JPH07313600A - 芳香成分の吸入用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香成分を含有する空気を適宜簡単に吸入で
きるような芳香成分の吸入用具を提供し、芳香成分を吸
入する療法、または芳香を楽しむ習慣を簡便に行ない得
るようにする。 【構成】 筒状の合成樹脂製で気密性の容器１の一端部
を半球状の凸曲面に形成し、その頂部に数個の鼻孔吸入
用の小孔２を形成し、他端部の外周面に外気を導入する
通気孔３を形成し、通気孔３から小孔２に至る容器１内
の通気路には芳香剤４を通気流に接触するよう装着し、
クリップ６付きのキャップ５で小孔２および通気孔３を
着脱自在に覆う芳香成分の吸入用具とする。キャップ５
を外して容器１の小孔２を鼻孔に当てて芳香成分を吸入
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は鼻孔から芳香成分を吸
入する芳香成分の吸入用具に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、芳香成分を含有する香料は、吸
気と共に鼻孔から入って匂いを感じさせる物質である香
粧品香料（いわゆるパフューム）と、食品と共に口に入
って呼気と共に鼻に達し、匂いを感じさせる食品香料
（フレーバー）に大別される。

【０００３】液状の香粧品香料は、皮膚に塗布し、また
は繊維等の担体にしみ込ませて芳香成分を室内に徐々に
揮発させ、または空気中に噴霧して用いられてきた。

【０００４】近年、わが国でもヨーロッパ起源の芳香療
法（アロマテラピー）と呼ばれる芳香成分の吸入療法が
盛んに利用されるようになってきており、例えば、乾燥
させた花弁等に香料やスパイスを混ぜて熟成させたポプ
リを開放性のガラス容器に入れて室内に置いたり、温水
に精油を添加して揮発した芳香を楽しむといった方法
は、現代人の心と体をリラックスさせたり、食欲増進や
抗鬱剤的な効用もあることが知られるようになってき
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、芳香成分を含
む空気を鼻孔から直接吸入するには、先ず、芳香成分を
空気中に揮発させる必要があり、この場合は前記したよ
うに、室内等の特定の空間を芳香成分で満たす必要があ
る。すなわち、このような芳香療法を行なうとき、また
は単に芳香を楽しむときには、使用者の周囲の空間に芳
香成分を漂わせる必要があって、その作業が簡便でない
という問題点がある。

【０００６】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、使用者の周囲に芳香成分を漂わせる空間が
なくても芳香成分を含有する空気を適宜簡単に吸入でき
るようにする芳香成分の吸入用具を提供し、これをもっ
て芳香成分を吸入する療法、または芳香を楽しむ習慣を
簡便に行ない得るようにすることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の芳香成分の吸入用具においては、筒状の
気密性容器の一端部に鼻孔吸入用の小孔を形成すると共
に他端部に外気を導入する通気孔を形成し、前記容器内
部の通気孔から小孔に至る通気路内には芳香剤を通気流
に接触するよう装着したのである。

【０００８】また、前記した芳香成分の吸入用具は、筒
状の気密性容器の一端部が、頂部に小孔を有する凸曲面
で形成されているものであってもよい。

【０００９】また、前記小孔および通気孔を気密に覆う
キャップを着脱自在に設けた構成を採用することができ
る。

【００１０】または、前記通気孔の形成位置が筒状の気
密性容器の側面であり、前記キャップの外側には衣服係
止用のクリップを設けた構成を採用したのである。

【００１１】

【作用】この発明に係る芳香成分の吸入用具は、気密性
容器の一端に形成された小孔を鼻孔に当てて吸気する
と、通気孔から小孔に至る通気路内を流れる通気流が芳
香剤に接触し、揮発成分を含んで通過するので、このよ
うな芳香成分を含んだ空気を、鼻孔内に効率良く吸入す
ることができる。

【００１２】また、筒状の気密性容器の一端部が、頂部
に小孔を有する凸曲面で形成されている発明に係るもの
は、鼻孔内に一端部の頂部を挿入して密着できるので、
小孔から、より効率良く芳香成分を吸入することができ
る。

【００１３】また、前記小孔および通気孔を気密に覆う
キャップを着脱自在に設けた発明に係るものでは、不使
用時に芳香剤が無駄に揮散せず、その使用期間を可及的
に長くすることができる。

【００１４】また、前記通気孔の形成位置を筒状の気密
性容器の側面に形成したものでは、簡単な構造でキャッ
プの側面で通気孔を覆うことができるものとなり、さら
にクリップを衣服のポケットなどに係止して簡便に携帯
することができる。

【００１５】

【実施例】この発明に用いる芳香剤は、その香料として
植物体、または植物から採取した精油成分を採用したも
の、必要ならば動物由来のもの、もしくは合成香料、ま
たはこれらの調合香料を特に限定することなく採用する
ことができる。このうち、芳香療法（アロマテラピー）
作用、または植物療法（フィトテラピー）作用のある芳
香成分を採用することが好ましく、これらは嗜好に応じ
て適宜選択して採用することができる。

【００１６】上記したような芳香剤の材料となる香料の
具体例としては、アニス、アミリス、アンジェリカ、安
息香、イモーテル、イランイラン、エレミ、オリガナ
ム、オレンジ、カモマイル、カユプテ、ガーリック、カ
ルダモン、ガルバナム、カンファー、キャラウェイ、キ
ャロットシード、グァヤックウッド、クミン、クラリセ
ージ、グレープフルーツ、クローブ、コリアンダー、サ
イプレス、サンダルウッド、サントリナ、シダーウッ
ド、シトロネラ、シナモン、ジャスミン、ジュニパー、
ジンジャー、スターアニス、スパイクラベンダー、スペ
アミント、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タジ
ェティーズ、タラゴン、タンジェリン、ティトリー、デ
ィル、テレビン、ナツメグ、ニアウリ、乳香、ネロリ、
バイオレット、パイン、バジル、バーチ、パチェリー、
バーベナ、バラ、パルマローザ、ヒソップ、ピメント、
ファー、フェンネル、プチグレン、ブラックペパー、ベ
チバー、ペパーミント、ベルガモット、ボダイジュ花、
マージョラム、マートル、マンダリン、メリッサ、没
薬、ヤロウ、ユーカリ、ライム、ラバンジン、ラベンダ
ー、リツェアベバ、レモン、レモングラス、ローズウッ
ド、ローズマリー、ローレルなど、が挙げられる。

【００１７】上記したような香料は、単独または二種以
上混合して用いる他、一般の調合香料のように基礎剤、
調合剤、揮発保留剤、安定剤を配合して調製することも
できる。

【００１８】このような芳香剤の剤型としては、前記し
た植物香料の葉、根、木部、樹皮その他の植物体を乾燥
して適当な大きさのチップ状に形成したもの、精油、合
成香料等の液状のもの、粉粒状のもの、またはこれらを
担体に吸着、分散または浸透させて適当な形態にしたも
のが挙げられる。上記の担体としては、紙、不織布、編
織布、木片、素焼きの陶器その他のセラミックス、固形
石けん、多孔質性合成樹脂もしくはゴム、または多孔質
性無機物質等が例示できる。

【００１９】この発明の実施例を、さらに添付図面に基
づいて説明する。 〔実施例１〕図１に示した実施例１の芳香成分の吸入用
具は、筒状の合成樹脂製で気密性の容器１の上端部を半
球状の凸曲面に形成し、その頂部に数個の鼻孔吸入用の
小孔２を形成し、下端部の外周面に外気を導入する２つ
の通気孔３を形成し、通気孔３から小孔２に至る容器１
内の通気路には芳香剤４を通気流に接触するよう装着し
たものである。そして、鞘状のキャップ５で小孔２およ
び通気孔３を着脱自在に覆い、キャップ５の外側には衣
服係止用のクリップ６を付設している。

【００２０】容器１は、筒状本体７と、その下端開口に
嵌まり合う円筒状の嵌合部８ａを有する円盤状の底部キ
ャップ８とから構成されている。そして、嵌合部８ａの
内側には円柱状に形成した芳香剤を収容し、また筒状本
体７の外側端縁７ａを僅かに肉厚に形成し、キャップ５
の内側端縁をこの部分に擦り合わせて固定するようにし
ている（図２参照）。

【００２１】筒状本体７と嵌合部８ａとの嵌合は、適当
な突起を形成した弾性係合などにより行なって着脱自在
とし、これにより芳香剤４を入替えたり、または他の芳
香剤に取り替え可能である。

【００２２】ここで、図３（ａ）、（ｂ）に示すよう
に、芳香剤４は、芳香成分としてグレープフルーツの精
油とライムの精油を１：１（重量比）で混合した調製液
に、幅１．５ｍｍの和紙を直径４ｍｍにロール状に巻い
たものを含浸して用いた。

【００２３】なお、前記した通気孔３および小孔２は、
その数と形状を適当に設計変更してもよく、前記した和
紙に代えて、藁半紙その他周知の吸水可能な紙を用いる
こともできるのは勿論である。

【００２４】実施例１は、上記した複数の部品を図１に
示すように部品を嵌め合わせて、図４に示すようなペン
形状に組み立て、これをクリップ６をポケット（図示せ
ず）に差し込んで、簡易に携帯することができる。

【００２５】そして、使用する時にはキャップ５を外
し、小孔２および通気孔３を開口させた状態で小孔２を
一方の鼻孔内にやや挿入する状態に当て、他方の鼻孔は
必要に応じて指で塞ぎながら、芳香成分を吸入する。こ
のものは、芳香剤の所定成分による爽快感があり、食欲
増進作用が充分に期待できるものであった。

【００２６】〔実施例２〕図５に示すように、実施例２
は、嵌合部８ａに通気性のある中空円柱状に形成した芳
香剤用の保持器９を着脱自在に嵌め合わせて取付け、別
途調製した芳香剤をこれに収容した以外は、実施例１と
全く同様に構成したものである。

【００２７】保持器９は、合成樹脂で成形して全面に多
数の透孔１０を形成し、下端が開口したものを例示した
が、その他の形態として網素材を円柱状に形成したも
の、その他の通気可能な中空柱状の容器を採用すること
もできる。

【００２８】保持器９に収容した芳香剤は、芳香成分と
して抗鬱作用を有する芳香成分が含有されていることが
知られているイランイラン（Ｃａｎａｎｇａ ｏｄｏｒ
ａｔａ ｆｏｒｍａ ｇｅｎｕｉｎａ）の精油５重量％
を局方エタノール９５重量％に溶解したものを、イラン
イランの乾燥した花びらに噴霧したものを用いた。

【００２９】〔実施例３〕図６に示すように、実施例３
は、嵌合部８ａの内側に別途調製した芳香剤１１を収容
した以外は、実施例１と全く同様に構成したものであ
る。

【００３０】芳香剤１１は、頭脳を刺激してこれを明晰
にする作用を有することが知られているメントールとペ
パーミントの１：１混合物を１重量％と、市販の洗浄用
固形石けんチップ（花王社製：ホワイトチップ）を加温
して溶解したもの（９９重量％）に混合し、これを円柱
状の型に入れて冷却固化したものを採用した。

【００３１】また、芳香剤として再生した石けんチップ
を適当な大きさの粒状に形成して、実施例２で用いた多
孔性の保持器９に適当量を収容してもよい。

【００３２】〔実施例４〕実施例４は、以下のように調
製した芳香剤を素焼きの棒状セラミックスに含浸して、
これをす図３の芳香剤４に代えて用いたこと以外は、実
施例１と全く同様に構成したものである。

【００３３】芳香剤は、鼻粘液排出作用を有するよう
に、以下のように調製した。すなわち、ペパーミント、
ユーカリおよびラベンダーの精油１：１：２混合物（重
量比）の混合物５重量％を９５重量％の局方エタノール
に溶解した。これを直径５ｍｍ、長さ１５ｍｍの素焼き
のセラミックに含浸させたものを採用した。

【００３４】

【効果】この発明は、以上説明したように、気密性容器
の一端に形成された小孔を鼻孔に当てて吸気すると、芳
香成分を含んだ空気を鼻孔内に効率良く吸入することが
でき、すなわち、所望の芳香成分を含有する空気を、時
と場所を選ばす、必要に応じて簡便に吸入でき、種々の
効用が期待できる芳香成分を吸入する療法、または、そ
のような芳香を楽しむ習慣を簡便に行ない得るようにな
るという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の分解斜視図

【図２】（ａ）実施例１の容器の正面図 （ｂ）実施例１の容器の平面図

【図３】（ａ）実施例１の底部キャップおよび芳香剤を
示す正面図 （ｂ）実施例１の底部キャップおよび芳香剤を示す平面
図

【図４】実施例１の斜視図

【図５】実施例２の底部キャップおよび芳香剤を示す正
面図

【図６】実施例３の底部キャップおよび芳香剤を示す正
面図

【符号の説明】

１ 容器 ２ 小孔 ３ 通気孔 ４、１１ 芳香剤 ５ キャップ ６ クリップ ７ 筒状本体 ８ 底部キャップ ９ 保持器 １０ 透孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の気密性容器の一端部に鼻孔吸入用
   の小孔を形成すると共に他端部に外気を導入する通気孔
   を形成し、前記容器内部の通気孔から小孔に至る通気路
   内には芳香剤を通気流に接触するよう装着してなる芳香
   成分の吸入用具。
2. 【請求項２】 筒状の気密性容器の一端部が、頂部に小
   孔を有する凸曲面で形成されている請求項１に記載の芳
   香成分の吸入用具。
3. 【請求項３】 前記通気孔の形成位置が筒状の気密性容
   器の側面であり、前記小孔および通気孔を着脱自在に覆
   う鞘状のキャップを設けた請求項１または２に記載の芳
   香成分の吸入用具。
4. 【請求項４】 前記キャップの外側には衣服係止用のク
   リップを設けた請求項３に記載の芳香成分の吸入用具。