳴きの発生を低減し得る
ことは実験によって確認されている。この実験は、図4
に示す振動抑制装置120を用いて行われた。振動抑制
装置120は、位置を固定して設けられた支持部材12
2に固定の取付部材124にねじ部材126を螺合し、
そのねじ部材126と、筒状の案内部材128によって
ねじ部材126と同心に移動可能に支持された円柱状の
接触部材130との間にスプリング132を配設するこ
とにより構成されている。なお、案内部材128は、支
持部材122,取付部材124あるいは別の固定の部材
に取り付けられている。
【0056】接触部材130をブレーキパッド134の
裏板136のリーディング側端部に接触させた状態でね
じ部材126の螺合量を変えることにより、接触部材1
30が裏板136に接触する力の大きさを調節すること
ができる。そして、試験機により回転させられるディス
クロータにブレーキパッド134を押し付けた状態で鳴
きの発生を測定した。試験は、車両が20km/hで走行し
ているときに減速度が約1m/s2 (0.1G)となる
ようにブレーキパッド134をディスクロータに押し付
けるとともに、摩擦材138の温度を50度以下に保っ
て制動を200回行い、鳴きの発生回数を調べることに
より行った。その結果を図5に示す。接触部材を裏板に
接触させない場合には鳴きの発生率が50%であったの
対し、接触部材130を裏板136に接触させたときに
は3%であった。このときの鳴きの周波数はすべて2千
ヘルツ台であった。
【0057】上記実験用の振動抑制装置120において
振動が抑制されるのは、接触部材130が裏板134の
リーディング側端部138の移動を規制するとともに、
ブレーキパッド134の振動によって接触部材130が
案内部材128内を往復移動することにより生ずる摩擦
で振動エネルギが熱エネルギに変換されるためであると
推測される。ブレーキパッド134が振動して接触部材
130をスプリング132の付勢力を超えた力で押せば
接触部材130が移動させられ、このとき案内部材12
8との間に生ずる摩擦によって振動が抑制されるのであ
る。
【0058】この振動抑制装置120においては、案内
部材128が摩擦接触部材を構成し、ねじ部材126お
よびスプリング132が接触力制御装置を構成してい
る。
【0059】なお、振動抑制装置120と同様な構成の
装置を実際に車両に搭載することも可能である。例え
ば、取付部材124をトルク受け部材に固定するととも
に、案内部材128を取付部材124に固定し、振動抑
制装置120の取付け時にねじ部材126の螺合量を作
業者が手動で調節して接触部材130の接触力を調節す
るようにするのである。ねじ部材126を電動モータお
よび減速装置を含む駆動装置により回転させ、制動時と
非制動時とで接触力を増減させ、あるいは制動時の接触
力を調節するようにしてもよい。
【0060】接触部材をねじ部材と同心に設けることは
不可欠ではなく、例えば、ねじ部材と同心であって弾性
部材の一種である圧縮コイルスプリングの一端部を受け
るばね受け部と、ばね受け部と平行であってディスクロ
ータ回転軸線と平行に設けられた接触部とを有する接触
部材の採用も可能である。弾性部材として、圧縮コイル
スプリングの他、板ばね,皿ばね等の採用も可能であ
る。また、接触部材は案内部材の外側に嵌合してもよ
い。
【0061】本発明の別の実施例を図6に示す。本実施
例の振動抑制装置150は、接触部材152を電動モー
タ154を駆動源として移動させるようにしたものであ
る。電動モータ154の回転は、減速機,ナットおよび
ねじ部材を含む運動伝達機構156により、棒状の接触
部材152に軸方向の運動に変換されて伝達され、接触
部材152がブレーキパッド160の裏板162に接触
する接触位置と、接触しない非接触位置との間を移動さ
せられる。なお、これら電動モータ154および運動伝
達機構156は、取付部材84と同様の取付部材164
によってトルク受け部材166に取り付けられている。
【0062】電動モータ154はモータ制御装置170
により制御される。モータ制御装置170はコンピュー
タを主体とするものであり、トルク受け部材166に取
り付けられた歪ゲージ172の検出信号が供給される。
制動時にはブレーキパッド160を支持するトルク受け
部材166に歪が生じ、歪ゲージ172はこの歪を検出
する。モータ制御装置170は、歪が生じ、ブレーキパ
ッド160がディスクロータに押し付けられたことが検
出された後、電動モータ154を起動し、接触部材15
2を裏板162に接触させる。
【0063】電動モータ154への供給電流は、接触部
材152が予め設定された力で裏板162に接触する力
に設定されており、摩擦材176が摩耗しても接触部材
152は一定の接触力で裏板162に接触させられる。
接触部材152の接触力が設定された大きさとなり、電
動モータ154への供給電流が上限値に達した後、電動
モータ154への供給電流が絶たれる。運動伝達機構1
56はナットおよびねじ部材を含んでいるため、電動モ
ータ154が回転させられない限り、接触部材152に
正逆いずれの向きの力が加えられても接触部材152は
移動しない。なお、制動解除時には電動モータ154が
逆向きに回転させられて接触部材152が裏板162か
ら離間させられるが、この際、逆回転量は一定に制御さ
れ、接触部材152は前進端位置から常に一定距離後退
させられる。
【0064】本実施例においては、歪みゲージ172が
押圧検出手段を構成し、電動モータ154,運動伝達機
構156およびモータ制御装置170が接触部材移動装
置を構成し、運動伝達機構156が移動阻止装置を構成
しており、モータ制御装置170の電動モータ154へ
の供給電流を接触力が予め定められた大きさとなるよう
に制御する部分が接触力制御装置を構成している。
【0065】本発明の更に別の実施例を図7ないし図9
に示す。本実施例の振動抑制装置180は、インナパッ
ド16,アウタパッド18の裏板20,22のリーディ
ング側の耳片28の摩擦面12,14に直角な側面18
2にそれぞれ、接触部材186を接触させ、鳴きの発生
を抑制するものである。その他の構成は、図1〜図3に
示す実施例と同じであり、対応する部分には同一の符号
を付して詳細な説明は省略する。インナパッド16,ア
ウタパッド18についてそれぞれ設けられた振動抑制装
置180の構成は同じであり、インナパッド16側の振
動抑制装置180を代表的に説明する。
【0066】図9に示すように、接触部材186は、保
持部材187に軸188によってインナパッド16の高
さ方向と平行な軸線のまわりに回動可能に取り付けられ
ている。保持部材187は引き摺り防止用シリンダ19
0のピストンロッド192に取り付けられており、引き
摺り防止用シリンダ190は、図8に示すように取付部
材194によってトルク受け部材32に取り付けられて
いる。取付部材194はトルク受け部材32にボルト1
96によって固定され、前記取付部材84と同様に、ト
ルク受け部材32の取付部38からロータ回転軸線に平
行な方向に取付部38から離れる向きに延び出させられ
た後、ロータ回転軸線に直角な方向に、図8において斜
め上方へ延び出させられ、その延出端部に引き摺り防止
用シリンダ190がロータ回転軸線と平行な姿勢で取り
付けられている。したがって、引き摺り防止用シリンダ
190は接触部材186をディスクロータ回転軸線に平
行な方向に移動させる。
【0067】引き摺り防止用シリンダ190のシリンダ
ハウジング200内には、図9に示すように、ピストン
202が液密かつ摺動可能に嵌合されるとともに、ピス
トンロッド192はシリンダハウジング200から突出
させられている。接触部材186は、ピストンロッド1
92の突出端部に保持部材187を介して取り付けら
れ、耳片28が嵌合される切欠204の底面と耳片28
との間にディスクロータ回転軸線と平行な方向に移動可
能に嵌合されるとともに、トルク受け部材32に固定さ
れた付勢手段の一種である弾性部材としての板ばね20
6により、常時耳片28の側面182に接触する向きに
付勢されている。
【0068】引き摺り防止用シリンダ190のピストン
202は、シリンダハウジング200内に配設されたス
プリング210により、ピストンロッド192がインナ
パッド16から離間する向きに付勢され、非制動時には
ピストン202とピストンロッド192との間に形成さ
れたストッパ面212がシリンダハウジング200の前
端壁から小距離離間した後退端位置に保たれている。
【0069】シリンダハウジング200内に形成された
液圧室214は、液通路216によってマスタシリンダ
64の加圧室に接続されている。この液通路216に
は、マスタシリンダ64から液圧室214へのブレーキ
液の流れは許容するが、逆向きの流れは阻止する逆止弁
218が設けられている。液通路216にはまた、逆止
弁218をバイパスするバイパス通路220が設けられ
るとともに、バイパス通路220には常閉の電磁開閉弁
222が設けられている。電磁開閉弁222の開閉は制
御装置224により制御される。制御装置224はコン
ピュータを主体とするものであり、ブレーキペダル66
の踏込みを検出するブレーキスイッチ228の検出信号
が供給される。
【0070】非制動時には、インナパッド16およびア
ウタパッド18はディスクロータ10の摩擦面12,1
4から離間した非制動位置にあり、振動抑制装置180
の引き摺り防止用シリンダ190のピストン202は後
退端位置にあって接触部材186も後退端位置にある。
【0071】制動時にはブレーキペダル66が踏み込ま
れ、マスタシリンダ圧がブレーキシリンダ68に伝達さ
れてインナパッド16およびアウタパッド18が摩擦面
12,14に押し付けられる。それと同時に引き摺り防
止用シリンダ190の液圧室214に液圧が伝達され、
ピストン202がストッパ面212がシリンダハウジン
グ200の前端壁に当接するまで前進させられ、接触部
材186が裏板28に接触したままの状態で切欠204
内をディスクロータ10に向かって前進させられる。
【0072】接触部材186が裏板28の側面182に
接触させられているため、裏板20,22の車両前進中
にリーディング側となるリーディング側端部が接触部材
186により拘束され、振動が抑制されて鳴きの発生が
低減させられる。この場合には、裏板28を振動させよ
うとする運動エネルギが耳片28の側面182と接触部
材186との間の摩擦により熱エネルギに変換され、鳴
きの発生が低減させられる。
【0073】制動中は液圧室214に液圧が伝達され続
けるため、裏板20,22から接触部材186に後退方
向の力が加えられても接触部材186が後退することは
なく、また、接触部材186はストッパ面212がシリ
ンダハウジング200の前端壁に当接した位置より前進
することはない。引き摺り防止用シリンダ190は移動
阻止装置としても機能するのである。
【0074】ブレーキペダル66の踏込みが解除されれ
ば、ブレーキスイッチ228により踏込み解除が検出さ
れ、制御装置224はその踏込み解除の検出から一定時
間経過後に電磁開閉弁222を開く。それにより液圧室
214内のブレーキ液がマスタシリンダ64に戻り、ピ
ストンロッド192が後退させられるとともに接触部材
186が後退させられる。接触部材186の後退に伴っ
て、接触部材186と接触しているインナパッド16お
よびアウタパッド18も非制動位置に戻され、引き摺り
の発生が防止される。引き摺り防止用シリンダ190,
電磁開閉弁222,制御装置224が引き摺り防止手段
を構成しているのである。なお、電磁開閉弁222は液
圧室214の液圧が大気圧に戻った後に閉じられる。
【0075】なお、接触部材186は板ばね206によ
り付勢されて側面182に接触させられるようになって
いたが、圧縮コイルスプリングや皿ばね等のばね部材に
より接触部材186を付勢してもよく、また、これらば
ね部材は接触部材186と切欠204の底面との間に設
けてもよい。さらに、ばね部材に代えてゴム等の弾性部
材やエアシリンダにより接触部材186を側面182に
接触させてもよい。また、接触部材186と引き摺り防
止用シリンダ190とを同心的に配置し、接触部材18
6を引き摺り防止用シリンダ190のピストンロッド1
92に固定する一方、引き摺り防止用シリンダ190を
取付部材194にインナパッド16の高さ方向と平行な
軸線のまわりに回動可能に取り付け、その引き摺り防止
用シリンダ190のシリンダハウジング200を付勢
し、接触部材186に間接的に付勢力を加えて側面18
2に接触させてもよい。
【0076】図7〜図9に示す実施例において接触部材
は、裏板のディスクロータの摩擦面に直角な面に常時接
触するようにされていたが、図10に示す振動抑制装置
240の接触部材242のように、接触位置と非接触位
置とに移動させられるものとしてもよい。インナパッド
244側の振動抑制装置240を代表的に説明する。
【0077】裏板246を支持するトルク受け部材24
8のディスクロータ側とは反対側の面には、支持部材2
50が突設されるとともに、接触部材駆動シリンダ25
2が軸253によってインナパッド244の高さ方向に
平行な軸線のまわりに回動可能に取り付けられている。
接触部材駆動シリンダ252のシリンダハウジング25
4内にはピストン256が気密かつ摺動可能に嵌合さ
れ、ピストンロッド258はシリンダハウジング254
から突出させられるとともに、突出端部が軸253と平
行な軸262により接触部材242に回動可能に連結さ
れている。
【0078】接触部材242はL字形を成し、一方のア
ーム部266において、トルク受け部材248に突設さ
れた支持部材268に軸253と平行な軸270によっ
て回動可能に取り付けられ、他方のアーム部272は、
前記軸262によってピストンロッド258と連結され
るとともに、先端部がトルク受け部材248の耳片27
4を支持する切欠276の底面と耳片274との間に嵌
入させられている。
【0079】ピストン256はシリンダハウジング25
4内に配設されたスプリング280により、ピストンロ
ッド258がシリンダハウジング254内に引っ込む向
きに付勢されている。また、接触部材駆動シリンダ25
2の気圧室282は、気体通路284によってエア源2
86に接続されており、気体通路284の途中に設けら
れた電磁方向切換弁288の切換えにより、エア源28
6と大気とに択一的に連通させられる。圧縮空気の供
給,排出によりピストンロッド258が移動させられる
とともに接触部材242が回動させられ、耳片274の
ディスクロータの摩擦面に直角な側面290に接触,離
間させられる。
【0080】電磁方向切換弁288は制御装置292に
より制御される。制御装置292はコンピュータを主体
とするものであり、トルク受け部材248に設けられた
トルクセンサ294の検出信号が供給される。トルクセ
ンサ294は、トルク受け部材248の、インナパッド
244のトレーリング側端部を受ける部分に設けられて
おり、制動時にトルク受け部材248に加えられる回転
トルクを検出する。
【0081】非制動時には気圧室282は大気に解放さ
れ、ピストン256は後退端位置にあって接触部材24
2は、裏板246の側面290と切欠276の底面との
いずれにも接触しない非接触位置にある。ブレーキペダ
ルが踏み込まれてインナパッド244がディスクロータ
に押し付けられ、トルクセンサ294がつれ回りトルク
を検出すれば、電磁方向切換弁288が切り換えられて
気圧室282がエア源286に連通させられ、ピストン
ロッド258が前進させられる。それにより接触部材2
42が回動させられて側面290に接触し、側面290
との間に生ずる摩擦により振動を抑制する。制動解除時
には気圧室282が大気に解放され、ピストンロッド2
58が後退させられて接触部材242が側面290から
離間させられる。
【0082】本実施例において接触部材242は、トル
ク受け部材248に取り付けられた支持部材268によ
って回動可能に支持されており、ディスクロータ回転軸
線に平行な方向には移動しない。支持部材268および
軸270が移動阻止装置を構成しているのである。
【0083】なお、図10に示す実施例において接触部
材駆動シリンダは、図1〜図3に示す実施例と同様に、
マスタシリンダ圧に基づいて作動する液圧シリンダとし
てもよく、逆に図1〜図3に示す実施例において接触部
材駆動シリンダをエアにより作動するエアシリンダとし
てもよい。また、図10に示す実施例において接触部材
駆動シリンダは、圧縮空気に基づいて作動させられるも
のとされていたが、スプリング280が配設される室を
負圧源に接続し、負圧力に基づいて作動させられるもの
としてもよい。この室には付勢手段としてのスプリング
を配設して接触部材を裏板から離間させるようにし、ピ
ストンの他方の側に形成された気圧室は常時大気に連通
させておく。
【0084】上記各実施例において振動抑制装置80,
120,150,180,240は、トルク受け部材3
2,166,248に設けられていたが、図11に示す
振動抑制装置298のようにキャリパ300の爪部30
2に設けてもよい。一対の爪部302のアウタパッド3
04の裏板306に接触する側とは反対側の面には、長
手形状の支持部材308がボルト310によって固定さ
れている。支持部材308の両端部はそれぞれ、爪部3
02から外方へ突出させられ、それら突出端部の裏板3
06側の面に接触部材と弾性部材と振動減衰部材とを兼
ねるゴムブロック312が固着され、裏板306に接触
させられている。
【0085】制動時にキャリパ300が移動し、爪部3
02がアウタパッド304を押してディスクロータに押
し付けたとき、裏板306が振動すれば、その振動はゴ
ムブロック312により減衰させられ、鳴きの発生が抑
制される。
【0086】また、本発明は、キャリパ固定型のディス
クブレーキ装置や1つのブレーキパッドを2個のピスト
ンで押す2ポット型のディスクブレーキ装置等他のディ
スクブレーキ装置は勿論、電気エネルギの供給を受けて
ブレーキパッドをディスクロータに押圧する構成の電気
駆動ディスクブレーキ装置等にも適用することができ
る。後者の一例は、押圧装置が電動モータと電動モータ
の回転をブレーキパッドのディスクロータ回転軸線に平
行な方向の運動に変換して伝達する運動伝達機構と電動
モータを制御するモータ制御装置とを有するものであ
る。積層圧電素子等電気エネルギの供給によって変形す
る変形部材を駆動源としてブレーキパッドをディスクロ
ータに押しつける押圧装置の採用も可能である。
【0087】さらに、本発明は、上記各実施例の構成要
素の組合わせを互に変えた態様でも実施することができ
る。その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業
者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本
発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
の振動抑制装置をマスタシリンダと共に示す図である。
【図2】上記ディスクブレーキ装置を示す平面図(一部
断面)である。
【図3】上記ディスクブレーキ装置を示す正面図であ
る。
【図4】本発明に係るディスクブレーキ装置の鳴き発生
抑制効果を試験する振動抑制装置を示す図である。
【図5】図4に示す振動抑制装置による鳴き発生抑制効
果を示すグラフである。
【図6】本発明の別の実施例であるディスクブレーキ装
置の振動抑制装置を概略的に示す図である。
【図7】本発明の更に別の実施例であるディスクブレー
キ装置を示す平面図である。
【図8】図7に示すディスクブレーキ装置の正面図であ
る。
【図9】図7に示すディスクブレーキ装置の振動抑制装
置をマスタシリンダと共に示す図である。
【図10】本発明の更に別の実施例であるディスクブレ
ーキ装置の要部を概略的に示す平面図(一部断面)であ
る。
【図11】本発明の更に別の実施例であるディスクブレ
ーキ装置の要部を概略的に示す平面断面図である。
【符号の説明】
10 ディスクロータ 12,14 摩擦面 16 インナパッド 18 アウタパッド 20,22 裏板 24,26 摩擦材 32 トルク受け部材 68 ブレーキシリンダ 80 振動抑制装置 82 接触部材駆動シリンダ 86 リーディング側端部 104 ピストンロッド 112 遮断弁 118 逆止弁 120 振動抑制装置 128 案内部材 130 接触部材 134 ブレーキパッド 136 裏板 138 摩擦材 150 振動抑制装置 152 接触部材 160 ブレーキパッド 162 裏板 180 振動抑制装置 186 接触部材 240 振動抑制装置 242 接触部材 244 インナパッド 246 裏板 248 トルク受け部材 252 接触部材駆動シリンダ 298 振動抑制装置 304 アウタパッド 306 裏板 312 ゴムブロック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸線まわりに回転可能なディスクロー
    タと、 非回転部材に固定されたトルク受け部材と、 裏板と、その裏板に固着された摩擦材とを有し、前記デ
    ィスクロータの両側の摩擦面にそれぞれ対向する位置に
    配設されるとともに、前記トルク受け部材によってディ
    スクロータ回転軸線に平行な方向に移動可能に支持され
    た一対のブレーキパッドと、 それらブレーキパッドをそれぞれ前記ディスクロータの
    摩擦面に押し付ける押圧装置とを含むディスクブレーキ
    装置であって、 前記ブレーキパッドの裏板の車両前進中にリーディング
    側となるリーディング側端部に少なくとも車両前進中の
    制動時に接触し、リーディング側端部の振動を抑制する
    接触部材を備えた振動抑制装置を含むことを特徴とする
    ディスクブレーキ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1008780A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-14 Freni Brembo S.p.A. A disk brake for a vehicle or the like
CN105051396A (zh) * 2013-03-15 2015-11-11 西门子公司 能移动的制动装置
CN112855801A (zh) * 2019-11-12 2021-05-28 纳博特斯克有限公司 制动装置

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