JPH0732939Y2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH0732939Y2
JPH0732939Y2 JP1988075798U JP7579888U JPH0732939Y2 JP H0732939 Y2 JPH0732939 Y2 JP H0732939Y2 JP 1988075798 U JP1988075798 U JP 1988075798U JP 7579888 U JP7579888 U JP 7579888U JP H0732939 Y2 JPH0732939 Y2 JP H0732939Y2
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正信 大崎
伸平 中庭
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は内燃機関の点火時期制御装置に関する。
〈従来の技術〉 従来、一般的な内燃機関の点火時期制御としては、機関
の回転数と負荷とに応じて設定した基本点火時期を水温
等によって補正し、あるいは、これをノッキングを検出
してさらにフィードバック補正するようにしたものがあ
る(特開昭59-49369号公報等参照)。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、かかる従来の点火時期制御にあっては、
後述するような種々の問題を生じている。
例えば、アイドル時に正規の点火時期が得られるよう
に、ディストリビュータを回転しながらセットするが、
ディストリビュータはボルト,ナットで固定されていて
も、機関運転時の振動により位置ずれを生じたり、ま
た、セット自体に誤差を生じたりすることもある。この
場合、点火時期が進角側にずれた場合にはNOX増大を招
き、遅角側にずれた場合には、サージ(前後振動)が増
大することとなる。
また、EGR装置を備えたものでは、EGR弁が故障して開き
っぱなしか、閉じっぱなしになると、開きっぱなしの場
合はEGR量の増大に応じて要求点火時期が進角方向とな
り、そのままではサージが増大し、閉じっぱなしの場合
は要求点火時期が遅角方向となるため、そのままではNO
Xが増大する。
さらに、初期の点火時期の設定自体が必ずしも最適に行
われていない場合にも同様の問題を生じる。
本考案は、このような従来の問題点に鑑みなされたもの
で、機関の回転変動を監視しつつ点火時期を補正制御す
ることにより、上記問題点を解決した内燃機関の点火時
期制御装置を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このため本考案は、第1図に示すように、機関運転状態
を検出する運転状態検出手段と、機関運転状態毎に機関
回転数の変動レベルをサージレベルとNOX発生レベルと
を共に許容レベル以下に保持できる値に設定する回転数
変動レベル設定手段と、前記運転状態検出手段によって
検出された機関回転数の変動レベルを検出する回転数変
動レベル検出手段と、検出された回転数変動レベルを設
定された回転数変動レベルに近づけるように点火時期を
フィードバック制御する点火時期フィードバック制御手
段と、点火時期フィードバック制御手段により設定され
るフィードバック制御量に進角方向及び遅角方向の限界
を与える制限値を、機関回転数と機関の負荷とに基づい
て設定するリミッター手段と、を備えて構成したことを
特徴とする。
さらに、第1図鎖線図示のように、点火時期フィードバ
ック制御手段により設定されるフィードバック制御量に
進角方向及び遅角方向の限界を与えるリミッター手段を
備えてもよい。
〈作用〉 機関の回転変動レベルは、サージトルクと深い相関関係
にあり、したがって該回転変動レベルが分かれば、サー
ジのレベルが分かると共に、サージのレベルと相反する
NOXのレベルも推定できる。
そこで、前記回転数変動レベル設定手段は、運転状態
(機関回転数や負荷)に応じて、当該運転状態における
性状を良好に満たすべく、サージとNOXのレベルを共に
満足するような回転数の変動レベルを設定する。
回転数変動レベル検出手段は、運転状態検出手段により
検出される機関回転数から、その変動レベルを検出す
る。
点火時期フィードバック制御手段は、前記検出された回
転数の変動レベルを、前記回転数変動レベル設定手段に
より設定されたレベルに近づけるように、点火時期をフ
ィードバック制御する。
かかる点火時期制御により、サージとNOXのレベルを共
に満足するような性状の良好な運転状態が得られる。
また、点火時期フィードバック制御手段により設定され
たフィードバック制御量に、リミッター手段によって設
定された限界値によって進角方向及び遅角方向の限界が
与えられる。
これにより、点火時期の過進角補正によるノッキングの
発生及びトルク低下を防止でき、過遅角補正による極端
なトルク低下を防止でき、更に燃焼温度や排気温度が異
常に上昇することを防止できる。特に、前記のような運
転性の低下を伴う点火時期補正量の限界値は、運転領域
毎に異なっているが、本発明では該限界値を機関回転数
と機関負荷とに基づいて機関運転状態に見合った値とし
て設定されるため、運転領域毎に運転性能の低下を防止
しつつ回転変動の安定化を図ることができる。
また、フィードバック制御停止手段を設けた場合は、加
減速時の回転数変動レベル検出手段による回転数の検出
動作が停止され若しくは点火時期フィードバック制御の
作動が停止されることによって、点火時期の回転数変動
レベルに応じたフィードバック制御が停止される。
したがって、加減速時の回転変動をサージとして誤検出
して点火時期がフィードバック制御されることはなく、
加減速性能を確保することができる。
〈実施例〉 以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は本考案の一実施例の構成を示し、機関1の吸気
通路2には、吸入空気流量を質量流量として検出するエ
アフローメータ3とスロットル弁4の開度を検出するス
ロットルセンサ5とが設けられる。
また、機関1の各気筒には点火栓6が設けられている。
これら点火栓6には点火コイル7にて発生する高電圧が
ディストリビュータ8を介して順次印加され、これによ
り、火花点火して混合気を着火燃焼させる。ここで、点
火コイル7はそれに付設されたパワートランジスタ9を
介して高電圧の発生時期を制御する。
そして、点火時期の制御はパワートランジスタ9のON,O
FF時期を制御装置10からの点火信号で制御することによ
り行う。
前記ディストリビュータ8には光電式のクランク角セン
サ11が内蔵されている。クランク角センサ11は、ディス
トリビュータシャフト12と一体に回転するシグナルディ
スクプレート13と検出部14とよりなる。
一方、機関1の排気通路15と吸気通路2とを接続してEG
R通路16が設けられ、該EGR通路16には、例えばダイアフ
ラム式のEGR制御弁17が介装されている。
このEGR弁17には、制御装置10によりデューティ制御さ
れる電磁式の負圧制御弁18を介装した一端が吸気通路2
のスロットル弁4下流側に接続する負圧導入通路19の他
端が接続し、吸気通路2に発生した負圧が導入される。
そして、前記制御装置10は、クランク角センサ6からの
機関回転数N信号と、エアフローメータ3からの吸入空
気流量Q信号とに基づいて演算される基本燃料噴射量TP
と機関回転数Nとから、予め定めたEGR制御領域のマッ
プより、基本制御値を求め、この基本制御値を機関水温
等で補正した値に基づいて負圧制御弁18を駆動制御して
EGR制御弁17の作動負圧を設定する。これにより、運転
状態に応じたEGR量が吸気通路2側に導入されるように
構成されている。
また、制御装置10は、第3図〜第5図のフローチャート
で示すように、クランク角センサ6からの機関回転数N
信号に基づいて単位時間当たりの機関回転数Nの変動Δ
Nを求め、この変動ΔNからサージトルクを推定して点
火時期のフィードバック制御を行う。尚、かかる点火時
期のフィードバック制御は、機関の加減速時は停止され
るが、この加減速の検出が、前記スロットルセンサ5に
より検出されるスロットル弁開度TVOの単位時間当たり
の変化率ΔTVOを設定値と比較して行われる。
次に、コントロールユニットによる各種制御を第3図〜
第6図のフローチャートに基づいて説明する。
第3図は機関回転数演算ルーチンで、例えば4気筒の内
燃機関では機関の1/4回転毎に実行される。
ステップ(図ではSと記す)1では、クランク角センサ
11より入力するREF信号(基準信号)の周期を演算す
る。
ステップ2では、演算したREF信号周期に基づき機関回
転数Nを次式により演算する。
N=(1/REF周期)1×1/2×60 第4図は後述する第5図のサージトルク推定ルーチンに
用いる機関回転数データをサンプリングするルーチン
で、例えば10ms毎に実行する。
ステップ11では、スロットルセンサ5からのスロットル
弁開度信号を入力する。
ステップ12では、入力したスロットル弁開度信号より得
られるスロットル弁開度変化率の絶対値|ΔTVO|が所定
値(例えば1.6°/100ms)より大きいか否かを判定す
る。ここで所定値より小さいときは定常運転時と判断し
てステップ15へ進む。また、所定値以上のときは加減速
運転時と判断してステップ13に進む。
ステップ13では、フラグFの判定をする。ここで、F=
0のときは、加減速運転検出が初回であると判断して、
ステップ14で、タイマTのカウントをリセットしてT=
0とし、ステップ17でフラグFをF=1にセットする。
その後も加減速運転が継続されているときはステップ13
でF=1と判定され、定常運転と同様にステップ15へ進
み、タイマTをカウントアップする。
ステップ16では、タイマTの値が1sec以上か否か、即ち
加減速運転開始から1sec以上経過したか否かを判定す
る。ここで、タイマTの値が1sec以上のときはステップ
18に進みフラグFの判定をする。
ここで、F=0のときは、ステップ19へ進みカウントC
をカウントアップする。
ステップ20では、カウンタCがC=5になったか否かを
判定する。C=5のときは、ステップ21に進みカウンタ
Cをリセットする。即ち50ms毎にカウンタCはリセット
されることになる。
そして、ステップ22で、今回検出された機関回転数Nを
m0とし、1sec前までの50ms毎にサンプリングされたそれ
までの機関回転数Nのデータm19〜m0を順次シフトし
て、常に最新の20個の機関回転数Nのデータを記憶す
る。
ステップ20で、C=5でないときはステップ21,22をジ
ャンプしてステップ25に進む。
ステップ25では、フラグFをF=0とし、元に戻る。
また、ステップ18のFの判定がF=1のとき、即ち加減
速運転開始から1sec経過直後のときは、ステップ23に進
み、カウンタCをリセットする。
そして、ステップ24で、それまでにサンプリングした20
個の機関回転数Nのデータm0〜m19をリセットして、全
てを現時点の機関回転数Nに置き換え、ステップ25でフ
ラグFをF=0とする。
このようにして、定常運転時には、一定時間間隔、例え
ば50ms毎の現時点から1sec前までの機関回転数Nのデー
タをサンプリングする。また、加減速運転開始後一定時
間(本実施例では1sec)機関回転数Nのデータのサンプ
リングを停止することにより、加減速運転に起因する機
関の回転変動を、サージングによる回転変動とを区別し
て実質的に後述するサージングによる回転変動に基づく
点火時期のフィードバック制御を停止させることができ
る。即ち、この機能はフィードバック制御停止手段に相
当する。
第5図は前記機関回転数Nのサンプリングデータに基づ
いて機関回転数Nの変動レベルを推定すると共に、該変
動レベルから点火時期をフィードバック制御するルーチ
ンで、こはバックグラウンドジョブで行われる。
ステップ31では、前述のようにして求めた現在記憶され
ている20個の機関回転数Nのサンプリングデータm0〜m1
9及び最新の機関回転数Nのデータに基づいて、100msec
〜1secの間で0.1sec毎に設定した各単位時間i当たりの
機関回転数Nの変動値ΔNisecを演算する。
ステップ32では、演算された各単位時間isec当たりの複
数の機関回転数Nの変動値|ΔNisec|の最大値を演算す
る。
ステップ33では、サージトルクと機関回転数の変動とは
略正比例の関係にあることから、演算した|ΔNisec|の
最大値を現在のサージトルクによる変動レベルと推定し
て記憶する。即ち前記ステップ32の機能が回転数変動レ
ベル検出手段に相当する。
このようにして、機関回転数の変動レベルを検出する。
尚、サンプリングする機関回転数変動の単位時間を100m
sec〜1secの間で0.1sec毎に設定したのは、人間がサー
ジトルクを感知できるのが1Hz(1sec)〜10Hz(100ms)
であり、それによって人間が体感できるサージを正確に
把握できる。
ステップ34では、機関回転数Nと負荷としての基本燃料
噴射量TPとによって複数に区分される運転状態のエリア
毎に、当該エリアの運転状態における性状を良好に満た
す機関回転数の変動レベル|ΔNMAX|を記憶したマップ
から、最新の機関回転数Nと別ルーチンで演算された基
本燃料噴射量TPとに基づいて検索する。ここで、前記変
動レベル|ΔNMAX|は、例えば第6図や第7図等からNO
Xを設定レベル以下に抑制しつつ、サージも不快となら
ないレベル以下に抑制できるようなレベルに設定してあ
る。このステップ34の機能が回転数レベル設定手段に相
当する。
ステップ35では、前記ステップ33で検出された回転数の
変動レベル|ΔNisec|とステップ34で設定された変動レ
ベル|ΔNMAX|との偏差に対して、点火時期のフィード
バック制御定数FBADVをファジィ理論による確かさの量
を加味して図示のように予め設定されたマップから検索
して求める。ここで、前記偏差の正の値に対してフィー
ドバック制御定数FBADVは正の値即ち進角側に設定さ
れ、偏差の負の値に対してはフィードバック制御定数FB
ADVは負の値即ち遅角側に設定される。
ステップ36では、機関回転数Nと基本燃料噴射量TPとか
ら前記フィードバック制御定数の進角側の上限値を規制
するための補正係数MAXFBLMTと、同じく遅角側の下限値
を規制するための補正係数MINFBLMTとを予め設定された
マップから検索する。これは、各運転状態エリア毎にノ
ッキングの発生,燃焼温度,排気温度等が限界を超えな
いようにするため設けられている。即ちこの機能がリミ
ッター手段に相当する。
ステップ37では、機関回転数Nと基本燃料噴射量TPとに
基づいて基本点火時期ADV0を予め設定されたマップから
検索する。これは、上死点からの進角値として設定され
る。
ステップ38では、前記ステップ35で求めたフィードバッ
ク制御定数FBADVの正負を判定する。
ステップ38で正と判定された場合は、ステップ39へ進み
次式により最終的な点火時期を設定する。
ADV=ADV0+FBADV×MAXFBLMT ステップ38で負と判定された場合は、ステップ40へ進み
次式により最終的な点火時期を設定する。
ADV=ADV0+FBADV×MINFBLMT かかる構成とすれば、実際の回転変動レベルと初期設定
された所望の回転変動レベルとのずれを修正すべく点火
時期がフィードバック制御される。
かかる制御により、アイドル時における点火時期調整位
置からの機関振動によるずれや、調整誤差、或いは前記
EGR制御弁の故障、さらには点火時期のマッチング誤差
等によって点火時期が所望の値より進角側にセッティン
グされた場合のNOXの増大又は逆に遅角側にセッティン
グされた場合のサージの増大による不快感の発生を防止
することができる。
〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、機関の回転変動に
応じた点火時期のフィードバック制御により、点火時期
の基本設定値にずれを生じた場合でも、これを修正する
ことができ、NOXの増大を抑制しつつ、サージを不快感
を伴わない程度に抑制できる等、常に良好な性状を得る
ことができる。
また、リミッター手段によって機関回転数と機関負荷と
に基づいて設定された限界値によってノッキングの発
生、トルク低下、更に燃焼温度や排気温度が異常に上昇
することを防止でき運転領域毎に運転性能の低下を防止
しつつ回転変動の安定化を図ることができる。
また、加減速運転時にかかるフィードバック制御を停止
することにより、加減速運転による回転変動をサージと
誤検出してフィードバック制御されることによる加減速
運転の性能悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の構成を示すブロック図、第2図は本考
案の一実施例の構成を示す断面図、第3図〜第5図は同
上実施例による各種制御ルーチンを示すフローチャー
ト、第6図及び第7図は、点火時期に対する各種状態を
示すグラフである。 1……機関、2……吸気通路、5……スロットルセン
サ、6……点火栓、10……コントロールユニット、11…
…クランク角センサ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 機関運転状態毎に機関回転数の変動レベルをサージレベ
    ルとNOx発生レベルとを共に許容レベル以下に保持でき
    る値に設定する回転数変動レベル設定手段と、 前記運転状態検出手段によって検出される機関回転数の
    変動レベルを検出する回転数変動レベル検出手段と、 検出された回転数変動レベルを設定された回転数変動レ
    ベルに近づけるように点火時期をフィードバック制御す
    る点火時期フィードバック制御手段と、 点火時期フィードバック制御手段により設定されるフィ
    ードバック制御量に進角方向及び遅角方向の限界を与え
    る制限値を、機関回転数と機関の負荷とに基づいて設定
    するリミッター手段と、 を備えて構成したことを特徴とする内燃機関の点火時期
    制御装置。
  2. 【請求項2】運転状態検出手段によって検出される機関
    の加減速時は、回転数変動レベル検出手段若しくは点火
    時期フィードバック制御手段の作動を停止することによ
    り、回転数変動レベルに応じた点火時期フィードバック
    制御を停止するフィードバック制御停止手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の内燃機関の点火時期制御
    装置。
JP1988075798U 1988-06-09 1988-06-09 内燃機関の点火時期制御装置 Expired - Lifetime JPH0732939Y2 (ja)

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