JPH07317993A - スチームトラップ - Google Patents

スチームトラップ

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JPH07317993A
JPH07317993A JP13115494A JP13115494A JPH07317993A JP H07317993 A JPH07317993 A JP H07317993A JP 13115494 A JP13115494 A JP 13115494A JP 13115494 A JP13115494 A JP 13115494A JP H07317993 A JPH07317993 A JP H07317993A
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water level
level
time
detection signal
control valve
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Application number
JP13115494A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sukunami
博史 宿南
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YUNISUN KK
Original Assignee
YUNISUN KK
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Publication date
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  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】水位の急激な変化を抑えるよう復水の排出量を
制御してコントロール弁の開閉頻度を低く抑えられるス
チームトラップを提供する。 【構成】復水と蒸気が流入する流入口2と復水を排出す
る排出口3を有する復水タンク1に、復水タンク1内の
水位を検出して水位検出信号Lを出力する水位センサ5
を設ける。排出口3に、排出される復水の排出量を調節
するコントロール弁4を設ける。水位検出信号Lが示す
水位の基準範囲を設定する基準範囲設定手段12と、水
位検出信号Lのレベルが基準範囲に基づいて定められた
一定の範囲を外れて所定のレベルに達するまでの到達時
間を計時する計時手段10と、計時された到達時間ts
と所定のレベルとに基づいて水位が基準範囲内に復帰す
るようコントロール弁4の開度を調整する弁開度調整手
段60とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば蒸気使用機器の
熱交換器で発生する復水を、復水タンクにおける排出口
よりも上方のほぼ一定の水位に保つよう排出量を制御し
て、蒸気を復水タンク内における復水の水面より上方の
空間にトラップするスチームトラップに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のスチームトラップは、復水タン
クへの復水流入量に対して、復水の水位を常に排出口よ
りも上方の一定レベルに保持するよう復水を排出するこ
とが要求される。そこで、本出願人は、復水の水位検出
手段として静電容量プローブを用いることにより、既存
の水位センサが有していたガラスチューブの汚れや光フ
ァイバの損傷、或いはプローブへの水滴の付着などの影
響による水位検出の信頼性の低下を解消して、復水の水
位を正確に検出し、復水の水位をほぼ一定レベルに制御
できるスチームトラップを提案している(特願平1−2
39390号参照)。
【0003】このスチームトラップでは、基準範囲を設
定する上限水位と下限水位を個々に検出する静電容量プ
ローブを設けて、水位が上限水位より上昇したときに、
制御部から駆動信号を出力して、排出口に設けたコント
ロール弁の開度を大きくして排出量を増すよう制御し、
逆に、水位が下限水位よりも低下したときに、コントロ
ール弁の開度を小さくして排出量を減らすよう制御して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記スチームトラップ
は、復水タンクへの復水の流入量、あるいは復水タンク
内での復水の発生量に急激で大きな変動がなければ、コ
ントロール弁の開閉動作を頻繁に行わなくても水位をほ
ぼ一定に保つことができる。しかし、水位が急激に上昇
または低下した場合には、一定開度によるコントロール
弁の開動作または閉動作を数回繰り返すことになる。ま
た、水位を所望の基準範囲内に保つために、コントロー
ル弁の一定開度による開動作または閉動作を数回繰り返
すと、コントロール弁が復水の変動に対して開き過ぎ、
または閉じ過ぎの状態になることがあり、そのような場
合には、水位が反対方向に急激に変化するので、コント
ロール弁をさらに反対方向に動作させる必要が生じる。
すなわち、復水の水位が急激に変化した場合には、水位
を検出しながらコントロール弁の開閉制御を数回行う必
要があり、水位を基準範囲内に戻すのに時間がかかる。
さらに、コントロール弁の開閉動作の頻度が高くなる結
果、寿命が短縮される課題もある。
【0005】そこで本発明は、水位の急激な変化を抑え
るよう復水の排出量を適切に制御して、コントロール弁
の開閉頻度を低く抑えられるスチームトラップを提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の請求項1に係るスチームトラップは、
復水と蒸気が流入する流入口と復水を排出する排出口を
有する復水タンクと、前記復水タンク内の水位を検出し
て水位検出信号を出力する水位センサと、前記排出口か
ら排出される復水の排出量を調節するコントロール弁
と、前記水位検出信号が示す水位の基準範囲を設定する
基準範囲設定手段と、前記水位検出信号のレベルが前記
基準範囲に基づいて定められた一定の範囲を外れて所定
のレベルに達するまでの到達時間を計時する計時手段
と、計時された到達時間と前記所定のレベルとに基づい
て水位が前記基準範囲内に復帰するよう前記コントロー
ル弁の開度を調整する弁開度調整手段とを備えている。
ここで、前記基準範囲は、好ましい水位の変動範囲であ
り、水位がこの範囲内にあるときは、コントロール弁の
制御によって水位を調節する必要はない。
【0007】また、請求項2に係るスチームトラップ
は、請求項1の構成に加えて、前記計時手段に、前記水
位検出信号のレベルが前記所定のレベルまたは前記基準
範囲を外れて、基準範囲内に復帰するまで、または前記
弁開度調整手段による弁開度の調整が行われるまでの非
調整時間を計時する補助計時部を付加し、さらに、前記
弁開度調整手段が、計時された非調整時間が一定の設定
時間に達したとき、前記コントロール弁の開度を一定時
間のみ水位のレベルが前記基準範囲に復帰する方向に調
整する割込み処理手段を備えている。
【0008】
【作用および効果】請求項1のスチームトラップによれ
ば、水位センサで復水タンク内の復水の水位を検出し、
この水位センサの水位検出信号のレベルが、基準範囲設
定手段で設定した基準範囲に基づき定められた一定の範
囲を外れたときに、計時手段が計時を開始する。計時手
段は、水位検出信号のレベルが一定範囲を外れて所定の
レベルに達するまでの到達時間を計時する。つぎに、弁
開度調整手段は、水位検出信号のレベルが所定のレベル
に達したときに、計時された到達時間と所定レベルとに
基づいてコントロール弁の開度を調整する。すなわち、
到達時間が長い緩やかな変動の場合には、それに応じた
小さな開度変更量でコントロール弁の開度を調整し、到
達時間が短い急激な変動の場合には、それに応じた大き
な開度変更量でコントロール弁の開度を調整する。
【0009】したがって、上記スチームトラップでは、
復水の水位が急激に変動し始めたときに、その変動の大
きさに応じた大きな開度変更量でコントロール弁の開度
を調整する。そのため、復水の水位は、大きく変動しよ
うとするのを阻止されて、緩やかな変動に変えられる。
一方、復水の水位が緩やかに変動しながら一定範囲を外
れた場合には、コントロール弁の開度を小さな開度変更
量で調整して、復水の水位をその緩やかな変動状態を保
ちながら基準範囲内に復帰させる。すなわち、コントロ
ール弁の開度は、復水の水位の変動速度に合わせて調整
されるので、復水の水位は、基準範囲内に安定状態に落
ち着いて一定範囲から外れることが少なくなる。したが
って、コントロール弁は、その開閉動作の頻度が低くな
る。
【0010】また、請求項2のスチームトラップによれ
ば、水位検出信号のレベルが前記所定のレベルに達して
コントロール弁の開度が調整されたとき、または前記基
準範囲を外れたときに、補助計時部が計時を開始し、水
位検出信号のレベルが基準範囲内に復帰するまで、また
は、水位検出信号が再び所定のレベルに達して前記弁開
度調整手段による弁開度の調整が行われるまでの時間
を、非調整時間として計時する。この非調整時間が一定
の設定時間に達したとき、つまり、弁開度の調整による
水位の変動が遅過ぎるとき、弁開度調整手段の割込み手
段は、コントロール弁の開度を、比較的短い一定時間の
み水位のレベルが基準範囲に復帰する方向にシフトする
よう割込み処理を行う。したがって、水位が前記基準範
囲外で安定してしまうのを防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら詳述する。図1は本発明の一実施例の構
成を示す概略図である。同図において、熱交換器などの
下流側に設置される復水タンク1には、復水と蒸気が流
入する流入口2が上部に、復水を排出する排出口3が下
部にそれぞれ設けられている。排出口3には、この排出
口3から排出される復水の排出量を調節するアクチュエ
ータ付きのコントロール弁4が取り付けられている。こ
のコントロール弁4は、たとえば1〜5Vの範囲の電圧
をアクチュエータに印加することにより弁開度をリニア
に制御できるものであり、1Vの電圧において全閉し、
5Vの電圧で全開する。
【0012】また、復水タンク1内には、内部の復水D
の水位を検出する水位センサ5が設けられている。この
水位センサ5は、絶縁被膜を施した垂直な棒状の電極5
aと、この電極5aの外周に空間を存して配設されて電
極5aの外周を覆う保護管5bとを備えた周知の静電容
量方式のものである。復水タンク1内に存在する復水D
の量、つまり復水Dの水位に対応して、中央電極5aと
タンク壁1aとの間の静電容量が変化するので、この静
電容量を水位検出信号cとして出力する。制御部(弁開
度調整手段の一種)6は、水位センサ5から入力された
水位検出信号cに基づいてコントロール弁4の開度を制
御する。
【0013】図2は上記実施例の信号処理系のブロック
図を示す。上記水位センサ5から出力された静電容量に
よる水位検出信号cは、制御部6に内蔵されたC−V変
換部7において電圧値に変換され、さらに、この電圧値
の水位検出信号vは、A/D変換部8においてデジタル
信号に変換される。この変換方法の一例として、電極5
aとタンク壁1a間に形成される静電容量(水位検出信
号c)を示すキャパシタンスに対して、C−V変換部7
の内部で、基準の静電容量を持つキャパシタンスを並列
接続して、両静電容量のバランスから、前者の静電容量
に対応した、つまり水位に対応した電圧信号を得る方法
がある。さらに、この電圧値の水位検出信号vは、A/
D変換部8においてデジタル信号に変換され、このデジ
タル信号による水位検出信号Lは、弁開度調整手段60
の第1の比較手段61および第2の比較手段62に入力
される。
【0014】一方、基準範囲設定手段12は、水位検出
信号Lが示す水位の基準範囲を設定するもので、基準範
囲の上限値と下限値を外部からの操作により入力したと
き、これら上限値と下限値に対応した上限設定値LRH
下限設定値LRLの両信号を出力する。この両信号LRH
RLは、A/D変換部8でデジタル信号に変換されたの
ちに第1の比較手段61に入力される。なお、復水タン
ク1における復水の許容水位範囲は、A/D変換部8か
ら出力される水位検出信号Lの電圧レベルにおいて上限
が4.5Vで下限が1.5Vに設定されており、これよ
りも狭い基準範囲を設定する上限設定値LRHと下限設定
値LRLは、上記許容水位範囲の中間となるように、各々
3.2Vおよび2.8Vに設定されている。
【0015】第1の比較手段61は、水位検出信号Lの
レベルを上限設定値LRHおよび下限設定値LRLの各信号
レベルとそれぞれ比較して、水位検出信号Lの信号レベ
ルが基準範囲内であるか否かを比較判別するとともに、
水位検出信号Lのレベルが基準範囲を外れたと判別した
ときにセット信号sを出力する。タイマ9Aは、第1の
比較手段61からセット信号sが入力された時に計時動
作を開始する。このとき同時に、第1の比較手段61か
ら比較判別信号が調整信号生成手段65に入力され、こ
の調整信号生成手段65が、指令信号を第2の比較手段
62に出力する。第2の比較手段62は、判別手段65
からの前記指令信号を受け作動を開始して、この時点か
らの水位検出信号Lのレベルの変化量が変位量設定手段
63に設定された所定の変位量に達したか否かを比較判
別する。
【0016】上記第2の比較手段62は、水位検出信号
Lのレベルの変化量が所定の変位量に達したと判別した
ときに、リセット信号rを出力してタイマ9Aをリセッ
トするとともに、到達時間検知手段64に作動を指令す
る。タイマ9Aと共に計時手段10を構成する到達時間
検知手段64は、タイマ9Aから出力される計時に適し
た周期(例えば10msec)を持つ計時信号toに基
づいて水位検出信号Lのレベルの変化量が所定の変位量
に達するまでの時間を検知する。
【0017】調整信号生成手段65は、到達時間検知手
段64からの時間検知信号tsと、第2の比較手段62
から出力される水位の所定レベル(LRH+所定の変位
量)を示す信号とに基づいて、コントロール弁4の開度
変更量を示す電圧値を演算し、その演算した弁開度調整
信号VC をコントロール弁4に対し出力する。第1の比
較手段61は、水位検出信号Lのレベルが基準範囲内に
復帰したと比較判別したときに、クリア信号crを出力
してタイマ9Aの計時動作を停止させる。
【0018】第1と第2の比較手段61,62、変位量
設定手段63および判別手段65が本発明の弁開度調整
手段60を構成する。また、前記C−V変換部7,A/
D変換部8、計時手段10および弁開度調整手段60が
制御部6を構成している。
【0019】つぎに、上記実施例の動作を、図3のフロ
ーチャートならびに図4のタイミングチャートを参照し
ながら詳述する。なお、図4(a)は水位検出信号Lの
レベルを示し、同図(b)はタイマ9Aの作動状態、同
図(c)は調整信号生成手段65からコントロール弁4
に対し出力される弁開度調整信号VC のレベルをそれぞ
れ示している。
【0020】第1の比較手段61は、水位検出信号Lが
入力される(ステップS1)と、この水位検出信号Lの
レベルが上限設定値LRHよりも大きいか否かを判別し
(ステップS2)、つづいて、水位検出信号Lのレベル
が下限設定値LRLよりも小さいか否か(ステップS1
2)を常に比較判別している。水位検出信号Lのレベル
が上限設定値LRHと下限設定値LRLとの間、つまり基準
範囲内に維持されている場合は、タイマ9Aがクリア状
態を保持する(ステップS22)。
【0021】復水の水位が上昇して、図4(a)のT1
時に、水位検出信号Lのレベルが上限設定値LRHを越え
ると、第1の比較手段61からの比較判別信号を受けて
調整信号生成手段65は、今、初めて上限設定値LRH
越えたところであるか否かを判断する(ステップS
3)。この場合、T1時に初めて上限設定値LRHを越え
たので、第1の比較手段61からセット信号sが出力さ
れて、図4(b)に示すように、タイマ9Aが計時動作
を開始する(ステップS4)。
【0022】ここでは、基準範囲LRL〜LRHが、タイマ
9Aの計時開始時点を決める一定の範囲となる。この一
定の範囲は、後述するように、基準範囲よりも上下に広
がることがある。調整信号生成手段65は、この時点で
の水位検出信号Lのレベルを前回の信号レベルLPRとし
て設定する(ステップS5)。この場合は、上限設定値
RHが前回の信号レベルLPRとして設定される。つづい
て、水位表示などの他の処理に移る。
【0023】つぎに、ふたたびステップ1からの処理を
始める。水位検出信号Lのレベルが依然として上限設定
値LRHを越えている場合、調整信号生成手段65は、水
位検出信号Lのレベルが上限設定値LRHに達したのが今
初めてでないと判別して(ステップS3)、第2の比較
手段62に対し作動を指令する。第2の比較手段62
は、水位検出信号Lのレベルの前回設定したレベルLPR
に対する上昇量L−LPRが変位量設定手段63に設定さ
れた所定の変位量ΔLR に達したか否かを比較判別する
(ステップS6)。第2の比較手段62は水位検出信号
の上昇量が変位量ΔLR に達するまで比較判別動作を継
続する。上記変位量ΔLR としては、水位検出信号Lの
信号レベルに対応してたとえば0.1Vが設定されてい
る。
【0024】図4(a)に示すように、T2時に水位検
出信号の上昇量が変位量ΔLR に達すると、それを比較
判別した第2の比較手段62は、到達時間検知手段64
に作動を指令する。到達時間検知手段64は、タイマ9
Aの計時した計時信号toに基づいて水位検出信号Lの
レベルが上限設定値LRHを越えてから、つまり、基準範
囲LRL〜LRHを外れてから変位量ΔLR だけ上昇するま
でに要した到達時間tsを検知し、その検知した到達時
間tsを調整信号生成手段65に入力する(ステップS
7)。この場合の到達時間tsを、図4(b)に示すよ
うに、t1とする。
【0025】調整信号生成手段65は、到達時間t1に
対するコントロール弁4の開度変更量ΔVL (t1)を
演算する。到達時間tsに対する開度変更量ΔVL は予
め、たとえば表1のとおり設定されている。
【0026】表 1 到達時間ts 開度変更量ΔVL 5sec> のとき 0.5V 15sec>のとき 0.4V 30sec>のとき 0.3V 60sec>のとき 0.2V 60sec≦のとき 0.1V すなわち、到達時間tsが短くなるにしたがって開度変
更量ΔVL が大きくなる。
【0027】つぎに、調整信号生成手段65は、演算し
た開度変更量ΔVL (t1)に基づいて新たな弁開度調
整信号Vc=Vc+ΔVL を演算する(ステップS8)
とともに、算出した弁開度調整信号Vcをコントール弁
4に対し出力する(ステップS9)。これとほぼ同時
に、図4(b)に示すように、第2の比較手段62から
出力されるリセット信号rによってタイマ9Aがリセッ
トされて(ステップS10)、再び計時動作を開始す
る。新たな弁開度調整信号Vcによって開度を大きくな
るよう調整された時点での水位検出信号Lのレベルを前
回の信号レベルLPRとして設定し直した(ステップS1
1)のちに、水位表示など他の処理に移る。
【0028】上記到達時間t1は、図4(b)から明ら
かなように、水位検出信号Lのレベルが急激に上昇した
ことから、比較的短い。コントロール弁4は、短い到達
時間t1に対応する比較的大きな開度変更量ΔVL (t
1)分だけ開度を大きくなるように調整される。したが
って、水位検出信号Lのレベルは、急激に上昇し続けよ
うとするのを阻止されて、図4(a)に示すように、コ
ントロール弁4の開度の調整後に緩やかに基準範囲LRL
〜LRH内に向かうよう調整され、T3時に基準範囲内に
入る。それを比較判別した第1の比較手段61からのク
リア信号crにより、図4(b)に示すように、タイマ
9Aがクリア(次のセット信号が入るまで停止)され
る。
【0029】つぎに、第1の比較手段61が、図4のT
4時に水位検出信号Lのレベルが下限設定値LRLを下ま
わったのを比較判別する(ステップS12)と、調整信
号生成手段65は、今、初めて下限設定値LRLに下まわ
ったところであると判断して(ステップS13)、第1
の比較手段61に対してセット信号sを出力し、タイマ
9Aの計時動作の開始を指令する(ステップS14)。
さらに、調整信号生成手段65は、この時点での水位検
出信号Lのレベルである下限設定値LRLを前回の信号レ
ベルLPRとして設定する(ステップS15)。つづい
て、水位表示など他の処理に移る。
【0030】つぎに、ふたたびステップ1からの処理を
始め、調整信号生成手段65は、水位検出信号Lのレベ
ルが下限設定値LRLを下まわったのが今初めてでないと
判別して(ステップS13)、第2の比較手段62に対
し作動を指令する。第2の比較手段62は、水位検出信
号Lのレベルの前回設定したレベルLPRに対する低下量
が設定変位量ΔVR (0.1V)に達したと判別するま
で、その比較動作を継続する(ステップS16)。図4
(a)のT5時に、水位検出信号Lのレベルの低下量が
設定変位量ΔVR に達すると、それを比較判別した第2
の比較手段62により作動を指令された到達時間検知手
段64は、タイマ9Aの計時信号toに基づいて、水位
検出信号が下限設定値LRLから変位量ΔLR だけ低下す
るのに要した到達時間tsを検知し、この場合の到達時
間tsであるt2を調整信号生成手段65に入力する
(ステップS17)。
【0031】調整信号生成手段65は、到達時間t2に
対するコントロール弁4の開度変更量ΔVL (t2)を
演算したのちに、演算した開度変更量ΔVL (t2)に
基づいて新たな弁開度調整信号Vc=vc−ΔVL (t
2)を演算(ステップS18)するとともに、算出した
弁開度調整信号Vcをコントール弁4に対し出力する
(ステップS19)。これとほぼ同時に、第2の比較手
段62から出力されるリセット信号rによってタイマ9
Aが一旦リセットされ(ステップS20)、その後に再
び計時動作を開始する。新たな弁開度調整信号Vcによ
って開度を小さくするよう調整された時点での水位検出
信号Lのレベルを、前回の信号レベルLPRとして設定し
直した(ステップS21)のちに、他の処理に移る。
【0032】上記到達時間t2は、図4(b)から明ら
かなように、水位検出信号Lのレベルが緩やかに低下し
たことから、比較的長い。コントロール弁4は、長い到
達時間t2に対応する比較的小さな開度変更量ΔV
L (t2)分だけ開度が小さくなるよう調整される。し
たがって、水位検出信号Lのレベルは、図4(a)に示
すように、開度を小さくし過ぎることによる急激な上昇
を防止して、緩やかに基準範囲内に向かうよう調整さ
れ、T6時に基準範囲内に入ってタイマ9Aがクリアさ
れる。
【0033】こうして上昇し始めた水位検出信号Lのレ
ベルが、図4(a)に示すように、T7時に上限設定値
RHに達し、この時点からt3の時間経過後のT8時に
設定変位量ΔVR だけ上昇すると、この経過時間t3に
対応して演算された開度変更量ΔVL (t3)分だけコ
ントロール弁4の開度を大きくする。T8時に、タイマ
9Aは一旦リセットされたのちに再び計時動作を継続す
る。
【0034】一方、タンク内への復水流入が続いている
場合、このような弁開度の調整にもかかわらず、水位が
緩やかに上昇し続けることがある。このような場合、調
整信号生成手段65が前回の信号レベルLPRとしてLRH
+ΔVR を設定した(ステップS11)のち、第2の比
較手段62は、水位検出信号Lのレベルにおける前回の
信号レベルLPR=LRH+ΔVR からの変化量が設定変位
量ΔVR に達したか否かを比較判別する(ステップS
6)。すなわち、到達時間の計時を開始する時点となる
一定の範囲の上限が、上限設定値LRHからLRH+ΔLR
に自動的に変更される。つまり一定の範囲が基準範囲よ
りもΔLR だけ上に広がる。
【0035】なお、詳述はしないが、水位検出信号Lの
レベルが基準範囲の下限設定値LRLの下方の所定レベル
RL−ΔLR よりも低下した場合もやはり、弁開度の調
整にもかかわらず、水位が緩やかに下降し続けることが
ある。このような場合、上記と同様に、到達時間の計時
を開始する時点となる一定の範囲の下限が、下限設定値
RLからLRL−ΔLR に自動的に変更される。つまり一
定の範囲が基準範囲よりもΔLR だけ下に広がる。こう
して、「一定の範囲」は、基準範囲よりも±LR だけ上
下に広がる
【0036】T8時からt4の時間経過後のT9時に、
第2の比較手段62が水位検出信号Lのレベルの変化量
が設定変位量ΔLR に達した、つまり水位検出信号Lの
レベルがLRH+2ΔVR に達したのを比較判別すると、
この経過時間t4に対応して演算された開度変更量ΔV
L (t4)分だけコントロール弁4の開度を大きくなる
よう調整する。それにより、図4(a)に示すように、
水位検出信号Lのレベルが緩やかに低下し始めて、T1
0時に基準範囲内に入る。この場合、水位検出信号Lの
レベルは、図4(a)に示すように、緩やかに上昇し続
けているため、前述の2回にわたり演算された各開度変
更量ΔVL (t3)、ΔVL (t4)は、図4(c)か
ら明らかなように、最初の開度調整量ΔVL (t1)と
比較して、いずれも小さいものとなり、それによりコン
トロール弁4の開度が調整されるので、水位検出信号L
は緩やかに低下する。
【0037】上記実施例によれば、つぎの効果がある。
すなわち、図1の復水タンク1内の復水Dの上昇が極め
て緩やか、または極めて急激である場合、一定値に設定
した開度変更量によりコントロール弁4の開度を調整す
ると、その開度が過大または過小となって、開度の調整
後に再び開度調整する必要が生じることになる。これに
対し、前記実施例のスチームトラップでは、水位検出信
号Lのレベルが基準範囲LRL〜LRHに基づいて定められ
た一定の範囲を外れて所定のレベルに達するまでの到達
時間に対応して、つまり、復水タンク1内の復水Dの水
位の変動速度に対応して、コントロール弁4の開度調整
量を変化させて復水Dの排出量を制御しているため、復
水Dの水位が基準範囲から外れる頻度が少なくなる。そ
れに伴ってコントロール弁4の開閉動作の頻度が著しく
低減される。
【0038】図5は本発明の他の実施例に係るスチーム
トラップのブロック図を示す。この実施例では、計時手
段11として、前記実施例のタイマ9Aと到達時間検知
手段64に加えて、タイマ(補助計時部の一例)9Bを
設け、さらに、弁開度調整手段60に、レベルシフト量
設定手段66、割込み処理手段67およびオアゲート6
8を付加している。
【0039】前記タイマ9Bは、予め計時時間がたとえ
ば2分に設定されており、計時中にこの設定時間に達し
たとき、割り込み処理手段67に対し割込み信号IRを
出力するプログラマブルタイマである。割り込み処理手
段67は、割り込み信号IRの入力により、前記レベル
シフト量設定手段66に設定されたレベルシフト量に基
づいて、弁開度調整信号VC のレベルを瞬間的にシフト
するとともに、オアゲート68を経て、タイマ9A,9
Bにリセット信号rを出力する。
【0040】この実施例の作用を、そのフローチャート
の一部を示した図6およびタイミングチャートを示した
図7を参照しながら詳述する。たとえば、図7(a)に
示すように、水位検出信号LのレベルがT11時に上限
設定値LRHに達した時点からt5の時間経過後のT12
時に設定変位量ΔVRだけ上昇し、T12時に、到達時
間t5から演算した開度変更量ΔVL (t5)だけコン
トロール弁14を開度が大きくなるよう調節したにもか
かわらず、復水の流入量と排水量がほぼバランスした結
果、水位検出信号Lのレベルが、LRH+2ΔLR のレベ
ルとLRH+ΔLR の間において殆ど変化しない安定状態
STに落ち着くことがある。このような事態が発生する
と、水位検出信号Lのレベルを基準範囲内に復帰させる
のに時間を要する不都合が発生する。
【0041】この実施例は、上述のような不都合をも解
消できるものである。両タイマ9A,9Bは、図5から
明らかなように、計時の開始、リセット(停止後再計
時)およびクリア(停止し、つぎのセット信号で再計時
開始)を共に同時に行い、その動作は図7(b)に示す
ように、同一である。つまり、両タイマ9A,9Bは、
基準範囲LRL〜LRH内にあった水位検出信号Lがその上
限値LRHもしくは下限値LRLに達したときにセットさ
れ、基準範囲外にあった水位検出信号Lがその上限値L
RHもしくは下限値LRLに達したときにクリアされ、また
は所定のレベルLRH+ΔLR ,LRH+2ΔLR ,LRL
ΔLR ,LRL−2ΔLR に達したときリセット(計時再
開)がなされる。
【0042】両タイマ9A,9Bは、図7(b)に示す
ように、水位検出信号Lが所定のレベルLRH+2ΔLR
に達したT12時にリセットされて計時動作を再開す
る。こうして、タイマ9Bは、T12時点から計時を開
始し、水位検出信号Lが所定のレベルLRH+ΔLR に達
して、弁開度調整が行われるまでの非調整時間を計時す
る。この計時中に、T13時点で設定時間tS に達した
とき、計時を終了して、割り込み処理手段67に対し割
込み信号IRを出力する。
【0043】図6において、調整信号生成手段65は、
割込み信号IRによる割込み処理中であるか否かを判別
し(ステップS25)、割込み処理中でない場合には、
割込み処理手段67を不作動にして、図3に示したフロ
ーチャートに基づく処理を行う。前述のT13時には、
割込み処理が行われており、この場合、調整信号生成手
段65は、コントロール弁4に対し開度変更量△VL
出力していないのを判別し(ステップS26)、水位検
出信号Lのレベルが下限設定値LRLよりも低いか否かを
判別する(ステップS27)。すなわち、水位検出信号
Lのレベルが基準範囲の上限または下限の何れ側に外れ
ているかを判別する。
【0044】この場合、上限側に外れているため、T1
3時において、図7(c)に示すように、その時点の弁
開度調整信号LのレベルVC に、レベルシフト量設定手
段66に設定されているレベルシフト量Vsfを加算し
て、算出した弁開度調整信号VC +Vsfをコントロール
弁4に対し出力し(ステップS28)、両タイマ9A,
9Bをリセットする(ステップS30)。なお、レベル
シフト量Vsfとして、たとえば0.4Vが設定され、レ
ベルシフト時間tC として、たとえば10秒が設定され
る。
【0045】つづいて、再びステップ25からの処理を
始め、調整信号生成手段65は、前述のように弁開度調
整信号VC を出力中であるのを判別した(ステップS2
6)のちに、タイマ9Aが計時中の時間tを到達時間検
知手段54を介して取り込む(ステップS31)ととも
に、この時間tが設定時間tc に達した否かを判別し
(ステップS32)、この判別動作をt=tc になるま
で継続する。このとき、水位検出信号Lのレベルは、コ
ントロール弁4の開度がレベルシフト量Vsfの0.4V
相当分だけ大きく調整されたことから、図7(a)に示
すように、急激に低下し始める。
【0046】図7のT14時に、調整信号生成手段65
は、レベルシフト量Vsf相当分だけコントロール弁4の
開度を大きくした状態が設定時間tc 継続されたのを判
別した(ステップS32)のちに、水位検出信号Lのレ
ベルが下限設定値LRLよりも高い状態で割込み処理が行
われたのを判別して(ステップS33)、その時点の弁
開度調整信号LのレベルVC に、レベルシフト量設定手
段66に設定されているレベルシフト量Vsfを減算し
て、算出した弁開度調整信号VC をコントロール弁4に
対し出力する(ステップS34)。
【0047】すなわち、図7(c)に示すように、T1
4時に、コントロール弁4の弁開度をT13時の元の開
度に戻しており、コントロール弁4の開度は、短い設定
時間tc (この例では10秒)の間のみ0.4Vのレベ
ルシフト量Vsfに相当する開度分だけ大きくなるよう調
整されただけである。これは、実質的にコントロール弁
4の開度を変えることなく水位検出信号Lのレベルのみ
を瞬間的に低下させることにより、水位検出信号Lのレ
ベルが殆ど変化しない安定状態を保持しながら水位検出
信号Lのレベルを基準範囲内に移すことを図ったもので
ある。
【0048】なお、水位検出信号Lのレベルは、図7
(a)に示すように、T13時からT14時におけるレ
ベルシフト処理を行っても基準範囲内に低下していな
い。そのため、水位検出信号Lのレベルが基準範囲内に
低下するまでレベルシフト処理が行われる。すなわち、
T14時に、両タイマ9A,9Bは、リセットされた
(ステップS35)のちに、共に計時動作を開始し、T
15時に、タイマ9Bが計時する非調整時間設定時間t
S に達したとき、計時を終了して、前述と同様のレベル
シフト処理が行われる。水位検出信号Lのレベルは、こ
の時点で基準範囲内に入り、かつ基準範囲内において殆
ど変化しない安定状態に落ち着く。
【0049】水位検出信号Lのレベルが上昇して上限設
定値LRHを越えたのち安定してしまい、所定のレベルL
RH+△LR に達しない場合も同様に、割込み処理手段6
7が作動して弁開度が調整される。
【0050】一方、図7(a)に示すように、T16時
に、水位検出信号Lのレベルが下限設定値LRLより下方
に外れて殆ど変化しない安定状態に落ち着いた場合も、
前述とほぼ同様の割込み処理が行われる。すなわち、水
位検出信号Lのレベルを上方にシフトする点が異なるの
みであり、レベルシフトするための弁開度調整信号VC
は、その時点の弁開度調整信号LのレベルVC に、レベ
ルシフト量設定手段66のレベルシフト量Vsfを減算し
て算出され、その弁開度調整信号VC がコントロール弁
4に対し出力される(ステップS29)。また、コント
ロール弁4の開度を元に戻す場合には、その時点の弁開
度調整信号LのレベルVC にレベルシフト量Vsfを加算
して、算出した弁開度調整信号VC をコントロール弁4
に対し出力する(ステップS36)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスチームトラップの全
体を示す概略構成図である。
【図2】同上実施例のブロック構成図である。
【図3】同上実施例の処理内容を示すフローチャートで
ある。
【図4】同上実施例のタイミングチャートであって、
(a)は水位検出信号のレベルの変化を示し、(b)は
タイマの動作状態を示し、(c)はコントロール弁に出
力される弁開度調整信号のレベルの変化を示す。
【図5】本発明の他の実施例に係るスチームトラップの
ブロック構成図である。
【図6】同上実施例の処理内容を示すフローチャートで
ある。
【図7】同上実施例のタイミングチャートであって、
(a)は水位検出信号のレベルの変化を示し、(b)は
タイマの動作状態を示し、(c)はコントロール弁に出
力される弁開度調整信号のレベルの変化を示す。
【符号の説明】
1…復水タンク、2…流入口、3…排出口、4…コント
ロール弁、5…水位センサ、6…制御部、60…弁開度
調整手段、9B…プログラマブルタイマ(補助計時
部)、10,11…計時手段、12…基準範囲設定手
段、L…水位検出信号、ts…到達時間、LRL〜LRH
基準範囲、LRL〜LRH,LRL−△LR 〜LRH+△LR
一定の範囲。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 復水と蒸気が流入する流入口と復水を排
    出する排出口を有する復水タンクと、 前記復水タンク内の水位を検出して水位検出信号を出力
    する水位センサと、 前記排出口から排出される復水の排出量を調節するコン
    トロール弁と、 前記水位検出信号が示す水位の基準範囲を設定する基準
    範囲設定手段と、 前記水位検出信号のレベルが前記基準範囲に基づいて定
    められた一定の範囲を外れて所定のレベルに達するまで
    の到達時間を計時する計時手段と、 計時された到達時間と前記所定のレベルとに基づいて水
    位が前記基準範囲内に復帰するよう前記コントロール弁
    の開度を調整する弁開度調整手段とを備えたスチームト
    ラップ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記計時手段はさら
    に、前記水位検出信号のレベルが前記所定のレベルまた
    は前記基準範囲を外れて、基準範囲内に復帰するまで、
    または前記弁開度調整手段による弁開度の調整が行われ
    るまでの非調整時間を計時する補助計時部を備えてお
    り、 前記弁開度調整手段は、計時された非調整時間が一定の
    設定時間に達したとき、前記コントロール弁の開度を一
    定時間のみ水位のレベルが前記基準範囲に復帰する方向
    に調整する割込み処理手段を備えたスチームトラップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014530326A (ja) * 2011-09-08 2014-11-17 ベコー テヒノロギース ゲーエムベーハー 凝縮液を加圧ガスシステムから自動的に排出するための向上された方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014530326A (ja) * 2011-09-08 2014-11-17 ベコー テヒノロギース ゲーエムベーハー 凝縮液を加圧ガスシステムから自動的に排出するための向上された方法

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