JPH0733162U - 立体写真立て - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平板の写真を立体的に鑑賞できる製作が容易
で安価な立体写真立てを提供する。 【構成】 窓穴７が穿設された方形枠状の前面パネル３
と、前面パネル３の背面に取り付けられて窓穴７の開口
縁部の内側へ突設される左右の側面板４，５とで支持パ
ネル１が形成され、各側面板４，５の後端部には係止溝
２０〜２３が形成され、透明な前面保形パネル２８とそ
の背面に重合された背面保形パネル２９とで保形具２が
形成され、各保形パネル２８，２９の中央には写真３０
を挾持する透視面板３１と裏打ち面板３２が、その両側
には係止段部３４，３５，３９，４０を介して差込み片
３２，３３，３７，３８が形成され、係止段部３４，３
５，３９，４０を支持パネル１の係止溝２０〜２３に嵌
合係止させて透視面板３１と裏打ち面板３２間の写真３
０を凸面状に保形する。また、支持パネル１は側面板
４，５の内面が鏡面２６に形成され、鏡面２６に写真３
０の両側が反射する開き角度で前面パネル３へ内向き傾
斜状に取り付けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、きわめて安価で且つ容易に製作することができる立体写真立てに関 し、特にキットとして販売して購入者が組立する組立式の立体写真立てとしても 好適な立体写真立てに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の立体写真立てとしては、例えば実開平５−５８０７９号公報で開示さ れたものなどがある。 この立体写真立てを含む従来の立体写真立ては、額縁状の立体写真立て本体内 へ前面側に設けられた透明パネルと、この透明パネルの後方で写真を凸面状に保 形する保形具で構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上記立体写真立ての場合には写真パネルを所望の凸面状に保形す るために、この写真パネル自体を凸面状に加工したりその前方または後方に配設 した凸面状の押え板等で押圧を加えて強制的に変形する必要があった。 このように写真パネル自体を加工したり押え板で写真を押圧変形させると、こ の写真パネルは再度写真アルバムに戻して使用することができない。 また、写真パネル自体を加工する場合にはその加工作業が煩雑であると共に、 押え板等で押圧変形させる場合には構造が複雑でコスト高になったり組込み作業 が煩雑である。 さらに、上記立体写真立ての場合には被写体に遠近感が得られるが左右への広 がりに乏しい等の問題点があった。 そこで本考案では、このような従来の技術が有する課題を解決するための立体 写真立ての提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本考案による第１の立体写真立ては、窓穴が穿設さ れた方形枠状の前面パネルと、この前面パネルの背面に取り付けられて窓穴の開 口縁部の内側へそれぞれ突設される左右の側面板とで支持パネルが形成され、こ の支持パネルの各側面板の後端部には係止溝がそれぞれ形成され、透明な前面保 形パネルとその背面に重合された背面保形パネルとで保形具が形成され、各保形 パネルの中央には写真を挾持する透視面板と裏打ち面板が形成されると共に、そ の両側には係止段部を介して差込み片がそれぞれ形成され、この係止段部を上記 支持パネルの係止溝に嵌合係止させて上記透視面板と裏打ち面板間の写真を凸面 状に保形するようにした。 また本考案の第２の立体写真立ては、上記支持パネルは側面板の内面が鏡面に 形成され、この鏡面に写真の両側が反射する開き角度で当該側面板が前面パネル へ内向き傾斜状に取り付けられている。

【０００５】

【作用】

上述した第１の立体写真立てでは、保形具の前面保形パネルと背面保形パネル の間に平板な写真を挿入し、この保形具を支持パネルに嵌め込むだけで容易に凸 面状の写真に保形され、この凸面状の写真を前面保形パネルの透視面板を通して 見ると、平板な写真では得られない奥行きのある立体写真として鑑賞することが できる立体写真立てに組み立てられる。 また上述した第２の立体写真立てでは、左右の鏡面に写し出された写真の周辺 部によって画面に広がりが加わってより効果的な立体写真となる。

【０００６】

【実施例】

以下に、本考案の立体写真立てを図１〜図４で図示の実施例に基づいて詳細に 説明する。 この立体写真立ては、支持パネル１と保形具２で構成されている。 支持パネル１は図２（ａ）で示すように、硬質の木材やプラスチックシート材 あるいは紙材または金属材を板状にした表面パネル３と左右の側面板４，５およ び連結板６で形成される。 表面パネル３には、中央に方形状をした窓穴７が穿設されていると共に、上方 には差込み孔８，９が下端側には切欠溝１０，１１がそれぞれ形成されている。 左右の側面板４，５は対称形状であり、上部の内端側に差込み片１２，１３が 内方へ上部の外端側に差込み片１４，１５が上方へそれぞれ突設されている。ま た下部の内端側には嵌合溝１６，１７を形成する鉤状の受台片１８，１９が内方 へ突設されている。さらに、外端側の上下には係止溝２０，２１，２２，２３が それぞれ設けられている。 連結板６は、内端側を長尺とした台形状で後端側には差込み孔２４，２５が穿 設されている。

【０００７】 表面パネル３と左右の側面板４，５とは、嵌合溝１６，１７と切欠溝１０，１ １を整合させて受台片１８，１９上に表面パネル３を載せ、差込み片１２，１３ を差込み孔８，９に挿入して連結される。 左右の側面板４，５と連結板６とは、差込み片１４，１５を差込み孔２４，２ ５に挿入して連結される。 このようにして組立てられた支持パネル１は、図１で示すようにハの字状の側 面板４，５の底面によって表面パネル３が自立され、当該側面板４，５の内面側 が表面パネル３の窓穴７側へ内向き傾斜状に露出される。この側面板４，５の内 面には例えば銀紙などの貼着によって鏡面２６を形成している。 なお、各差込み部分には必要に応じて接着剤の塗布などによって補強しても良 く、また表面パネル３の表面を体裁良くするために予めまたは組立て後に仕上げ シート２７を貼着すると良い。

【０００８】 保形具２は、図３と図４で示すように前面保形パネル２８と背面保形パネル２ ９を重合状態にして形成され、この間に写真３０を挟み込むようにしている。 前面保形パネル２８は、方形状をした硬質で透明なプラスチックシート材を用 いて、その４隅を上記側面板４，５の係止溝２０，２１の間または係止溝２２， ２３の間に挿入できる幅に切り落とし、中央に透視面板３１をその両側に差込み 片３２，３３をそれぞれ形成すると共に、当該透視面板３１と差込み片３２，３ ３の間には係止段部３４，３５を形成している。 背面保形パネル２９は、方形状で有色をした硬質のプラスチックシート材や紙 材を用いて、その４隅を上記側面板４，５の係止溝２０，２１の間または係止溝 ２２，２３の間に挿入できる幅に切り落とし、中央に裏打ち面板３６をその両側 に差込み片３７，３８をそれぞれ形成すると共に、当該裏打ち面板３６と差込み 片３７，３８の間には係止段部３９，４０を形成している。

【０００９】 前面保形パネル２８と背面保形パネル２９は、重合させて透視面板３１と裏打 ち面板３６の下端側を接着剤その他の接着手段を用いて連結させ、図３で示すよ うに上部側を開いて写真３０を透視面板３１と裏打ち面板３６の間に挿入した状 態で収納される。 この写真３０が収納された保形具２を支持パネル１に取り付ける場合には、図 ４で示すように両端の差込み片３７，３８を左右の側面板４，５の係止溝２０， ２１の間または係止溝２２，２３の間に挿入すると、前面保形パネル２８の係止 段部３４，３５と背面保形パネル２９の係止段部３７，３８が側面板４，５の内 面にそれぞれ係止保持され、中央の透視面板３１と裏打ち面板３６は側面板４， ５の間で前方へ凸面状に湾曲した状態で突設される。 これにより、保形具２に収納された写真３０は前方へ凸面状に湾曲した状態で 保形される。

【００１０】

【考案の効果】

以上に説明した実施例でも明らかなように、本考案による立体写真立てでは次 のような効果を奏する。 上記立体写真立ては、凸面状に保形された写真を前方から鑑賞すると遠近感の 差によって立体感のある写真として鑑賞することができると共に、この写真の両 端側が側面板の表面に形成された鏡面にも写し出されるので、背景に広がりある 写真として鑑賞することができる。 また、使用する写真は寸法に大小があっても透視面板と裏打ち面板の範囲内な らば許容され、特に有色の裏打ち面板との間に余白がある場合には、この裏打ち 面板として各種の着色をした背面保形パネルを予め用意して交換使用することに より、被写体のイメージに適合した縁取りにすることができる。 また、平面状の写真を保形具の透視面板と裏打ち面板間に挾持して支持パネル の係止溝に嵌め込むだけで写真は凸面状に保形され、取り外すと復元するので、 写真の着脱交換が容易であると共に、取り外した写真は元の写真アルバムへ戻し て使用すことができる。 また、高価な部材を用いずに平板状をした安価で部品点数の少ない部材の組み 合わせで構成されているので、安価に提供することができる。 さらに、組み立て以前は平面状である支持パネルと保形具の構成部材を嵌め込 んで容易に組み立てられるので、特にキットとして販売するのには好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による立体写真立てであり、
（ａ）は全体正面図を（ｂ）は中央横断面図を示す。

【図２】図１の立体写真立てにおける支持パネルの分解
斜視図を示す。

【図３】図１の立体写真立てにおける保形具の斜視図を
示す。

【図４】図１の立体写真立ての保形具と支持パネルの嵌
合係止状態の斜視図を示す。

【符号の説明】

１ 支持パネル ２ 保形具 ３ 前面パネル ４，５ 側面板 ６ 連結板 ７ 窓穴 ８，９，２４，２５ 差込み孔 １０，１１ 切欠
溝 １２，１３，１４，１５ 差込み片 １６，１７ 嵌
合溝 １８，１９ 受台片 ２０〜２３ 係
止溝 ２６ 鏡面 ２７ 仕上げシ
ート ２８ 前面保形パネル ２９ 背面保形
パネル ３０ 写真 ３１ 透視面板 ３２，３３，３７，３８ 差込み片 ３４，３５ 係
止段部 ３６ 裏打ち面板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓穴が穿設された方形枠状の前面パネル
   と、この前面パネルの背面に取り付けられて窓穴の開口
   縁部の内側へそれぞれ突設される左右の側面板とで支持
   パネルが形成され、この支持パネルの各側面板の後端部
   には係止溝がそれぞれ形成され、透明な前面保形パネル
   とその背面に重合された背面保形パネルとで保形具が形
   成され、各保形パネルの中央には写真を挾持する透視面
   板と裏打ち面板が形成されると共に、その両側には係止
   段部を介して差込み片がそれぞれ形成され、この係止段
   部を上記支持パネルの係止溝に嵌合係止させて上記透視
   面板と裏打ち面板間の写真を凸面状に保形することを特
   徴とした立体写真立て。
2. 【請求項２】 上記支持パネルは側面板の内面が鏡面に
   形成され、この鏡面に写真の両側が反射する開き角度で
   当該側面板が前面パネルへ内向き傾斜状に取り付けられ
   ている請求項１に記載した立体写真立て。