JPH07324952A - 制御棒駆動機構と水圧制御系の点検作業支援装置およびその点検作業支援方法 - Google Patents

制御棒駆動機構と水圧制御系の点検作業支援装置およびその点検作業支援方法

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JPH07324952A
JPH07324952A JP6116754A JP11675494A JPH07324952A JP H07324952 A JPH07324952 A JP H07324952A JP 6116754 A JP6116754 A JP 6116754A JP 11675494 A JP11675494 A JP 11675494A JP H07324952 A JPH07324952 A JP H07324952A
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JP
Japan
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crd
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drive mechanism
control rod
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JP6116754A
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Shunichi Shimizu
俊一 清水
Hiroki Yamamoto
博樹 山本
Naoaki Okuzumi
直明 奥住
Shinichi Ishisato
新一 石里
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】制御棒駆動機構と水圧制御系の健全性評価の精
度を向上させるとともに、点検・試験作業の高効率化を
図る。 【構成】制御棒駆動機構および水圧制御系の点検・試験
作業時に測定される制御棒駆動機構の駆動水圧の差圧信
号であるフリクションデータ、その信号波形パターン処
理結果など健全性の評価に必要な各種データを入出力す
る情報入出力装置2と、上記各種データと制御棒駆動機
構および水圧制御系の健全性評価データとを記憶・保存
する情報記憶・保存装置3と、この情報記憶・保存装置
3に記憶された各種データに基づいて制御棒駆動機構お
よび水圧制御系の健全性および異常を評価する情報処理
装置4と、情報記憶・保存装置3および情報処理装置4
で扱われるデータを表示する情報表示装置5とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子力プラントの制御棒
駆動機構(以下、CRDという。)と水圧制御系(以
下、HCUという。)の点検・試験作業の現場におい
て、CRDおよびHCUの健全性および異常の評価デー
タを提供することにより、現場における点検・試験作業
の効率化と評価の信頼性の向上を図るための制御棒駆動
機構と水圧制御系の点検作業支援装置およびその点検作
業支援方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力プラントのCRDおよびH
CUの点検・試験作業は、設計,保守の専門家や現場の
点検作業に関わる作業員によって、種々の情報収集並び
にその分析および経験・知識などにより判断されてい
る。
【0003】特に、CRDおよびHCUのフリクション
試験では、データレコーダなどにより測定されたフリク
ションデータをチャート紙などに印刷し、これを専門家
が手作業により分析・評価することにより、CRDおよ
びHCUの健全性を確認している。ここで、上記フリク
ションとは、HCUにより制御されるCRDの駆動水圧
の差圧、すなわち、CRDを原子炉内部に挿入するため
の駆動水が流れる挿入配管内圧と、CRDを原子炉内部
から引き抜くための駆動水が流れる挿入配管内圧との差
圧の時系列データである。
【0004】フリクション試験は、上記時系列データを
CRDの全引き抜き位置(“48”と称す。)から全挿
入位置(“00”と称す。)まで挿入する際の、“4
6”位置から“02”位置までの範囲(CRDの位置保
持が可能な24箇所(ノッチ)の範囲)で、ノッチ通過
部を除き、その差圧変化が1 kg/cm2 以下であることを
確認するランニングフリクション試験と、各ノッチ間の
時系列データを個別に測定し、その差圧が2.1 kg/cm
2 以上で差圧変化が0.7 kg/cm2 以下であることを確
認するセトリングフリクション試験との2種類がある。
【0005】フリクション試験は、挿入・引き抜き配管
から高圧ホースを通して差圧を測定するフリクション試
験装置またはデータレコーダなどにより、フリクション
データをチャート紙などに印刷し、これを専門家が手作
業により分析・評価している。
【0006】すなわち、図12は従来方法としてディジ
タル・データ・レコーダにより測定されたフリクション
データの一例を示している。従来のCRDおよびHCU
の点検・試験作業は、プリンターから出力されたフリク
ションデータの信号波形とその変化量などを点検・保守
の専門家や作業員が定規などを用いて手作業により読み
取り、例えば差圧変化幅などの読取り結果からCRDお
よびHCUの健全性や異常を評価している。この作業は
CRDおよびHCUの操作作業や上記の評価作業を含め
て1台当たり約1時間かかっており、1日当たり10台
程度しか点検できず、その効率化が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、CRD
およびHCUの点検・試験作業は、設備数の多いことか
ら、多大な労力と時間がかかっており、定期検査の工程
に占める割合も大きいため、その効率化と評価の信頼性
が高く要求されている。
【0008】また、CRDおよびHCUは、原子力プラ
ントの出力制御に関わる重要な機器であるため、点検・
試験の結果によっては、早急な対応が必要とされる場合
もあり、その判断に必要な情報の収集や分析、評価をよ
り迅速に実施できるような技術の開発も要望されてい
る。
【0009】このような状況下から、例えばプラントを
構成する各種設備機器の性能変化、経年劣化などの機器
の健全性を評価し、その結果から専門家の判定手順や知
識に基づいて推論される必要な点検・保守対応(意思決
定支援情報)を提供する保全対象設備選定装置が特開平
1−291115号公報に開示されており、その実施例
中にCRDの説明が示されている。この発明は、設備の
信頼性の実績を重視した適切な保全方式を確立してお
り、保全費用の削減や不具合の未然防止など経済性、稼
働率、および信頼性の向上を図ることを実証している。
【0010】しかしながら、このようなCRDの健全性
の評価に関わる従来技術においては、重要な判定要素の
一つであるフリクションデータやその信号波形パターン
およびデータ処理結果を適用した方法が検討されておら
ず、より一層の健全性の評価精度の向上が必要と考えら
れている。
【0011】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、制御棒駆動機構と水圧制御系の健全性評価の精
度を向上させるとともに、点検・試験作業の高効率化を
図った制御棒駆動機構と水圧制御系の点検作業支援装置
およびその点検作業支援方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る制御棒駆動
機構と水圧制御系の点検作業支援装置は、上述した課題
を解決するために、制御棒駆動機構および水圧制御系の
点検・試験作業時に測定される制御棒駆動機構の駆動水
圧の差圧信号であるフリクションデータ,その信号波形
パターン処理結果など健全性の評価に必要な各種データ
を入出力する情報入出力装置と、上記各種データと制御
棒駆動機構および水圧制御系の健全性評価データとを記
憶・保存する情報記憶・保存装置と、この情報記憶・保
存装置に記憶された各種データに基づいて制御棒駆動機
構および水圧制御系の健全性および異常を評価する情報
処理装置と、上記情報記憶・保存装置および上記情報処
理装置で扱われるデータを表示する情報表示装置とを備
えたことを特徴とする。
【0013】本発明に係る制御棒駆動機構と水圧制御系
の点検作業支援方法は、制御棒駆動機構および水圧制御
系の点検・試験作業時に測定される制御棒駆動機構の駆
動水圧の差圧信号であるフリクションデータを取り込
み、このフリクションデータのフリクション信号波形パ
ターン処理結果を算定し、この得られたフリクション波
形パターンおよび信号処理結果と制御棒駆動機構および
水圧制御系の挙動の知識・経験則との因果関係を用いて
制御棒駆動機構および水圧制御系の健全性および異常を
評価し、健全性データを提供することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の構成を有する本発明の制御棒駆動機構と
水圧制御系の点検作業支援装置においては、情報処理装
置に取り込まれたフリクションデータを信号波形パター
ン処理により自動的に算定することができるため、点検
・試験に関わる専門家が定規などを用いてチャート紙上
で手作業で読み取ることがなくなる。その結果、制御棒
駆動機構および水圧制御系の健全性および異常の評価デ
ータを迅速に提供することができる。
【0015】本発明の制御棒駆動機構と水圧制御系の点
検作業支援方法においては、現場で測定されたフリクシ
ョンデータを迅速に取り込み、フリクション波形パター
ンおよび信号処理結果と制御棒駆動機構および水圧制御
系の挙動の知識・経験則との因果関係を用いて制御棒駆
動機構および水圧制御系の健全性および異常を評価し、
健全性データを提供することにより、制御棒駆動機構お
よび水圧制御系の健全性を高精度に評価することができ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1は本発明に係る制御棒駆動機構と水圧
制御系の点検作業支援装置の一実施例を示すブロック図
である。図1に示すように、CRDおよびHCUの点検
作業支援装置1は、CRDおよびHCUの健全性の評価
に必要なフリクションデータD1、フリクション信号波
形パターン処理結果D2、CRDおよびHCUの点検・
試験結果D3、専門家の設計・保守知識データD4、C
RDおよびHCUの健全性評価データD5、および装置
使用者の操作要求データD6をそれぞれ入出力する情報
入出力装置2と、上記各データと、CRDおよびHCU
の健全性評価データD5とを記憶・保存する情報記憶・
保存装置3と、この情報記憶・保存装置3に記憶された
各種データと、信号波形パターン処理手段4aおよび知
識情報処理手段4bとにより、CRDおよびHCUの健
全性または異常などを評価する情報処理装置4と、情報
記憶・保存装置3、情報処理装置4で扱われるデータを
表示して使用者に提供する情報表示装置5とから構成す
ることにより、CRDおよびHCUの健全性または異常
などの評価データを得るようにしている。
【0018】ここで、フリクションデータD1は、HC
Uにより制御されるCRDの駆動水圧の差圧、すなわち
CRDを原子炉内部に挿入するための駆動水が流れる挿
入配管内圧と、CRDを原子炉内部から引き抜くための
駆動水が流れる挿入配管内圧との差圧の時系列データで
あり、具体的には図12に示す信号波形である。そし
て、フリクションデータD1は、これら信号波形データ
とその測定条件を示すものである。
【0019】フリクション信号波形パターン処理結果D
2は、例えばフリクションデータD1の差圧変化幅、差
圧値などを算定した結果、またはフリクションデータD
1のノッチ毎の増減を+/−の符号列に変換したデータ
などを示すものである。
【0020】CRDおよびHCUの点検・試験結果D3
は、フリクションデータD1の他に実施される各種の点
検・試験データおよびそれらの試験条件などのデータに
相当する。
【0021】専門家の設計・保守知識データD4は、例
えばフリクション信号波形パターン処理結果D2による
符号列の判定に基づいて想定される異常事象との関連を
記述したルール形式のデータであり、具体的には図8に
示す情報となる。例えば図8中の燃料ねじれ装荷は、想
定される異常事象の例であり、この場合、例えばフリク
ション信号波形パターン処理結果D2の符号列が連続し
て全データ(24ノッチ)の1/3を越えない範囲(1
/3以下の範囲)で減少することなどが設計・保守知識
データとなる。
【0022】CRDおよびHCUの健全性評価データD
5は、例えばフリクションデータD1の場合、差圧の絶
対値や変化幅などの設計仕様値を意味している。すなわ
ち、これはCRDおよびHCUの各種試験により得られ
るデータの健全性や異常の有無を判定するために必要と
なる設計仕様値や工場試験結果などを健全性評価データ
としている。
【0023】装置使用者の操作要求データD6は、デー
タの入力,検索,保存などの操作に必要な情報やデータ
の処理条件、画面表示条件などの情報や装置の使用に必
要な全ての情報を意味している。
【0024】図2はCRDおよびHCUの点検作業支援
装置を点検・試験作業の現場で使用する際の運用方式の
一例を示す説明図である。
【0025】CRDおよびHCUの点検・試験作業時に
得られるフリクションデータD1は従来と同様にディジ
タル・データ・レコーダ12を用いて測定する。ここ
で、ディジタル・データ・レコーダ12は可搬型の装置
に限らず、中央制御室に設置し、現場からのフリクショ
ンデータD1を伝送ラインを用いて収集し、測定するも
のでもよい。
【0026】この測定されたフリクションデータD1
は、オンライン信号伝送線13aを通して例えばパソコ
ンなどからなるCRDおよびHCUの点検作業支援装置
10に直接送出され、使用者の操作要求などに応じたデ
ータ処理を実行する。また、フリクションデータD1
は、オフライン信号伝送線13bによりICカード14
およびICカード・リーダ15を経てオフラインでCR
DおよびHCUの点検作業支援装置10に送出し、以下
上記と同様にデータ処理を実行することが可能である。
【0027】さらに、可搬型の計算機などに搭載された
CRDおよびHCUの点検作業支援装置10により、現
場で処理された各種データは、フロッピーディスク16
によりデータを記憶・保存する。このフロッピーディス
ク16に記憶・保存されたフリクションデータファイル
の情報17が、フリクションデータD1に相当するもの
であり、ヘッダ部においてはフリクションデータD1の
測定条件、例えばデータの点数、サンプリング周期、測
定日時、単位などを、これに続いてフリクションデータ
D1自体(差圧変化のディジタル値)が記録されてい
る。
【0028】フロッピーディスク16は、プラントの定
期点検事務所に設置したEWS(エンジニアリング・ワ
ーク・ステーション)などの卓上型の計算機に搭載され
たCRDおよびHCUの点検作業支援装置11により、
上記と同様のデータ処理を実行することが可能である。
【0029】このCRDおよびHCUの点検作業支援装
置11では、特開平1−291115号公報に開示され
た保全対象設備選定装置も同様にEWSなどの卓上型の
計算機に搭載されており、保全対象設備選定装置を搭載
している同一の計算機上に同時に搭載可能であり、保全
対象設備選定装置によるCRDおよびHCUの性能変
化、経年劣化などの健全性の評価結果と統合して、必要
な点検・保守対応(意思決定支援情報)を提供すること
ができる。
【0030】図3は図2により説明した方法により信号
伝送され、CRDおよびHCUの点検作業支援装置の情
報記憶・保存されたフリクションデータD1の認識番号
とその他の点検・試験作業により測定された各種データ
を情報表示装置5により、計算機の画面に表示した例を
示している。
【0031】ここでは、プラント名称、プラントの定期
検査の回数、CRDの炉心における配置、各種の点検・
試験データ、および過去の不具合事象データが記憶・保
存されていることを示している。これらのデータはフリ
クションデータD1およびCRDおよびHCUの点検・
試験結果D3に相当するものである。
【0032】図3に示した画面と情報入出力装置2とを
用いた対話形式の情報入力操作により、図12に示した
フリクションデータは識別番号(例えばbwr−11−
0219)a1などを割り当てることにより、各CRD
のフリクションデータをCRDおよびHCUの点検作業
支援装置1に入力、記憶・保存することができることを
示している。また、図3は特定のCRDに関する全ての
点検・試験データを検索し、表示した例である。画面右
側の操作ボタンb1をマウスなどの情報入出力装置2に
より指示することにより、特定の点検・試験データに関
する全てのCRDデータをCRDのロケーション(炉心
配置)毎に、入力、検索および表示する画面に切り替え
るようにしている。
【0033】図4は特定の点検・試験データに関する全
てのCRDのデータをCRDのロケーション(炉心配
置)毎にデータを表示した例を示している。これは各C
RDのフリクションデータの登録状況を確認するための
表示例であり、画面上の数値は、各CRDの変化幅を示
している。この値はCRDおよびHCUの健全性を評価
する上で重要な数値の1つであり、この値が1.0を越
えるものは異常の可能性が高いと判断され、そのCRD
は1ノッチ毎のセトリングフリクションデータを測定
し、このデータを用いた詳細な健全性の評価が必要とな
る。
【0034】図5は信号波形パターン処理手段4aと、
知識情報処理手段4bとを用いてフリクションデータを
評価し、点検・試験作業の現場において、点検・試験作
業の進行に応じてCRDおよびHCUの健全性または異
常などの評価結果データを提示するための一連のデータ
処理手順を示すフローチャートである。ここでは、フリ
クションデータが本実施例の支援装置の情報処理装置4
に取り込まれてから、CRDおよびHCUの健全性また
は異常などの評価結果データを算定・提示するまでのデ
ータ処理手順について示している。
【0035】まず、情報処理装置4に取り込まれたフリ
クションデータは、信号波形パターン処理手段4aによ
るデータ処理を行う。このデータ処理は、(1)ノッチ
位置差圧値の算定:ノッチ位置に相当する差圧値の算
定、(2)ノッチ間平均差圧値の算定:各ノッチ位置の
差圧値を除いた、各ノッチ位置間の差圧平均値の算定、
(3)最大値、最小値の算定:差圧平均値の最大値と最
小値の算定、(4)差圧変化値(ΔP):差圧平均値の
最大値と最小値の差であり、すなわち図6に示すように
フリクションデータの差圧変化値(ΔP)の算定を行
う。
【0036】さらに、図7に示すように(5)前記
(2)により算定された各ノッチ位置間の差圧平均値の
変化量を用いて、フリクションデータを符号列データへ
の変換を行う。(6)前記(5)により得られた差圧平
均値の変化量からフリクションデータの符号列データを
算定する。以上の結果が、信号波形パターン処理手段4
aから算定される。(1)〜(6)の各算定値および符
号列データは、情報記憶・保存装置3に保存するととも
に、情報入出力装置2を経て情報表示装置5に表示され
る。
【0037】ここでは、(4)により算定されたフリク
ションデータの差圧変化値(ΔP)を前述したCRDお
よびHCUの健全性評価データ、例えば差圧変化値(Δ
P)が1 kg/cm2 以下を用いて異常の有無を判定する。
差圧変化値(ΔP)が1 kg/cm2 を越えた場合は、前述
のセトリングフリクションデータの測定が必要であるこ
とを表示するとともに、知識情報処理手段4bを用いた
以下のデータ処理を行う。また、セトリングフリクショ
ンデータについても、同様に差圧変化値(ΔP)を算定
し、CRDおよびHCUの健全性評価データ、例えば差
圧変化値(ΔP)が0.7 kg/cm2 以下を用いて異常の
有無を判定し、その結果を支援装置1に提示する。
【0038】フリクションデータの差圧変化値(ΔP)
が1 kg/cm2 を越えた場合、図8に示す専門家の設計・
保守知識データD4と信号波形パターン処理手段4aか
ら算定された符号列データとを用いて知識情報処理手段
4bにより、異常事象の候補を推定する。この推定され
た異常事象の候補は、図9に示すように支援装置1に提
示する。
【0039】以下、信号波形パターン処理手段4aおよ
び知識情報処理手段4bによる前記の評価結果の算定方
法を図面に基づいて説明する。
【0040】図6は図3または図4に示した画面上の操
作ボタンb1と情報入出力装置2とを用いて、特定のC
RDのフリクションデータを表示し、さらに信号波形パ
ターン処理手段4aにより算定した差圧変化幅などの評
価データを支援装置の画面上に表示した例を示してい
る。
【0041】CRDの選定(表示したいフリクションデ
ータの選定)は、図4の場合、その画面上で、表示した
いCRDの炉心位置をマウスなどの情報入出力装置2で
指示することにより、選定・表示でき、図3の場合、C
RDまたはそのロケーション番号などにより点検・試験
データを検索し、表示されたフリクションデータの識別
番号の項目をマウスなどの情報入出力装置2で指示する
ことにより、選定・表示することができる。
【0042】現場での点検・試験作業(CRDの挿入ま
たは引き抜き作業)から、フリクションデータを点検作
業支援装置1に取り込み、図6に示すように支援装置の
画面上に表示するまでの時間は、リアルタイムまたはオ
フライン信号伝送の場合でも十数秒程度で実現してい
る。
【0043】図6中の直線a2は、CRDがノッチを通
過する際に差圧が急峻に変化する部分を示している。こ
の部分では差圧値が通常の値よりも大きく変化するた
め、しきい値を用いた判定などにより検知することがで
きる。直線b2は差圧変化値(ΔP)cを求めるための
上限/下限の差圧値を示している。この直線b2は、ノ
ッチ位置を示す差圧変化の直線a2の部分を除いた差圧
値の平均値(各ノッチ位置a2間の差圧変化値)の最大
値と最小値を示すものである。そして、差圧変化値(Δ
P)cは、この最大値と最小値との差に相当するもので
ある。
【0044】以上の方法により、信号波形パターン処理
手段4aは、情報処理装置4に取り込まれたフリクショ
ンデータの差圧変化値(ΔP)を自動的に算定する。し
たがって、本実施例では信号波形パターン処理手段4a
を用いて自動的に算定できるようにしている。さらに、
本実施例では、画面上のマウスdを用いて直線a2を専
門家の指示動作に従って移動することができ、また直線
a2の移動と同時に、差圧変化幅cの値をリアルタイム
で算定、表示することも可能である。
【0045】図7は信号波形パターン処理手段4aを用
いて、フリクションデータを符号列に置き換える方法を
示す説明図である。図7中、1〜15は24あるCRD
のノッチ番号を示しており、差圧平均値とはノッチ位置
を示す差圧値を除いた2つのノッチ間の差圧値の平均値
を示すものである。フリクションデータを+/−の符号
列に置き換える方法は、各ノッチ間の差圧平均値をその
一つ前の差圧平均値に対する増減を+/−の符号列に置
き換えるものである。例えば、ノッチ番号1とノッチ番
号2では、差圧平均値が50から51に変化しているた
め、これを上記の方法で符号列に変換すると、+1とな
る。
【0046】また、ノッチ番号2とノッチ番号3の符号
は、同様に+1となるが、ここでは1つ前の差圧平均値
との比較だけでなく、ノッチ番号1にまで全ての変化量
を符号列に変換する。例えば、ノッチ番号3とノッチ番
号1の場合、符号列は+2になることが示されている。
以下、同様に全ノッチ間について、同様の処理を行い、
図7に示すような符号列を自動的に作成する。
【0047】そして、作成された符号列から、例えば全
データ長の1/3以上が連続して凹または凸の増減をし
ていることや、差圧に局所的な変化が見られるなどの変
化を把握するものである。この変化は例えば図7中で枠
で囲んだ部分a3が全データ長の1/3以上が連続して
凸の変化をしていること、また枠で囲んだ部分b3は全
データ長の1/3以上が連続して凹の変化をしているこ
とを判定している例に基づいて把握することができる。
すなわち、符号列が枠で囲んだ部分a3,b3のように
8ノッチ分連続して+または−となった場合、上記の判
定が可能となり、このような判定を前記の信号波形パタ
ーン処理手段4aにより実行する。
【0048】図8はフリクションデータによるCRDお
よびHCUの健全性の評価に関わる専門家の設計・保守
知識データの一例を示す図である。ここで、専門家の設
計・保守知識データD4は、図6に示したような信号波
形パターン処理手段4aにより得られた信号処理結果
と、CRDおよびHCUの挙動の異常事象などの知識・
経験則との因果関係により構成されている。
【0049】すなわち、専門家の設計・保守知識データ
D4は、例えば燃料の捩れ装荷などのCRDおよびHC
Uに関わる異常事象と、差圧幅が全体の1/3以下であ
るなどの信号波形パターン処理手段4aにより判定され
た結果とを図8に示すような形式の因果関係ルールとし
て表現されている。これらのデータは点検作業支援装置
1の情報記憶・保存装置3に記憶されており、必要に応
じて追加・修正することを可能にしている。
【0050】知識情報処理手段4bは、健全性の評価対
象となっているCRDのフリクションデータの信号波形
パターン処理結果が図8に示した専門家の設計・保守知
識データD4に相当する事象を示しているか否かによ
り、CRDの異常事象の可能性を推定する。ここでは、
いわゆる知識工学のIF−THEN形式の推論処理によ
り、一致する信号波形パターン処理結果を探索するもの
である。IF部分は、例えば差圧幅が全体の1/3以下
であるなどであり、THEN部分は、例えば燃料の捩れ
装荷などに相当する。
【0051】そして、IF部分に一致する信号波形パタ
ーン処理結果の件数により、つまり合致する度合により
CRDに発生している可能性のある異常事象(THEN
部分のデータ)を推定し、提供するものである。すなわ
ち、CRDおよびHCUの健全性の評価は、信号波形パ
ターン処理手段4aにより得られた結果、例えば図7に
示すように全データ長の1/3以上が連続して凹または
凸の増減をしているなどを図8に示す因果関係ルールと
照し合わせて合致する異常事象、例えば燃料の捩れ装荷
などを推論し、提示することにより達成される。信号波
形パターン処理手段4aにより得られる結果としては、
他に差圧幅が全体の1/3以下であったり、差圧に局所
的な変化が見られたり、差圧が初期値に戻らないことな
どがあったりする。
【0052】図9は図8に示したCRDおよびHCUの
健全性の評価に関わる専門家の設計・保守知識データD
4と図6および図7に示した信号波形パターン処理手段
4aによる判定結果を用いて図6に示したデータ処理方
法により、特定のCRDのフリクションデータの健全性
を自動的に判定した結果を本実施例の支援装置の画面上
に表示した例を示している。図9では燃料捩れ装荷とい
う異常がCRDに発生している可能性があると判定され
た例を示すものである。
【0053】以上のように、本実施例のCRDおよびH
CUの点検作業支援装置では、現場で測定されたフリク
ションデータを迅速に取り込み、信号波形パターン処理
手段4aおよび知識情報処理手段4bを用いることによ
り、CRDおよびHCUの健全性を高精度に評価するこ
とができる。
【0054】図10は点検作業支援装置の画面を用いて
図5に基づいて説明したデータ処理手順を使用者との対
話形式により処理する場合の表示例を示すものである。
ここでは、情報記憶・保存装置3に記憶されている専門
家の設計・保守知識データD4の内、信号波形パターン
処理結果に関わる情報を画面上に提示し、専門家がフリ
クションデータの波形パターンを見て判定した結果を情
報入出力装置2を用いて、対話形式で入力し、その結果
からCRDおよびHCUの健全性を評価可能であること
を示している。すなわち、点検作業支援装置による自動
判定ではなく、専門家の判断により、評価の再確認など
の処理ができるようにしている。
【0055】図11は図9で示したCRDおよびHCU
の健全性評価結果において、異常の可能性が提示された
場合に測定された1ノッチ間のセトリングフリクション
データを検索、表示した例を示している。点検作業支援
装置は、これらセトリングフリクションデータの装置へ
の取り込み、データの記憶・保存および検索並びに知識
情報処理手段4bを用いた健全性の評価などの情報処理
を全てフリクションデータの場合と同様に取り扱うよう
にしている。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る制御
棒駆動機構と水圧制御系の点検作業支援装置によれば、
制御棒駆動機構および水圧制御系の点検・試験作業時に
測定される制御棒駆動機構の駆動水圧の差圧信号である
フリクションデータ、その信号波形パターン処理結果な
ど健全性の評価に必要な各種データを入出力する情報入
出力装置と、上記各種データと制御棒駆動機構および水
圧制御系の健全性評価データとを記憶・保存する情報記
憶・保存装置と、この情報記憶・保存装置に記憶された
各種データに基づいて制御棒駆動機構および水圧制御系
の健全性および異常を評価する情報処理装置と、情報記
憶・保存装置および情報処理装置で扱われるデータを表
示する情報表示装置とを備えたことにより、原子力プラ
ントの制御棒駆動機構および水圧制御系の点検・試験作
業の現場において、制御棒駆動機構および水圧制御系の
健全性および異常の評価データを迅速に提供することが
でき、現場における点検・試験作業の高効率化および評
価の信頼性の向上に寄与することができる。そして、作
業の高効率化が図れることにより、工程を短縮すること
ができ、設備の信頼性を高めることが可能となる。
【0057】また、本発明の制御棒駆動機構と水圧制御
系の点検作業支援方法によれば、現場で測定されたフリ
クションデータを迅速に取り込み、フリクション波形パ
ターンおよび信号処理結果と制御棒駆動機構および水圧
制御系の挙動の知識・経験則との因果関係を用いて制御
棒駆動機構および水圧制御系の健全性および異常を評価
し、健全性データを提供することにより、制御棒駆動機
構および水圧制御系の健全性を高精度に評価することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御棒駆動機構と水圧制御系の点
検作業支援装置の一実施例を示すブロック図。
【図2】本実施例の装置を点検・試験作業の現場で使用
する際の運用方式の一例を示す概略図。
【図3】本実施例の装置の情報記憶・保存されたフリク
ションデータおよび各種点検・試験データの画面表示例
を示す説明図。
【図4】特定の点検・試験データに関する全てのCRD
のデータを炉心配置毎に画面表示例を示す説明図。
【図5】信号波形パターン処理手段と知識情報処理手段
とを用いてフリクションデータの健全性を評価するデー
タ処理手順を示すフローチャート図。
【図6】信号波形パターン処理手段によるフリクション
データの処理結果の画面表示例を示す説明図。
【図7】信号波形パターン処理手段によりフリクション
データの符号列データに変換する処理法を示す説明図。
【図8】CRDおよびHCUの健全性を評価に関わる専
門家の設計・保守知識データの一例を示す説明図。
【図9】特定のCRDのフリクションデータの健全性を
自動的に判定した結果の画面表示例を示す説明図。
【図10】CRDおよびHCUの健全性の評価を使用者
との対話形式により処理した場合の画面表示例を示す説
明図。
【図11】セトリングフリクションデータの検索、表示
例をそれぞれ示す説明図。
【図12】従来方法としてディジタル・データ・レコー
ダにより測定されたフリクションデータの一例を示す説
明図。
【符号の説明】
1 点検作業支援装置 2 情報入出力装置 3 情報記憶・保存装置 4 情報処理装置 4a 信号波形パターン処理手段 4b 知識情報処理手段 5 情報表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石里 新一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御棒駆動機構および水圧制御系の点検
    ・試験作業時に測定される制御棒駆動機構の駆動水圧の
    差圧信号であるフリクションデータ,その信号波形パタ
    ーン処理結果など健全性の評価に必要な各種データを入
    出力する情報入出力装置と、上記各種データと制御棒駆
    動機構および水圧制御系の健全性評価データとを記憶・
    保存する情報記憶・保存装置と、この情報記憶・保存装
    置に記憶された各種データに基づいて制御棒駆動機構お
    よび水圧制御系の健全性および異常を評価する情報処理
    装置と、上記情報記憶・保存装置および上記情報処理装
    置で扱われるデータを表示する情報表示装置とを備えた
    ことを特徴とする制御棒駆動機構と水圧制御系の点検作
    業支援装置。
  2. 【請求項2】 制御棒駆動機構および水圧制御系の点検
    ・試験作業時に測定される制御棒駆動機構の駆動水圧の
    差圧信号であるフリクションデータを取り込み、このフ
    リクションデータのフリクション信号波形パターン処理
    結果を算定し、この得られたフリクション波形パターン
    および信号処理結果と制御棒駆動機構および水圧制御系
    の挙動の知識・経験則との因果関係を用いて制御棒駆動
    機構および水圧制御系の健全性および異常を評価し、健
    全性データを提供することを特徴とする制御棒駆動機構
    と水圧制御系の点検作業支援方法。
JP6116754A 1994-05-30 1994-05-30 制御棒駆動機構と水圧制御系の点検作業支援装置およびその点検作業支援方法 Pending JPH07324952A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013156077A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Toshiba Corp 制御棒駆動機構のフリクション試験測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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