JPH07329979A - 懐紙及びその製造方法 - Google Patents

懐紙及びその製造方法

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JPH07329979A
JPH07329979A JP15259194A JP15259194A JPH07329979A JP H07329979 A JPH07329979 A JP H07329979A JP 15259194 A JP15259194 A JP 15259194A JP 15259194 A JP15259194 A JP 15259194A JP H07329979 A JPH07329979 A JP H07329979A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1種類の懐紙本体でもって通常の懐紙や、袋
状の懐紙、更には防水性といった種々の機能を持たせて
使い勝手の良い懐紙を提供すること。 【構成】 基材2を表側が和紙と洋紙とを混合したベー
ス3と防水性のシート状膜4とのラミネート構造とす
る。基材2の一方の側片5を折り返し、この側片5の両
端と基材2の対向面とを接着する。上記側片5と基材2
とで収納部6を形成する。また他方の端部を折り返し片
7として収納部6側に折り返し自在とした懐紙本体1を
形成する。上記収納部6内にお茶席での残りの茶菓子を
納めたり、楊枝あるいは黒もじを収納したりする。また
収納部6内に茶巾を収納する場合にも使用したり、更に
は懐紙本体1自体を茶巾として使用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、お茶席などで茶道具の
一つとして使用される懐紙及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来のこの種の懐紙21の斜視図
を示している。なお懐紙21は材料が周知のように紙な
ので薄いからその厚みは図示していない。お茶席などで
茶道具の一つとして使用される懐紙21は、一般的に正
四角形に近い長方形で形成されている。そして図4の一
点鎖線で示す中央部22で両側から折り返し自在として
図5に示すような形状で予め持参するようになってい
る。なお懐紙21は一般的に多数枚が1つのセットとし
て販売されており、お茶席に出る人が予め何枚かの懐紙
21を束ねて着物の胸元などに入れておく。
【0003】上記懐紙21は周知のようにお茶席におい
て何枚かを重ねて折り畳んだ状態で置き、その一番上の
懐紙21の上に和菓子等の茶菓子を置くものである。そ
して、楊枝あるいは黒もじでもって茶菓子を切って残り
を懐紙21で包み、あるいは使用した懐紙21を袂に入
れる。また、予め楊枝あるいは黒もじを入れておく場合
にも懐紙21が使用される。更にはお濃茶の場合には先
にお茶を飲んだ人が茶碗の縁を拭うのにも懐紙21を使
用する場合もある。また別途茶巾を用意しておくのに茶
巾を懐紙21の中に入れる場合にも懐紙21を使用す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで懐紙21は従
来より材質を和紙だけで構成していたが、夏場などの濡
れ菓子と呼ばれる茶菓子を包んだり、少し濡れた(湿っ
た)茶巾を懐紙21の中に入れておくと、和紙からなる
懐紙21は水分を吸収するために、特に茶菓子の場合に
は着色した水分が高価な着物を汚してしまうという問題
があった。
【0005】そこで、上記問題点を解決するために懐紙
21の内面に防水性のシート状膜を和紙とラミネート構
造にしたのが既に提供されている。しかしながら合成樹
脂製のシート状膜と和紙とをラミネート構造とした場合
には、シート状膜の臭いが漂い使用者に不快感を与える
という問題がある。特に懐紙21は上述のように多数枚
が1セットになっているので、封を開けた時に非常に臭
いが強くなり、不快感も大きくなる。またラミネート構
造として防水性を発揮させる構造としても、従来の懐紙
21は図4及び図5に示すように単なる1枚のシート状
の懐紙21であるために茶菓子、楊枝、茶巾等が落ちな
いように丁寧、且つ確実に包まなければならない。
【0006】そこで上記のような機能を持たせた袋懐紙
というのが提供されている。図6はこの袋懐紙23の斜
視図を示し、懐紙を袋状に形成したものである。なおこ
の種の袋懐紙23は通常は懐石などで使用されるもので
あり、お茶席では使用されないものである。また、理解
し易いように内部に空気を入れて膨らました状態で図示
している。この袋懐紙23は、和紙と防水性のシート状
膜をラミネート構造とした基材24を長方形に裁断し、
基材24の両側を内方に折り返して端部同士を接着す
る。この接着部が図6に示す25である。また、基材2
4の一端側を接着した接着部26にて閉塞し、他方のみ
を開口させて開口部27を形成している。ここで、上記
袋懐紙23を袋状とするために基材24の途中で略く字
状の折り返し部28を形成し、この折り返し部28の幅
により内部に空間を形成して食べ物などを入れるように
なっている。
【0007】お茶席において茶菓子の残りをスムーズに
入れられるように、図4及び図5に示す懐紙21とは別
に袋懐紙23を用意しておき、バッグ等から袋懐紙23
を出して茶菓子の残りを入れるものである。つまり、図
4及び図5に示す懐紙21だけでは残りの茶菓子を仕舞
うのに不便な場合に図6に示すような袋懐紙23を別途
用意しておいて使用するものである。したがって、お茶
席において図4及び図5に示す懐紙21と図6に示す袋
懐紙23との2種類の懐紙を用意しなければならないと
いう問題がある。
【0008】また図7は上記袋懐紙23の開口部27側
から見た図であり、袋懐紙23の両側は折り返し部28
のために偏平にした状態では4層となり、また接着部2
5の部分も基材24の端部の折り返しによりやはり4層
となる。そのため、お茶席等で袋懐紙23を何枚かを束
ねて用意する場合には、かなりの厚みとなる。
【0009】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、1種類の懐紙本体でもって通常の懐紙や、袋状
の懐紙、更には防水性といった種々の機能を持たせて使
い勝手の良い懐紙及びその製造方法を提供することを目
的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
懐紙では、紙材からなるベース3と防水性を持たせたシ
ート状膜4とをラミネート構造とした四角形状で薄膜状
の基材2を形成し、この基材2の一方の端部側を内方に
折り返して側片5を形成すると共に、この側片5の両端
と基材2の対向面とをそれぞれ接着して収納部6を形成
し、上記基材2の他方の端部側を折り返し片7として該
折り返し片7を上記側片5の上面側に折り返し自在とし
た懐紙本体1を形成したことを特徴としている。
【0011】また、請求項2記載の懐紙では、上記懐紙
本体1の基材2を、洋紙と和紙とを所定の割合で混入し
て形成した薄膜状の紙材からなる表面側のベース3と、
このベース3の内面側に設けられて防水性で薄膜状のシ
ート状膜4とのラミネート構造としたことを特徴として
いる。
【0012】さらに、請求項3記載の懐紙の製造方法で
は、洋紙と和紙とを所定の割合で混入して形成したベー
ス3と防水性でシート状膜4とでラミネート構造とした
四角状で薄膜状の基材2の一方の端部側を内方で且つシ
ート状膜4側に折り返して側片5を形成し、その後上記
側片5の両端と基材2の対向面とをそれぞれ接着して収
納部6を形成するようにしたことを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の懐紙によれば、お茶席で懐紙本
体1を使用する場合には通常の懐紙と同様に懐紙本体1
を折り返して使用し、その折り返した懐紙本体1の上に
茶菓子を置き、楊枝や黒もじを用いて茶菓子を切る。そ
して茶菓子を残した場合には別の懐紙本体1を取り出し
て該懐紙本体1の収納部6に残りの茶菓子を入れて、袂
に納める。また、茶菓子が残らない場合でも使用した懐
紙本体1を折り畳んで別の懐紙本体1の収納部6に入れ
る。したがって懐紙本体1の収納部6が従来の袋状の懐
紙に相当することになる。
【0014】また、請求項2記載の懐紙によれば、基材
2を構成する紙材のベース3を洋紙と和紙とを所定の割
合で混合することで、防水性の機能を発揮させるべくシ
ート状膜4からの臭いの発散を防止することができる。
したがって多数枚のセットからなる懐紙本体1を封から
開けても嫌な臭いがせず、使用者に不快感を与えること
もない。
【0015】さらに、請求項3記載の懐紙の製造方法に
よれば、基材2の一方の端部側を内方で且つシート状膜
4側に折り返して側片5を形成し、その後上記側片5の
両端と基材2の対向面とをそれぞれ接着して収納部6を
形成するだけなので、従来の袋状の懐紙と異なり、懐紙
本体1の製造が非常に容易となり、そのため、コストダ
ウンを図ることができ、その結果、防水性、使用勝手の
良さといった多くの機能を有しているにもかかわらず、
消費者に対してもコスト負担をかけることがない。
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は開けた状態の懐紙本体1の斜視図を示し、
図2は折り畳んだ状態の懐紙本体1の斜視図を示してい
る。主としてお茶席で使用されるこの懐紙本体1の主構
成要素である基材2は薄膜状で長方形からなり、基材2
の長手方向の一方の端部の略1/3程度を側片5とし
て、この側片5を内方に折り返している。そして、上記
折り返した側片5の両端と基材2の対向面とを接着した
接着部8としている。この接着部8の幅は側片5が容易
に剥がれない程度の幅としており、接着方法としては接
着剤による接着、熱又は圧力を加えることによる接着、
高周波電気で加熱することによる接着等である。
【0016】上記基材2の一端側の側片5を折り返すこ
とで、この側片5と基材2の中央部分との間に収納部6
を形成している。また、基材2の他方の端部を図1にお
いて一点鎖線で図示する折り返し線9の箇所で折り返し
自在な折り返し片7としている。図2は上記折り返し片
7を収納部6の上面側に折り返した状態の懐紙本体1を
示しているが、通常に用いる懐紙本体1は多数枚(例え
ば、30枚)を1セットして、且つ折り返し片7を開け
て重ねて多数枚の懐紙本体1を二つ折りとしているの
で、その癖がついた状態の折り返し片7が緩く折り返し
ている状態を示している。また図1は折り返し片7を開
けた状態で、且つ収納部6を開口させた状態なので、側
片5や折り返し片7が弓なりとなっている状態を示して
いる。
【0017】次に本発明の懐紙本体1の構造と材料とに
ついて説明する。図3は懐紙本体1の基材2の要部拡大
断面図を示しており、本発明の基材2は2層構造として
いる。なお、図2では懐紙本体1の表面と上側とし、内
面を下側としている。懐紙本体1の表面側は洋紙と和紙
とを混合した紙材からなるベース3であり、内面側は合
成樹脂等で構成した防水性のシート状膜4である。そし
て、上記ベース3とシート状膜4との2層からなるラミ
ネート構造で基材2を形成しており、この基材2は通常
の紙の如く薄膜状に形成されている。
【0018】ここで従来は、基材2を単なる和紙からな
るベースと防水機能を持たせたシート状膜4からなる基
材としていたが、この場合には合成樹脂製であるシート
状膜4の臭いがして使用者に不快感を与えていた。そこ
で本発明ではこの臭いの発散を防止するために、洋紙に
和紙を混入したものであり、その材料と混合比はパルプ
を95%、レーヨンを5%の割合で混合したものであ
る。上記のような比率でパルプとレーヨンとを混合した
場合に上記シート状膜4からの臭いの発散を防止できて
使用者にシート状膜4からの臭いによる不快感を与える
ことがなくなった。
【0019】なお上記のようにして基材2を構成した場
合に、シート状膜4からの臭いの発散の防止ができた
が、その理論的な解明ができなかったものの、パルプと
レーヨンとの混合比率を変える実験を幾度となく行った
結果、上記の割合で臭いの発散を防止することができた
ものである。また、上記パルプとレーヨンの割合を9
5:5としたが、この数値そのものに限定されるもので
はなく、ある程度の幅を有しており、上記95:5の割
合が好適例である。
【0020】上記のように基材2の構成をベース3とシ
ート状膜4とをラミネート構造としており、懐紙本体1
の表面は和紙特有の模様となり、手で触った感触は和紙
特有の少しざらっとした感触である。また、懐紙本体1
の内面は合成樹脂製のシート状膜4によりすべすべとし
た感触の手触りとなっている。
【0021】次に、本発明の懐紙本体1の製造方法につ
いて説明する。まず上記の構成からなるベース3とシー
ト状膜4とを2層にラミネート構造にした1枚の大きな
シートから適宜の寸法に裁断する。そして裁断した基材
2の一方の端部の側片5を内方に折り畳み、折り畳んだ
側片5の両端と基材2の対向面とを上記のいずれかの接
着方法で接着する。上記側片5と基材2とを接着するだ
けで収納部6を容易に形成して、本発明の懐紙本体1を
形成することができる。
【0022】したがって図6に示すような従来の袋状の
懐紙と異なり、懐紙本体1の製造が非常に容易となり、
そのため、コストダウンを図ることができ、その結果、
防水性、使用勝手の良さといった多くの機能を有してい
るにもかかわらず、消費者に対してもコスト負担をかけ
ることがない。
【0023】本発明の懐紙本体1は主としてお茶席で茶
道具の1つとして使用されるものであり、折り返し片7
を開けた状態で複数枚の懐紙本体1を重ねた後に全体を
折り畳んで着物の胸元に予め入れておく。これは従来と
同様の一般の懐紙の作法である。そして束ねた懐紙本体
1を置き、その上に茶菓子を置いて楊枝あるいは黒もじ
で茶菓子を切り、茶菓子が残った場合には、その残った
茶菓子を下側の懐紙本体1あるいは別に取り出した懐紙
本体1の収納部6に入れる。そして懐紙本体1の折り返
し片7を単に折り畳んでその懐紙本体1を着物の袂、あ
るいは帯に入れる。
【0024】また、楊枝や黒もじを予め懐紙本体1の収
納部6内に入れておき、お茶席で使用する場合に収納部
6から楊枝あるいは黒もじを取り出すようにしても良
い。更にはお濃茶の場合には茶碗の縁を拭う場合にも一
般の懐紙と同様に本懐紙本体1を使用することもでき
る。また、お濃茶の場合に茶碗の縁を拭う茶巾を予め用
意しておく場合には、懐紙本体1の収納部6内に予め収
納するような用い方もできる。
【0025】また、本発明の懐紙本体1の内面は防水性
を持たせたシート状膜4を形成しているため、茶菓子を
収納部6内に納めた場合や、上記の茶巾を湿らせて収納
した場合にも、シート状膜4により水分の透過を防ぎ、
高価な着物を汚すこともない。特に、夏場等において
は、いわゆる濡れ菓子が多く使用されるので、懐紙本体
1の収納部6内に水分の多い茶菓子を納めても、シート
状膜4により高価な着物を汚すこともない。
【0026】さらに本発明の懐紙本体1の収納部6が従
来の袋状の懐紙(図6参照)に相当することになる。こ
れにより従来のように通常の懐紙と袋状の懐紙との2種
類を用意する必要がなく、収納部6を備えた1種類の懐
紙本体1を用意するだけで残りの茶菓子等を容易に仕舞
うことができる。しかも茶菓子を収納する場合には別の
懐紙本体1の折り返し片7を開けて収納部1内に茶菓子
を入れて折り返し片7を折り返すだけで良いので、従来
のように懐紙を茶菓子がこぼれないように折り畳む必要
がなく、収納動作が早くなり、且つ収納作業が容易とな
る。また、茶菓子を収納部1内に入れて折り返し片7で
覆うようにしているため、懐紙本体1を着物の袂に入れ
ても懐紙本体1から茶菓子が出ることもなく、そのた
め、高価な着物を汚すことがない。
【0027】このように本発明の懐紙本体1は、1種類
の懐紙本体1で多くの機能を発揮することができ、お茶
菓子において非常に便利が良いものである。また、懐紙
本体1は三つ折りの3層構造なので従来の4層構造と異
なり、多数枚の懐紙本体1を束ねても厚くならず、胸元
に束ねた懐紙本体1を入れておいても胸元が膨れること
もない。また、懐紙本体1に収納部6を形成する構造に
も関わらず1枚の基材2の端部を内方に折り返してその
折り返した側片5の両端と基材2の対向面とを接着する
だけの構造なので、コストアップもならず、安価に製作
することができる。
【0028】なお、上記懐紙本体1は上述のように主と
してお茶席で使用するものであるが、お茶席の場合に限
らず、慶事等においても使用することができ、また通常
の半紙の代わりとしても使用することができて、非常に
汎用性に富むものである。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の懐紙によれば、お茶席で
懐紙本体を使用する場合には通常の懐紙と同様に懐紙本
体を折り返して使用し、その折り返した懐紙本体の上に
茶菓子を置き、楊枝や黒もじを用いて茶菓子を切る。そ
して茶菓子を残した場合には別の懐紙本体を取り出して
該懐紙本体の収納部に残りの茶菓子を入れて、袂に納め
る。また、茶菓子が残らない場合でも使用した懐紙本体
を折り畳んで別の懐紙本体の収納部に入れる。したがっ
て懐紙本体の収納部が従来の袋状の懐紙に相当すること
になる。これにより従来のように通常の懐紙と袋状の懐
紙との2種類を用意する必要がなく、収納部を備えた1
種類の懐紙本体を用意するだけで残りの茶菓子等を容易
に仕舞うことができる。しかも茶菓子を収納する場合に
は別の懐紙本体の折り返し片を開けて収納部内に茶菓子
を入れて折り返し片を折り返すだけで良いので、従来の
ように茶菓子がこぼれないように懐紙を折り畳む必要が
なく、収納動作が早くなり、且つ収納作業が容易とな
る。また、茶菓子を収納部内に入れて折り返し片で覆う
ようにしているため、懐紙本体を着物の袂に入れても懐
紙本体から茶菓子が出ることもなく、そのため、高価な
着物を汚すことがない。
【0030】また懐紙本体を構成する基材に防水性を持
たせたシート状膜を使用しているので、夏場などにおけ
る水気の多い濡れ菓子と呼ばれる茶菓子の場合でも水分
を通さないので高価な着物を汚すこともない。上記懐紙
本体の収納部内には茶菓子を切るための楊枝や黒もじを
入れることもでき、また、お濃茶の場合に使用される予
め湿らせた茶巾を入れておいても防水性のシート状膜に
より着物を濡らすこともなく非常に使い勝手が良いもの
である。更には、懐紙本体を従来の茶巾としても使用が
できる。このように、1種類の懐紙本体で多くの機能を
発揮することができ、お茶菓子において非常に便利が良
いものである。また、懐紙本体は三つ折りの3層構造な
ので従来の4層構造と異なり、多数枚の懐紙本体を束ね
ても厚くならず、胸元に束ねた懐紙本体を入れておいて
も胸元が膨れることもない。更には懐紙本体をお茶席に
限らず、慶事等においても使用することができ、また通
常の半紙の代わりとしても使用することができて、非常
に汎用性に富むものである。さらに懐紙本体に収納部を
形成する構造にも関わらず1枚の基材の端部を内方に折
り返してその折り返した側片の両端と基材の対向面とを
接着するだけも構造なので、コストアップもならず、安
価に製作することができる。
【0031】また、請求項2記載の懐紙によれば、基材
を構成する紙材のベースを洋紙と和紙とを所定の割合で
混合することで、防水性の機能を発揮させるべくシート
状膜からの臭いの発散を防止することができる。したが
って多数枚のセットからなる懐紙本体を封から開けても
嫌な臭いがせず、使用者に不快感を与えることもない。
【0032】さらに、請求項3記載の懐紙の製造方法に
よれば、基材の一方の端部側を内方で且つシート状膜側
に折り返して側片を形成し、その後上記側片の両端と基
材の対向面とをそれぞれ接着して収納部を形成するだけ
なので、従来の袋状の懐紙と異なり、懐紙本体の製造が
非常に容易となり、そのため、コストダウンを図ること
ができ、その結果、防水性、使用勝手の良さといった多
くの機能を有しているにもかかわらず、消費者に対して
もコスト負担をかけることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の懐紙本体の収納部を開口させ
た状態の斜視図である。
【図2】本発明の実施例の懐紙本体の斜視図である。
【図3】本発明の実施例の懐紙本体の基材の要部拡大断
面図である。
【図4】従来例の一般的な懐紙を開けた状態の斜視図で
ある。
【図5】従来例の懐紙の斜視図である。
【図6】他の従来例の袋状の懐紙の斜視図である。
【図7】他の従来例の開口側から見た袋状の懐紙の図で
ある。
【符号の説明】
1 懐紙本体 2 基材 3 ベース 4 シート状膜 5 側片 6 収納部 7 折り返し片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙材からなるベース(3)と防水性を持
    たせたシート状膜(4)とをラミネート構造とした四角
    形状で薄膜状の基材(2)を形成し、この基材(2)の
    一方の端部側を内方に折り返して側片(5)を形成する
    と共に、この側片(5)の両端と基材(2)の対向面と
    をそれぞれ接着して収納部(6)を形成し、上記基材
    (2)の他方の端部側を折り返し片(7)として該折り
    返し片(7)を上記側片(5)の上面側に折り返し自在
    とした懐紙本体(1)を形成したことを特徴とする懐
    紙。
  2. 【請求項2】 上記懐紙本体(1)の基材(2)を、洋
    紙と和紙とを所定の割合で混入して形成した薄膜状の紙
    材からなる表面側のベース(3)と、このベース(3)
    の内面側に設けられて防水性で薄膜状のシート状膜
    (4)とのラミネート構造としたことを特徴とする請求
    項1記載の懐紙。
  3. 【請求項3】 洋紙と和紙とを所定の割合で混入して形
    成したベース(3)と防水性でシート状膜(4)とでラ
    ミネート構造とした四角状で薄膜状の基材(2)の一方
    の端部側を内方で且つシート状膜(4)側に折り返して
    側片(5)を形成し、その後上記側片(5)の両端と基
    材(2)の対向面とをそれぞれ接着して収納部(6)を
    形成するようにしたことを特徴とする懐紙の製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62111481U (ja) * 1985-12-28 1987-07-16
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