JPH07323363A - 酸化物の除去方法 - Google Patents

酸化物の除去方法

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JPH07323363A
JPH07323363A JP11839294A JP11839294A JPH07323363A JP H07323363 A JPH07323363 A JP H07323363A JP 11839294 A JP11839294 A JP 11839294A JP 11839294 A JP11839294 A JP 11839294A JP H07323363 A JPH07323363 A JP H07323363A
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JP
Japan
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molten metal
buffer plate
injection sleeve
pouring
metal buffer
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JP11839294A
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Takashi Kawasaki
隆 川崎
Mitsuru Adachi
充 安達
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金あるいはマグネシウム合金
などの高圧鋳造時に製品内部へ混入する酸化物の除去方
法を提供する。 【構成】 竪型射出スリーブ間で環状の隙間を有する溶
湯緩衝板を前記射出スリーブと同軸方向に上下動する移
動軸の先端部に固着した酸化物除去装置を用い、前記射
出スリーブ内の上方に位置した状態で射出スリーブの上
方より溶湯緩衝板に向けて注湯した後前記環状の隙間よ
り流下させるとともに溶湯の湯面が上昇するに伴い溶湯
緩衝板を下降させ、途中溶湯の湯面と溶湯緩衝板が出会
った位置から溶湯の上昇速度に併せて前記溶湯緩衝板を
上昇させ、注湯完了時に湯面を前記溶湯緩衝板より上方
になるように位置させて前記溶湯緩衝板上に残留した酸
化物を前記溶湯緩衝板と一体的に取出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物の混入が少なく
機械的性質に優れた鋳造製品を得るための酸化物の除去
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のビスケットの正面図であ
る。ダイカストマシンなどの射出成形装置は、固定盤に
装着された固定金型と、可動盤に装着された可動金型と
を備えており、型締されたこれら両金型の接合部にはキ
ャビティが形成されている。また、固定金型のスリーブ
孔には、キャビティとの間をゲートで連通された固定ス
リーブが嵌着されており、この固定スリーブには、固定
盤側に支持された射出シリンダの射出スリーブが着脱自
在に接合されている。このように構成されていることに
より、射出スリーブに溶湯を供給して固定スリーブに接
合し、射出シリンダ内に設けたプランジャチップを油圧
などで前進させて射出シリンダ内の溶湯を押すと、溶湯
は固定スリーブとゲートとを経てキャビティ内へ射出さ
れる。
【0003】キャビティ内の溶湯が固化することにより
製品となるので、型開して製品を取出すが、このとき、
射出スリーブ内とゲート内とには、鋳造余剰材が製品と
切離されて残される。すなわち、溶湯が固化することに
より、金型キャビティ内には、一般にビスケットと呼ば
れる大径薄型円柱状の溶湯固化物が残り、またゲート内
にも溶湯固化物と一体でその中心部から突出する小径円
柱状の溶湯固化物が残る(なお、このあとスリーブ内の
溶湯固化物とゲート内の溶湯固化物とからなる鋳造余剰
材全体をビスケットという。また、スリーブ内の溶湯固
化物を大径部材72と呼び、ゲート内の溶湯固化物を小
径部材73という)。そして鋳造に際しては、溶湯の酸
化物などの非金属介在物がキャビティ内に侵入すると、
製品の品質が低下するので、一般にゲート内には図10
に符号74で示す金網が1ショットごとに装填されるこ
とがある。そして、この金網は小径部材内に埋設状態で
残される。このようにしてできた鋳造品からビスケット
71を切離す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ようにゲート内に金網を下方より装填した後、射出スリ
ーブ内に注湯したアルミニウム合金をプランジャチップ
によって押上げて金型キャビティ内に充填すると、溶湯
表面の酸化物や非金属介在物は金網74によって製品内
部への混入の一部は妨げられるが、残りの酸化物や非金
属介在物は金網74によって細かく破砕されて溶湯とと
もにキャビティへ充填される。このため良好な機械的性
質が得られていた。しかし、従来のビスケット71は上
記のように大径部材72と小径部材73で一体形成され
ており、ゲート内固化物である小径部材73には金網7
4が埋設されたままになっていることにより、このまま
回収して再使用することができないので材料の歩留りが
悪いといった問題があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、ア
ルミニウム合金あるいはマグネシウム合金などの高圧鋳
造時に製品内部へ混入する酸化物の除去方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明では、竪型射出スリーブ間で環状の隙
間を有する溶湯緩衝板を前記射出スリーブと同軸方向に
上下動する移動軸の先端部に固着した酸化物除去装置を
用い、前記射出スリーブ内の上方に位置した状態で射出
スリーブの上方より溶湯緩衝板に向けて注湯した後前記
環状の隙間より流下させるとともに溶湯の湯面が上昇す
るに伴い溶湯緩衝板を下降させ、途中溶湯の湯面と溶湯
緩衝板が出会った位置から溶湯の上昇速度に併せて前記
溶湯緩衝板を上昇させ、注湯完了時に湯面を前記溶湯緩
衝板より上方になるように位置させて前記溶湯緩衝板上
に残留した酸化物を前記溶湯緩衝板と一体的に取出すよ
うにした。
【0007】
【作用】射出スリーブ内に挿入した溶湯緩衝板間とで適
宜な環状の隙間を設けるとともに、溶湯緩衝板を射出ス
リーブ内の上方に位置させておく。次いで、とりべから
射出スリーブへ所望量のアルミニウム合金溶湯を注湯す
ると、溶湯は一旦落差の小さい溶湯緩衝板上へ落下した
後、環状の隙間を通って射出スリーブ内壁面上を整流と
なって流下し射出スリーブ内へ貯留される。貯留された
溶湯は次第に上昇するとともに溶湯緩衝板も下降させ、
溶湯の湯面と溶湯緩衝板とが出会った時点から溶湯緩衝
板を上昇させる。このため、とりべから溶湯緩衝板まで
の注湯落差が小さくとれるため、乱流を伴う飛散が防止
され、注湯途中に溶湯金属が新たに酸化されることが少
ない。
【0008】
【実施例】以下に、本発明に係る酸化物の除去方法の具
体的実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1ないし図7は本発明の実施例に係る射
出スリーブへの注湯時に混入した酸化物の除去方法を説
明する図、図8は竪鋳込型ダイカストマシンの正面図、
図9は竪型射出装置の縦断面図である。
【0010】図8および図9において、床面下には平面
視長方形状のピット1が設けられており、このピット1
の両端には、鋼板や形鋼などにより枠組形状された一対
のマシンベース2が床面上に延びて立設されており、こ
れらのマシンベース2の一方の端部には、ほぼ正方形状
に形成された固定プラテン3が載置されてその脚部3a
をボルト締めによって固定されている。
【0011】また、マシンベース2の他端部には、エン
ドプラテン4が移動調節自在に立設されて固定されてお
り、固定プラテン3とエンドプラテン4とは、4個のタ
イロッド5で4隅を連結されて移動調節後、ナット6で
固定されている。7はタイロッド5に4隅の孔を嵌合さ
れて固定プラテン3に対する遠近方向へ進退自在に形成
された可動プラテンであって、型締シリンダ8のピスト
ンロッド9との間をトッグル機構10を介して連結され
ており、油圧でピストンロッド9を進退させることによ
り、固定プラテン3に対して進退するように構成されて
いる。
【0012】固定プラテン3と可動プラテン7には、キ
ャビティ11a、12aとビスケット部15を有する固
定金型11と可動金型12とがそれぞれ装着されてお
り、型締シリンダ8に駆動されて可動プラテン7が型開
状態から前進することにより図1に示すように型締が行
われる。
【0013】次に、前記ピット1内に配設された竪鋳込
型の射出装置13について説明する。符号20はピット
1の底面に固設された受座18にピン19を介して回動
自在に枢支された射出シリンダであって、下段側から順
次射出シリンダ20、ドッキングフレーム22、射出ス
リーブ24が段設された構成となっている。射出シリン
ダ20内にはピストン26が設置され、該ピストン26
には上方に向って延びるロッド28が連結されている。
ドッキングフレーム22には上下方向に延びるシリンダ
孔30が設けられており、該シリンダ孔30内にはドッ
キングラム32が挿入され、該ドッキングラム32の下
端は射出シリンダ20の上面に形成されたフランジ34
に固着されている。
【0014】射出スリーブ24は連結部材36を介して
ドッキングフレーム22の上側に連結されており、その
上端はビスケット部15の下端に挿入可能とされてい
る。射出スリーブ24内にはプランジャチップ38が摺
動自在に設置されており、該プランジャチップ38を保
持するプランジャ40は、その下端がカップリング42
を介して前記ロッド28の上端に連結されている。ピッ
ト1の側面壁には傾転シリンダ44が受座46およびピ
ン48を介して傾動自在に枢支されており、該傾転シリ
ンダ44のピストン50に連結されているロッド52
は、その先端が継手54およびピン56を介して射出シ
リンダ20のフランジ34の側面に枢着されている。
【0015】符号60は酸化物除去装置であり、溶湯緩
衝板62、移動軸64から構成されている。溶湯緩衝板
62はとりべ66から注湯される溶湯68にひねりなど
の乱流を発生することなく整流となって射出スリーブ2
4の内壁面を流下するようにするものである。溶湯緩衝
板62の中心部と直交方向に移動軸64の先端部が固着
され、また移動軸64の他端部は例えば図示しないロボ
ットなどに把持した状態で射出スリーブ24の軸芯方向
に上下移動可能な構成となっている。溶湯緩衝板62の
投影面積A1 が射出スリーブ24の断面積A2 の60〜
95%、望ましくは75〜90%となるような径を有す
る平板を用いている。
【0016】また、図1に示す如く溶湯緩衝板62はと
りべ66より注がれる溶湯68を一旦受けるためのもの
であり、その注湯開始時の初期設定位置H2 を射出スリ
ーブ24の高さH1 の3/5未満ではとりべ66の注湯
位置から溶湯緩衝板62までの溶湯68の落差が大きい
ために注湯した溶湯68中に多くの気泡が発生し、この
ために酸化物70の発生および巻き込みが多くなる。ま
た、溶湯緩衝板62の高さH2 が射出スリーブ24の高
さH1 の4/5を超えた場合、溶湯緩衝板62から射出
スリーブ24の上端部までの長さが短くなりとりべ66
からの給湯量が一定である限り射出スリーブ24へ注湯
された溶湯68が射出スリーブ24から溢流しやすくな
るからである。
【0017】本実施例では、射出スリーブ24への注湯
開始時には溶湯緩衝板62(注湯後は溶湯68の湯面)
ととりべ66間の距離いわゆる溶湯68の落差をなるべ
く小さくして注湯時の酸化物70の発生を抑えるように
したものであり、一旦注湯された溶湯68は、液深が一
定になるように溶湯緩衝板62を下降させるようにした
ものである。
【0018】そして、一旦溶湯緩衝板62の上面に注湯
された溶湯68は射出スリーブ24と溶湯緩衝板62と
の隙間69から射出スリーブ24の内壁面に沿って流下
するが、溶湯68が隙間69を通る時すでに整流される
ことにより溶湯緩衝板62と射出スリーブ24の底部間
で酸化物70が副次的に発生する量は前記したとりべ6
6と溶湯緩衝板62間で発生する酸化物70に比較して
かなり小さいものといえる。
【0019】また、本実施例では溶湯緩衝板62の端縁
部近傍に残留空気排出管85または端縁部の一部を例え
ば30〜60度に起立させた起立部87が配設された構
成となっている。
【0020】注湯時に環状の隙間69全体にわたり射出
スリーブ24内に流入した溶湯68により逃げ遅れた射
出スリーブ24内の空気は図3に示すように溶湯緩衝板
62の下面62aに封じ込められた形になり、この封じ
込められた残留空気は残留空気排出管85を介して溶湯
上に排出するように構成されている。
【0021】この残留空気排出管85の配設位置は、溶
湯緩衝板62の中央部近傍より端縁部近傍に配設するこ
とが好ましい。この理由は、注湯のために射出装置13
を傾転させるとともに、この射出スリーブ24の軸芯に
酸化物除去装置60の移動軸64の軸芯を一致(同軸上
に位置させる)するようにした状態下で射出スリーブ2
4へ注湯した場合、注湯時、溶湯68中に逃げ場を失っ
て封じ込められた残留空気は図3に示すように溶湯緩衝
板62の左側端方向に移動することにより前述した残留
空気排出管85を介して溶湯上へ排出されるように構成
されている。なお、残留空気排出管85の長さは注湯時
に溶湯68が入らないような長さにすることが好まし
い。
【0022】酸化物除去装置60の材質はアルミニウム
合金やマグネシウム合金の溶湯に対して溶損しない例え
ば金属、非金属、あるいはその複合材が用いられる。な
お、符号58は固定スリーブ、65は金型スリーブ、6
6はとりべ、67はゲート部、69は溶湯緩衝板62と
射出スリーブ24間に設けられた環状の隙間を示す。
【0023】以上のように構成された竪型射出装置の動
作を説明する。本実施例では、溶湯緩衝板62に円形状
の残留空気排出管85を用いた場合について述べる。ま
ず、型締シリンダ8によって可動プラテン7を前進させ
て金型11、12を型締した後、図9に示すように傾転
シリンダ44のロッド52を前進させて鎖線位置へ傾動
させ、射出スリーブ24へ図示しない潤滑剤噴霧装置か
ら潤滑剤を噴霧供給する。次いで、図示しないロボット
などの把持装置で酸化物除去装置60の移動軸64を射
出スリーブ24と同軸上に位置するように把持した状態
で射出スリーブ24の軸方向に溶湯緩衝板62を下降さ
せ、溶湯緩衝板62と射出スリーブ24間に均一な環状
の隙間69を有するように位置させるとともに、図1に
示すように射出スリーブ24内での溶湯緩衝板62の高
さH2 を射出スリーブ24の高さH1 の例えば約4/5
になるように位置させる。
【0024】次いで、とりべ66によって図示しない溶
湯保持炉から例えばアルミニウム合金溶湯68を汲上げ
た後射出スリーブ24上で傾転しながら一旦溶湯68を
落差の小さい溶湯緩衝板62上へ静かに注湯を開始する
と、溶湯68は環状の隙間69から射出スリーブ24の
内壁面上を整流となって流下する溶湯量よりとりべ66
から射出スリーブ24内へ給湯する溶湯量の方が多く溶
湯緩衝板62上の溶湯量が射出スリーブ24外へ溢流す
る危険性があるため、給湯開始とともに溶湯緩衝板62
の下降を開始するのである。
【0025】特に、本発明に係る実施例では図1に示す
ようにとりべ66と溶湯緩衝板62間の溶湯68の落差
を小さくしておき、溶湯緩衝板62上に注湯された溶湯
68の量が、環状の隙間69を通って流下する溶湯68
の量より大きいことにより、放置すれば溶湯68は射出
スリーブ24から溢流するため、溶湯68の湯面が一定
になるように溶湯緩衝板62を降下するのである。
【0026】なお、溶湯68の湯面の検知については、
例えば2本の熱電対(図示なし)を前記湯面上方の一定
の高さに設置しておくとともに熱電対の先端部が例えば
5〜10mmの差を有するようにし、2本の熱電対がと
もに溶湯68に接触した時溶湯68が上昇して溢流の可
能性があるため溶湯緩衝板62の降下速度を上げるよう
にするのである。
【0027】逆に2本の熱電対がともに溶湯68に接触
しない時は溶湯緩衝板62の降下速度が大きいことによ
り溶湯緩衝板62の降下速度を小さくし絶えず1本の熱
電対のみが接触するように溶湯68の注湯量と溶湯緩衝
板62の降下速度を調整し、湯面80が一定の高さにな
るようにするのである。
【0028】引続き射出スリーブ24内へ溶湯68を注
湯し、とりべ66から溶湯68の湯面間の高さは変化し
ないようにするために溶湯緩衝板62を降下させる(図
2)。
【0029】環状の隙間69を通って射出スリーブ24
の底部に流下した溶湯68は時間とともに貯留されて湯
面80は漸増する。一方、溶湯緩衝板62は降下中であ
り前記上昇中の湯面と降下中の溶湯緩衝板62とが出会
うまでに、注湯された溶湯68が溶湯緩衝板62上で全
体的に拡がり環状の隙間69から流下しようとして射出
スリーブ24内の残留空気は逃げ場を失い溶湯緩衝板6
2の下面62a側に追い込まれた残留空気を前述した残
留空気排出管85からスムーズに湯面80上へ排出する
のである(図3)。
【0030】環状の隙間69から射出スリーブ24の底
部に流下し上昇中の湯面80aと降下中の溶湯緩衝板6
2とが出会う時点で射出スリーブ24内の残留空気が全
て残留空気排出管85から排出され、溶湯緩衝板62を
静かに上昇させる(図4)。なお、この時点でとりべ6
6から射出スリーブ24への注湯量は漸減しており、前
記した残留空気排出管85から射出スリーブ24内の残
留空気が全て排出された時点で注湯は完了するように行
うのが望ましい(図4)。
【0031】このように酸化物除去装置60の移動軸6
4の軸芯と射出スリーブ24の軸芯とを同軸上に位置さ
せながら溶湯緩衝板62を上昇させ、湯面80と溶湯緩
衝板62が適宜な角度(この角度は射出装置13の傾転
角度と同じとなる)で交差した状態となる。この場合、
溶湯緩衝板62の左側半分は酸化物70を捕捉したまま
湯面80上へ露出し、右側半分は溶湯68中に浸漬した
状態を呈し、酸化物70が湯面80上に浮遊したままで
あり未捕捉である(図5)。
【0032】この後、溶湯緩衝板62の上面に酸化物7
0を捕捉した状態で射出スリーブ24から引上げ、この
まま適宜な位置へ後退させる(図6)。
【0033】こうして溶湯緩衝板62上に捕捉された酸
化物70を前記溶湯緩衝板62と一体的に取り出し、適
宜な位置まで移動した状態下で溶湯緩衝板62上に捕捉
された酸化物70に例えば圧縮エア81などを吹付けて
溶湯緩衝板62上に付着、捕捉された酸化物70を除去
するのである(図7)。
【0034】酸化物70を除去する場合、圧縮エア81
を吹付けた場合について述べたが、酸化物70を外部加
熱、振動、吸引あるいは掴むなどして除去してもよい。
【0035】一方、射出スリーブ24への注湯が完了す
ると傾転シリンダ44のピストンロッド52側に圧油を
導入して射出装置13を起立させる。次いでシリンダ孔
30に圧油を導入するとドッキングフレーム22は所定
の速度で上昇を開始し、射出スリーブ24を固定スリー
ブ58に当接させる。さらに、ピストン26のヘッド側
に圧油を導入してプランジャチップ38を上昇させ溶湯
68を金型スリーブ65内へ上昇させる。最後に射出シ
リンダ20へ圧油を導入してプランジャチップ38をさ
らに上昇させてキャビティ11a、12a内へ溶湯68
を充填させる。キャビティ11a、12a内へ溶湯68
の凝固が終了した後は、射出プランジャ20とドッキン
グフレーム22を下降させ、図9に示す鎖線位置に傾転
するとともに、金型11、12を開いてキャビティ11
a、12a内の鋳造品を取出すが、型開時に製品とビス
ケット71を切断分離し、1サイクルを完了する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、竪型射出スリーブ間で環状の隙間を有する溶湯緩衝
板を前記射出スリーブと同軸方向に上下動する移動軸の
先端部に固着した酸化物除去装置を用い、前記射出スリ
ーブ内の上方に位置した状態で射出スリーブの上方より
溶湯緩衝板に向けて注湯した後前記環状の隙間より流下
させるとともに溶湯の湯面が上昇するに伴い溶湯緩衝板
を下降させ、途中溶湯の湯面と溶湯緩衝板が出会った位
置から溶湯の上昇速度に併せて前記溶湯緩衝板を上昇さ
せ、注湯完了時に湯面を前記溶湯緩衝板より上方になる
ように位置させて前記溶湯緩衝板上に残留した酸化物を
前記溶湯緩衝板と一体的に取出すようにしたことによ
り、溶湯金属中への外気および酸化物の巻込みおよび注
湯中射出スリーブ内の残留空気による副次的な酸化物の
発生が防止できるため、従来の鋳造品に比べきわめて品
質の優れた鋳造品が得られる。また、ビスケット部に金
網が埋設されないため鋳造余剰材(ビスケット)を有効
に利用することができ、歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出スリーブへの注湯状
態を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例に係る射出スリーブへの注湯状
態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る射出スリーブへの注湯状
態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る射出スリーブへの注湯状
態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る溶湯緩衝板による酸化物
の除去方法を説明する図である。
【図6】本発明の実施例に係る溶湯緩衝板による酸化物
の除去方法を説明する図である。
【図7】溶湯緩衝板上に捕捉された酸化物を除去する説
明図である。
【図8】竪鋳込型ダイカストマシンの正面図である。
【図9】竪型射出装置の縦断面図である。
【図10】従来のビスケットの正面図である。
【符号の説明】
3 固定プラテン 4 エンドプラテン 5 タイロッド 10 トッグル機構 11 固定金型 12 可動金型 11a、12a キャビティ 13 射出装置 15 ビスケット部 20 射出シリンダ 22 ドッキングフレーム 24 射出スリーブ 32 ドッキングラム 38 プランジャチップ 44 傾転シリンダ 58 固定スリーブ 60 酸化物除去装置 62 溶湯緩衝板 64 移動軸 65 金型スリーブ 68 溶湯 69 環状の隙間 70 酸化物 71 ビスケット 74 金網 80、80a 湯面 81 圧縮エア 85 残留空気排出管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型射出スリーブ間で環状の隙間を有す
    る溶湯緩衝板を前記射出スリーブと同軸方向に上下動す
    る移動軸の先端部に固着した酸化物除去装置を用い、前
    記射出スリーブ内の上方に位置した状態で射出スリーブ
    の上方より溶湯緩衝板に向けて注湯した後前記環状の隙
    間より流下させるとともに溶湯の湯面が上昇するに伴い
    溶湯緩衝板を下降させ、途中溶湯の湯面と溶湯緩衝板が
    出会った位置から溶湯の上昇速度に併せて前記溶湯緩衝
    板を上昇させ、注湯完了時に湯面を前記溶湯緩衝板より
    上方になるように位置させて前記溶湯緩衝板上に残留し
    た酸化物を前記溶湯緩衝板と一体的に取出すようにした
    ことを特徴とする酸化物の除去方法。
JP11839294A 1994-05-31 1994-05-31 酸化物の除去方法 Pending JPH07323363A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109332641A (zh) * 2018-09-30 2019-02-15 东莞市天禹五金科技有限公司 一种连接器外壳的生产模具及其生产工艺

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