JPH07328742A - 精密鋳造用鋳型 - Google Patents
精密鋳造用鋳型Info
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- JPH07328742A JPH07328742A JP14544194A JP14544194A JPH07328742A JP H07328742 A JPH07328742 A JP H07328742A JP 14544194 A JP14544194 A JP 14544194A JP 14544194 A JP14544194 A JP 14544194A JP H07328742 A JPH07328742 A JP H07328742A
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- Japan
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- mold
- refractory
- binder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 精密鋳造法に用いられる鋳型において、鋳型
の層数を減らして通気性および崩壊性を改善した鋳型を
提供する。 【構成】 珪素−酸素結合を有する化合物をバインダと
した耐火物粒子からなるスラリより形成される内部保型
層と、該内部保型層上に耐火物粒子を付着した内部耐火
物付着層とが少なくとも1層づつ積層されてなる第1層
群と、該第1層群の上に、アルカリフェノール樹脂をバ
インダとした耐火物粒子からなるスラリより形成される
外部保型層が少なくとも1層以上形成されていることを
特徴とする精密鋳造用鋳型。
の層数を減らして通気性および崩壊性を改善した鋳型を
提供する。 【構成】 珪素−酸素結合を有する化合物をバインダと
した耐火物粒子からなるスラリより形成される内部保型
層と、該内部保型層上に耐火物粒子を付着した内部耐火
物付着層とが少なくとも1層づつ積層されてなる第1層
群と、該第1層群の上に、アルカリフェノール樹脂をバ
インダとした耐火物粒子からなるスラリより形成される
外部保型層が少なくとも1層以上形成されていることを
特徴とする精密鋳造用鋳型。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密鋳造法に適し、崩
壊性も良好な鋳型に関する。
壊性も良好な鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】ロストワックス精密鋳造法に用いる鋳型
を得るには、まずワックス模型を耐火物スラリで被覆し
た後、耐火物粒子を耐火物スラリの上に付着させて被覆
し、乾燥させた後、さらに上述した工程を数回繰り返し
所定の厚さに造型する。この繰り返される回数は、通常
6〜9回、場合によっては十数回におよぶこともある。
次に、十分に乾燥させた後、ワックス模型部分を一般的
にはオートクレーブ中にて溶出させ鋳型とする。
を得るには、まずワックス模型を耐火物スラリで被覆し
た後、耐火物粒子を耐火物スラリの上に付着させて被覆
し、乾燥させた後、さらに上述した工程を数回繰り返し
所定の厚さに造型する。この繰り返される回数は、通常
6〜9回、場合によっては十数回におよぶこともある。
次に、十分に乾燥させた後、ワックス模型部分を一般的
にはオートクレーブ中にて溶出させ鋳型とする。
【0003】上述した鋳型は、鋳型に付着した残留ワッ
クスの焼失、残留水分の除去、鋳型強度の発現等のため
に焼成され、通常湯回り不良を防止するため、そのまま
高温の状態で鋳造が行われる。また場合によっては一度
焼成した後、冷却し鋳型内を清浄にするために水洗した
後、所定の温度に再加熱し鋳造を行うこともある。この
ロストワックス精密鋳造法には、一般に水性シリカゾ
ル、またはエチルシリケート等の珪素−酸素結合を有す
る化合物をバインダとして用い、各種の耐火物粒子を混
合してなる耐火物スラリが用いられている。この耐火物
粒子の種類としては、一般的にはジルコン、溶融シリ
カ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、
ジルコニア、イットリア等が利用でき、鋳造する金属の
種類等により使い分けられている。
クスの焼失、残留水分の除去、鋳型強度の発現等のため
に焼成され、通常湯回り不良を防止するため、そのまま
高温の状態で鋳造が行われる。また場合によっては一度
焼成した後、冷却し鋳型内を清浄にするために水洗した
後、所定の温度に再加熱し鋳造を行うこともある。この
ロストワックス精密鋳造法には、一般に水性シリカゾ
ル、またはエチルシリケート等の珪素−酸素結合を有す
る化合物をバインダとして用い、各種の耐火物粒子を混
合してなる耐火物スラリが用いられている。この耐火物
粒子の種類としては、一般的にはジルコン、溶融シリ
カ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、
ジルコニア、イットリア等が利用でき、鋳造する金属の
種類等により使い分けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロストワックス精密鋳
造法に用いる鋳型に要求される特性としては、一般に強
度、通気性、耐熱性、および鋳造される金属に対する非
反応性が重要とされる。特に鋳型に要求される強度とし
ては、鋳型造型時のハンドリングによる負荷に対する生
型強度、オートクレーブ等による加熱脱ワックス時のワ
ックス模型の熱膨張に対する脱ワックス強度、鋳造にお
ける鋳型の高温強度、鋳造後の鋳型除去に関する崩壊性
の指標となる焼成残留強度がある。前者の3つの強度は
高ければ高いほどいいのに対し、後者の焼成残留強度と
いうのは低い方が望ましいという相反する強度特性が要
求される。
造法に用いる鋳型に要求される特性としては、一般に強
度、通気性、耐熱性、および鋳造される金属に対する非
反応性が重要とされる。特に鋳型に要求される強度とし
ては、鋳型造型時のハンドリングによる負荷に対する生
型強度、オートクレーブ等による加熱脱ワックス時のワ
ックス模型の熱膨張に対する脱ワックス強度、鋳造にお
ける鋳型の高温強度、鋳造後の鋳型除去に関する崩壊性
の指標となる焼成残留強度がある。前者の3つの強度は
高ければ高いほどいいのに対し、後者の焼成残留強度と
いうのは低い方が望ましいという相反する強度特性が要
求される。
【0005】バインダとして水性シリカゾルを使用する
場合、上述した鋳型の特性に対してバランスがよく、一
般に広く使用されてきている。しかし、1層当たりの強
度があまり高くないため、鋳型造型から鋳造までの作業
に耐え得る鋳型にするには通常6〜8層、場合によって
はそれ以上の層にしなければならず、多大な時間と労力
を必要としている。しかも、鋳型の層数が多いため鋳型
が厚くなり、通気性や鋳造後の崩壊性が十分ではないと
いう問題があった。このため特開昭61−289944
号公報では、バインダとして水性シリカゲルにポリビニ
ルアルコール等の有機系バインダを添加することによ
り、生型強度を上げ、さらに焼成することにより有機分
が焼失し、鋳型をポーラスにして通気性および崩壊性の
改善を図っており、その他ラテックスを添加することも
しばしば行われている。しかし、これらのように有機系
バインダとしては一般には熱可塑性の樹脂が使用される
ため、脱ワックス時には加熱により有機系バインダ分が
軟化してしまい、脱ワックス強度が低下して鋳型にクラ
ックが生じやすくなるという問題があった。
場合、上述した鋳型の特性に対してバランスがよく、一
般に広く使用されてきている。しかし、1層当たりの強
度があまり高くないため、鋳型造型から鋳造までの作業
に耐え得る鋳型にするには通常6〜8層、場合によって
はそれ以上の層にしなければならず、多大な時間と労力
を必要としている。しかも、鋳型の層数が多いため鋳型
が厚くなり、通気性や鋳造後の崩壊性が十分ではないと
いう問題があった。このため特開昭61−289944
号公報では、バインダとして水性シリカゲルにポリビニ
ルアルコール等の有機系バインダを添加することによ
り、生型強度を上げ、さらに焼成することにより有機分
が焼失し、鋳型をポーラスにして通気性および崩壊性の
改善を図っており、その他ラテックスを添加することも
しばしば行われている。しかし、これらのように有機系
バインダとしては一般には熱可塑性の樹脂が使用される
ため、脱ワックス時には加熱により有機系バインダ分が
軟化してしまい、脱ワックス強度が低下して鋳型にクラ
ックが生じやすくなるという問題があった。
【0006】エチルシリケートをバインダとして用いる
場合は、鋳造後の崩壊性は比較的良好であるが、強度が
弱いため鋳型の層数が多くなり、水性シリカゾルの場合
と同様な問題があった。上述したように、従来のバイン
ダに耐火物粒子を混合して耐火物スラリとした場合、鋳
型の強度を高くするには鋳型の層数を増やすしかなく、
多大な時間と労力を伴うことは避けられなかった。そこ
で特開平4−371341号公報では、水性シリカゾル
に耐火物粒子だけでなく、粒径の大きい耐火物粒子も混
合し耐火物スラリとし、鋳型を緻密にして強度の向上を
図るとともに、1層の厚みを厚くして層数を減らすこと
が試みられている。しかし、この場合鋳型が緻密になる
ため、鋳型の通気性が悪くなるうえ、崩壊性も悪くな
り、鋳造後の鋳型除去に多大な工数が掛かるという問題
がある。本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、精密
鋳造法に適し、鋳造後の崩壊性にも優れた鋳型を提供す
ることである。
場合は、鋳造後の崩壊性は比較的良好であるが、強度が
弱いため鋳型の層数が多くなり、水性シリカゾルの場合
と同様な問題があった。上述したように、従来のバイン
ダに耐火物粒子を混合して耐火物スラリとした場合、鋳
型の強度を高くするには鋳型の層数を増やすしかなく、
多大な時間と労力を伴うことは避けられなかった。そこ
で特開平4−371341号公報では、水性シリカゾル
に耐火物粒子だけでなく、粒径の大きい耐火物粒子も混
合し耐火物スラリとし、鋳型を緻密にして強度の向上を
図るとともに、1層の厚みを厚くして層数を減らすこと
が試みられている。しかし、この場合鋳型が緻密になる
ため、鋳型の通気性が悪くなるうえ、崩壊性も悪くな
り、鋳造後の鋳型除去に多大な工数が掛かるという問題
がある。本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、精密
鋳造法に適し、鋳造後の崩壊性にも優れた鋳型を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、珪素−酸素結
合を有する化合物をバインダとした耐火物粒子からなる
耐火物スラリより形成される内部保型層と、該内部保型
層上に耐火物粒子を付着した内部耐火物付着層とが少な
くとも1層づつ積層されてなる第1層群と、該第1層群
の上に、アルカリフェノール樹脂をバインダとした耐火
物粒子のスラリより形成される外部保型層が少なくとも
1層以上形成されていることを特徴とする精密鋳造用鋳
型である。また、好ましくは第1層群の上に、アルカリ
フェノール樹脂をバインダとした耐火物粒子のスラリよ
り形成される外部保型層と、該外部保型層上に耐火物粒
子を付着した外部耐火物層とが少なくとも1層づつ積層
されてなる第2層群を形成する。
合を有する化合物をバインダとした耐火物粒子からなる
耐火物スラリより形成される内部保型層と、該内部保型
層上に耐火物粒子を付着した内部耐火物付着層とが少な
くとも1層づつ積層されてなる第1層群と、該第1層群
の上に、アルカリフェノール樹脂をバインダとした耐火
物粒子のスラリより形成される外部保型層が少なくとも
1層以上形成されていることを特徴とする精密鋳造用鋳
型である。また、好ましくは第1層群の上に、アルカリ
フェノール樹脂をバインダとした耐火物粒子のスラリよ
り形成される外部保型層と、該外部保型層上に耐火物粒
子を付着した外部耐火物層とが少なくとも1層づつ積層
されてなる第2層群を形成する。
【0008】
【作用】本発明の最大の特徴は、鋳型の内側となる部分
には低粘度で充填性が良い珪素−酸素結合を有するバイ
ンダを用いた耐火物スラリを適用し、さらに鋳型の外側
となる部分には、強度が高く、崩壊性に優れた耐火物層
が得られるアルカリフェノール樹脂をバインダとした耐
火物のスラリを適用したことにある。以下詳しく説明す
る。
には低粘度で充填性が良い珪素−酸素結合を有するバイ
ンダを用いた耐火物スラリを適用し、さらに鋳型の外側
となる部分には、強度が高く、崩壊性に優れた耐火物層
が得られるアルカリフェノール樹脂をバインダとした耐
火物のスラリを適用したことにある。以下詳しく説明す
る。
【0009】本発明において鋳型を構成する層のうち内
側となる第1層群は溶融金属と直接接触し、製品形状を
精密に転写する必要がある。そのため珪素−酸素結合を
有する化合物をバインダとして選択する。これによって
比較的に低粘度で充填性がよい耐火物スラリとなり、平
滑な鋳肌を得ることができる。また、穴部等を有する製
品形状のものにおいては、充填性の優れた内部耐火物付
着層を2〜3層繰り返すことにより健全な鋳型を得るこ
とができる。本発明の鋳型を構成する層のうち第1層群
の外側となる部分には、アルカリフェノール樹脂をバイ
ンダとして、第1層群のバインダより高粘度で流動性が
低く、1回で厚い層が得られる耐火物スラリを使用す
る。本発明のバインダとして使用するアルカリフェノー
ル樹脂は、硬化剤としてたとえばトリアセチン等の有機
エステルを作用させると短時間で硬化し非常に高強度に
なるうえ、熱硬化性を有するため脱ワックス強度も従来
の水性シリカゾルに有機系のバインダを添加する場合と
異なり低下することはない。
側となる第1層群は溶融金属と直接接触し、製品形状を
精密に転写する必要がある。そのため珪素−酸素結合を
有する化合物をバインダとして選択する。これによって
比較的に低粘度で充填性がよい耐火物スラリとなり、平
滑な鋳肌を得ることができる。また、穴部等を有する製
品形状のものにおいては、充填性の優れた内部耐火物付
着層を2〜3層繰り返すことにより健全な鋳型を得るこ
とができる。本発明の鋳型を構成する層のうち第1層群
の外側となる部分には、アルカリフェノール樹脂をバイ
ンダとして、第1層群のバインダより高粘度で流動性が
低く、1回で厚い層が得られる耐火物スラリを使用す
る。本発明のバインダとして使用するアルカリフェノー
ル樹脂は、硬化剤としてたとえばトリアセチン等の有機
エステルを作用させると短時間で硬化し非常に高強度に
なるうえ、熱硬化性を有するため脱ワックス強度も従来
の水性シリカゾルに有機系のバインダを添加する場合と
異なり低下することはない。
【0010】また鋳型を焼成するとアルカリフェノール
樹脂に含まれるアルカリ金属により耐火物粒子の焼結が
促進されるため鋳造時の高温強度が増加し、鋳型の層数
を減らすことができる。さらに鋳型に含有されているフ
ェノール樹脂が焼成することにより焼失するため、鋳型
内に気孔が生じ、また強度が高いため鋳型の厚みが薄く
でき、鋳型の通気性は大幅に改善できる。しかも、鋳造
後鋳型を冷却すると、耐火物粒子がアルカリ金属を介し
て直接結合しているため、冷却時の耐火物粒子と鋳造し
た金属との熱膨張率の違いによる引張応力がそのまま作
用し、鋳型に微細なクラックが生じやすく、鋳造後の崩
壊性が良好となる。これは、従来の水性シリカゾル等を
バインダに使用する場合、微小なシリカ粒子が耐火物粒
子を繋いでいるため、冷却時の耐火物粒子と鋳造した金
属との熱膨張率の違いによる引張応力に対する緩衝材の
働きをし、鋳型の微細なクラックが発生せず、崩壊性が
悪いという問題を解決できるものとなる。
樹脂に含まれるアルカリ金属により耐火物粒子の焼結が
促進されるため鋳造時の高温強度が増加し、鋳型の層数
を減らすことができる。さらに鋳型に含有されているフ
ェノール樹脂が焼成することにより焼失するため、鋳型
内に気孔が生じ、また強度が高いため鋳型の厚みが薄く
でき、鋳型の通気性は大幅に改善できる。しかも、鋳造
後鋳型を冷却すると、耐火物粒子がアルカリ金属を介し
て直接結合しているため、冷却時の耐火物粒子と鋳造し
た金属との熱膨張率の違いによる引張応力がそのまま作
用し、鋳型に微細なクラックが生じやすく、鋳造後の崩
壊性が良好となる。これは、従来の水性シリカゾル等を
バインダに使用する場合、微小なシリカ粒子が耐火物粒
子を繋いでいるため、冷却時の耐火物粒子と鋳造した金
属との熱膨張率の違いによる引張応力に対する緩衝材の
働きをし、鋳型の微細なクラックが発生せず、崩壊性が
悪いという問題を解決できるものとなる。
【0011】本発明の鋳型においては、粘度が低く流動
性の良い耐火物スラリを使用して内部保型層を形成させ
るため、耐火物スラリが固化して内部保型層が形成され
るまでに耐火物スラリが流れてしまうが、ワックス模型
を耐火物スラリで被覆した後、速やかに耐火物粒子を付
着させ固着させるこにより防止できる。しかし、粘度が
高く、流動性の悪い耐火物スラリを使用して形成される
外部保型層は、耐火物スラリが流れにくく、そのままで
健全な外部保型層が得られるが、外部保型層用の耐火物
スラリで被覆した後、耐火物粒子を付着させることによ
り、より健全な外部保型層が得られる。なお、本発明の
鋳型に使用する耐火物粒子としては、ジルコン、溶融シ
リカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウ
ム、ジルコニア、イットリア等の精密鋳造法で一般に使
用されている耐火物を使用することができるが、鋳造さ
れる金属の種類により選定することが好ましい。また、
2種以上の耐火物粒子を組み合わせて使用するほうが鋳
造後の冷却時に耐火物と鋳造した金属との熱膨張率の違
いにより鋳型に微細なクラックが生じやすいため、鋳型
の崩壊に有効である。
性の良い耐火物スラリを使用して内部保型層を形成させ
るため、耐火物スラリが固化して内部保型層が形成され
るまでに耐火物スラリが流れてしまうが、ワックス模型
を耐火物スラリで被覆した後、速やかに耐火物粒子を付
着させ固着させるこにより防止できる。しかし、粘度が
高く、流動性の悪い耐火物スラリを使用して形成される
外部保型層は、耐火物スラリが流れにくく、そのままで
健全な外部保型層が得られるが、外部保型層用の耐火物
スラリで被覆した後、耐火物粒子を付着させることによ
り、より健全な外部保型層が得られる。なお、本発明の
鋳型に使用する耐火物粒子としては、ジルコン、溶融シ
リカ、アルミナ、アルミノシリケート、炭酸カルシウ
ム、ジルコニア、イットリア等の精密鋳造法で一般に使
用されている耐火物を使用することができるが、鋳造さ
れる金属の種類により選定することが好ましい。また、
2種以上の耐火物粒子を組み合わせて使用するほうが鋳
造後の冷却時に耐火物と鋳造した金属との熱膨張率の違
いにより鋳型に微細なクラックが生じやすいため、鋳型
の崩壊に有効である。
【0012】
【実施例】以下、実施例と図面を用いて本発明を詳しく
説明する。 (実施例1)バインダとして水性シリカゾル(シリカ濃
度30wt%)1kgと、ジルコン粉末(350メッシ
ュアンダ)3kgを混合して製作した内部保型層用耐火
物スラリでワックス模型を被覆した後、アルミノシリケ
ート粒(32〜60メッシュ)を付着させ、乾燥し内部
耐火物付着層を形成させた後、上述した作業を2回繰り
返し、内部耐火物付着層が3層からなる第1層群を得
た。次に前記第1層群の上に、バインダとしてアルカリ
フェノール樹脂3kgと、ジルコン粉末(200メッシ
ュアンダ)2kgおよび溶融シリカ粉末(200メッシ
ュアンダ)2kgと、アルミノシリケート粒(14〜4
8メッシュ)4kgを混合して製作した外部保型層用耐
火物スラリを被覆させ、その上にアルミノシリケート粒
(14〜32メッシュ)を付着させ、硬化剤を噴霧し硬
化させた後乾燥させ、外部耐火物付着層が1層からなる
第2層群を得た。
説明する。 (実施例1)バインダとして水性シリカゾル(シリカ濃
度30wt%)1kgと、ジルコン粉末(350メッシ
ュアンダ)3kgを混合して製作した内部保型層用耐火
物スラリでワックス模型を被覆した後、アルミノシリケ
ート粒(32〜60メッシュ)を付着させ、乾燥し内部
耐火物付着層を形成させた後、上述した作業を2回繰り
返し、内部耐火物付着層が3層からなる第1層群を得
た。次に前記第1層群の上に、バインダとしてアルカリ
フェノール樹脂3kgと、ジルコン粉末(200メッシ
ュアンダ)2kgおよび溶融シリカ粉末(200メッシ
ュアンダ)2kgと、アルミノシリケート粒(14〜4
8メッシュ)4kgを混合して製作した外部保型層用耐
火物スラリを被覆させ、その上にアルミノシリケート粒
(14〜32メッシュ)を付着させ、硬化剤を噴霧し硬
化させた後乾燥させ、外部耐火物付着層が1層からなる
第2層群を得た。
【0013】その後、オートクレーブで脱ワックスを行
い図1に示す層構成を有する本発明の鋳型を得た。鋳型
の厚みは4層で4.2mmであった。この鋳型を100
0℃で1hr焼成した後、そのままSUS304材の鋳
造を行った。鋳造後鋳型は、ノックアウトマシンにかけ
たところ容易に崩壊し、また得られた鋳造品は健全なも
のであった。
い図1に示す層構成を有する本発明の鋳型を得た。鋳型
の厚みは4層で4.2mmであった。この鋳型を100
0℃で1hr焼成した後、そのままSUS304材の鋳
造を行った。鋳造後鋳型は、ノックアウトマシンにかけ
たところ容易に崩壊し、また得られた鋳造品は健全なも
のであった。
【0014】(実施例2)実施例1と同様にして得た第
1層群の上に、実施例1で使用した外部保型層用耐火ス
ラリを被覆させた後、硬化剤を噴霧し硬化させた後乾燥
させ、外部保型層が1層からなる第2層群を得た。その
後、オートクレーブで脱ワックスを行い図2に示す層構
成を有する本発明の鋳型を得た。鋳型の厚みは4層で
3.9mmであった。この鋳型を1000℃で1hr焼
成した後、そのままSUS304材の鋳造を行った。鋳
造後鋳型は、ノックアウトマシンにかけたところ容易に
崩壊し、また得られた鋳造品は健全なものであった。
1層群の上に、実施例1で使用した外部保型層用耐火ス
ラリを被覆させた後、硬化剤を噴霧し硬化させた後乾燥
させ、外部保型層が1層からなる第2層群を得た。その
後、オートクレーブで脱ワックスを行い図2に示す層構
成を有する本発明の鋳型を得た。鋳型の厚みは4層で
3.9mmであった。この鋳型を1000℃で1hr焼
成した後、そのままSUS304材の鋳造を行った。鋳
造後鋳型は、ノックアウトマシンにかけたところ容易に
崩壊し、また得られた鋳造品は健全なものであった。
【0015】(実施例3)次に実施例1で使用した内部
保型層用耐火物スラリでワックス模型を被覆した後、ジ
ルコン粒(80〜150メッシュ)を付着させ、乾燥
し、内部耐火物付着層が1層からなる第1層群を得た。
この前記第1層群の上に、バインダとしてアルカリフェ
ノール樹脂3kgと、アルミノシリケート粉末(200
メッシュアンダ)4kgと、アルミナ粒(14〜60メ
ッシュ)3.5kgを混合して製作した外部保型層用耐
火物スラリを被覆させ、その上にアルミノシリケート粒
(14〜32メッシュ)を付着させた後、硬化剤の中に
浸漬し、硬化させ、乾燥させ外部耐火物付着層を得た。
さらに前記外部耐火物付着層製作作業を繰り返して、外
部耐火物付着層が2層からなる第2層群を得た。その
後、オートクレーブで脱ワックスを行い本発明の鋳型を
得た。
保型層用耐火物スラリでワックス模型を被覆した後、ジ
ルコン粒(80〜150メッシュ)を付着させ、乾燥
し、内部耐火物付着層が1層からなる第1層群を得た。
この前記第1層群の上に、バインダとしてアルカリフェ
ノール樹脂3kgと、アルミノシリケート粉末(200
メッシュアンダ)4kgと、アルミナ粒(14〜60メ
ッシュ)3.5kgを混合して製作した外部保型層用耐
火物スラリを被覆させ、その上にアルミノシリケート粒
(14〜32メッシュ)を付着させた後、硬化剤の中に
浸漬し、硬化させ、乾燥させ外部耐火物付着層を得た。
さらに前記外部耐火物付着層製作作業を繰り返して、外
部耐火物付着層が2層からなる第2層群を得た。その
後、オートクレーブで脱ワックスを行い本発明の鋳型を
得た。
【0016】この鋳型は、割れ等なく健全なものが得ら
れた。ちなみに鋳型の厚みは3層で4.5mmであっ
た。この鋳型を1000℃で1hr焼成した後、そのま
まS45C材の鋳造を行った。鋳造後鋳型は、ノックア
ウトマシンにかけたところ容易に崩壊し、また得られた
鋳造品は健全なものであった。
れた。ちなみに鋳型の厚みは3層で4.5mmであっ
た。この鋳型を1000℃で1hr焼成した後、そのま
まS45C材の鋳造を行った。鋳造後鋳型は、ノックア
ウトマシンにかけたところ容易に崩壊し、また得られた
鋳造品は健全なものであった。
【0017】(比較例)比較として実施例1で鋳造した
製品と同じものを通常のロストワックス精密鋳造法で製
作した鋳型で鋳造を行った。この鋳型の厚みは6層で
4.7mmであり、通気性は本発明の実施例1の鋳型と
比較して50%悪くなった。この鋳型は脱ワックスにお
ける割れはなかった。また、鋳造後鋳型は、ノックアウ
トマシンにかけたところ完全に崩壊せず、アルカリ処理
が必要であった。
製品と同じものを通常のロストワックス精密鋳造法で製
作した鋳型で鋳造を行った。この鋳型の厚みは6層で
4.7mmであり、通気性は本発明の実施例1の鋳型と
比較して50%悪くなった。この鋳型は脱ワックスにお
ける割れはなかった。また、鋳造後鋳型は、ノックアウ
トマシンにかけたところ完全に崩壊せず、アルカリ処理
が必要であった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、精密鋳造に好適な平滑
な鋳肌を得ることができるとともに、鋳込み時の強度の
高い鋳型が得られるので鋳型の層数を減らすことがで
き、鋳型造型時間を短縮することができる。また、崩壊
性も良いため鋳造後の鋳型除去も簡単にできる。
な鋳肌を得ることができるとともに、鋳込み時の強度の
高い鋳型が得られるので鋳型の層数を減らすことがで
き、鋳型造型時間を短縮することができる。また、崩壊
性も良いため鋳造後の鋳型除去も簡単にできる。
【図1】本発明の外部耐火物層が外部保型層の上に耐火
物粒子が付着されてなる鋳型の一実施例を示す断面図で
ある。
物粒子が付着されてなる鋳型の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の外部耐火物層が外部保型層のみからな
る鋳型の一実施例を示す断面図である。
る鋳型の一実施例を示す断面図である。
1 ワックス模型 2 第1層群 3 第2層群 4 内部保型層 5 外部保型層 6 耐火物粒子
Claims (2)
- 【請求項1】 珪素−酸素結合を有する化合物をバイン
ダとした耐火物粒子からなるスラリより形成される内部
保型層と、該内部保型層上に耐火物粒子を付着した内部
耐火物付着層とが少なくとも1層づつ積層されてなる第
1層群と、該第1層群の上に、アルカリフェノール樹脂
をバインダとした耐火物粒子からなるスラリより形成さ
れる外部保型層が少なくとも1層以上形成されているこ
とを特徴とする精密鋳造用鋳型。 - 【請求項2】 珪素−酸素結合を有する化合物をバイン
ダとした耐火物粒子からなるスラリより形成される内部
保型層と、該内部保型層上に耐火物粒子を付着した内部
耐火物付着層とが少なくとも1層づつ積層されてなる第
1層群と、該第1層群の上に、アルカリフェノール樹脂
をバインダとした耐火物粒子からなるスラリより形成さ
れる外部保型層と、該外部保型層上に耐火物粒子を付着
した外部耐火物層とが少なくとも1層づつ積層されてな
る第2層群が形成されていることを特徴とする精密鋳造
用鋳型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14544194A JPH07328742A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 精密鋳造用鋳型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14544194A JPH07328742A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 精密鋳造用鋳型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07328742A true JPH07328742A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15385318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14544194A Pending JPH07328742A (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 精密鋳造用鋳型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07328742A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007021578A (ja) * | 2005-06-16 | 2007-02-01 | Kao Corp | 鋳物製造用構造体 |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP14544194A patent/JPH07328742A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007021578A (ja) * | 2005-06-16 | 2007-02-01 | Kao Corp | 鋳物製造用構造体 |
JP4672522B2 (ja) * | 2005-06-16 | 2011-04-20 | 花王株式会社 | 鋳物製造用構造体 |
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