JPH07316988A - セルロース系繊維生地の染色方法および該方法で染色されたセルロース系繊維生地 - Google Patents

セルロース系繊維生地の染色方法および該方法で染色されたセルロース系繊維生地

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JPH07316988A
JPH07316988A JP6108638A JP10863894A JPH07316988A JP H07316988 A JPH07316988 A JP H07316988A JP 6108638 A JP6108638 A JP 6108638A JP 10863894 A JP10863894 A JP 10863894A JP H07316988 A JPH07316988 A JP H07316988A
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cellulosic fiber
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cationization
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Hisashi Matsuoka
久之 松岡
Tadatoshi Takao
忠俊 鷹尾
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SUGIMOTO KK
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    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P1/00General processes of dyeing or printing textiles, or general processes of dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form, classified according to the dyes, pigments, or auxiliary substances employed
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルロース系繊維生地において、繊維生地に
対して後加工で、所要の染色を施す。 【構成】 セルロース系繊維生地に対して、カチオン化
剤によるカチオン化工程と、洗加工あるいは立毛化加工
による繊維生地の立毛化工程と、アニオン系染色剤で所
要の色に染色する染色工程と、とからなる加工を行い、
立毛化生地に所要の染色を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース系繊維生地
の染色方法および該方法により染色されたセルロース系
繊維生地に関し、特に、立毛化したセルロース系繊維生
地に対して、玉虫色調、異色色調、同一色からなる濃淡
色調および濃色色調、芯白色調等の所要の染色を施す染
色方法および、該方法により染色されたセルロース繊維
生地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記玉虫色調、異色色調、濃淡色
調等の染色を施す場合、通常、繊維生地として製織する
前の繊維ワタあるいは糸の段階で、染色方法、染色速
度、染料による着色度等が相違する繊維ワタあるいは糸
を予め選択して繊維生地を製織し、該繊維生地に染色を
施すことにより、上記所要の色調の染色を施している。
【0003】尚、上記玉虫色調とは玉虫の羽のように、
光線に具合で色々な色に変わって見える色調を指す。上
記異色色調とは、異なった色が布表面で見えるような染
色、例えば2色の糸で製織して、この2色が布表面で見
えるような色調を指す。上記濃淡色調とは、布表面が同
一色調で、濃く染色された部分と淡く染色された部分に
見える色調を指す。上記濃色染色とは立毛製品におい
て、表面部および立毛部分のいずれにおいても鮮明で濃
い色相となる染色を指す。上記芯白色調とは、糸または
布の表面だけ染色されているため、洗いにより部分的に
表面の染料が落ちて内部の白い部分が洗われている色調
を指す。
【0004】従来、例えば、上記玉虫色調とする場合、
染色方法の異なる繊維(ワタ)を混紡し、この混紡ワタ
から製糸し、該糸を交撚、交織、交編して繊維生地を設
け、この繊維生地を染色方法の異なる2種以上の色で染
色している。また、異色色調を得るには、染色方法の異
なる繊維の糸を用いて、交撚、交織、交編して繊維生地
を設け、この繊維生地を、染色方法の異なる別の色で染
色している。また、上記濃淡色調は、染色速度の異なる
繊維(ワタ)を混紡して糸を設け、この混紡糸或いは染
色速度の異なる糸を交撚、交織、交編して繊維生地を設
け、該繊維生地に対して、同一色で染色する事によっ
て、染色速度の相違により濃淡色調としている。上記芯
白色調は、予め糸を選択して繊維生地を設け、該繊維生
地をインジゴの様な繊維表面に染着する特殊な染料で染
色し、該繊維生地を洗い加工あるいは立毛加工により表
面の染料を落として、芯白色調としている。
【0005】また、従来、立毛化した繊維生地には鮮明
な濃色に染色することが困難であり、そのため、例え
ば、特開昭61−266635号において、特殊な物性
としたポリエチレンテレフタレート系繊維を経糸、マル
チフィラメント仮撚加工糸を緯糸として製織し、該繊維
生地をカチオン染料で染色した後、緯糸を起毛するよう
にしたものが提案されている。この場合にも、染色前の
糸の段階から選択して製織し、濃色の染色を施してい
る。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】上記のように、従来で
は、玉虫色調、異色色調、濃淡色調、濃色調、芯白色調
の染色とするには、製織前の糸あるいは綿の段階から目
的とする色調を考慮して準備しなけらばならないため、
準備段階が長くかかると共に、糸から所要の染色生地を
得るまでの工程が複雑となる問題があった。さらに、染
色速度、染色剤の種類、染色順序を変えても得られない
染色、あるいは、得られても所望の水準に達していない
染色がある。
【0007】このように、上記した所要の色調とするに
は、手数がかかると共、さらに、繊維生地を立毛して柔
らかい風合いを出しながら、上記色調とするには、手数
がかかると共に困難であり、かつ、所要の色調が得られ
ない問題があった。また、特に、合成繊維あるいはウー
ル、シルク等の立毛した繊維生地に対して所要の染色が
容易にできると共に、染色についても提案が種々なされ
ているが、セルロース系繊維生地、特に、テンセル、ビ
スコース、ポリノジェックレーヨン、キュプラ、アセテ
ート等の再生セルロース繊維生地に対しては、玉虫色
調、異色色調、濃淡色調、濃色調、芯白色調の染色が容
易に所望通りに施せない問題があった。
【0008】本発明は上記した問題を解決せんとするも
ので、立毛したセルロース系繊維生地において、繊維生
地とする前の段階から染色条件に応じて繊維ワタを選択
して混紡したり或いは糸を選択して交撚、交織、交編す
る必要を無くし、セルロース系同一繊維糸からなる繊維
生地に対して、後加工のみで、所要の染色を施して、上
記玉虫色調、異色色調、濃淡色調、濃色調、芯白色調の
染色を容易に施すことが出来る染色方法および該方法に
より染色したセルロース系繊維生地を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、セルロース系
繊維をカチオン化すると繊維表面の染着速度が速くなる
と共に、毛羽やフィブリルが濃く染色される事に着目
し、繊維生地を洗い加工あるいは立毛加工して毛羽やフ
ィブリルを発生させるようにし、該立毛工程と上記カチ
オン化工程および染色工程とを組み合わせる事により、
種々の特殊な染色効果が得られるという実験結果に基づ
きなされた。
【0010】よって、本発明は、上記目的を達成するた
め、請求項1で、セルロース系繊維生地に対して、カチ
オン化剤によるカチオン化工程と、洗加工あるいは立毛
化加工による繊維生地の立毛化工程と、アニオン系染色
剤で所要の色に染色する染色工程とを組み合わせたセル
ロース系繊維生地の染色方法を提供している。
【0011】上記カチオン化工程は、上記立毛化工程の
前あるいは後で行い、その後、上記染色工程を行っても
よい。(請求項2) あるいは、上記カチオン化工程を行った後に、染色工程
を行い、ついで、上記洗い加工を行ってもよく、この場
合には、芯白色調の染色が得られる。(請求項3)
【0012】また、本発明は、請求項4で、セルロース
系繊維生地に対して、アニオン系染色剤で所要の色に染
色する第一染色工程と、洗加工あるいは立毛加工による
繊維生地の立毛化工程と、カチオン化剤によるカチオン
化工程と、上記した三工程を終了した後に、上記第一染
色工程と同色あるいは別色のアニオン系染色剤で染色す
る第二染色工程とを組み合わせたセルロース系繊維生地
の染色方法を提供している。
【0013】上記第一染色工程と、第二染色工程との二
度の染色工程を施す場合、下記の4通りのパターンが採
用出来る。 (一)上記第一染色工程を行った後、立毛化工程を行
い、ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一染色
工程とは別色で第二染色工程を行い、玉虫色調あるいは
異色色調の染色を施す。(請求項5) (二)上記第一染色工程を行った後、上記立毛化工程を
行い、ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一染
色工程と同色で第二染色工程を行い、濃淡色調あるいは
濃色調の染色を施す。(請求項6) (三)上記立毛工程を行った後、第一染色工程を行い、
ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一染色工程
と別色で第二染色工程を行い、玉虫色調あるいは異色色
調の染色を施す。(請求項7) (四)上記立毛工程を行った後、第一染色工程を行い、
ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一染色工程
と同色で第二染色工程を行い、濃淡色調染色あるいは濃
色色調の染色を施す。(請求項8)
【0014】本発明のセルロース系繊維生地は同一種類
の繊維糸を製織したものからなり、上記繊維生地は綿、
麻、或いはビスコース、ポリノジック、キュプラ、テン
セル等からなる再生セルロースの布帛、或いは編物から
なる。(請求項9) その内でも特に、原料パルプをアミノキサイド溶剤で溶
かして紡糸し、該糸を製織したテンセルは、柔らかくす
るために立毛化が必要であり、従来、染色が非常に困難
であったが、本発明方法により所要の染色方法が好適に
採用出来る。上記セルロース系繊維は、同一種類の繊維
糸で製織した生地からなるものに対して、上記玉虫色
調、異色色調、濃淡色調、濃色調等の染色を施すことが
出来るが、2種類以上のセルロース系繊維の混紡、ある
いはセルロース系繊維糸の交撚、交織、交編からなる生
地に対しても、当然のことながら、上記種々の色調の染
色を施すことが出来る。
【0015】上記洗加工は、ドラムワッシャー或は液流
染色機により行い、該加工時に軽石、砂、ボールあるい
はセルロース分解酵素を用いて生地の立毛化を行ってい
る。(請求項10) 尚、この洗い加工で立毛化ができない繊維生地の場合に
は、掻取機、布針、サンドペーパ等で生地の立毛を行う
立毛加工を施している。
【0016】上記のように、繊維生地をカチオン化して
いるため、染色工程で用いられる染料はアニオン系染料
が用いられる。このアニオン系染料としては、直接染
料、反応染料、酸性染料、含金属染料あるいは酸性媒染
染料等が用いられ、浸染法あるいはパッドドライ法で染
色している。(請求項11)
【0017】また、上記カチオン化工程では、セルロー
ス繊維反応型カチオン化剤を用い、繊維生地のカチオン
化度を0.01〜0.1の範囲としすることが好まし
い。(請求項12) 上記カチオン化は、繊維生地をカチオン剤に浸漬して、
あるいはカチオン剤を塗布して行っている。
【0018】本発明は、さらに、上記請求項1あるいは
請求項4の方法により立毛化した生地に対して玉虫色
調、異色色調、濃淡色調、濃色色調あるいは芯白色調の
染色が施されたセルロース系繊維生地を提供するもので
ある。(請求項13) 上記繊維生地は、綿、麻、或いはビスコース、ポリノジ
ック、キュプラ、テンセル等からなる再生セルロースの
布帛、或いは編物からなる。(請求項14)
【0019】
【作用】上記請求項1に記載の染色方法によると、染色
の対応に応じて、繊維生地とする前の段階の繊維の種
類、糸を選択して繊維生地としておく必要はなく、繊維
生地に対して、後加工の染色のみで、玉虫色調、異色色
調、濃淡色調、濃色調および芯白色調などの染色を施す
ことが出来る。しかも、従来はセルロース系再生繊維で
立毛した繊維生地に対しては、上記した所望の染色を施
すことが極めて困難であったが、請求項1に記載するよ
うに、繊維生地に対してカチオン化工程、立毛工程およ
び染色工程の3工程を組み合わせるだけで、立毛して柔
らかい風合いとした繊維に所望の染色を施すことが可能
となる。
【0020】また、請求項1乃至請求項3に記載の染色
方法では、繊維生地のカチオン化とアニオン系染料で濃
く染色することが出来ることと、立毛化とを組み合わせ
ているため、濃淡色調、濃色調および芯白色調の染色
を、1回の染色工程で得ることが出来る。
【0021】また、請求項4乃至請求項8に記載の染色
方法では、繊維生地のカチオン化工程と立毛工程とに、
第一染色工程と第二染色工程との2回の染色工程を組み
合わせていることにより、玉虫色調、異色色調の染色
を、従来のように繊維生地とする前の繊維ワタあるいは
糸の段階で選択することなく、繊維生地に対して後加工
で施すことが出来る。さらに、この2回の染色工程を組
み合わせると、濃淡色調、濃色調の染色をより鮮明に施
すことが出来る。
【0022】また、請求項9に記載のセルロース系繊維
生地、特に、テンセル等の再生セルロース系繊維生地で
は、柔らかい風合いを与えるためには立毛化が必須とな
っているが、この再生セルロース系繊維生地で且つ立毛
化した場合には、鮮明な色に染色するのが容易でなく、
濃色染色が得られにくかった。これに対して、本発明で
は、これら再生セルロース系繊維生地の濃色化を確実に
図ることが出来る。このように、濃く染色したい部分を
濃く染色出来るため、濃淡色調、異色色調、玉虫色調、
芯白色調の他の染色も意図した通りに行うことが出来
る。
【0023】また、請求項10に記載の洗加工によれ
ば、セルロース系繊維生地の立毛化を容易にでき、特
に、細い毛羽となるフィブリル化を均一に図ることが出
来る。
【0024】また、請求項11および請求項12に記載
のように、アニオン系染料を用いると共に、繊維生地を
カチオン化しておくと、繊維表面の染着速度を速めるこ
とができ、染色工程の効率化を図ることが出来る。
【0025】また、請求項13および請求項14に記載
のセルロース系繊維生地は、立毛化しているため、柔ら
かい風合いがあり、かつ、従来得られなかったような鮮
明で濃い色に染色されたものとなっている。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 「実施例1」実施例1では、ポリノジックからなる再生
セルロース系繊維生地に対して、第一染色工程→洗い加
工による立毛工程→カチオン化工程→第二染色工程を施
すことにより玉虫色調の染色を行った。具体的には、ポ
リノジック100%ツイル織物を用意し、第一ステップ
で、該織物生地を常法により糊抜きした。第二ステップ
で、浸染法により、アニオン系染料である反応性染料K
ayacionRed.E−S3B 3%owf 浴比1:30で、
常法に従い染色した。この第一染色工程による染色で、
繊維生地は赤色の一色に染色させた。
【0027】第三ステップで、上記第一染色工程を施し
た繊維生地を、図1(A)(B)に示すドラムワッシャ
ー1に投入した。該ドラムワッシャー1は固定した外枠
2の内部に回転する内枠3を備え、この内枠3の内部に
は洗水5が略半分程度満たされており、更に、軽石6を
浴比1:20(軽石:洗水)になる様にドラムワッシャ
ー1内に入れた。ドラムワッシャー1内には蒸気配管
(図示せず)があり、該配管よりドラムワッシャー内に
蒸気を通すことにより洗水5を60℃に加熱し、この状
態で内枠3を回転して30分間処理した。
【0028】上記のようにドラムワッシャー1内で、内
枠3を回転させることにより、内枠3内に投入した繊維
生地10が回転すると共に内枠の上部より下部へ落下
し、この作動を繰り返すと共に、軽石6が内枠の内部で
転動した。この作動で、繊維生地10の表面は繊維生地
同士が接触することにより擦られ、あるいは繊維生地1
0が内枠3の内面と接触して擦られ、さらに、繊維生地
が軽石6と接触して擦られる。この接触摩擦作用によ
り、図2に示すように、繊維生地10の表面を立毛化し
てフィブリル11を設けた。
【0029】次の第四工程で、表面をフィブリル化させ
た繊維生地10を液流染色機に投入してカチオン化し
た。即ち、液流染色機に繊維生地10を投入し、つい
で、浴比が1:20となるように水を入れた。次に、水
酸化ナトリウム2g/リットル、カチオン化剤として3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライドを20g/リットル入れた。この状態
で、液流染色機の内部に設置している蒸気配管に蒸気を
通すことにより、内部の溶液70℃に加熱し、この状態
で、30分間処理した。ついで、液流染色機の溶液に酢
酸を投入して、この溶液で10分間処理して中和した。
上記酢酸による中和の後、中和した液を排出し、液流染
色機に新たな水を入れて、蒸気配管からの蒸気で加熱
し、50℃〜70℃で5〜10分間湯洗処理し、これを
2〜3回繰り返した。上記湯洗の後、5〜10分間水洗
処理し、これを2〜3回繰り返した。即ち、カチオン化
工程では、カチオン化剤で処理した後、中和→湯洗→水
洗を行っている。
【0030】上記カチオン化後の第五工程を第二染色工
程とした。即ち、浸染法で、アニオン系染料の直接染料
Kayarus Supra Green GG200 2%owf 浴
比1:30で、常法により緑色に染色した。
【0031】上記第二染色工程において、立毛工程で生
じたフィブリル11がカチオン工程により染色されやす
くなっていた。よって、第二染色工程での緑色の染色
は、第一染色工程で染色された赤色に重ねられて全体と
して紫色がかった色となると共に、繊維生地10の表面
のフィブリル11は特に緑色が濃く染色された。
【0032】上記のように染色した繊維生地では、フィ
ブリル11は細かいため、淡色で染色した場合、表面か
ら見た場合は見えないが、斜めから見て、光線の角度が
変わるとフィブリル11の緑色が見える。この色調が玉
虫色調であり、玉虫色調で立毛したポリノジック100
%ツイル織物が製造された。
【0033】尚、上記実施例1の玉虫色調の染色では、
第一染色工程→立毛化工程→カチオン化工程→別色によ
る第二染色工程の順序で行ったが、この順序に限定され
ず、立毛化工程→第一染色工程→カチオン化工程→第二
染色工程の順序でおこなっても良い。
【0034】「実施例2」実施例2は、ビスコースレー
ヨンからなる再生セルロース系繊維生地に対して、第一
染色工程→立毛工程→カチオン化工程→第二染色工程を
施すことにより異色色調の染色を行った。具体的には、
ビスコースレーヨン100%ツイル織物を用意し、第一
ステップで、該織物生地を常法により糊抜きした。第二
ステップの第一染色工程で、浸染法により、アニオン系
染料である直接染料Kayarus Turquoise Blue G
L 3%owf、浴比1:30で常法に従い、青色の染色を
した。
【0035】 第三ステップで、上記繊維生地を起毛機
にて立毛させた。その後、第四ステップで、実施例1と
同一のカチオン化剤を用い、同一の方法でカチオン化し
た。次に、第五ステップで、第二染色工程を行い、浸染
法でアニオン系染色剤からなる反応染料Kayacion Ye
llow E−SN4G 3%owf、浴比1:30で常法に従
い黄色に染色した。この第二染色工程における黄色の染
色は立毛された毛羽に黄色が濃く染色され、毛羽におい
ては青色に黄色が加わることにより黄緑糸となった。一
方、第一染色工程で青色に染色された繊維生地の内部に
は第二染色工程の黄色は染色されず、青色のままであっ
た。
【0036】このように、繊維生地のフィブリルがある
表面の色と、繊維生地の地の色とが異なって見える染
色、即ち、実施例2のように繊維生地の内部が青色で、
立毛された毛羽が黄緑の、青と黄緑の2色の場合は、実
施例1の玉虫色調とは相違する、異色色調に染色された
繊維生地が得られた。尚、この異色色調の染色も、実施
例1と同様に、工程の順序は限定されず、例えば、立毛
化工程→第一染色工程→カチオン化工程→第二染色工程
の順序で行ってもよい。
【0037】「実施例3」実施例3は、第一染色工程と
第二染色工程を同一の染料で行い、同一色に染色し、濃
く染色された部分と淡く染色された部分とがある濃淡色
調の染色を施した。即ち、実施例3では、テンセル10
0%平織織物からなる再生セルロース系繊維生地に対し
て、第一染色工程→洗い加工による立毛工程→カチオン
化工程→第二染色工程を施すことにより濃淡色調の染色
を行った。
【0038】具体的には、第一ステップで、上記テンセ
ルからなる織物生地を常法により糊抜きした。第二ステ
ップの第一染色工程で、浸染法により、アニオン系染料
である反応性染料Kayacion React Brown CN−A
L1%owf 浴比1:30で、常法に従い、薄い茶色に染
色した。第三ステップの立毛工程で、これを液流染色機
に入れた。液流染色機には、セルロース分解酵素セルク
ラスト2g/リットルを入れ、50℃で1時間処理し
て、繊維生地の表面を立毛化してフィブリルを設けた。
次の第四ステップで、実施例1と同様の方法でカチオン
化した。
【0039】次の第五ステップの第二染色工程で、浸染
法で、アニオン系染料の反応染料Kayacion Brown
E−NR 2%owf 浴比1:30で、常法により、茶色
に染色した。この第二染色工程で、繊維生地の表面のフ
ィブリルが特に濃く染色され、フィブリルが濃い茶色と
なると共に、繊維生地が淡い茶色で、同一茶色系統の濃
淡色調の染色が得られた。尚、この濃淡色調の染色の工
程も、実施例3に限定されず、立毛化工程→淡色による
第一染色工程→カチオン化工程→濃色による第二染色工
程の順序で行っても良い。
【0040】「実施例4」実施例4では、濃淡色調の染
色を、1回の染色工程で行った。即ち、糊抜工程→立毛
化工程→カチオン化工程→染色工程の順序で行った。繊
維生地は実施例3と同一のテンセルであり、まず、第一
ステップで糊抜きを行い、第二ステップで糊抜きした繊
維生地を液流染色機に入れた。実施例3と同様に、セル
ロース分解酵素セルクラスト2g/リットルを入れ、5
0℃で1時間処理して、繊維生地の表面を立毛化してフ
ィブリルを設けた。次の第三ステップで、実施例1と同
一の方法でカチオン化した。次の第四ステップで染色工
程において、浸染法で、アニオン系染料の反応染料Kay
acion Brown E−NR 2%owf 浴比1:30で、
常法により、茶色に染色した。
【0041】上記染色工程において、カチオン化された
フィブリルが染色されやすいため、フィブリルが濃い茶
色に染色され、フィブリル以外の繊維生地の地の部分は
淡く茶色に染色される。即ち、1回の染色で濃淡色調と
することが出来た。
【0042】「実施例5」実施例5では、綿100%の
繊維生地に対して、カチオン化→染色→立毛を行い、芯
白色調の染色を施した。具体的には、綿100%ツイル
織物を用意し、第一ステップで、常法により糊抜および
精練を行った。次に、第二ステップで実施例1と同一の
方法でカチオン化した。次に、第三ステップで染色を行
った。即ち、浸染方法で、アニオン系染料の直接染料K
ayarus Light Scarlet F2G 4%owfで常法に
従い、赤色に染色した。
【0043】次に、第四ステップで、上記赤色に染色し
た繊維生地を図1に示すドラムワッシャー1に投入し、
浴比1:20、温度50℃で30分処理した。実施例5
でも、実施例1と同様に、ドラムワッシャー1に軽石6
を入れて立毛を促進させた。上記染色で、繊維生地の表
面だけ、染色されているため、ドラムワッシャー1内で
の接触摩擦で、表面の染色された染料が部分的に落ち
て、立毛された内部の部分に染色されていない白い部分
が現れた。
【0044】上記実施例5では、カチオン化により、繊
維生地の糸または生地の表面が染色されやすくなってお
り、その結果、表面だけに染色される。よって、後工程
の立毛化により、表面の染料が落ちると、芯白色調の染
色が施されたようになる。
【0045】「実施例6」実施例6は、第一染色工程と
第二染色工程とは同色で染料で行い、第一染色工程では
淡色に、第二染色工程では濃色に染色し、よって、繊維
生地の表面の色が深みのあるように見える濃色調の染色
を施した。即ち、実施例6では、テンセル100%平織
織物からなる再生セルロース系繊維生地に対して、第一
染色工程→立毛工程→カチオン化工程→第二染色工程を
施すことにより濃淡色調の染色を行った。
【0046】具体的には、第一ステップで、上記テンセ
ルからなる織物生地を常法により糊抜きした。第二ステ
ップの第一染色工程で、浸染法により、アニオン系染料
である直接染料Kayarus Black B160 5%owf 浴
比1:30で、常法に従い、薄い黒色に染色した。第三
ステップの立毛工程で、これを実施例1と同様のドラム
ワッシャー1にいれ、かつ、セルロース分解酵素セルク
ラスト2g/リットルを入れ、50℃で1時間処理し
て、繊維生地の表面を立毛化してフィブリルを設けた。
次の第四ステップで、実施例1と同様の方法でカチオン
化した。
【0047】次の第五ステップの第二染色工程で、浸染
法で、第二ステップと同一染料、同一濃度、同一方法で
染色した。これにより、濃い深みのある黒に染色された
繊維生地が得られた。尚、従来は、立毛した繊維では、
色が濃く、鮮明に染色することは容易でなかったが、本
実施例6では、立毛したテンセルにおいて、鮮明な濃い
色に染色された。
【0048】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は下記に列挙する効果を有する。まず、請求項1乃至請
求項12に記載の染色方法によると、繊維生地に対して
後加工で、所要の染色を施すことができ、繊維生地とす
る前の糸の段階あるいは混紡の段階で、予め染色の態様
を考慮して選択しておく必要がない。よって、染色まで
の準備段階に手数がかからず、繊維生地に対する後加工
においても、カチオン化工程、立毛工程、染色工程を組
み合わせるだけでよく、工程数の削減を図ることが出来
る。このように、繊維生地に対する後加工だけで、しか
も工程数が少なく、簡単に所要の染色を施すことが出来
るので、玉虫色調、異色色調、濃淡色調、濃色調、芯白
色調等の特殊な染色を、小ロット、多品種について効率
よく行うことが出来る。
【0049】さらに、合成繊維、ウール、シルク等で立
毛化した繊維生地に対して、濃い色に染色することにつ
いての提案等はなされているが、セルロース系繊維生
地、特に、テンセル等の再生セルロース系繊維生地につ
いては、立毛化した繊維生地に対して玉虫色調等の所要
の染色を施す方法については、提供されていなかった。
本発明の染色方法によれば、特に、再生セルロース系繊
維生地で、立毛化して柔らかい風合いを出すようにした
場合においても、所要の染色を施すことができ、しか
も、立毛化を積極的に組み合わせることにより、工程数
の減少を図りながら、所要の色調とすることが出来る。
【0050】また、本発明の染色方法では、カチオン化
工程、立毛工程に1回の染色工程を組み合わせるだけの
簡単なステップで、濃淡色調、濃色調、芯白色調の染色
を施すことが出来る。一方、カチオン化工程、立毛工程
に2回の染色工程を組み合わせるだけの簡単なステップ
で、玉虫色調、異色色調の染色を施すことが出来、か
つ、上記濃淡色調、濃色調、芯白色調の染色をより明確
な態様で施すことが出来る。
【0051】さらに、請求項1乃至12に記載の染色方
法で製造された請求項13および14のセルロース系繊
維生地では、この種の従来の立毛化した繊維生地では得
られなかった、多様の染色、例えば、玉虫色調、異色色
調、濃淡色調、濃色調および芯白色調等の染色が施され
ると共に、必要に応じて、鮮明で濃い色に染色しておく
ことも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)は本発明の洗い加工で使用する
ドラムワッシャーを示す断面図である。
【図2】 立毛されたフィブリルを備えた繊維生地表面
の拡大図である。
【符号の説明】
1 ドラムワッシャー 2 外枠 3 内枠 5 洗水 6 軽石 10 繊維生地 11 フィブリル

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維生地に対して、 カチオン化剤によるカチオン化工程と、 洗加工あるいは立毛化加工による繊維生地の立毛化工程
    と、 アニオン系染色剤で所要の色に染色する染色工程と、 とからなる加工を行い、立毛化生地に所要の染色を施す
    ことを特徴とするセルロース系繊維生地の染色方法。
  2. 【請求項2】 上記カチオン化工程は、上記立毛化工程
    の前あるいは後で行い、その後、上記染色工程を行う請
    求項1に記載のセルロース系繊維生地の染色方法。
  3. 【請求項3】 上記カチオン化工程を行った後に、染色
    工程を行い、ついで、上記洗い加工い、芯白色調として
    いる請求項1に記載のセルロース系繊維生地の染色方
    法。
  4. 【請求項4】 セルロース系繊維生地に対して、 アニオン系染色剤で所要の色に染色する第一染色工程
    と、 洗加工あるいは立毛加工による繊維生地の立毛化工程
    と、 カチオン化剤によるカチオン化工程と、 上記した三工程を終了した後に、上記第一染色工程と同
    色あるいは別色のアニオン系染色剤で染色する第二染色
    工程とを備えるセルロース系繊維生地の染色方法。
  5. 【請求項5】 上記第一染色工程を行った後、立毛化工
    程を行い、ついで、カチオン化工程を行って、最後に第
    一染色工程とは別色で第二染色工程を行い、玉虫色調あ
    るいは異色色調の染色施す請求項4に記載のセルロース
    系繊維生地の染色方法。
  6. 【請求項6】 上記第一染色工程を行った後、上記立毛
    化工程を行い、ついで、カチオン化工程を行って、最後
    に第一染色工程と同色で第二染色工程を行い、濃淡色調
    あるいは濃色調の染色を施す請求項4に記載のセルロー
    ス系繊維生地の染色方法。
  7. 【請求項7】 上記立毛工程を行った後、第一染色工程
    を行い、ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一
    染色工程と別色で第二染色工程を行い、玉虫色調あるい
    は異色色調の染色を施す請求項4に記載のセルロース系
    繊維生地の染色方法。
  8. 【請求項8】 上記立毛工程を行った後、第一染色工程
    を行い、ついで、カチオン化工程を行って、最後に第一
    染色工程と同色で第二染色工程を行い、濃淡色調染色あ
    るいは濃色色調の染色を施す請求項4に記載のセルロー
    ス系繊維生地の染色方法。
  9. 【請求項9】 上記セルロース系繊維生地は同一種類の
    繊維糸を製織したものからなり、上記繊維生地は綿、
    麻、或いはビスコース、ポリノジック、キュプラ、テン
    セル等からなる再生セルロースの布帛、或いは編物から
    なる前記請求項のいずれか1項に記載の染色方法。
  10. 【請求項10】 洗加工は、ドラムワッシャー或は液流
    染色機により行い、該加工時に軽石、砂、ボールあるい
    はセルロース分解酵素を用いて生地の立毛化を行ってい
    る前記請求項のいずれか1項に記載の染色方法。
  11. 【請求項11】 上記染色工程で用いられるアニオン系
    染料が、直接染料、反応染料、酸性染料、含金属染料あ
    るいは酸性媒染染料からなり、浸染法あるいはパッドド
    ライ法で染色している前記請求項のいずれか1項に染色
    方法。
  12. 【請求項12】 上記カチオン化工程では、セルロース
    繊維反応型カチオン化剤を用い、繊維生地のカチオン化
    度を0.01〜0.1の範囲としている前記請求項のい
    ずれか1項に記載の染色方法。
  13. 【請求項13】 請求項1あるいは請求項4の方法によ
    り立毛化した生地に対して玉虫色調、異色色調、濃淡色
    調、濃色色調あるいは芯白色調の染色が施されたセルロ
    ース系繊維生地。
  14. 【請求項14】 上記繊維生地が、綿、麻、或いはビス
    コース、ポリノジック、キュプラ、テンセル等からなる
    再生セルロースの布帛、或いは編物からなる請求項13
    に記載のセルロース系繊維生地。
JP6108638A 1994-05-23 1994-05-23 セルロース系繊維生地の染色方法および該方法で染色されたセルロース系繊維生地 Withdrawn JPH07316988A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023069113A1 (en) * 2021-10-22 2023-04-27 Nano-Dye Technologies, Llc System and method for proactive dyeing for cellulosic and cellulosic blended textiles

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