JPH0731222B2 - 同期機界磁巻線の断線検出装置 - Google Patents

同期機界磁巻線の断線検出装置

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JPH0731222B2
JPH0731222B2 JP63232212A JP23221288A JPH0731222B2 JP H0731222 B2 JPH0731222 B2 JP H0731222B2 JP 63232212 A JP63232212 A JP 63232212A JP 23221288 A JP23221288 A JP 23221288A JP H0731222 B2 JPH0731222 B2 JP H0731222B2
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俊伸 山本
開一郎 平山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は同期機の異常検出装置に係り、特に界磁巻線の
断線を検出する同期機界磁巻線の断線検出装置に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、同期機の回転子例である界磁巻線の断線を直接検
出することは行われていなかった。系統に並列されて運
転している同期機では、界磁巻線の断線や励磁装置の故
障により発生する界磁喪失の現象を電機子側に設けたイ
ンピーダンスリレーで検出して同期機の運転を停止する
等の保護が行われていた。また単独運転する同期発電機
の場合は界磁電流の異常減少等で発電機を停止すること
で保護が行われていた。
これら従来の保護方式では電気的にほぼ完全な断線状態
に達して初めて保護操作が行われることとなる。しか
し、界磁電流が流れている状態で界磁巻線に機械的な断
線が発生しても、界磁巻線の大きなインダクタンスの作
用によりそれまで流れていた電流を流れ続けさせる力が
働く。そこで、機械的には断線した箇所であってもアー
クでつながり電気的には容易に完全な断線状態にはなら
ない。このような状態(以下半断線状態と呼ぶ)が長時
間継続するとアーク発生箇所の周辺はこのアークにより
焼損してしまう。そして回転子の構造によっては、部分
的な補修ができず回転子全体を新製しなければならない
ようなことに至ることもある。特に、単一の鋼塊から切
削加工した鉄心に界磁巻線を装荷した円筒界磁形の回転
子で、部分的な補修ができない損傷を受けることが多
い。
ところで、界磁巻線は一般的には銅材を加工したもので
あり、その電気抵抗の温度係数が大きくかつ安定してい
るので、その性質を利用して回転子側にある界磁巻線の
温度を界磁電圧と界磁電流より検出するローター温度計
が従来より使用されている。これは、界磁電圧をVf、界
磁電流をIf、界磁巻線抵抗をRfとすると、定常状態にお
いては、Rf=Vf/Ifで界磁巻線抵抗が与えられるのでそ
のRfより巻線材の温度係数から界磁巻線の温度を算出す
るものである。前述の半断線状態では、同じ電流を流す
に必要な電圧はアーク電圧の分だけ高くなるので、この
ローター温度計は界磁巻線温度が上昇したと指示するこ
とになる。よってこの温度より半断線状態を検出するこ
とも考えられる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、その温度は高負荷運転で起り得る正常な温度上
昇とあまり変わらず、その温度のみから半断線状態が発
生していることを的確に検出することはできない。
また、界磁巻線の中間点を外部に引出し、中間点の両側
の電圧分担を監視することで、半断線状を検出すること
も考えられるが、こりは回転子にある界磁巻線の中間点
を外部に引出さなければならないという機械的構造上の
変更を伴い実現が容易でない。
したがって、本発明の目的は、従来技術では困難であっ
た半断線状態を含む同期機界磁巻線の断線を同期機界磁
巻線の機械的な構造の変更を伴わずに検出する装置を提
供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明では、界磁電圧と界磁電流に基づいて見掛け上の
界磁巻線温度に相当する信号を算出し見掛け温度等価信
号として出力する界磁巻線温度算出手段を設け、また予
め運転時の界磁電流に対応した推定界磁巻線温度に相当
する信号を運転時の界磁電流に対応した推定正常温度等
価信号として出力する推定正常温度発生手段を設け、見
掛け温度等価信号が推定正常温度等価信号の許容範囲を
逸脱したとき界磁巻線の断線検出信号を出力するタイマ
ー手段を設けたことを特徴とする。
(作用) 断線状態が発生すれば、界磁電圧と界磁電流より算出し
た見掛け温度等価信号Tf1は、実際の界磁巻線温度より
高くなる。一方、実際の界磁巻線温度は、運転中の界磁
電流によりほぼ決まる温度となる。
故に、推定正常温度等価信号Tf2+余裕信号Tds<見掛け
温度等価信号Tf1の状態が継続したことは、界磁電流に
対する界磁電圧の比(界磁電圧/界磁電流)が余裕を含
む予想値以上に上昇していることである。これは界磁電
圧検出点から界磁巻線側の回路に断線状態が発生してる
か、さもなければ本当に界磁巻線温度が異常上昇した状
態である。
従って、この検出手段で界磁巻線の断線状態が検出でき
ると共に界磁巻線温度の異常上昇も検出できる。
(実施例) 以下の説明に於いては、特に区別する必要のある場合以
外は、半断線状態と完全断線状態を含め断線状態と呼ぶ
こととする。また、本発明で使用する用語について、以
下に簡単に説明しておく。
(a) 界磁電圧と界磁電流の関係から算出される温度
に比例した信号またはその信号の関数として表現できる
信号を見掛け温度等価信号と呼ぶこととする。
(b) 見掛け温度等価信号を算出する手段を界磁巻線
温度算出手段と呼ぶこととする。
(c) 界磁巻線が正常な時の推定界磁巻線温度に比例
した信号または信号の関数として表現できる信号を推定
正常温度等価信号と呼ぶこととする。
(d) 推定正常温度等価信号を発生する手段を推定正
常温度発生手段と呼ぶこととする。
また、信号の大小関係を示す不等式に於いては、信号は
全て正の値で表されたものとして、加減符号と不等符号
を示す。実際の電気回路の信号やディジタル計算機で処
理する場合の信号を示す変数の値は正負混合して使用し
て良いことは勿論である。
また、見掛け温度等価信号Tf1および推定正常温度等価
信号Tf2は直接温度に比例する信号に限定することな
く、温度と一定の関係を持つ信号であれば良く、また信
号によっては所定の関係も変わるが、それらについては
後で説明する。
第1図に本発明の第1の実施例を示す。1は同期機の電
機子、2はその界磁巻線で通常はこれが回転子側であ
る。3は界磁巻線に界磁電流を供給する励磁装置で、計
器用電圧変成器3Aと計器用電流変成器3Bは電機子1の電
圧Vgを変換した電圧信号Vgsと電機子1の電流Iaを変換
した電流信号Iasを励磁装置3に入力するための機器で
ある。4は分流器である。
5は界磁巻線の両端に接続した界磁電圧検出器で、実際
の界磁電圧Vfを後続の機器に適切な信号Vfsに変換する
ものであり、6は界磁電流回路の分流器4に接続した界
磁電流検出器で、実際の界磁電流Ifを後続の機器に適正
な信号Ifsに変換するものである。7は界磁電圧信号Vfs
と界磁電流信号Ifsを入力信号とし見掛け温度等価信号T
f1を算出する界磁巻線温度算出手段である。8は界磁電
流信号Ifsを入力信号とし、界磁巻線が正常な時の推定
界磁巻線温度に相当する推定正常温度等価信号Tf2を算
出する推定正常温度発生手段である。9は余裕信号Tds
を設定する余裕設定手段であり、10は信号Tf1、Tf2、Td
sを図示の極性で加算する加算手段である。11は加算手
段10の出力が正となり、それが予め設定した一定時間継
続すると動作し信号Sout1を発生するタイマー手段であ
る。この信号Sout1が界磁巻線の断線の発生を示す信号
である。
界磁巻線温度算出手段7の内容は、次に示す計算式に、
界磁電圧信号Vfsと界磁電流信号Ifsを代入して、見掛け
温度等価信号Tf1を算出する機能である。
Rf=Vf/If ……………(1) Tf=(β+T0)Rf/Rf0−β ……(2) 但し、Vfは界磁電圧、Ifは界磁電流、Rfは界磁巻線抵
抗、Tfは界磁巻線温度、Rf0は適切な基準温度T0におけ
る界磁巻線抵抗の実測値(既知値)である。βは界磁巻
線材料の温度係数により決まる定数で、電気銅の場合、
β=234.5(単位はボルト、アンペアー、セ氏度(℃)
とした場合) 推定正常温度発生手段8の内容は次の通りである。界磁
巻線の発熱は、界磁電流の2乗と界磁巻線抵抗の積に比
例し、界磁巻線の温度上昇はその発熱に比例する。従っ
て、界磁巻線とその冷却システムが正常な場合には、界
磁巻線の温度はほぼ界磁電流の2乗に比例するので、冷
却システムの特性も考慮して界磁電流より界磁巻線の正
常温度が推定できる。この界磁電流と推定界磁巻線温度
との関係を折線近似関数として設定しておき、界磁電流
信号Ifsを入力して、それに対応する関数値を出力する
機能を有するものである。
より高い精度で推定正常温度等価信号Tf2を発生するに
は折線近似関数の折線点数を多くしておけば良い。ま
た、運転実積により、より実際に近い関数に修正できる
ように関数の設定変更が容易なものとしておくことも重
要である。
界磁電圧検出器5と界磁電流検出器6にて得られた、界
磁電圧信号Vfsと界磁電流信号Ifsとから、界磁巻線温度
算出手段7により見掛け温度等価信号Tf1を算出する。
断線状態がなければ界磁巻線温度算出手段7により算出
した見掛け温度等価信号Tf1は実際の界磁巻線温度とな
るが、半断線状態が発生するとアーク電圧の分だけ界磁
電圧が上昇し界磁電流の方は殆ど変化しないので、見掛
け温度等価信号Tf1は実際の界磁巻線温度より高く算出
される。
普通に考えると半断線状態が発生すると界磁電圧は殆ど
変化せずアーク電圧の分だけ実際に界磁電流を流す作用
が減少し、結果的に界磁電流の方が減少すると考えられ
る。しかし、励磁装置3は同期器の電機子1の電圧Vgを
一定に調整する自動電圧調整器AVRを持っているのが一
般的で、AVR動作で界磁電流を殆ど変化しないように界
磁電圧Vfを上昇させるので、界磁電圧Vfが上昇すること
になる。AVRが使用されていない場合には、界磁電圧Vf
の方が殆ど変化せず界磁電圧Ifの方が減少するが、この
場合も式(1)と式(2)で見掛け温度等価信号Tf1
算出しているので、それは実際の界磁巻線温度Tf2より
高く算出される。また、完全断線になればAVRの使用、
不使用によらず界磁電流が流れなくなるので、見掛け温
度等価信号Tf1は界磁巻線温度算出手段7の実際に動作
できる最大の値となり、実際の界磁巻線温度より大幅に
大きくなる。
既に説明したよに、推定正常温度発生手段8で出力する
推定正常温度等価信号Tf2は正常時のほぼ実際の界磁巻
線温度となり、また加算手段10の出力信号Ad0は、信号A
d0=見掛け温度等価信号Tf1−推定正常温度等価信号Tf2
−余裕信号Tdsとなる。タイマー手段11が信号Sout1を発
生するのは、信号Ad0>0が継続した時であり、これは
推定正常温度等価信号Tf2+余裕信号Tds<見掛け温度等
価信号Tf1の状態が継続した時である。
ところで、界磁電圧変動時には、界磁電流は界磁巻線2
のインダクタンスのため時間遅れを持って界磁電圧に追
従するので、式(1)、(2)にて算出される見掛け温
度等価信号Tf1が正しい値となるには、過渡現象の収ま
るのを待つ時間が必要であり、タイマー手段11の時間設
定にはこの時間も含める。従って、タイマー手段11の動
作は、過渡現象が収まり正しい見掛け温度等価信号Tf1
が余裕信号Tdsだけの余裕を持って、正常時の界磁巻線
温度より高くなった状態が継続したことを示す。
これは、界磁電圧検出点から界磁巻線側の回路に断線状
態が発生しているか、さもなければ本当に界磁巻線温度
が異常上昇した状態である。よって、信号Sout1が界磁
巻線に断線状態が発生していることを示す信号となる。
但し、本当に界磁巻線の温度が異常上昇した場合も含ま
れる。
本実施例によれば、電気現象的には界磁巻線抵抗の増加
と等しい界磁巻線の断線状態を見掛け温度に変換し、運
転時の界磁電流に依存する正常な界磁巻線温度の推定値
と比較して見掛け温度の方が高くなったことを検出して
いるので、重負荷運転(界磁電流の大きな運転)による
正常な界磁巻線の温度高は検出せず、異常状態による見
掛け温度のみが検出できる。即ち、単に界磁巻線の見掛
け温度の高いことのみでは検出できない範囲のアーク電
圧の低い半断線状態も検出可能となる。
上述の実施例では推定正常温度発生手段8を折線近似関
数としているが、これは折線近似関数に限定する必要は
なく、界磁電流信号Ifsの適切な関数であれば良い。よ
り高次の関数ほどより正確な推定正常温度等価信号Tf2
が発生できる。
また、前記実施例の推定正常温度発生手段8には時間遅
れの要素を持たせてないが、界磁電流が変化してから界
磁巻線の温度が推定値に到達するには時間遅れがある。
従って、界磁電流を変化させた直後の界磁巻線温度の推
定値は正確な値にはならない。この過渡的な推定温度の
誤差を除去するには、推定正常温度発生手段8に時間遅
れ要素を追加すれば良い。発熱体が集中体でかつ冷却媒
体の温度が不変とすれば、発熱体の温度上昇は、発熱体
の熱容量で決まる熱時定数の一次遅れとなる。発熱体で
ある界磁巻線は集中体ではないが、その発熱は各部でほ
ぼ均一であり、その界磁巻線に接する冷却媒体の温度も
ほぼ一定と見なせる。よって、具体的には、正常温度関
数の後に一次遅れ手段を追加することで実現できる。更
に、過渡的な推定温度の誤差を小さくしようとすれば、
熱伝達の経路を細かく分解して、時間遅れの特性を算定
し、正常温度関数の後にその時間遅れの特性を追加すれ
ば良い。
また、前記実施例ではタイマー手段11を一定時間で動作
するものとしたが、加算手段10の出力信号Adoの大きさ
により動作時間の変わるタイマー手段としても良い。
また、前記実施例では界磁電圧変動時の過渡現象の収束
を待つ機能をタイマー手段11に持たせたが、界磁巻線温
度算出手段7に時間遅れ要素(一時遅れ要素等)を追加
しても良い。
また、前記実施例では余裕信号設定手段9を設けている
が、これを省略し推定正常温度発生手段8で発生する推
定正常温度等価信号Tf2に余裕を含めても良い。
以上の実施例では、温度に直接比例する信号を処理して
いるが、問題点を解決する手段の項で注記した如く、そ
れらの信号は温度に直接比例する信号に限定されること
なく、温度と一定の関係を持つ信号であれば良く、その
ことについて以下に説明する。
その信号の条件は、見掛け温度等価信号Tf1と推定正常
温度等価信号Tf2との大小関係を比較する都合上、温度
の単一増加関数または温度の単一現象関数でなければな
らない。物理的にも意味のあるそのような信号の例とし
て界磁巻線抵抗があり、これは温度の単一増加関数であ
る。界磁巻線温度算出手段7で、界磁電圧信号Vfsと界
磁電流Ifsより、前出の式(1)にて見掛け界磁巻線抵
抗を算出し、これを見掛け温度等価信号Tf1とする。推
定正常温度発生手段8では、界磁電流に対する推定正常
温度を抵抗値に変換した関数を設定しておき、界磁電流
信号Ifsを入力してその関数値を推定正常温度等価信号T
f2として出力する。抵抗と温度の基本的な関係は前出の
式(2)で示されるが、これを温度から抵抗を求める形
に変形したものを次に示す。
Rf=Rf0(β+Tf)/(β+T0) ……(3) 余裕信号設定手段9は、この例では当然抵抗値で考えた
信号で余裕信号を設定するものである。この例では、温
度と等価な信号が温度の単一増加関数であるため、検出
すべき見掛け温度等価信号Tf1と推定正常温度等価信号T
f2と関係は、温度を表す信号で処理する場合と同じであ
るので、加算手段10とタイマー手段11については前記実
施例と同じであり、その説明は省略する。
更に、物理的にも意味のあるそのような信号の例として
は界磁巻線抵抗の逆数、即ち界磁巻線のコンダクタンス
Cfがあり、界磁電圧Vf、界磁電流If、界磁巻線温度Tfと
の間には次の関係がある。
Cf=1/Rf=If/Vf ………(4) Cf=(β+T0)/{R0(β+Tf) ……(5) 式(5)より分かるように界磁巻線のコンダクタンスCf
は、界磁巻線温度Tfの単一減少関数である。今までの説
明で、このコンダクタンスCfも、温度に等価な信号とし
て使用できることは、容易に理解できよう。しかし、こ
の場合は、温度に等価な信号が温度の単一減少関数であ
るため、検出すべき所定の関数は、今までの例と逆にな
る。即ち、次の不等式を満足した時が、異常状態であ
る。
推定正常温度等価信号Tf2−余裕信号Tds>見掛け温度等
価信号Tf1 以上の例に限らず、物理的には意味の無い信号でも、式
(1)〜(5)に現れる変数またはそれから導出される
変数を表す信号を温度と等価な信号として扱うことも、
本発明では適用できる。
尚、温度に直接比例しない信号を推定正常温度等価信号
として温度の時間遅れ要素も考慮する場合には、その信
号に合せて時間遅れ要素の特性も変更しないとせっかく
の時間遅れ要素の効果が正しく反映されないことになる
ので注意が必要である。信号とする変数の分母に温度が
含まれる場合にその必要が出てくる。そのような場合、
温度の時間遅れ特性を最終形態の信号の時間遅れ特性に
変換することが困難なら、温度に直接比例する信号を発
生して、それに温度の時間遅れ特性を持たせた後で最終
形態の信号に変換すれば良い。
また、前記第1の実施例に、それが誤動作する可能性の
高い現象が発生してないことや界磁巻線の断線状態で発
生する他の現象をアンド条件として加えて断線状態と判
定することもできる。追加するアンド条件により、例え
前記第1の実施例の部分が誤動作しても、最終判定は断
線状態とならないので、前記実施例の部分は、アーク電
圧のより低い半断線状態の検出できる制定(良信号設定
Tdsを小さくする)が可能となり、総合的により信頼性
の高い検出装置を実現できる。この第2の実施例を第2
図に示し、その構成と作用を説明する。
20は論理積手段で、前記実施例の出力信号Sout1と以下
に述べる条件との論理積を求めるものであり、その出力
信号Sout2がこの実施例に於ける断線の発生を示す信号
である。
(イ) 21は計器用電圧変成器3Aと計器用電流変成器3B
の出力を入力して、有効電流を検出し適切な信号に変換
する有効電流検出器である。その出力を信号Ipsとす
る。24Aは有効電流信号Ipsを入力として、有効電流の時
間経過による変化量を求める変化量検出手段であり、25
Aは変化量検出手段24Aの出力の状態を判定する変化状態
判定手段である。変化状態判定手段25Aは、有効電流の
時間的変化がいずれ方向にも予め設定した値よりも小さ
いことを検出する。これらの手段の具体的構成について
は後で説明する。これは、主として電力系統の事故等に
よる電機子反作用で界磁電流が急変する場合の断線検出
装置の誤動作を防止するために断線検出の条件に加える
ものである。尚、この用途では、有効電流の代りに有効
電力を全く等価な信号として使用できる。
(ロ) 24Bは界磁電圧信号Vfsを入力として、界磁電圧
の時間経過による変化量を求める変化量検出手段であ
り、25Bは変化量検出手段24Bの出力の状態を判定する変
化状態判定手段である。変化状態判定手段25Bは、界磁
電圧の時間的変化が増加方向で予め設定した値より大き
いとを検出する。予め設定する値を0のすれば、少なく
とも界磁電圧が時間経過で減少している状態にはないこ
とが検出できる。これは、界磁巻線の断線状態で界磁電
圧に発生する現象を断線検出の条件に加えるものであ
る。
(ハ) 24Cは界磁電流信号Ifsを入力として、界磁電流
の時間経過による変化量を求める変化量検出手段であ
り、25Cは変化量検出手段24Cの出力の状態を判定する変
化状態判定手段である。変化状態判定手段25Cは、界磁
電流の時間的変化が減少方向で予め設定した値より大き
いことを検出する。これで、界磁電流が時間経過で減少
している状態であることが検出できる。これは、界磁巻
線の断線状態で界磁電流に発生する現象を断線検出の条
件に加えるものである。
(ニ) 22は計器用電圧変成器3Aと計器用電流変成器3B
の出力を入力して、無効電流を検出し適切な信号に変換
する無効電流検出器である。その出力を信号Iqsとす
る。24Dは無効電流信号Iqsを入力として、無効電流の時
間経過による変化量を求める変化量検出手段であり、25
Dは変化量検出手段24Dの出力の状態を判定する変化状態
判定手段である。変化状態判定手段25Dは、無効電流の
時間的変化が現象方向で予め設定した値より大きいこと
を検出する。これで、無効電流が時間経過で減少してい
る状態であることが検出できる。これは、界磁巻線の断
線状態で無効電流に発生する現象を断線検出の条件に加
えるものである。尚、この用途では、無効電流の代りに
無効電力を全く等価な信号として使用できる。
(ホ) 23は界磁巻線の地絡を検出する界磁地絡検出器
であり、その動作信号Fgsが論理積手段20の入力であ
る。界磁巻線の半断線状態では、構造的に接地させてい
る界磁鉄心と界磁巻線回路とが非常に高い確率で発生し
たアークにより接触し界磁地絡が発生する。逆に、界磁
地絡が発生しないような状態なら、半断線状態が発生し
ていても回転子の大きな損傷に至る可能性も薄いと言え
る。これは、界磁巻線の断線状態で回転子内部で発生す
る現象を断線検出の条件に加えるものである。
尚、本発明はそれら(イ)〜(ホ)の全てをアンド条件
として採用してもよいし、任意の一つ以上をアンド条件
として採用してもよい。
また、更に論理積手段20の後にタイマー手段を設けて、
論理積の成立が適切な時間継続したことで、界磁巻線の
断線状態を判定することもできる。その場合にはタイマ
ー手段11の設定は0または論理積手段20の後にタイマー
手段を設けない場合に比べ小さく設定する必要がある。
タイマー手段11の設定を0にする代りに、このタイマー
手段11を取除いてもよい。
また、説明した条件と反対の条件を検出して、その否定
を論理積手段の入力としたり、論理積手段を複数個にし
て、見掛け上の構成を変更しても最終的な論理判断を同
じにすることができ、そのように見掛け上の構成を変更
しても同等の効果が得られる。
(イ)〜(ホ)で使用する有効電流検出器や無効電流検
出器や界磁地絡検出器は公知のものでありその内容の詳
細説明は省くが、変化量検出手段24と変化状態判定手段
25とについては、その実施例の構成を第3図に示し以下
にその詳細を追加説明する。
一次遅れ回路100の特性は図示された関数で表現できる
ものである。但し、Tは時定数で、Sはラプラス演算子
である。従って、一次遅れ回路100の出力X1は、入力Xin
の一次遅れとなる。加算回路101は信号X1と信号Xinを図
示の極性で加算するので、その出力はX2は前より現時点
の信号Xinが増加している状態の時に正の信号となりそ
の変化率が大きいほど大きな値となる。絶対値化回路10
3は信号X2を絶対値比して信号X3=|X2|を得る。加算回
路102は信号X3と設定値S1を図示の極性で加算するの
で、その出力X4は信号X3が設定値S1より小さい時に正の
信号となる。極性判別回路104は信号X4が0または正の
時に動作信号0x1(動作時:0x1、不動作時:0x1=0)を
出力する。
この実施例は前記(イ)の場合であり、入力Xinを有効
電流信号Ipsにして使用する。(ロ)〜(ニ)の場合
は、片方向への変化のみを検出するだけなので、絶対値
化回路103は取除かなければならない。また検出する変
化方向の変更は、構成回路の適切な箇所の極性を変える
ことで自由に変更できる。この実施例では、一次遅れ回
路100と加算回路101とで前記の変化量検出手段を構成
し、その他の回路で前記の変化状態判定手段を構成して
いる。これらの回路は良く知られている回路なので、そ
の詳細説明は省略するが、次のことを説明しておく。作
用を分り易くするため回路を分割して示しているが、一
次遅れ回路100と加算回路101とで作られる特性G(s)
は、G(s)=T・S/(1+T・S)と変換でき、これ
は不完全微分と呼ばれる特性である。わざわざ一次遅れ
回路と加算回路とで構成するよりこの回路の方が簡単と
なる。また、加算回路102と極性判別回路104も分割する
ことなく一つの回路にまとめてつくる方が簡単になる。
第3図に示した実施例では、時間遅れを一次遅れとした
がこの遅れをある一定時間前の信号を出力する特性に変
えても良く、その場合は信号を記憶させる回路が必要に
なり、アナログ回路とディジタル回路とを使用したかな
り面倒な構成となる。その場合は、ディジタル計算機で
実現する方が容易になるので、その実現方法の実施例を
第4図のフローチャートで説明する。制御周期ごとの信
号Xinを記憶させる変数Mをn個用意し、これらを、
M1、M2……Mn-1、Mnとする。制御周期ごとにフローチャ
ートに示す処理を実行すると、MnはT時間(T=制御周
期×n)前のXinであり、M1が現在のXinである。よっ
て、X2は現在のXinとT時間前のXinとの差、即ちその間
のXinの変化量となる。その後は、第3図の信号X2の回
路機能をフローチャートで示しただけでありその説明は
省略する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、同期機界磁巻線の機械的な構造の変更
を行うことなく、完全断線は勿論、従来困難であった同
期機界磁巻線の半断線状態も検出することが可能とな
る。よって、従来実施されてなかった半断線状態での保
護が可能となり、同期機回転子の大きな損傷を未然に防
止でき、しかも同期機界磁巻線の機械的な構造の変更を
必要としないため既設の同期機にも容易に適用でき、本
発明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成図、第2図は本発
明の第2の実施例の構成図、第3図は第2図の構成要素
内部の詳細な構成図、第4図は第3図の機能をディジタ
ル計算機で実現した実施例のフローチャートである。 1……電機子、2……界磁巻線 3……励磁装置、3A……計器用電圧変成器 3B……計器用電流変成器、4……分流器 5……界磁電圧検出器、6……界磁電流検出器 7……界磁巻線温度設定手段 8……推定正常温度発生手段 9……余裕信号設定手段、10……加算手段 11……タイマー手段、20……論理積手段 21……有効電流検出器、22……無効電流検出器 23……界磁地絡検出器 24A〜D……変化量検出手段 25A〜D……変化状態判定手段 100……一次遅れ回路、101,102……加算回路 103……絶対値化回路、104……極性判別回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同期機界磁巻線の断線検出装置に於いて、
    界磁巻線に加えられる界磁電圧を適切な信号に変換する
    界磁電圧検出器と、界磁巻線に供給される界磁電流を適
    切な信号に変換する界磁電流検出器と、それらの検出器
    で得た界磁電圧信号と界磁電流信号とより界磁巻線の温
    度と等価な信号を算出する界磁巻線温度算出手段と、界
    磁巻線が正常な時の推定界磁巻線温度に等価な信号を発
    生する推定正常温度発生手段と、前記界磁巻線温度算出
    手段で算出した見掛け温度等価信号と前記推定正常温度
    発生手段で発生した推定正常温度等価信号とが所定の関
    係になった時に時間遅れをもって動作するタイマー手段
    とで構成し、前記推定正常温度発生手段は予め界磁電流
    に対する界磁巻線の正常温度と等価な信号を関数として
    推定しておき界磁電流信号を入力してその関数の値を推
    定正常温度等価信号として出力する構成とし、前記タイ
    マー手段の動作を界磁巻線の断線の発生を示す信号とす
    ることを特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装置。
  2. 【請求項2】第1の請求範囲の同期機界磁巻線の断線検
    出装置に於いて、以下にのべる5つの条件の検出手段の
    いずれか1つ以上の条件の検出手段と、その条件と第1
    の請求範囲の断線検出装置の動作との論理積を求める論
    理積手段とを設け、その論理積手段の動作にて断線を検
    出することを特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装
    置。 (イ) 同期機の有効電流を検出し適切な信号に変換す
    る有効電流検出器と、有効電流の時間経過による変化量
    を求める変化量検出手段と、その変化量がいずれの方向
    にも予め推定した値より小さい状態にあることを判定す
    る変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手段が
    動作している条件。 (ロ) 界磁電圧の時間経過による変化量を求める変化
    量検出手段と、その変化量が現在の界磁電圧の方が大き
    い方向で予め推定した値より大きい状態にあることを判
    定する変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手
    段が動作している条件。 (ハ) 界磁電流の時間経過による変化量を求める変化
    量検出手段と、その変化量が現在の界磁電流の方が小さ
    い方向で予め設定した値より大きい状態にあることを判
    定する変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手
    段が動作している条件。 (ニ) 同期機の無効電流を検出し適切な信号に変換す
    る無効電流検出器と、無効電流の時間経過による変化量
    を求める変化量検出手段と、その変化量が現在の無効電
    流の方が小さい方向で予め設定した値より大きい状態に
    あることを判定する変化状態判定手段とを設け、この変
    化状態判定手段が動作している条件。 (ホ) 界磁巻線の地絡を検出する界磁地絡検出器を設
    け、この界磁地絡検出器が動作している条件。
  3. 【請求項3】第2の請求範囲の同期機界磁巻線の断線検
    出装置に於いて、論理積手段の後にタイマー手段を設け
    たことを特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装置。
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