JP3741883B2 - 酸素燃焼バーナと該バーナを持つ燃焼炉 - Google Patents

酸素燃焼バーナと該バーナを持つ燃焼炉 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素燃焼バーナ及び該酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉に関し、特に、簡単な構成でありながら、高温の工業炉内に偏平な火炎を、炉の大きさ等に応じて任意に形成するこのとできる酸素燃焼バーナ、及び該バーナを持つ燃焼炉に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】
従来、ガラス溶解炉等での工業用の高温加熱プロセスには、燃料と予熱空気による予熱空気燃焼が多く用いられてきた。また、ガラス溶解炉においては、炉温が高く、排気ガス温度も高いことから、省エネルギーのために、例えば「ガス燃焼の理論と実際」(財団法人省エネルギーセンター刊行)に示されるような蓄熱型燃焼システムを用いている。しかし、蓄熱部(リジェネレータ)の排熱回収による熱効率の改善は75%程度が限度であること、NOx 排出量の増大や、ガラス溶解炉本体よりも大きな蓄熱室を必要とするために設備費が増大すること、さらには、蓄熱室改修時に大量に発生する鉛、フッ素、各種塩化物の有害物質を多く含む煉瓦廃棄物の処分も問題となること、等から、高温加熱プロセスでのさらなる改良が求められている。
【0003】
近年になり、酸素製造プロセス、特に吸着剤を使用して空気から酸素を分離するPSA式酸素製造法の技術革新により、工業用規模での酸素濃度90%前後の酸素が安価に入手できるようになった。この酸素を従来の予熱空気の代わりに、酸化剤として燃焼に使用して、ガラス溶解炉の高温加熱プロセスを酸素燃焼に転換すると、酸化剤中の窒素分がほとんどなくなることから、火炎温度が上昇し、排ガス量も減少する。そのために、従来の予熱空気燃焼と比較すると、熱効率が格段に改善され、また、燃料消費量の削減(省エネルギー)も可能となる。さらに、サーマルNOx 生成の原因となる酸化剤中の窒素分が減少するので、NOx 排出量も減少する。これらの特長から、酸素燃焼法は、従来燃料消費量が多く、NOx 排出量の削減が難しかったガラス溶解炉の加熱プロセスの代替え法として特に好適であるといわれている。
【0004】
ところで、一般的なガラス溶解炉は、炉内下部に溶融ガラスがあり、その上部空間に火炎が作られて、火炎からの熱放射により、ガラスを溶解する構造になっている。そのためガラス溶解炉向けバーナには、NOx 排出量が少ないことと共に、熱放射が強いことが要求される。そこで、従来の予熱空気燃焼と同様の比較的速い噴出流速(30〜100m/s程度)でもって、酸素燃焼バーナで酸素燃焼を行うと、燃料と酸素の燃焼速度は燃料と空気の燃焼速度の10倍以上となり、また、酸化剤の体積も1/5となるので混合がよくなり、火炎体積は予熱空気燃焼の場合と比較して大幅に減少し、小さな高温火炎を形成する。そのために、酸素燃焼火炎からの熱放射は少なくなり、ガラス溶解炉のバーナとしては必ずしも望ましくない。また、高温火炎がバーナ近傍に作られると、バーナやバーナタイルが、火炎からの熱により、溶損する危険がある。
【0005】
そこで、ガラス溶解炉向けの酸素燃焼バーナとして、熱放射を高める目的で、例えば特開平3−186111号公報に代表されるように、中央部の金属性燃料ノズルから燃料を噴出し、それと同時に燃料ノズルを取り囲む環状酸素ノズルから酸素を噴出し、燃料と酸素がバーナ先端部を過ぎた外側で燃焼を開始するようにしたものが提案されている。この酸素燃焼バーナにおいて、燃料と酸素のノズルからの噴出流速を遅くすることで、燃料と酸素の混合を遅くし、流速方向に大きな火炎を作り、火炎からの熱放射を高めている。また、燃焼開始が遅れることで、火炎の高温部分をバーナから遠ざけることができ、バーナの焼損の可能性を低下させている。
【0006】
この形式の酸素燃焼バーナは、流速を遅くすればするほど、熱放射が大きくなるが、一方において、流速を遅くすることは火炎の安定性を損ない、火炎が浮き上がり、炉天井を損傷する原因となる。そのため、熱放射を高めることにも自ずと限界がある。また、流速を遅くすると、燃料と酸素噴流による火炎中への炉内のガスの巻き込みが減少し、それによる火炎温度低下が起こらないために、高火炎温度の領域が大きくなり、燃料あるいは酸化剤中に少量含まれる窒素がNOx へ転換するサーマルNOx 生成反応が促進するため、NOx 排出量も多くなる欠点がある。
【0007】
他の例として、特開平7−4623号公報のように、横方向に偏平な火炎を作り出すことにより、ガラス面から見て火炎の面積を大きくし、ガラスへの熱放射を高める工夫をした酸素燃焼バーナも提案されている。しかし、この形態の酸素燃焼バーナは、燃料と酸素の接触面積が大きく混合がよいために、火炎温度の高い部分ができ、サーマルNOx の排出量が増大すると考えられ、NOx 排出量の点で問題を持つ。また、バーナ構造が複雑となり、バーナ製作コストが高くなる点も問題となる。
【0008】
ガラス溶解炉のような高温炉においてNOx 排出量を削減する方法として、特公平7−26730号公報に示されるように、燃料と酸化剤とを別々に炉内に噴射し、自己排ガス再循環と緩慢燃焼の効果により、火炎温度を低下させ、大幅なNOx 排出量の低減を行う方法が知られている。酸素燃焼法においても、この燃焼方法は有効であり、燃料と酸化剤の流速を速める、燃料と酸化剤のノズル間隔を広げる、燃料と酸化剤を平行に噴出させる等の方法をとることにより、NOx 排出量を確実に低下させることができる。しかし、この形式のバーナで低NOx 燃焼と高い熱放射とを両立することは、低NOx 燃焼のために火炎温度を下げているため難しく、NOx 発生を低くしようとすると、熱放射も低下してしまう。そのために、ガラス溶解炉に用いる酸素燃焼バーナとしては必ずしも有効ではない。
【0009】
特開平9−112814号公報には、複数のノズルから燃料と酸化剤を別々に炉内に噴射し、横方向に偏平な火炎を作り、ガラス面から見て火炎の面積を大きくし、ガラスへの熱放射を高める工夫をした燃焼装置が提案されている。この燃焼装置では、ガラス溶融面に平行に、複数の燃料ノズルから噴射された燃料ジェットでシート状の燃料流を作り、この燃料流に炉内で交差するように、燃料流の上部から下向きに、複数の酸化剤ノズルから噴射された酸化剤ジェットでシート状の酸化剤流を作り、両者を炉内で交差させ、偏平な火炎を形成するようにしている。
【0010】
この燃焼装置では、燃料と酸化剤とが混合する前に、それぞれが炉内のガスと混合し、希釈されるので、特公平7−26730号公報に記載の炉内燃焼方法と同様の原理で、火炎温度は低下し、NOx 排出量は少なくすることができると考えられる。一方、偏平な火炎を作るために、複数のノズルでシート状の燃料流と酸化剤流とを作り、それを交差させ燃焼させるものであり、理論的には偏平な火炎を作ることができて炉内のガラスへの放射を高めることができるが、シート状の燃料流と酸化剤流との条件設定が容易でなく、設定に高度な技術を必要とする。また、複数のノズルから燃料及び酸化剤を噴出させる設計であり、ノズルの構成が複雑であると共に、結果として流れの運動量が低下し、炉内への貫通力が低下するため、大きなガラス溶解炉のように、バーナから離れた炉内の奥に、偏平な火炎を作りたい場合には、所望の偏平火炎を作ることは難しい。また、燃料と酸化剤ノズルの広がり角度により、横方向への火炎の広がりが決まっているので、小さなガラス溶解炉などの場合に要求される、横に広く広がり、短い火炎を作ることは困難となる。さらに、シート状の燃料流に対して一方向(上部から下向き)のみから酸化剤流を交差させる形態であり、ガラス溶解面近くに燃料過濃領域が形成されることから、すす(炭素)粒子がガラスに溶け込み、ガラス品質へ悪影響を与える等の不都合が生じると推測される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のガラス溶解炉用の酸素燃焼バーナでは、低NOx 性を維持しつつ、ガラス溶融面への熱放射が多い偏平な火炎を、炉の大きさ等に応じて任意に作ることは容易でない。そこで、本発明の目的は、上述のような従来技術の不具合を解消することのできる、改良された酸素燃焼バーナ及び該バーナを持つ燃焼炉を提供することにあり、より具体的には、簡単な構成でありながら、炉内の任意の位置に、任意の広がりを持つ偏平火炎を形成することができ、かつ、低NOx 性も確保される酸素燃焼バーナ及び該バーナを持つ燃焼炉を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく多くの実験を行うことにより、筒状のノズルから炉内にまっすぐに噴出される燃料流に対して、その上下両方向から酸化剤を角度を付けて噴射し、ノズル先端から離れた炉内の1点で酸化剤が燃料流に上下両方向からほぼ同時に衝突させて燃焼させることにより、横方向に偏平な火炎が形成されること、及び、燃料と酸化剤の衝突位置を変えることにより、偏平火炎の形状と炉内での形成位置を容易に調整できることを知見した。
【0013】
本発明による酸素燃焼バーナは、上記知見に経験に基づくものであり、基本的に、燃料ノズルと、該燃料ノズルの上下に配置した2つの酸化剤ノズルとを有し、該各酸化剤ノズルは、噴出する酸化剤が燃料ノズルから噴出する燃料に対してほぼ同じ位置で上下方向から衝突するように、燃料ノズルに対してそれぞれ傾斜して配置されており、かつ、少なくとも前記酸化剤ノズルは、好ましくは、少なくとも噴口の形状を水平方向に扁平な形状として、噴出した酸化剤が水平方向に扁平な状態で上下方向から衝突しうるようにされていることを特徴とする。
【0014】
本発明による酸素燃焼バーナは、炉内に噴出される燃料流に対して、その上下両方向から酸化剤を角度を付けて噴射し、ノズル先端から離れた炉内の1点で酸化剤が燃料流に上下両方向からほぼ同時に衝突することにより、横方向に偏平な火炎が形成される。酸素燃焼バーナの製造に当たっては、例えば、不定形耐火物のようなセメント状のものを型に流し込んで成形し、あるいはステンレスのような耐熱性、耐腐食性のある金属製パイプに機械加工を施して、燃料流路と2本の酸化剤流路を形成することが行われるが、その際に、高い精度でもって流路(特に、ノズル先端部分)を加工すれば、炉内の所定の一点で、燃料流と上下の酸化剤流とを衝突させることができる。
【0015】
しかし、高い精度の型枠を製作することは容易でなく、細い3本の流れを所望の一点で衝突させるように不定形耐火物で製作することは、大きな作業負担を伴う。一方、所望の点で衝突しない場合には、火炎が左右どちらか一方に片寄り、所望の扁平火炎が得られない恐れがある。そこで、本発明の酸素燃焼バーナでは、少なくとも酸化剤ノズルから噴出した上下の酸化剤を水平方向に扁平な形状の流れで衝突させるようにし、製作あるいは成形誤差により酸化剤の噴出方向が当所の設計目標と多少異なってしまった場合でも、衝突が確実に起こるようにして扁平火炎の形成を確実としている。また、それにより、ノズル製造時の成形加工の負担も軽減している。
【0016】
噴出した酸化剤を水平方向に扁平な形状の流れで上下方向から衝突させるようにする具体的手段として、例えば、酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の形状を楕円又は矩形のような扁平断面形状とし、それにより、酸化剤が水平方向に扁平になった状態でまっすぐに噴出ようにしてもよく、あるいは、酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の形状を、噴口は楕円又は矩形のような扁平断面形状であり、その上流部分は円筒形が次第に水平方向に扁平に広がって前記噴口にいたる形状とし、それにより、酸化剤が水平方向に扁平でありかつ水平方向に広がりながら噴出するようにしてもよい。また、酸化剤ノズルの噴口を水平方向に2個以上配置することによって酸化剤が全体として水平方向に広がりを持って噴出されるようにしてもよい。
【0017】
好ましい態様として、酸化剤ノズルに加えて、燃料ノズルも、酸化剤ノズルにおけると同様な手法により、燃料が水平方向に扁平となった状態で、あるいは、水平方向に扁平でありかつ水平方向に広がりながら噴出されるように設けてもよい。それにより、成形加工時の誤差により燃料の噴出方向が当所の設計目標と多少異なってしまった場合でも、酸化剤との衝突が確実となる。このことは、同様に、ノズル製造時の加工の負担も軽減する。
【0018】
燃料ノズルの噴出方向は実質的に水平方向であってもよく、5°程度より小さい角度で水平方向より下向きであってもよい。後者の場合には、例えば燃焼量を絞ったとき等に生じやすい火炎先端及び両脇での浮き上がりを効果的に抑制できる利点がある。また、燃料ノズルに対する上下2つの酸化剤ノズルの傾斜角度は、共に等しくてもよく、好ましくは上方に位置する酸化剤ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度が下方に位置する酸化剤ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度よりも大となるように、異なった角度としてもよい。異なった角度とすることにより、やはり燃焼条件によっては生じやすい火炎先端及び両脇での浮き上がりを効果的に抑制することができる。限定的ではないが、燃料ノズルは、バーナ本体の上下方向のほぼ中央に配置することが望ましく、それにより、火炎からの放射によるバーナタイルが受ける熱応力分布が均等になり酸素燃焼バーナの熱的耐久性が確保される。
【0019】
好ましい態様において、上下の酸化剤ノズルから噴出する酸化剤の流速及び/又は流量が可変とされ、燃焼に際して、上位の酸化剤ノズルから噴出する酸化剤の流速を速くするか、流量を大とする。それによっても、火炎先端又は両脇での浮き上がりを阻止することができ、均一に偏平化した火炎が得られる。
【0020】
好ましい態様において、上下に配置した酸化剤ノズルの取り付け角度が可変とされ、それにより、燃料と酸化剤との交差角度と位置を調整できるようにされる。小さな角度で衝突する場合には、ノズル先端から離れた位置に偏平な火炎が形成され、大きな角度で衝突する場合には、ノズル先端に近接した位置に偏平火炎が形成される。なお、角度が大きくなると火炎が左右に2分割されるので、炉の大きさや形状に従って、最適な交差角度を設定することができる。
【0021】
好ましい態様において、燃料ノズル及び上下に配置した酸化剤ノズルの先端に、流れを層流化するための手段が備えられる。この態様は、バーナ先端から離れた位置で燃料と酸化剤とを衝突させたい場合に有効であり、流れが減衰することなく、効果的な偏平火炎が形成される。
【0022】
なお、本発明において、燃料として、天然ガス(主成分:メタン)のみならず、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、一酸化炭素、水素、液化天然ガス、改質ガス、等の気体燃料はすべて等しく用いうる。また、燃料ノズル先端に周知である燃料霧化ノズルを設置することによって液体燃料も使用可能であり、微粉炭等の固体燃料も気流搬送することによって、同様に燃料として使用可能となる。酸化剤も、純酸素に限らず、酸素濃度が70%程度以上のものであれば使用可能であり、PSA(Pressure Swing Adsorption) 方式により製造した酸素濃度80%程度の空気は、酸素製造コストが最も低く、特に有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による酸素燃焼バーナ及び該バーナを持つ燃焼炉を好ましい実施の形態により説明する。
【0024】
図1aは酸素燃焼バーナの一形態を示す斜視図、図2は図1のII−II線による断面図である。この酸素燃焼バーナ10は全体として耐火煉瓦1で作られており、その中央には、少なくとも先端の燃料ノズル2N部分は断面が水平方向に長軸を持つ矩形形状とされた燃料流路2が形成され、該燃料流路2の上下には、やはり、少なくとも先端の酸化剤ノズル3aN、3bN部分は断面が水平方向に長軸を持つ矩形形状とされた2本の酸化剤流路3a、3bが形成されている。図示しないが、燃料ノズル2N部分及び2本の酸化剤ノズル3aN、3bN部分の形状は断面矩形でなく、断面水平方向に長軸を持つ楕円形状であってもよい。各流路の後方端はステンレスのような金属製のケーシング4を介して、図示しない燃料供給源Fs及び酸化剤供給源Osにそれぞれ接続している。
【0025】
上記の構成であり、燃料流路2を通過してくる燃料、及び、酸化剤流路3a、3bを通過してくる酸化剤は、ともに、前記各ノズル部分を通過することにより、水平方向に扁平に状態となり、その状態のままでまっすぐに、噴口21及び噴口31a、31bから噴出する。
【0026】
図2に示すように、燃料ノズル2Nは水平状態となっており、燃料の噴出方向は水平方向となる。酸化剤ノズル3aN、3bNは、その噴口31a、31bが前記燃料噴口21の上下に等しい距離hをおいて位置しており、かつ、その噴出方向が、燃料ノズル2Nから噴出する燃料に対してほぼ同じ距離dの箇所で、かつ、等しい衝突角αで上下方向から衝突するように、共に角度α(交差角度α)だけ傾斜して設けられている。この例において、燃料ノズル2N及び酸化剤ノズル3aN、3bNは耐火煉瓦に穴を穿けているだけであり、ノズル部分は耐火煉瓦と同じ耐熱性を持つ。
【0027】
図3は酸素燃焼バーナの他の実施形態を示しており、図3aはその斜視図、図3bはその正面図、図3cは図3bのc−c線での断面図である。この酸素燃焼バーナ10は、燃料流路2の先端部である燃料ノズル2N部分の形状、及び、2本の酸化剤流路3a、3bの先端部である酸化剤ノズル3aN、3bN部分の形状が、図1及び図2に示したものと異なっている。すなわち、燃料ノズル2Nの先端噴口21、及び酸化剤ノズル3aN、3bNの先端噴口31a、31bは、ともに水平方向に長い矩形形状となっており、その開口面積は、燃料流路2あるいは酸化剤流路3a、3bの断面積とほぼ等しくされている。また、前記矩形形状である噴口21及び31a、31bは、図3cに燃料ノズル2Nの場合を例として示すように、平面視で上流側に次第に幅狭となる扇形状の領域21x及び31ax、31bxを介して次第に断面積を縮小し、それぞれの流路(燃料流路2及び酸化剤流路3a、3b)に連続している。
【0028】
それにより、燃料流路2を通過してくる燃料、及び、酸化剤流路3a、3bを通過してくる酸化剤は、ともに、前記各ノズルの扇形状領域21x及び31ax、31bxの広がり角度γに応じた角度で水平方向に扁平に広げられ、広がりながら噴口21及び噴口31a、31bから噴出する。
【0029】
図4は、図3に示した形態の酸素燃焼バーナ10を熱源とする燃焼炉(図示されない)内での火炎の状態を模式的に示している。燃焼炉は全体として長方形であり、その一側面に前記した酸素燃焼バーナ10を燃料ノズル2Nからの燃料の噴出方向Laが実質的に炉面Lbと平行となるようにして配置している。この場合、燃料は炉内を水平(扁平)に広がりながら水平方向に直進する。また、酸化剤もやはり水平に広がりながら交差角度αで上下方向から直進する。そして、炉壁から距離dのところで燃料流と上下の酸化剤流は衝突し燃焼する。その際に、図示されるように、上下方向から衝突する酸化剤流の持つ垂直方向の運動量成分が、衝突により方向を変え左右方向に広がるために、燃料流を含む水平面に厚み方向のほぼ中心を置く、大きく水平方向偏平に拡散した燃焼火炎51が形成される。
【0030】
耐火煉瓦1に燃料ノズル2N及び2本の酸化剤ノズル3aN、3bNを形成するときに加工誤差が生じ、それぞれの噴出方向に多少のずれが生じても、燃料及び酸化剤は水平方向に扁平した状態あるいは扁平方向に広がりながら噴出されるので、燃料及び酸化剤の衝突は確実となり、扁平火炎の形成に支障は生じない。
【0031】
図5は、本発明による酸素燃焼バーナ10をガラス溶解炉50の両側壁に互い違いに2個配置した場合での、炉内での燃焼火炎51を模式的に示す。このように配置することにより、炉の中央部分の全長にわたって、所定の偏平火炎をほぼ均等に形成することができ、炉床の有効面積でほぼ均一な放射を得ることが可能となる。なお、図5で52はガラス溶融面である。
【0032】
特に図示しないが、前記した酸素燃焼バーナ10を、燃料ノズル2Nからの燃料の噴出方向Laが実質的に炉面Lbに対して下向きに傾斜する姿勢で燃焼炉に取り付けるようにしてもよい。これにより、燃焼量が少ない場合に生じやすい火炎の浮き上がり、特に火炎の両脇や先端での浮き上がりを効果的に抑制できる。従来の酸素燃焼バーナにおいて、バーナを下向きにすることによって火炎の浮き上がりを防止しようとすると、バーナ燃焼量の増加にともないガラス溶融面等の被加熱面を火炎がなめる状態となり不都合を生じていたが、本発明による酸素燃焼バーナ10では下方から酸化剤が角度を持って燃料流に衝突することから、燃焼量が増大しても被加熱面を火炎がなめるようになる状態は回避できる。実験では、燃料の噴射方向Laの下向き角度は5°程度が限界であり、それ以上大きく傾斜させると、部分的に火炎が被加熱物に接触する状況が生じる。
【0033】
図6は、本発明による酸素燃焼バーナの他の実施形態を示している。この形態では、酸化剤流路3a、3bの上流合流点部位に流量調整バルブ11を配置している。この流量調整バルブ11を適宜制御することにより、図示しない酸化剤源から供給される酸化剤の上方に位置する酸化剤ノズル3aNと下方に位置する酸化剤ノズル3bNへの流量を制御することができる。実験によれば、上方に位置する酸化剤ノズル3aNへの流量を下方に位置する酸化剤ノズル3bNへの流量よりも大とすることにより、やはり、酸素火炎の浮き上がりを容易に抑制することが可能となる。図示しないが、酸素流路内に流路を制限する棒状の挿入物を入れたり、ノズル先端にシャッタ等の絞りを設けることにより、酸化剤の上方に位置する酸化剤ノズル3aNと下方に位置する酸化剤ノズル3bNへの流速を制御することができ、上方に位置する酸化剤ノズル3aNの酸化剤流速を下方に位置する酸化剤ノズル3bNの流速よりも大とすることで、同様な効果を得ることができる。
【0034】
本発明の酸素燃焼バーナ10において、図から明らかなように、燃料流と酸化剤流との衝突位置、すなわち、炉壁面から火炎51までの距離dは、燃料ノズル2Nに対する酸化剤ノズル3aN、3bNの交差角度αを変えることにより、容易に変更できる。従って、この酸素燃焼バーナ10を用いることにより、炉内の任意の位置に偏平火炎を形成することが可能となる。また、火炎の広がりも、燃料ノズル2Nに対する酸化剤ノズル3aN、3bNの交差角度αを変えることによって制御できる。
【0035】
図7は、本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示している。この形態では、耐火煉瓦である本体部分1Aの中央位置に燃料流路2Aをなすセラミックス製パイプが水平状態で配置されており、その上下に、酸化剤流路3Aa、3Abをなす2本のセラミックス製パイプが、燃料流路2Aに対する傾斜角度が調節可能な態様で配置されている。すなわち、本体部分1Aの前記燃料流路2Aの上下には、先端側から後端側に向けて三角形状に広がる孔1Ba、1Bbが穿設されており、該孔1Ba、1Bb内に前記酸化剤流路3Aa、3Abを形成する前記2本のパイプが、先端側を定位置として上下方向に揺動可能な状態で挿入されている。それぞれのパイプの先端部分は、図3に示したものと同様に、平面視で扇形状をなす領域(21x及び31ax、31bx)と水平方向に長い矩形形状となった噴口(21及び31a、31b)とを持つ燃料ノズル2N部分及び酸化剤ノズル3aN、3bN部分とされている。図示しないが、図1に示したもののように、それぞれのパイプの少なくとも先端のノズル部分は、その全体が断面において、水平方向に長軸を持つ楕円形状あるいは矩形形状とされていてもよい。
【0036】
本体部分1Aの後端側には、各パイプを所定の位置に保持するための固定装置1Dが取り付けてあり、酸化剤流路3Aa、3Abを構成する各パイプの後端側を前記固定装置1Dの適宜の位置にセットすることにより、燃料ノズル2Nから噴出する燃料流に対する、2本の酸化剤ノズル3aN、3bNからの各酸化剤流の上下方向からの交差角度αを任意に調節することが可能となる。
この形態の酸素燃焼バーナによれば、燃料ノズルに対する上下の酸化剤ノズルの取り付け角度を容易に変化させることができ、それにより、燃料と酸化剤との衝突位置を調整して、偏平火炎の炉内での形成位置を変えることが可能となる。
【0037】
図8は、本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示している。この形態は、燃料ノズル2Nは水平状態となっており、上方に位置する酸化剤ノズル3aNの燃料ノズル2Nに対する傾斜角度α(α1)が、下方に位置する酸化剤ノズル3aNの燃料ノズル2Nに対する傾斜角度α(α2)よりも大とされており、それに応じて、燃料ノズル2Nの噴口21から、上方に位置する酸化剤ノズル3aNの噴口31aまでの距離haも、下方に位置する酸化剤ノズル3bNの噴口31bまでの距離hより大きくされている点で、図1あるいは図3に示したものと構成を異にしている。
【0038】
この形態の酸素燃焼バーナでは、角度α(α1)と角度α(α2)の差分に応じて火炎を下向きにすることができ、火炎の浮き上がりを抑えることができると共に、前記した燃料ノズルを下向きに傾斜させる場合と同様に、下方から酸化剤が角度を持って燃料に衝突することから、燃焼量が増大しても被加熱面を火炎がなめる状態は回避できる。実験では、角度α(α1)と角度α(α2)の差は15°程度が限界であり、それ以上大きくすると、火炎全体が湾曲あるいは2つに分割され、偏平火炎は得られないと共に、火炎が下向きに広がり部分的に火炎が被加熱物に接触する状況が生じる。
【0039】
図示しないが、ノズル先端に、金属製の網、パンチングメタルのような多数の穴の空いた金属板、長さ数cmの肉厚の薄い細いパイプを束ねたもの等を取り付け、燃料と酸化剤の流れを整流(層流化)するようにしてもよい。流れが層流になるか、乱流になるかはレイノルズ数に依存し、管内を流れる場合には、管径が小さいとレイノルズ数が小さくなり層流となる。太い管内に、流れを分割する前記のような整流器を入れることにより、流れが層流となり、流れの炉内への貫通力が強くなる。そのために、流れを層流化することにより、バーナから離れた位置で流れを衝突させたい場合に、流れを減衰させずに効果的に偏平火炎を形成することが可能となる。
【0040】
本発明による酸素燃焼バーナにおいて、前記しかつ後記の実験例において詳しく説明するように、前記交差角度α(図8に示す形態ではα(α1)とα(α2)、以下同じ)が小さい場合には、ノズルから離れた位置に幅の狭い偏平火炎が得られ、交差角度αが大きくなるにつれて、火炎はノズルに近づきかつ幅の広い偏平火炎が得られる。従って、前記交差角度αを適宜制御することにより、任意の広がりを持つ偏平火炎を炉内の任意の位置に形成することが可能となる。また、ある程度以上に交差角度αが大きくなると、火炎長は短くなり、かつ、二つに分割した偏平火炎が得られる。この二分割した火炎は、ガラス溶解室面積が小さい小型のガラス溶解炉において、有効な放射火炎となる。
【0041】
従来の酸素燃焼バーナにおいて、燃料と酸化剤の噴出流速vが遅い場合に火炎は浮き上がる傾向にあり、火炎が浮き上がると、炉天井を傷める原因となり好ましくない。そのための対策として、酸化剤の流速vを上げるか、バーナノズルをやや下向きに取り付けることを行っているが、流速vが増加すると放射熱流束は減少するので好ましくなく、また、ノズルを下向きにするとバーナ燃焼量を増加させた場合には、前記したように、ガラス溶融面を火炎がなめる状態となり好ましくない。前記のように、本発明による酸素燃焼バーナでは、上下に酸化剤ノズル3aN、3bNを有することから、燃料ノズルをわずかに下向きにすることで、また、適宜の手段により、上方に位置する酸化剤ノズル3aNからの酸化剤の噴出流速を下方に位置する酸化剤ノズル3bNと比較して速くするか、又は、上方に位置する酸化剤ノズル3aNからの酸化剤の噴出流量を下方に位置する酸化剤ノズル3bNと比較して多くすることで、放射熱流束を減少させることなく、かつ、偏平火炎の水平状態をそのまま維持して、火炎の浮き上がりを抑えることが可能となる。
【0042】
また、本発明による酸素燃焼バーナは燃料と酸化剤とがそれぞれのノズルから噴出するので、衝突して燃焼を開始する以前に炉内の燃焼ガスを巻き込む。そのために、最高火炎温度が低下し、流速vと、燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hを調節することでNOx 排出量を少なくすることができる。なお、NOx 排出量を少なくするには、燃料と酸化剤の噴出速度vを速く、燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hを広くすればよいことが知られているが、噴出速度vを速くしすぎたり、ノズルの間隔hを広げすぎると、放射熱流束は低下するので、両者のバランスを取りつつ、適当な速度v及びノズルの間隔hを実験的に設定する。
【0043】
図9は本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示している。この形態は、上下の酸化剤ノズル3aN、3bNが、燃料ノズル2Nに対して傾斜した部分3a1、3b1と、該傾斜した部分の上流側端部に連続する燃料ノズル2Nに実質的に平行な部分3a2、3b2とで構成され、該平行な部分3a2、3b2がそのまま酸化剤流路3a、3bに連接している。
【0044】
この形態の酸素燃焼バーナでは、酸化剤ノズル3aN、3bNが傾斜した部分3a1、3b1と平行とされた部分3a2、3b2とで構成されるので、図1あるいは図3に示す形態のものと比較して耐火煉瓦の上下方向の高さを低くすることができ、バーナが小型化する。また、耐火煉瓦は高価であり、この形態とすることによりコストを低減することもできる。傾斜した部分3a1、3b1の長さを、好ましくは、平行とされた部分3a2、3b2の直径の5倍以上の長さとすることにより、酸化剤の噴出方向の直進性は確保される。
特に図示しないが、前記図7に示した形態の酸素燃焼バーナにおいても、2本の酸化剤流路3Aa、3Abを直線状ではなく、中途で折曲した形状とすることは可能であり、それにより、耐火煉瓦の上下方向の高さ方向を低くすることができ、低コスト化が可能となる。
【0045】
図10は本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示している。この形態は、燃料流路2A’、酸化剤流路3Aa’、3Ab’は、その先端のノズル部分も含めて、共にステンレスのような耐熱性、耐腐食性のある金属製パイプで作られており、かつ、その全体がやはりステンレスのような耐熱性、耐腐食性のある金属材料で作られたケーシング1mで覆われている。そして、該ケーシング1mの内部は水冷用のジャケットWjとされ、ケーシング1mには冷却水の導入口Winと排出口Woutが設けられる。この構成では、バーナ構造材料がすべて金属となり、加工が容易となると共に、水冷構造のため耐火煉瓦の場合とし比較して、高い耐熱性、耐腐食性が得られる。
【0046】
以上の各酸素燃焼バーナの説明において、燃料ノズル2N及び上下に位置する酸化剤ノズル3aN、3bNは、同じ形状をなし、ともに、水平方向に長い楕円あるいは矩形形状をなす噴口を有するものとして説明したが、これは、噴出した酸化剤及び燃料が水平方向に扁平な形状でもって上下方向から衝突しうるようにするための例示であって、他に多くの実施の形態が存在する。
【0047】
図11は、他の形態の噴口部分を炉内表面側からみた状態を示しており、図3に示したものとほぼ同様であるが、矩形形状である噴口21,31a,31bの短辺側の輪郭が直線でなく曲線状とされている。この場合には、より均一なノズル内の流速分布が実現できる。
【0048】
図12a、b、cは、さらに他の形状の噴口部分を示しており、図12aでは、実質的に円形である噴口21、31a、31bを水平方向に2個(2個以上であってもよい)配置することによって燃料及び酸化剤が水平方向に扁平にかつ広がりながら噴出されるようにしている。各噴口は上流側で燃料流路2あるいは酸化剤流路3a、3bから分岐したものであり、各2つの噴口の合計断面積は燃料流路2あるいは酸化剤流路3a、3bの断面積と等しくされている。この場合には、水平方向の噴力が強くなり、より火炎が拡開する効果が生じる。図12bの場合は、燃料ノズル2Nは図3に示した矩形状の噴口21とし、上下の酸化剤ノズル3aN、3bNの噴口31a、31bは、図12aに示したような、実質的に円形である噴口を水平方向に2個(2個以上であってもよい)配置した形状とされている。この場合にも水平方向の噴力が強くなり、より火炎が拡開する効果が生じる。図12cでは、燃料流路2あるいは酸化剤流路3a、3bが2本(2本以上であってもよい)水平方向に形成され、それぞれが同じ断面形状の噴口21、31a、31bを有している。
【0049】
図13a、bは、さらに他の形態の噴口部分を示しており、ここでは、酸化剤ノズル3aN、3bNの噴口31a、31bは、酸化剤が水平方向に広がりながら噴出されるように、図3に示したと同様な矩形形状とされているが、燃料ノズル2Nは円形の噴口21を有しており、燃料流は扁平形状では噴出されない。図13bでは、燃料ノズル2Nは円形の噴口21であり、上下の酸化剤ノズル3aN、3bNの噴口31a、31bは、図12aに示したような、実質的に円形である噴口を水平方向に2個配置した形状とされている。燃料流が細い線状の流れであっても、酸化剤流が水平方向に広がりを持って噴出されれば、十分に所期の目的が達成できることは容易に理解されよう。
【0050】
上記のすべての例において、燃料流路及び酸化剤流路の断面積と、それぞれのノズル噴口の断面積は等しいものとして説明したが、それは必須の構成ではなく、各流路の断面積に対して、ノズル噴口の断面積はある程度の範囲で広くても狭くてもよい。広い場合には、ノズル形状の火炎形状に与える影響が小さくなり、狭い場合には、よりノズル形状の影響が表れやすくなる。さらに、2個以上の噴口を形成する場合に、該噴口の断面は円形であってもよく、横に広がった楕円形状、矩形形状などであってもよい。
【0051】
次に、本発明者の行った実験例に基づき、本発明をさらに説明する。
図に示した構成の酸素燃焼バーナを用い、燃料としてメタンを主成分とする都市ガス、酸化剤として液化酸素を気化させた酸素濃度99.5%以上の酸素を用いて燃焼させた。燃料流量は23m3/h、燃焼量で265kW(LHV換算)、酸素流量は55m3/hで、23m3/hのガスが完全燃焼するのに必要な酸素量の1.05倍を供給した。燃料ノズルと酸素ノズルの間隔は25〜100mm、燃料と酸素の噴出速度は同一で30〜80m/s、酸素ノズルの取り付け角度を0〜15度まで変化させて行った。
【0052】
実験炉の炉内寸法は、幅1.2m、高さ1.2m、長さ3.6mの立方体のものを用い、前記バーナを一端側壁の中央に設置し、他端側の上部には煙道を設置した。
火炎からの放射と放射熱流束は比例関係にあることから、火炎からの熱放射の強さを測定するために、炉床での放射熱流束を測定した。測定は、火炎の軸方向にバーナから0.3m間隔で6点測定した。
【0053】
図14は、酸素ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度(交差角度)αが放射熱流束へ与える影響についての比較を示す。燃料及び酸素の流速vは共に30m/s、燃料ノズルと酸素ノズルとの間隔hは50mmと固定し、酸素ノズル角度αのみを0度〜15度まで変化させた場合の、放射熱流束を測定した。0度(平行)の場合(α=0度)、放射熱流束は低く、火炎の後半部分で放射熱流束が高くなる分布を示す。これは、燃料と酸素の混合が悪いために、燃焼が遅れ、火炎がバーナから遠く離れた位置にできたためである。5度内側に傾けた場合(α=5度)、全体に放射熱流束が高くなり、ピークの位置も炉の中央付近にできる。このことから、上下の酸素ノズルを内側に傾けることは、放射熱流束を高めるのに有効であることが確認される。10度内側に傾けた場合(α=10度)、バーナ近くの放射熱流束が上昇し、放射熱流束分布がさらに高くなった。さらに角度をきつくして、15度内側に傾けた場合(α=15度)放射熱流束分布のピークはバーナ側に近寄り、ピークは高くなったが、バーナから離れた位置での放射熱流束は低くなり、均一性は悪化した。
【0054】
図15は、燃料及び酸素の速度vが放射熱流束へ与える影響についての比較を示す。ここでは、燃料及び酸素の流速vを30m/sから80m/sまで変化させた場合の放射熱流束分布を調べた。流速が最も低い30m/sの放射熱流束が高くなる傾向は見られるものの、流速が速い場合には放射熱流束はほとんど差はなく、また、放射熱流束分布にも大きな差は見られない。
【0055】
図16は、燃料ノズルと酸素ノズルとの間隔hが放射熱流束へ与える影響についての比較を示す。ここでは、燃料ノズルと酸素ノズルとの間隔hを25mmから100mmまで変化させた場合の放射熱流束分布を調べた。h=100mmの場合の放射熱流束が最も低くなるが、h=50mm以下の場合、放射熱流束にほとんど差がない。
【0056】
次に、火炎形状について検討した。実験炉は内側が耐火断熱材張りで、壁面からの放射が強く、火炎の観察には適さない。そこで上記バーナを大気解放で燃焼させ、火炎形状を観察した。酸素ノズルの角度が0度(平行)の場合(α=0度)、火炎は、図17((a)は側面図、(b)は平面図、以下、図18、図19でも同じ)に示すように、バーナから離れた位置に作られた。また、火炎は長く、円筒状となった。5度内側に傾けた場合(α=5度)、上下からの酸素流の影響で、円筒状の火炎がわずかに横方向に偏平となり、火炎長はやや短くなった。10度内側に傾けた場合(α=10度)、図18に示すように、横方向に広がる偏平な火炎ができた。15度内側に傾けた場合には(α=15度)、図19に示すように、バーナの近くに横方向に分割された二つの火炎51a、51bが形成され、火炎長はさらに短くなった。
【0057】
これらの結果から、火炎形状は燃料及び酸素の流速vや、ノズル間の間隔hよりも、酸素ノズルの交差角度αに強く影響され、交差角度αが大きくなると共に火炎長は短くなること、また、ある程度以上の角度になると、偏平火炎は横方向に分割されることが分かった。このことから、本発明による酸素燃焼バーナは、ガラス溶解炉のように、火炎からの強い放射を必要とする燃焼炉の熱源としてきわめて有効であることを確認した。また、ガラス溶解室面積が小さい、小型のガラス溶解炉では、角度を大きく取り、一つのバーナで二つの火炎を作ることが有効であることも確認できた。
【0058】
ところで、燃料に窒素を含まない都市ガス、酸化剤に液化酸素を気化させた純酸素を使用した場合、理論的にはNOx 排出量はゼロとなる。しかし、工業炉では、炉内への侵入空気を防ぐことは、実質的に不可能であり、ある程度の侵入空気を想定して、NOx 対策を取ることが必要である。本発明による燃焼炉では、酸素燃焼であっても、燃料と酸化剤がそれぞれノズルから噴出し、前記のように、衝突して燃焼を開始する以前に炉内の燃焼ガスを巻き込む。そのため最高火炎温度が低下するのでNOx 削減に大きな効果がもたらされる。
【0059】
さらに、図20〜図22に示すように、実験結果によると、本形式のバーナでは、▲1▼酸素ノズルの交差角度αが少ないほど(図20)、▲2▼燃料と酸素のノズルからの噴出速度vが速いほど(図21)、▲3▼ノズル間隔hが広いほど(図22)、NOx 排出量は低くなることが確認された。前記特開平3−186111号公報に代表される、中央部の燃料ノズルから燃料が噴出され、それと同時に燃料を取り囲む環状酸素ノズルから酸素が供給され、燃料と酸素がバーナ先端を過ぎた外側で燃焼を開始するようにした、いわゆる二重管構造の酸素燃焼バーナのNOx 排出量は、同一の実験条件で150ppm(O2 =0%換算)前後であったが、本発明による酸素燃焼バーナでは、放射熱流束が高く、分布が均一となる条件において、NOx 排出量は90ppm(O2 =0%換算)であった。NOx 排出量90ppmは濃度にするとやや高く思えるが、酸素燃焼では、排気ガス量が空気燃焼と比較して大幅に減少するため、酸素燃焼でのNOx 排出量を空気燃焼のNOx 排出量に換算すると約10ppmに相当し、非常に低い値である。また、NOx 排出量を極限まで下げようとする場合、本発明のバーナで、条件を適切に選択することにより、9ppm(O2 =0%換算)のNOx 排出量が可能であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明により、簡単な構成でありながら、炉内の任意の位置に、任意の広がりを持つ偏平火炎を形成することが可能となり、かつ、低NOx 性も確保される酸素燃焼バーナが得られる。そのために、この酸素燃焼バーナは、ガラス溶解炉のように、火炎からの強い放射を必要とする燃焼炉の熱源としてきわめて有効である。
また、少なくとも酸化剤は水平方向に扁平した形状で噴出されるので、燃料ノズルあるいは酸化剤ノズルを製作するときに加工誤差などが生じた場合でも、燃料及び酸化剤の衝突を確実なものとすることができ、扁平火炎の形成に支障が生じるのを回避できる。それにより、ノズル製造時の加工負担も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による酸素燃焼バーナ及びノズル部分の一形態を示す斜視図。
【図2】図1のII−II線による断面図。
【図3】本発明による酸素燃焼バーナ及びノズル部分の他の形態を示す斜視図。
【図4】本発明による酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉内での火炎形態を示す模式図。
【図5】本発明による酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉の燃焼状態を示す概念図。
【図6】本発明による酸素燃焼バーナの他の実施形態を示す断面図。
【図7】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す断面図。
【図8】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す断面図。
【図9】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す断面図。
【図10】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す断面図。
【図11】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す正面図とa’−a’線による断面図。
【図12】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す正面図とa’−a’線、b’−b’及びc’−c’線による断面図。
【図13】本発明による酸素燃焼バーナのさらに他の実施形態を示す正面図とa’−a’線及びb’−b’線による断面図。
【図14】交差角度αの違いによる放射熱流束の違いを示すグラフ。
【図15】燃料及び酸化剤の流速vの違いによる放射熱流束の違いを示すグラフ。
【図16】燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hの違いによる放射熱流束の違いを示すグラフ。
【図17】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図18】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図19】燃焼炉内での火炎の状態を示す概念図。
【図20】交差角度αがNOx 排出量へ与える影響を示すグラフ。
【図21】燃料及び酸化剤の流速vがNOx 排出量へ与える影響を示すグラフ。
【図22】燃料ノズルと酸化剤ノズルの間隔hがNOx 排出量へ与える影響を示すグラフ。
【符号の説明】
10…酸素燃焼バーナ、2…燃料流路、2N…燃料ノズル、21…燃料ノズルの噴口、21x…燃料ノズルの扇形状部分、3a、3b…酸化剤流路、3aN、3bN…酸化剤ノズル、31a、31b…酸化剤ノズルの噴口、31ax、31bx…酸化剤のノズルの扇形状部分、50…燃焼炉

Claims (25)

  1. 燃料ノズルと、該燃料ノズルの上下に配置した2つの酸化剤ノズルとを有し、該各酸化剤ノズルは、噴出する酸化剤が燃料ノズルから噴出する燃料に対してほぼ同じ位置で上下方向から衝突するように、燃料ノズルに対してそれぞれ傾斜して配置されており、かつ、少なくとも前記酸化剤ノズルは、噴出した酸化剤が水平方向に扁平になった状態で上下方向から衝突しうるようにされていることを特徴とする酸素燃焼バーナ。
  2. 酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の形状を楕円又は矩形のような扁平断面形状とし、それにより、酸化剤が水平方向に扁平になった状態で噴出されることを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼バーナ。
  3. 酸化剤ノズルの噴口及びその上流部分の形状を、噴口は楕円又は矩形のような扁平断面形状であり、その上流部分は円筒形が次第に水平方向に扁平に広がって前記噴口にいたる形状とされており、それにより、酸化剤が水平方向に扁平でありかつ水平方向に広がりながら噴出されることを特徴とする請求項1記載の酸素燃焼バーナ。
  4. 燃料ノズルの噴口及びその上流部分の形状を楕円又は矩形のような扁平断面形状とし、それにより、燃料も水平方向に扁平になった状態で噴出されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  5. 燃料ノズルの噴口及びその上流部分の形状を、噴口は楕円又は矩形のような扁平断面形状であり、その上流部分は円筒形が次第に水平方向に扁平に広がって前記噴口にいたる形状とされており、それにより、燃料も水平方向に扁平でありかつ水平方向に広がりながら噴出されることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  6. 酸化剤ノズルの噴口が水平方向に2個以上配置されていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  7. 燃料ノズルの噴口が水平方向に2個以上配置されていることを特徴とする請求項6記載の酸素燃焼バーナ。
  8. 燃料ノズルの噴出方向が実質的に水平方向である請求項1ないし7いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  9. 燃料ノズルの噴出方向が水平方向より下向きとされている請求項1ないし7いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  10. 燃料ノズルの下向き角度が5°以下である請求項9記載の酸素燃焼バーナ。
  11. 燃料ノズルに対する2つの酸化剤ノズルの傾斜角度が共に等しくされている請求項1ないし10いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  12. 燃料ノズルに対する2つの酸化剤ノズルの傾斜角度が異なる角度とされている請求項1ないし10いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  13. 上方に位置する酸化剤ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度が下方に位置する酸化剤ノズルの燃料ノズルに対する傾斜角度よりも大とされている請求項12記載の酸素燃焼バーナ。
  14. 燃料ノズル及び上下に配置した酸化剤ノズルの先端に、流れを層流化するための手段が備えられている請求項1ないし13いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  15. 2つの酸化剤ノズルは、燃料ノズルに対して傾斜した部分と、該傾斜した部分の上流側端部に連続する燃料ノズルに実質的に平行な部分とで構成されることを特徴とする請求項1ないし14いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  16. 2つの酸化剤ノズルの傾斜した部分の長さは、酸化剤ノズルの直径の5倍以上の長さとされている請求項15記載の酸素燃焼バーナ。
  17. 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルとは、耐火煉瓦に穿孔することにより形成されることを特徴とする請求項1ないし16いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  18. 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルとはセラミックス製パイプで作られ、周囲が耐火煉瓦で覆われていることを特徴とする請求項1ないし16いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  19. 燃料ノズルと2つの酸化剤ノズルとは金属パイプで作られ、周囲が金属製の水冷用ジャケットで覆われていることを特徴とする請求項1ないし16いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  20. 上下に配置した酸化剤ノズルの取り付け角度が可変とされており、角度を調節することにより燃料と酸化剤との衝突位置を変更することができるようになっている請求項18又は19記載の酸素燃焼バーナ。
  21. 燃料ノズルは、バーナ本体の上下方向のほぼ中央に配置されていることを特徴する請求項1ないし20いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  22. 上下の酸化剤ノズルから噴出する酸化剤の流速及び/又は流量が可変とされている請求項1ないし21いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  23. 酸化剤として酸素濃度70%以上の酸素富化空気又は純酸素を用いることを特徴とする請求項1ないし22いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  24. 燃料として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、一酸化炭素、水素、天然ガス、液化天然ガス、改質ガス、噴霧されたオイル、気流搬送される微粉炭、又はこれらの混合体からなるガス状燃料を用いることを特徴とする請求項1ないし23いずれか記載の酸素燃焼バーナ。
  25. 請求項1ないし24いずれか記載の酸素燃焼バーナを熱源とする燃焼炉。
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