JPH07316055A - 置換アミド基を有するピリミジン誘導体および該誘導体を有効成分として含有するアンジオテンシンii拮抗剤 - Google Patents

置換アミド基を有するピリミジン誘導体および該誘導体を有効成分として含有するアンジオテンシンii拮抗剤

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JPH07316055A
JPH07316055A JP10856794A JP10856794A JPH07316055A JP H07316055 A JPH07316055 A JP H07316055A JP 10856794 A JP10856794 A JP 10856794A JP 10856794 A JP10856794 A JP 10856794A JP H07316055 A JPH07316055 A JP H07316055A
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aii
methyl
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Masashi Yamada
昌司 山田
Akihiro Okubo
明弘 大久保
Torataro Minegishi
寅太郎 峯岸
Tadashi Mizuta
正 水田
Hirosuke Sato
宏亮 佐藤
Tomoko Saigo
朋子 西郷
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記一般式(I-1)(I-2)で例示されるアン
ジオテンシンII拮抗作用を有する新規ピリミジン誘導体
およびこれを有効成分として含有するアンジオテンシン
II拮抗剤。下記式中、R1 及びR2 はH,低級アルキル
基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコ
キシ基、低級アルキルチオ基、アセチル基、ハロゲン原
子又は置換されていてもよいフェニル基を、R3 及びR
4 はH,低級アルキル基又はR3 とR4 が一緒になって形
成するN,S,O 若しくはアルキル化されたNを含んでもよ
い5又は6員環を、XはO,NH又はS(O)p (p:0-2の整数)
を、Bはテトラゾリル基を、m及びnは1〜2の整数を
表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンジオテンシンII拮
抗作用を有する新規ピリミジン誘導体およびその塩に関
する。更に本発明は、該ピリミジン誘導体を有効成分と
して含有するアンジオテンシンII拮抗剤に関する。この
アンジオテンシンII拮抗剤は、過剰なAIIを原因とする
疾患、例えば、高血圧症、心臓病、脳卒中、動脈硬化症
などの循環器疾患の治療薬として有用である。
【0002】
【従来技術】レニン−アンジオテンシン系は生体におけ
る主要な血圧上昇因子として知られている。この系のな
かで、特に強力な昇圧作用をもつ物質が、アンジオテン
シンII(AII)である。AIIは8アミノ酸からなるペプ
チドで、その生合成は次のように行われると考えられて
いる。まず、腎から分泌された活性型レニンが肝で産生
されたレニン基質(アンジオテンシノーゲン)に作用し
てアンジオテンシンI(AI)を産生する。このAIは、肺
で産生されたアンジオテンシン変換酵素(ACE)により
AIIに変換される。産生されたAIIの昇圧活性は、AII
がAII受容体に結合することに始まると考えられてい
る。
【0003】上記のような生体内におけるAIIの作用
は、AIIの産生またはAIIの活性を抑える化合物によっ
て、過剰なAIIを原因とする高血圧症、心臓病、脳卒
中、動脈硬化症等の循環器疾患を治療できることを示し
ている。
【0004】これまでに、ACEを阻害してAIIの産生
を抑制することにより、これらの循環器疾患を治療する
多くの薬剤が、臨床的に使用されている。しかし、AC
E阻害剤には空咳の副作用があり、高齢者の多い循環器
病患者の体力を奪うという問題があった。
【0005】そこで近年ではAIIの産生を抑制するので
はなく、AII−AII受容体結合を阻害することによりA
IIの活性を抑制する薬剤(AII拮抗剤)の開発が始まっ
た。まず、[Sar1 ,Ala8 ]AII(サララシン)等の多数の
AII類縁体にAII拮抗作用があることが報告された。し
かし、これらペプチド性のAII拮抗剤は、生体内で早期
に分解をうけるため作用時間が短く、また経口投与にお
いては肝臓で代謝されてしまうために効果を示さないと
いう欠点があった。そのため、最近では非ペプチド性の
AII拮抗剤の開発が主に行われている。例えば、上記の
AII拮抗作用を有するイミダゾール誘導体が、特開昭5
6−71074号公報、特開昭57−98270号公
報、特開昭58−157768号公報、特開昭63−2
3868号公報、特開平1−287071号公報等に開
示されている。また、AII拮抗作用をもったピリミジン
誘導体がEP−0407342号、特開平3−1339
64号公報、特開平3−197466号公報、特開平4
−120072号公報、特開平4−230370号公
報、特開平4−261156号公報、特開平4−330
073号公報、EP−0445811号に開示されてい
る。
【0006】しかしながら、これらの非ペプチド性AII
拮抗剤はいずれも本発明化合物とは構造を異にし、5位
に置換フェニルアルキル基を有するピリミジン誘導体に
ついては全く記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、優れたAII拮抗作用を有する新
規ピリミジン誘導体と、これを活性成分とする経口投与
可能で且つ安全性の高いAII拮抗剤を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、5
位に置換フェニルアルキル基を有する一群の新規ピリミ
ジン誘導体が強いAII拮抗作用を有することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明は、下記一般式(I)で表されるピ
リミジン誘導体およびその薬理学的に許容され得る塩、
並びに、それらを有効成分として含有するアンジオテン
シンII拮抗剤である。
【0010】
【化4】 上記一般式(I)において、式中のAは次式(A1)又は
(A2)で示される基を表し、Bはテトラゾリル基を、n
は1〜2の整数を表す。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】 但し、式(A1)(A2)において、R1 〜R4 、X及びm
は夫々次のものを表す。
【0013】R1 およびR2 :同一でも又は異なっても
よく、夫々が独立に、水素原子、低級アルキル基、低級
アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、
低級アルキルチオ基、アセチル基、ハロゲン原子または
置換されていてもよいフェニル基を示す。
【0014】R3 およびR4 :同一でも又は異なっても
よく、夫々が独立に、水素原子、低級アルキル基、また
はR3 とR4 が一緒になって形成するN、S、O若しく
はアルキル化されたNを含んでもよい5又は6員環を示
す。
【0015】X:O、NHまたはS(O)p (式中p は0〜
2の整数を示す)を示す。 m:1〜2の整数を示す。 以下、本発明の詳細を作用とともに説明する。 <1>本発明の化合物について まず、本発明の化合物について、詳細に説明する。
【0016】置換基R1 〜R4 において、低級アルキル
基とは、炭素数1〜6(好ましくは1〜4)の直鎖また
は分岐状のアルキル基を意味する。その例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n −
ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、t −ブチル
基、n −ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、t −ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチル
ブチル基、1, 2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、
イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペ
ンチル基、3−メチルペンチル基、1, 1−ジメチルブ
チル基、1, 2−ジメチルブチル基、1, 3−ジメチル
ブチル基、2, 2−ジメチルブチル基、2, 3−ジメチ
ルブチル基、3, 3−ジメチルブチル基、1−エチルブ
チル基、2−エチルブチル基、1, 1, 2−トリメチル
プロピル基、1, 2, 2−トリメチルプロピル基、1−
エチル−2−メチルプロピル基が挙げられる。なかでも
特に好ましいのは、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、n −ブチル基である。
【0017】低級アルケニル基とは、炭素数2〜6(好
ましくは2〜4)の直鎖または分岐状のアルケニル基を
意味する。その例としては、ビニル基、アリル基、1−
プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2
−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロ
ペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル
アリル基、2−メチルアリル基、1−ペンテニル基、2
−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル
基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブ
テニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−
1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メ
チル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、
3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニ
ル基、1,1−ジメチルアリル基、1, 2−ジメチル−
1−プロペニル基、1, 2−ジメチル−2−プロペニル
基、1−エチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−
プロペニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、
3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル
基が挙げられる。なかでも特に好ましいのは、ビニル
基、アリル基である。
【0018】低級アルキニル基とは、炭素数2〜6(好
ましくは2〜4)の直鎖または分岐状アルキニル基を意
味する。その例としてはエチニル基、1−プロピニル
基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル
基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、
1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル
基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、
1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニ
ル基、3−メチル−1−ブチニル基、1, 1−ジメチル
−2−プロピニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニ
ル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキ
シニル基が挙げられる。なかでも特に好ましいのは、エ
チニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−
ブチニル基である。
【0019】低級アルコキシ基とは、炭素数1〜6(好
ましくは1〜4)の直鎖または分岐状アルコキシ基を意
味する。その例としては、メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n −ブトキシ基、
イソブトキシ基、t −ブトキシ基、n −ペンチルオキシ
基、n −ヘキサノキシ基が挙げられる。なかでも特に好
ましいのは、メトキシ基、エトキシ基、n −プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n −ブトキシ基である。
【0020】低級アルキルチオ基とは、炭素数1〜6
(好ましくは1〜4)の直鎖または分岐状のアルキルチ
オ基を意味する。その例としては、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、n −プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、
n −ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec −ブチルチ
オ基、t −ブチルチオ基、n −ペンチルチオ基、n −ヘ
キシルチオ基が挙げられる。なかでも特に好ましいの
は、メチルチオ基、エチルチオ基、n −プロピルチオ基
である。
【0021】ハロゲン原子とは、周期率表第7族に属す
る典型元素を意味し、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素が含まれる。置換していてもよいフェニル基における
置換基としては、例えば炭素数1〜6(好ましくは1〜
4)の低級アルキル基、炭素数1〜6(好ましくは1〜
4)の低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ト
リフルオロメチル基、カルボキシル基、低級アルコキシ
カルボニル基などが挙げられる。
【0022】低級アルコキシカルボニル基とは、炭素数
2〜6(好ましくは2〜4)のアルコキシカルボニル基
を意味する。その例としては、メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、n −プロポキシカルボニル基、
イソプロポキシカルボニル基、n −ブトキシカルボニル
基、イソブトキシカルボニル基、sec −ブトキシカルボ
ニル基、t −ブトキシカルボニル基、n −ペンチルオキ
シカルボニル基が挙げられる。なかでも特に好ましいの
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基であ
る。
【0023】N、S、O若しくはアルキル化されたNを
含んでもよい5又は6員環には、例えば、ピペラジン
環、N-メチルピペラジン環、ピペリジン環、ピロリジン
環、モルホリン環、チオモルホリン環、ピロール環、2
−イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、2−ピロリン環
2−ピラゾリン環、イミダゾール環、ピラゾール環が挙
げられる。なかでも、ピペラジン環、N-メチルピペラジ
ン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、チ
オモルホリン環が好ましい。
【0024】本発明化合物(I)の薬理学的に許容され
得る塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカ
リ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ
土類金属塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、トリエ
チルアミン塩、ピリジン塩等の有機アミン塩、リジン、
アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩、アンモニウム塩な
どが挙げられる。
【0025】本発明化合物(I)には、場合によって幾
何異性体、光学異性体、互変異性体の存在が可能であ
る。本発明の化合物(I)は、これら個々の異性体及び
これら異性体の任意の混合物をも包含する。 <2>本発明化合物の製造方法 本発明化合物(I)は、例えば以下の3つの方法で製造
できる。
【0026】まず、第一の製造方法例を詳述する。本発
明化合物(I)の製造は、下記一般式(II)と(III )
で表される化合物を、適切な塩基の存在下で反応させ、
下記一般式(IV-1)または(IV-2)で示される化合物を
得ることに始まる。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】 但し、式(II)(III )において、R1 、R2 、X、m
及びnは前記と同じ意味を表し、R5 、Yは次のものを
表す。
【0029】R5 :置換されいてもよい低級アルキル基
を示す。 Y :ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基また
はアリールスルホニルオキシ基を示す。
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】 但し、式(IV-1)(IV-2)において、R1 、R2 、R
5 、X、m及びnは前記と同じ意味を示す。
【0032】上記反応で用いる適切な塩基としては、例
えば、アルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、有機アミ
ンが挙げられる。アルカリ金属塩の例としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt
−ブトキシドが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩の例と
しては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。有機アミンの
例としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、ピリジン、N,N −ジメチルアミノピリジンが挙
げられる。反応に用いられる溶媒は、反応に関与しない
ものであれば特に限定されない。その例としては、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N −
メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
アセトン、アルコールなどの有機溶媒、あるいはこれら
の有機溶媒と水との混合溶媒が挙げられる。反応温度は
−20〜200 ℃、好ましくは0〜100 ℃の範囲である。反
応は通常1〜48時間で完結する。
【0033】次に、上記一般式(IV-1)または(IV-2)
で表わされる化合物を、塩酸酸性で脱トリチル化した
後、アルカリ性加水分解して、下記一般式(Va-1)また
は(Va-2)で示される化合物を調製する。
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】 但し、式(Va-1)(Va-2)において、R1 、R2 、X、
m及びnは前記と同じ意味を示す。続いて、上記一般式
(Va)の化合物を、適切なハロゲン化剤により、ハロゲ
ン化して、下記一般式(Vb-1)または(Vb-2)で示され
る化合物を調製する。
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】 但し、式(Vb-1)(Vb-2)において、R1 、R2 、X、
m及びnは前記と同じ意味を示し、Hal は前述したハロ
ゲン原子を表す。) このハロゲン化反応は、前記一般式(Va)で示される化
合物1モルに対してハロゲン化剤を1〜3モル程度使用
して行う。適切なハロゲン化剤には、例えば、塩化チオ
ニル、臭化チオニル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化
リンが挙げられる。反応条件は用いるハロゲン化剤によ
って異なるが、通常、室温〜100 ℃程度で、1〜48時間
程度で行なうのが好ましい。最後に、上記一般式(Vb-
1)または(Vb-2)の化合物と下記一般式(VI)で表さ
れるアミノ基を持った化合物とを反応し、本発明化合物
(I)を製造する。
【0038】
【化15】 但し、式(VI)において、R3 およびR4 は前記と同じ
意味を表す。
【0039】この反応は、上記化合物(Vb)1 モルに対
して上記化合物(VI)1〜20モルを使用し、適切な溶媒
中で反応する。適切な溶媒としては、例えばジクロルメ
タンやクロロホルム等のハロゲン溶媒、ピリジン等の塩
基性溶媒、水が挙げられる。反応は、室温〜100 ℃程度
で1〜10時間程度行う。
【0040】また、前述の通り、本発明化合物(I)
は、上記化合物(Va-1)または(Va-2)と上記化合物
(VI)とを適切な触媒の存在下で縮合反応させることで
も製造できる。適切な触媒には、例えばTiCl4 、S
nCl4 、DCC、WSCが挙げられる。反応溶媒に
は、反応に関与しない溶媒を用いる。例えば、ジクロル
メタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ピリジン等
の塩基性溶媒、DMSO、DMF等の非プロトン性溶媒
が好ましい。反応は、−20〜150 ℃好ましくは0 〜50℃
の温度で行うのが簡便でよい。
【0041】次に、製造方法の第二の例を以下に示す。
この方法は、まず上記一般式(I)において、Bがニト
リル基である化合物をテトラゾリル基に変換して本発明
化合物(I)を得る方法である。ニトリル基は、適切な
アジド誘導体と反応させることによってテトラゾリル基
に変換される。この適切なアジド誘導体の例としては、
アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、アジ化トリメチル
スズ、アジ化トリブチルスズが挙げられる。本反応で
は、溶媒は使用してもしなくてもよい。溶媒を使用する
場合には、反応に関与しない溶媒、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレンが使用できる。本反応は、0 〜200 ℃
の温度で、30分〜1週間行うのが簡便でよい。さらに、
上記一般式(IV-1)、(IV-2)、(Va-1)、(Va-2)の
化合物も、そのテトラゾリル基又は保護されたテトラゾ
リル基がニトリル基である夫々の対応する化合物から、
前述と同様に変換して製造することができる。
【0042】次に、製造方法の第三の例を以下に示す。
この製造方法は、X=Oである本発明化合物を製造する
方法であり、目的の本発明化合物(I)におけるAが、
基(A1)である場合と、基(A2)である場合とでは反応
経路が異なる。
【0043】Aが基(A1)である場合、下記一般式(I
-1)で示される本発明化合物は、下記一般式(VII )と
(VIII)で示される化合物とを反応させてピリジン環を
形成させた後、前述の方法でR6 をテトラゾリル基に変
換して得られる。
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】 但し、式(I-1)(VII )(VIII)において、R1 〜R
5 、m及びnは前記と同じ意味を示し、R6 はニトリル
基又は保護されていてもよいテトラゾリル基を示す。
【0047】一方、Aが基(A2)である場合は、まず下
記一般式(IX)と(X )で示される化合物を反応させ
る。この反応条件は、前述した第一の例における化合物
(II)と化合物(III )から化合物(IV)を得る条件と
同様である。その後、得られた化合物のR6 を、前述の
方法でテトラゾリル基に変換して、下記一般式(I-2)
で示されるを本発明化合物を製造する。
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】 但し、式(IX)(X )(I-2)において、B、R1 〜R
4 、R6 、m及びnは前記と同じ意味を示し、Wはハロ
ゲン原子を示す。
【0051】原料化合物は公知または公知の方法に準じ
て合成することができる。例えば、上記一般式(II)で
表わされるピリミジン誘導体は、特開平3−13396
4号公報に記載の方法に準じて、アミジン誘導体とβ−
ケトエステル誘導体から製造することができる。また、
前記の一般式(III )および一般式(X )で表わされる
ビフェニル誘導体は、WO−89/06233号、特開
平1−117876号公報に記載の方法に準じ、O−ア
ニス酸を原料として製造することができる。
【0052】上記製造法で合成される一般式(I)で示
される本発明化合物は、通常の精製方法、例えば再結
晶、再沈殿、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、吸着性樹脂によるカラムクロマトグラフィー等
で精製することができる。 <3>薬理試験および毒性 次に、本発明の化合物の薬理作用について説明する。
【0053】本発明化合物の薬理作用は、AII受容体結
合試験(AII拮抗作用)とラットを用いたAII誘発血圧
上昇の抑制試験(血圧降下作用)により、下記のように
確認できる。
【0054】本発明化合物のAII拮抗作用は、次に示す
AII受容体結合試験はによって確認できる。まず、ラッ
ト肝より調製したAII受容体標品に、放射性リガンド
([ 3H]-AII)を結合させる。この放射性リガンドのA
II受容体に対する特異的結合は、本発明化合物を添加し
て置換することにより阻害される。この置換が平衡状態
に達するに充分な時間、AII受容体標品を、放射性リガ
ンド、本発明化合物または対照化合物またはバッファー
(化合物非存在対照)と一緒にインキュベートする。そ
の後、フィルターにより非結合リガンドを分離して除
き、フィルター上に残留した放射線量(化合物存在時:
Y、化合物非存在時:Tとする)を測定する。被験化合
物は数段階に希釈して用い、各々の濃度における結合放
射線量を求める。一方、化合物非存下に、上記と同濃度
の[ 3H]-AIIと共に大過剰(約103 倍)の非放射性リガ
ンド(AII)を受容体標品に添加して、同様に反応し、
非特異的結合の放射線量(NS)を求める。Y−NS、T−
NSを、特異的結合の放射線量とする。
【0055】これらの値を用いて、次式で各化合物濃度
おけるAII受容体結合阻害%を求める。 (AII受容体結合阻害%)={1−(Y−NS)/(T−
NS)}×100 化合物濃度の対数と阻害%とのグラフはシグモイド型の
曲線となる。最も変曲点に近い測定点における化合物濃
度(D)および結合放射線量(前記Y)と、化合物非存
在対照における結合放射線量(前記T)および非特異的
結合の放射線量(S:前記T−NS)とを用いると、R.
F.Bruns,et.al.,Molecular Pharmacology,29, p331-34
6,1986 記載の下記関係式にて50%結合阻害濃度IC50
値(K)を求めることができる。IC50値が小さいほ
ど、化合物のAII受容体に対する拮抗作用が高く、効果
が大きいと評価される。
【0056】関係式 Y=T−S×D/(D+K) 本発明化合物のIC50値を、実施例13で測定した。表
1に示す通り、すべての実施例化合物において、対照化
合物として用いたEP−0407342号記載の化合物
および5位にベンジル基をもつ他のピリミジン誘導体に
比べ、AII受容体に対して同等以上の高い拮抗阻害作用
を示した。なかでも、実施例1、2、3、7、9、1
0、11、12に示す実施例化合物は、対照物質の2〜
10倍の拮抗阻害作用を示し、特に効果が大きかった。
【0057】本発明化合物の血圧降下作用は、ラットを
用いてAIIで誘発した血圧上昇の抑制作用として、次の
ように確認できる。まず、8〜9週齢の雄性ラットを一
晩絶食させ、血圧への食餌による影響を除いておく。絶
食したラットをウレタンで麻酔し、頚動脈および頚静脈
にカテーテルを挿入する。麻酔したラットに、塩化ヘキ
サメトニウムを皮下投与して神経節を遮断し、アセチル
コリンによる血圧上昇を抑制する。更に20〜30分後に、
ACE阻害剤を投与して生体内でのAII産生を抑制し、
後に投与されるAII以外の血圧上昇因子を排除する。
【0058】次に、血圧抑制作用を以下のように評価す
る。血圧は、頚動脈カテーテルから圧トランスデューサ
を介してポリグラフでモニタリングすることで測定でき
る。測定値は、モニタリングと同時にレコーダに記録す
る。まず、AII投与前の血圧を測定しておく。次に、頚
静脈カテーテルから一定量のAII(例えば 0.3μg/kg)
を投与し、一過性の血圧上昇を誘発する。この誘発を15
〜30分毎に数回繰り返して、昇圧反応の大きさを安定さ
せ、AII誘発時の血圧とする。その後、頚静脈カテーテ
ルを通して本発明化合物又は対照化合物を静脈内投与す
る。化合物投与後、 180分までAIIの一定量投与を繰り
返し行い、血圧を測定する。
【0059】AII投与前の血圧と化合物投与前のAII誘
発時血圧との差を基準として、化合物による昇圧抑制作
用をパーセンテージで求める。1化合物に付、数匹のラ
ットで測定を行い、平均値を求める。
【0060】実施例14において、実施例1〜3で調製
した実施例化合物のAII誘発血圧上昇に対する抑制作用
を測定した。表2で示した通り、これらの実施例化合物
は、投与後、2分後〜 180分後の間どの時間帯において
も、対照化合物よりも優れた昇圧抑制作用を示した。
【0061】本発明化合物の毒性は、4〜5週齢のIC
R系雄性マウスに500mg/kg腹腔内投与することで評価で
きる。実施例15に示す通り、実施例2、3、4、6で
製造した実施例化合物では、すべての投与群において死
亡例は認められなかった。 <4>用法(製剤を含む)、用量 本発明のAII拮抗剤は、本発明化合物(I)または薬理
学的に許容され得るそれらの塩を有効成分として含有す
る。その投与経路は、特に限定されず、経口投与または
非経口投与(例えば、筋注、静注、皮下注、直腸投与、
経皮投与)することができる。また、投与形態(剤型)
については、製薬上許容される補助剤を配合して、注射
剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、
直腸投与剤、坐薬などとすることができる。製薬上許容
される補助剤としては、例えば希釈剤、賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防
腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定剤、着色剤が挙げら
れ、これらを常法により適宜組み合わせて使用すること
ができる。
【0062】希釈剤の例としては、無菌水、無菌生理的
食塩水が挙げられる。賦形剤の例としては、乳糖、白
糖、ブドウ糖、ソルビット、コーンスターチ、結晶セル
ロースが挙げられる。結合剤の例としては、セルロース
誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルエーテルが挙げられる。崩壊剤の例とし
ては、カルボキシメチルセルロースカルシウムが挙げら
れる。滑沢剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム、ポリエチレングリコールが挙げられる。保存
剤の例としてはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ
安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾー
ル、クロロクレゾールなどが挙げられる。溶解補助剤の
例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソ
ルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート、マグロゴールが挙げられ
る。矯味矯臭剤の例としては、ココア末、ハッカ油、桂
皮末が挙げられる。安定化剤の例としては亜硫酸ナトリ
ウム、メタ亜硫酸ナトリウム、エーテルが挙げられる。
実施例16に、実施例化合物1〜4を用いた本発明化合
物の製剤例を示した。
【0063】本発明のAII拮抗剤の投与量は、年齢、体
重、性別、症状、投与方法、投与期間等により異なる
が、本発明化合物の量に換算して、通常1日当たり 0.1
mg〜200 mg/kgであり、これを1日1〜5回に分けて投
与すればよい。
【0064】以上に述べた通り、本発明化合物(I)
は、安全で且つ優れたAII拮抗作用と血圧降下作用を有
する。従って、本発明化合物(I)を有効成分として含
有する本発明の医薬は、過剰なAIIを原因とする疾患、
例えば、高血圧症、心臓病、脳卒中、動脈硬化症等の循
環器疾患の治療に使用できる。
【0065】
【実施例】以下、本発明化合物の製造に用いる原料化合
物および中間体の合成に関する参考例と、本発明化合物
の製造およびその薬理試験に関する実施例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによっ
て限定されるものではない。
【0066】参考例1:原料化合物(II)の合成 前記化合物(II)の1例として、R1 =プロピル基、R
2 =メチル基、R5 =メチル基、X=O、m=1である
5−(3−メトキシカルボニルベンジル)−6−メチル
−2−プロピルピリミジン−4(3H)−オンを調製し
た。
【0067】まず、ナトリウムメトキシド2.70g を無水
メタノール60mlに溶解し、n-プロピルアミジン塩酸塩6.
13g を加え、室温で10分間撹拌した。その後、2-(3-メ
トキシカルボニルベンジル)-3- オキソブタン酸エチル
6.13g 及び無水メタノール60mlを加え、50℃で終夜撹拌
した。溶媒を減圧下留去し、水を加え、1N塩酸で弱酸
性とした後、酢酸エチルで2回抽出した。この酢酸エチ
ル抽出層を、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた結
晶をn-ヘキサンで洗浄し、標記化合物 4.83gを得た。
【0068】収率:65% 融点:161 〜162 ℃ 参考例2:原料化合物(II)の合成 前記化合物(II)の1例として、R1 =メチル基、R2
=エチル基、R5 =メチル基、X=O、m=1である6
−エチル−5−(3−メトキシカルボニルベンジル)−
2−メチルピリミジン−4(3H)−オンを調製した。
【0069】参考例1の方法に準拠して、標記化合物を
調製した。 収率:77% 融点:138 〜140 ℃ 参考例3:中間体(Va-2)の合成 前記化合物(Va-2)の1例として、R1 =プロピル基、R
2 =メチル基、X=O、m=1、n=1である5−(3
−カルボキシベンジル)−6−メチル−2−プロピル−
4−[ 2´−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェ
ニル−4−イル] メトキシピリミジンを、以下のように
中間体化合物(IV-2)を経て調製した。
【0070】(a) 中間体化合物(IV-2)の調製 前記一般式(IV-2)において、R1 =プロピル基、R2
メチル基、R5 =メチル基、X=O、m=1、n=1で
ある、5-(3-メトキシカルボニルベンジル) -6-メチル
-2-プロピル -4-[2'-(トリフェニルメチルテトラゾー
ル -5-イル)ビフェニル -4-イル]メトキシピリミジン
を調製した。
【0071】ナトリウムメトキシド0.65g を乾燥DMF
(N,N −ジメチルホルムアミド)40mlに懸濁し、室温で
20分間撹拌した。ここに5-(3-メトキシカルボニルベン
ジル) -6-メチル -2-プロピルピリミジン-4(3H)-オン
3.60g および乾燥DMF40mlを加え、さらに1時間撹拌
した。次いで、この反応液に、4'- ブロモメチル -2-
(トリフェニルメチルテトラゾール -5-イル)ビフェニ
ル7.35g を乾燥DMF40mlに溶解して滴下し、室温で60
時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、水40mlを
加え、酢酸エチル 150mlで2回抽出した。酢酸エチル抽
出層を、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣を得
た。この残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル(3:1)で溶
離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精
製し、アモルファスとして標記化合物3.20g を得た。
【0072】収率:34%1 H-NMR(CDCl3 ) δ:1.00(3H,t,J=7.2Hz),1.77-1.88(2
H,m),2.41(3H,s),2.81(2H,t,J=7.8Hz),3.85(3H,s),3.96
(2H,s),5.34(2H,s),6.87-7.07(8H,m),7.17(2H,d,J=8.3H
z),7.20-7.49(12H,m),7.43-7.51(2H,m),7.92-7.97(3H,
m) MS(FAB)m/z :777(M+1) (b) 標記中間体(Va-2)の合成 前記(a) で得られた中間体化合物(IV-2)1.10g をメタノ
ール50mlに溶解し、濃塩酸数滴を加え、室温にて4時間
撹拌した。次いで、2N-NaOH 4.0ml を加え、7時間加熱
還流した。反応終了後、反応液を減圧濃縮乾固し、得ら
れた残渣に水30mlを加えて不溶物を濾除した。得られた
水溶液を1N 塩酸でpHを4に調製し、析出した結晶を濾
取し、白色粉末の標記化合物0.67g を得た。
【0073】収率:91% 融点:119 〜121 ℃1 H-NMR(DMSO-d6 ) δ:0.91(3H,t,J=7.3Hz),1.68-1.79
(2H,m),2.39(3H,s),2.71(2H,t,J=7.4Hz),4.02(2H,s),5.
44(2H,s),7.06(2H,d,J=8.3Hz),7.25(2H,d,J=8.3Hz),7.3
4-7.37(2H,m),7.50-7.78(6H,m) IR(KBr)cm-1:1605,1575,1425,1345 MS(FAB)m/z :521(M+1) 参考例4:中間体(Va-1)の合成 前記化合物(Va-1)の1例として、R1 =プロピル基、R
2 =メチル基、X=O、m=1、n=1である5−(3
−カルボキシベンジル)−6−メチル−2−プロピル−
3−[ 2´−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェ
ニル−4−イル] メチルピリミジン−4−オンを、以下
のように中間体化合物(IV-1)を経て調製した。
【0074】(a) 中間体(IV-1)の調製 前記一般式(IV-1)において、R1 =プロピル基、R2
メチル基、R5 =メチル基、X=O、m=1、n=1で
ある、5-(3-メトキシカルボニルベンジル) -6-メチル
-2-プロピル -3-[2'-(トリフェニルメチルテトラゾー
ル -5-イル)ビフェニル -4-イル]メチルピリミジン -
4-オンを調製した。
【0075】参考例3(a) のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにおいて、n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1
で溶出させた。この溶出部より標記中間体化合物3.20g
を得た。
【0076】収率:34%1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.61-1.66(2
H,m),2.32(3H,s),2.53(2H,t,J=7.8Hz),3.86(3H,s),3.99
(2H,s),5.21(2H,s),6.89-6.95(6H,m),7.08-7.30(15H,
m),7.35-7.51(3H,m),7.85-7.94(3H,m) MS(FAB)m/z :777(M+1) (b) 標記中間体(Va-1)の合成 前記(a) で得られた中間体化合物3.25g を参考例3(b)
の方法に従って白色粉末の標記化合物 2.04gを得た。
【0077】収率:94% 融点:128 〜130 ℃1 H-NMR(DMSO-d6 ) δ:0.86(3H,t,J=7.3Hz),1.56-1.64
(2H,m),2.23(3H,s),2.59(2H,t,J=7.4Hz),3.92(2H,s),5.
31(2H,s),7.09(4H,s),7.35-7.80 (8H,m) IR(KBr)cm-1:2970,1705,1650,1535 MS(FAB)m/z :521(M+1) 参考例5:中間体(Va-2)の合成 前記化合物(Va-2)の1例として、R1 =メチル基、R2
=エチル基、X=O、m=1、n=1である5−(3−
カルボキシベンジル)−6−エチル−2−メチル−3−
[2´−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル
−4−イル]メトキシピリミジンを調製した。
【0078】参考例3の方法に準拠して、標記化合物を
調製した 収率:15% 融点:125 〜128 ℃1 H-NMR(DMSO-d6 ) δ:1.09(3H,t,J=7.3Hz),2.49(3H,
s),2.67(2H,q,J=7.3Hz),4.02(2H,s),5.40(2H,s),7.06(2
H,d,J=8.3Hz),7.24(2H,d,J=8.3Hz),7.32-7.35(2H,m),7.
50-7.76(6H,m) IR(KBr)cm-1:1605,1570,1425,1345 MS(FAB)m/z :507(M+1) 実施例1:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3=水素、R4 =水素、m=1、n
=1、B=テトラゾリル基である5−(3−カルバモイ
ルベンジル)−6−メチル−2−プロピル−3−[2´
−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−
イル] メチルピリミジン−4−オンを調製した。
【0079】(a) 中間体(Vb-1)の合成 中間体(Vb-1)の1つである、R1 =プロピル基、R2
=メチル基、Hal =Cl、X=O、m=1、n=1である
5−(3−クロルホルミルベンジル)−6−メチル−2
−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル−4−イル] メチルピリミジン−4−
オンを調製した。
【0080】参考例4で得られた中間体5.0gに塩化チオ
ニル20ml、N,N-ジメチルホルムアミド0.1ml を加え、60
〜70℃で4 時間撹拌した。その後、減圧下で乾固させる
ことにより、標題の化合物5.19g を得た(収率100
%)。
【0081】(b) 標記化合物(I-1)の合成 アンモニア水10mlに前記(a) で得られた化合物0.5gを加
え、室温で2時間撹拌した。反応液に水を加え不溶物を
濾去した後、ろ液をエーテルで抽出した。水層を塩酸で
弱酸性にして析出した結晶を濾取し、標題化合物0.39g
を得た。
【0082】収率:82% 融点:157 〜158 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.70-1.76(2
H,m),2.34(3H,s),2.65(2H,t,J=7.7Hz),3.92(2H,s),5.27
(2H,s),6.07(2H,s),7.00-7.78(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1600,1580,1540,1445,1400 MS(FAB)m/z :520(M+1) 実施例2:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3=メチル基、R4 =メチル基、m
=1、n=1、B=テトラゾリル基である5−(3−
N,N−ジメチルアミノカルボニルベンジル)−6−メ
チル−2−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾー
ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジ
ン−4−オンを調製した。
【0083】40%ジメチルアミン水溶液10mlに実施例1
(a) で得られた化合物0.5gを加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液に水を加え不溶物を濾去後、ろ液をエーテル
で抽出した。水層を塩酸で弱酸性にし、析出した結晶を
濾取し、標題化合物0.40g を得た。
【0084】収率:80% 融点:160 〜161 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz),1.66-1.77(2
H,m),2.33(3H,s),2.65(2H,t,J=7.7Hz),2.92(3H,s),2.96
(3H,s),3.87(2H,s),5.21(2H,s),7.00-7.80(12H,m) IR(KBr)cm-1:1655,1605,1580,1540 1445,1400 MS(FAB)m/z :548(M+1) 実施例3:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R及びR =ピペラジン環、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−5
−(3−(1−ピペラジノ)カルボニルベンジル)−2
−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン−4−
オンを調製した。
【0085】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、無水ピペラジン0.7g、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC)0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルエタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去して残渣を
得た。この残渣をクロロホルム:メタノール(4:1)
で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによっ
て精製し、標記化合物0.24g を得た。
【0086】収率:71% 融点:124 〜125 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.64-1.70(2
H,m),2.44(3H,s),2.57(2H,t,J=7.7Hz),2.78(4H,m),3.16
(4H,m),3.92(2H,s),5.34(2H,s),7.00-7.80(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1540,1440,1290 実施例4:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3=アミノエチル基、R4 =水素、
m=1、n=1、B=テトラゾリル基である5−(3−
アミノエチルアミノカルボニルベンジル)−6−メチル
−2−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン−
4−オンの調製 参考例4で得られた化合物0.3gをジクロルメタン30mlに
溶解し、エチレンジアミン0.5g、1-エチル-3-(3-ジメチ
ルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(WSC )0.15
g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に水を加えた
後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジクロルエタン
層を分液し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残渣を得
た。この残渣を、クロロホルム:メタノール(4:1)
で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによっ
て精製し、標記化合物0.20g を得た。
【0087】収率:60% 融点:135 〜137 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.86(3H,t,J=7.4Hz),1.54-1.60(2
H,m),2.23(3H,s),2.44(2H,t,J=7.7Hz),2.58(2H,m),3.26
(2H,m),3.79(2H,s),5.16(2H,s),6.90-7.90(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1605,1585,1540,1440 実施例5:本発明化合物(I-2)の合成 本発明化合物(I-2)の例として、R1 =メチル基、R
2 =エチル基、R3 及びR4 =ピペラジン環、m=1、
n=1、B=テトラゾリル基である6−エチル−2−メ
チル−5−(3−(1-ピペラジノ)カルボニルベンジ
ル)−4−[2´−(1H−テトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メトキシピリミジンを調製し
た。
【0088】参考例5で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、無水ピペラジン0.7g、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC)0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルエタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去して残渣
を得た。この残渣を、クロロホルム:メタノール(4:
1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって精製し、標記化合物0.23g を得た。
【0089】収率:68% 融点:118 〜120 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:1.33(3H,t,J=7.4Hz),2.89(3H,s),
3.12(2H,q,J=7.4Hz),3.30-3.80(8H,m),4.02(2H,s),5.48
(2H,s),7.07-7.75(12H,m) IR(KBr)cm-1:1630,1610,1580,1470,1440,1425 実施例6:本発明化合物(I-2)の合成 本発明化合物(I-2)の例として、R1 =メチル基、R
2 =エチル基、R3 =アミノエチル基、R4 =水素、m
=1、n=1、B=テトラゾリル基である5−(3−ア
ミノエチルアミノカルボニルベンジル)−6−エチル−
2−メチル−4−[2´−(1H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル−4−イル]メトキシピリミジンを調
製した。
【0090】参考例5で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、エチレンジアミン0.5g、1-エチル
-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC )0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルエタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、
残渣を得た。この残渣を、クロロホルム:メタノール
(4:1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによって精製し、標記化合物0.20g を得た。
【0091】収率:58% 融点:144 〜146 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:1.13(3H,t,J=7.4Hz),2.44(3H,s),
2.61(2H,q,J=7.4Hz),2.64(2H,m),3.24(2H,m),3.87(2H,
s),5.17(2H,s),6.85-7.76(12H,m) IR(KBr)cm-1:1640,1605,1580,1420,1345 実施例7:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =ピペリジン環、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−5
−(3−(1−ピペリジノ)カルボニルベンジル)−2
−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−
イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン−4−
オンを調製した。
【0092】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解した。これにピペリジン0.074g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
33g を得た。
【0093】収率:98% 融点:114 〜115 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.48-1.66(6
H,m),1.66-1.72(2H,m),2.31(3H,s),2.60(2H,t,J=7.7H
z),3.28(2H,m),3.54(2H,m),3.87(2H,s),5.17(2H,s),6.8
4-7.78(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1600,1540,1445,1285 実施例8:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3=ベンジル基、R4 =水素、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である5−(3−ベン
ジルアミノカルボニルベンジル)−6−メチル−2−プ
ロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)ビフェニル−4−イル]メチルピリジン−4−オン
を調製した。
【0094】参考例4で得られた化合物0.2gをジクロル
メタン30mlに溶解した。これにベンジルアミン0.065g、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(WSC)0.08g を加え、室温で一夜撹拌し
た。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を
加えた。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩水
で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、ク
ロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合
物0.19g を得た。
【0095】収率:82% 融点:124 〜125 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.94(3H,t,J=7.4Hz),1.67-1.71(2
H,m),2.26(3H,s),2.58(2H,t,J=7.4Hz),3.87(2H,s),4.37
(2H,s),5.16(2H,s),6.94-7.81(17H,m) IR(KBr)cm-1:1645,1605,1585,1540,1455 実施例9:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =N−メチルピペラジン
環、m=1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メ
チル−5−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)
カルボニルベンジル)−2−プロピル−3−[2´−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチルピリミジン−4−オンを調製した。
【0096】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これに1-メチルピペラジン0.08
6g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジ
イミド塩酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌
した。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸
を加えた。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩
水で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。
減圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、
クロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化
合物0.25g を得た。
【0097】収率:72% 融点:115 〜116 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.95(3H,t,J=7.4Hz),1.65-1.76(2
H,m),2.40(3H,s),2.47(3H,s),2.54(2H,t,J=7.4Hz),2.84
(4H,m),3.23(4H,m),3.86(2H,s),5.23 (2H,s),6.69-7.83
(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1540,1460,1440 MS(FAB)m/z :603(M+1) 実施例10:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =チオモルホリン環、m
=1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−
2−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5
−イル)ビフェニル−4−イル]−5−(3−(チオモ
ルホリン−4−イル)カルボニルベンジル)メチルピリ
ミジン−4−オンを調製した。
【0098】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにチオモルホリン0.089g、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌し
た。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を
加えた。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩水
で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、ク
ロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合
物0.31g を得た。
【0099】収率:88% 融点:117 〜118 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.67-1.75(2
H,m),2.32(3H,s),2.55(4H,m),2.62(2H,t,J=7.4Hz),3.62
(4H,m),3.87(2H,s),5.20(2H,s),6.91-7.82(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1540,1460,1440 MS(FAB)m/z :606(M+1) 実施例11:本発明化合物(I−1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =ピロリジン環、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−2
−プロピル−5−(3−(ピロリジン−1−イル)カル
ボニルベンジル)−3−[2´−(1H−テトラゾール
−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン
−4−オンを調製した。
【0100】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにピロリジン0.061g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
25g を得た。
【0101】収率:76% 融点:89〜90℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz),1.68-1.77(2
H,m),1.83(4H,m),2.33(3H,s),2.64(2H,t,J=7.4Hz),3.41
(4H,m),3.89(2H,s),5.21(2H,s),6.93-7.81(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1600,1580,1540,1450 MS(FAB)m/z :574(M+1) 実施例12:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =モルホリン環、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−5
−(3−(モルホリノカルボニルベンジル)−2−プロ
ピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−イル)
ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン−4−オンを
調製した。
【0102】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにモルホリン0.075g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルエタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
25g を得た。
【0103】収率:74% 融点:91〜92℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.98(3H,t,J=7.4Hz),1.70-1.78(2
H,m),2.34(3H,s),2.64(2H,t,J=7.4Hz),3.39(4H,m),3.62
(4H,m),3.88(2H,s),5.22(2H,s),6.94-7.86(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1600,1580,1540,1440 MS(FAB)m/z :590(M+1) 実施例13:アンジオテンシンII(AII)受容体結合試
験 実施例1〜12で調製した実施例化合物および対照化合
物について、アンジオテンシンII(AII)受容体結合試
験を行った。その結果を以下に示す。 (a) AII受容体標品の調製 5週齢のWistar系雄性ラット(日本チャールスリバー)
より肝臓を摘出した。これに9倍容の下記ホモジナイズ
用バッファーを加えてホモジナイズし、10%ホモジネー
トを作製した。ホモジネートを3000×Gで15分間遠心分
離し、上清を集めた。集めた上清を50000 ×Gで30分間
遠心分離し、沈渣を得た。得られた沈渣に20mlのホモジ
ナイズ用バッファーを加え再懸濁してAII受容体標品と
した。使用時まで−80℃で凍結保存した。
【0104】ホモジナイズ用バッファー 10mM HEPES * ( pH7.4 ) 0.2% ウシ血清アルブミン 10μM ペプスタチンA 10μM ベスタチン 10μM ロイペプチン 10μM カプトプリル 100μM ふっ化フェニルメタンスルホニル *HEPES :N-(2-ヒドロキシエチル) ピペラジン-N'-2-
エタンスルホン酸 (b) AII受容体結合試験 試験管に、最終濃度0.5nM の[ 3H]−AIIおよび数段階
に希釈した被験化合物(実施例化合物または対照化合
物)を分注した。化合物非存在対照には、化合物溶液の
代わりに同量のアッセイバッファーを分注した。また、
非特異的結合の測定には更に最終濃度10-5M の非標識A
IIを加えた。あらかじめ、上記(a) で得られた受容体標
品を解凍し、総蛋白質含量が250 μg/mlとなるように下
記のアッセイ用バッファーで希釈しておき、これを各試
験管に加えて結合反応を開始させた(1試験管当たりの
反応量は約1ml)。25℃で1 時間インキュベートした
後、反応混合液をガラス繊維フィルター(Whatman GF/B
filter) を介して吸引濾過して未反応の[ 3H]−AIIを
除去して反応を停止させた。フィルターを洗浄用バッフ
ァー(10mM HEPES,pH7.4)ですすいだ後、液シンチレーシ
ョンカウンター(Beckman) を用いて、フィルターに吸着
した放射線量(受容体結合部分)を測定した。前述の計
算方法でIC50値を算出した。結果は表1に示した。
【0105】アッセイ用バッファー 10mM HEPES ( pH7.4 ) 0.2% ウシ血清アルブミン 10mM MgCl
【0106】
【表1】
【0107】実施例14:AII誘発血圧上昇の抑制試
験 実施例1〜3で調製した実施例化合物および対照化合物
(実施例13対照化合物Bと同じ)の、AII誘発血圧上
昇の抑制試験の結果を示す。
【0108】体重 260〜350gの8〜9週齢のWister系雄
性ラット(日本チャールスリバー)を一晩絶食させた。
絶食したラットをウレタンで麻酔し、ヘパリン溶液で満
たしたカテーテルを、頚動脈および頚静脈に挿入した。
このラットに、10mg/kgの塩化ヘキサメトニウムを皮下
投与し、更に20〜30分後に30mg/kgのカプトプリル(A
CE阻害剤、シグマ社製、商品名)を投与した。
【0109】頚動脈カテーテルから圧トランスデューサ
を介して、血圧をポリグラフでモニタリングし、同時に
レコーダで記録した。頚静脈カテーテルから 0.3μg /
kgのAIIを投与し、一過性の血圧上昇を誘発した。この
誘発を15〜30分毎に数回繰り返して、昇圧反応の大きさ
を安定させた。その後、頚静脈カテーテルから本発明の
化合物又は対照化合物を1mg/kgとなるよう静脈内投与
した。化合物投与後、180分までAIIの一定量投与を繰
り返し行い、血圧を測定した。前述のように、化合物に
よる昇圧抑制作用をパーセンテージで求めた。1化合物
に付、4〜6例実験を測定を行い、平均値を求めた。結
果は表2に示した。
【0110】
【表2】
【0111】実施例15:毒性試験 実施例2,3、4、6で製造した実施例化合物の毒性試
験を行った。4〜5週齢のICR系雄性マウスに、実施
例化合物を500mg/kg腹腔内投与した。マウスは1化合物
につき10匹使用し、2週間観察を行った。その結果、す
べての投与群において死亡例は認められなかった。
【0112】実施例16:製剤例 以下に、上記実施例1〜4で製造した実施例化合物を用
いて、これを有効成分として含有するアンジオテンシン
II拮抗剤の例を示す。
【0113】製剤例1 実施例1の化合物 20g 乳糖 100gトウモロコシデンプン 36g 微結晶セルロース 30g カルボキシメチルセルロースカルシウム 10g ステアリン酸マグネシウム 4g 上記組成の成分を均一に混合し、本発明化合物として1
錠当たり200mgを含有する錠剤とした。
【0114】製剤例2 実施例2の化合物 20g 乳糖 315g トウモロコシデンプン 125g 微結晶セルロース 25g 上記組成の成分を均一に混合後、顆粒化し、顆粒剤とし
た。
【0115】製剤例3 実施例3の化合物 20g 乳糖 100g 微結晶セルロース 70g ステアリン酸マグネシウム 10g 上記組成の成分を均一に混合後、顆粒化した。これを本
発明化合物として1カプセル当たり200mgを含有する
ようにゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤とした。
【0116】製剤例4 実施例4の化合物のナトリウム塩 5g ブドウ糖 50gベンジルアルコール 10g 上記組成の成分を全量1000mlになるよう注射用蒸留水に
溶解した。これを1mlづつアンプルに封入し、本化合物
の塩として1アンプル当たり5mgを含有する注射剤とし
た。
【0117】
【発明の効果】上述のごとく、本発明化合物(I)は、
優れたアンジオテンシンII(AII)拮抗作用及び血圧降
下作用を有し、安全性も高い。従って、本発明化合物を
有効成分として含有する本発明のAII拮抗剤は、AIIを
原因とする疾病、例えば、高血圧症、心臓病、脳卒中、
動脈硬化症などの循環器病の治療薬として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】ハロゲン原子とは、周期表第7族に属す
る典型元素を意味し、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ
素が含まれる。置換していてもよいフェニル基における
置換基としては、例えば炭素数1〜6(好ましくは1〜
4)の低級アルキル基、炭素数1〜6(好ましくは1〜
4)の低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ト
リフルオロメチル基、カルボキシル基、低級アルコキシ
カルボニル基などが挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】Aが基(A1)である場合、下記一般式(I
-1)で示される本発明化合物は、下記一般式(VII )と
(VIII)で示される化合物とを反応させてピリミジン
を形成させた後、前述の方法でR6 をテトラゾリル基に
変換して得られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】一方、Aが基(A2)である場合は、まず下
記一般式(IX)と(X )で示される化合物を反応させ
る。この反応条件は、前述した第一の例における化合物
(II)と化合物(III )から化合物(IV)を得る条件と
同様である。その後、得られた化合物のR6 を、前述の
方法でテトラゾリル基に変換して、下記一般式(I-2)
で示される本発明化合物を製造する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】本発明化合物のAII拮抗作用は、次に示す
AII受容体結合試験によって確認できる。まず、ラット
肝より調製したAII受容体標品に、放射性リガンド([
3H]-AII)を結合させる。この放射性リガンドのAII受
容体に対する特異的結合は、本発明化合物を添加して置
換することにより阻害される。この置換が平衡状態に達
するに充分な時間、AII受容体標品を、放射性リガン
ド、本発明化合物または対照化合物またはバッファー
(化合物非存在対照)と一緒にインキュベートする。そ
の後、フィルターにより非結合リガンドを分離して除
き、フィルター上に残留した放射線量(化合物存在時:
Y、化合物非存在時:Tとする)を測定する。被験化合
物は数段階に希釈して用い、各々の濃度における結合放
射線量を求める。一方、化合物非存下に、上記と同濃度
の[ 3H]-AIIと共に大過剰(約103 倍)の非放射性リガ
ンド(AII)を受容体標品に添加して、同様に反応し、
非特異的結合の放射線量(NS)を求める。Y−NS、T−
NSを、特異的結合の放射線量とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】収率:94% 融点:128 〜130 ℃1 H-NMR(DMSO-d6 ) δ:0.86(3H,t,J=7.3Hz),1.56-1.64
(2H,m),2.23(3H,s),2.59(2H,t,J=7.4Hz),3.92(2H,s),5.
31(2H,s),7.09(4H,s),7.35-7.80 (8H,m) IR(KBr)cm-1:2970,1705,1650,1535 MS(FAB)m/z :521(M+1) 参考例5:中間体(Va-2)の合成 前記化合物(Va-2)の1例として、R1 =メチル基、R2
=エチル基、X=O、m=1、n=1である5−(3−
カルボキシベンジル)−6−エチル−2−メチル−
[2´−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル
−4−イル]メトキシピリミジンを調製した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、無水ピペラジン0.7g、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC)0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒を留去して残渣を
得た。この残渣をクロロホルム:メタノール(4:1)
で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによっ
て精製し、標記化合物0.24g を得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】収率:71% 融点:124 〜125 ℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.96(3H,t,J=7.4Hz),1.64-1.70(2
H,m),2.44(3H,s),2.57(2H,t,J=7.7Hz),2.78(4H,m),3.16
(4H,m),3.92(2H,s),5.34(2H,s),7.00-7.80(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1540,1440,1290 実施例4:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3=アミノエチル基、R4 =水素、
m=1、n=1、B=テトラゾリル基である5−(3−
アミノエチルアミノカルボニルベンジル)−6−メチル
−2−プロピル−3−[2´−(1H−テトラゾール−
5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルピリミジン−
4−オンを調製した。参考例4で得られた化合物0.3gを
ジクロルメタン30mlに溶解し、エチレンジアミン0.5g、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(WSC )0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。
反応液に水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加え
た。ジクロルタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を
留去し、残渣を得た。この残渣を、クロロホルム:メタ
ノール(4:1)で溶離するシリカゲルカラムクロマト
グラフィーによって精製し、標記化合物0.20g を得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】参考例5で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、無水ピペラジン0.7g、1-エチル-3
-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC)0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去して残渣
を得た。この残渣を、クロロホルム:メタノール(4:
1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって精製し、標記化合物0.23g を得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】参考例5で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解し、エチレンジアミン0.5g、1-エチル
-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩
(WSC )0.15g を加え、室温で一夜撹拌した。反応液に
水を加えた後、pH6 〜7 になるまで塩酸を加えた。ジク
ロルタン層を分液し、飽和食塩水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、
残渣を得た。この残渣を、クロロホルム:メタノール
(4:1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによって精製し、標記化合物0.20g を得た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン30mlに溶解した。これにピペリジン0.074g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
33g を得た。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】参考例4で得られた化合物0.2gをジクロル
メタン30mlに溶解した。これにベンジルアミン0.065g、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(WSC)0.08g を加え、室温で一夜撹拌し
た。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を
加えた。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩水
で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、ク
ロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合
物0.19g を得た。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これに1-メチルピペラジン0.08
6g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジ
イミド塩酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌
した。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸
を加えた。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩
水で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。
減圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、
クロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化
合物0.25g を得た。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにチオモルホリン0.089g、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミ
ド塩酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌し
た。反応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を
加えた。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩水
で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、ク
ロロホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合
物0.31g を得た。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにピロリジン0.061g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
25g を得た。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】収率:76% 融点:89〜90℃1 H-NMR(CDCl3 ) δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz),1.68-1.77(2
H,m),1.83(4H,m),2.33(3H,s),2.64(2H,t,J=7.4Hz),3.41
(4H,m),3.89(2H,s),5.21(2H,s),6.93-7.81(12H,m) IR(KBr)cm-1:1650,1600,1580,1540,1450 MS(FAB)m/z :574(M+1) 実施例12:本発明化合物(I-1)の合成 本発明化合物(I-1)の例として、R1 =プロピル基、
2 =メチル基、R3及びR4 =モルホリン環、m=
1、n=1、B=テトラゾリル基である6−メチル−5
(3−モルホリノカルボニル)ベンジル−2−プロピ
ル−3−[2´−(1H−テトラゾール−5−イル)ビ
フェニル−4−イル]メチルピリミジン−4−オンを調
製した。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】参考例4で得られた化合物0.3gをジクロル
メタン40mlに溶解した。これにモルホリン0.075g、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩(WSC)0.17g を加え、室温で一夜撹拌した。反
応液に水を加えた後、pH6〜7になるまで塩酸を加え
た。ジクロルタン層を分液し、これを飽和食塩水で洗
浄し、ついで無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下
で溶媒を留去し、残渣を得た。得られた残渣を、クロロ
ホルム−メタノール(4:1)で溶離するシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物0.
25g を得た。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正内容】
【0109】頚動脈カテーテルから圧トランスデューサ
を介して、血圧をポリグラフでモニタリングし、同時に
レコーダで記録した。頚静脈カテーテルから 0.3μg /
kgのAIIを投与し、一過性の血圧上昇を誘発した。この
誘発を15〜30分毎に数回繰り返して、昇圧反応の大きさ
を安定させた。その後、頚静脈カテーテルから本発明の
化合物又は対照化合物を1mg/kgとなるよう静脈内投与
した。化合物投与後、180分までAIIの一定量投与を繰
り返し行い、血圧を測定した。前述のように、化合物に
よる昇圧抑制作用をパーセンテージで求めた。1化合物
に付、4〜6例測定を行い、平均値を求めた。結果は表
2に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/12 239 //(C07D 403/10 239:24 257:04) (C07D 403/12 239:24 257:04) (72)発明者 水田 正 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 宏亮 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 西郷 朋子 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)で表されるピリミジン
    誘導体およびその薬理学的に許容され得る塩。 【化1】 上記一般式(I)において、式中のAは次式(A1)又は
    (A2)で示される基を表し、Bはテトラゾリル基を、n
    は1〜2の整数を表す。 【化2】 【化3】 但し、式(A1)(A2)において、R1 〜R4 、X及びm
    は夫々次のものを表す。 R1 およびR2 :同一でも又は異なってもよく、夫々が
    独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、低級アルキニル基、低級アルコキシ基、低級アルキ
    ルチオ基、アセチル基、ハロゲン原子または置換されて
    いてもよいフェニル基を示す。 R3 およびR4 :同一でも又は異なってもよく、夫々が
    独立に、水素原子、低級アルキル基、またはR3 とR4
    が一緒になって形成するN、S、O若しくはアルキル化
    されたNを含んでもよい5又は6員環を示す。 X:O、NHまたはS(O)p (式中p は0〜2の整数を示
    す)を示す。 m:1〜2の整数を示す。
  2. 【請求項2】請求項1の一般式(I)で示されるピリミ
    ジン誘導体および薬理学的に許容され得るそれらの塩を
    有効成分として含有するアンジオテンシンII拮抗剤。
JP10856794A 1994-05-23 1994-05-23 置換アミド基を有するピリミジン誘導体および該誘導体を有効成分として含有するアンジオテンシンii拮抗剤 Pending JPH07316055A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012534A1 (fr) * 1997-09-10 1999-03-18 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Regulateurs des recepteurs actives par le proliferateur des peroxisomes

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012534A1 (fr) * 1997-09-10 1999-03-18 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Regulateurs des recepteurs actives par le proliferateur des peroxisomes

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