JPH07313563A - 棺 桶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 棺桶を燃焼し易くして火葬に要する燃焼時間
を短縮できると共に燃費をも節約できる経済性に優れた
棺桶を提供する。 【構成】 底板１と、底板１の前後両端縁に定着させる
一対に妻板２と、底板１の左右両側縁に定着させる一対
の側板３とを有する棺桶において、妻板２の前後の一方
又は双方に火炎導入孔４を穿設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、火葬時の燃焼に要する
燃費及び時間を減少し得る燃焼性に優れた棺桶に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の火葬用の棺桶は、該棺桶を形成す
る妻板、側板及び底板を無垢の一枚板或は合板等を用い
て構成している。

【０００３】火葬に際しては、通常、火葬場において炉
内に棺桶を長手方向に遺体の頭部が炉の奥に臨むように
して挿入し、炉の奥からバーナーで火炎を棺桶の妻板に
向けて噴出させて棺桶及びその内部の遺体を順次に燃焼
させるものである。しかして、燃焼の初期段階において
は逸早く遺体の頭部の奥方に位置する妻板を焼き落して
火炎が棺桶内に侵入し遺体の燃焼を開始するように所謂
火炎が走ることが必要である。

【０００４】然しながら、妻板は前記の如く一枚板或は
合板等からなるためにこれを焼き落すにはそもそも相応
の時間を要するものであると共にバーナーからの火炎は
先ず妻板に直面してその火炎の流れが妻板の上下左右に
逃げてしまうことから、実際に妻板を焼き落すためには
相当な時間と燃費とを要するものであって燃焼効率が悪
くきわめて不経済と言わなければならなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の問題点
を解決すべく案出したものであって、棺桶を燃焼し易く
して火葬に要する燃焼時間を短縮できると共に燃費をも
節約できる経済性に優れた棺桶を提供することを目的と
するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成を、実施例に対応する図面を用いて説
明すると、底板１と、底板１の前後両端縁に定着させる
一対に妻板２と、底板１の左右両側縁に定着させる一対
の側板３とを有する棺桶において、妻板２の前後の一方
又は双方に火炎導入孔４を穿設したことを特徴とするも
のである。更に、上記棺桶の内外表面を適宜に装飾布地
５、６にて被装したことを特徴とする棺桶。

【０００７】

【作用】上記の手段によって、火葬場の炉内において、
バーナーから噴出される火炎の一部は直ちに妻板２に穿
設した火炎導入孔４から棺桶の内部に侵入して遺体の燃
焼を開始することができると共に妻板２をその内外両面
からしかも遺体と同時進行で燃焼させることができる。
そして、火炎導入孔４は、棺桶の内外表面を適宜に被装
する装飾布地５、６をもって外部から看取されることは
ないので、棺桶の外観体裁を損なわない。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
ると、図１及び図２において、底板１と、底板１の前後
両端縁に定着させる一対の妻板２と、底板１の左右両側
縁に定着させる一対の側板３とを有する棺桶において、
妻板２の前後の一方或は双方に火炎導入孔４を穿設す
る。

【０００９】該火炎導入孔４はその形状を問わないが、
妻板３の機械的強度を低下させないように直径２〜４ｃ
ｍ程度の円孔或は短径２〜４ｃｍ、長径６〜１０ｃｍ程
度の長孔等からなる火炎導入孔４を少なくとも相互に１
〜２ｃｍ以上の間隔をおいて該間隔部分がリブの作用を
担うようにして妻板２の板面に多数穿設することが望ま
しい。

【００１０】棺桶を火葬場の炉内に入れた際に前後一対
の妻板２の内いずれがバーナー側に位置するか決まって
いる場合は、少なくとも当該一方の妻板２に火炎導入孔
４を穿設することが重要である。

【００１１】これに対して、前後一対の妻板２のいずれ
が炉内でバーナー側に位置するか決まっていない場合
は、いずれの妻板２がバーナー側に位置してもよいよう
に前後双方の妻板２に各々火炎導入孔４を穿設すること
が必要となる。

【００１２】このように棺桶を火葬場の炉内に入れた際
にバーナー側に位置することとなる妻板２に火炎導入孔
４を穿設すると、炉内においてバーナーから噴出して妻
板２に直面する火炎の一部は各々の火炎導入孔４から棺
桶の内部に直ちに侵入することができるから、棺桶の内
部に侵入した火炎は直ちに遺体の燃焼を開始すると共に
妻板２及び側板３をその内側からも遺体と同時進行で燃
焼させることができ、棺桶内部への所謂火炎の走りを燃
焼開始の初期段階から実現することができる。これによ
り、棺桶のバーナー側に位置する妻板２の焼け落ちを早
め、従って遺体の燃焼の完了時期を早めることができ
る。

【００１３】棺桶における妻板２の他に側板３、更には
底板１にも各々同様に火炎導入孔４を穿設することは可
能であり、このように構成した場合、炉内における棺桶
全体の燃焼を促進することができ、その分少なくとも燃
費の節約を図る上で有効である。

【００１４】妻板２その他に穿設した火炎導入孔４は、
棺桶の内外表面を適宜に被装する外装用柄布地５、内装
用白布地６等の可燃性の装飾布地をもって外部から看取
されることなく棺桶の外観体裁を損なうおそれはないと
共に火炎によって瞬時に焼失するため火炎導入孔４の作
用を阻害するおそれもない。

【００１５】尚、図中の７は妻板２或は側板３と外装用
柄布地５との間に介装した無公害な可燃性の成樹脂製防
水フィルム、８は妻板２或は側板３と内装用白布地５と
の間に介装した同防水フィルム、９は蓋体である。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上説明した如くなり、火葬場
の炉内においてバーナーから噴出される火炎の一部が直
ちに妻板に穿設した火炎導入孔から棺桶の内部に侵入し
て遺体の燃焼を開始することができると共に妻板をその
内外両面からしかも遺体と同時進行で燃焼させることが
できるから、火葬時の棺桶及び遺体の燃焼に要する燃焼
時間を短縮できると共に燃費を節約でき、きわめて経済
性に優れる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】部分切欠状態の正面図である。

【図２】部分切欠状態の側面図である。

【符号の説明】

１ 底板 ２ 妻板 ３ 側板 ４ 火炎導入孔 ５ 外装用布地 ６ 内装用白布地 ７ 防水フィルム ８ 防水フィルム ９ 蓋体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板と、底板の前後両端縁に定着させる
   一対に妻板と、底板の左右両側縁に定着させる一対の側
   板とを有する棺桶において、妻板の前後の一方又は双方
   に火炎導入孔を穿設したことを特徴とする棺桶。 【請求項１】 底板と、底板の前後両端縁に定着させる
   一対に妻板と、底板の左右両側縁に定着させる一対の側
   板とを有する棺桶において、妻板の前後の一方又は双方
   に火炎導入孔を穿設すると共に棺桶の内外表面を適宜に
   装飾布地にて被装したことを特徴とする棺桶。