JPH07324991A - 熱電特性測定装置 - Google Patents

熱電特性測定装置

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JPH07324991A
JPH07324991A JP12152894A JP12152894A JPH07324991A JP H07324991 A JPH07324991 A JP H07324991A JP 12152894 A JP12152894 A JP 12152894A JP 12152894 A JP12152894 A JP 12152894A JP H07324991 A JPH07324991 A JP H07324991A
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JP12152894A
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Hiroshi Yamauchi
洋 山内
Yasuo Ochi
康雄 越智
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Ohara Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一の測定装置でもって、低温から高温まで
の広い温度範囲で、ゼーベック効果に関係する熱起電
力、ペルチェ係数に関係する熱発生(或は、熱吸収)に
よる試料端面の温度変化、熱伝導率及び電気伝導度を精
密に測定することのできる熱電特性測定装置を提供す
る。 【構成】 真空状態に保持可能な気密容器10内に、試
料200の一端を1000℃以上の高温まで加熱可能な
第1の熱源20と、試料200の他端を液体窒素温度以
下の低温から700℃以上の高温まで加熱・冷却可能な
第2の熱源25とが設けられている。また、気密容器1
0外に、第1の熱源20の作動制御を行う第1の温度コ
ントローラCTR1 、第2の熱源25の作動制御を行う
第2の温度コントローラCTR2 、試料200の両端間
に電位差を付与する外部電源Eが設けられている。さら
に、試料200の両端の温度を測定する温度測定手段と
して、3対の熱電対TC1 ,TC2 ,TC3 を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍素子や熱エネルギ
ー変換素子などに使用される熱電変換材料の、熱と電気
の変換効率の指標となる熱電特性を測定する際に用いら
れる熱電特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱電特性の一つであり、ゼーベッ
ク効果に関係する熱起電力を測定する方法として、図1
1に示すように、炉内温度分布が既知である通常の電気
炉1内の適度な温度勾配を有する部分(例えば、試料2
の両端の温度差が10℃程度の部分)に試料2を設置し
てヒーター3で加熱し、シース管4を介して電気炉1内
に挿入された熱電対5A,5Bでもって試料2の両端の
温度を測定しながら、試料2の両端間に発生する起電力
の測定を行う方法が公知である(西山伸、1991年、
東京工業大学博士論文)。この方法は、室温よりも高い
温度における熱電特性を測定する際に採用されている。
【0003】また、別の熱電特性を測定する方法とし
て、図12に示すように、両端をシリコーンゴム製の密
閉栓6A,6Bで封じてなる密閉容器7内に試料2を設
置し、容器7の外部に設置したヒーター9で容器7を介
して試料2を加熱するとともに、容器7内に連通するパ
イプ8A,8Bを介して空気を導入することにより試料
2の片端のみを冷却することで試料2の両端に温度差を
つけ、試料2の両端に取り付けた熱電対5A,5Bでも
ってその両端の温度を測定しながら、試料2の両端間に
発生する起電力の測定を行う方法が公知である(河本邦
仁ら、1989年文部省科研費報告書)。この方法も、
室温より高い温度における熱電特性を測定する方法であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た何れの方法も、単一の測定系でもって、例えば液体窒
素温度(略−196℃)程度の低温域から700℃以上
の高温域まで、熱電特性を精密に測定することは極めて
困難であるという問題点があった。
【0005】その原因として、電気炉1を用いる方法で
は、低温側の測定が不可能であるということだけでな
く、外的要因などにより電気炉1内の温度分布にゆらぎ
が生じ、温度勾配の再現性に乏しいことや、所望の温度
勾配の部分に試料2を正確に位置させ難いことや、炉内
の空気などの対流による熱伝導の影響などが挙げられ
る。
【0006】一方、空気で試料2の片端を冷却する方法
は、室温よりも低温域での測定ができないだけでなく、
試料2の両端、特に空冷している端部の温度の制御が難
しく、高精度の測定は難しい。
【0007】また、上述した何れの方法においても、使
用する装置の構造上の問題などにより、熱起電力、ペル
チェ係数に関係する熱発生(或は、熱吸収)による試料
2の端面の温度変化、熱伝導率及び電気伝導度のすべて
を、連続的に温度を変化させて測定することは勿論、断
続的に種々の温度でもって再現性良く、精密に測定する
ことができないという問題点もあった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、単一の装置でもって、低温
から高温までの広い温度範囲で、ゼーベック効果に関係
する熱起電力、ペルチェ係数に関係する熱発生(或は、
熱吸収)による試料端面の温度変化、熱伝導率及び電気
伝導度を精密に測定することのできる熱電特性測定装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る熱電特性測定装置は、請求項1に記載
の発明のように、試料を挟む一対の電極部材を有し、少
なくとも、前記試料の両端間に温度差を設け、前記一対
の電極部材を介して前記試料の両端間に発生する起電力
を測定可能な起電力測定手段と、前記一対の電極部材を
介して前記試料の両端間に電位差を付与し、試料面に発
生するペルチェ熱を該試料面の温度変化量として測定可
能な温度変化量測定手段と、前記一対の電極部材を介し
て前記試料の電気伝導度を測定可能な電気伝導度測定手
段とを有する熱電特性測定装置であって、発熱体による
加熱、または発熱体による加熱及び冷媒による冷却の組
合わせにより、前記試料の一端を、少なくとも室温〜略
700℃を含む温度範囲内の任意の温度に加熱、または
加熱・冷却可能で、且つ取り外し可能な第1の熱源と、
発熱体による加熱及び冷媒による冷却の組合わせによ
り、前記試料の他端を、少なくとも略液体窒素温度〜略
700℃を含む温度範囲内の任意の温度に加熱・冷却可
能な第2の熱源と、前記第1の熱源の作動を制御する第
1の温度コントローラと、前記第2の熱源の作動を制御
する第2の温度コントローラとを備え、前記起電力測定
手段は、前記一対の電極部材にそれぞれ電気的に接続さ
れて前記試料の両端間に発生する電位差を取り出し可能
な一対の電極線を有し、前記温度変化量測定手段は、前
記一対の電極部材を介して前記試料の両端の温度をそれ
ぞれ測定可能な温度測定手段、及び前記一対の電極部材
を介して前記試料の両端間に電位差を付与可能な電位差
付与手段を有し、前記電気伝導度測定手段は、前記試料
に電流を流した時に同試料の任意の二点間に発生する電
位差を取り出し可能な一対の電極線を有することを特徴
とする。
【0010】この発明において、請求項2に記載の発明
のように、前記試料の一端を加熱または冷却し、任意の
時間の経過後における前記試料の他端の温度変化量を測
定することにより前記試料の熱伝導率を測定可能な熱伝
導率測定手段を有し、該熱伝導率測定手段は、前記一対
の電極部材を介して前記試料の両端の温度をそれぞれ測
定可能な温度測定手段を有するようになっていてもよ
い。
【0011】また、請求項3に記載の発明のように、前
記一対の電極部材は、真空状態に保持可能またはガス置
換可能な単一の気密容器内に設けられていてもよい。
【0012】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記第1の熱源及び前記第2の熱源は、前記一対の電極
部材を上下から挟むように配設されており、それら両熱
源のうち上側の熱源は、案内部材でもって自重により下
降可能に案内されていてもよい。
【0013】さらにまた、請求項5に記載の発明のよう
に、前記一対の電極部材のうちの一方の電極部材と前記
第1の熱源との間、及び他方の電極部材と前記第2の熱
源との間には、それぞれ、熱伝導性が良く、且つ電気的
に絶縁な絶縁部材が介装されているとともに、前記一対
の電極部材と前記試料の両端面との間には、それぞれ、
導電性及び熱伝導性が良く、且つ前記試料の各端面に密
着可能な箔部材が介装されるようになっていてもよい。
【0014】また、請求項6に記載の発明のように、前
記第1の熱源と前記第2の熱源とは、可撓性を有し、且
つ熱伝導性の良い部材で相互に連結されていてもよい
し、或は、請求項7に記載の発明のように、前記第1の
熱源と前記第2の熱源とは、それら両熱源に外嵌される
熱伝導性の良い筒体により相互に連結されていて、それ
ら両熱源のうち上側の熱源は、前記筒体に対して摺動可
能になっていてもよい。
【0015】さらに、請求項8に記載の発明のように、
前記温度測定手段は、前記一対の電極部材のうちの一方
の電極部材に各接点が取り付けられた第1の熱電対及び
第3の熱電対と、他方の電極部材に接点が取り付けられ
た第2の熱電対とからなり、前記第1の熱電対の接点か
ら延在する一対の導線は、前記第1の温度コントローラ
に接続されており、また、前記第2の熱電対の接点から
延在する一対の導線のうちの一方の導線は、前記第2の
温度コントローラに接続されているとともに、同第2の
熱電対の他方の導線は、前記第2の温度コントローラに
接続される状態と、前記第3の熱電対の接点から延在す
る一対の導線のうちの一方の導線に電気的に接続される
状態とに切替え可能になっており、さらに、前記第3の
熱電対の他方の導線は、前記第2の熱電対の他方の導線
が前記第2の温度コントローラに接続される時に、開放
される状態と、前記第2の熱電対の他方の導線が前記第
3の熱電対の一方の導線に電気的に接続される時に、前
記第2の温度コントローラに接続される状態とに切替え
可能になっていてもよい。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によれば、試料の両端間に
発生する電位差を取り出し可能な一対の電極線を有する
ことにより、試料の両端間に温度差を設けて試料の両端
間に発生する起電力を測定可能な起電力測定手段と、試
料の両端の温度をそれぞれ測定可能な温度測定手段及び
試料の両端間に電位差を付与可能な電位差付与手段を有
することにより、試料の両端間に電位差を付与して試料
面に発生するペルチェ熱をその試料面の温度変化量とし
て測定可能な温度変化量測定手段と、試料に電流を流し
た時にその試料の任意の二点間に発生する電位差を取り
出し可能な一対の電極線を有することにより、試料の電
気伝導度を測定可能な電気伝導度測定手段とを有する熱
電特性測定装置であって、発熱体による加熱、または発
熱体による加熱及び冷媒による冷却の組合わせにより、
試料の一端を、少なくとも室温〜略700℃を含む温度
範囲内の任意の温度に加熱、または加熱・冷却可能で、
且つ取り外し可能な第1の熱源と、発熱体による加熱及
び冷媒による冷却の組合わせにより、試料の他端を、少
なくとも略液体窒素温度〜略700℃を含む温度範囲内
の任意の温度に加熱・冷却可能な第2の熱源と、それら
第1の熱源及び第2の熱源の作動をそれぞれ制御する第
1の温度コントローラ及び第2の温度コントローラとを
備えているため、この熱電特性測定装置を用いれば、起
電力測定手段により、第1の熱源及び第2の熱源で試料
の両端間に温度差を設けた状態で熱起電力を測定するこ
とができ、また、温度変化量測定手段により、試料の両
端間に電位差を付与して試料面に発生するペルチェ熱を
その試料面の温度変化量として測定することができ、さ
らに、電気伝導度測定手段により、試料の電気伝導度を
測定することができる。
【0017】従って、単一の熱電特性測定装置でもっ
て、低温から高温までの広い温度範囲で、ゼーベック効
果に関係する熱起電力、ペルチェ係数に関係する熱発生
(或は、熱吸収)による試料端面の温度変化及び電気伝
導度を測定することができる。しかも、第1の熱源及び
第2の熱源、並びにそれらの作動を制御する第1の温度
コントローラ及び第2の温度コントローラにより、試料
の両端の温度を個々に精度良く設定することができるの
で、精密な測定が可能となる。
【0018】請求項2記載の発明によれば、試料の両端
の温度をそれぞれ測定可能な温度測定手段を有し、試料
の一端を加熱または冷却し、任意の時間の経過後におけ
る試料の他端の温度変化量を測定して試料の熱伝導率を
測定可能な熱伝導率測定手段を有しているため、試料の
両端の温度を測定しながら、試料の一端を急加熱し、そ
の熱が試料の他端に達するのに要する時間を計ることに
よって、低温から高温までの広い温度範囲で、熱伝導率
を精密に測定することができる。
【0019】請求項3記載の発明によれば、試料を挟む
一対の電極部材が、真空状態に保持可能またはガス置換
可能な単一の気密容器内に設けられているため、測定の
際には、試料がその気密容器内に設置されることとな
る。従って、気密容器内を真空状態に保つ場合には、空
気の対流などによる熱伝導の影響がなくなり、熱電特性
を精密に測定することができる。また、気密容器内を例
えば酸素ガスなどでガス置換する場合には、例えば高温
真空雰囲気下において試料表面から脱離し易い酸素原子
の脱離が防止されるので、測定中に試料の表面状態が変
化して特性が変わってしまうのを防ぐことができる。な
お、ガス種を適宜選択することによって、酸素原子以外
にも、試料表面から脱離し易い原子の脱離を防ぐことが
できる。
【0020】請求項4記載の発明によれば、第1の熱源
及び前記第2の熱源のうちの上側の熱源が、自重により
下降可能になっているため、自重で上側の熱源が試料に
押し付けられるとともに、試料を下側の熱源に押し付け
ることとなる。従って、試料とその周辺の部材(上側の
熱源を支える部材など)との熱膨張係数が異なっていて
も、測定時の設定温度によらず、常に上記両熱源と試料
とが相互に密着される。
【0021】請求項5記載の発明によれば、電極部材と
熱源との間には、熱伝導性が良く、且つ電気的に絶縁な
絶縁部材が介装されているとともに、電極部材と試料の
端面との間には、導電性及び熱伝導性が良く、且つ試料
の各端面に密着可能な箔部材が介装されるため、熱源の
発生する熱が試料の端面に良く伝わるとともに、試料端
面が平面・平滑でなくても、箔部材によって試料端面の
凹凸が吸収されるので、試料端面の全面において導電性
が得られる。
【0022】請求項6記載の発明によれば、第1の熱源
と第2の熱源とが、可撓性を有し、且つ熱伝導性の良い
部材で相互に連結されているため、その部材の太さや長
さを適宜選択することによって、例えば第2の熱源で試
料の一端を冷却するとともに、第2の熱源の熱を上記部
材を介して第1の熱源に伝えることにより、第1の熱源
での冷却が行われる。また、第1の熱源と第2の熱源と
で加熱・冷却能に差がある場合には、両熱源の間で上記
部材を介して熱の授受が行われることにより、その差が
緩和されて両熱源の能力の均等化を図ることもできる。
その際、上記部材が可撓性を有することにより、種々の
長さを有する試料への対応や熱膨張により生じる両熱源
間の距離の変化にも対応可能である。
【0023】請求項7記載の発明によれば、第1の熱源
と第2の熱源とが、それら両熱源に外嵌される熱伝導性
の良い筒体により相互に連結されているため、筒体の厚
さや長さを適宜選択することによって、上記請求項6記
載の発明と同様に、例えば第2の熱源での冷却によって
第1の熱源での冷却が行われるとともに、両熱源の能力
の均等化が図られる。その際、上側の熱源が上記筒体に
対して摺動可能になっているため、上側の熱源は自重に
より下降することとなり、上記請求項4記載の発明と同
様に、試料と筒体との熱膨張係数が異なっていても、測
定時の設定温度によらず、常に上下両熱源と試料とが相
互に密着される。
【0024】請求項8記載の発明によれば、一方の電極
部材に取り付けられた第1の熱電対が第1の温度コント
ローラに接続されており、また、他方の電極部材に取り
付けられた第2の熱電対については、一方の導線が第2
の温度コントローラに接続され、他方の導線は第2の温
度コントローラに接続される状態(第1の状態とす
る。)と、前記一方の電極部材に取り付けられた第3の
熱電対の一方の導線に電気的に接続される状態(第2の
状態とする。)とに切替え可能になっており、さらに、
第3の熱電対の他方の導線は、前記第1の状態の時に、
開放される状態と、前記第2の状態の時に、第2の温度
コントローラに接続される状態とに切替え可能になって
いるため、第1の熱源は、常時、第1の熱電対により測
定される温度に基づいて、第1の温度コントローラによ
り独立して制御される。一方、第2の熱源は、前記第1
の状態においては、第2の熱電対により測定される温度
に基づいて、第2の温度コントローラにより独立して制
御されることとなり、また、前記第2の状態において
は、第2の熱電対と第3の熱電対によりそれら両熱電対
の接点間の温度差が測定され、それに基づいて第2の温
度コントローラにより、第1の熱源に対して第2の熱源
が所定の温度差を有するように制御される。
【0025】
【実施例】本発明に係る熱電特性測定装置の実施例を、
図1乃至図10に基づいて、以下に説明する。
【0026】図1には、本発明に係る熱電特性測定装置
の一例が示されている。この熱電特性測定装置100
は、同図に示すように、真空状態に保持可能な気密容器
10内に、発熱体21による加熱により、試料200の
一端を例えば700℃以上の高温に至るまで加熱可能な
第1の熱源20と、発熱体26による加熱及び冷媒27
による冷却の組合わせにより、試料200の他端を例え
ば液体窒素温度以下の低温から700℃以上の高温に至
るまで加熱・冷却可能な第2の熱源25とが設けられて
なるもので、それら両熱源20,25に挟まれて試料2
00が設置されるようになっている。
【0027】また、熱電特性測定装置100は、気密容
器10内を真空排気する真空ポンプ40、気密容器10
内の真空度を計測する真空計41、第1の熱源20の作
動制御を行う第1の温度コントローラCTR1 、第2の
熱源25の作動制御を行う第2の温度コントローラCT
R2 、冷媒27を流すためのエアポンプ45、試料20
0の両端間に電位差を付与する外部電源Eを備えてい
る。
【0028】さらに、熱電特性測定装置100は、試料
200の両端の温度を測定する温度測定手段として、少
なくとも2対、本実施例では例えば3対の熱電対TC1
,TC2 ,TC3 を有している。それら熱電対TC1
,TC2 ,TC3 は、気密容器10内から容器10外
に引き出され、第1の熱電対TC1 は第1の温度コント
ローラCTR1 に接続され、また、第2の熱電対TC2
及び第3の熱電対TC3 は第2の温度コントローラCT
R2 に接続可能になっている。そして、第1の連動スイ
ッチSW1 によって、第2の熱電対TC2 は、第2の温
度コントローラCTR2 に直接接続される場合(この場
合には、第3の熱電対TC3 は機能していない。)と、
第3の熱電対TC3 を介して接続される場合とに切り替
えられる。なお、本実施例では、熱電対TC1 ,TC2
,TC3 は、熱容量を小さくすることと熱伝導防止の
ため、外径が0.1mmφ以下の細いものが使用されてお
り、熱電特性の精密な測定に寄与している。
【0029】第1の温度コントローラCTR1 は、第1
の熱源20の作動を制御するものであり、第1の熱電対
TC1 と、導線L1 ,L2 を介して第1の熱源20の発
熱体21に接続されている。そして、第1の温度コント
ローラCTR1 は、第1の熱電対TC1 から電圧信号と
して入力される温度情報に基づいて、試料200の第1
の熱源20側の端部(本例では、上端部)の温度を、第
1の温度コントローラCTR1 で予め設定された温度と
するように、第1の熱源20の発熱体21に流す電流量
を調節する。なお、第1の温度コントローラCTR1 に
コンピュータを接続し、そのコンピュータのプログラム
にしたがって第1の熱源20の温度制御を行うこともで
き、その場合には、第1の熱源20の温度を連続的に変
化させることもできる。また、この第1の温度コントロ
ーラCTR1 は、第1の熱電対TC1 から入力される温
度情報を、図1の出力Iにおいて、図示しないコンピュ
ータなどを介して記録装置(レコーダー)などに出力し
ている。
【0030】第2の温度コントローラCTR2 は、第2
の熱源20の作動を制御するものであり、第1の連動ス
イッチSW1 の切替えにより、第2の熱電対TC2 及び
第3の熱電対TC3 と接続可能になっている。また、第
2の温度コントローラCTR2 は、導線L3 ,L4 を介
して第2の熱源25の発熱体26に接続されているとと
もに、導線L5 ,L6 を介してエアポンプ45に接続さ
れている。
【0031】そして、第2の温度コントローラCTR2
は、以下の2方式でもって第2の熱源25の作動制御を
行う。
【0032】第1の方式は、試料200の第2の熱源2
5側の端部(本例では、下端部)の温度が、第2の温度
コントローラCTR2 で予め設定された温度となるよう
に、第2の熱源25の発熱体21に流す電流量の調節、
及びエアポンプ45のオン/オフを行うものである。こ
の方式においては、第2の温度コントローラCTR2は
第2の熱電対TC2 に直接接続されており、第2の温度
コントローラCTR2には、第2の熱電対TC2 より、
試料200の下端部の温度情報が電圧信号としてフィー
ドバックされている。
【0033】なお、エアポンプ45が動作すると、エア
ポンプ45と冷媒27とを繋ぐ冷媒通過用配管28内を
液体窒素などの冷媒27が気化して流れ、第2の熱源2
5での冷却が行われる。冷媒27としては、液体窒素の
他に、目的温度によっては、液体ヘリウム、ドライアイ
スや氷で冷やされた空気などでもよく、特に制限はな
い。
【0034】第2の方式は、試料200の上端部と下端
部との間の温度差が、第2の温度コントローラCTR2
で予め設定された温度差となるように、第2の熱源25
の発熱体21に流す電流量の調節、及びエアポンプ45
のオン/オフを行うものである。この方式においては、
第2の温度コントローラCTR2 は、第2の熱電対TC
2 と第3の熱電対TC3 とが連結されてなる2つの接点
を有する熱電対に接続されており、第2の温度コントロ
ーラCTR2 には、それら両熱電対TC2 ,TC3 よ
り、試料200の上下端部間の温度差情報が電圧信号と
してフィードバックされている。この第2の方式は、上
記第1の方式よりも、試料200の上下端部間の温度差
をより高精度で制御することができ、熱電特性をより精
密に測定することができる。
【0035】なお、第2の温度コントローラCTR2 に
コンピュータを接続し、そのコンピュータのプログラム
にしたがって第2の熱源25の温度制御を行うこともで
きる。その場合には、第2の熱源25の温度を連続的に
変化させることができる。また、この第2の温度コント
ローラCTR2 は、第1の熱電対TC1 及び第2の熱電
対TC2 よりなる2つの接点を有する熱電対から入力さ
れる温度差情報を、図1の出力IIにおいて、図示しない
コンピュータなどを介して記録装置などに出力してい
る。
【0036】さらに、熱電特性測定装置100は、試料
200の両端間に発生する電位差(熱起電力)を取り出
したり、試料200の両端間に電位差を付与したりする
ために、気密容器10内から外に引き出された少なくと
も1対の電極線L7 ,L8 を有している。この電極線L
7 ,L8 は、第2の連動スイッチSW2 の切替えによっ
て、熱起電力を取り出す場合には、図1の出力III にお
いて図示しない測定装置等に接続され、また、試料20
0に電圧を印加する場合には、外部電源Eの電源ライン
EL1 ,EL2 にそれぞれ接続される。
【0037】気密容器10は、バルブ42を介して連結
された真空ポンプ40により、その内部空間の排気が行
われるようになっており、熱電特性の測定中は気密容器
10内は真空状態とされる。それによって、気密容器1
0内の空気等の対流に起因する熱伝導の影響が除去さ
れ、また、試料200の表面の吸湿部分に起因して側面
に沿って流れる電流(沿面電流)が発生するのが防止さ
れ、より正確な熱電特性の測定が可能となる。
【0038】ここで、真空ポンプ40は、低温での測定
の際に、試料200の表面に真空中の残留水分や真空ポ
ンプから逆拡散したオイル蒸気を凝結させないために、
例えばソープションポンプやターボ分子ポンプなどのよ
うに、高真空下においてオイルフリーの達成されるポン
プであるとよい。
【0039】また、気密容器10は、バルブ43を介し
てその内部空間にガスを導入することができるようにな
っている。使用されるガスは、例えば酸素ガス、窒素ガ
ス、希ガスなどであり、気密容器10内の圧力が数Torr
以下となるように導入される。ガスを導入することによ
って、試料200に、例えば酸素原子のように、高温真
空雰囲気下において試料表面から脱離し易い原子が存在
する場合に、その脱離が防止されるので、測定中に試料
200の表面状態が変化して特性が変わってしまうのを
防ぐことができる。
【0040】第1の熱源20は、有底筒状のスリーブ2
2内に電熱線等でできた発熱体(ヒーター)21が挿入
されてできていて、第1の温度コントローラCTR1 か
らの電流量に応じてその発熱量の調節が行われる。この
第1の熱源20は、気密容器10内の上部寄りに配置さ
れている。
【0041】第2の熱源25は、有底筒状のスリーブ2
9内に電熱線等でできた発熱体(ヒーター)26が挿入
されているとともに、そのスリーブ29に冷媒通過用配
管28が通されている。そして、第2の熱源25での冷
却は、気化した冷媒27が冷媒通過用配管28内を通過
することによって行われる。この第2の熱源25は、気
密容器10の底板11に設けられた貫通孔11aの縁に
沿って立ち上がる筒体12によって支持されて、気密容
器10内の下部寄りに配置されている。ここで、その筒
体12とスリーブ29との接合部は気密に保たれてい
る。そして、筒体12として、第2の熱源25の熱が気
密容器10に伝わり難くするため、例えばステンレス鋼
製の薄く長いパイプが使用される。
【0042】なお、各熱電対TC1 ,TC2 ,TC3 、
導線L1 ,L2 及び電極線L7 ,L8 は、気密性のフィ
ードスルー13,13,…を介して、それぞれ気密容器
10外へ取り出される。
【0043】図2には、図1の装置における試料200
の周辺部分が拡大されて示されている。同図に示すよう
に、試料200の一端と第1の熱源20のスリーブ22
との間には、熱源20側から順に、絶縁部材50、電極
部材51、試料200の端面に密着可能な箔部材52が
介装される。同様に、試料200の他端と第2の熱源2
5のスリーブ29との間にも、熱源25側から順に、絶
縁部材53、電極部材54、箔部材55が介装される。
【0044】ここで、絶縁部材50,53は、熱伝導性
が良く、且つ絶縁性を有する材質でできている。本実施
例では、例えば、アルミニウムと同程度の熱伝導率を有
する窒化アルミニウムなどの窒化物セラミックス板が使
用される。その板厚は、特に限定しないが、熱伝導性を
良好に保つために、例えば1mm以下であるのがよい。な
お、窒化アルミニウム以外にも、酸化アルミニウムやダ
イヤモンドを用いることもできる。
【0045】電極部材51,54は、化学的安定性、耐
熱性、導電性及び熱伝導性の良い、銅、金、白金、銀、
アルミニウム、またはベリリウムなどの金属板でできて
いる。その板厚は、特に限定しないが、熱容量を小さく
するためと熱伝導性を良好に保つために、例えば1mm程
度である。本実施例では、上側の電極部材51に第1の
熱電対TC1 及び第3の熱電対TC3 の各接点が取り付
けられているとともに、電極線L7 が電気的に接続され
ている。一方、下側の電極部材54には、第2の熱電対
TC2 の接点と、電極線L8 が電気的に接続されてい
る。
【0046】箔部材52,55は、化学的安定性、耐熱
性、導電性及び熱伝導性が良く、さらに柔らかくて高温
でも原子拡散の起こり難い金属箔、例えば金箔や銀箔や
アルミニウム箔などでできている。この金属箔を試料2
00の端面に接触させることによって、試料200の端
面と電極部材51,54との電気的な接続性が高まり、
試料200の端面全体について導電性が得られる。つま
り、一般に試料200は、原料粉末を加圧成形してなる
圧粉体を焼結することにより得られる。それ故、試料2
00の端面には無数のポアなどが存在しており、試料2
00の端面は平面・平滑ではない。そこで、本実施例の
ように、試料200の端面に柔らかい金属箔を密着させ
ることによって、試料200の端面全体と電極部材5
1,54との電気的接続が確保される。
【0047】なお、箔部材52,55については、試料
200の端面に導電ペーストを焼き付けることによって
も、金属箔の場合と同様の効果が得られるので、金属箔
に代えて、箔部材52,55として導電ペーストを用い
てもよい。また、スリーブ22と絶縁部材50との間、
絶縁部材50と電極部材51との間、スリーブ29と絶
縁部材53との間、絶縁部材53と電極部材54との間
にも、それぞれ、金属箔を介装させてもよいし、それら
各々の部材間及び電極部材51と箔部材52との間、並
びに電極部材54と箔部材55との間に、導電ペースト
を焼き付けて介装させてもよい。
【0048】上述した絶縁部材50,53、電極部材5
1,54及び箔部材52,55を介装させることによっ
て、第1の熱源20と試料200の上端との間の熱伝導
性、及び第2の熱源25と試料200の下端との間の熱
伝導性にそれぞれ優れるので、第1の熱源20と試料2
00の上端との間、また第2の熱源25と試料200の
下端との間は温度差が極めて小さく、ハンチングの小さ
い精密な温度制御を行うことができる。
【0049】また、本実施例においては、図2に示すよ
うに、第1の熱源20は、支持柱61とそれにねじ62
などで固定されたガイド板63とからなる案内部材60
によって、昇降可能に支持されている。第1の熱源20
のスリーブ22とガイド板63とは固定されておらず、
第1の熱源20は、自重によりガイド板63で案内され
て下降される。それによって、試料200と箔部材5
2,55と電極部材51,54と絶縁部材50,54の
各熱膨張による伸びの総和と、支持柱61の熱膨張によ
る伸びとが異なっても、第1の熱源20は、自重で試料
200に押し付けられるとともに、試料200を第2の
熱源25に押し付けることとなるので、それら各部材間
に隙間が生じるのが防止される。従って、熱膨張により
試料200と熱源20,25間に隙間が生じたりして測
定不能となったり、測定精度が悪くなるのが回避され
る。
【0050】ここで、支持柱61及びガイド板63は、
できるだけ細く、且つ薄く作られており、伝導による熱
伝達が極力少なくなるようにされている。それによっ
て、案内部材60を介して外部から試料200に熱が流
入するのが防止されている。
【0051】また、図3に示すように、案内部材60及
び第1の熱源20は、適宜取り外すことができるように
なっていて、ペルチェ効果による試料200の端面の温
度変化や、熱伝導率を測定する場合に取り外される。な
お、案内部材60及び第1の熱源20は、熱起電力、電
気伝導度の測定の場合に取り付けられる。
【0052】次に、上記構成の熱電特性測定装置100
を用いて、ゼーベック効果に関係する熱起電力、電気伝
導度、熱伝導率、ペルチェ係数に関係する熱発生(或
は、熱吸収)による試料端面の温度変化を測定する場合
について、順に説明する。
【0053】図4には、熱起電力を測定する場合の熱電
特性測定装置100の一例が示されている。同図に示す
ように、この測定を行う場合には、第1の連動スイッチ
SW1 (図4では省略)の切替えにより、第2の熱電対
TC2 を第2の温度コントローラCTR2 に直接接続
し、第2の温度コントローラCTR2 でもって、第2の
熱源25の温度が第2の温度コントローラCTR2 の設
定温度となるような制御を行う。即ち、第2の熱源25
の作動制御を上述した第1の方式で行う。また、第2の
連動スイッチSW2 (図4では省略)の切替えにより、
電極線L7 ,L8 と外部電源E(図4では省略)との接
続を断つとともに、出力III に電圧計など(図4では省
略)を接続する。
【0054】この状態の測定系において、第1の熱源2
0と第2の熱源25との間に試料200を設置し、気密
容器10内を真空雰囲気、またはガス雰囲気とする。そ
して、第1の温度コントローラCTR1 による第1の熱
源20、及び第2の温度コントローラCTR2 による第
2の熱源25の各設定温度を異ならせて、試料200の
両端間に所望の温度差を与える。この時、出力III から
熱起電力が出力されるので、その熱起電力を、出力III
に接続された電圧計などで測定する。
【0055】従って、この例では、起電力測定手段は、
電極線L7 ,L8 、第1の熱源20、第2の熱源25、
第1の温度コントローラCTR1 、第2の温度コントロ
ーラCTR2 、第1の熱電対TC1 、第2の熱電対TC
2 及び出力III に接続される電圧計等で構成される。
【0056】図5には、熱起電力を測定する場合の熱電
特性測定装置100の他の例が示されているが、上記図
4の例と異なるのは、第2の熱源25の作動制御を上述
した第2の方式で行うことである。即ち、この場合に
は、図5に示すように、第1の連動スイッチSW1 (図
4では省略)の切替えにより、第2の熱電対TC2 の一
方の導線L9 を第2の温度コントローラCTR2 に接続
し、第2の熱電対TC2 の他方の導線L10と第3の熱電
対TC3 の一方の導線L11とを電気的に接続する。そし
て、第3の熱電対TC3 の他方の導線L12を第2の温度
コントローラCTR2 に接続して、第2の温度コントロ
ーラCTR2 でもって、第2の熱源25の温度を、その
温度と第1の熱源20の温度との差が第2の温度コント
ローラCTR2 の設定温度差になるように制御する。そ
の他の設定等については、図4の例と同じである。
【0057】従って、上記他の例では、起電力測定手段
は、電極線L7 ,L8 、第1の熱源20、第2の熱源2
5、第1の温度コントローラCTR1 、第2の温度コン
トローラCTR2 、第1の熱電対TC1 、第2の熱電対
TC2 、第3の熱電対TC3及び出力III に接続される
電圧計等で構成される。
【0058】なお、この場合、第1の連動スイッチSW
1 において相互に電気的に接続される第2の熱電対TC
2 の導線L10と第3の熱電対TC3 の導線L11とは、同
一の線材で構成され、また、第2の熱電対TC2 の導線
L9 と第3の熱電対TC3 の導線L12とは、同一の線材
で構成される。
【0059】図6には、電気伝導度を測定する場合の熱
電特性測定装置100の一例が示されている。同図に
は、電気伝導度を4端子法により求める場合について示
されているが、同図に示すように、この測定は、4つの
白金等でできた測定端子T1 ,T2 ,T3 ,T4 を試料
200に接触させて寝かせた状態で、第1の熱源20と
第2の熱源25とで挟んで行われる。そして、測定端子
T1 ,T2 を、それぞれ気密性のフィードスルー13,
13より気密容器10外に引き出された導線L13,L14
を介して、外部電源70に接続して、試料200に電位
差を付与して試料200に電流を流し得る状態とする。
また、測定端子T3 ,T4 に電極線L7 ,L8 をそれぞ
れ接続するとともに、出力III に電圧計など(図6では
省略)を接続する。この電極線L7 ,L8 は、第2の連
動スイッチSW2 (図6では省略)の切替えにより、外
部電源E(図6では省略)との接続が断たれている。
【0060】さらに、第1の連動スイッチSW1 (図6
では省略)の切替えにより、第2の熱電対TC2 を第2
の温度コントローラCTR2 に直接接続して、第2の熱
源25の作動制御を上述した第1の方式で行う。測定の
際には、第1の温度コントローラCTR1 による第1の
熱源20の設定温度と第2の温度コントローラCTR2
による第2の熱源25の設定温度とを同じにする。
【0061】この状態の測定系において、第1の熱源2
0と第2の熱源25との間に試料200及び測定端子T
1 ,T2 ,T3 ,T4 を設置し、気密容器10内を真空
雰囲気、またはガス雰囲気とする。そして、第1の熱源
20と第2の熱源25の各設定温度を等しくして、試料
200に温度勾配が生じないようにする。この時、出力
III に接続された電圧計など(図6では省略)で試料2
00内の測定端子T3,T4 間に発生する電圧値を測定
することによって、その電圧値と電流値とから試料20
0の電気抵抗が求まり、電気伝導度が求められる。
【0062】従って、この例では、電気伝導度測定手段
は、第1の熱源20、第2の熱源25、第1の温度コン
トローラCTR1 、第2の温度コントローラCTR2 、
第1の熱電対TC1 、第2の熱電対TC2 、測定端子T
1 ,T2 ,T3 ,T4 、外部電源70、導線L13,L1
4、電極線L7 ,L8 及び出力III に接続される電圧計
等で構成される。
【0063】また、電気伝導度は、4端子法によらず2
端子法によっても求められる。2端子法の場合には、図
4に示した熱起電力測定の場合と同じ測定系において、
出力III に抵抗計を接続し、第1の熱源20の温度と第
2の熱源25の温度を等しくして、出力III より試料2
00の両端間の電気抵抗を測定すればよい。従って、こ
の場合には、電気伝導度測定手段は、第1の熱源20、
第2の熱源25、第1の温度コントローラCTR1 、第
2の温度コントローラCTR2 、第1の熱電対TC1 、
第2の熱電対TC2 、電極線L7 ,L8 及び出力III に
接続される抵抗計で構成される。
【0064】なお、第2の熱源25の温度制御は、第2
の温度コントローラCTR2 で第1の熱源20と第2の
熱源25との温度差を制御する上記第2の方式によって
もよい。その場合には、第2の温度コントローラCTR
2 での温度差の設定を0(ゼロ)K(℃)とする。
【0065】図7には、熱伝導率を測定する場合の熱電
特性測定装置100の一例が示されている。同図に示す
ように、この測定を行う場合には、第1の連動スイッチ
SW1 (図7では省略)の切替えにより、第2の熱電対
TC2 を第2の温度コントローラCTR2 に直接接続し
て、第2の熱源25の作動制御を上述した第1の方式で
行う。その際、第1の温度コントローラCTR1 による
第1の熱源20(図7では省略)の作動制御は不要であ
るとともに、大きな熱容量を有する第1の熱源により熱
発生の正確な測定が妨げられてしまうのを防ぐために、
図7及び図3に示すように、第1の熱源20を取り外
す。
【0066】この測定系において、第2の熱源25の上
に試料200を載置し、気密容器10内を真空雰囲気、
またはガス雰囲気とする。そして、第2の温度コントロ
ーラCTR2 でもって第2の熱源25の加熱または冷却
を行い、試料200の下端を目的温度に設定する。
【0067】その際、試料200の下端と上端の間に温
度差ができるため、試料下端の熱は上端に伝達する。試
料上端の温度は電極部材51と同一であるので、任意に
決められた一定時間後の電極部材51の温度変化を測定
し、それらの値を次式に代入することにより熱伝導率λ
が計算される。
【数1】 ここで、mは電極部材51の質量、cは電極部材51の
比熱、Lは試料200の熱流方向の長さ、Sは試料20
0の熱流方向に垂直な断面の面積、tは時間(秒)、T
1 は電極部材51の初期温度、T2 は電極部材51の時
間tの経過後の温度、T0 は試料200の下端の設定温
度である。
【0068】従って、この例では、熱伝導率測定手段
は、第2の熱源25、第1の温度コントローラCTR1
、第2の温度コントローラCTR2 、第1の熱電対T
C1 及び第2の熱電対TC2 で構成される。
【0069】図8には、ペルチェ係数に関係する熱発生
(或は、熱吸収)による試料端面の温度変化を測定する
場合の熱電特性測定装置100の一例が示されている。
同図に示すように、この測定を行う場合には、第1の連
動スイッチSW1 (図8では省略)の切替えにより、第
2の熱電対TC2 を第2の温度コントローラCTR2 に
直接接続して、第2の熱源25の作動制御を上述した第
1の方式で行う。その際、第1の温度コントローラCT
R1 による第1の熱源20(図8では省略)の作動制御
は不要であるとともに、大きな熱容量を有する第1の熱
源により熱発生の正確な測定が妨げられてしまうのを防
ぐために、図8及び図3に示すように、第1の熱源20
を取り外す。また、第2の連動スイッチSW2 (図8で
は省略)の切替えにより、電極線L7 ,L8 と外部電源
Eとを接続するとともに、試料200の両端間に印加さ
れる電位差を監視するために出力III に電圧計(図8で
は省略)を接続する。
【0070】この状態の測定系において、第1の熱源2
0と第2の熱源25との間に試料200を設置し、気密
容器10内を真空雰囲気、またはガス雰囲気とする。そ
して、第2の温度コントローラCTR2 でもって第2の
熱源25の作動を制御して、試料200の下端の温度が
所定の測定温度になるようにする。そのまま、試料20
0内の温度分布が定常状態となるまで待ち、その後、外
部電源Eで試料200の両端間に電圧を印加して、試料
200の上端の温度変化を第1の熱電対TC1を介して
第1の温度コントローラCTR1 の出力Iより測定す
る。
【0071】従って、この例では、電位差付与手段は、
外部電源E及び電極線L7 ,L8 で構成され、また、温
度変化量測定手段は、第2の熱源25、第1の温度コン
トローラCTR1 、第2の温度コントローラCTR2 、
第1の熱電対TC1 、第2の熱電対TC2 及び電位差付
与手段とで構成される。
【0072】以上詳述したように、上記実施例によれ
ば、単一の熱電特性測定装置100でもって、低温から
高温までの広い温度範囲で、ゼーベック効果に関係する
熱起電力、ペルチェ係数に関係する熱発生(或は、熱吸
収)による試料200の端面の温度変化、熱伝導率及び
電気伝導度を測定することができる。しかも、第1の熱
源20及び第2の熱源25、並びにそれらの作動を制御
する第1の温度コントローラCTR1 及び第2の温度コ
ントローラCTR2 により、試料200の両端の温度を
個々に精度良く設定することができるので、熱電特性の
精密な測定が可能となる。
【0073】また、気密容器10内を真空状態に保つこ
とができるため、空気の対流などによる熱伝導の影響が
なくなり、さらに、気密容器10内に適当なガスを数To
rr以下の圧力となるように導入することによって、熱電
特性の測定中に試料200の表面から特定の原子が脱離
してしまうことによる特性変化を防ぐこともでき、熱電
特性を精密に測定することができる。加えて、第1の熱
源20が自重により下降可能になっているとともに、絶
縁部材50,53及び箔部材52,55が設けられてい
ることにより、熱電特性をより精密に測定することがで
きる。
【0074】なお、熱電特性測定装置100は、上記実
施例の構成に限らず、種々設計変更可能であるのは勿論
である。例えば、上記実施例においては、第1の熱源2
0は冷却機能を有していないとしたが、第1の熱源20
にも冷却機能を備えさせてもよいのはいうまでもない。
しかしながら、通常の熱電測定の必要性と装置のコス
ト、取り扱いの容易性などから、上記実施例のように第
1の熱源20は冷却機能を有していなくても十分であ
る。
【0075】また、第1の熱源20に冷却機能を備えさ
せるとともに、第2の熱源25は加熱機能のみを有する
としてもよいのは勿論である。
【0076】さらに、試料200の両端の温度差を数1
0K(℃)程度として熱電特性を測定する場合には、図
9に示すように、第1の熱源20のスリーブ22と第2
の熱源25のスリーブ29とを、可撓性を有し、且つ熱
伝導性の良い部材、例えば平網銅線80などで相互に連
結してもよい。このようにすれば、第2の熱源25で試
料200の下端を冷却するとともに、第2の熱源の熱2
5を平網銅線80を介して第1の熱源20に伝えること
により、第1の熱源20での冷却が行われる。その際に
は、伝えようとする熱量により、平網銅線80の太さや
長さを適宜選択することが必要である。また、このよう
にすることによって、第1の熱源20と第2の熱源25
とで加熱・冷却能に差がある場合には、両熱源20,2
5の間で平網銅線80を介して熱の授受が行われること
により、その差が緩和されて両熱源20,25の能力の
均等化を図ることもできる。ここで、平網銅線80が可
撓性を有するのは、試料サイズの変化に対応するため
と、熱膨張により生じる両熱源20,25間の距離の変
化にも対応可能とするためである。図9では、平網銅線
80はスリーブ22,29にそれぞれねじ81,81で
取り付けられている。
【0077】同様に、試料200の両端の温度差を数1
0K(℃)程度に設定する場合には、図10に示すよう
に、第1の熱源20のスリーブ22と第2の熱源25の
スリーブ29とを、それらスリーブ22,29に両端が
外嵌される熱伝導性の良い筒体85で相互に連結しても
よい。このようにすれば、図9の場合と同様に、第2の
熱源25での冷却によって第1の熱源20での冷却が行
われるとともに、両熱源20,25の能力の均等化が図
られる。その際には、伝えようとする熱量により、筒体
85の厚さや長さを適宜選択することが必要である。こ
こで、スリーブ22は筒体85に対して摺動可能になっ
ていなければならない。これは、第1の熱源20が自重
で下降することができるようになっている必要があるか
らである。この場合、筒体85は前記案内部材60を兼
ねることとなる。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、起電力測
定手段と、温度測定手段及び電位差付与手段を有する温
度変化量測定手段と、電気伝導度測定手段とを有するた
め、単一の熱電特性測定装置でもって、低温から高温ま
での広い温度範囲で、ゼーベック効果に関係する熱起電
力、ペルチェ係数に関係する熱発生(或は、熱吸収)に
よる試料端面の温度変化及び電気伝導度を精密に測定す
ることができる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、温度測定手
段を有する熱伝導率測定手段を有しているため、試料の
両端の温度を測定しながら、試料の一端を急加熱し、そ
の熱が試料の他端に達するのに要する時間を計ることに
よって、低温から高温までの広い温度範囲で、熱伝導率
を精密に測定することができる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、気密容器内
を真空状態に保つことによって、空気の対流などによる
熱伝導の影響がなくなり、熱電特性を精密に測定するこ
とができる。また、気密容器内をガス雰囲気とすること
によって、高温真空雰囲気下において試料表面から脱離
し易い原子の脱離が防止されるので、測定中に試料の表
面状態が変化して特性が変わってしまうのを防ぐことが
でき、精密な測定が可能となる。
【0081】請求項4記載の発明によれば、上側の熱源
が、自重により下降することによって、試料とその周辺
の部材(上側の熱源を支える部材など)との熱膨張係数
が異なっていても、測定時の設定温度によらず、常に上
下両熱源と試料とが相互に密着されるので、熱膨張によ
り試料と熱源間に隙間が生じたりして測定不能となった
り、測定精度が悪くなるのが回避される。
【0082】請求項5記載の発明によれば、電極部材と
熱源との間の絶縁部材、及び電極部材と試料の端面との
間の箔部材によって、熱源の発生する熱が試料の端面に
良く伝わるとともに、箔部材によって試料端面の凹凸が
吸収され、試料端面の全面において導電性が得られるの
で、精密な測定が可能となる。
【0083】請求項6記載の発明によれば、第1の熱源
と第2の熱源とを相互に連結する部材によって、例えば
第2の熱源で試料の一端を冷却するとともに、第2の熱
源の熱を上記部材を介して第1の熱源に伝えることによ
り、第1の熱源での冷却が行われる。また、第1の熱源
と第2の熱源とで加熱・冷却能に差がある場合には、両
熱源の間で上記部材を介して熱の授受が行われることに
より、その差が緩和されて両熱源の能力の均等化を図る
こともできる。
【0084】請求項7記載の発明によれば、第1の熱源
と第2の熱源とを相互に連結する筒体によって、上記請
求項6記載の発明と同様に、例えば第2の熱源での冷却
によって第1の熱源での冷却が行われるとともに、両熱
源の能力の均等化も図られる。
【0085】請求項8記載の発明によれば、一方の電極
部材に第1の熱電対及び第3の熱電対が取り付けられ、
また、他方の電極部材に第2の熱電対が取り付けられて
おり、第2の熱電対が、第2の温度コントローラに直接
接続される状態と、第3の熱電対を経由して第2の温度
コントローラに接続される状態とに切替え可能になって
いるため、第1の熱源は、常時、第1の熱電対により測
定される温度に基づいて、第1の温度コントローラによ
り独立して制御され、一方、第2の熱源は、第2の熱電
対により測定される温度に基づいて、第2の温度コント
ローラにより独立して制御される方式と、第2の熱電対
と第3の熱電対により測定されるそれら両熱電対の接点
間の温度差に基づいて、第2の温度コントローラによ
り、第1の熱源に対して第2の熱源が所定の温度差を有
するように制御される方式とに適宜切替え可能となって
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電特性測定装置の一例を示す全
体図である。
【図2】その熱電特性測定装置でもって熱起電力、電気
伝導度、熱伝導率を測定する場合の試料周辺部分の一例
の拡大図である。
【図3】その熱電特性測定装置でもってペルチェ効果に
よる試料端面の温度変化を測定する場合の試料周辺部分
の一例の拡大図である。
【図4】その熱電特性測定装置でもって熱起電力を測定
する場合の装置の一例を示す全体図である。
【図5】その熱電特性測定装置でもって熱起電力を測定
する場合の装置の他の例を示す全体図である。
【図6】その熱電特性測定装置でもって電気伝導度を測
定する場合の装置の一例を示す全体図である。
【図7】その熱電特性測定装置でもって熱伝導率を測定
する場合の装置の一例を示す全体図である。
【図8】その熱電特性測定装置でもってペルチェ効果に
よる試料端面の温度変化を測定する場合の装置の一例を
示す全体図である。
【図9】その熱電特性測定装置でもって熱起電力、電気
伝導度、熱伝導率を測定する場合の試料周辺部分の他の
例の拡大図である。
【図10】その熱電特性測定装置でもって熱起電力、電
気伝導度、熱伝導率を測定する場合の試料周辺部分のさ
らに他の例の拡大図である。
【図11】従来の高温域における熱電特性の測定系を示
す概略図及びその測定系における炉内温度分布図であ
る。
【図12】従来の低温域における熱電特性の測定系を示
す概略図である。
【符号の説明】
CTR1 第1の温度コントローラ CTR2 第2の温度コントローラ E 外部電源(電位差付与手段) L7 ,L8 電極線(起電力測定手段、電気伝導度測定
手段、電位差付与手段) L9 導線(第2の熱電対の一方の導線) L10 導線(第2の熱電対の他方の導線) L11 導線(第3の熱電対の一方の導線) L12 導線(第3の熱電対の他方の導線) L13,L14 導線(電気伝導度測定手段) T1 ,T2 ,T3 ,T4 測定端子(電気伝導度測定手
段) TC1 ,TC2 ,TC3 熱電対(温度変化量測定手
段、熱伝導率測定手段、温度測定手段) 10 気密容器 20 第1の熱源 21,26 発熱体 25 第2の熱源 27 冷媒 50,53 絶縁部材 51,54 電極部材 52,55 箔部材 60 案内部材 70 外部電源(電気伝導度測定手段) 80 平網銅線(可撓性を有し、且つ熱伝導性の良い部
材) 85 筒体 100 熱電特性測定装置 200 試料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料を挟む一対の電極部材を有し、少なく
    とも、 前記試料の両端間に温度差を設け、前記一対の電極部材
    を介して前記試料の両端間に発生する起電力を測定可能
    な起電力測定手段と、 前記一対の電極部材を介して前記試料の両端間に電位差
    を付与し、試料面に発生するペルチェ熱を該試料面の温
    度変化量として測定可能な温度変化量測定手段と、 前記一対の電極部材を介して前記試料の電気伝導度を測
    定可能な電気伝導度測定手段とを有する熱電特性測定装
    置であって、 発熱体による加熱、または発熱体による加熱及び冷媒に
    よる冷却の組合わせにより、前記試料の一端を、少なく
    とも室温〜略700℃を含む温度範囲内の任意の温度に
    加熱、または加熱・冷却可能で、且つ取り外し可能な第
    1の熱源と、 発熱体による加熱及び冷媒による冷却の組合わせによ
    り、前記試料の他端を、少なくとも略液体窒素温度〜略
    700℃を含む温度範囲内の任意の温度に加熱・冷却可
    能な第2の熱源と、 前記第1の熱源の作動を制御する第1の温度コントロー
    ラと、 前記第2の熱源の作動を制御する第2の温度コントロー
    ラとを備え、 前記起電力測定手段は、前記一対の電極部材にそれぞれ
    電気的に接続されて前記試料の両端間に発生する電位差
    を取り出し可能な一対の電極線を有し、 前記温度変化量測定手段は、前記一対の電極部材を介し
    て前記試料の両端の温度をそれぞれ測定可能な温度測定
    手段、及び前記一対の電極部材を介して前記試料の両端
    間に電位差を付与可能な電位差付与手段を有し、 前記電気伝導度測定手段は、前記試料に電流を流した時
    に同試料の任意の二点間に発生する電位差を取り出し可
    能な一対の電極線を有することを特徴とする熱電特性測
    定装置。
  2. 【請求項2】前記試料の一端を加熱または冷却し、任意
    の時間の経過後における前記試料の他端の温度変化量を
    測定することにより前記試料の熱伝導率を測定可能な熱
    伝導率測定手段を有し、 該熱伝導率測定手段は、前記一対の電極部材を介して前
    記試料の両端の温度をそれぞれ測定可能な温度測定手段
    を有することを特徴とする請求項1記載の熱電特性測定
    装置。
  3. 【請求項3】前記一対の電極部材は、真空状態に保持可
    能またはガス置換可能な単一の気密容器内に設けられて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の熱電特性
    測定装置。
  4. 【請求項4】前記第1の熱源及び前記第2の熱源は、前
    記一対の電極部材を上下から挟むように配設されてお
    り、それら両熱源のうち上側の熱源は、案内部材でもっ
    て自重により下降可能に案内されていることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の熱電特性測定装置。
  5. 【請求項5】前記一対の電極部材のうちの一方の電極部
    材と前記第1の熱源との間、及び他方の電極部材と前記
    第2の熱源との間には、それぞれ、熱伝導性が良く、且
    つ電気的に絶縁な絶縁部材が介装されているとともに、 前記一対の電極部材と前記試料の両端面との間には、そ
    れぞれ、導電性及び熱伝導性が良く、且つ前記試料の各
    端面に密着可能な箔部材が介装されることを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の熱電特性測定装置。
  6. 【請求項6】前記第1の熱源と前記第2の熱源とは、可
    撓性を有し、且つ熱伝導性の良い部材で相互に連結され
    ていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5
    記載の熱電特性測定装置。
  7. 【請求項7】前記第1の熱源と前記第2の熱源とは、そ
    れら両熱源に外嵌される熱伝導性の良い筒体により相互
    に連結されていて、それら両熱源のうち上側の熱源は、
    前記筒体に対して摺動可能になっていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5記載の熱電特性測定装
    置。
  8. 【請求項8】前記温度測定手段は、前記一対の電極部材
    のうちの一方の電極部材に各接点が取り付けられた第1
    の熱電対及び第3の熱電対と、他方の電極部材に接点が
    取り付けられた第2の熱電対とからなり、 前記第1の熱電対の接点から延在する一対の導線は、前
    記第1の温度コントローラに接続されており、 また、前記第2の熱電対の接点から延在する一対の導線
    のうちの一方の導線は、前記第2の温度コントローラに
    接続されているとともに、同第2の熱電対の他方の導線
    は、前記第2の温度コントローラに接続される状態と、
    前記第3の熱電対の接点から延在する一対の導線のうち
    の一方の導線に電気的に接続される状態とに切替え可能
    になっており、 さらに、前記第3の熱電対の他方の導線は、前記第2の
    熱電対の他方の導線が前記第2の温度コントローラに接
    続される時に、開放される状態と、前記第2の熱電対の
    他方の導線が前記第3の熱電対の一方の導線に電気的に
    接続される時に、前記第2の温度コントローラに接続さ
    れる状態とに切替え可能になっていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6または7記載の熱電特性
    測定装置。
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