JPH0731117Y2 - バーナータイルおよび該タイルを用いた焼結機点火炉 - Google Patents

バーナータイルおよび該タイルを用いた焼結機点火炉

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JPH0731117Y2
JPH0731117Y2 JP1989004297U JP429789U JPH0731117Y2 JP H0731117 Y2 JPH0731117 Y2 JP H0731117Y2 JP 1989004297 U JP1989004297 U JP 1989004297U JP 429789 U JP429789 U JP 429789U JP H0731117 Y2 JPH0731117 Y2 JP H0731117Y2
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一郎 工藤
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、バーナータイル形状に関するもので、例えば
焼結機の点火炉における燃焼炎のワイドフレーム化を図
るバーナータイル形状および点火炉に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
焼結機点火炉の点火バーナーは、一般的に円筒型の同軸
2重管拡散型バーナーが使用され、燃焼用空気管には、
燃料との混合性,フレームの安定化を図るための旋回羽
根が設けられている。
焼結機の幅方向にはこのバーナーが複数個設置され、幅
方向でフレームが連続するようにしてバーナー間で焼き
むらが生じないようにバーナーピッチを設計している。
このバーナーを用いて焼結原料に着火させるには、原料
の進行方向においてバーナーフレームと焼結原料表面と
が一定の時間接触を保つ必要があるが、近年は効率の向
上のために接触時間を短縮する傾向にある。
さらに近年省エネルギーの観点から、焼結機の点火炉炉
高を低下させ、放散熱を減少させることにより、点火用
燃料を節減することが行われている。しかし、炉高を低
下させることで、以下に示す第5図のように幅方向のフ
レームが連続しなくなり、さらに燃料を削減すればフレ
ームの連続性は失なわれるために、これを防止するため
にバーナーのワイドフレーム化などの対策が必要とされ
ている。
第5図(イ),(ロ)は従来使用されているバーナーと
焼結原料面の状態の一例を示す説明図であり、同図
(イ)は縦断面をあらわし、同図(ロ)は原料面での平
面状態をあらわしている。
ここで1は同軸二重円管拡散型のバーナ,2は円錐型のバ
ーナータイル,3,3′は焼結原料面をあらわしている。こ
こで炉高を低下させようとすれば、原料面3が原料面
3′に移動したことになり、その時のフレーム面積はA
からBに縮小されることになる。その結果フレーム間に
ギャップ10が生じ、フレームによる原料面への平均した
着火が困難となり、焼結原料の完全な焼成は困難とな
る。
またバーナーと焼結原料面の距離が小さくなるため、燃
焼完了を早くして原料表面でフレーム温度が最大となる
ようなショートフレーム化対策も必要となる。さらに燃
料を削減すると、燃焼用空気及び燃焼排ガス量が減少す
るため,燃料と空気の混合性悪化によるフレーム温度
低下,フレーム速度の減少によるフレーム形状の乱
れ、フレームの浮き上がり現象、焼結原料面へのフレ
ーム衝突速度低下等を招くため、燃料と空気の混合性向
上,フレーム速度増加対策が必要となる。
これらの対策として例えば特公昭62-23202号公報や特開
昭57-37617号公報によってワイドフレーム化が提案され
ている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところでワイドフレーム化およびショートフレーム化の
ために点火炉を改造するなどすれば、バーナーの更新は
避けられず、多大な費用を供うことになる。
また前述の特公昭62-23202号(スリットバーナー)や、
特開昭57-37617号(面燃焼バーナー)にしても同様に大
幅な改造を伴ない、多大な費用を伴なうため、相当なメ
リットがなければ実行できないのが現実である。
本考案は、これらの課題をバーナー改造やバーナー更新
等の大幅な設備改造を供なうことなく解決するバーナー
タイルおよび焼結機点火炉を提供する。
〔課題を解決するための手段〕
第1の本考案は、バーナー側の開口部断面が円形であ
り、開口の中心部近傍に断面が楕円形の絞り部を設け、
更に絞り部から先端側に向って楕円形を維持して開口を
末広がり状に形成したバーナータイルであり、また内部
に旋回羽根を有する同軸二重円管拡散型バーナーを取り
つけたものである。
第2の本考案は、バーナー側の開口部断面が円形であ
り、開口の中心部近傍に断面が楕円形の絞り部を設け、
更に絞り部から先端側に向って楕円形を維持して開口を
末広がり状に形成したバーナータイルの、該タイルの開
口部長径方向を焼結機点火炉の幅方向に一致させて複数
個配設して構成した焼結機点火炉であり、また内部に旋
回羽根を有する同軸二重円管拡散型バーナーを取りつけ
たものである。
〔作用〕
以下作用とともに本考案の構成をさらに詳しく説明す
る。
第1図は本考案のバーナータイルの縦断面を示し、同図
(イ)は点火炉の幅方向における断面、同図(ロ)は焼
結原料面の進行方向における断面である。
第2図は第1図の要部の断面図であり、バーナータイル
の開口部分の断面形状を示したものであり、同図(イ)
は第1図のX−X断面、(ロ)はZ−Z断面、(ハ)は
Y−Y断面をあらわしている。
1はバーナーであり、内部に燃料管4があり、その外側
が空気管5となるように二重管により形成されている。
空気管5には旋回羽根6が設けられており、いわゆる同
軸二重円管拡散型のバーナーとなっている。その先端に
バーナータイル20が設置されており、このバーナータイ
ル20は、バーナー本体側は開口部の断面が第2図(ハ)
に示すように円形であるが、中心近傍に絞り部9を設け
ており、絞り部9の開口部断面は第2図(ロ)に示すよ
うに楕円形とされ、またフレームの出側の開口部断面も
第2図(イ)に示すように楕円形とされ、絞り部9から
末広がりの形状とされている。
第3図は、バーナータイル20の開口部分の透視斜視図で
ある。このように形成されたバーナータイル20を、焼結
機の点火炉においては楕円の長径方向を焼結機の幅方向
に一致させて複数個並設すればよい。この場合バーナー
間隔すなわちバーナーピッチPは、一つのバーナーおよ
びバーナータイルによって得られる火災の最高部となる
幅方向の平面で部分的に重複しつつ連続するように設定
すればよい。
第3図において、バーナータイル20は上部と下部に機能
分割される。すなわち、バーナータイル20の中間には絞
り部9が設けられ、該絞り部9の上部の燃料と空気の混
合促進域7とされ、下部はフレーム安定形成域8とされ
る。上部の混合促進域7は、燃料削減による燃料と空気
の混合性悪化を補うプレミックスゾーンとして位置付け
られる。つまりノズルミックスバーナーを、バーナータ
イルにより擬似プレミックスバーナーとする機能を持っ
ている。下部のフレーム安定形成域8は、焼結の原料面
において、炉高を低下し燃焼を削減しても幅方向のフレ
ーム連続性を確保するためのワイドフレーム形成ゾーン
として位置付けられる。
絞り部9は、燃料と空気の混合ガスの吐出速度が、混合
ガスの燃焼速度以上になるような絞り部面積に設計され
る。またフレーム安定形成域8は、焼結幅方向のフレー
ム連続性及び焼結進行方向のフレームと原料表面との接
触時間の確保、さらにバーナー空気側の旋回羽根6によ
る旋回力を利用してフレームを形成させるという条件を
満足させるための、末広がりの楕円型となる。また旋回
羽根6にも旋回力を利用するという意味で、絞り部9も
楕円型とされる。次に本考案のバーナータイル設計例を
示す。第1図に示すフレーム安定形成域8の末広がり角
度α,βは、バーナータイルの厚みをl,バーナータイル
から原料表面までの距離をH,バーナーピッチをP,バーナ
ー外径をdとすると、原料面で幅方向フレームが連続す
るように、幾何学的関係から次のように決定される。
β≧α×K2 …………………………(2) ただし α:幅方向広がり角度(°) β:進行方向広がり角度(°) K1:幅方向広がり角度補正係数 1.0 K2:進行方向広がり角度補正係数 0.25 すなわち進行方向の広がり角度βは、焼結進行方向のフ
レーム重なり部のフレームと原料の接触時間を確保する
ように決定され、本条件ではβ≧α×0.25で良い。
またバーナータイル上部(Y断面)面積S3,絞り部9面
積S2,バーナータイル下面(X断面)面積S1は以下の様
に決定される。
S2≦S3×0.78 ……………………(5) l1≦d ……………………(6) ただしl1:バーナータイル上面から絞り部9までの距離 すなわち、絞り部9の面積S2は、バーナー外径断面積の
0.78倍以下として混合性を確保し、フレーム吐出部(バ
ーナータイル下面)面積S1は、幾何学的関係から原料面
でフレームが最低でも連続するような楕円の面積として
求められる。この場合、バーナータイル上面から絞り部
9までの距離l1は、バーナー外径d以下として選ぶでき
である。このように設計することによって、燃料を削減
してもフレーム連続を確保し、従来と同等以上のバーナ
ー性能が確保される。
以上のように本考案は、バーナー本体の改造を行なうこ
となくバーナータイルの形状変更のみで燃料の削減など
所期の目的を達成することができる。バーナータイルを
上部の混合促進域,下部のフレーム安定形成域及びそれ
らを分割する絞り部とから成り立たせ、これらの相互効
果により、ワイドフレーム化,ショートフレーム化,強
固なフレーム形成,原料面へのフレーム衝突速度確保等
を可能とするものである。
〔実施例〕
次に本考案を実施した場合の効果の一例を説明する。
第4図にオフラインにてテストを行った結果を示す。実
線は本考案による装置を示し、点線は従来のものを示
す。従来のバーナータイルの条件をバーナータイルから
原料面までの距離H=1.0,燃料流量Q=1.0とし、本考
案の条件H=0.5,Q=0.68としてフレーム温度分布を比
較した。この結果高さを著しく低くし燃料量も大幅に低
減しているにもかかわらず、フレーム温度、フレーム広
がりとも従来と同等以上の性能を示した。また同一条件
で実機調査したところ、焼結鉱の焼け状態,成品強度
(TI),歩留りとも、従来と同等以上であった。
なお本考案は焼結の点火炉の例を示したが、例えば圧延
工程の加熱炉等で燃料を削減する場合に、バーナーを改
造せず、ワイドフレーム化,ショートフレーム化を達成
したい場合にも利用できるものである。
また本考案のバーナータイルは、一見複雑な形状である
が、例えば緻密な発泡スチロールのような材料を削って
成形し、不定形耐火物を流し込んだ後不定形耐火物の乾
燥・昇温とともに発泡スチロールを溶かすなどの容易な
方法で製作可能である。
〔考案の効果〕
以上説明したごとく本考案は、バーナー改造や更新など
の大幅な費用を供なうことなく、簡単な手段にてバーナ
ーのワイドフレーム化,ショートフレーム化により燃料
の節減を図りうるバーナータイルであり、またこれを適
用した焼結機点火炉は、燃料の大幅な節減のうえにフレ
ーム温度,フレーム広がりとも従来と同等以上の性能を
示し、効率のよい完全な原料の焼結をおこなうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本考案の実施例を示す図面であり、第
1図(イ)はバーナータイルの点火炉幅方向における断
面図、第1図(ロ)はバーナータイルの焼結原料面の進
行方向における断面図、第2図(イ),(ロ),(ハ)
はバーナータイルの要部3箇所の断面図、第3図はバー
ナタイルの開口部分の透視斜視図、第4図はバーナータ
イルのオフライン比較テスト結果を示す図面、第5図
(イ),(ロ)は従来のバーナータイルのフレームの状
況を示す縦断面図および平面図である。 1……同軸二重円管拡散型バーナー、2,20……バーナー
タイル、3,3′……原料面、4……燃料管、5……空気
管、6……旋回羽根、7……混合促進域、8……フレー
ム安定形成域、9……絞り部、10……ギャップ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】バーナー側の開口部断面が円形であり、開
    口の中心部近傍に断面が楕円型の絞り部を設け、更に絞
    り部から先端側に向かって楕円形を維持して開口を末広
    がり状に形成したバーナータイル。
  2. 【請求項2】バーナー側の開口部断面が円形であり、開
    口の中心部近傍に断面が楕円形の絞り部を設け、更に絞
    り部から先端側に向かって楕円形を維持して開口を末広
    がり状に形成したバーナータイルの、該タイルの開口部
    長径方向を焼結機点火炉の幅方向に一致させて複数個配
    設して構成した焼結機点火炉。
JP1989004297U 1989-01-18 1989-01-18 バーナータイルおよび該タイルを用いた焼結機点火炉 Expired - Lifetime JPH0731117Y2 (ja)

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JPH0296597U JPH0296597U (ja) 1990-08-01
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100894039B1 (ko) * 2008-12-24 2009-04-22 (주)옥산아이엠티 소결용 버너

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142311A (en) * 1980-04-03 1981-11-06 Nippon Steel Corp Roof burner of heating furnace
JPH0313822Y2 (ja) * 1985-09-11 1991-03-28

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KR100894039B1 (ko) * 2008-12-24 2009-04-22 (주)옥산아이엠티 소결용 버너

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