JPH07322406A - 電気車の制御装置 - Google Patents
電気車の制御装置Info
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- JPH07322406A JPH07322406A JP10808794A JP10808794A JPH07322406A JP H07322406 A JPH07322406 A JP H07322406A JP 10808794 A JP10808794 A JP 10808794A JP 10808794 A JP10808794 A JP 10808794A JP H07322406 A JPH07322406 A JP H07322406A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電気車速度に従い電動機軸回転方向の振動が増
加しても、どのような速度域においても空転・滑走検出
の不要動作は発生させないことにある。 【構成】電動機回転数の変化率を演算する単位の時間を
電気車速度に応じて増加させる。 【効果】速度に従い電動機軸回転方向の振動が増加して
も、どのような速度域においても空転・滑走検出の不要
動作は発生せず、電気車の良好な速度制御を行うことが
できる。
加しても、どのような速度域においても空転・滑走検出
の不要動作は発生させないことにある。 【構成】電動機回転数の変化率を演算する単位の時間を
電気車速度に応じて増加させる。 【効果】速度に従い電動機軸回転方向の振動が増加して
も、どのような速度域においても空転・滑走検出の不要
動作は発生せず、電気車の良好な速度制御を行うことが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気車の制御装置に係
り、特に空転・滑走の検出に関する。
り、特に空転・滑走の検出に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両においては、動輪(動力をレー
ルに伝えるための車輪)とレール間の摩擦によりトルク
をレールに伝達し、加・減速を行っており、Fを動輪周
引張力(又はブレーキ力)、Wを動輪上重量とすると、
μ=F/Wなる期待摩擦係数(粘着係数)が求められ、
通常は、動輪とレール間の摩擦係数は上式で求められる
μより大きいため、空転・滑走は発生しないが、降雨等
によって摩擦係数が低くなった場合、上式で求められる
μの値の方が大きくなり、空転・滑走が発生する。
ルに伝えるための車輪)とレール間の摩擦によりトルク
をレールに伝達し、加・減速を行っており、Fを動輪周
引張力(又はブレーキ力)、Wを動輪上重量とすると、
μ=F/Wなる期待摩擦係数(粘着係数)が求められ、
通常は、動輪とレール間の摩擦係数は上式で求められる
μより大きいため、空転・滑走は発生しないが、降雨等
によって摩擦係数が低くなった場合、上式で求められる
μの値の方が大きくなり、空転・滑走が発生する。
【0003】今、ある動輪に空転が発生したことを考え
る。図6に示すように、空転が発生した動輪、即ち空転
軸速度5は、空転を発生していない動輪、即ち列車速度
1の加速度よりも高い加速度で回転するので、その加速
度を監視することによって空転の検出が行うことができ
る。
る。図6に示すように、空転が発生した動輪、即ち空転
軸速度5は、空転を発生していない動輪、即ち列車速度
1の加速度よりも高い加速度で回転するので、その加速
度を監視することによって空転の検出が行うことができ
る。
【0004】鉄道車両が走行するときには、レール面上
の凹凸や左右方向の歪み、車輪踏面の凹凸等により、多
くのバネ系を持つ台車には機械的な振動が発生する。ま
た、撓み継ぎ手・歯車装置などの機械的遊びも振動を増
幅する原因となり、駆動電動機にはこれらの振動が伝達
されることになる。
の凹凸や左右方向の歪み、車輪踏面の凹凸等により、多
くのバネ系を持つ台車には機械的な振動が発生する。ま
た、撓み継ぎ手・歯車装置などの機械的遊びも振動を増
幅する原因となり、駆動電動機にはこれらの振動が伝達
されることになる。
【0005】この現象は低速走行時も発生するものであ
り、特にレールの接続部、分岐器通過時に大きな振動が
駆動電動機に伝達されることが知られている。これらの
振動のうち、駆動電動機の軸回転方向に発生する振動成
分は、軸回転速度に変化を与えることになり、電動機回
転数を監視して空転・滑走を検出するインバータ制御電
気車においては注意が必要である。即ち、図7(a)
(b)に示すように、これらの振動による電動機回転数
変化まで検出すると、実際には電気車として空転・滑走
していないにもかかわらず、空転・滑走の検出を行って
しまうことになり、検出の不要動作となるためである。
従って、電動機軸回転方向の振動による回転数変化には
応答せず、且つ空転・滑走発生時には正常に検出ができ
るように検出の設定値を決定している。
り、特にレールの接続部、分岐器通過時に大きな振動が
駆動電動機に伝達されることが知られている。これらの
振動のうち、駆動電動機の軸回転方向に発生する振動成
分は、軸回転速度に変化を与えることになり、電動機回
転数を監視して空転・滑走を検出するインバータ制御電
気車においては注意が必要である。即ち、図7(a)
(b)に示すように、これらの振動による電動機回転数
変化まで検出すると、実際には電気車として空転・滑走
していないにもかかわらず、空転・滑走の検出を行って
しまうことになり、検出の不要動作となるためである。
従って、電動機軸回転方向の振動による回転数変化には
応答せず、且つ空転・滑走発生時には正常に検出ができ
るように検出の設定値を決定している。
【0006】図7(a)は電動機回転数2に振動の重畳
がなく、列車速度1と同一である場合を示しており、こ
の場合、空転検知用回転数変化値3,空転検知用単位時
間4を図示のとおりに設定しておいても検出の不要動作
となることはないが、図7(b)は電動機回転数2に振
動の重畳がある場合を示しており、この場合、図7
(a)と同じ空転検知用回転数変化値3,空転検知用単
位時間4に設定していると検出の不要動作が発生するこ
とを示している。
がなく、列車速度1と同一である場合を示しており、こ
の場合、空転検知用回転数変化値3,空転検知用単位時
間4を図示のとおりに設定しておいても検出の不要動作
となることはないが、図7(b)は電動機回転数2に振
動の重畳がある場合を示しており、この場合、図7
(a)と同じ空転検知用回転数変化値3,空転検知用単
位時間4に設定していると検出の不要動作が発生するこ
とを示している。
【0007】列車が高速で走行する時には、上記にて述
べた振動が機械的な共振などの理由によって増大して行
く傾向にある。
べた振動が機械的な共振などの理由によって増大して行
く傾向にある。
【0008】この問題を解決するため、電気車速度の増
大に伴って空転・滑走の検知レベル(設定値)を大きく
することが特開昭62−160001号公報に記載されている。
大に伴って空転・滑走の検知レベル(設定値)を大きく
することが特開昭62−160001号公報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、電気
車速度の上昇に伴って空転・滑走検知レベルを増加させ
ているので、実際の空転・滑走が発生した際、大きな空
転・滑走検知レベルに加速度が到達するまで、空転・滑
走の検知が行われず、空転・滑走状態が長い間継続して
しまうという問題があった。
車速度の上昇に伴って空転・滑走検知レベルを増加させ
ているので、実際の空転・滑走が発生した際、大きな空
転・滑走検知レベルに加速度が到達するまで、空転・滑
走の検知が行われず、空転・滑走状態が長い間継続して
しまうという問題があった。
【0010】本発明の目的は、空転・滑走以外の振動に
よる誤検知を少なくし、しかも、空転・滑走は短期間で
検知することである。
よる誤検知を少なくし、しかも、空転・滑走は短期間で
検知することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電動機回転
数の変化率を演算するための時間を、電気車速度の上昇
に伴って、大きくすることによって解決される。
数の変化率を演算するための時間を、電気車速度の上昇
に伴って、大きくすることによって解決される。
【0012】
【作用】電動機回転数に重畳される機械的共振などの振
動は、電気車速度の増大に伴って振幅が大きくなること
は前述の通りである。しかし、共振の周波数はあまり変
化しないので、もし、電動機回転数の変化率を演算する
ための時間が一定であり、振動の半周期の谷と山の値を
サンプリングしたとすると、その値から演算される変化
率は、電気車速度の増加に応じて大きくなってしまう。
上記従来技術では、空転・滑走検知レベルを電気車速度
に応じて大きくしているのであるが、前述のごとく本当
の空転・滑走を検知することが遅れてしまう。
動は、電気車速度の増大に伴って振幅が大きくなること
は前述の通りである。しかし、共振の周波数はあまり変
化しないので、もし、電動機回転数の変化率を演算する
ための時間が一定であり、振動の半周期の谷と山の値を
サンプリングしたとすると、その値から演算される変化
率は、電気車速度の増加に応じて大きくなってしまう。
上記従来技術では、空転・滑走検知レベルを電気車速度
に応じて大きくしているのであるが、前述のごとく本当
の空転・滑走を検知することが遅れてしまう。
【0013】そこで、電動機回転数の変化率を演算する
ための時間を、電気車の速度の上昇に応じて大きくする
ことにより、加速度の算出に機械的な共振による影響を
少なくするようにした。例えば、振動の半周期の谷と山
ではなく振動の1周期半の谷と山をサンプリングしたと
すると、演算される加速度は半周期の演算に比べて小さ
くなる。
ための時間を、電気車の速度の上昇に応じて大きくする
ことにより、加速度の算出に機械的な共振による影響を
少なくするようにした。例えば、振動の半周期の谷と山
ではなく振動の1周期半の谷と山をサンプリングしたと
すると、演算される加速度は半周期の演算に比べて小さ
くなる。
【0014】以上により、演算周期が長くなる分検出は
遅れるが、本来の空転・滑走の検出精度を変えずに、誤
検知を極力減少させることができる。
遅れるが、本来の空転・滑走の検出精度を変えずに、誤
検知を極力減少させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図4を用
いて説明する。
いて説明する。
【0016】駆動電動機に交流誘導電動機(図示しな
い)を可変電圧・可変周波数インバータ(図示しない)
にて制御するVVVFインバータ制御電気車における制
御を例にとって説明する。図1のブロック図において、
図示しない誘導電動機に取り付けられたPGセンサ6か
らの信号を電動機回転数検出手段7に入力し電動機回転
数を最大/最小選択部9に入力する。最大/最小選択部
9では力行時には入力された電動機回転数のうち最小値
を、回生(ブレーキ)時には最大値を選択して出力す
る。これは、力行時には最小の値を出力している電動機
が空転してなく、反対に、回生時には最大の値を出力し
ている電動機が滑走していないという考えに基づくもの
である。この値は帰還電動機回転数10として、インバ
ータ周波数20を作成するために用いられる。
い)を可変電圧・可変周波数インバータ(図示しない)
にて制御するVVVFインバータ制御電気車における制
御を例にとって説明する。図1のブロック図において、
図示しない誘導電動機に取り付けられたPGセンサ6か
らの信号を電動機回転数検出手段7に入力し電動機回転
数を最大/最小選択部9に入力する。最大/最小選択部
9では力行時には入力された電動機回転数のうち最小値
を、回生(ブレーキ)時には最大値を選択して出力す
る。これは、力行時には最小の値を出力している電動機
が空転してなく、反対に、回生時には最大の値を出力し
ている電動機が滑走していないという考えに基づくもの
である。この値は帰還電動機回転数10として、インバ
ータ周波数20を作成するために用いられる。
【0017】一方、図示しない誘導電動機U相V相W相
の電動機電流を電動機電流検出器で検出し、実効値演算
部12に出力する。実効値演算部12では、電動機電流
実効値13を演算し電流帰還値を出力する。この電動機
電流実効値13と電動機電流指令14との偏差が電流制
御部15に入力され、電動機電流実効値13が電動機電
流指令14に追従するようなすべり周波数補正値16が
出力される。このすべり周波数補正値16とすべり周波
数指令17が加算されすべり周波数18が出力され、帰
還電動機回転数10と加減算され、ダンピング制御部1
9によりダンピング制御が施されてインバータ周波数2
0を得る。図示しないインバータは、このインバータ周
波数20及びこのインバータ周波数20によって演算さ
れるインバータ出力電圧指令に基づいてパルス幅変調制
御される。
の電動機電流を電動機電流検出器で検出し、実効値演算
部12に出力する。実効値演算部12では、電動機電流
実効値13を演算し電流帰還値を出力する。この電動機
電流実効値13と電動機電流指令14との偏差が電流制
御部15に入力され、電動機電流実効値13が電動機電
流指令14に追従するようなすべり周波数補正値16が
出力される。このすべり周波数補正値16とすべり周波
数指令17が加算されすべり周波数18が出力され、帰
還電動機回転数10と加減算され、ダンピング制御部1
9によりダンピング制御が施されてインバータ周波数2
0を得る。図示しないインバータは、このインバータ周
波数20及びこのインバータ周波数20によって演算さ
れるインバータ出力電圧指令に基づいてパルス幅変調制
御される。
【0018】さて、駆動用誘導電動機は撓み継ぎ手、歯
車装置を介して車輪(いずれも図示しない)に接続され
ており、撓み継ぎ手、歯車装置の機械的な遊びを無視す
れば、電動機回転数を検出することは、車輪の回転数を
検出していることと同一である。従って、検出した電動
機回転数から、単位時間当りの電動機回転数変化を演算
し、その値が予め設定してある値(設定値)以上となっ
た場合に、空転検出信号を出力する手段(図3中の空転
検出部21)を設けておけば、容易に空転の検出が可能
となる。
車装置を介して車輪(いずれも図示しない)に接続され
ており、撓み継ぎ手、歯車装置の機械的な遊びを無視す
れば、電動機回転数を検出することは、車輪の回転数を
検出していることと同一である。従って、検出した電動
機回転数から、単位時間当りの電動機回転数変化を演算
し、その値が予め設定してある値(設定値)以上となっ
た場合に、空転検出信号を出力する手段(図3中の空転
検出部21)を設けておけば、容易に空転の検出が可能
となる。
【0019】図2に空転検出部21の構成を示す。この
空転検出部21は電動機の各軸毎に設けられ、電動機回
転数検出手段7から出力された各軸の電動機回転数8は
リングバッファ24に記憶される。現在入力した電動機
回転数F(0)と検出用単位時間T前の電動機回転数F
(−T)とを回転数変化値演算部27を用いて減算する
ことにより回転数変化値を求める。その値ΔFを変化率
演算部に入力してΔF/Tの演算を施すことにより変化
率を演算する。この値が予定の値(設定値)であるKを
超えたことを比較器30にて検出することにより空転・
滑走を検出する。
空転検出部21は電動機の各軸毎に設けられ、電動機回
転数検出手段7から出力された各軸の電動機回転数8は
リングバッファ24に記憶される。現在入力した電動機
回転数F(0)と検出用単位時間T前の電動機回転数F
(−T)とを回転数変化値演算部27を用いて減算する
ことにより回転数変化値を求める。その値ΔFを変化率
演算部に入力してΔF/Tの演算を施すことにより変化
率を演算する。この値が予定の値(設定値)であるKを
超えたことを比較器30にて検出することにより空転・
滑走を検出する。
【0020】前述したように、機械系の共振は列車速度
が増すにつれて振幅が大きくなる傾向があるので、この
ままでは速度が大きくなるにつれて空転の誤検知が増加
してしまう。そこで、本実施例では、検出値演算部34
にて回転数変化率の演算のための単位時間Tを速度に応
じて大きくし、この値を回転数出力部250及び変化率
演算部252に出力し、この単位時間Tに基づいて変化
率を演算する。
が増すにつれて振幅が大きくなる傾向があるので、この
ままでは速度が大きくなるにつれて空転の誤検知が増加
してしまう。そこで、本実施例では、検出値演算部34
にて回転数変化率の演算のための単位時間Tを速度に応
じて大きくし、この値を回転数出力部250及び変化率
演算部252に出力し、この単位時間Tに基づいて変化
率を演算する。
【0021】この様子を図5を用いて説明する。図4は
列車速度に機械系共振(電動機回転数)が重畳されたグ
ラフである。但し、理解を助けるため機械系共振を誇張
している。
列車速度に機械系共振(電動機回転数)が重畳されたグ
ラフである。但し、理解を助けるため機械系共振を誇張
している。
【0022】電気車速度が小さい場合の単位時間TをT
1とすると、β1/T1が回転数の変化率α1である。
変化率の演算を電気車速度が大きくなっても変えないと
すると、機械系共振の振幅が大きくなった分だけ変化率
α1は大きくなってしまう。前記した従来技術では設定
値Kを速度に応じて大きくしているが、空転・滑走検知
感度が鈍くなってしまい本来の空転・滑走を検出するこ
とができない。本実施例では、単位時間Tを電気車速度
が増すにつれT2と大きくすることによりこの問題を解
決している。すなわち、図示のように単位時間TをT2
とすることによって機械系共振の影響を少なくしてい
る。単位時間TがT1の場合とT2の場合を比較すると
機械系共振の振幅が大きくなっているにもかかわらず、
変化率αがあまり変わっていないことがわかる。このよ
うに本実施例では、単に、単位時間Tを速度に応じて変
化させるだけで、空転・滑走検知に与える機械系共振の
影響を極力なくし、しかも設定値Kを変えないので本来
の空転・滑走検知感度は変わらない。
1とすると、β1/T1が回転数の変化率α1である。
変化率の演算を電気車速度が大きくなっても変えないと
すると、機械系共振の振幅が大きくなった分だけ変化率
α1は大きくなってしまう。前記した従来技術では設定
値Kを速度に応じて大きくしているが、空転・滑走検知
感度が鈍くなってしまい本来の空転・滑走を検出するこ
とができない。本実施例では、単位時間Tを電気車速度
が増すにつれT2と大きくすることによりこの問題を解
決している。すなわち、図示のように単位時間TをT2
とすることによって機械系共振の影響を少なくしてい
る。単位時間TがT1の場合とT2の場合を比較すると
機械系共振の振幅が大きくなっているにもかかわらず、
変化率αがあまり変わっていないことがわかる。このよ
うに本実施例では、単に、単位時間Tを速度に応じて変
化させるだけで、空転・滑走検知に与える機械系共振の
影響を極力なくし、しかも設定値Kを変えないので本来
の空転・滑走検知感度は変わらない。
【0023】ところで、変化率の演算を上記実施例のよ
うに除算を用いて行うことは演算速度の関係から結果的
に空転・滑走の検知を遅らせてしまうことになってしま
う。このため、普通は減算器27の出力であるβを直接
比較器30に入力し、設定値Kとの比較によって空転・
滑走検知を行っている。この場合、例え機械系共振がな
くても単位時間Tを大きくすると列車速度に応じて減算
器27の出力であるβが大きくなってしまう。このた
め、高速域では電気車加速度が設定値を上回ってしまう
という問題が生じてしまう。この問題を解決するため、
本実施例では、電気車の加速度は電気車毎にほぼ一定で
あることを利用して、速度に応じて単位時間Tを大きく
するとともに設定値Kを単位時間Tの変化に比例して大
きくするようにした。以下、図3を用いて説明する。
うに除算を用いて行うことは演算速度の関係から結果的
に空転・滑走の検知を遅らせてしまうことになってしま
う。このため、普通は減算器27の出力であるβを直接
比較器30に入力し、設定値Kとの比較によって空転・
滑走検知を行っている。この場合、例え機械系共振がな
くても単位時間Tを大きくすると列車速度に応じて減算
器27の出力であるβが大きくなってしまう。このた
め、高速域では電気車加速度が設定値を上回ってしまう
という問題が生じてしまう。この問題を解決するため、
本実施例では、電気車の加速度は電気車毎にほぼ一定で
あることを利用して、速度に応じて単位時間Tを大きく
するとともに設定値Kを単位時間Tの変化に比例して大
きくするようにした。以下、図3を用いて説明する。
【0024】図2に示した実施例と相違する点は、空転
・滑走検知を2種類設け現象のことなる空転・滑走を検
知し、夫々について単位時間及び設定値を電気車速度に
応じて変化させるようにした点である。空転・滑走検知
を2種類とした理由は、 比較的空転加速度が高く、大きな空転現象に発展する
恐れのあるものに対しては、回転数変化値が大きく且つ
検知の単位時間の短い検出を(25,28,31が対応
する)、 比較的空転加速度が低く、の検出手段では検出でき
ない空転現象に対しては、回転数変化値が小さく且つ検
知の単位時間の比較的長い検出を(26,29,32が
対応する)行うようにするためである。
・滑走検知を2種類設け現象のことなる空転・滑走を検
知し、夫々について単位時間及び設定値を電気車速度に
応じて変化させるようにした点である。空転・滑走検知
を2種類とした理由は、 比較的空転加速度が高く、大きな空転現象に発展する
恐れのあるものに対しては、回転数変化値が大きく且つ
検知の単位時間の短い検出を(25,28,31が対応
する)、 比較的空転加速度が低く、の検出手段では検出でき
ない空転現象に対しては、回転数変化値が小さく且つ検
知の単位時間の比較的長い検出を(26,29,32が
対応する)行うようにするためである。
【0025】列車速度に応じて空転の検出設定値を変化
させるため、空転検出部21に対し、検出設定値を出力
させるための機能として検出値演算部34を追加する。
させるため、空転検出部21に対し、検出設定値を出力
させるための機能として検出値演算部34を追加する。
【0026】検出値演算部34は正規化した電動機回転
周波数10(電動機回転数を用いなくても、トレーラー
車の軸回転数を用いて本当の電気車速度を検出しても構
わない)を入力し、その電動機回転周波数10、即ち列
車速度に対応して単位時間演算部35,36が、検知の
単位時間25,26を、また、回転数変化値演算部3
7,38が回転数変化設定値28,29を出力する。図
3では検知の単位時間及び設定値について、各々二組の
変数を出力するように示しているが、これは前記したよ
うに、空転検出部21の構成が二段階の検出手段を持つ
構成となっていることに対応したものである。
周波数10(電動機回転数を用いなくても、トレーラー
車の軸回転数を用いて本当の電気車速度を検出しても構
わない)を入力し、その電動機回転周波数10、即ち列
車速度に対応して単位時間演算部35,36が、検知の
単位時間25,26を、また、回転数変化値演算部3
7,38が回転数変化設定値28,29を出力する。図
3では検知の単位時間及び設定値について、各々二組の
変数を出力するように示しているが、これは前記したよ
うに、空転検出部21の構成が二段階の検出手段を持つ
構成となっていることに対応したものである。
【0027】高速走行時の電動機軸回転方向の振動によ
る空転・滑走検出の不要動作を防止することが目的であ
るから、図3中の検出信号31に対応する系は速度に応
じて検知の単位時間T1を長く取るようにする。更に、
検知の単位時間T1を長くするのに伴い、設定値K1に
ついても増加させる。これは、前記したように検知の単
位時間T1のみ長くし、設定値K1を同一のままとする
と図5に示すように検知の感度として緩む方向にいか
ず、列車速度として上昇していることを考慮すると、却
って検知動作が発生し易くなるのを防止するためであ
る。もう一方の系の単位時間T2,設定値K2も同様で
ある。
る空転・滑走検出の不要動作を防止することが目的であ
るから、図3中の検出信号31に対応する系は速度に応
じて検知の単位時間T1を長く取るようにする。更に、
検知の単位時間T1を長くするのに伴い、設定値K1に
ついても増加させる。これは、前記したように検知の単
位時間T1のみ長くし、設定値K1を同一のままとする
と図5に示すように検知の感度として緩む方向にいか
ず、列車速度として上昇していることを考慮すると、却
って検知動作が発生し易くなるのを防止するためであ
る。もう一方の系の単位時間T2,設定値K2も同様で
ある。
【0028】また、図4中の各演算部35〜38に示す
変曲点での電動機回転周波数、即ち速度V1,V2、及
び速度に対応した各設定値の関数については、当該制御
を行う電気車の特性により、現車試験などを通して任意
に設定されるものとする。
変曲点での電動機回転周波数、即ち速度V1,V2、及
び速度に対応した各設定値の関数については、当該制御
を行う電気車の特性により、現車試験などを通して任意
に設定されるものとする。
【0029】以上、空転の検出方法について説明を行っ
たが、滑走の検出方法についても加速度の向きが逆(減
速度)となるだけで、原理は同一である。
たが、滑走の検出方法についても加速度の向きが逆(減
速度)となるだけで、原理は同一である。
【0030】さて、空転・滑走が上記原理に基づいて検
知されると、再粘着制御が実行される。図1を用いて説
明する。空転・滑走が発生すると空転検出部21が空転
・滑走検知信号を再粘着制御部23及びラッチ22に出
力する。再粘着制御部23におけるラッチ230はその
時のすべり周波数の値をラッチする。一方ラッチ22は
空転・滑走検知信号が入力されると再粘着用切換え器4
0をbからa側に切換える。ラッチ230にてラッチさ
れたすべり周波数は所定の値fs0だけ減算されて高位
選択部232に入力される。この出力に基づいてインバ
ータ周波数を作成するとともに、さらにラッチ230に
入力され、所定の値fs0減算される。この状態は、す
べり周波数が0になるまでまたは空転・滑走が終了する
まで継続する。
知されると、再粘着制御が実行される。図1を用いて説
明する。空転・滑走が発生すると空転検出部21が空転
・滑走検知信号を再粘着制御部23及びラッチ22に出
力する。再粘着制御部23におけるラッチ230はその
時のすべり周波数の値をラッチする。一方ラッチ22は
空転・滑走検知信号が入力されると再粘着用切換え器4
0をbからa側に切換える。ラッチ230にてラッチさ
れたすべり周波数は所定の値fs0だけ減算されて高位
選択部232に入力される。この出力に基づいてインバ
ータ周波数を作成するとともに、さらにラッチ230に
入力され、所定の値fs0減算される。この状態は、す
べり周波数が0になるまでまたは空転・滑走が終了する
まで継続する。
【0031】以上のように、空転・滑走検出が行われる
と、再粘着制御系が動作し、駆動電動機のトルクを減少
させる動作をするため、力行時であれば加速の妨げを招
き、ブレーキ時であれば、減少した電気制動力を空気制
動でまかなうため、ブレーキディスクの摩耗,乗り心地
の悪化などを招く不具合が発生する。本実施例によれ
ば、機械系の共振による誤検知を減少させ、しかも、再
粘着制御が必要な空転・滑走を確実に検知するようにし
たので、不要なトルクの不足やブレーキの摩耗などを防
ぐことができるという効果がある。
と、再粘着制御系が動作し、駆動電動機のトルクを減少
させる動作をするため、力行時であれば加速の妨げを招
き、ブレーキ時であれば、減少した電気制動力を空気制
動でまかなうため、ブレーキディスクの摩耗,乗り心地
の悪化などを招く不具合が発生する。本実施例によれ
ば、機械系の共振による誤検知を減少させ、しかも、再
粘着制御が必要な空転・滑走を確実に検知するようにし
たので、不要なトルクの不足やブレーキの摩耗などを防
ぐことができるという効果がある。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、速度に従い電動機軸回
転方向の振動が増加しても、空転・滑走検出の不要動作
は発生せず、電気車の良好な速度制御が行うことができ
る。
転方向の振動が増加しても、空転・滑走検出の不要動作
は発生せず、電気車の良好な速度制御が行うことができ
る。
【図1】本発明の一実施例を示す図。
【図2】空転検出部の一実施例を示す図。
【図3】空転検出部の他の実施例を示す図。
【図4】本発明の原理を示す図。
【図5】空転発生時の電動機回転数の挙動を示す図。
【図6】電動機回転数に振動が重畳されない場合とされ
た場合を示す図。
た場合を示す図。
1…列車速度、2…電動機回転数、3…検知用回転数設
定値、4…検知用単位時間、5…空転軸速度、6…PG
センサ、7…電動機回転数検出手段、8…各軸の電動機
回転数、9…最大/最小選択部、10…正規化した電動
機回転数(帰還電動機回転数)、11…電動機電流検出
器、12…実効値演算部、13…電動機電流実効値、1
4…モータ電流指令、15…電流制御部、16…すべり
周波数補正値、17…すべり周波数指令、18…すべり
周波数、19…ダンピング制御部、20…インバータ周
波数、21…空転検出部、22,230…ラッチ、23
…再粘着制御部、24…リングバッファ、25,26,
250…検出用単位時間、27,231…減算器、2
8,29,253…設定値、30…比較器、31,32
…検出信号、33…OR論理、34…検出値演算部、3
5,36…単位時間演算部、37,38…設定値演算
部、40…再粘着用切換え器、232…高位選択部、
251…電動機回転数現在値出力部、252…変化率演
算部。
定値、4…検知用単位時間、5…空転軸速度、6…PG
センサ、7…電動機回転数検出手段、8…各軸の電動機
回転数、9…最大/最小選択部、10…正規化した電動
機回転数(帰還電動機回転数)、11…電動機電流検出
器、12…実効値演算部、13…電動機電流実効値、1
4…モータ電流指令、15…電流制御部、16…すべり
周波数補正値、17…すべり周波数指令、18…すべり
周波数、19…ダンピング制御部、20…インバータ周
波数、21…空転検出部、22,230…ラッチ、23
…再粘着制御部、24…リングバッファ、25,26,
250…検出用単位時間、27,231…減算器、2
8,29,253…設定値、30…比較器、31,32
…検出信号、33…OR論理、34…検出値演算部、3
5,36…単位時間演算部、37,38…設定値演算
部、40…再粘着用切換え器、232…高位選択部、
251…電動機回転数現在値出力部、252…変化率演
算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩滝 雅人 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 笹沼 勇二 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内
Claims (4)
- 【請求項1】主電動機回転数の単位時間当りの変化が予
定の値よりも大きくなったことで空転又は滑走の検出を
行う空転・滑走検出手段とを備えた電気車の制御装置に
おいて、前記単位時間を電気車の速度に応じて変化させ
る手段を備えた電気車の制御装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記空転・滑走検出手
段は、主電動機回転数の単位時間当りの変化量が予定の
値よりも大きくなったことで空転または滑走を検出する
ものであり、この単位時間を電気車の速度に応じて変化
させるとともに前記予定の値を変化させるように構成し
た電気車の制御装置。 - 【請求項3】請求項2において、前記単位時間の変化は
電気車速度に比例して増加させるようにした電気車の制
御装置。 - 【請求項4】請求項2において、前記予定の値の変化量
は前記単位時間の変化量に比例させるものである電気車
の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10808794A JP3149682B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 電気車の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10808794A JP3149682B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 電気車の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07322406A true JPH07322406A (ja) | 1995-12-08 |
JP3149682B2 JP3149682B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=14475548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10808794A Expired - Fee Related JP3149682B2 (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | 電気車の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149682B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8285430B2 (en) | 2007-06-27 | 2012-10-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Controlling device for railway electric car |
JP2021505859A (ja) * | 2017-12-04 | 2021-02-18 | フェヴレ・トランスポール・イタリア・ソチエタ・ペル・アツィオーニFAIVELEY TRANSPORT ITALIA S.p.A. | 鉄道車両に関する車輪−レール粘着値を決定するシステム及び方法 |
WO2021090612A1 (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 日立Astemo株式会社 | 駆動制御装置 |
-
1994
- 1994-05-23 JP JP10808794A patent/JP3149682B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8285430B2 (en) | 2007-06-27 | 2012-10-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Controlling device for railway electric car |
JP2021505859A (ja) * | 2017-12-04 | 2021-02-18 | フェヴレ・トランスポール・イタリア・ソチエタ・ペル・アツィオーニFAIVELEY TRANSPORT ITALIA S.p.A. | 鉄道車両に関する車輪−レール粘着値を決定するシステム及び方法 |
WO2021090612A1 (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 日立Astemo株式会社 | 駆動制御装置 |
JP2021078165A (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-20 | 日立Astemo株式会社 | 駆動制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3149682B2 (ja) | 2001-03-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |