JPH07322483A - 開閉器子局の試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配電線の区分開閉器毎の配電線搬送方式のポ
ーリング通信機能を有する開閉器子局の試験を確実に行
う。 【構成】 試験対象の開閉器子局４の配電線２との接続
ラインの親局５からの呼出信号の周波数成分を抽出して
呼出信号の有，無を検出する呼出信号検出部２１と、試
験指令用の確認釦１２の操作により呼出信号検出部２１
の検出結果が無検出になるまで送信部１７の試験信号の
注入を禁止して試験待機に制御し，前記検出結果が無検
出になったときに試験信号を前記接続ラインに注入して
試験を許可する注入制御部２２とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配電線の区分開閉器毎
に設けられた配電線搬送方式のポーリング通信機能を有
する開閉器子局の試験装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、配電線搬送方式のポーリング通信
により遠方監視制御を行う配電設備は本願発明の１実施
例の図２に示すように構成され、例えば変電所１から引
出された配電線２の区分開閉器３毎に、開閉器子局４が
設けられる。

【０００３】これらの子局４は変電所１の親局５との通
信機能及び自局の区分開閉器３の開閉器制御機能を有
し、変圧器６，７を介した自局の区分開閉器３の電源側
又は負荷側の系統電源により動作する。なお、図２にお
いては、変電所１に親局５及び変電所子局８が設けられ
ている。

【０００４】そして、各開閉器子局４は変圧器６，７の
２次側電圧及び事故検出センサ（図示せず）の検出出力
に基づき、自局の区分開閉器３の電源側，負荷側の系統
電源の電圧，電流を監視し、この監視の結果及び親局５
からの制御指令に基づき、自局の区分開閉器３の入，切
を制御する。

【０００５】また、親局５はいわゆる常時ポーリングに
より、例えば１時間毎にポーリング通信のオン期間とオ
フ期間とに交互に設定され、オン期間に変電所子局８を
呼出し、各開閉器子局４を順次に呼出してそれぞれの監
視情報等を集収し、地絡等の配電線２の事故発生時、事
故区間の切離し等に必要な制御指令を各子局４に選択的
に与える。

【０００６】ところで、各開閉器子局４は保守，点検等
の際に試験装置を用いてそれぞれの通信機能等の異常の
有，無が試験される。つぎに、この試験に用いられる従
来の開閉器子局の試験装置につき、本願発明の１実施例
の図１，図２を参照して説明する。

【０００７】まず、図２に示すように試験装置９は試験
対象の開閉器子局（以下試験子局という）４の変圧器
６，７の２次側の給電・通信ライン１０，１１にケーブ
ル接続されて試験子局４に接続される。なお、ライン１
０，１１は試験子局４を配電線１に接続する接続ライン
を形成する。

【０００８】そして、図１に示すように試験装置９の試
験指令用の確認釦１２を押すと、マイクロコンピュータ
構成の制御処理回路１３に設けられた従来の送信制御部
は釦１２の操作により試験指令が与えられることを条件
として注入部１４の電源側，負荷側の開閉器１５，１６
のうちの電源側の開閉器１５を直ちに閉成し、送信部１
７の試験信号を開閉器１５を介してライン１０に注入す
る。なお、開閉器１５，１６はライン１０，１１と送信
部１７との間それぞれに設けられ、電源側，負荷側の開
閉器に変更自在に予め設定される。

【０００９】そして、系統電源の切換え等により配電線
１の負荷側から給電されるようなときは、開閉器１６が
閉成し、ライン１１に試験信号が注入される。また、試
験信号は図２の親局５が送信するポーリング通信の呼出
信号の模擬信号であり、周波数，信号形式等は呼出信号
と同じであるが、その送信電力は配電線１に漏れない程
度に呼出信号より微弱に設定されている。

【００１０】そして、ライン１０又は１１の試験信号が
試験子局４に受信され、監視情報に基づく試験子局４の
返信信号がライン１０又は１１に送信されると、この返
信信号が試験装置９の受信部１８に受信される。なお、
返信信号は呼出信号，試験信号と周波数が異なり、受信
部１８はフィルタ分離等により返信信号のみを受信す
る。

【００１１】そして、受信部１８の受信結果に基づき、
制御処理回路１３に設けられた子局状態検出部１９は試
験子局４の通信機能，開閉器制御機能等の状態を解析
し、それらの異常の有，無を判別し、その結果及び受信
結果に基づく試験子局４の区分開閉器３の状態等を表示
部２０に表示する。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】前記従来のこの種試験
装置の場合、確認釦１２を操作すると、直ちに試験信号
がライン１０又は１１に注入されて試験が行われるた
め、親局５からの呼出信号と試験信号とが同時にライン
１０又は１１を介して試験子局４に受信される事態が生
じる。

【００１３】このとき、試験子局４は信号の正常な受信
処理等が行えなくなり、試験信号に対する返信を送信し
ないため、試験できなくなる問題点がある。本発明は、
確実に試験が行えるようにして信頼性を向上することを
目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の開閉器子局の試験装置においては、試験
子局の配電線との接続ラインの呼出信号の周波数成分を
抽出して呼出信号の有，無を検出する呼出信号検出部
と、確認釦の操作により呼出信号検出部の検出結果が無
検出になるまで送信部の試験信号の注入を禁止して試験
待機に制御し，検出結果が無検出になったときに試験信
号を接続ラインに注入して試験を許可する送信制御部と
を備える。

【００１５】

【作用】前記のように構成された本発明の開閉器子局の
試験装置の場合、確認釦が操作されて試験が指令される
と、送信制御部は呼出信号検出部の検出結果に基づいて
送信部の試験信号の接続ラインへの注入を制御する。

【００１６】そして、呼出信号検出部の検出結果が呼出
信号有りになり、試験子局の接続ラインに親局の呼出信
号が存在するときは、呼出信号検出部の検出結果が呼出
信号無しになって試験子局の呼出信号の受信が終了する
まで試験信号の注入を禁止し、呼出信号が消失した後に
試験信号を接続ラインに注入して試験を許可する。その
ため、親局の呼出信号と試験信号とが重ならず、試験信
号に基づく試験が確実に行える。

【００１７】

【実施例】１実施例について、図１及び図２を参照して
説明する。図２は配電線搬送方式のポーリング通信によ
り配電線２の各区分開閉器３を遠方監視制御する配電設
備の構成を示し、開閉器３毎に開閉器子局４が設けられ
る。

【００１８】そして、この開閉器子局４を試験する際
は、図１に示す試験装置９がライン１０，１１を介して
試験子局４に接続される。そして、この試験装置９が従
来装置と異なる点はつぎの（ｉ），（ii）の点である。

【００１９】（ｉ）バンドパスフィルタ等の呼出信号の
周波数成分の検出手段を有する呼出信号検出部２１を備
え、この検出部２１によりライン１０，１１の呼出信号
の周波数成分を抽出して呼出信号の有，無を検出する
点。

【００２０】（ii）制御処理回路１３に確認釦１２の操
作信号及び検出部２１の検出信号が供給される注入制御
部２２を設け、この制御部２２により検出部２１の検出
結果に基づいて注入部１４の開閉器１５，１６の開閉を
制御し、試験信号の注入タイミングを制御する点。そし
て、確認釦１２が操作されて試験指令が注入制御部２２
に与えられると、この制御部２２は、まず検出部２１の
検出結果を取込んで判別する。

【００２１】このとき、図２の親局５のポーリング通信
のオン期間中であって親局５の呼出信号が配電線２から
変圧器６，７を介して試験子局４のライン１０，１１に
注入されていれば、検出部２１は呼出信号を抽出して検
出し、その検出結果が呼出信号有りになる。そして、こ
の呼出信号有りの判別に基づき、送信制御部２２は試験
待機に移行し、検出部２１の検出結果が呼出信号無しに
なるまで開閉器１５，１６を共に開放保持し、試験信号
の注入を禁止する。

【００２２】そして、ポーリング通信のオン期間中のい
ずれかの子局４の呼出しの終了又はポーリング通信のオ
フ期間への移行により、親局５の呼出信号が消失する
と、検出部２１の検出結果が呼出信号無しに変化する。

【００２３】このとき、送信制御部２１は試験制御に移
行し、電源側の開閉器１５を閉成して送信部１７の試験
信号をライン１０に注入し、試験を許可する。そして、
試験信号に基づく試験子局４の返信信号を受信部１８が
受信し、この受信部１８の受信結果に基づき、子局状態
検出部１９が試験子局４の各機能の状態を解析してそれ
らの異常の有無を判別し、表示部２０に従来と同様の表
示を行う。

【００２４】したがって、試験信号の注入が親局５の呼
出信号の消失を待って行われ、ポーリング通信のオン期
間中であっても両信号が重ならず、試験信号に対する試
験子局４の返信信号を得て確実に試験が行える。なお、
試験に要する時間は子局４の呼出しの間隔より十分に短
く、ポーリング通信のオン期間中であっても信号の重な
りはほとんど生じない。

【００２５】また、確認釦１２が操作されたときに検出
部２１の検出結果が呼出信号無しであれば、送信制御部
２２は直ちに開閉器１５を閉成して試験信号を注入す
る。さらに、配電線１の負荷側から系統電源が供給され
るようなときは、開閉器１６を閉成してライン１１に試
験信号が注入される。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、以下に記載する効果を奏する。確認釦１２
が操作されて試験が指令されると、送信制御部２２は呼
出信号検出部２１の検出結果に基づいて送信部１７の試
験信号の接続ラインへの注入を制御し、検出部２１の検
出結果が呼出信号有りになり、試験子局４の接続ライン
に親局５の呼出信号が存在するときは、検出部２１の検
出結果が呼出信号無しになって試験子局４の呼出信号の
受信が終了するまで試験信号の注入を禁止し、呼出信号
が消失した後に試験信号を接続ラインに注入して試験を
許可するため、親局５の呼出信号と試験信号とが重なら
ず、試験信号に基づく試験が確実に行え、信頼性の向上
等が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の開閉器子局の試験装置の１実施例のブ
ロック図である。

【図２】本発明の１実施例の配電設備のブロック図であ
る。

【符号の説明】

２ 配電線 ３ 区分開閉器 ４ 開閉器子局 ５ 親局 １２ 確認釦 １３ 制御処理回路 １４ 注入部 １７ 送信部 １８ 受信部 ２１ 呼出信号検出部 ２２ 送信制御部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 監視制御の親局からの配電線搬送方式の
   ポーリング通信の呼出しに応動して前記親局に応答を返
   信する通信機能及び開閉器制御機能を有する配電線の区
   分開閉器毎の開閉器子局の試験時、 試験対象子局に接続され、試験指令用の確認釦の操作に
   より送信部から前記試験対象子局の前記配電線との接続
   ラインに前記親局の呼出信号を模擬した前記呼出信号の
   周波数の試験信号を注入し、 該試験信号に基づく前記試験対象子局の返信信号を受信
   部により受信して前記試験対象子局の状態を試験する開
   閉器子局の試験装置において、 前記接続ラインの前記呼出信号の周波数成分を抽出して
   前記呼出信号の有，無を検出する呼出信号検出部と、 前記確認釦の操作により前記呼出信号検出部の検出結果
   が無検出になるまで前記試験信号の注入を禁止して試験
   待機に制御し，前記検出結果が無検出になったときに前
   記試験信号を前記接続ラインに注入して試験を許可する
   送信制御部とを備えた開閉器子局の試験装置。