JPH07322503A - 分散型電源系統連系受電設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、負荷容量の変動で停電状態に
なることを防止し、安定した電力を供給することができ
る分散型電源系統連系受電設備を提供することにある。 【構成】本発明の分散型電源系統連系受電設備は、各受
電用回線３毎に流れる逆電流とを短絡電流の検出し、自
家用発電機８とからの逆電流時間が短絡電流の逆電流時
間より長い時に受電遮断器４をトリップすることにあ
る。 【効果】本発明によれば、大容量負荷への配電を停止し
た場合に発生する逆電力に対しては、一定時間以上受電
用回線に逆電力が供給されたときに、受電遮断器をトリ
ップさせて、各負荷への電力供給の信頼性の向上に寄与
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、商用電源と自家発電設
備の分散した電源系統を連結した分散型電源系統連系受
電設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、商用電力系統に連系される分散型
電源は主として小水力発電，ゴミ焼却発電等であった
が、近年、エネルギー有効活用の観点から総合的な効率
向上を図るために、ディーゼルエンジンやガスタービン
等を用いた分散型電源系統連系受電・システムの導入が
進められている。

【０００３】また、燃料電池，太陽電池，風力発電等の
新エネルギー発電は、技術的に実用化段階に入りつつあ
り、電気事業法に基づく保安規制の整備等とあいまっ
て、クリーンなエネルギーとしてその導入が期待されて
いる。

【０００４】分散型電源系統連系受電設備は、特開昭63
−39424 号に提案されているように複数の商用電源と自
家発電設備を連結し、受電装置を介して配電用母線の各
負荷に供給している。この受電装置としては、例えば、
断路器，変圧器，遮断器などが用いられ、これらの装置
がそれぞれ直列に接続され、商用電源，自家用発電機側
と配電用母線の間に挿入されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】分散型電源系統連系受
電設備において、逆電力が起り得る条件は、商用電源側
の事故、分散型電源系統連系受電設備の大容量負荷への
配電を停止した場合が考えられる。また、逆電力が検出
されると受電遮断器をトリップさせ自家用発電機の単独
運転となり、最悪の場合は、自家用発電機が過負荷とな
り停止し、全停状態となることが考えられる。

【０００６】しかし、大容量負荷への配電を停止した場
合の逆電力については、電流も小さく、商用電源側には
ほとんど影響を及ぼさないにもかかわらず、受電遮断器
をトリップさせるため、電力の安定供給に対する信頼性
を低下させる１つの要因となっている。

【０００７】具体的には、自家用発電機の発電容量が商
用電源と比べて大きい場合に、大容量の電動機負荷が停
止すると、自家用発電機が発電容量を適正な量まで落と
す間、回生電力を含め余剰電力が自家用発電機から商用
電源側に逆電力として流れ込むが、発電容量の自動調整
が逆電力継電器の動作時間より遅くなると、逆電力継電
器が動作し、受電遮断器をトリップさせてしまい、自家
用発電機の単独運転となる。又、自家用発電機単独での
出力が全体の負荷より大きいと、過負荷となり停止し、
全停状態になる可能性がある。

【０００８】本発明の目的は、商用電源側の事故と負荷
容量の変動による逆電力とを区別することにより、負荷
容量の変動で停電状態になることを防止し、安定して電
力を供給することができる分散型電源系統連系受電設備
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の分散型電源系統連系受電設備は、電力系統
に受電用回線を接続し、受電用回線に受電遮断器と変圧
器とを接続し、変圧器の２次側を配電用母線に接続し、
配電用母線に自家発電用遮断器を介して自家発電用電源
を接続し、各受電回線毎に流れる短絡電流検出手段と逆
電力検出手段を設けた分散型電源系統連系受電設備にお
いて、前記自家発電用電源とからの逆電流時間が短絡電
流の逆電流時間より長い時に受電遮断器にトリップ指令
を出すことにある。

【００１０】

【作用】この結果、自家発電用電源とからの逆電流は各
負荷に供給電力として供給されるので、各負荷の停電を
防止できるようになった。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１に示す分散型
電源系統連系受電設備例えばスポットネットワーク受電
設備により説明する。

【００１２】図１のスポットネットワーク受電設備（３
相）において、電源変電所１の送電線１Ａには電源用遮
断器２を介して受電用回線３を接続している。受電用回
線３は受電遮断器４，ネットワーク変圧器５を介してネ
ットワーク母線６に接続されている。

【００１３】ネットワーク母線６は複数の負荷母線７と
自家用発電機８とを接続し、自家用発電機８とこれに隣
接する負荷母線側とに自家用遮断器９を接続している。
負荷母線７には負荷用遮断器７Ａと負荷例えばモータ７
Ｂとを接続している。

【００１４】また受電用回線３には変流器１０，計器用
変圧器１１，逆電力継電器１２，不足電圧継電器１３，
コントローラ１４が設けられている。

【００１５】３相内の任意の１相に取り付けられた逆電
力継電器１２は、計器用変圧器１１によって検出された
受電用回線３の電圧と、変流器１０によって検出された
受電用回線３の電流を取り込み、受電用回線３に逆方向
の電力が供給されたか否かを判定し、逆電力が供給され
たときには、コントローラ１４へ出力するようになって
いる。

【００１６】一方、不足電圧継電器１３は、計器用変圧
器１１によって検出された受電用回線３の電圧を取り込
み、電圧が通常の使用状態と比べ不足しているか否かを
判定し、電圧が不足していたときには、コントローラ１
４へ出力するようになっている。

【００１７】コントローラ１４のシーケンス回路は、図
２により説明する。直流回路の第１回路Ａに逆電力継電
器１２及び不足電圧継電器１３のＡ接点１２Ａ及びＡ接
点１３Ａとトリップコイル４Ａを接続している。第２回
路ＢにＡ接点１２Ａ及びタイマ１７Ｔを接続している。
タイマ１７ＴのＡ接点１７Ａは第１回路Ａに並列する第
３回路Ｃに接続し、第３回路Ｃは第１回路Ａに接続して
いる。タイマ１７Ｔは自家用発電機８からの逆電流時間
が短絡電流の逆電流時間より長い時に受電遮断器４にト
リップ指令を出すタイマである。

【００１８】次に、図１，図２により分散型電源系統連
系受電設備の作用を説明する。

【００１９】図１で短絡事故Ｘが生じると、ネットワー
ク母線６及び自家用発電機８側から電源変電所側に向か
って逆電流が流れる。逆電力継電器１２と不足電圧継電
器１３とが動作して、そのＡ接点１２Ａ及びＡ接点１３
Ａが閉じてトリップコイル４Ａに電流が流れて、受電遮
断器４をトリップする。

【００２０】一方、受電遮断器４が閉じた状態で、今、
負荷母線７側のモータ７Ｂで大電力を消費していた。そ
の電力は自家用発電機８により供給していたが、急に電
力消費が少なくなると、自家用発電機８からの電力の一
部は逆電流となって、電源変電所側に向かって流れる。
この場合、逆電力継電器１２及びＡ接点１２Ａは動作す
るが、不足電圧継電器１３は動作しないので、受電遮断
器４は遮断しない。

【００２１】しかし、本発明では自家用発電機８からの
逆電流時間の方が短絡電流の逆電流時間より長い時に
は、タイマ１７Ｔが動作してＡ接点１７Ａを閉じると、
トリップコイル４Ａに電流が流れて、受電遮断器４をト
リップする。

【００２２】

【発明の効果】従って、負荷母線７には自家用発電機８
から電流が供給されて、負荷が停電するのを防止できる
ようになったので、安定して電力を供給することができ
るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例として示した分散型電源系統連
系受電設備の全体回路図である。

【図２】コントローラのシーケンス回路図である。

【符号の説明】

３…受電用回線、４…受電遮断器、５…ネットワーク変
圧器、６…ネットワーク母線、８…自家用発電機、１０
…変流器、１１…計器用変圧器、１２…逆電力継電器、
１３…不足電圧継電器、１４…コントローラ、１７Ｔ…
タイマ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電力系統に受電用回線を接続し、受電用回
   線に受電遮断器と変圧器とを接続し、変圧器の２次側を
   配電用母線に接続し、配電用母線に自家発電用遮断器を
   介して自家発電用電源を接続し、各受電回線毎に流れる
   短絡電流検出手段と逆電力検出手段とを設けた分散型電
   源系統連系受電設備において、前記自家発電用電源とか
   らの逆電流時間が短絡電流の逆電流時間より長い時に受
   電遮断器にトリップ指令を出すことを特徴とする分散型
   電源系統連系受電設備。
2. 【請求項２】前記自家発電用電源とからの逆電流時間が
   短絡電流の逆電流時間より長い時に受電遮断器をトリッ
   プ指令を出すタイマを設けることを特徴とする請求項１
   記載の分散型電源系統連系受電設備。