JPH0733055Y2 - 空気調和機の配管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、空気調和機の配管構造、特にドレン水をドレ
ン受皿から外部に排出するためのドレンホースの止め構
造に関する。

（従来の技術） 第６図および第７図に示すように、空気調和機本体１内
には熱交換器２が配設されるとともに、この熱交換器２
の下方部位にはドレン水を受けて集溜するドレン受皿３
が配置される。上記熱交換器２の背面側には送風機４が
配置されていて、被空調室Ｒの空気を吸込み、熱交換器
２に導風して熱交換させ、しかる後再び被空調室Ｒへ送
風するようになっている。

また、上記熱交換器２の一側部には冷媒の導入側と導出
側の冷媒管5,5が接続されていて、互いに束ねられ空気
調和機本体１から外部に延出される。被空調室Ｒの壁面
６には透孔７が開口していて、２本の冷媒管5,5は互い
に束ねられたまま上記透孔７を挿通し、室外に延出して
ここでは図示しない室外ユニットに接続される。

一方、上記ドレン受皿３にはドレンホース８がホース継
手を介して接続される。このドレンホース８の接続部位
は、上記熱交換器２の冷媒管5,5接続部位とは反対側の
端部と対向する。すなわちドレンホース８の接続部位の
設定は、ここでは図示しない他の構成部品とのレイアウ
トおよび設計上の理由からであり、冷媒管5,5の接続部
位と同一に揃えることができない場合が多い。

したがって、上記ドレンホース８はドレン受皿３の接続
部位で空気調和機本体１の長手方向に沿うよう折曲し、
かつ上記冷媒管5,5と合流して再び折曲する。そしてド
レンホース８は冷媒管5,5とともに透孔７を挿通し、室
外に延出される。またドレンホース８と冷媒管5,5との
合流部位から透孔７を挿通しドレンホース８の端部近傍
までは、たとえばビニールテープのごとき巻装テープ９
で一緒に巻装拘束される。この巻装テープ９を用いるこ
とにより、外観の保持を図るとともにドレンホース８が
風の影響を受けて位置がずれないようになっている。

実際に空気調和機本体１を被空調室Ｒの壁面６に取付固
定するにあたって、冷媒管5,5は配管抵抗を低減させる
ため、折曲箇所をできるだけ少なくする。したがって、
空気調和機本体１の壁面６取付位置に合せて冷媒管5,5
を直状に突出させ、その壁面６部位に透孔７を開口する
のが普通である。

一方、上記ドレンホース８は、上述したように、他の構
成部品とのレイアウトおよび設計上の理由で、上記冷媒
管5,5が突出する部位とは長手方向の反対側の部位に接
続される。そして、冷媒管5,5に添うべく折曲され、空
気調和機本体１内を引き回される。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上記ドレンホース８は弾性のある、たとえば
ゴムホースが用いられる。したがって、空気調和機本体
１の据付け時、すなわちドレンホース８の取付時におい
て、空気調和機本体１内でドレンホース８が波状に湾曲
することがある。あるいは取付時には直線状であって
も、取付後長期間経た経時変化によるドレンホース８自
体の弾性の影響で湾曲することがある。このようなドレ
ンホース８の変形があると、この直線（勾配）が確保で
きなくなり、その結果、ドレン水の円滑な排出ができ
ず、あるいは不可能になる。そして、空気調和機本体１
が被空調室Ｒの壁面６と間隙を存して設けられている場
合には、ドレンホース８の一部が、空気調和機本体１と
壁面６との間から脱落して垂れ下がり、美観を損う恐れ
がる。

本考案は上記事情に着目してなされたものであり、その
目的とするところは、空気調和機本体の据付け時および
据付け後に、ドレンホースを空気調和機本体内で波状に
湾曲させることがなく、確実に一直線の状態を保持し、
ドレン水の排水を確保する。そして空気調和機本体と壁
面との間からのドレンホースの脱落および垂れ下がりを
確実に阻止して、美観の保持を図れる空気調和機の配管
構造を提供しようとするものである。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） すなわち本考案は、被空調室の壁面に沿って装着される
空気調和機本体に熱交換器およびこの熱交換器で生成さ
れるドレン水を集溜するドレン受皿を配設し、上記熱交
換器の一側部に冷媒管を接続し、上記ドレン受皿の熱交
換器他側部と対向する端部にドレンホースを接続してド
レン水を外部に排出させたものにおいて、上記ドレンホ
ースのドレン受皿接続部から冷媒管との合流部位までの
間のドレンホースが大きく曲がる部分に設けられる止め
具によりその位置を規制することを特徴とする空気調和
機の配管構造である。

（作用） 本考案はこのように、上記止め具がドレンホースのドレ
ン受皿接続部から冷媒管との合流部位までの間の変形を
防止するので、ドレン水の排水が阻害されることがない
とともに、ドレンホースの空気調和機本体外部への脱落
を規制する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する
に、上記ドレンホース８に対する後述する規制構造を除
いて、先に第６図および第７図にて説明したような空気
調和機自体の構成であり、同図を適用して新たな説明は
省略する。

第１図ないし第３図に示すように、空気調和機本体１内
を引き回される上記ドレンホース８はゴムホースなどの
弾性を有するものを用いているので、取付け時、もしく
は経時変化により、図中二点鎖線で示すように波状に曲
成し易い。

しかしながら、ドレンホース８のドレン受皿３接続部か
ら冷媒管5,5との合流部までの間の大きく曲がるドレン
ホース８部分に止め具11,11を新たに設けることによっ
て、ドレンホース８のドレン受皿３接続部から冷媒管5,
5との合流部までの間を湾曲させることなく一直線状に
保てる。

その結果、ドレンホース８内を案内されるドレン水は、
常にドレンホース８内を円滑に流通して少しも途中で止
まることがない。すなわち、排水信頼性が向上する。

また、空気調和機本体１が被空調室Ｒの壁面６と間隙を
存して据付けられていても、上記ドレンホース８は上記
止め具11,11により間隙からの脱落が規制されることに
なる。

このような止め具11,11の作用は、空気調和機本体１の
据付時に限らず、据付後の長期の使用に亘っても何ら変
化するものではない。

上記止め具11は第４図に示すように金属帯板を折曲して
なり、その上端係止部11aが垂直方向に立上り、かつ下
端止め部11bは水平方向に折曲される。さらに、特に第
３図に示すように、送風機４の風向ガイドをなすガイド
板12に設けられる取付孔13に止め具11の上端係止部11a
を係合し、かつその下端止め部11bはその弾性を利用し
て空気調和機本体１底面壁に取付ける。したがって、止
め具11の取付けはワンタッチで可能である。

また、ドレンホース８はドレン受皿３から冷媒管5,5に
向って空気調和機本体１内の長手方向に延出され、かつ
上記冷媒管5,5との合流部位で再び折曲される。そして
冷媒管5,5とともに透孔７を挿通して室外に延出され、
かつ冷媒管5,5との合流部位から透孔７の挿通部を介し
てドレンホース８の端部近傍まで、たとえばビニールテ
ープのごとき巻装テープ９で一緒に巻装されることは、
従来と同様である。

なお上記実施例においては、止め具11は金属帯板を折曲
し、かつその弾性を利用して空気調和機本体１に取付固
定したが、これに限定されるものではなく、たとえば第
５図に示すように、金属平板からなる止め具11Aを止め
ビス14にて上記ガイド板12に取付固着してもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、止め具がドレン受
皿から冷媒管との合流部位までの間のドレンホースの変
形を防止するので、ドレン水の排水が阻害されることが
なく、排水信頼性の向上が得られるとともに空気調和機
本体と被空調室壁面との間からのドレンホースの脱落を
防ぐことができ、美観が保持できるなどの効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示し、第１図
は空気調和機の概略横断平面図、第２図はその背面側要
部の斜視図、第３図はその縦断面図、第４図は止め具の
斜視図、第５図は本考案の他の実施例を示す空気調和機
本体の一部省略した縦断面図、第６図および第７図は本
考案の従来例を示し、第６図は空気調和機の概略横断平
面図、第７図はその背面側要部の斜視図である。 Ｒ…被空調室、６…壁面、１…空気調和機本体、２…熱
交換器、３…ドレン受皿、５…冷媒管、８…ドレンホー
ス、11…止め具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被空調室の壁面に沿って装着される空気調
   和機本体と、 この空気調和機本体内に配設される熱交換器およびこの
   熱交換器で生成されるドレン水を集溜するドレン受皿
   と、 上記熱交換器の一側部に接続された冷媒管と、 上記ドレン受皿の熱交換器他側部と対向する端部に接続
   されドレン水を外部に排出するドレンホースとを具備し
   た空気調和機の配管構造において、 上記ドレンホースのドレン受皿接続部から冷媒管との合
   流部位までの間のドレンホースが大きく曲がる部分に設
   けられドレンホースの位置を規制する止め具を備えたこ
   とを特徴とする空気調和機の配管構造。