JPH07328881A - ワーク支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 圧力流体回路接続装置として、圧力流体供給
源から負荷機器への圧力流体回路を簡単、かつ、急速に
断続でき、しかも耐久性の高い圧力流体回路接続装置を
備え、加工ライン上でワークを短時間で交換でき、しか
もワーク支持装置のデッドスペースを有効に利用して、
ワーク支持装置の保管場やワーク交換作業場を縮小でき
るようにしたワーク支持装置を提供する。 【構成】 ワーク支持装置において、一端が開放され、
他端が圧力流体供給源に連通される弁室10を有するブロ
ック４と、この弁室10に進退可能に挿入されると共に一
端部が弁室10外に突出する弁体５と、この弁体５内に弁
体５と同心状に形成され、一端側で拡径される異径孔11
と、この異径孔11の変径部からなる弁シート12に対向し
て配置され、ステム７を介して上記ブロック４に固定さ
れた弁座６と、上記弁体６をその一端側に付勢して弁シ
ート12を弁座６に当接させる閉弁バネ８とを有する圧力
流体回路接続装置を備える構成とするワーク支持装置と
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加圧空気回路接続装置
として、例えば加圧空気供給源から空気駆動油ポンプ、
空気駆動増圧器などの加圧空気の負荷機器への加圧空気
回路を簡単にかつ、急速に断続でき、しかも、耐久性の
高い圧力流体回路接続装置を備え、加工ライン上でワー
クを短時間で交換でき、しかもワーク支持装置のデッド
スペースを有効に利用して、ワーク支持装置の保管場や
ワーク交換作業場を縮小できるようにしたワーク支持装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、加工ラインの自動化が図られるに
つれて、例えば図６の平面図に示すように、一定の循環
経路101 上に多数のパレット102 を一定の間隔を置いて
配置し、各パレットにワークを支持させたワーク支持装
置103 を載せてこれらパレット102 を間歇的に循環さ
せ、各パレット102が停止する加工ステージで循環経路1
01に臨ませた切削加工機、研削加工機、マシニングセン
ターなどによってワークを機械加工するようにした加工
ラインが採用されている。

【０００３】上記ワーク支持装置103 は、ベースプレー
トと、これの上に立設された筒状のブロックとを有し、
上記加工ライン外で上記ブロックの外側面にワーククラ
ンプを介してワークを支持させた後、ローダー104 によ
ってワークをワーク支持装置103 ごと生産ラインに搬入
される。上記ワーク支持枠103 はパレット102 が停止す
る各加工ステージで必要に応じてパレット102 上で縦軸
心回りに回転され、ブロックの複数の外側面に固定され
た各ワークを順に加工させるようにしている。

【０００４】ワーク加工ラインを循環して各ワークの一
連の機械加工が終わると、アンローダ105 によってワー
ク支持装置103 を加工ラインから取り出し、加工ライン
外で加工済みのワークをワーク支持装置103 から取り外
している。ところで、この種のワーク支持装置103 に使
用されるワーククランプとしては、ワーク加工ラインに
出し入れされ、また、ワーク加工ライン上を移動し、さ
らには、必要に応じてパレット102 上で回転するワーク
支持装置への油圧配管が困難であるため、油圧式のワー
ククランプは用いられずボルト・ナット等によってブロ
ックに固定される基体と、この基体に支持されたクラン
プ爪と、このクランプ爪を締め付け方向に進退させるネ
ジとを備えたネジ式のものが使用される。

【０００５】クランプ爪としては、その先端がブロック
の外側面に直角な方向に進退可能に設けられるものと、
その先端がブロックの外側面に平行に進退可能に設けら
れるものと、その先端がブロックの外側面に対して傾斜
する方向に進退可能に設けられるものとがある。クラン
プ爪の先端がブロックの外側面に直角な方向に進退可能
に設けられるワーククランプは、クランプ爪に挿通さ
れ、ブロック又は基体に螺合されるネジを締め込むこと
により、クランプ爪の先端とブロックの外側面との間に
ワークを挟持して固定する。

【０００６】また、クランプ爪の先端がブロックの外側
面に平行に進退可能に設けられるワーククランプは、基
体に螺進退可能に挿通されたネジを締めこむことによ
り、クランプ爪でワークの側面をブロックに固定された
他のワーククランプや基準ブロックに押しつけてワーク
を固定する。さらに、クランプ爪の先端がブロックの外
側面に対して傾斜する方向に進退可能に設けられるクラ
ンプでは、基体に螺進退可能に挿通されたネジを締めこ
むことにより、このクランプでワークをブロックの外側
面と、ブロックに固定された他のワーククランプや基準
ブロックとに押しつけてワークを固定する。

【０００７】したがって、従来のワーク支持装置では、
加工済みのワークと未加工のワークとを交換する時には
クランプ爪を締めつけるネジを緩め、加工済みのワーク
を取り外し、未加工のワークを正確に位置決めしながら
そのネジを締め直すという作業が必要になり、ワーク交
換に要する時間が長くなるおそれがある。また、特に機
械加工ラインのタクトタイム、すなわち、パレット102
が停止している時間がワーク交換時間よりも短い場合に
は、機械加工ラインでの時間ロスをなくすため、機械加
工ライン上に搭載できるワーク支持装置103 よりも多数
のワーク支持装置103 を用意し、機械加工ライン外で同
時平行的に複数のワーク支持装置103 のワーク交換を行
う必要が生じ、多数のワーク支持装置103 を保管するた
めに広い保管場を設けたり、ワーク交換作業をするため
に広い作業場を設けたりする必要が生じてくる。

【０００８】そこで、本発明者は、例えば図７に示すよ
うに、ベースプレート201 と、これの上に立設された筒
状のブロック202 とを有し、このブロック202 の外側面
203にワーククランプ204 を介してワーク205 を支持す
るワーク支持装置を前提として、加工ライン上でワーク
205 を短時間で交換でき、しかも、ワーク支持装置のデ
ッドスペースを有効に利用して、ワーク支持装置の保管
場やワーク交換作業場を縮小できるようにしたワーク支
持装置を発明した。

【０００９】すなわち、上記ワーククランプ204 を油圧
式のワーククランプ204 で構成し、上記ブロック202 の
中空部205 に作動油を貯留する油タンク206 と、この油
タンク206 から作動油を吸引して所定の圧力で吐出する
空気駆動式の油ポンプ207 と、この油ポンプ207 から吐
出される作動油の上記ワーククランプ204 への供給およ
び上記ワークランプ204 から油タンク206 への作動油の
排出を制御する方向制御弁208 とを配置したワーク支持
装置を本発明に先立って発明したのである。

【００１０】ところで、このワーク支持装置において
は、ワークの着脱時や交換時に油ポンプ207 に駆動用の
加圧空気を供給する必要があるが、ワーク支持装置が必
要に応じてワーク加工ラインに出し入れされ、また、ワ
ーク加工ライン上を移動し、さらには、必要に応じてパ
レット102 上で回転されるので各ワーク支持装置に駆動
源としての加圧空気を供給する加圧空気配管を設けるこ
とが容易ではない。

【００１１】しかも、このワーク支持装置への加圧空気
の供給は、ワークの着脱時あるいは交換時のみで十分で
あるので、ワーク支持装置にワーク交換ステージで加圧
空気配管を例えばユニオン継手、急速継手などによって
手作業で接続し、ワークの着脱あるいは交換後に分離す
ることを試みた。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この配
管の接続と分離とを手作業で行う場合には作業性を高め
る上で不利であり、また、急速継手などを機械操作で接
続したり、分断したりする場合には、急速継手の接続部
が機械力によって傷ついたり、変形したりし易くなり、
耐久性を高める上で不利になることが分かった。

【００１３】本発明は、上記の事情を鑑みて、例えば圧
力流体供給源から負荷機器への圧力流体回路を簡単、か
つ、急速に断続でき、しかも、耐久性の高い圧力流体回
路接続装置を備えるワーク支持装置を提供するという技
術的課題を解決することを目的とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、ベースプレートとこれの上に立設された
筒状のブロックとを有し、このブロックの外側面にワー
クを支持するワーククランプを油圧式のワーククランプ
で構成すると共に、上記ブロックの中空部に作動油を貯
留する油タンクとこの油タンクから作動油を吸引して所
定の圧力で吐出する油ポンプと、この油ポンプから吐出
される作動油の上記ワーククランプへの供給および上記
ワーククランプから油タンクへの作動油の排出を制御す
る方向制御弁とを配置したワーク支持装置において、一
端が開放され、他端が圧力流体供給源に連通される弁室
を有するブロックと、この弁室に進退可能に挿入される
と共に一端部が弁室外に突出する弁体と、この弁体内に
弁体と同心状に形成され、一端側で拡径される異径孔
と、この異径孔の変径部に対向して配置され、ステムを
介して上記ブロックに固定された弁座と、上記弁体をそ
の一端側に付勢して異径孔の変径部を弁座に当接させる
閉弁バネとを備え、上記弁体を弁室に摺動可能に、かつ
気密状に内嵌されるスリーブと、このスリーブ内に摺動
可能に、かつ気密状に内嵌される主弁体とで構成し、上
記スリーブが弁室の内側に移行する時にスリーブが主弁
体を駆動し、閉弁バネによって主弁体が弁座に受け止め
られた後に、スリーブが弁室の内圧によって弁座の周縁
部に押し付けられ、圧力流体を供給される負荷機器に設
けた供給口に固定され、上記弁体の一端を受け止めて異
径孔を供給口に連通させるプレートを設けた圧力流体回
路接続装置を備えることを特徴とする。

【００１５】

【作用】圧力流体供給路は、閉弁バネが変径部を弁座に
当接させることにより、外部から遮断されるが、弁体の
一端部を負荷回路に設けた供給口の周囲に気密状に当接
させ、ブロックを閉弁バネに抗して負荷回路側に押し込
むと、変径部が弁座から離れて開弁され、圧力流体供給
源が異径孔を介して供給口に連通される。

【００１６】また、この状態からブロックを負荷回路か
ら遠ざけると、異径孔の変径部が弁座に受け止められて
異径孔が弁座によって閉じらた後、弁体の一端が負荷回
路側から離隔する。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の一実施例に係る圧力流体回路
接続装置を添付された図面に基づいて具体的に説明する
が、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、
本明細書および添付された図面の記載事項全体から明ら
かになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に
広くおよぶものである。

【００１８】図１および図２の各断面図に示すように、
本発明の一実施例に係る圧力流体回路接続装置は、本発
明を加圧空気供給源を負荷機器２に接続する加圧空気回
路接続装置に適用したものであり、加圧空気供給源が接
続される本体１と、負荷機器２に設けた受座３とを備え
る。上記本体１はブロック４と、弁体５と、弁座６と、
ステム７と、閉弁バネ８とを備え、上記ブロック４には
一端が開放され、他端が加圧空気供給源に供給路９を介
して連通される弁室10が形成される。

【００１９】上記弁体５は、中心軸に沿って弁体５の一
端側で拡径される異径孔11を有する一体の筒状体で構成
してもよいが、この実施例では、この弁室10に進退可能
に挿入されると共に一端部が弁室10外に突出する筒状体
からなるスリーブ12と、このスリーブ12に進退可能に内
嵌される筒状の主弁体13とに分割形成して、スリーブ12
に主弁体13を内嵌することにより、弁体５内にその軸心
方向の両側で拡径される異径孔11を形成するようにして
いる。

【００２０】この主弁体13の内端部には段付状に拡径さ
れた拡径部14が形成され、上記スリーブ12の内周面には
この拡径部14を一端側から受け止める段付面15が形成さ
れる。上記主弁体13の外端面は円環状の弁シート16を構
成し、上記弁座６はスリーブ12内でこの弁シート16から
一端側の部分、すなわち、異径孔11の一端側の拡径部11
ａ内に配置され、異径孔11の小径部11ｂ、すなわち、主
弁体１３の中心孔に挿通された上記ステム７を介してブ
ロック４に固定される。

【００２１】また、弁座６の弁シート16に対向する部分
には、必要に応じて、円環状の弾性体からなる封止部材
17が固定されている。もっとも、この封止部材17は弁シ
ート16に固定してもよい。上記閉弁バネ８は、弁室10の
他端面18と主弁体13の内端面19との間に挿入されたコイ
ルバネからなり、この閉弁バネ８の弾性復元力により弁
体５の弁シート16を弁座６の封止部材１７に気密状に当
接させるようにしている。

【００２２】また、スリーブ12の内周面には後述する弁
座６の周縁部に他端側から受け止められる別の段付面20
が形成され、弁室10の内圧で外側に付勢されたスリーブ
12が弁座６の周縁部に受け止められるようにして、弁座
６の封止部材17と主弁子13の弁シート16との間に外部か
ら塵、水等の異物が進入することを防止するようにして
ある。これにより、封止部材17や弁シート16が異物によ
って傷付いたり、封止部材17と弁シート16との間に異物
が挟まったりして、封止部材17と弁シート16との密封性
が低下することが防止される。

【００２３】上記負荷機器２の種類は加圧空気を使用す
るものであれば、特に限定されないが、ここでは、マシ
ニングセンター等の機械加工機により加工されるワーク
を支持するワーク支持装置で構成している。このワーク
支持装置は、図３の縦断側面図および図４の平面図に示
すように、ベースプレート21と、これの上に立設された
四角筒状のブロック22とを有し、このブロック22の各外
側面23に油圧式のワーククランプ24を介してワーク25を
支持するようにしている。

【００２４】図４に示すように、上記ベースプレート21
は平面視において４隅が面取りされた正方形に形成さ
れ、ブロック22はこのベースプレート21と同心状に、か
つ、各外側面23がベースプレート21の４辺に平行になる
ように配置されている。上記ワーククランプ４は、図３
および図４においては１つだけ示してあるが、ワーク25
が取り付けられる任意の数の外側面23にワーク25を固定
するに必要な数だけ取り付けられる。

【００２５】このワーククランプ24は、ブロック２の外
側面に固定される基体26と、基体26に支軸27を介してシ
ーソー揺動可能に支持されたクランプ爪28と、基体26に
組み付けられた油圧シリンダ29とを有し、上記基体26は
例えばボルトによってブロック22に固定される。そし
て、この油圧シリンダ29に作動油が供給されるとピスト
ンロッド30が進出して上記クランプ爪28の基端部を外側
に駆動するようにしている。

【００２６】上記ブロック22の中空部31には作動油を貯
留する油タンク32と、この油タンク32から作動油を吸引
して所定の圧力で吐出する油ポンプ33と、この油ポンプ
33から吐出される作動油の上記ワーククランプ24への供
給および上記ワークランプ24から油タンク32への作動油
の排出を制御する方向制御弁34とが配置される。上記油
ポンプ33は、油タンク32の上側中央部に配置され、図５
の空気・油圧回路図に示すように、外部の加圧空気供給
源から供給される加圧空気で駆動され、油タンク32の作
動油をフィルタ35を介して吸引し、所定の圧力に加圧し
て吐出する空気駆動増圧器（ブースターポンプ）で構成
される。なお、この油ポンプ33は吐出口に接続される負
荷回路の内圧が所定値に達すると自動的に停止し、負荷
回路の内圧がその所定値を下回ると自動的に再始動する
ように構成されている。

【００２７】上記方向制御弁34は、１個であってもよい
が、この実施例では、ブロック22の各側面ごとにワーク
クランプ24の動作を制御するために、図４に示すよう
に、上記油タンク32の上側の油ポンプ33の周囲に４個の
方向制御弁34を設けている。各方向制御弁34は、電磁操
作または空気圧操作により２位置切替えされ、図５に示
すように、ワーククランプ24を油ポンプ33の吐出口に連
通させる供給通路36と、ワーククランプ24を戻り油路38
を介して油タンク32に連通させる戻り通路37とを備え、
供給通路36にはワーククランプ24に供給された作動油を
ワーククランプ24内に封入するための逆止弁39を介在さ
せてある。

【００２８】さらに、図３および図４に示すように、上
記油ポンプ33に例えば外部の工場加圧空気配管などの加
圧空気源を安定良く接続するために、上記加圧空気回路
接続装置の受座３が例えば上記ブロック22の一外側面に
螺合される。もっとも、受座３を取り付ける場所は、ブ
ロック22の一外側面に限定されず、ブロック22の上端面
に取り付けてもよく、また、例えばベースプレート21の
一横側面に受座３を取り付けてもよいのである。

【００２９】この受座３は、図１および図２に示すよう
に、ドーナツ板状のプレート40と、このプレート40に挿
通されるとともにこのプレート40の背面に突出する接続
管41と、この接続管41をプレートに固定するナット42
と、上記プレート40の正面に上記接続管41を取り囲むよ
うに固定された円環状の弾性体からなる封止部材43とを
備え、この封止部材43に本体１の弁体５の外端面を気密
状に受け止めるようにしている。

【００３０】上記接続管41は上記ブロック22の一外側面
に螺合され、この接続管41の中空部44が、図３と図５と
に示すように、ワーク支持装置内の加圧空気回路45を介
して油ポンプ33の空気で駆動される往復動発生機関46に
連通される。ワーク支持装置にワーク25を着脱し、ある
いは、ワーク支持装置に支持された加工済みのワーク25
を未加工のワーク25に交換するためのワーク交換ステー
ジにおいては、ワーク支持装置は一定の方向を向いて、
所定の位置にセットされる。

【００３１】また、ワーク交換ステージには、このセッ
トされたワーク支持装置に固定された受座３に弁体１の
外端面が対向するように本体１が受座３に向かって進退
可能に設けられる。この本体１を例えばシリンダによっ
て受座３に向かって進出させると、スリーブ12の外端面
が受座３の封止部材43に気密状に当接され、この後さら
に、本体５のブロック４を受座３側に進出させると、ス
リーブ12が主弁体13の拡径部14を受け止めて主弁体13を
介して閉弁バネ８を圧縮し、主弁体13を弁室10内に押し
込めて弁座６から離れさせる。これにより、加圧空気供
給源が弁室10および異径孔11、接続管41および加圧空気
回路45を介して油ポンプ33の空気で駆動される往復動発
生機関46に連通されることになり、油ポンプ33が始動さ
れる。

【００３２】油圧ポンプ33を始動させると、油タンク32
内の作動油が油ポンプ33に吸引され、油ポンプ33から所
定の圧力で吐出され、その吐出圧が所定値に達すると油
ポンプ33が自動停止する。ここで、方向制御弁34をワー
ククランプ24が油タンク32に接続する位置に切替える
と、ワーククランプ24のシリンダ29が瞬間的に圧抜きさ
れ、手でクランプ爪28を油圧シリンダ29に抗してその先
端がブロック22の外側面23から離れる方向に揺動させ
て、クランプ爪28の先端とブロック22の外側面23との間
を広げ、この間に挟まれている加工済みのワーク25と未
加工のワーク25とを入れ替えることができる。

【００３３】未加工のワーク25をブロック22の所定の位
置に位置させてから、方向制御弁34の位置を切替えて、
ワーククランプ24を油ポンプ33に接続すると、油ポンプ
33から吐出された作動油が瞬間的にワーククランプ24の
シリンダ29に供給され、ピストンロッド40で駆動された
クランプ爪28の先端部がワーク25をブロック22の外側面
23に押しつけて固定する。

【００３４】したがって、ネジを緩めたり、締めたりす
る従来のネジ式のワーククランプに比べると著しく短い
時間、例えばワークの加工ラインのタクトタイムよりも
短い時間でワークを交換できるようになる。その結果、
ワークの交換を加工ライン上で行っても加工ラインのタ
クトタイムを延長する必要がなくなり、また、加工ライ
ンのパレットの数と同数のワーク支持装置を備えればよ
いことになる。これにより、加工ライン外にワーク支持
装置を保管する場所を設ける必要がなくなるともに、ワ
ーク交換作業の作業場の広さを１つのワーク支持装置の
ワーク交換に必要な広さに縮小することができる。

【００３５】また、ワーク交換を加工ライン外で行うと
しても、多数のワーク支持装置のワーク交換を並行して
行う必要がなくなり、１つのワーク支持装置のワーク交
換作業に必要な広さの作業場を設ければよいので、ワー
ク交換の作業スペースを縮小することができるととも
に、ワーク交換の作業用員数を削減できる。その上、油
タンク32、油ポンプ33および方向制御弁34が従来はデッ
ドスペースであったブロック22内の中空部31に配置され
るので、ワーク支持装置の占有スペースを増大させるこ
となくこのデッドスペースを有効に利用することがで
き、省スペース化を図る上で一層有利になる。

【００３６】ワークの着脱あるいは交換が終了した後、
本体１を負荷機器２から引き離すと、先ず、主弁体13が
閉弁バネ８に付勢されて外側に移動し、弁シート16が弁
座６の封止部材17に気密状に受け止められる。これによ
り、異径孔11が封鎖され、加圧空気が異径孔11から周囲
に噴出することが防止される。この後、スリーブ12が弁
室10の内圧によってさらに外側に移動し、弁座６の周縁
部に受け止められることにより、外部から弁シート16と
これに対向する封止部材17の間に異物が進入することが
防止される。

【００３７】つまり、上記本体１を負荷機器２に設けた
受座３に向かって進退させるという極めて簡単な操作
で、急速に加圧空気供給源に負荷機器２を接続したり、
加圧空気供給源を負荷機器２から切離したりすることが
できる。また、本体１の操作が簡単であるため、きわめ
て簡単に例えばシリンダ、ソレノイド等を用いることに
より簡単に本体１の操作を機械化することができる。

【００３８】さらに、受座３と弁体５とは機械的に係合
されないので、断続操作時に受座３や弁体５が機械的な
力によって傷つけられたり、変形したりするおそれがな
く、耐久性が高められる。上記の実施例では、負荷機器
２に受座３を設けているが、この受座３を設ける必要は
なく、弁体５の外端面を気密状に受け止める受け面を負
荷機器２に設け、この受け面内に負荷機器２の加圧空気
供給口を開口させるように構成することができる。この
場合、受け面またはスリーブ12の外端面に受け面とスリ
ーブ12の外端面との間を封止する弾性体からなる封止部
材を設けることが好ましい。

【００３９】また、加圧空気供給回路だけでなく、圧油
を負荷機器２に供給する圧油回路にも本発明の構成をそ
のまま適用することができる。ただし、この場合には加
圧空気の場合と異なり加圧流体である圧油が負荷機器か
ら漏れて周囲に飛散することを防止するために、負荷機
器側が圧油の供給を受ける圧油供給口に、本体を取り外
した時に自動的に圧油供給口を閉じる自封弁を設けるこ
とが好ましい。

【００４０】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る加
圧空気回路接続装置は、一端が開放され、他端が加圧空
気供給源に連通される弁室を有するブロックと、この弁
室に進退可能に挿入されると共に一端部が弁室外に突出
する弁体と、この弁体内に弁体と同心状に形成され、一
端側で拡径される異径孔と、この異径孔の変径部に対向
して配置され、ステムを介して上記ブロックに固定され
た弁座と、上記弁体をその一端側に付勢して異径孔の変
径部を弁座に当接させる閉弁バネとを備える。

【００４１】これにより、本体および弁体を負荷機器の
供給口に押さえ付けるという簡単な操作で、短時間で加
圧流体供給源を負荷機器に急速に接続でき、また、本体
および弁体を負荷機器供給口から引き離すという簡単な
操作で負荷機器を加圧流体供給源から急速に分離でき
る。また、このような単純な動作で加圧流体供給源と負
荷機器との加圧流体回路を断続できるので、その断続操
作を機械化することが容易であり、省力化を図る上で有
利になる。

【００４２】また、本体および弁体と負荷機器あるいは
これに設けた受座とが機械的に係合されないので、接続
操作や解離操作時に本体の弁体や負荷機器の接続部が機
械力で傷つけられたり、変形したりする恐れがなく、耐
久性を高めることができる。本発明において、特に圧力
流体を供給される負荷機器に設けた供給口に固定され、
上記弁体の一端を受け止めて異径孔を供給口に連通させ
るプレートが設けられる場合には、弁体を安定良く負荷
機器に接続することができ、接続の安定性を高められる
ので有利である。

【００４３】また、本発明において、特に上記弁体を弁
室に摺動可能に、かつ、気密状に内嵌されるスリーブ
と、このスリーブ内に摺動可能に、かつ、気密状に内嵌
される主弁体とで構成し、上記スリーブが弁室の内側に
移動する時にスリーブが主弁体を駆動し、閉弁バネによ
って主弁体が弁座に受け止められた後に、スリーブが弁
室の内圧によって弁座の周縁部に押し付けられるように
構成する場合には、スリーブと弁座との当接によって異
物が主弁体と弁座との接触部に進入することを防止で
き、これにより、主弁体と弁座との接触部が異物で傷付
けられたり、主弁体と弁座との間に異物か挟まったりし
て、主弁体と弁座との密封性が低下することを防止でき
るので有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】接続時の本発明の一実施例の断面図である。

【図２】分離時の本発明の一実施例の断面図である。

【図３】本発明の一実施例が適用される負荷機器の縦断
側面図である。

【図４】本発明の一実施例が適用される負荷機器の平面
図である。

【図５】本発明の一実施例が適用される負荷機器の空気
・油圧回路図である。

【図６】一般的なワーク加工ラインの平面図である。

【図７】本発明に先立って発明された負荷機器の縦断側
面図である。

【符号の説明】

１…ブロック ２…負荷機器 ５…弁体 ６…弁座 ７…ステム ８…閉弁バネ 10…弁室 11…異径孔 12…スリーブ 13…主弁体 16…弁シート 40…プレート 47…空気圧切換弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースプレートとこれの上に立設された
   筒状のブロックとを有し、このブロックの外側面にワー
   クを支持するワーククランプを油圧式のワーククランプ
   で構成すると共に、上記ブロックの中空部に作動油を貯
   留する油タンクと、この油タンクから作動油を吸引して
   所定の圧力で吐出する油ポンプと、この油ポンプから吐
   出される作動油の上記ワーククランプへの供給および上
   記ワーククランプから油タンクへの作動油の排出を制御
   する方向制御弁とを配置したワーク支持装置において、
   一端が開放され、他端が圧力流体供給源に連通される弁
   室を有するブロックと、この弁室に進退可能に挿入され
   ると共に一端部が弁室外に突出する弁体と、この弁体内
   に弁体と同心状に形成され、一端側で拡径される異径孔
   と、この異径孔の変径部に対向して配置され、ステムを
   介して上記ブロックに固定された弁座と、上記弁体をそ
   の一端側に付勢して異径孔の変径部を弁座に当接させる
   閉弁バネとを備え、上記弁体を弁室に摺動可能に、か
   つ、気密状に内嵌されるスリーブと、このスリーブ内に
   摺動可能に、かつ、気密状に内嵌される主弁体とで構成
   し、上記スリーブが弁室の内側に移動する時にスリーブ
   が主弁体を駆動し、閉弁バネによって主弁体が弁座に受
   け止められた後に、スリーブが弁室の内圧によって弁座
   の周縁部に押し付けられ、圧力流体を供給される負荷機
   器に設けた供給口に固定され、上記弁体の一端を受け止
   めて異径孔を供給口に連通させるプレートを設けた圧力
   流体回路接続装置を備えることを特徴とするワーク支持
   装置。