JPH0280982A - 同期機界磁巻線の断線検出装置 - Google Patents

同期機界磁巻線の断線検出装置

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JPH0280982A
JPH0280982A JP63232212A JP23221288A JPH0280982A JP H0280982 A JPH0280982 A JP H0280982A JP 63232212 A JP63232212 A JP 63232212A JP 23221288 A JP23221288 A JP 23221288A JP H0280982 A JPH0280982 A JP H0280982A
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は同期機の異常検出装置に係り、特に界磁巻線の
断線を検出する同期機界磁巻線の断線検出装置に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、同期機の回転子例である界磁巻線の断線を直接検
出することは行われていなかった。系統に並列されて運
転している同期機では、界磁巻線の断線や励磁装置の故
障により発生する界磁喪失の現象を電機子側に設けたイ
ンピーダンスリレーで検出して同期機の運転を停止する
等の保護が行われていた。また単独運転する同期発電機
の場合は界磁電流の異常減少等で発電機を停止すること
で保護が行われていた。
これら従来の保護方式では電気的にほぼ完全な断線状態
に達して初めて保護操作が行われることとなる。しかし
、界磁電流が流れている状態で界磁巻線に機械的な断線
が発生しても、界磁巻線の大きなインダクタンスの作用
によりそれまで流れていた電流を流れ続けさせる力が働
く。そこで、機械的には断線した箇所であってもアーク
でつながり電気的には容易に完全な断線状態にはならな
い。このような状m<以下半断線状態と呼ぶ)が長時間
継続するとアーク発生箇所の周辺はこのアークにより焼
損してしまう。そして回転子の構造によっては、部分的
な補修ができず回転子全体を新製しなければならないよ
うなことに至ることもある。特に、単一の鋼塊から切削
加工した鉄心に界磁巻線を装荷した円筒界磁形の回転子
で、部分的な補修ができない損傷を受けることが多い。
ところで、界磁巻線は一般的には鋼材を加工したもので
あり、その電気抵抗の温度係数が大きくかつ安定してい
るので、その性質を利用して回転子側にある界磁巻線の
温度を界磁電圧と界磁電流より検出するローター温度計
が従来より使用されている。これは、界磁電圧をVf、
界磁電流をIf、界磁巻線抵抗をRfとすると、定常状
態においては、Rr=Vf/Irで界磁巻線抵抗が与え
られるのでそのRfより巻線材の温度係数から界磁巻線
の温度を算出するものである。前述の半断線状態では、
同じ電流を流すに必要な電圧はアーク電圧の分だけ高く
なるので、このローター温度計は界磁巻線温度が上昇し
たと指示することになる。よってこの温度より半断線状
態を検出することも考えられる。
(発明が解決しようとする課M) しかし、その温度は高負荷運転で起り得る正常な温度上
昇とあまり変わらず、その温度のみから半断線状態が発
生していることを的確に検出することはできない。
また、界磁巻線の中間点を外部に引出し、中間点の両側
の電圧分担を監視することで、半断線状態を検出するこ
とも考えられるが、こりは回転子にある界磁巻線の中間
点を外部に引出さなければならないという機械的構造上
の変更を伴い実現が容易でない。
したがって1本発明の目的は、従来技術では困難であっ
た半断線状態を含む同期機界磁巻線の断線を同期機界磁
巻線の機械的な構造の変更を伴わずに検出する装置を提
供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明では、界磁電圧と界磁電流に基づいて見掛は上の
界磁巻線温度に相当する信号を算出し見掛は温度等価信
号として出力する界磁巻線温度算出手段を設け、また予
め運転時の界磁電流に対応した推定界磁巻線温度に相当
する信号を運転時の界磁電流に対応した推定正常温度等
価信号として出力する推定正常温度発生手段を設け、見
掛は温度等価信号が推定正常温度等価信号の許容範囲を
逸脱したとき界磁巻線の断線検出信号を出力するタイマ
ー手段を設けたことを特徴とする。
(作用) 断線状態が発生すれば、界磁電圧と界磁電流より算出し
た見掛は温度等価信号Tf工は、実際の界磁巻線温度よ
り高くなる。一方、実際の界磁巻線温度は、運転中の界
磁電流によりほぼ決まる温度となる。
故に、推定正常温度等価信号Tfz十余裕信号Tdsく
見掛は温度等価信号Tftの状態が継続したことは、界
磁電流に対する界磁電圧の比(界磁電圧/界磁電流)が
余裕を含む予想値以上に上昇していることである。これ
は界磁電圧検出点から界磁巻線側の回路に断線状態が発
生しているか、さもなければ本当に界磁巻線温度が異常
上昇した状態である。
従って、この検出手段で界磁巻線の断線状態が検出でき
ると共に界磁巻線温度の異常上昇も検出できる。
(実施例) 以下の説明に於いては、特に区別する必要のある場合以
外は、半断線状態と完全断線状態を含め断線状態と呼ぶ
こととする。また、本発明で使用する用語について、以
下に簡単に説明しておく。
(a)界磁電圧と界磁電流の関係から算出される温度に
比例した信号またはその信号の関数として表現できる信
号を見掛は温度等価信号と呼ぶこととする。
(b)見掛は温度等価信号を算出する手段を界磁巻線温
度算出手段と呼ぶこととする。
(c)界磁巻線が正常な時の推定界磁巻線温度に比例し
た信号または信号の関数として表現できる信号を推定正
常温度等価信号と呼ぶこととする。
(d)推定正常温度等価信号を発生する手段を推定正常
温度発生手段と呼ぶこととする。
また、信号の大小関係を示す不等式に於いては。
信号は全て正の値で表されたものとして、加減符号と不
等符号を示す、実際の電気回路の信号やディジタル計算
機で処理する場合の信号を示す変数の値は正負混合して
使用して良いことは勿論である。
また、見掛は温度等価信号Tftおよび推定正常温度等
価信号Tfa は直接温度に比例する信号に限定するこ
となく、温度と一定の関係を持つ信号であれば良く、ま
た信号によっては所定の関係も変わるが、それらについ
ては後で説明する。
第1図に本発明の第1の実施例を示す。1は同期機の電
機子、2はその界磁巻線で通常はこれが回転子側である
。3は界磁巻線に界磁電流を供給する励磁装置で、計器
用電圧変成器3Aと計器用電流変成器3Bは電機子1の
電圧Vgを変換した電圧信号vgsと電機子1の電流I
aを変換した電流信号IaSを励磁装置3に入力するた
めの機器である。4は分流器である。
5は界磁巻線の両端に接続した界磁電圧検出器で、実際
の界磁電圧Vfを後続の機器に適切な信号Vfsに変換
するものであり、6は界磁電流回路の分流器4に接続し
た界磁電流検出器で、実際の界磁電流■fを後続の機器
に適切な信号Ifsに変換するものである。7は界磁電
圧信号Vfsと界磁電流信号Ifsを入力信号とし見掛
は温度等価信号Tfxを算出する界磁巻線温度算出手段
である。8は界磁電流信号Ifsを入力信号とし、界磁
巻線が正常な時の推定界磁巻線温度に相当する推定正常
温度等価信号Tfz を出力する推定正常温度発生手段
である。9は余裕信号Tdsを設定する余裕設定手段で
あり、10は信号下f□、 Tfz、Tds を図示の
極性で加算する加算手段である。11は加算手段10の
出力が正となり、それが予め設定した一定時間継続する
と動作し信号5out1 を発生するタイマー手段であ
る。この信号5Outx が界磁巻線の断線の発生を示
す信号である。
界磁巻線温度算出手段7の内容は、次に示す計算式に、
界磁電圧信号Vfsと界磁電流信号1fsを代入して、
見掛は温度等価信号Tft を算出する機能である。
Rr=Vf/If      ・・・・・・・・・・・
・・・・ 0)Tr= (β+To)Rf/Rro−β
  −・−−−−(2)但し、Vfは界磁電圧、Ifは
界磁電流、Rfは界磁巻線抵抗、 Tfは界磁巻線温度
、Rfo は適切な基準温度T、における界磁巻線抵抗
の実41す値(既知値)である。βは界磁巻線材料の温
度係数により決まる定数で、電気銅の場合、β=234
.5 (単位はボルト、アンペア−、セ氏度(’C)と
した場合) 推定正常温度発生手段8の内容は次の通りである。界磁
巻線の発熱は、界磁電流の2乗と界磁巻線抵抗の稙に比
例し、界磁巻線の温度上昇はその発熱に比例する。従っ
て、界磁巻線とその冷却システムが正常な場合には、界
磁巻線の温度はほぼ界磁電流の2乗に比例するので、冷
却システムの特性も考慮して界磁電流より界磁巻線の正
常温度が推定できる。この界磁電流と推定界磁巻線温度
との関係を折線近似関数として設定しておき、界磁電流
信号Ifsを入力して、それに対応する関数値を出力す
る機能を有するものである。
より高い精度で推定正常温度等価信号Tfz を発生す
るには折線近似関数の折線点数を多くしておけば良い。
また、運転実績により、より実際に近い関数に修正でき
るように関数の設定変更が容易なものとしておくことも
重要である。
界磁電圧検出器5と界磁電流検出器6にて得られた。界
磁電圧信号νf5と界ra雷湾流信号fsとから、界磁
巻線温度算出手段7により見掛は温度等価信号Tf+ 
 を算出する。断線状態がなければ界磁巻線温度算出手
段7により算出した見掛は温度等価信号Tftは実際の
界磁巻線温度となるが、半断線状態が発生するとアーク
電圧の分だけ界磁電圧が上昇し界!電流の方は殆ど変化
しないので、見掛は温度等価信号Tft は実際の界磁
巻線温度より高く算出される。
普通に考えると半断線状態が発生すると界磁電圧は殆ど
変化せずアーク電圧の分だけ実際に界磁電流を流す作用
が減少し、結果的に界磁電流の方が減少すると考えられ
る。しかし、励磁装置3は同期器の電機子1の電圧νg
を一定に!IJ整する自動電圧調整器AVRを持ってい
るのが一般的で、AVR動作で界磁電流を殆ど変化しな
いように界磁電圧Vfを上昇させるので、界磁電圧Vf
が上昇することになる。AVRが使用されていない場合
には、界磁電圧Vfの方が殆ど変化せず界磁電圧Ifの
方が減少するが、この場合も弐のと弐〇で見掛は温度等
価信号Tf□を算出しているので、それは実際の界磁巻
線温度Tfz より高く算出される。また、完全断線に
なればAVRの使用、不使用によらず界磁電流が流れな
くなるので、見掛は温度等価信号Tf、は界磁巻線温度
算出手段7の実際に動作できる最大の値となり、実際の
界磁巻線温度より大幅に大きくなる。
既に説明したように、推定正常温度発生手段8で出力す
る推定正常温度等価信号Tfzは正常時のほぼ実際の界
磁巻線温度となり、また加算手段10の出力信号Ado
は、信号Ado=見掛は温度等価信号Tfよ一推定正常
温度等価信号Tfz−余裕信号Tdsとなる。タイマー
手段11が信号S。utx を発生するのは、信号Ad
o> Oが継続した時であり、これは推定正常温度等価
信号Th十全余裕信号ds <見掛は温度等価信号Th
 の状態が継続した時である。
ところで、界磁電圧変動時には、界磁電流は界磁巻線2
のインダクタンスのため時間遅れを持って界磁電圧に追
従するので、弐〇、■にて算出される見掛は温度等価信
号Tf0 が正しい値となるには、過渡現象の収まるの
を待つ時間が必要であり、タイマー手段11の時間設定
にはこの時間も含める。
従って、タイマー手段11の動作は、過渡現象が収まり
正しい見掛は温度等価信号Tfユが余裕信号Tdsだけ
の余裕を持って、正常時の界磁巻線温度より高くなった
状態が継続したことを示す。
これは、界磁電圧検出点から界磁巻線側の回路に断線状
態が発生しているか、さもなければ本当に界磁巻線温度
が異常上昇した状態である。よって、信号S。ut□が
界磁巻線に断線状態が発生していることを示す信号とな
る6但し、本当に界磁巻線の温度が異常上昇した場合も
含まれる。
本実施例によれば、電気現象的には界磁巻線抵抗の増加
と等しい界磁巻線の断線状態を見掛は温度に変換し、運
転時の界磁電流に依存する正常な界磁巻線温度の推定値
と比較して見掛は温度の方が高くなったことを検出して
いるので、重負荷運転(界磁電流の大きな運転)による
正常な界磁巻線の温度高は検出せず、異常状態による見
掛は温度高のみが検出できる。即ち、単に界磁巻線の見
掛は温度の高いことのみでは検出できない範囲のアーク
電圧の低い半断線状態も検出可能となる。
上述の実施例では推定正常温度発生手段8を折線近似関
数としているが、これは折線近似関数に限定する必要は
なく、界磁電流信号Ifsの適切な関数であれば良い。
より高次の関数はどより正確な推定正常温度等価信号T
fx が発生できる。
また、前記実施例の推定正常温度発生手段8には時間遅
れの要素を持たせてないが、界磁電流が変化してから界
磁巻線の温度が推定値に到達するには時間遅れがある。
従って、界磁電流を変化させた直後の界磁巻線温度の推
定値は正確な値にはならない。この過渡的な推定温度の
誤差を除去するには、推定正常温度発生手段8に時間遅
れ要素を追加すれば良い。発熱体が集中体でかつ冷却媒
体の温度が不変とすれば1発熱体の温度上昇は、発熱体
の熱容量で決まる熱時定数の一次遅れとなる。発熱体で
ある界磁巻線は集中体ではないが、その発熱は各部でほ
ぼ均一であり、その界磁巻線に接する冷却媒体の温度も
ほぼ一定と見なせる。
よって、具体的には、正常温度関数の後に一次遅れ手段
を追加することで実現できる。更に、過渡的な推定温度
の誤差を小さくしようとすれば、熱伝達の経路を細かく
分解して、時間遅れの特性を算定し、正常温度関数の後
にその時間遅れの特性を追加すれば良い。
また、前記実施例ではタイマー手段11を一定時間で動
作するものとしたが、加算手段10の出力信号Adoの
大きさにより動作時間の変わるタイマー手段としても良
い。
また、前記実施例では界磁電圧変動時の過渡現象の収束
を待つ機能をタイマー手段11に持たせたが、界磁巻線
温度算出手段7に時間遅れ要素(−時遅れ要素等)を追
加しても良い。
また、前記実施例では余裕信号設定手段9を設けている
が、これを省略し推定正常温度発生手段8で発生する推
定正常温度等価信号Tfz に余裕を含めても良い。
以上の実施例では、温度に直接比例する信号を処理して
いるが1問題点を解決する手段の項で注記した如く、そ
れらの信号は温度に直接比例する信号に限定されること
なく、温度と一定の関係を持つ信号であれば良く、その
ことについて以下に説明する。
その信号の条件は、見掛は温度等価信号Tf□と推定正
常温度等価信号Tfz との大小関係を比較する都合上
、温度の単一増加関数または温度の単一減少関数でなけ
ればならない。物理的にも意味のあるそのような信号の
例として界磁巻線抵抗があり、これは温度の単一増加関
数である。界磁巻線温度算出手段7で、界磁電圧信号V
fsと界磁電流信号Ifsより、前出の式■にて見掛け
の界磁巻線抵抗を算出し、これを見掛は温度等価信号T
f□とする。推定正常温度発生手段8では、界磁電流に
対する推定正常温度を抵抗値に変換した関数を設定して
おき、界磁電流信号Ifsを入力してその関数値を推定
正常温度等価信号Tfz として出力する。
抵抗と温度の基本的な関係は前出の式■で示されるが、
これを温度から抵抗を求める形に変形したものを次に示
す。
Rr=Rro(β+Tr)/(β+T、)・・・・−(
3)余裕信号設定手段9は、この例では当然抵抗値で考
えた信号で余裕信号を設定するものである。この例では
、温度と等価な信号が温度の単一増加関数であるため、
検出すべき見掛は温度等価信号Tf□と推定正常温度等
価信号Tfzとの関係は、温度を表す信号で処理する場
合と同じであるので、加算手段10とタイマー手段11
については前記実施例と同じであり、その説明は省略す
る。
更に、物理的にも意味のあるそのような信号の例として
界磁巻線抵抗の逆数、即ち界磁巻線のコンダクタンスC
fがあり、界磁電圧Vf、界磁電流If。
界磁巻線温度Tfとの間には次の関係がある。
Cr= 1 /Rr=Ir/Vr    −・−・・・
−(/DCr=(β+To)/(RO(β+Tr) −
0式0より分かるように界磁巻線のコンダクタンスCf
は、界磁巻線温度Tfの単一減少関数である。今までの
説明で、このコンダクタンスCfも、温度に等価な信号
として使用できることは、容易に理解できよう。しかし
、この場合は、温度に等価な信号が温度の単一減少関数
であるため、検出すべき所定の関係は、今までの例と逆
になる。即ち、次の不等式を満足した時が、異常状態で
ある。
推定正常温度等価信号Tfx−余裕信号設定Tds>見
掛は温度等価信号T[、 以」二の例に限らず、物理的には意味の無い信号でも、
弐〇〜■に現れる変数またはそれから導出される変数を
表す信号を温度と等価な信号として扱うことでも5本発
明では適用できる。
尚、温度に直接比例しない信号を推定正常温度等価信号
として温度の時間遅れ要素も考慮する場合には、その信
号に合せて時間遅れ要素の特性も変更しないとせっかく
の時間遅れ要素の効果が正しく反映されないことになる
ので注意が必要である。信号とする変数の分母に温度が
含まれる場合にその必要が出てくる。そのような場合、
温度の時間遅れ特性を最終形態の信号の時間遅れ特性に
変換することが困難なら、温度に直接比例する信号を発
生して、それに温度の時間遅れ特性を持たせた後で最終
形態の信号に変換すれば良い。
また、前記第1の実施例に、それが誤動作する可能性の
高い現象が発生してないことや界磁巻線の断線状態で発
生する他の現象をアンド条件として加えて断線状態と判
定することもできる。追加するアンド条件により5例え
前記第1の実施例の部分が誤動作しても、最終判定は断
線状態とならないので、前記実施例の部分は、アーク電
圧のより低い半断線状態の検出できる設定(余裕信号設
定Tds を小さくする)が可能となり、総合的により
信頼性の高い検出装置を実現できる。この第2の実施例
を第2図に示し、その構成と作用を説明する。
20は論理積手段で、前記実施例の出力信号S。utt
と以下に述べる条件との論理積を求めるものであり、そ
の出力信号S。utz がこの実施例に於ける断線の発
生を示す信号である。
(イ)21は計器用電圧変成器3Aと計器用電流変成器
3Bの出力を入力して、有効電流を検出し適切な信号に
変換する有効電流検出器である。その出力を信号IPS
とする。24Aは有効電流信号IPSを入力として、有
効電流の時間経過による変化量を求める変化量検出手段
であり、25Aは変化量検出手段24Aの出力の状態を
判定する変化状態判定手段である。変化状態判定手段2
5Aは、有効電流の時間的変化がいずれ方向にも予め設
定した値より小さいことを検出する。これらの手段の具
体的構成については後で説明する。これは、主として電
力系統の事故等による電機子反作用で界磁電流が急変す
る場合の断線検出装置の誤動作を防止するために断線検
出の条件に加えるものである。尚、この用途では、有効
電流の代りに有効電力を全く等価な信号として使用でき
る。
(ロ)24Bは界磁電圧信号Vfsを入力として、界磁
電圧の時間経過による変化量を求める変化量検出手段で
あり、25Bは変化量検出手段24Bの出力の状態を判
定する変化状態判定手段である。変化状態判定手段25
Bは、界磁電圧の時間的変化が増加方向で予め設定した
値より大きいことを検出する。
予め設定する値をOとすれば、少なくとも界磁電圧が時
間経過で減少している状態にはないことが検出できる。
これは、界磁巻線の断線状態で界磁電圧に発生する現象
を断線検出の条件に加えるものである。
(ハ)24Cは界磁電流信号Ifsを入力として、界磁
電流の時間経過による変化量を求める変化量検出手段で
あり、25Cは変化量検出手段24Cの出力の状態を判
定する変化状態判定手段である。変化状態判定手段25
Gは、界磁電流の時間的変化が減少方向で予め設定した
値より大きいことを検出する。
これで、界磁電流が時間経過で減少している状態である
ことが検出できる。これは、界磁巻線の断線状態で界磁
電流に発生する現象を断線検出の条件に加えるものであ
る。
(ニ)22は計器用電圧変成器3Aと計器用電流変成器
3Bの出力を入力して、無効電流を検出し適切な信号に
変換する無効電流検出器である。その出力を信号IQS
とする。24Dは無効電流信号Iqs を入力として、
無効電流の時間経過による変化量を求める変化量検出手
段であり、25Dは変化量検出手段24Dの出力の状態
を判定する変化状態判定手段である。変化状態判定手段
250は、無効電流の時間的変化が減少方向で予め設定
した値より大きいことを検出する。これで、無効電流が
時間経過で減少している状態であることが検出できる。
これは、界磁巻線の断線状態で無効電流に発生する現象
を断線検出の条件に加えるものである。尚、この用途で
は、無効電流の代りに無効電力を全く等価な信号として
使用できる。
(ホ)23は界磁巻線の地絡を検出する界磁地絡検出器
であり、その動作信号Fgsが論理積手段20の入力で
ある。界磁巻線の半断線状態では、構造的に接地させて
いる界磁鉄心と界磁巻線回路とが非常に高い確率で発生
したアークにより接触し界磁地絡が発生する。逆に、界
磁地絡が発生しないような状態なら、半断線状態が発生
していても回転子の大きな損傷に至る可能性も薄いと言
える。
これは、界磁巻線の断線状態で回転子内部で発生する現
象を断線検出の条件に加えるものである。
尚1本発明はそれら(イ)〜(ホ)の全てをアンド条件
として採用してもよいし、任意の一つ以上をアンド条件
として採用してもよい。
また、更に論理積手段20の後にタイマー手段を設けて
、論理積の成立が適切な時間継続したことで、界磁巻線
の断線状態を判定することもできる。
その場合にはタイマー手段11の設定はOまたは論理積
手段20の後にタイマー手段を設けない場合に比べ小さ
く設定する必要がある。タイマー手段11の設定をOに
する代りに、このタイマー手段11を取除いてもよい。
また、説明した条件と反対の条件を検出して、その否定
を論理積手段の入力としたり、論理積手段を複数個にし
て、見掛は上の構成を変更しても最終的な論理判断を同
じにすることができ、そのように見掛は上の構成を変更
しても同等の効果が得られる。
(イ)〜(ホ)で使用する有効電流検出器や無効電流検
出器や界磁地絡検出器は公知のものでありその内容の詳
細説明は省くが、変化量検出手段24と変化状態判定手
段25とについては、その実施例の構成を第3図に示し
以下にその詳細を追加説明する。
一次遅れ回路100の特性は図示された関数で表現でき
るものである。但し、Tは時定数で、Sはラプラス演算
子である。従って、−次遅れ回路100の出力X工は、
入力Xinの一次遅れとなる。加算回路101は信号X
□と信号Xin を図示の極性で加算するので、その出
力はX、は前より現時点の信号Xinが増加している状
態の時に正の信号となりその変化率が大きいほど大きな
値となる。絶対値化回路103は信号x2を絶対値化し
て信号X3=lX21を得る。加算回路102は信号x
3と設定値S1を図示の極性で加算するので、その出力
x4は信号X、が設定値S1より小さい時に正の43号
となる。極性判別回路+04は信号x4がOまたは正の
時に動作信号OX+(動作時:0X1=1、不動作時:
OXよ=O)を出力する。
この実施例は前記(イ)の場合であり、入力X工。
を有効電流信号IPSにして使用する。(ロ)〜(ニ)
の場合は、片方向への変化のみを検出するだけなので、
絶対値化回路103は取除かなければならない。また検
出する変化方向の変更は、構成回路の適切な箇所の極性
を変えることで自由に変更できる。この実施例では、−
次遅れ回路100と加算回路101 とで前記の変化量
検出手段を構成し、その他の回路で前記の変化状態判定
手段を構成している。これらの回路は良く知られている
回路なので。
その詳細説明は省略するが1次のことを説明しておく。
作用を分り易くするため回路を分割して示しているが、
−次遅れ回路100と加奪回路101とで作られる特性
G (s)は、G (s) ” ’is/ (1+ T
−5)と変換でき、これは不完全微分と呼ばれる特性で
ある。わざわざ−次遅れ回路と加算回路とで構成するよ
りこの回路の方が簡単となる。また、加算回路102と
極性判別回路104も分割することなく一つの回路にま
とめてつくる方が簡単になる。
第3図に示した実施例では、時間遅れを一次遅れとした
がこの遅れをある一定時間前の信号を出力する特性に変
えても良く、その場合は信号を記憶させる回路が必要に
なり、アナログ回路とディジタル回路とを使用したかな
り面倒な構成となる。
その場合は、ディジタル計算機で実現する方が容易にな
るので、その実現方法の実施例を第4図のフローチャー
トで説明する。制御周期ごとの信号Xi、n を記憶さ
せる変数Mをn個用意し、これらを町、M2・・・・・
Mn−1、阿。とする。制御周期ごとにフローチャート
に示す処理を実行すると1M。はT時間(T=制御周期
Xn)前のXinであり、町が現在のXよ。である。よ
って5x2は現在のX j、 nとT時間前のXinと
の差、即ちその間のXi。の変化量となる。
その後は、第3図の信号x2の後の回路機能をフローチ
ャートで示しただけでありその説明は省略する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、同期機界磁巻線の機械的な構造の変更
を行うことなく、完全断線は勿論、従来困難であった同
期機界磁巻線の半断線状態も検出する二とが可能となる
。よって、従来実施されてなかった半断線状態での保護
が可能となり、同期機回転子の大きな損保を未然に防止
でき、しかも同期機界磁巻線の機械的な構造の変更を必
要としないため既設の同期機にも容易に適用でき、本発
明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成図、第2図は本発
明の第2の実施例の構成図、第3図は第2図の構成要素
内部の詳細な構成図、第4図は第3図の機能をディジタ
ル計算機で実現した実施例のフローチャートである。 1・・・電機子      2・・・界磁巻線3・・励
磁装置     3A・・・計器用電圧変成器3B・・
計器用電流変成器 4・・・分流器5・・・界磁電圧検
出器  6・・・界磁電流検出器7・・界磁巻線温度算
出手段 8・・・推定正常温度発生手段 9・・・余裕信号設定手段 10・・・加算手段11・
・・タイマー手段   20・・・論理積手段21・・
・有効電流検出器  22・・・無効電流検出器23・
・界磁地絡検出器 24A−D・・・変化量検出手段 25A−D・・・変化状態判定手段 100・・・−次遅れ回路  101 、102・・・
加算回路103・・絶対値化回路  104・・・極性
判別回路第1図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)同期機界磁巻線の断線検出装置に於いて、界磁巻
    線に加えられる界磁電圧を適切な信号に変換する界磁電
    圧検出器と、界磁巻線に供給される界磁電流を適切な信
    号に変換する界磁電流検出器と、それらの検出器で得た
    界磁電圧信号と界磁電流信号とより界磁巻線の温度と等
    価な信号を算出する界磁巻線温度算出手段と、界磁巻線
    が正常な時の推定界磁巻線温度に等価な信号を発生する
    推定正常温度発生手段と、前記界磁巻線温度算出手段で
    算出した見掛け温度等価信号と前記推定正常温度発生手
    段で発生した推定正常温度等価信号とが所定の関係にな
    った時に時間遅れをもって動作するタイマー手段とで構
    成し、前記推定正常温度発生手段は予め界磁電流に対す
    る界磁巻線の正常温度と等価な信号を関数として推定し
    ておき界磁電流信号を入力してその関数の値を推定正常
    温度等価信号として出力する構成とし、前記タイマー手
    段の動作を界磁巻線の断線の発生を示す信号とすること
    を特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装置。
  2. (2)第1の請求範囲の同期機界磁巻線の断線検出装置
    に於いて、以下にのべる5つの条件の検出手段のいずれ
    か1つ以上の条件の検出手段と、その条件と第1の請求
    範囲の断線検出装置の動作との論理積を求める論理積手
    段とを設け、その論理積手段の動作にて断線を検出する
    ことを特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装置。 (イ)同期機の有効電流を検出し適切な信号に変換する
    有効電流検出器と、有効電流の時間経過による変化量を
    求める変化量検出手段と、その変化量がいずれの方向に
    も予め推定した値より小さい状態にあることを判定する
    変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手段が動
    作している条件。 (ロ)界磁電圧の時間経過による変化量を求める変化量
    検出手段と、その変化量が現在の界磁電圧の方が大きい
    方向で予め推定した値より大きい状態にあることを判定
    する変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手段
    が動作している条件。 (ハ)界磁電流の時間経過による変化量を求める変化量
    検出手段と、その変化量が現在の界磁電流の方が小さい
    方向で予め設定した値より大きい状態にあることを判定
    する変化状態判定手段とを設け、この変化状態判定手段
    が動作している条件。 (ニ)同期機の無効電流を検出し適切な信号に変換する
    無効電流検出器と、無効電流の時間経過による変化量を
    求める変化量検出手段と、その変化量が現在の無効電流
    の方が小さい方向で予め設定した値より大きい状態にあ
    ることを判定する変化状態判定手段とを設け、この変化
    状態判定手段が動作している条件。 (ホ)界磁巻線の地絡を検出する界磁地絡検出器を設け
    、この界磁地絡検出器が動作している条件。
  3. (3)第2の請求範囲の同期機界磁巻線の断線検出装置
    に於いて、論理積手段の後にタイマー手段を設けたこと
    を特徴とする同期機界磁巻線の断線検出装置。
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