JPH0731885A - ヒドロホルミル化用触媒及びそれを用いてアルデヒドを製造する方法 - Google Patents

ヒドロホルミル化用触媒及びそれを用いてアルデヒドを製造する方法

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JPH0731885A
JPH0731885A JP6100825A JP10082594A JPH0731885A JP H0731885 A JPH0731885 A JP H0731885A JP 6100825 A JP6100825 A JP 6100825A JP 10082594 A JP10082594 A JP 10082594A JP H0731885 A JPH0731885 A JP H0731885A
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JP
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catalyst
compound
hydroformylation
aldehyde
formula
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JP6100825A
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Toshihiro Omatsu
俊宏 尾松
Yasuo Tokito
康雄 時任
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量の非水極性溶媒を使用せずに工業的に十
分な反応速度でエチレン性不飽和化合物をヒドロホルミ
ル化してアルデヒドを製造できるようにし、しかも触媒
を高収率で容易に回収でき、回収した触媒をリサイクル
使用できるようにする。 【構成】 エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素と水素
と反応させて相当するアルデヒドに変換するヒドロホル
ミル化反応において、(a)ロジウム化合物;(b)該
ロジウム化合物を錯体化するための配位子としての、第
3級アミン残基と第3級リン残基とをそれぞれ少なくと
も一つ有する有機リン化合物;及び(c)該有機リン化
合物の第3級アミン残基の少なくとも一部をアンモニウ
ムイオン化するための酸性化合物からなるヒドロホルミ
ル化用触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性不飽和化合
物と一酸化炭素と水素とをヒドロホルミル化反応させる
ことにより相当するアルデヒドを製造する際に使用する
ヒドロホルミル化用触媒に関する。また、本発明は、そ
のヒドロホルミル化用触媒を用いてアルデヒドを製造す
る方法に関する。更に、本発明は、ヒドロホルミル化反
応混合物からヒドロホルミル化用触媒を回収する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン性不飽和化合物と水素と一酸化
炭素とを触媒の存在下で反応させてアルデヒドに変換す
る反応は、ヒドロホルミル化反応又はオキソ反応と称さ
れ、この反応を利用してアルデヒドを製造することは、
工業的に極めて価値の高いものとなっている。
【0003】このようなヒドロホルミル化反応において
用いられている触媒としては一般的にコバルト化合物又
はロジウム化合物があるが、触媒活性及び選択的にアル
デヒドを生成させる性質という点で後者のロジウム化合
物が前者のコバルト化合物より優れていることが知られ
ている。
【0004】このようなロジウム化合物としては、酸化
ロジウムなどのロジウム塩、ロジウムカルボニルなどの
ロジウム錯化合物などを例示でき、これらは単独で用い
られることもあるが、むしろこれらの化合物の安定性を
向上させたり、触媒活性などを改良したりするために、
有機リン化合物、有機ヒ素化合物、有機アンチモン化合
物などの配位子で修飾し錯体化された形で用いられてい
る。
【0005】このような配位子の中でも、毒性や製造コ
ストなどの点で有機リン化合物が好ましく使用されてい
るが、この場合原料のエチレン性不飽和化合物や目的の
アルデヒドの種類に応じて、有機リン化合物の中でもリ
ン原子の結合状態やリン原子に結合する置換基の種類が
使い分けられている。即ち、第3級ホスフィン類、ホス
ファイト類などの化合物や、単座であるか2座以上であ
るかというリンの原子数、アルキル置換かフェニル基置
換なのかという置換基の種類などが適宜使い分けられて
いる。
【0006】このような観点から有機リン化合物をロジ
ウム化合物からなるヒドロホルミル化用触媒の配位子と
して使用する例として: 1)直鎖アルデヒドを選択的に製造する際にロジウム化
合物を第3級ホスフィンで修飾すること(特公昭45−
10730号公報); 2)メチルメタクリレートやアリルアルコールなどの官
能基を有するオレフィンから直鎖又は分岐アルデヒドを
選択的に製造する際にロジウム化合物を2座の第3級ホ
スフィンで修飾すること(Bull,Chem,So
c,Jpn.,50,2351(1977);特開昭5
4−106407号公報);及び 3)3−メチル−3−ブテン−1−オールなどの立体的
障害の大きな分岐オレフィンからアルデヒド化合物を製
造する際に反応速度を速めるためにロジウム化合物を、
フェニル基の2位がアルキル基で置換されたトリフェニ
ルホスファイトで修飾すること(特開昭62−2018
81号公報)などが提案されている。
【0007】ところで、ロジウム化合物は極めて高価な
ものであり、これをヒドロホルミル化触媒として工業的
に用いる場合には、それを回収しリサイクル使用するこ
とが必要となる。このため、上述の1)〜3)の従来技
術において提案されたヒドロホルミル化用触媒を始めと
して一般的なヒドロホルミル化用触媒を回収する方法と
して、従来よりヒドロホルミル化反応終了後の反応混合
物を加熱し、生成物と未反応原料を反応混合物から蒸留
し、蒸発残部としてヒドロホルミル化用触媒を回収する
ことが行われていた。
【0008】しかしながら、このようにヒドロホルミル
化用触媒を回収した場合には、反応混合物から生成物を
蒸留する際の加熱のために、触媒が劣化しその寿命が短
縮するという問題があった。特に、生成物の沸点が高い
場合には触媒寿命の短縮化が著しいものとなった。ま
た、その加熱のために、生成物が分解あるいは縮合し、
触媒毒を副生したり、高沸点化合物が蓄積したりするた
めに触媒のリサイクルが不可能となるという問題があっ
た。
【0009】このような問題を解決するために、炭素数
2以上12以下の脂肪族オレフィンのヒドロホルミル化
を行う際に、スルホン化またはカルボキシル化された水
溶性のトリアリールホスフィンを配位子としたロジウム
触媒を用いて水相中でヒドロホルミル化反応を行い、反
応終了後デカンテーションにより生成物を触媒と分離す
ることが提案されている(特開昭60−228439号
公報)。また、ヒドロホルミル化触媒として水溶性の複
核錯体を使用することが提案されている(特開昭61−
97295号公報)。
【0010】また、非水極性溶媒の存在下、トリスルホ
ン化塩残基を有する水溶性有機リン化合物を配位子とし
たイオン性金属錯体触媒を用いてヒドロホルミル化反応
を行うこと、そして炭化水素溶媒で反応混合物から生成
物を抽出して非水極性溶媒の溶液として触媒を回収する
ことが提案されている(特開昭62−145038号公
報)。
【0011】また、非水性極性溶媒の存在下、モノスル
ホン化塩残基を有する水溶性有機リン化合物を配位子と
したイオン性金属錯体触媒を用いてヒドロホルミル化反
応を行うこと、そして水を抽剤として反応混合物から触
媒を抽出することにより水溶液として触媒を回収するこ
とが提案されている(EP0350922号明細書)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
60−228439号公報や同61−97295号公報
に記載された方法においては、原料であるオレフィンの
水相への溶解度が低いために工業的に満足できる反応速
度でヒドロホルミル化ができないという問題点があっ
た。
【0013】また、特開昭62−145038号公報に
記載された方法においては、トリスルホン化塩残基を有
する配位子としてのリン化合物が通常の炭化水素系オレ
フィンに非常に溶解しにくいため、多量の非水極性溶媒
を使用する必要があるという問題があった。また、多量
に非水極性溶媒を使用しても、そのような溶媒に対する
有機リン化合物の溶解度が十分ではなく、そのためリン
/ロジウムのモル比を高くすることができず、直鎖上の
アルデヒドを選択的に製造することが困難となるという
問題があった。
【0014】また、EP0350922号明細書に記載
された方法においても、モノスルホン化塩残基を有する
配位子としての有機リン化合物が通常のオレフィンに溶
解しにくいため、非水極性溶媒を使用しなければならな
いという問題があった。また、そのような非水極性溶媒
に対する有機リン化合物のその溶解度が十分ではないた
めにやはりリン/ロジウムのモル比を高くするためには
膨大な量の非水極性溶媒を使用しなければならないとい
う問題があった。
【0015】上述した問題点の他に、オクテンのように
ジメチルスルホキシドのような非水極性溶媒と混和しな
い不飽和脂肪族炭化水素をヒドロホルミル化しようとす
ると、上述のような有機リン化合物配位子が、原料であ
る不飽和脂肪族炭化水素類に実質的に溶解せず、従って
ヒドロホルミル化反応が工業的に十分な反応速度で進行
しないという問題があった。従って、上述の公報で提案
された方法が適用できる不飽和脂肪族炭化水素類の範囲
が非常に限定されたものとなるという問題もあった。
【0016】本発明は、上述の従来技術の問題点を解決
し、多量の非水極性溶媒を使用せずに工業的に十分な反
応速度でエチレン性不飽和化合物をヒドロホルミル化し
てアルデヒドを製造でき、しかも容易に触媒を高収率で
回収でき、回収した触媒をリサイクルできるようにする
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ロジウム
化合物の配位子として、水溶性であり且つ不飽和脂肪族
炭化水素類にも溶解する有機リン化合物を使用すること
により上述の目的が達成でき、そのために有機リン化合
物に少なくとも一つの第3級アミン残基を存在させ且つ
その第3級アミン残基をアンモニウムイオン化させ、し
かも少なくとも一つの第3級リン残基を存在させればよ
いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】即ち、本発明は、(a)ロジウム化合物;
(b)該ロジウム化合物に配位する配位子としての、第
3級アミン残基と第3級リン残基とをそれぞれ少なくと
も一つ有する有機リン化合物;及び(c)該有機リン化
合物の第3級アミン残基の少なくとも一部をアンモニウ
ムイオン化するための酸性化合物とからなる、エチレン
性不飽和化合物のヒドロホルミル化用触媒を提供する。
【0019】また、本発明は、エチレン性不飽和化合物
を触媒の存在下で一酸化炭素と水素とを反応させてヒド
ロホルミル化し、それにより相当するアルデヒドを含有
する反応混合物を得る工程を含むアルデヒド製造方法に
おいて、触媒として前述のヒドロホルミル化用触媒を使
用するアルデヒド製造方法を提供する。
【0020】更に、本発明は、前述のアルデヒド製造方
法で得られる反応混合物からヒドロホルミル化用触媒を
回収する方法において、該反応混合物と水とを接触さ
せ、それにより水性層にヒドロホルミル化用触媒を抽出
し、その水性抽出液から水を除去することを特徴とする
ヒドロホルミル化用触媒の回収方法を提供する。
【0021】以下に本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明のヒドロホルミル化用触媒において
使用するロジウム化合物は、エチレン性不飽和化合物の
ヒドロホルミル化反応を促進させる触媒能を当初から有
するか、あるいはヒドロホルミル化反応条件下でそのよ
うな触媒能を獲得する化合物であり、従来からヒドロホ
ルミル化用触媒において使用されているロジウム化合物
を使用することができる。このようなロジウム化合物と
しては、RhO、RhO、Rh、RhOなど
の酸化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、塩化ロ
ジウム、ヨウ化ロジウム、酢酸ロジウムなどのロジウム
塩、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Rh
(acac)(CO)、ロジウムアセチルアセトナー
トなどのロジウム錯化合物などを例示することができ
る。
【0023】本発明においては、ロジウム化合物を錯体
化するための配位子として第3級アミン残基と第3級リ
ン残基とをそれぞれ少なくとも一つ有する有機リン化合
物を使用する。この有機リン化合物は、後述する酸性化
合物によりその第3級アミン残基の少なくとも一部がア
ンモニウムイオン化される。従って、このアンモニウム
化された有機リン化合物が配位したロジウム化合物から
なるヒドロホルミル化用触媒は水溶性となり、ヒドロホ
ルミル化反応終了後に、反応混合物を水と接触させるこ
とにより触媒成分を水層中に回収することができるよう
になる。この場合、ヒドロホルミル化反応により得られ
る生成物が非水溶性であれば、この回収操作で生成物の
分離も同時に行うことができる。
【0024】また、触媒の回収を水抽出という手段で行
うことにより、生成物の分離時に触媒が生成物の共存下
で加熱されることはなくなるので、加熱により触媒が劣
化したり、加熱により生成物やその分解物により触媒が
被毒することを回避でき、触媒寿命を延ばすことができ
るようになる。
【0025】なお、回収した水層中の水を蒸発除去した
残渣は、ヒドロホルミル化反応器に循環して再度ヒドロ
ホルミル化触媒としてリサイクル使用することができ
る。
【0026】また、アンモニウム化された有機リン化合
物が配位したロジウム化合物からなるヒドロホルミル化
用触媒は、従来の水溶性配位子であるモノスルホン化塩
残基含有有機リン化合物などが配位したヒドロホルミル
化用触媒よりも、オクテンなどの炭化水素系エチレン性
不飽和化合物に対する溶解性が格段と優れている。従っ
て、ヒドロホルミル化反応系におけるリン/ロジウムの
モル比を高くすることができ、また、ヒドロホルミル化
する対象であるエチレン性不飽和化合物の範囲を格段と
広げることができる。しかも極性溶媒を原則的に使用す
る必要がなくなり、使用したとしても多量に使用する必
要はなくなる。
【0027】このような第3級アミン残基と第3級リン
残基とをそれぞれ少なくとも一つ有する有機リン化合物
としては、上述したような作用を有するものであれは特
に制限されないが、第3級アミン残基としてはN原子に
3個のアルキル基あるいはアリール基が結合したものが
例示でき、また、第3級リン残基としては、ホスフィ
ン、ホスファイトなどの構造をとることができる。この
ような有機リン化合物としては、以下の式(1)〜
(4)のいずれかで表される化合物を好ましく使用する
ことができる:
【0028】
【化6】 {式(1)において、Rは、直鎖状、分岐状もしくは
環状アルキル基又はフェニル基もしくはナフチル基(こ
れらは必要に応じ水酸基、ハロゲンなどの他の置換で置
換されていてもよい)などの炭素数1〜10の炭化水素
基であり、Rは水素原子、メチル、エチル、イソプロ
ピル、シクロペンチルなどの炭素数1〜5のアルキル
基、ニトロ基又はクロロ、ブロモなどのハロゲン原子で
あり、mは1、2又は3であり、nは0又は1であり、
xは0、1又は2であり、y及びzは独立的に0、1、
2又は3であり、但し、xとyとzとの和は3であり、
そしてX及びXは独立的に水素原子又は−NR
(ここで、R及びRは独立的に、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどの炭素数1〜
4のアルキル基である)であり、但し、yとzとが共に
0ではない場合X及びXは同時に水素原子ではな
く、yが0の場合Xは−NRであり、zが0の
場合Xは−NRである};
【0029】
【化7】 {式(2)において、R及びRは独立的に水素原
子、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチルな
どの炭素数1〜5のアルキル基、ニトロ基又はクロロ、
ブロモなどのハロゲン原子であり、m及びnは式(1)
で定義した通りであり、pは1、2又は3であり、qは
0又は1であり、a、b、c及びdは独立的に0、1又
は2であり、但し、aとbとcとdとの和は4であり、
Zはメチレン、エチレン、シクロヘキシレンなどの環
状、非環状の2価の炭素数1〜10の炭化水素基であ
り、そしてX、X、X及びXは独立的に水素原
子又は−NR(ここで、R及びRは式(1)
で定義した通りである)であり、但し、aとbとcとd
とが共に1の場合X、X、X及びXは同時に水
素原子ではなく、aが0の場合X、X及びXの少
なくとも一つは−NRであり、bが0の場合
、X及びXの少なくとも一つは−NR
あり、cが0の場合X、X及びXの少なくとも一
つは−NRであり、dが0の場合X、X及び
の少なくとも一つは−NRである};
【0030】
【化8】 {式(3)において、R及びRは独立的に水素原
子、メチル、エチル、イソプロピルなどの炭素数1〜6
のアルキル基又はフェニル基であり、R及びR10
独立的に水素原子、メチル、エチル、イソプロピルなど
の炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基又はクロロ、ブ
ロモなどのハロゲン原子であり、r及びsは独立的に
0、1、2又は3であり、eは1、2又は3であり、f
は0、1又は2であり、但し、eとfとの和は3であ
り、Xは−NR(ここで、R及びRは式
(1)で定義した通りである)である};又は
【0031】
【化9】 {式(4)において、R、R、m、n、p、q、
a、b、c、d、X、X、X、X及びZは式
(2)で定義した通りである}。
【0032】これらの式(1)〜(4)のなかでより好
ましい具体的な有機リン化合物としては以下の式(5)
〜(22)のものを例示することができる:
【0033】
【化10】 P[CHN(C (5) (CPCHN(CH (6) (CPCHCHN(CH (7) P[CHCHCHN(CH (8) P[CHCHCHN(C (9) P[CHCHN(t−C (10) (C17)P[CHN(CH (11) (C13PCHCHCHN(CH (12) (CPCHN(CH (13) (CPCHCHN(CH (14) P[CHCHN(CH (15) P[CN(CH (16) P[CCHN(CH (17) CP[CN(CH (18) CP[CCHN(CH (19) CP[CHCHCHN(CH (20) (CP[CN(CH] (21) (CP[CCHN(i−C] (22)。
【0034】本発明のヒドロホルミル化用触媒において
使用する酸性化合物は、前述したように、第3級アミン
残基と第3級リン残基とをそれぞれ少なくとも一つ有す
る有機リン化合物の当該第3級アミン残基をアンモニウ
ムイオン化するためのものであり、ヒドロホルミル化反
応の進行を阻害しないものの中から適宜選択して使用す
ることができ、ブレンステッド酸でもルイス酸でもよ
い。このような酸性化合物としては、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、ブタン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸などの炭素数1以上20以下のモノカルボン酸やジ
カルボン酸あるいはポリカルボン酸などの有機カルボン
酸類、HPO、NaHPO、KHPO、N
HPO、KHPOなどのリン酸類、HBO
、NaHBOなどの硼酸類、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸類又は炭酸類
を使用することができる。
【0035】本発明のヒドロホルミル化用触媒におい
て、ロジウム原子換算で成分(a)のロジウム化合物1
グラム原子に対して、リン原子換算で成分(b)の有機
リン化合物を1〜10,000グラム原子、より好まし
くは10〜1,000グラム原子使用することが好まし
い。有機リン化合物の使用量がこの範囲を下回ると触媒
の安定性がそこなわれ、また、この範囲を超えると反応
速度が低下する。
【0036】また、成分(c)の酸性化合物は、成分
(b)の有機リン化合物の第3級アミン残基1当量に対
して少なくとも0.1当量、好ましくは0.3〜5当量
の量を使用する。酸性化合物の使用量が0.1当量未満
であると水と接触させ触媒成分を回収するに際し著しく
回収率が低下する。
【0037】本発明のヒドロホルミル化触媒は、成分
(a)、(b)及び(c)をヒドロホルミル化反応系に
別個に導入し、その系の中で三者を反応させて錯体とす
ることにより調製することもできるが、水に各成分を溶
解して反応させ錯体とし、その混合物から水を除去する
ことにより乾燥することにより調製することもできる。
また、ジメチルスルホキシドのような非極性溶媒に各成
分を溶解して反応させ錯体とし、非極性溶媒溶液として
調製することもできる。
【0038】本発明のヒドロホルミル化用触媒は、直
鎖、分岐又は環状の炭素数2以上の末端あるいは内部オ
レフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、2−ブテン、イソブテン、2−
オクテン、1,7−オクタジエン、ビニルシクロヘキセ
ン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、ブタ
ジエン重合物、イソプレン重合物などの不飽和脂肪族炭
化水素類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチル
スチレン、アルキル基核置換スチレン、ジビニルベンゼ
ンなどのスチレン類、アリルアルコール、クロチルアル
コール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、7−オ
クテン−1−オール、2,7−オクタジエノール、ビニ
ルアセテート、アリルアセテート、メチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、7−オクテン−1−アール
などの官能基を含有するオレフィン類等のエチレン性不
飽和化合物をヒドロホルミル化して相当するアルデヒド
を製造する場合に好ましく使用でき、このようにアルデ
ヒドを製造する方法も本発明の一部である。
【0039】以下に本発明のアルデヒドの製造方法を詳
細に説明する。
【0040】即ち、本発明のアルデヒド製造方法は、エ
チレン性不飽和化合物に一酸化炭素と水素とを反応させ
てヒドロホルミル化反応を行い、それにより相当するア
ルデヒドに変換する際に、前述した本発明のヒドロホル
ミル化用触媒を使用することを特徴とする。それ以外の
発明の構成は、従来と同様とすることができる。
【0041】本発明のアルデヒド製造方法におけるヒド
ロホルミル化反応は、撹拌型反応槽又は気泡型反応槽中
にエチレン性不飽和化合物と本発明のヒドロホルミル化
用触媒とを仕込み、この容器中に、水素と一酸化炭素と
の混合反応ガス[H2/CO(好ましくはモル比=約
0.5〜5)]を、一般に1〜300気圧、好ましくは
5〜100気圧の圧力で導入し、一般に20〜160
℃、好ましくは50〜140℃の温度に加熱撹拌するこ
とにより連続方式又はバッチ方式で行なうことができ
る。
【0042】このヒドロホルミル化反応において、ヒド
ロホルミル化用触媒の使用量は好ましくは反応液1リッ
トル当たりロジウム原子換算で0.001〜10ミリグ
ラム原子、より好ましくは0.005〜5ミリグラム原
子の濃度範囲となるようにする。ヒドロホルミル化用触
媒の使用量がこの範囲を下回ると反応速度が遅すぎ、ま
た、この範囲を超えて使用してもそれ以上反応速度を効
果的に速めることができず、かえって触媒コストが増大
しすぎることとなる。
【0043】なお、有機リン化合物の反応液中での濃度
を、ロジウム化合物の種類にもよるが、単座の場合には
反応液1リットル当りリン原子換算で0.1〜200ミ
リグラム原子の濃度範囲とすることが好ましく、1〜1
00ミリグラム原子の濃度範囲とすることがより好まし
い。また、2座以上の有機リン化合物の場合は、ロジウ
ム原子に対して0.1〜5倍モルの範囲で使用すること
が好ましい。これらの適性濃度範囲を外れると本発明の
効果が得られなくなる。
【0044】なお、ヒドロホルミル化反応において、エ
チレン性不飽和化合物、反応生成物、リン化合物又は酸
性化合物が均一な溶液にならない場合には、エチレン性
不飽和化合物と反応生成物とに対して不活性な溶媒を使
用することが好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族化合物、ヘキサン、オクタン、シ
クロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエーテ
ル、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキ
サノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、ジ
オクチルフタレート、酢酸エチルなどのエステル類、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホラ
ン、ジメチルホルムアミドのような非プロトン性極性溶
媒を例示することができる。これらの溶媒は一種又は2
種以上を使用することができる。
【0045】ヒドロホルミル化反応終了後、反応混合物
から常法により目的のアルデヒドを公知の方法により単
離することができる。例えば、ヒドロホルミル化反応終
了後の反応混合物を加熱し減圧蒸留することや、冷却し
て晶析させることにより目的のアルデヒドを得ることが
できる。なお、蒸発残部からヒドロホルミル化用触媒を
回収することができる。
【0046】あるいは、前述したように本発明のヒドロ
ホルミル化用触媒が水溶性であるという点に着目し、ヒ
ドロホルミル化反応混合物と水とを接触させ、それによ
り水性層にヒドロホルミル化用触媒を抽出することによ
り反応混合物から触媒を除去し、有機層から常法により
目的のアルデヒドを得ることもできる。この場合には、
過度に生成物を加熱する必要がないので、生成物の分解
や変質を抑制することができる。
【0047】水性層に抽出されたヒドロホルミル化用触
媒は、その水性層から水を減圧濃縮などの常法の操作に
より除去することにより回収することができる。そし
て、このように回収したヒドロホルミル化用触媒は、再
度アルデヒドを製造する際に使用する触媒としてリサイ
クルすることができる。このように、ヒドロホルミル化
用触媒を回収する方法も本発明の一部である。
【0048】以下に本発明のヒドロホルミル化用触媒の
回収方法について詳細に説明する。
【0049】本発明のヒドロホルミル化用触媒の回収方
法においては、まずヒドロホルミル化反応混合物に水を
加える。このとき、反応混合液に対する水の使用割合に
特に制限はないが、操作性や触媒の水への溶解性などを
考慮すると、容積比で1/20〜2/1とすることが好
ましい。
【0050】次に反応混合物と水とを撹拌することなど
により接触させてヒドロホルミル化触媒を水で抽出す
る。このとき、温度は20〜90℃とすることが好まし
く、また、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス
または水素/一酸化炭素混合ガスの雰囲気下で行うこと
が好ましい。
【0051】ところで、回収したヒドロホルミル化用触
媒を反応器へ循環したときに反応液が不均一とならない
ようにするために、ヒドロホルミル化用触媒を含有する
水性層から水を減圧濃縮などによりほとんど除去した場
合には、触媒が劣化してしまうことが考えられる。従っ
て、このような触媒安定性の面で問題のある過度の濃縮
を避けるために、水よりも沸点の高い極性溶媒を触媒成
分と共に水層側へ抽出させることが好ましい。従って、
このような極性溶媒を、ヒドロホルミル化反応時の溶媒
として予め使用しておくことが好ましい。このような極
性溶媒の好ましい例としては、ジメチルスルホキシド、
N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルホルムア
ミドなどの非プロトン性極性溶媒を例示することができ
る。
【0052】極性溶媒をこのような目的のために使用す
る場合、過度の使用は反応の容積効率を低下させるので
生産性の点で好ましくない。従って、極性溶媒のヒドロ
ホルミル化反応混合物中の濃度を好ましくは80W/V
%以下、より好ましくは40W/V%以下とする。
【0053】次に、上述のように操作した後に、ヒドロ
ホルミル化反応生成物を含有する上層の有機層と、触媒
成分(及び極性溶媒を用いた場合には当該極性溶媒)を
含有する抽出層である下層の水性層とに分離する。この
場合、ヒドロホルミル化反応混合物に対して水で抽出操
作を実施し、静置しても有機層と水性層とが十分に層分
離しない場合には、その層分離を促進させるために遠心
分離操作を併用することが好ましい。あるいは、ヘキサ
ン、シクロヘキサンのような比重が水よりも小さい炭化
水素類を添加することも好ましい。
【0054】なお、抽出操作に際し、水と混和するアル
コールなどの溶媒が大量に存在すると水を除去しにくく
なるので、そのような溶媒を使用しないことが好まし
い。従って、ヒドロホルミル化反応時に溶媒としてその
ような溶媒の使用を避けることが好ましい。また、有機
層には反応生成物の他に未反応のエチレン性不飽和化合
物と少量のヒドロホルミル化用触媒が含まれている。従
って、触媒の回収率を高めるために、有機層を水で洗浄
し、その洗浄水を水性層に合せることが好ましい。
【0055】次に、得られた水性層から水を除去するこ
とにより得られる濃縮物に、ヒドロホルミル化用触媒を
回収することができる。この場合、水の除去は公知の方
法で行うことができる。例えば、水を留去により除去す
ることができる。この場合には、ヒドロホルミル化用触
媒の熱劣化等を未然に防ぐためにできるだけ低い温度で
実施することが好ましく、例えば、30〜100℃の温
度、10〜500mmHgの圧力条件下で減圧留去する
ことが好ましい。この場合、水の留去の程度は、触媒を
含有する濃縮物をヒドロホルミル化反応反応混合液にリ
サイクル使用した場合に、反応系に分離した水が存在し
ないような程度とする。
【0056】また、水の留去の際に、極性溶媒の一部あ
るいは酸性化合物の一部が失われた場合には、失われた
量に等しい量の極性溶媒あるいは酸性化合物を回収物に
追加することで触媒のリサイクル使用が可能となる。そ
して、このようにして得られる濃縮液の温度を約30〜
70℃の範囲に保つことで、触媒の劣化を回避しながら
好ましくリサイクル使用することができ、工業的にも優
れた触媒の回収方法となる。
【0057】なお、ヒドロホルミル化反応と触媒の回収
とを繰り返す間に、触媒の損失量が無視し得ない水準に
達することもあるが、触媒成分を追加することにより反
応速度を維持していくことは容易である。
【0058】
【作用】本発明のヒドロホルミル化用触媒は、ヒドロホ
ルミル化反応を促進させる触媒能を有するロジウム化合
物に、第3級アミン残基と第3級リン残基とをそれぞれ
少なくとも一つ有する有機リン化合物が配位して安定化
されている。しかも有機リン化合物の第3級アミン残基
の少なくとも一部が酸性化合物でアンモニウムイオン化
されている。従って、このようなアンモニウムイオン化
された触媒は、非極性のエチレン性不飽和化合物にもあ
る程度溶解可能であり、しかも水にも溶解するという性
質を獲得する。このため、この発明のヒドロホルミル化
用触媒により、広範囲の非極性又は極性のエチレン性不
飽和化合物を多量の極性溶媒を使用せずにヒドロホルミ
ル化させることが可能となる。また、触媒が水溶性を獲
得しているために、反応液から水で触媒を容易に抽出し
て回収することが可能となる。
【0059】また、本発明のアルデヒドの製造方法にお
いては、前述の本発明のヒドロホルミル化用触媒を使用
するので、広範囲のエチレン性不飽和化合物から相当す
るアルデヒドを製造でき、また、生成物であるアルデヒ
ドが非水溶性の場合には、反応終了後に反応混合物に水
を加えることにより容易に生成物を触媒から分離するこ
とが可能となる。従って、生成物を精製する際にその分
解や変質を防止することが可能となる。
【0060】また、水で抽出されたヒドロホルミル化用
触媒水溶液は、本発明の触媒の回収方法により、容易に
回収でき、リサイクル使用することが可能となる。従っ
て、エチレン性不飽和化合物からヒドロホルミル化反応
により対応するアルデヒドを低い製造コストで工業的に
有利に製造することが可能となる。
【0061】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0062】実施例1 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブに、触媒としてジカルボ
ニルアセチルアセトナートロジウム25.8mg(0.
1ミリモル)、トリ(p−N,N−ジメチルアミノメチ
ルフェニル)ホスフィン866mg(2mmol)及び
酢酸0.36g(6mmol)、並びにエチレン性不飽
和化合物として1−オクテン70g(0.625mo
l)を空気に触れないようにしながら仕込み、オートク
レーブ内を水素/一酸化炭素=3/1の混合ガスで25
kg/cmGの圧力に保ち、オフガスを15リットル
/hで流し、撹拌しながら内温を80℃にあげた。この
状態で5時間ヒドロホルミル化反応を行った。原料の1
−オクテンの転換率は96%であり、目的物の1−ノナ
ナールの収量は60.9gであった。
【0063】次いで、反応混合液を、予め水素/一酸化
炭素混合ガス(モル比3/1)で充分に置換した200
mlの三ッ口フラスコに、空気に触れないように圧送
し、水20mlを加え、内温を30℃に保ちながら上記
組成の混合ガス雰囲気下で20分間撹拌した。撹拌を停
止した後に下層の水性層を抜き取った。残った上層の有
機層に水20mlを再び加え、内温を30℃に保ちなが
ら上記組成の混合ガス雰囲気下で20分間撹拌した。撹
拌を停止した後に下層の水溶液を抜き取り、最初の水性
層に合わせ、それを窒素雰囲気に保った200mlのナ
シ型フラスコに移し、それをロータリーエバポレーター
に取り付けた。このフラスコを70℃に保ったウォータ
ーバスに浸しながらフラストの内圧を徐々に20mmH
gまで低下させて、30分間、水を留出させた。その
後、フラスコごと濃縮物を冷却し、その内部を窒素ガス
で常圧に戻すことにより触媒を回収した。
【0064】このように回収した触媒が入ったフラスコ
中に1−オクテン70gを加え撹拌混合し、更に再び空
気に触れないように混合液をオートクレーブに移し、1
回目と同じ条件でヒドロホルミル化反応を行った。その
結果、原料の転換率は92%であった。
【0065】実施例2 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブに、ジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム2.58mg(0.01ミリモ
ル)、トリ(p−N,N−ジメチルアミノフェニル)ホ
スフィン866mg(2mmol)、酢酸0.72g
(12mmol)、7−オクテン−1−アール77g
(0.55mol、純度90%、10%のn−オクタナ
ールを含む)、及びジメチルスルホキシド10gを空気
に触れないようにしながら仕込み、オートクレーブ内を
水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで90kg/cm
Gの圧力に保ち、撹拌しながら内温を80℃にあげ
た。この状態で4時間ヒドロホルミル化反応を行った。
原料の7−オクテン−1−アールの転換率は88%であ
り、目的物の1,9−ノナジナールの収量は47.7g
であった。
【0066】次いで、反応混合液を、予め水素/一酸化
炭素混合ガス(モル比1/1)で充分に置換した1リッ
トルの三ッ口フラスコに、空気に触れないように圧送
し、水20mlを加え、内温を30℃に保ちながら上記
組成の混合ガス雰囲気下で20分間撹拌した。撹拌を停
止した後に混合液を、水素/一酸化炭素雰囲気に保った
分離槽に移し遠心分離(10000G、10分)処理を
施し、2層に分離させた。下層の水性層を窒素雰囲気に
保った200mlのナシ型フラスコに移しロータリーエ
バポレーターに取り付けた。このフラスコを60℃に保
ったウォーターバスに浸しながら内圧を徐々に15mm
Hgまで低下させて、15分間、水を流出させた。その
後、フラスコごと濃縮物を冷却し、その内部を窒素ガス
で常圧に戻すことにより触媒を回収した。
【0067】このように回収した触媒が入ったフラスコ
中に7−オクテン−1−アール77gを加え撹拌混合
し、更に空気に触れないように混合液をオートクレーブ
に移し第1回目と同じ条件で反応させた。原料の転換率
は80%であった。
【0068】実施例3 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブに、ジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム6.44mg(0.025ミリ
モル)、トリ(p−N,N−ジメチルアミノメチルフェ
ニル)ホスフィン433mg(1mmol)、酢酸12
0mg(2mmol)、スチレン91g(0.875m
ol)を空気に触れないように仕込み、オートクレーブ
内を水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで90kg/
cmGの圧力に保ち、撹拌しながら内温を100℃に
あげた。この状態で5時間ヒドロホルミル化反応を行っ
た。原料のスチレンの転換率は100%であり、目的物
の2−フェニルプロパナールの収量は93.0gであっ
た。
【0069】次いで、反応混合液を、予め水素/一酸化
炭素混合ガス(モル比1/1)で充分に置換した200
mlの三ッ口フラスコに、空気に触れないように圧送
し、水20mlとヘキサン50mlとを加え、内温を3
0℃に保ちながら上記組成の混合ガス雰囲気下で10分
間撹拌した。撹拌を停止した後、下層の水性層を抜き取
り、それを窒素雰囲気に保った200mlのナシ型フラ
スコに移し、ロータリーエバポレーターに取り付けた。
このフラスコを60℃に保ったウォーターバスに浸しな
がら内圧を徐々に15mmHgまで低下させて、30分
間、水を留去させた。その後、フラスコごと濃縮物を冷
却し、その内部を窒素ガスで常圧に戻すことにより触媒
を回収した。
【0070】このように回収した触媒が入ったスラスコ
中にスチレン91gを加え撹拌混合し、更に再び空気に
触れないように混合液をオートクレーブに移し、第1回
目と同じ条件でヒドロホルミル化反応を行ったところ、
原料の転換率は100%であった。
【0071】実施例4 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブに、ジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム2.58mg(0.01ミリモ
ル)、トリ(p−N,N−ジメチルアミノフェニル)ホ
スフィン433mg(1mmol)、p−トルエンスル
ホン酸1水和物380mg(2mmol)、2,7−オ
クタジエノール76g(0.60mol)及びスルフォ
ラン11gを空気に触れないように仕込み、オートクレ
ーブ内を水素/一酸化炭素=1/1の混合ガスで30k
g/cmGの圧力に保ち、撹拌しながら内温を90℃
にあげた。この状態で4時間ヒドロホルミル化反応を行
った。原料の2,7−オクタジエノール転換率は72%
で、目的物の9−ヒドロキシ−7−ノネノールの収量は
30gであった。
【0072】次いで、反応混合液に、予め水素/一酸化
炭素混合ガス(モル比1/1)で充分に置換した0.5
リットルの三ッ口フラスコに空気に触れないように圧送
し、水20mlとヘキサン50mlとを加え内温を20
℃に保ちながら上記組成の混合ガス雰囲気下で20分間
撹拌した。撹拌を停止した後、混合液を上記組成の水素
/一酸化炭素ガス雰囲気下で分離槽に移し遠心分離(1
0,000G、5分)処理を施し、2層に分離した。下
層の水性層を窒素雰囲気に保った200mlのナシ型フ
ラスコに移し、ロータリーエバポレーターに取り付け
た。このフラスコを60℃に保ったウォーターバスに浸
しながら内圧を徐々に20mmHgまで低下させて、2
0分間、水を留出させた。その後、フラスコごと濃縮物
を冷却し、その内部を窒素ガスで常圧に戻すことにより
触媒を回収した。
【0073】このように回収した触媒が入ったフラスコ
中に2,7−オクタジエノール76gを加え撹拌混合
し、更に空気に触れないように混合液をオートクレーブ
に移し第1回目と同じ条件で反応させた。原料の転換率
は65%であり、目的物の9−ヒドロキシ−7−ノネナ
ールの収量は27gであった。
【0074】実施例5 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容300m
lの電磁撹拌式オートクレーブに、ジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム5.16mg(0.021ミリ
モル)、トリ(p−N,N−ジメチルアミノフェニル)
ホスフィン866mg(2mmol)、酢酸360mg
(6mmol)、メチルメタクリレート76g(0.7
6mol)、及びジメチルスルホキシド21gを空気に
触れないように仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸
化炭素=1/1の混合ガスで90kg/cmGの圧力
に保ち、撹拌しながら内温を80℃にあげた。この状態
で8時間ヒドロホルミル化反応を行った。原料のメチル
メタクリレート転換率は81%であり、目的物の2−メ
チル−2−ホルミルプロピオン酸メチルの収量は68g
であった。
【0075】次いで、反応混合液を、予め水素/一酸化
炭素混合ガス(モル比1/1)で充分に置換した0.5
リットルの三ッ口フラスコに空気に触れないように圧送
し、水25mlとヘキサン100mlとを加え内温を2
0℃に保ちながら上記組成の混合ガス雰囲気下で15分
間撹拌した。撹拌を停止した後、混合液を上記の組成の
水素/一酸化炭素ガス雰囲気に保った分離槽に移し、遠
心分離(10,000G、10分)処理を施し、2層に
分離した。下層の水性層を窒素雰囲気に保った200m
lのナシ型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター
に取り付けた。このフラスコを70℃に保ったウォータ
ーバスに浸しながら内圧を徐々に20mmHgまで低下
させて、水を30分間留出した。その後、フラスコごと
濃縮物を冷却し、その内部を窒素ガスで常圧に戻すこと
により触媒を回収した。
【0076】このように回収した触媒が入ったフラスコ
中に、メチルメタクリレート76gを加え撹拌混合し、
更に、空気に触れないように混合液をオートクレーブに
移し、第1回目と同じ条件で反応させた。原料の転換率
は73%であり、目的物の2−メチル−2−ホルミルプ
ロピオン酸メチルの収量は61gであった。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、多量の非水極性溶媒を
使用せずに工業的に十分な反応速度でエチレン性不飽和
化合物をヒドロホルミル化してアルデヒドを製造でき、
しかも触媒を高収率で容易に回収でき、更に回収した触
媒をリサイクル使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/228 47/263

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ロジウム化合物; (b)該ロジウム化合物に配位する配位子としての、第
    3級アミン残基と第3級リン残基とをそれぞれ少なくと
    も一つ有する有機リン化合物;及び (c)該有機リン化合物の第3級アミン残基の少なくと
    も一部をアンモニウムイオン化するための酸性化合物と
    からなる、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化
    用触媒。
  2. 【請求項2】 成分(b)の有機リン化合物が、式
    (1)乃至(4)のいずれかの式で表される請求項1記
    載のヒドロホルミル化用触媒: 【化1】 {式(1)において、Rは炭素数1〜10の炭化水素
    基であり、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル
    基、ニトロ基又はハロゲン原子であり、mは1、2又は
    3であり、nは0又は1であり、xは0、1又は2であ
    り、y及びzは独立的に0、1、2又は3であり、但
    し、xとyとzとの和は3であり、そしてX及びX
    は独立的に水素原子又は−NR(ここで、R
    びRは独立的に炭素数1〜4のアルキル基である)で
    あり、但し、yとzとが共に0ではない場合X及びX
    は同時に水素原子ではなく、yが0の場合Xは−N
    であり、zが0の場合Xは−NRであ
    る}; 【化2】 {式(2)において、R及びRは独立的に水素原
    子、炭素数1〜5のアルキル基、ニトロ基又はハロゲン
    原子であり、m及びnは式(1)で定義した通りであ
    り、pは1、2又は3であり、qは0又は1であり、
    a、b、c及びdは独立的に0、1又は2であり、但
    し、aとbとcとdとの和は4であり、Zは2価の炭素
    数1〜10の炭化水素基であり、そしてX、X、X
    及びXは独立的に水素原子又は−NR(ここ
    で、R及びRは式(1)で定義した通りである)で
    あり、但し、aとbとcとdとが共に1の場合X、X
    、X及びXは同時に水素原子ではなく、aが0の
    場合X、X及びXの少なくとも一つは−NR
    であり、bが0の場合X、X及びXの少なくと
    も一つは−NRであり、cが0の場合X、X
    及びXの少なくとも一つは−NRであり、dが
    0の場合X、X及びXの少なくとも一つは−NR
    である}; 【化3】 {式(3)において、R及びRは独立的に水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であり、
    及びR10は独立的に水素原子、炭素数1〜6のア
    ルキル基、ニトロ基又はハロゲン原子であり、r及びs
    は独立的に0、1、2又は3であり、eは1、2又は3
    であり、fは0、1又は2であり、但し、eとfとの和
    は3であり、Xは−NR(ここで、R及びR
    は式(1)で定義した通りである)である};及び 【化4】 {式(4)において、R、R、m、n、p、q、
    a、b、c、d、X、X、X、X及びZは式
    (2)で定義した通りである}。
  3. 【請求項3】 成分(b)の有機リン化合物が、式
    (5)〜(22) 【化5】 P[CHN(C (5) (CPCHN(CH (6) (CPCHCHN(CH (7) P[CHCHCHN(CH (8) P[CHCHCHN(C (9) P[CHCHN(t−C (10) (C17)P[CHN(CH (11) (C13PCHCHCHN(CH (12) (CPCHN(CH (13) (CPCHCHN(CH (14) P[CHCHN(CH (15) P[CN(CH (16) P[CCHN(CH (17) CP[CN(CH (18) CP[CCHN(CH (19) CP[CHCHCHN(CH (20) (CP[CN(CH] (21) (CP[CCHN(i−C] (22) のいずれかの式で表わされる請求項2記載のヒドロホル
    ミル化用触媒。
  4. 【請求項4】 ロジウム原子換算で成分(a)のロジウ
    ム化合物1グラム原子に対して、リン原子換算で成分
    (b)の有機リン化合物が1〜10,000グラム原子
    であり、成分(c)の酸性化合物が、成分(b)の有機
    リン化合物の第3級アミン残基1当量にたいして少なく
    とも0.1当量で配合される請求項1〜3のいずれかに
    記載のヒドロホルミル化用触媒。
  5. 【請求項5】 エチレン性不飽和化合物を触媒の存在下
    で一酸化炭素と水素とを反応させてヒドロホルミル化
    し、それにより相当するアルデヒドを含有する反応混合
    物を得る工程を含むアルデヒド製造方法において、触媒
    として請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロホルミル
    化用触媒を使用するアルデヒド製造方法。
  6. 【請求項6】 エチレン性不飽和化合物を触媒の存在下
    で一酸化炭素と水素とを反応させてヒドロホルミル化す
    る際に、水よりも沸点の高い極性溶媒の存在下で反応を
    行う請求項5記載のアルデヒド製造方法。
  7. 【請求項7】 極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N
    −メチルピロリドン、スルホラン及びジメチルホルムア
    ミドの群から選ばれる少なくとも一種である請求項6記
    載のアルデヒド製造方法。
  8. 【請求項8】 エチレン性不飽和化合物と、それから得
    られるアルデヒドとが実質的に非水溶性である請求項5
    〜7のいずれかに記載のアルデヒド製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のアルデヒド製造方法で
    得られる反応混合物から請求項1〜4のいずれかに記載
    のヒドロホルミル化用触媒を回収する方法において、該
    反応混合物と水とを接触させ、それにより水性層にヒド
    ロホルミル化用触媒を抽出し、その水性層から水を除去
    することを特徴とするヒドロホルミル化用触媒の回収方
    法。
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