JPH07332377A - 回転軸の軸受部シール装置 - Google Patents
回転軸の軸受部シール装置Info
- Publication number
- JPH07332377A JPH07332377A JP6140719A JP14071994A JPH07332377A JP H07332377 A JPH07332377 A JP H07332377A JP 6140719 A JP6140719 A JP 6140719A JP 14071994 A JP14071994 A JP 14071994A JP H07332377 A JPH07332377 A JP H07332377A
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- Japan
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- rotary shaft
- seal
- bearing
- fixed
- rotating
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- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ローラやドラムのような回転部体における軸
部を支承し回転自在に設定する軸受部を防塵防水目的に
おいてシール状態とし、高速回転条件下における抵抗の
少い軸受シールを形成して好ましい回転条件を形成す
る。 【構成】 回転軸またはそれと一体的に回転する回転軸
部体１０とその軸受部のような固定部体１との間のシー
ル機構であって、回転軸部体１０に対する取付部４と回
転軸部体１０の回転による遠心力作用によって上記固定
部体に対する接合摩擦を低減化するようにされたシール
リップ部６とを有し、しかもシールリップ部６に対し前
記遠心力作用時における接合摩擦マイナス化作用を抑制
する制限手段７を設ける。
部を支承し回転自在に設定する軸受部を防塵防水目的に
おいてシール状態とし、高速回転条件下における抵抗の
少い軸受シールを形成して好ましい回転条件を形成す
る。 【構成】 回転軸またはそれと一体的に回転する回転軸
部体１０とその軸受部のような固定部体１との間のシー
ル機構であって、回転軸部体１０に対する取付部４と回
転軸部体１０の回転による遠心力作用によって上記固定
部体に対する接合摩擦を低減化するようにされたシール
リップ部６とを有し、しかもシールリップ部６に対し前
記遠心力作用時における接合摩擦マイナス化作用を抑制
する制限手段７を設ける。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は回転軸の軸受部シール装
置に係り、ローラやドラムその他の回転部体における軸
部を支承し回転自在に設定する軸受部を防塵防水目的に
おいてシール状態とし、しかも高速回転条件下において
抵抗の少い軸受シールを形成して好ましい回転条件を形
成しようとするものである。
置に係り、ローラやドラムその他の回転部体における軸
部を支承し回転自在に設定する軸受部を防塵防水目的に
おいてシール状態とし、しかも高速回転条件下において
抵抗の少い軸受シールを形成して好ましい回転条件を形
成しようとするものである。
【０００２】
【従来の技術】ローラやドラムあるいはプーリ、ギヤそ
の他の回転部体における軸受部においてはそうした機構
が粉塵や冷却水滴その他の発生するような条件下で運転
されることが一般的であり、そのような作業環境におい
ては少くとも粉塵等が回動接摺部である軸受機構に侵入
附着することを防止すべくシールすることが必要であ
る。即ち粉塵等が回動軸受部に侵入附着することによ
り、侵入物自体あるいはそれによって発生した腐食物に
よって円滑な回転作動が阻害され、また軸部体あるいは
軸受部体の一方または双方における摩耗などが増大し、
その耐用性を低下することとなるから、斯様な不利を回
避するには軸受部をシールすることが不可欠である。
の他の回転部体における軸受部においてはそうした機構
が粉塵や冷却水滴その他の発生するような条件下で運転
されることが一般的であり、そのような作業環境におい
ては少くとも粉塵等が回動接摺部である軸受機構に侵入
附着することを防止すべくシールすることが必要であ
る。即ち粉塵等が回動軸受部に侵入附着することによ
り、侵入物自体あるいはそれによって発生した腐食物に
よって円滑な回転作動が阻害され、また軸部体あるいは
軸受部体の一方または双方における摩耗などが増大し、
その耐用性を低下することとなるから、斯様な不利を回
避するには軸受部をシールすることが不可欠である。
【０００３】然して上記したようなシール機構として従
来一般的に採用されているものは詰め物方式であって軸
面と軸受部体との間の空隙部分にゴム質などのシール材
を充填し、該充填物で空隙を閉塞することであって、充
填物が回転部体に対し密実状に接摺するものである。
来一般的に採用されているものは詰め物方式であって軸
面と軸受部体との間の空隙部分にゴム質などのシール材
を充填し、該充填物で空隙を閉塞することであって、充
填物が回転部体に対し密実状に接摺するものである。
【０００４】上記のように単純に密実状とすることの不
利を多少なりとも回避するものとしては多段方式やある
いはラビリンス機構なども採用されている。
利を多少なりとも回避するものとしては多段方式やある
いはラビリンス機構なども採用されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従来の
回転軸部の密封機構は夫々にシール効果が得られるとし
ても、またそれぞれに決定的な不利を有していて、工業
的に好ましいものとなし得ない。即ち先ず前記した一般
法によるものではそのシール性能を高めるためには密実
状態に弾性ないし多孔質材を充填することが要求され、
一方このような密実状態での充填材はその材質、潤滑性
がいかに良好であっても回転部体に対する摩擦抵抗が存
在し損耗を避け得ない。勿論シール材などの寿命は短
く、摩耗によって設定の初期以外はシール作用が大幅に
低下し、シール材として役目を果たさないようなことが
多い。従ってそれらの中間的状態とせざるを得ないが、
この場合には程度的に低いとしてもそれらの不利の双方
を共に具備することとなる。
回転軸部の密封機構は夫々にシール効果が得られるとし
ても、またそれぞれに決定的な不利を有していて、工業
的に好ましいものとなし得ない。即ち先ず前記した一般
法によるものではそのシール性能を高めるためには密実
状態に弾性ないし多孔質材を充填することが要求され、
一方このような密実状態での充填材はその材質、潤滑性
がいかに良好であっても回転部体に対する摩擦抵抗が存
在し損耗を避け得ない。勿論シール材などの寿命は短
く、摩耗によって設定の初期以外はシール作用が大幅に
低下し、シール材として役目を果たさないようなことが
多い。従ってそれらの中間的状態とせざるを得ないが、
この場合には程度的に低いとしてもそれらの不利の双方
を共に具備することとなる。
【０００６】また、２段などの多段構えのシールを用い
中間に空隙部を形成したとしても、結局は圧接シールに
よるシールであって、仮にスタート時にはそれなりのメ
リットがあるとしても時間の経過によりシールリップ部
の摩耗は避けられず、水、異物の侵入が発生することは
避けられないのは明確であり、前述した一般法のものを
含め、高速回転時における抵抗摩擦は正しく加速度的に
大となる。更に、ラビリンス機構では侵入を防止する対
象が気体の場合はその圧力変動を生じせしめシールする
ことはできるとしても液体の場合はその効果が極めて少
なく水、その他の異物侵入を防止することはできない。
中間に空隙部を形成したとしても、結局は圧接シールに
よるシールであって、仮にスタート時にはそれなりのメ
リットがあるとしても時間の経過によりシールリップ部
の摩耗は避けられず、水、異物の侵入が発生することは
避けられないのは明確であり、前述した一般法のものを
含め、高速回転時における抵抗摩擦は正しく加速度的に
大となる。更に、ラビリンス機構では侵入を防止する対
象が気体の場合はその圧力変動を生じせしめシールする
ことはできるとしても液体の場合はその効果が極めて少
なく水、その他の異物侵入を防止することはできない。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における不利を解消することについて検討を重
ねた結果、高速回転時に得られる遠心力作用を適切に利
用せしめることによって前述したような課題を残すこと
のない回転軸に対する軸受部シール機構を得ることに成
功したものであって、以下の如くである。
従来技術における不利を解消することについて検討を重
ねた結果、高速回転時に得られる遠心力作用を適切に利
用せしめることによって前述したような課題を残すこと
のない回転軸に対する軸受部シール機構を得ることに成
功したものであって、以下の如くである。
【０００８】（１） 回転軸またはそれと一体的に回転
する回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間の
シール機構であって、前記回転軸部体に対する取付部と
該回転軸部体の回転による遠心力作用によって上記固定
部体に対する接合摩擦を低減化するようにされたシール
リップ部とを有し、しかも該シールリップ部に対し前記
遠心力作用時における接合摩擦マイナス化作用を抑制す
る制限手段を設けたことを特徴とする回転軸の軸受部シ
ール装置。
する回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間の
シール機構であって、前記回転軸部体に対する取付部と
該回転軸部体の回転による遠心力作用によって上記固定
部体に対する接合摩擦を低減化するようにされたシール
リップ部とを有し、しかも該シールリップ部に対し前記
遠心力作用時における接合摩擦マイナス化作用を抑制す
る制限手段を設けたことを特徴とする回転軸の軸受部シ
ール装置。
【０００９】（２） 回転軸またはそれと一体的に回転
する部体である回転軸部体とその軸受部のような固定部
体との間のシール機構であって、該シール機構が前記固
定部体に対する接合部と上記回転軸部体に接着固定化さ
れる取付部とを有し、該取付部に対し屈曲して一体に成
形されたシールリップ部の上記固定部体接合面に対する
リップ入角が１〜１０°とされたことを特徴とする回転
軸の軸受部シール装置。
する部体である回転軸部体とその軸受部のような固定部
体との間のシール機構であって、該シール機構が前記固
定部体に対する接合部と上記回転軸部体に接着固定化さ
れる取付部とを有し、該取付部に対し屈曲して一体に成
形されたシールリップ部の上記固定部体接合面に対する
リップ入角が１〜１０°とされたことを特徴とする回転
軸の軸受部シール装置。
【００１０】（３） 回転軸またはそれと一体的に回転
する部体である回転軸部体とその軸受部のような固定部
体との間のシール機構であって、該シール機構が前記固
定部体に対する取付部と上記回転軸部体に接着固定化さ
れる取付部とを有し、しかも該取付部とこの取付部に対
し屈曲して一体成形されたシールリップ部との間に該シ
ールリップ部の回転体または回転軸部体回転による遠心
力作用条件下の変形を制限する制御リングを介装したこ
とを特徴とする回転軸の軸受部シール装置。
する部体である回転軸部体とその軸受部のような固定部
体との間のシール機構であって、該シール機構が前記固
定部体に対する取付部と上記回転軸部体に接着固定化さ
れる取付部とを有し、しかも該取付部とこの取付部に対
し屈曲して一体成形されたシールリップ部との間に該シ
ールリップ部の回転体または回転軸部体回転による遠心
力作用条件下の変形を制限する制御リングを介装したこ
とを特徴とする回転軸の軸受部シール装置。
【００１１】
【作用】回転軸またはそれと一体的に回転する回転軸部
体とその軸受部のような固定部体との間のシール機構で
あって、前記回転軸部体に対する取付部と該回転軸部体
の回転による遠心力作用によって上記固定部体に対する
接合摩擦を低減化するようにされたシールリップ部とを
有せしめたことにより回転作動時に摩擦抵抗が増大する
高速回転条件下においてその遠心力作用で自動的に摩擦
抵抗を低減せしめ、駆動エネルギーの少い高速回転を実
現せしめ、しかも耐用性の高いシール機構を得しめる。
体とその軸受部のような固定部体との間のシール機構で
あって、前記回転軸部体に対する取付部と該回転軸部体
の回転による遠心力作用によって上記固定部体に対する
接合摩擦を低減化するようにされたシールリップ部とを
有せしめたことにより回転作動時に摩擦抵抗が増大する
高速回転条件下においてその遠心力作用で自動的に摩擦
抵抗を低減せしめ、駆動エネルギーの少い高速回転を実
現せしめ、しかも耐用性の高いシール機構を得しめる。
【００１２】上記のように遠心力作用を受けるシールリ
ップ部に対し前記遠心力作用時における接合摩擦マイナ
ス化作用を抑制する制限手段を設けたことによってシー
ルリップの浮上状態化を防止し、目的とする軸受部のシ
ール状態を形成維持する。
ップ部に対し前記遠心力作用時における接合摩擦マイナ
ス化作用を抑制する制限手段を設けたことによってシー
ルリップの浮上状態化を防止し、目的とする軸受部のシ
ール状態を形成維持する。
【００１３】回転軸またはそれと一体的に回転する部体
である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間
のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体に
対する接合部と上記回転軸部体に接着固定化される取付
部とを有し、該取付部に対し屈曲して一体に成形された
シールリップ部の上記固定部体接合面に対するリップ入
角が１〜１０°とされたことによって高速回転条件下に
おいてもシール機構リップ部背面における空隙部発生を
適切に抑制し該部分における侵入水を零状態とする。
である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間
のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体に
対する接合部と上記回転軸部体に接着固定化される取付
部とを有し、該取付部に対し屈曲して一体に成形された
シールリップ部の上記固定部体接合面に対するリップ入
角が１〜１０°とされたことによって高速回転条件下に
おいてもシール機構リップ部背面における空隙部発生を
適切に抑制し該部分における侵入水を零状態とする。
【００１４】回転軸またはそれと一体的に回転する部体
である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間
のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体に
対する取付部と上記回転軸部体に接着固定化される取付
部とを有し、しかも該取付部とこの取付部に対し屈曲し
て一体成形されたシールリップ部との間に該シールリッ
プ部の回転体または回転軸部体回転による遠心力作用条
件下の変形を制限する制御リングを介装したことにより
高速回転条件下においてシールリップ部背面と軸受部の
ような固定部体との間における発生空隙を制限し、該発
生空隙における侵入水貯留状態を制限する。
である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との間
のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体に
対する取付部と上記回転軸部体に接着固定化される取付
部とを有し、しかも該取付部とこの取付部に対し屈曲し
て一体成形されたシールリップ部との間に該シールリッ
プ部の回転体または回転軸部体回転による遠心力作用条
件下の変形を制限する制御リングを介装したことにより
高速回転条件下においてシールリップ部背面と軸受部の
ような固定部体との間における発生空隙を制限し、該発
生空隙における侵入水貯留状態を制限する。
【００１５】
【実施例】本発明によるものの具体的な実施状態を添附
図面に示すものについて説明すると、本発明による軸受
部シール装置の全般的構成関係は図５に示す如くであっ
て、軸受箱などのような固定部体１とロールその他の回
転部体２との間の軸受ないしシール機構を形成するため
に回転部体２には軸部１０が突設され、固定部体１が該
軸部１０を受入れて支承するようになっていることは従
来からの一般的構成関係と同じであるが、従来のものは
シール材５を固定部体１に設定して回転部体２の軸部を
該シール材５に受入れるものであるのに対し、本発明で
は回転部体２にシール材５の外径側に位置した取付部４
を形成してシール材５をセットせしめ、固定部体１には
該シール材５に対する接摺部３がシール材５の内径側に
突設されている。
図面に示すものについて説明すると、本発明による軸受
部シール装置の全般的構成関係は図５に示す如くであっ
て、軸受箱などのような固定部体１とロールその他の回
転部体２との間の軸受ないしシール機構を形成するため
に回転部体２には軸部１０が突設され、固定部体１が該
軸部１０を受入れて支承するようになっていることは従
来からの一般的構成関係と同じであるが、従来のものは
シール材５を固定部体１に設定して回転部体２の軸部を
該シール材５に受入れるものであるのに対し、本発明で
は回転部体２にシール材５の外径側に位置した取付部４
を形成してシール材５をセットせしめ、固定部体１には
該シール材５に対する接摺部３がシール材５の内径側に
突設されている。
【００１６】前記シール材５は断面Ｖ形ないしＣ形に屈
曲した構成をなし、凹入部９を形成したもので、該凹入
部９の一側外面に直角状断面を形成したセット部１２が
形成され、またこの凹入部９の他側にはシール部６が突
設されて前記接摺部３に接摺するように成っている。ま
たこのようなシール部６の凹入部９側には厚肉状とされ
たウエイト部８が形成されていて回転部体２の回転時に
おいて接摺部６に遠心力が適当に作用し、接摺部３に対
する接摺シール関係を確保するように構成されている。
曲した構成をなし、凹入部９を形成したもので、該凹入
部９の一側外面に直角状断面を形成したセット部１２が
形成され、またこの凹入部９の他側にはシール部６が突
設されて前記接摺部３に接摺するように成っている。ま
たこのようなシール部６の凹入部９側には厚肉状とされ
たウエイト部８が形成されていて回転部体２の回転時に
おいて接摺部６に遠心力が適当に作用し、接摺部３に対
する接摺シール関係を確保するように構成されている。
【００１７】前述した図５に示すような構成関係のもの
において、本発明による１つの構成関係は図２に示す如
くであって、上述したようなシール材５の凹入部９に対
して回転部体２に取付けられた制限手段７を設け、シー
ルリップ６の上述したような遠心力作用時における接摺
部３からの浮上量を制限する。即ちシールリップ６は釈
放状態で回転された場合にこの図２におけるＡの範囲で
変位し、周速零の静止ないしそれに近い状態ではシール
リップ６の先端が図示実線のようにそれらの中間点ｄに
おいて接合シールし、即ち点線６ａで示すシールリップ
を実線位置に変位させる別に図１で示したような張り代
Ａで接合し、安定なシール関係を形成する。
において、本発明による１つの構成関係は図２に示す如
くであって、上述したようなシール材５の凹入部９に対
して回転部体２に取付けられた制限手段７を設け、シー
ルリップ６の上述したような遠心力作用時における接摺
部３からの浮上量を制限する。即ちシールリップ６は釈
放状態で回転された場合にこの図２におけるＡの範囲で
変位し、周速零の静止ないしそれに近い状態ではシール
リップ６の先端が図示実線のようにそれらの中間点ｄに
おいて接合シールし、即ち点線６ａで示すシールリップ
を実線位置に変位させる別に図１で示したような張り代
Ａで接合し、安定なシール関係を形成する。
【００１８】即ちシールリップ６は自然状態において図
２のシールリップ６ａのように突出した位置にあり、こ
のように突出したシールリップが固定部体１の接摺部３
に接合して中間位置ｐまで押込まれた状態で組込まれて
いるが、この状態から回転してシールリップ６に遠心力
が作用すると該シールリップ６は遠心力によって外側方
向に押出され図１の曲線ｘのように張り代が次第に縮減
されて０状態となり、高速回転のための負荷を低減し、
その後は浮き上り代（開き代）として作用し、制限手段
７に接することによって該位置に保持され、上記のよう
に負荷の低減された状態でしかも粉塵や水分などの進入
を制限する。
２のシールリップ６ａのように突出した位置にあり、こ
のように突出したシールリップが固定部体１の接摺部３
に接合して中間位置ｐまで押込まれた状態で組込まれて
いるが、この状態から回転してシールリップ６に遠心力
が作用すると該シールリップ６は遠心力によって外側方
向に押出され図１の曲線ｘのように張り代が次第に縮減
されて０状態となり、高速回転のための負荷を低減し、
その後は浮き上り代（開き代）として作用し、制限手段
７に接することによって該位置に保持され、上記のよう
に負荷の低減された状態でしかも粉塵や水分などの進入
を制限する。
【００１９】図３においては本発明による別の構成が示
されており、即ち固定部体１と回転部体２との間にシー
ル材５が用いられることは前記した図１、図２のものと
同じであるが、この図３のものにおいては制限手段７を
用いることなくシール材５のシールリップ入角を小とし
たものであって、図５に示したような一般的構成のもの
はこのシールリップ入射角が１５〜３０°程度に選ばれ
るのに対し、図３のものにおいては１０°以下、１〜１
０°、好ましくは２〜８°とされる。
されており、即ち固定部体１と回転部体２との間にシー
ル材５が用いられることは前記した図１、図２のものと
同じであるが、この図３のものにおいては制限手段７を
用いることなくシール材５のシールリップ入角を小とし
たものであって、図５に示したような一般的構成のもの
はこのシールリップ入射角が１５〜３０°程度に選ばれ
るのに対し、図３のものにおいては１０°以下、１〜１
０°、好ましくは２〜８°とされる。
【００２０】即ち図５などのものにおいてはシールリッ
プ入射角を前記のように採ることによって常時水やダス
トの侵入を阻止するものであるが、斯様な構成のものに
ついて実地的に検討を重ねた結果によると、前記のよう
に１５°以上とされたものではその背面角度と接摺面と
の間で形成される空隙部分が浸入水の溜り場所となり、
そうした溜り水が内部に進入する。シールリップ入角を
前記のように小とすることによって溜り水を僅少とな
し、浸入水を零状態とすることができる。なおこのよう
にシールリップ入角を小とすることによって回転部体に
対する押しつけ圧も小さくなり、低速時や駆動スタート
時の抵抗を低下することもできる。
プ入射角を前記のように採ることによって常時水やダス
トの侵入を阻止するものであるが、斯様な構成のものに
ついて実地的に検討を重ねた結果によると、前記のよう
に１５°以上とされたものではその背面角度と接摺面と
の間で形成される空隙部分が浸入水の溜り場所となり、
そうした溜り水が内部に進入する。シールリップ入角を
前記のように小とすることによって溜り水を僅少とな
し、浸入水を零状態とすることができる。なおこのよう
にシールリップ入角を小とすることによって回転部体に
対する押しつけ圧も小さくなり、低速時や駆動スタート
時の抵抗を低下することもできる。
【００２１】更に図４においては本発明によるもう１つ
の構成関係が示されている。即ちこの図４のものにおい
てはシール材５としては、特にシールリップ入角に関し
て前述した図５のものと同様に１５〜３０°とされてい
るが、その背面角度と接摺面との間に形成される空隙部
分に対して制御リング１１を介装し、該制御リング１１
によって空隙部分における溜り水の僅少化を図ったもの
である。
の構成関係が示されている。即ちこの図４のものにおい
てはシール材５としては、特にシールリップ入角に関し
て前述した図５のものと同様に１５〜３０°とされてい
るが、その背面角度と接摺面との間に形成される空隙部
分に対して制御リング１１を介装し、該制御リング１１
によって空隙部分における溜り水の僅少化を図ったもの
である。
【００２２】即ち、仔細にはシール材５の先端を制御リ
ング１１より適度に突出せしめてシール作用をなし、環
状の制御リング１１が空隙を閉塞するようにしたもの
で、シール作用の適切化と溜り水の縮減僅少化とが同時
に達成される。
ング１１より適度に突出せしめてシール作用をなし、環
状の制御リング１１が空隙を閉塞するようにしたもの
で、シール作用の適切化と溜り水の縮減僅少化とが同時
に達成される。
【００２３】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
一般的に摩擦抵抗が大で摩耗なども著しく、その対処に
苦心せざるを得なかった高速回転時おける軸受部シール
を該高速回転時における遠心力を利用して有効に解決せ
しめ、しかも該遠心力作用条件下におけるシールリップ
の浮上離脱を適切に制御して不当な空隙発生を制限せし
め、摩擦抵抗の少い条件下で低エネルギー条件下の円滑
な回転と好ましいシール条件を確保し得るものであるか
ら各種工業機構における回転軸軸受部のシール装置とし
て効果の大きい発明である。
一般的に摩擦抵抗が大で摩耗なども著しく、その対処に
苦心せざるを得なかった高速回転時おける軸受部シール
を該高速回転時における遠心力を利用して有効に解決せ
しめ、しかも該遠心力作用条件下におけるシールリップ
の浮上離脱を適切に制御して不当な空隙発生を制限せし
め、摩擦抵抗の少い条件下で低エネルギー条件下の円滑
な回転と好ましいシール条件を確保し得るものであるか
ら各種工業機構における回転軸軸受部のシール装置とし
て効果の大きい発明である。
【図１】本発明による作用関係を図表的に示した説明図
である。
である。
【図２】本発明による１つの構成関係を断面的に示した
説明図である。
説明図である。
【図３】本発明によるもう１つの構成関係を示した部分
的断面図である。
的断面図である。
【図４】本発明による更にもう１つの構成関係を示した
図３と同様な部分的断面図である。
図３と同様な部分的断面図である。
【図５】本発明における軸受部シール装置の全般的構成
関係説明図である。
関係説明図である。
１ 固定部体 ２ 回転部体 ３ 固定部体に形成された接摺部 ４ 回転部体に形成された取付部 ５ シール材 ６ そのシールリップ部 ７ 制限手段 ８ ウエイト部 ９ シール材凹入部 １０ 回転部体軸部 １１ 制御リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村元 祐 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 北脇 道夫 京都府京都市中京区河原町二条下ル東入ル 一ノ船入町538 (72)発明者 田面 昭緒 兵庫県明石市貴崎３丁目１番地 11棟503 号
Claims (3)
- 【請求項１】 回転軸またはそれと一体的に回転する回
転軸部体とその軸受部のような固定部体との間のシール
機構であって、前記回転軸部体に対する取付部と該回転
軸部体の回転による遠心力作用によって上記固定部体に
対する接合摩擦を低減化するようにされたシールリップ
部とを有し、しかも該シールリップ部に対し前記遠心力
作用時における接合摩擦マイナス化作用を抑制する制限
手段を設けたことを特徴とする回転軸の軸受部シール装
置。 - 【請求項２】 回転軸またはそれと一体的に回転する部
体である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との
間のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体
に対する接合部と上記回転軸部体に接着固定化される取
付部とを有し、該取付部に対し屈曲して一体に成形され
たシールリップ部の上記固定部体接合面に対するリップ
入角が１〜１０°とされたことを特徴とする回転軸の軸
受部シール装置。 - 【請求項３】 回転軸またはそれと一体的に回転する部
体である回転軸部体とその軸受部のような固定部体との
間のシール機構であって、該シール機構が前記固定部体
に対する取付部と上記回転軸部体に接着固定化される取
付部とを有し、しかも該取付部とこの取付部に対し屈曲
して一体成形されたシールリップ部との間に該シールリ
ップ部の回転体または回転軸部体回転による遠心力作用
条件下の変形を制限する制御リングを介装したことを特
徴とする回転軸の軸受部シール装置。
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