JPH07315923A - 圧電磁器組成物 - Google Patents

圧電磁器組成物

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JPH07315923A
JPH07315923A JP6105334A JP10533494A JPH07315923A JP H07315923 A JPH07315923 A JP H07315923A JP 6105334 A JP6105334 A JP 6105334A JP 10533494 A JP10533494 A JP 10533494A JP H07315923 A JPH07315923 A JP H07315923A
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修一 福岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】圧電歪特性、キュリー温度、耐熱性、耐久性、
変位ヒステリシスおよび発生変位の温度変化率の面で優
れ、特に圧電アクチュエータに適した圧電磁器組成物を
提供する。 【構成】金属元素のモル比による組成式をPb1-x-y
x Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni1/2
1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 と表わした時、x,
y,a,b,cのモル比が、0≦x≦0.12、0≦y
≦0.12、0<x+y、0.05≦a≦0.12、0
≦b≦0.015、0.43≦c≦0.52を満足する
基本成分100重量部に対して、等モル比からなるPb
OおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2重量部添加
含有してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電磁器組成物に係わ
り、例えばセラミックフィルタ,超音波応用振動子,圧
電ブザー,圧電点火ユニット,超音波モータ,圧電ファ
ン,圧電アクチュエータおよび加速度センサ,ノッキン
グセンサ,AEセンサ等の圧電センサなどに適する圧電
磁器組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、圧電磁器組成物を利用した製品
としては、例えばセラミックフィルタ,超音波応用振動
子,圧電ブザー,圧電点火ユニット,超音波モータ,圧
電ファン,圧電センサ,圧電アクチュエータ等がある。
【0003】ここで、圧電アクチュエータは、圧電現象
を介して発生する変位や力を機械的駆動源として利用す
るものであり、特に最近、メカトロニクスの分野におい
て注目されているものの一つである。圧電アクチュエー
タは、圧電効果を利用した固体素子であるので、磁性体
にコイルを巻いた構成の従来の電磁式アクチュエータと
比較して、消費電力が少ない、応答速度が速い、変位量
が大きい、発熱が少ない、寸法及び重量が小さい等の優
れた特徴を有している。このため、メカトロニクスの高
度化に伴い多方面にわたる研究開発が進められている。
【0004】ところで、上述したアクチュエータの用途
が拡大するに従い、より大きな機械的変位が必要とされ
るとともに、広い温度範囲(−30〜150℃)での使
用に耐えうることが必要とされてきている。即ち、キュ
リー温度が高く耐熱性に優れていることが望まれる。ま
た、一般的にアクチュエータ用素子としての機能上、圧
電歪定数、特にd33定数ができるだけ大きいことが望ま
れる。このように、圧電アクチュエータの用途に適する
圧電材料の特性は、この種の材料において通常用いられ
る諸定数(電気機械結合係数、誘電率、圧電歪定数等)
及びキュリー温度によりその良否が判定できる。
【0005】このような目的に合致する圧電磁器組成物
としてPbZrTiO3 (以下、単にPZTという場合
もある。)にPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 を第3成分
として置換させたものがある。例えば、Pb(Ni1/3
Nb2/3 0.50Zr0.15Ti0.353 (表2の試料No.
31)では、圧電歪定数(d33定数)が600×10
-12 m/vを越える良好な特性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
のようなPZTにPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 を第3
成分として置換させたものを圧電アクチュエータ用とし
て利用する場合、キュリー温度(Tc)が低く、100
〜150℃と高温にさらされるような環境下では使用で
きないという問題があった。このように、PZT系で
は、圧電歪定数が大きいものはキュリー温度が低く、さ
らに耐熱性が悪いため変位素子としての利用が極めて狭
い範囲に限定されるという欠点があった。
【0007】また、アクチュエータには常に圧縮応力が
加わっていることから、アクチュエータ用途の場合、通
常圧電歪定数の減衰、即ち、耐久性が問題となるが、上
記組成では圧電歪定数の減衰が大きく、耐久性が劣ると
いう問題があった。例えば、1ton/cm2 の荷重を
10回繰り返し加えるとd33定数が40%以上減衰する
場合もあり(図1の試料No.31)、大きな応力が加わ
る用途には適さないものであった。また、圧縮応力下に
おける圧電歪定数の減衰が大きいということは、強誘電
的分域構造の状態変化が起こり易いことを意味してお
り、このことは、変位ヒステリシスの増加をもたらす原
因ともなる。例えば、100V/mm印加した時に生じ
る変位ヒステリシスが10%を越えることから分解能が
悪化し、位置決め用としての用途にも適さないものであ
った(図3の試料No.31)。
【0008】さらに、電圧印加に伴う発生変位の温度変
化率(試料に100V/mmの電圧を印加した時の20
℃での分極方向への発生変位に対する120℃での発生
変位の割合)が15%よりも大きく、温度変化に伴い位
置決め精度が低下するという問題があった。
【0009】従って、本発明は、圧電歪特性、キュリー
温度、耐久性、耐熱性、変位ヒステリシスおよび電圧印
加に伴う発生変位の温度変化率の面で優れており、特に
圧電アクチュエータや圧電センサ等に適した圧電磁器組
成物を提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、PbZ
rO3 −PbTiO3 に固溶する最適な成分の探索を行
った結果、Pb(Zn1/3 Sb2/3 )O3 およびPb
(Ni1/2 Te1/2 )O3となる組成を第3、第4成分
として固溶させ、さらに、これらの固溶体からなる基本
成分に対して、PbOおよびNb2 3 を適量添加する
ことにより、圧電歪特性、キュリー温度、耐久性、耐熱
性、変位ヒステリシス、温度変化率の面で優れた圧電磁
器組成物を得ることができることを知見し、本発明に至
った。
【0011】即ち、本発明の圧電磁器組成物は、金属成
分としてPb、Zr、Ti、Zn、Sb、Ni、Te
と、SrおよびBaのうち少なくとも一種を含む複合ペ
ロブスカイト型化合物であって、これらの金属元素のモ
ル比による組成式をPb1-x-y Srx Bay (Zn1/3
Sb2/3 a (Ni1/2 Te1/2 b ZrcTi
1-a-b-c 3 と表わした時、x,y,a,b,cのモル
比が、0≦x≦0.12、0≦y≦0.12、0<x+
y、0.05≦a≦0.12、0≦b≦0.015、
0.43≦c≦0.52を満足する基本成分100重量
部に対して、等モル比からなるPbOおよびNb2 5
を合量で0.2〜1.2重量部添加含有してなるもので
ある。
【0012】ここで、x,y,a,b,cを上記の範囲
に設定した理由について説明する。
【0013】PbのSrによる置換は極めて大きな圧電
歪定数d33を得るのに有効であるが、その置換量xを0
≦x≦0.12としたのは、xが0.12より多いとキ
ュリー温度が急峻に低下し、170℃を大きく下回り耐
熱性の劣化を招くからである。
【0014】Srの置換量xは0.04≦x≦0.10
であることが望ましい。
【0015】また、PbのBaによる置換によりキュリ
ー温度が200℃以上で圧電歪定数d33を600×10
-12 m/v以上とするのに効果的であり、極めて高いキ
ュリー温度および大きな圧電歪定数d33を得るのに有効
であるが、その置換量yを0≦y≦0.12としたの
は、yが0.12よりも多いと、キュリー温度が大きく
低下し、170℃以下となり、耐熱性が劣化するからで
ある。Baの置換量yは0.02≦y≦0.12である
ことが望ましい。
【0016】また、Tiの(Zn1/3 Sb2/3 )による
置換量aを0.05≦a≦0.12としたのは、aが多
いと大きな圧電歪定数が得られ、圧電アクチュエータに
有用な特性となる。逆にaが少ないと、加速度センサー
等の圧電センサに有用な大きな圧電出力定数g33が得ら
れる。しかし、aが0.05よりも少ないとキュリー温
度が170℃以下であり、圧電歪定数d33を500×1
-12 m/v以上とすることができず、aが0.12よ
りも多いと、誘電損失および弾性損失も非常に大きくな
り、耐久性が著しく低下するからである。Tiの(Zn
1/3 Sb2/3 )による置換量aは0.07≦a≦0.1
0であることが望ましい。
【0017】さらに、Tiの(Ni1/2 Te1/2 )によ
る置換量bを0≦b≦0.015としたのは、bが多い
と耐久性、変位ヒステリシスにおいて極めて優れた特性
を有するようになるが、bが0.015よりも大きい場
合には、エージング(例えば、100℃)による圧電特
性の劣化が著しく大きくなり、耐熱性が低下するからで
あり、また、圧電歪定数d33を500×10-12 m/V
以上とすることができないからである。Tiの(Ni
1/2 Te1/2 )による置換量bは0.002≦b≦0.
007であることが望ましい。
【0018】PZTを主成分とした圧電磁器組成物は、
PbZrO3 とPbTiO3 の固溶比率を変化させると
圧電歪定数の極大値を示すMPB(組成相境界)が存在
する。圧電アクチュエータ材料としては、このMPB及
びその近傍の組成値を用いることになる。このMPBは
x,a,bの量により変化するため、cの値はx,a,
bの組成範囲内でMPBを捉えうる組成範囲とした。即
ち、0.43≦c≦0.52としたのは、cがこの範囲
外となるとMPBを捉えることができないからである。
【0019】さらに、Pb1-x-y Srx Bay (Zn
1/3 Sb2/3 a (Ni1/2 Te1/2b Zrc Ti
1-a-b-c 3 で表わされる基本成分100重量部に対し
て、等モル比からなるPbOおよびNb2 5 を合量で
0.2〜1.2重量部添加含有することにより、キュリ
ー温度をさほど低下させることなく、圧電歪定数d33
大きくするのに有効であり、また、耐熱性および電圧印
加に伴う発生変位の温度変化率を向上するのに有効であ
るが、PbOおよびNb2 3 の添加量を等モル比で添
加した合量で0.2〜1.2重量部としたのは、合量の
添加量が0.2重量部よりも少ない場合には、添加効果
が殆ど得られないからである。また、合量の添加量が
1.2重量部よりも多い場合には130℃のエージング
による圧電特性の劣化が著しく大きくなり、実用的でな
いためである。等モル比からなるPbOおよびNb2
5 の添加量は0.3〜0.7であることが望ましい。
尚、PbOとNb2 3 を等モル比で添加したのは、ペ
ロブスカイト構造となる各構成元素(Pb,Sr,B
a,Zn,Sb,Ni,Te,Zr,Ti,Nb,O)
を完全固溶させるためである。
【0020】本発明においては、x,y,a,b,cお
よびPbOおよびNb2 5 の添加量は、0.04≦x
≦0.10、かつ、0.02≦y≦0.12、かつ、
0.07≦a≦0.10、かつ、0.002≦b≦0.
007、かつ、0.43≦c≦0.52であり、等モル
比からなるPbOおよびNb2 5 が合量で0.3〜
0.7重量部であることが望ましい。
【0021】そして、本発明の圧電磁器は、例えば、原
料としてPbO、ZrO2 、TiO2 、SrCO3 、B
aCO3 、ZnO、Sb2 3 、NiO、TeO2 及び
Nb2 5 の各粉末を秤量混合し、次いで、この混合物
を脱水、乾燥した後、850〜900℃で1〜3時間仮
焼し、当該仮焼物を再びボールミル等で粉砕する。
【0022】その後、この粉砕物に有機バインダー(P
VA)を混合し、造粒する。得られた粉末を所定圧力で
成形して成形体を作製し、これらを鉛雰囲気下において
1240〜1300℃で1〜3時間焼成することにより
得られる。
【0023】尚、本発明の圧電磁器組成物では、添加含
有させられるPbOとNb2 5 は、Pbは基本成分ペ
ロブスカイト構造のAサイトのPbとなり、Nbは基本
成分のBサイトのTiの一部と置換することになる。よ
って、本発明では、圧電磁器組成物を、基本成分にPb
OとNb2 5 を等モル比で添加する形態で表現した
が、本発明はこれに限定されることなく、最終的に基本
成分のBサイトにNbが固溶するような製法であれば、
どのような製法でも良い。
【0024】また、本発明の圧電磁器組成物では、粉砕
用ボールや不純物として混入する元素を含有しても良い
し、また、他の微量の元素を添加しても良い。
【0025】
【作用】本発明の圧電磁器組成物では、Pbの一部をS
rまたは/及びBaで置換し、PbZrO3 −PbTi
3 に、Pb(Zn1/3 Sb2/3 )O3 およびPb(N
1/2 Te1/2 )O3 となる組成を第3、第4成分とし
て固溶させ、さらに等モル比からなるPbOおよびNb
2 5 を合量で0.2〜1.2重量部添加含有すること
により、高い圧電歪特性、小さな変位ヒステリシス、高
いキュリー温度を得ることができるとともに、耐熱性お
よび電圧印加に伴う発生変位の温度変化率が向上し、さ
らに従来のように、第3成分としてPb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3を用いないため、一定荷重を繰り返し作用さ
せた場合でも圧電歪定数の減衰が抑制され、耐久性が向
上し、変位ヒステリシスが低減する。
【0026】
【実施例】以下、本発明を次の実施例で説明する。原料
粉末としてPbO、ZrO2 、TiO2 、SrCO3
BaCO3 、ZnO、Sb2 3 、NiO、TeO2
びNb2 5 の各粉末を用いて、これらを表1,2に示
す割合に秤量し、ボールミルにて24時間湿式混合し
た。次いで、この混合物を脱水、乾燥した後、870℃
で3時間仮焼し、当該仮焼物を再びボールミルで24時
間湿式粉砕した。
【0027】その後、この粉砕物に有機バインダー(P
VA)を混合し、造粒した。得られた粉末を1.5to
n/cm2 の圧力で直径23mm、厚さ3mmの寸法か
らなる円板と直径8mm、厚さ18mmの円柱の2種の
成形体を作製した。更に、これらを1270℃で3時間
の条件で焼成した。
【0028】得られた焼結体を直径20mm、厚さ1m
mの円板と直径6mm、厚さ15mmの円柱状に研磨加
工し、両面にそれぞれ銀電極を焼き付け、80℃のシリ
コンオイル中で1.5kv/mm以上の直流電圧を印加
して分極処理を行った。
【0029】分極処理された円板及び円柱を100℃恒
温の中で1時間エージングした後、24時間放置した。
このようにして得られたそれぞれの磁器から、電子材料
工業会(EMAS)の規格化された測定法に基づき、圧
電諸定数(電気機械結合係数K33、比誘電率ε33 T /ε
0 、コンプライアンス定数s33 E 、圧電歪定数d33、誘
電損失tanδ E)を調べた。
【0030】またキュリー温度Tcは高温側の常誘電相
から低温側の強誘電相へ相転移する時の比誘電率の極大
値を示す温度とした。さらに耐熱性は円柱状磁器を用い
て、130℃及び150℃の恒温の中で70時間放置後
の圧電歪定数d33の保持率を測定することで求めた。こ
こで保持率が97%以上を●、96〜94%を○、93
%以下を×とした。また、耐久性を、一軸油圧プレス機
を用いて円柱状磁器に1ton/cm2 の圧力を1サイ
クル4秒の間隔で繰り返し印加し、圧電歪定数d33の保
持率を測定することで求めた。ここで、繰り返し加圧を
10回加えた場合における圧電歪定数d33の保持率が8
0%以上のものを○とし、80%未満の場合を×とし
た。
【0031】また、円板状試料に100Vの電圧を印加
した時の分極方向への発生変位を非接触式光学式センサ
を用いて測定することにより、変位ヒステリシスを測定
した。ここで、変位ヒステリシスは、最大印加電圧(1
00V)時の発生変位に対する、1/2印加電圧(50
V)時の昇電圧時と降電圧時の発生変位の差を割合とし
て表した。そして、変位ヒステリシスが10%を越える
場合を×、10〜7%を△、7%未満を○として表し
た。
【0032】さらに、電界印加に伴う発生変位の温度変
化率は、円柱状試料に100V/mmの電圧を印加した
ときの分極方向への発生変位をTMA装置を用いて測定
することにより求めた。ここで、温度変化率は20℃で
の発生変位に対する120℃での発生変位を割合とし、
その変化率が15%を越える場合を×、15以下を○と
して表した。これらの結果を表1,2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】これらの表1及び表2において、コンプラ
イアンス定数s33 E の単位は×10-12 2 /N,圧電
歪定数d33の単位は×10-12 m/Vであり、圧電歪定
数d33は、d33=K33(ε33 T ・s33 E 1/2 で得た。
また、表中におけるαは、基本成分100重量部に対す
る、等モル比からなるPbOおよびNb2 5 の合量を
意味する。
【0036】また表1及び表2における試料番号10,
14,28,31について、耐久性の評価を図1に示
す。
【0037】圧電アクチュエータを使用する温度環境が
100℃あるいはそれ以下である場合、キュリー温度は
170℃あることが必要とされる。多くの場合、このよ
うな環境下で使用され、キュリー温度の下限は170℃
以上となることが必要とされるが、表1によれば、試料
番号14はキュリー温度が200℃と高い温度に保ちな
がら、圧電歪定数d33が733×10-12 m/vと他に
類のない極めて大きなd定数を有している。また0.5
ton/cm2 の圧力を50回繰り返し加える耐久性の
試験を行った結果、d33定数の減衰は2%であったこと
から耐久性においても優れた特性を示した。
【0038】さらに、電圧印加による発生変位の特性か
ら、変位ヒステリシスが5.8%であったこと、および
線形性に優れていること等から変位特性においても優れ
ている。さらに圧電アクチュエータが100乃至150
℃と高温下にさらされる用途に使用される場合、キュリ
ー温度が200℃を越えることが必要される。アクチュ
エータ材料の場合、その機能上からd33定数ができるか
ぎり大きいことが望まれ、試料番号3はキュリー温度が
232℃であり、かつ圧電歪定数d33が618×10
-12 m/vと非常に大きな圧電歪定数を得ている。ま
た、150℃の恒温の中で70時間放置する耐熱性試験
でもd33の保持率が99%以上であることと、更に0.
5ton/cm2 の荷重を50回繰り返し加える耐久性
試験でもd33定数の保持率は約98%と優れた特性を示
したことから、圧電アクチュエータ材料として非常に優
れている。さらに、変位ヒステリシスが、7%以下であ
ることから、位置決め用素子としても、非常に優れてい
る。
【0039】このように本発明品は大きな圧電歪定数d
33および高いキュリー温度を得ることができるととも
に、繰り返し荷重を印加した場合でも圧電歪定数d33
減衰率が極めて小さい優れた特性を有することが判る。
また、耐熱性にすぐれ、変位ヒステリシスが極めて小さ
く、電圧印加に伴う発生変位の温度変化率が小さい優れ
た特性を有することが判る。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、圧
電歪定数及びキュリー温度いずれの面でも大きく、かつ
繰り返し荷重を印加した場合でも圧電歪定数の減衰率が
小さく耐久性においても優れた特性を得ることができ、
さらに変位ヒステリシスが小さく、耐熱性に優れ、発生
変位の温度変化率が小さいことから圧電アクチュエータ
用素子や位置決め用素子として好適な特性を有している
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繰り返し加圧回数と圧電歪定数の保持率との関
係を示すグラフである。
【図2】試料No.14における印加電圧と発生変位との
関係を示すグラフである。
【図3】試料No.31における印加電圧と発生変位との
関係を示すグラフである。
【図4】150℃恒温中での圧電歪定数の保持率と時間
の関係を示すグラフである。
【図5】130℃恒温中での圧電歪定数の保持率と時間
の関係を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属成分としてPb、Zr、Ti、Zn、
    Sb、Ni、Teと、SrおよびBaのうち少なくとも
    一種を含む複合ペロブスカイト型化合物であって、これ
    らの金属元素のモル比による組成式を、 Pb1-x-y Srx Bay (Zn1/3 Sb2/3 a (Ni
    1/2 Te1/2 b Zrc Ti1-a-b-c 3 と表わした時、x,y,a,b,cのモル比が、 0 ≦x≦0.12 0 ≦y≦0.12 0 <x+y 0.05≦a≦0.12 0.43≦c≦0.52 を満足する基本成分100重量部に対して、等モル比か
    らなるPbOおよびNb2 5 を合量で0.2〜1.2
    重量部添加含有してなることを特徴とする圧電磁器組成
    物。
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JP2001342064A (ja) * 2000-05-30 2001-12-11 Kyocera Corp 圧電磁器及び圧電アクチュエータ
JP2004165650A (ja) * 2002-10-21 2004-06-10 Kyocera Corp アクチュエータ及び印刷ヘッド
US7044587B2 (en) 2002-10-17 2006-05-16 Kyocera Corporation Actuator, its manufacturing method and printing head

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