JPH07316705A - 配線材料 - Google Patents

配線材料

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JPH07316705A
JPH07316705A JP14083794A JP14083794A JPH07316705A JP H07316705 A JPH07316705 A JP H07316705A JP 14083794 A JP14083794 A JP 14083794A JP 14083794 A JP14083794 A JP 14083794A JP H07316705 A JPH07316705 A JP H07316705A
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JP
Japan
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wiring material
tensile strength
weight
aluminum
alloy
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JP14083794A
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English (en)
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Sumimaru Fujiwara
澄丸 藤原
Hiroshi Tamai
宏 玉井
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RIYOUKA MASSEY KK
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RIYOUKA MASSEY KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比抵抗が小さく、機械的強度が高く、且つ、
耐熱性にも優れたアルミニウム合金から成る配線材料を
提供する。 【構成】 アルミニウム合金配線材料は、約0.1〜
0.3重量%のScを含み、残余がAlと約0.05重量
%以下の不純物とから成る。微量のScを添加すること
により、電気伝導度がほぼ純アルミニウムの電気伝導度
に等しく、室温下及び約250℃の高温環境下における
材料の引っ張り強さを大きくして機械的強度を改善す
る。また、この比率のScに加えて、Cu及び/又はTi
を全体として約0.1〜1.0重量%添加することで、
配線材料の引っ張り強さを更に向上させる。特に、電気
自動車等の高温環境下での配線材料として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線材料に関し、特
に、航空機、自動車及び船舶等のための配線材料として
好適な、アルミニウムを主成分とする合金から成る耐熱
性配線材料に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機、自動車及び船舶等の装置では、
そのエネルギー効率に鑑み、これらに使用する配線材料
には、一般的に、電気伝導度が高い(即ち、比抵抗が小
さい)こと、機械的強度が高いこと、及び、重量が小さ
いことが望まれる。
【0003】従来、航空機等の配線材料としては、前記
重量等の観点から、Al−Zr系合金或いは純アルミニウ
ム等のアルミニウム配線が用いられてきた。しかし、A
l−Zr系合金は、材料としての引っ張り強さが大きいも
のの、比抵抗が高いため、特に起動時等の大電流によっ
て大量のジュール熱が発生し、このエネルギー損失に起
因して装置全体のエネルギー効率を低下させる問題があ
った。
【0004】また、純アルミニウムは、比抵抗は低いも
のの、材料としての引っ張り強さが小さく、良好な機械
的強度を得るためには充分に大きな断面積を必要とす
る。このため、純アルミニウムを配線として使用する
と、配線の重量が増大して、装置の移動の際にやはりエ
ネルギー効率を低下させる要因となる。
【0005】更に、上記Al−Zr系合金及び純アルミニ
ウム等のアルミニウム配線は、例えば約250℃を越え
る高温環境下では、いずれもアルミニウム自体が軟化す
るため、強度的な欠陥を有する。このため、配線の周囲
環境が高温になりがちな装置、例えば電気自動車では、
その高温環境下での配線の信頼性を確保することが困難
であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、特に電気
自動車等に使用する配線材料として、機械的強度が高い
こと、エネルギー効率が高いこと及び耐熱性が良好であ
ること等を満足する配線材料が従来から望まれている。
しかし、これら全てを必要な程度に満足する配線材料は
知られていなかった。
【0007】本発明は、上記に鑑み、比抵抗が比較的小
さく、機械的強度が比較的高く、且つ、耐熱性にも優れ
た配線材料を提供し、もって電気自動車等に好適な配線
材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1発明の配線材料は、約0.1〜0.3
重量%のScを含み、残余がAlと約0.05重量%以下
の不純物とから成ることを特徴とする。
【0009】また、本発明の第2発明の配線材料は、S
cを約0.1〜0.3重量%、Cu及び/又はTiを全体
として約0.1〜1.0重量%含み、残余がAlと約
0.05重量%以下の不純物とから成ることを特徴とす
る。
【0010】本発明者らは、所定以上の純度を有するア
ルミニウムに、天然では殆どアルミニウムに含まれるこ
とがないスカンジウム(Sc)を特定の微量な割合で添
加して得られた合金では、アルミニウムの特長である高
い電気伝導度を維持しつつ、機械的強度が向上すると共
に耐熱性が改善されること、また、上記合金に微量の特
定割合のCu及び/又はTiを添加することにより、更に
機械的強度の向上及び耐熱性の改善が可能になることを
知見し、本発明を完成するに至った。かかる合金は、そ
の特性上から配線材料に特に適している。
【0011】本発明の配線材料は、純アルミニウムの比
抵抗と同程度の比抵抗を有し、且つ、室温下及び高温環
境下での引っ張り強さが大きく向上するので、例えば電
気自動車のための配線材料として使用すると好適であ
る。電気自動車では、全体の重量を軽減してエネルギー
効率を向上させることが求められており、また、振動等
に耐えるに充分な機械的強度を得ると共に、特に高温環
境下での配線の信頼性の向上が求められている。
【0012】本発明の第1発明の配線材料は、例えば、
純度が99.95%以上の純アルミニウムを使用し、こ
のアルミニウムに合金全体の重量比で約0.1〜約0.
3%のスカンジウム(Sc)を添加して得られる。ま
た、本発明の第2発明の配線材料は、上記純度のアルミ
ニウムに上記比率のScを添加することに加えて、Cuを
合金全体の重量比で全体として約0.1〜約1.0%添
加して、又は、その少なくとも一部をTiで置き換え
て、所定組成のアルミニウム合金とすることで得られ
る。使用する純アルミニウムの純度が99.95%より
も低いと、得られた配線材料において好ましい電気伝導
度が得られない。純アルミニウムの不純物中に微量のS
cを含むことがあるが、特に微量であるため、ここでの
添加量に与える影響は無視できる。
【0013】添加するSc量が合金全体の重量比で約
0.1%未満であると機械的強度が充分に向上せず、ま
た、添加するSc量が合金全体の重量比で約0.3%を
越えると比抵抗が大きくなるため、いずれも好ましくな
い。また、この範囲の比率のAl−Sc合金中にCu及び
/又はTiを合金全体の重量比で全体として約0.1〜
約1%添加すると、電気伝導度の低下を実質的に伴うこ
となく、機械的強度及び耐熱性を更に向上させることが
できる。この場合、全体として約0.1重量%未満及び
約1重量%を越えるCu及び/又はTiの添加量では、有
意の改善効果が見られない。
【0014】
【作用】本発明の配線材料は、Al及びScを、又は、こ
れに加えてCu及び/又はTiを夫々前記特定の比率で含
む構成を採用したことにより、純アルミニウムに比し
て、電気伝導度がさほど低下することなく、室温におけ
る引っ張り強さが大きく改善され、更に、例えば250
℃程度の高温環境下においても良好な引っ張り強さを維
持するという優れた耐熱性を有する。
【0015】
【実施例】本発明の実施例の配線材料と、従来から知ら
れている比較例の配線材料とを夫々試作して、それらの
比抵抗、室温下での引っ張り強さ、250℃の高温環境
下での引っ張り強さの各特性を測定して比較することと
した。実施例1の配線材料を成すアルミニウム合金の組
成としてAl−0.1%Scを、実施例2の配線材料を成
すアルミニウム合金の組成としてAl−0.15%Sc−
0.5%Cuを夫々採用し、また、比較例1の配線材料
として純度99.95%のAlを、比較例2の配線材料
としてアルミニウム合金、Al−0.1%Zrを夫々採
用した。なお、比率はいずれも重量%である。
【0016】各試料は、鋳造後、圧下率50%で塑性加
工を行ない、400〜500℃で約1時間の熱処理を行
なった。
【0017】各試料の比抵抗の測定は、抵抗率測定装
置”ロレスタAP”(三菱油化株式会社製)を用いて4
探針法により測定した。
【0018】また、各試料の引っ張り強さは、室温及び
250℃の夫々において、JISZ2241に準じて実
施した。
【0019】上記各実施例及び比較例についての各測定
結果を表−1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表−1から容易に理解できるように、0.
1重量%のScを含むアルミニウム合金から成る実施例
1の配線材料は、その比抵抗が比較例1の純アルミニウ
ムの比抵抗とほぼ同程度であり、且つ、室温下での引っ
張り強さが純アルミニウムの引っ張り強さの3倍以上と
なっており、機械的強度が著しく向上している。更に、
比較例2のAl−Zr合金に比しても、250℃の高温環
境下での引っ張り強度が約2倍と充分に耐熱性が改善さ
れていることが理解できる。
【0022】また、0.15重量%のScと0.5重量
%のCuとを含むアルミニウム合金から成る実施例2の
配線材料では、その比抵抗が比較例1の純アルミニウム
の比抵抗とほぼ同程度であり、且つ、室温下での引っ張
り強さが純アルミニウムの引っ張り強さの約6倍となっ
ており、機械的強度が向上している。また、この実施例
2の配線材料の室温下での引っ張り強さは、比較例2の
Al−Zr合金から成る配線材料の室温下での引っ張り強
さと同程度であり、更に、250℃での高温環境下での
引っ張り強さは、同条件における比較例2の引っ張り強
さの3倍程度となっており、耐熱性が著しく向上してい
ることが理解できる。Cuの少なくとも一部をTiに置き
換えても同様な効果が得られる。
【0023】上記のように、本発明の配線材料は、電気
伝導度が高いためエネルギー損失が少なく、高いエネル
ギー効率を可能にする。また、室温下及び高温環境下で
の引っ張り強さも充分に大きいので、配線材料の断面積
を小さく抑えることができることから全体の重量が小さ
くなり、更にエネルギー効率が向上すると共に、高温環
境下において高い引っ張り強さが特に要求される電気自
動車の配線材料として採用すると、配線の信頼性の向上
が可能となる。
【0024】なお、上記実施例の製法及び組成等の構成
は単に例示であり、本発明の配線材料は、上記実施例の
構成から種々の修正及び変更が可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の配線材料
は、比抵抗が純アルミニウムの比抵抗と同程度に小さ
く、また、室温下での引っ張り強さが純アルミニウムの
引っ張り強さより充分に大きく、且つ、高温環境下での
引っ張り強さがAl−Zr系合金の引っ張り強さよりも充
分に大きいので、これを使用する装置におけるエネルギ
ー効率の向上と配線の信頼性確保との双方を可能にした
顕著な効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約0.1〜0.3重量%のScを含み、
    残余がAlと約0.05重量%以下の不純物とから成る
    ことを特徴とする配線材料。
  2. 【請求項2】 Scを約0.1〜0.3重量%、Cu及び
    /又はTiを全体として約0.1〜1.0重量%含み、
    残余がAlと約0.05重量%以下の不純物とから成る
    ことを特徴とする配線材料。
JP14083794A 1994-05-31 1994-05-31 配線材料 Pending JPH07316705A (ja)

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