JPH07310159A - Zn−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴 - Google Patents
Zn−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴Info
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- JPH07310159A JPH07310159A JP12302494A JP12302494A JPH07310159A JP H07310159 A JPH07310159 A JP H07310159A JP 12302494 A JP12302494 A JP 12302494A JP 12302494 A JP12302494 A JP 12302494A JP H07310159 A JPH07310159 A JP H07310159A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Al 2〜20wt%、Ti 0.001〜2
wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物からなる
Zn−Al系合金めっき浴を使用し、浴温430〜50
0℃の温度において溶融めっきを行うことを特徴とする
Zn−Al系合金めっき方法であり、さらに、このめっ
き浴に、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1種ま
たは2種以上を5ppm〜1wt%含有させることがで
き、また、溶融めっき後のめっき層を、めっき層が実質
的に凝固するまで冷却を行うことができ、そして、この
冷却速度を5℃/sec以上とし、かつ、めっき層が実
質的に凝固するまで冷却を行うことができる。 【効果】 一浴法によって高めっき付着量を達成するこ
とができ、さらに、耐蝕性にも優れており、かつ、めっ
きによる鋼材の強度低下が極めて少ないZn−Al系合
金めっき鋼材を製造することができ、工業的に実用価値
の極めて高いものである。
wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物からなる
Zn−Al系合金めっき浴を使用し、浴温430〜50
0℃の温度において溶融めっきを行うことを特徴とする
Zn−Al系合金めっき方法であり、さらに、このめっ
き浴に、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1種ま
たは2種以上を5ppm〜1wt%含有させることがで
き、また、溶融めっき後のめっき層を、めっき層が実質
的に凝固するまで冷却を行うことができ、そして、この
冷却速度を5℃/sec以上とし、かつ、めっき層が実
質的に凝固するまで冷却を行うことができる。 【効果】 一浴法によって高めっき付着量を達成するこ
とができ、さらに、耐蝕性にも優れており、かつ、めっ
きによる鋼材の強度低下が極めて少ないZn−Al系合
金めっき鋼材を製造することができ、工業的に実用価値
の極めて高いものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はZn−Al系合金めっき
方法およびそのめっき浴に関し、さらに詳しくは、線、
板、条、帯、型等の種々形状の鋼材、例えば、建築材
料、長大橋等のメインケーブル用の耐蝕性に優れためっ
き鋼材を1回のめっき処理を行うことによりめっき層を
形成することができるZn−Al系合金めっき方法およ
びそのめっき浴に関するものである。
方法およびそのめっき浴に関し、さらに詳しくは、線、
板、条、帯、型等の種々形状の鋼材、例えば、建築材
料、長大橋等のメインケーブル用の耐蝕性に優れためっ
き鋼材を1回のめっき処理を行うことによりめっき層を
形成することができるZn−Al系合金めっき方法およ
びそのめっき浴に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、従来から鋼板や鋼線、鋼帯等の鉄
鋼製品の耐蝕性を向上させるために、これら鉄鋼製品の
表面にZnめっき層を設けることは広く行われてきてお
り、現在では建築材料用、自動車用および長大橋のメイ
ンケーブル等に使用されている。
鋼製品の耐蝕性を向上させるために、これら鉄鋼製品の
表面にZnめっき層を設けることは広く行われてきてお
り、現在では建築材料用、自動車用および長大橋のメイ
ンケーブル等に使用されている。
【0003】しかし、最近になって、建築材料は言うに
及ばず、その他の用途分野においても、Znめっき層を
設けた鋼材は、使用環境の多様化に伴って、特に、海塩
粒子の影響を強く受ける海岸地方、または、酸性雨等の
影響を強く受ける重工業地帯においては、Znめっき層
の耐蝕性では充分ではない場合がある。
及ばず、その他の用途分野においても、Znめっき層を
設けた鋼材は、使用環境の多様化に伴って、特に、海塩
粒子の影響を強く受ける海岸地方、または、酸性雨等の
影響を強く受ける重工業地帯においては、Znめっき層
の耐蝕性では充分ではない場合がある。
【0004】このような現状から、Znめっきよりもさ
らに耐蝕性の優れているZn−Al系合金めっき層を有
する鋼材が開発使用されてきており、使用量も年を追う
毎に増大している。
らに耐蝕性の優れているZn−Al系合金めっき層を有
する鋼材が開発使用されてきており、使用量も年を追う
毎に増大している。
【0005】そして、建築材料、長大橋等のメインケー
ブル用に使用する線、板、条、帯、型等の種々形状の鋼
材(以下、単に鋼材として説明する。)には、高耐蝕性
が強く求められており、従って、めっきも高付着量、例
えば、300g/m2以上の付着量が要求されるような
なっている。
ブル用に使用する線、板、条、帯、型等の種々形状の鋼
材(以下、単に鋼材として説明する。)には、高耐蝕性
が強く求められており、従って、めっきも高付着量、例
えば、300g/m2以上の付着量が要求されるような
なっている。
【0006】そのため、従来においては、鋼材表面に設
けられている純Znめっき層と鋼材との間の界面にZn
−Fe系合金めっき層を発達させることにより、高付着
量を達成していたのである。
けられている純Znめっき層と鋼材との間の界面にZn
−Fe系合金めっき層を発達させることにより、高付着
量を達成していたのである。
【0007】しかし、通常のめっき浴温度である430
〜500℃では、Zn−Al系合金めっきは被めっき材
である鋼材との合金化反応が抑制されるため、高々20
0g/m2の付着量しか得られていない。
〜500℃では、Zn−Al系合金めっきは被めっき材
である鋼材との合金化反応が抑制されるため、高々20
0g/m2の付着量しか得られていない。
【0008】また、Zn−Al系合金めっきにおいて
も、浴温度を500℃以上としてめっきを行うと、めっ
きと鋼材との間の界面にAl−Fe−Zn合金層が形成
されて発達するため、めっき付着量を300g/m2以
上とすることが可能であり、特開平03−281766
号公報に記載されている。
も、浴温度を500℃以上としてめっきを行うと、めっ
きと鋼材との間の界面にAl−Fe−Zn合金層が形成
されて発達するため、めっき付着量を300g/m2以
上とすることが可能であり、特開平03−281766
号公報に記載されている。
【0009】しかしながら、浴温を500℃以上として
めっきを行った場合、めっき浴浸漬時の熱履歴により、
鋼材が焼きなまされて機械的強度の低下が著しくなり、
めっき後に所定の強度を満足できないという問題があ
る。
めっきを行った場合、めっき浴浸漬時の熱履歴により、
鋼材が焼きなまされて機械的強度の低下が著しくなり、
めっき後に所定の強度を満足できないという問題があ
る。
【0010】従って、このような鋼材の強度低下を極力
抑制して最小限に止め、かつ、Zn−Al系合金めっき
の高付着量を達成するために、従来技術の種々方法が検
討され、そして、実用化されてきている。以下、説明す
る。
抑制して最小限に止め、かつ、Zn−Al系合金めっき
の高付着量を達成するために、従来技術の種々方法が検
討され、そして、実用化されてきている。以下、説明す
る。
【0011】現在、最も一般的な方法として、最初はA
lを含有しないZnめっき浴を使用して、浴温500℃
以下で1次めっきを行い、フラックス処理を行った後、
Zn−Al系合金めっき浴を使用して2次めっきを行う
という二浴法が行われており、特公平05−04002
4号公報、特開平04−154949号公報等に記載さ
れている。
lを含有しないZnめっき浴を使用して、浴温500℃
以下で1次めっきを行い、フラックス処理を行った後、
Zn−Al系合金めっき浴を使用して2次めっきを行う
という二浴法が行われており、特公平05−04002
4号公報、特開平04−154949号公報等に記載さ
れている。
【0012】しかしながら、これら二浴法では、めっき
処理を2回行う必要があり、作業が繁雑となり、かつ、
製造費用が嵩むという問題があり、そのため、500℃
以下の低温の浴温でAl−Fe−Zn系合金めっき層を
下層に発達させることにより、一浴で高めっき付着量を
確保可能なZn−Al系合金めっき方法の開発が強く要
望されている。
処理を2回行う必要があり、作業が繁雑となり、かつ、
製造費用が嵩むという問題があり、そのため、500℃
以下の低温の浴温でAl−Fe−Zn系合金めっき層を
下層に発達させることにより、一浴で高めっき付着量を
確保可能なZn−Al系合金めっき方法の開発が強く要
望されている。
【0013】そして、An−Al系合金めっき方法にお
いて、Zn−Al系合金めっき浴にTiを含有させるこ
とにより、特開昭63−065061号公報において
は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダーリング性が
向上し、また、特公昭54−033223号公報では、
密着性および塗装後耐蝕性が向上し、特公昭63−01
1420号公報では、耐蝕性が向上し、特開平02−2
67283号公報では、表面酸化により着色することが
開示されている。しかし、これらの技術は何れも一浴法
により高付着量化するためにTiを含有させたものでは
ない。
いて、Zn−Al系合金めっき浴にTiを含有させるこ
とにより、特開昭63−065061号公報において
は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐パウダーリング性が
向上し、また、特公昭54−033223号公報では、
密着性および塗装後耐蝕性が向上し、特公昭63−01
1420号公報では、耐蝕性が向上し、特開平02−2
67283号公報では、表面酸化により着色することが
開示されている。しかし、これらの技術は何れも一浴法
により高付着量化するためにTiを含有させたものでは
ない。
【0014】また、特開平02−274851号公報に
おいては、加工性を向上させるためにTi、BをZn−
Al系合金めっき浴中に含有させており、その結果、め
っき浴の粘性向上によりめっき付着量が増加することが
記載されている。しかし、これは、Zn−Al系合金め
っき浴中へのTi含有により、Al−Fe−Zn系合金
層を低い温度で発達させ、一浴法により高付着量化を図
るためではない。
おいては、加工性を向上させるためにTi、BをZn−
Al系合金めっき浴中に含有させており、その結果、め
っき浴の粘性向上によりめっき付着量が増加することが
記載されている。しかし、これは、Zn−Al系合金め
っき浴中へのTi含有により、Al−Fe−Zn系合金
層を低い温度で発達させ、一浴法により高付着量化を図
るためではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に説明
した従来のZn−Al系合金めっきの種々の問題点を解
決するために、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ね
た結果、Zn−Al系合金めっきにおいて、1回のめっ
き処理により鋼材とめっき層の界面にAl−Fe−Zn
系合金層を発達させることにより高めっき付着量を達成
することができ、さらに、鋼材の機械的強度の低下を極
力抑制することができるZn−Al系合金めっき方法お
よびそのめっき浴を開発したのである。
した従来のZn−Al系合金めっきの種々の問題点を解
決するために、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ね
た結果、Zn−Al系合金めっきにおいて、1回のめっ
き処理により鋼材とめっき層の界面にAl−Fe−Zn
系合金層を発達させることにより高めっき付着量を達成
することができ、さらに、鋼材の機械的強度の低下を極
力抑制することができるZn−Al系合金めっき方法お
よびそのめっき浴を開発したのである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるZn−A
l系合金めっき方法およびそのめっき浴は、Al 2〜
20wt%、Ti 0.001〜2wt%を含有し、残
部Znおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金め
っき浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において
溶融めっきを行うことを特徴とするZn−Al系合金め
っき方法を第1の発明とし、Al 2〜20wt%、T
i 0.001〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内
から選ばれた1種または2種以上5ppm〜1wt%を
含有し、残部Znおよび不可避不純物からなるZn−A
l系合金めっき浴を使用し、浴温430〜500℃の温
度において溶融めっきを行うことを特徴とするZn−A
l系合金めっき方法を第2の発明とし、Al 2〜20
wt%、Ti 0.001〜2wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行い、めっき層の冷却速度を5℃/sec以上
とし、かつ、めっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことを特徴とするZn−Al系合金めっき方法を第3
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行い、めっき層の冷却速度を5℃/sec以上
とし、かつ、めっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことを特徴とするZn−Al系合金めっき方法の第4
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物から
なることを特徴とするZn−Al系合金めっき浴の第5
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなることを特徴とするZn−
Al系合金めっき浴を第6の発明とする6つの発明より
なるものである。
l系合金めっき方法およびそのめっき浴は、Al 2〜
20wt%、Ti 0.001〜2wt%を含有し、残
部Znおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金め
っき浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において
溶融めっきを行うことを特徴とするZn−Al系合金め
っき方法を第1の発明とし、Al 2〜20wt%、T
i 0.001〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内
から選ばれた1種または2種以上5ppm〜1wt%を
含有し、残部Znおよび不可避不純物からなるZn−A
l系合金めっき浴を使用し、浴温430〜500℃の温
度において溶融めっきを行うことを特徴とするZn−A
l系合金めっき方法を第2の発明とし、Al 2〜20
wt%、Ti 0.001〜2wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行い、めっき層の冷却速度を5℃/sec以上
とし、かつ、めっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことを特徴とするZn−Al系合金めっき方法を第3
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行い、めっき層の冷却速度を5℃/sec以上
とし、かつ、めっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことを特徴とするZn−Al系合金めっき方法の第4
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物から
なることを特徴とするZn−Al系合金めっき浴の第5
の発明とし、Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなることを特徴とするZn−
Al系合金めっき浴を第6の発明とする6つの発明より
なるものである。
【0017】本発明に係るZn−Al系合金めっき方法
およびそのめっき浴について、以下詳細に説明する。先
ず、本発明に係るZn−Al系合金めっき方法におい
て、使用するめっき浴の含有成分と成分割合について説
明する。
およびそのめっき浴について、以下詳細に説明する。先
ず、本発明に係るZn−Al系合金めっき方法におい
て、使用するめっき浴の含有成分と成分割合について説
明する。
【0018】Alは含有量が2wt%未満ではめっき層
の耐蝕性を向上させる効果が少なく、また、20wt%
を越える含有量ではめっき浴の融点が高くなり、被めっ
き材である鋼材の機械的強度が低下する。よって、Al
含有量は2〜20wt%とする。
の耐蝕性を向上させる効果が少なく、また、20wt%
を越える含有量ではめっき浴の融点が高くなり、被めっ
き材である鋼材の機械的強度が低下する。よって、Al
含有量は2〜20wt%とする。
【0019】Tiは本発明に係るZn−Al系合金めっ
き方法およびそのめっき浴において、特に注目すべき含
有成分であり、500℃以下の温度におけるめっき処理
において、めっき層と鋼材との界面にAl−Fe−Zn
系合金層を厚く発達させ、高めっき付着量を達成するこ
とができる含有成分である。
き方法およびそのめっき浴において、特に注目すべき含
有成分であり、500℃以下の温度におけるめっき処理
において、めっき層と鋼材との界面にAl−Fe−Zn
系合金層を厚く発達させ、高めっき付着量を達成するこ
とができる含有成分である。
【0020】そして、めっき浴中にTiを含有させるこ
とにより、Al−Fe−Zn系合金層が低温において発
達する理由は、未だ明確ではないが、Tiを含有させな
い場合には、めっき処理の初期にめっきと鋼材の界面に
緻密なAl−Fe系合金層が形成され、これが鋼材とめ
っき層の間のFe、Al、Zn原子の拡散に対する障壁
となり、Al−Fe−Zn系合金層の発達を抑制するも
のと考えられる。
とにより、Al−Fe−Zn系合金層が低温において発
達する理由は、未だ明確ではないが、Tiを含有させな
い場合には、めっき処理の初期にめっきと鋼材の界面に
緻密なAl−Fe系合金層が形成され、これが鋼材とめ
っき層の間のFe、Al、Zn原子の拡散に対する障壁
となり、Al−Fe−Zn系合金層の発達を抑制するも
のと考えられる。
【0021】しかし、めっき浴中にTiを含有させるこ
とにより、Tiがめっき処理初期に形成される合金層に
固溶することにより、この合金層の拡散に対する障壁能
を著しく低下させるために、Al−Fe−Zn系合金層
が発達し易くなるものと推定される。
とにより、Tiがめっき処理初期に形成される合金層に
固溶することにより、この合金層の拡散に対する障壁能
を著しく低下させるために、Al−Fe−Zn系合金層
が発達し易くなるものと推定される。
【0022】Ti含有量が0.001wt%未満ではA
l−Fe−Zn系合金層を成長させる効果が認められ
ず、また、2wt%を越える含有量ではAl−Fe−Z
n系合金層を成長させる効果が必ずしも増大するものと
も認められず、浴中でTiがAlと金属間化合物を形成
してドロスとなり、被めっき材の鋼材表面に付着し、外
観を著しく損なうようになる。よって、Ti含有量は
0.001〜2wt%とする。
l−Fe−Zn系合金層を成長させる効果が認められ
ず、また、2wt%を越える含有量ではAl−Fe−Z
n系合金層を成長させる効果が必ずしも増大するものと
も認められず、浴中でTiがAlと金属間化合物を形成
してドロスとなり、被めっき材の鋼材表面に付着し、外
観を著しく損なうようになる。よって、Ti含有量は
0.001〜2wt%とする。
【0023】ミッシュメタルおよびNaの内から選んだ
1種または2種以上を含有させるのは、めっき処理にお
いて不めっきの発生を防止することを目的とするためで
あり、含有量が5ppm未満では不めっき防止に効果が
期待できず、また、1wt%を越える含有量では不めっ
き防止効果が向上しないばかりでなく、ドロスが発生し
て被めっき材の鋼材表面の外観を劣化させる。よって、
ミッシュメタルおよびNaの1種または2種以上の含有
量は5ppm〜1wt%とする。
1種または2種以上を含有させるのは、めっき処理にお
いて不めっきの発生を防止することを目的とするためで
あり、含有量が5ppm未満では不めっき防止に効果が
期待できず、また、1wt%を越える含有量では不めっ
き防止効果が向上しないばかりでなく、ドロスが発生し
て被めっき材の鋼材表面の外観を劣化させる。よって、
ミッシュメタルおよびNaの1種または2種以上の含有
量は5ppm〜1wt%とする。
【0024】まお、本発明におけるZn−Al系合金め
っき浴中には、不可避不純物として、Fe、Pb等が含
まれる場合があるが、これら不可避不純物がAl−Fe
−Zn系合金層の成長を阻害することはないけれども、
めっき層の耐蝕性を低下させる可能性があるため、不可
避不純物の含有量は0.5wt%以下とすることが望ま
しい。
っき浴中には、不可避不純物として、Fe、Pb等が含
まれる場合があるが、これら不可避不純物がAl−Fe
−Zn系合金層の成長を阻害することはないけれども、
めっき層の耐蝕性を低下させる可能性があるため、不可
避不純物の含有量は0.5wt%以下とすることが望ま
しい。
【0025】次に、本発明に係るZn−Al系合金めっ
き方法について説明する。
き方法について説明する。
【0026】溶融めっき浴温度は、430℃未満ではA
l−Fe−Zn系合金層の発達が不充分で、300g/
m2以上のめっき付着量とすることは困難であり、さら
に、不めっきが発生し易くなって、めっき表面外観が劣
化するようになり、また、溶融めっき浴温度が500℃
を越えると被めっき材の鋼材の機械的強度が著しく低下
する。よって、溶融めっき浴温度は430〜500℃と
する。
l−Fe−Zn系合金層の発達が不充分で、300g/
m2以上のめっき付着量とすることは困難であり、さら
に、不めっきが発生し易くなって、めっき表面外観が劣
化するようになり、また、溶融めっき浴温度が500℃
を越えると被めっき材の鋼材の機械的強度が著しく低下
する。よって、溶融めっき浴温度は430〜500℃と
する。
【0027】なお、めっき付着量および鋼材の機械的強
度の観点からは、溶融めっき浴温度が430〜500℃
で何ら問題はないけれども、溶融めっき浴温度が490
℃を越えると連続操業時のめっき浴容器およびめっき浴
中の機器の侵蝕が、それより低い温度の場合と比較して
大きくなるため、溶融めっき浴温度は430〜490℃
未満とすることが望ましい範囲と言える。
度の観点からは、溶融めっき浴温度が430〜500℃
で何ら問題はないけれども、溶融めっき浴温度が490
℃を越えると連続操業時のめっき浴容器およびめっき浴
中の機器の侵蝕が、それより低い温度の場合と比較して
大きくなるため、溶融めっき浴温度は430〜490℃
未満とすることが望ましい範囲と言える。
【0028】また、本発明に係るZn−Al系合金めっ
き方法において、鋼材を溶融めっき浴中における浸漬時
間は特に限定的ではないが、浸漬時間が10秒未満では
Al−Fe−Zn系合金層の成長が不充分であり、所望
のめっき付着量を得ることができない場合もあるため、
望ましいのは浸漬時間は10秒以上、より望ましい時間
としは30秒以上とするのがよい。
き方法において、鋼材を溶融めっき浴中における浸漬時
間は特に限定的ではないが、浸漬時間が10秒未満では
Al−Fe−Zn系合金層の成長が不充分であり、所望
のめっき付着量を得ることができない場合もあるため、
望ましいのは浸漬時間は10秒以上、より望ましい時間
としは30秒以上とするのがよい。
【0029】本発明に係るZn−Al系合金めっき方法
において使用する鋼材の清浄方法は、酸洗、脱脂、フラ
ックス処理、ガス還元法等の、鋼材表面の油脂分、汚
れ、酸化皮膜を除去し、活性な鋼材表面にできる方法で
あれば、特に限定的ではなく、従来から行われている方
法を適宜採用することができる。
において使用する鋼材の清浄方法は、酸洗、脱脂、フラ
ックス処理、ガス還元法等の、鋼材表面の油脂分、汚
れ、酸化皮膜を除去し、活性な鋼材表面にできる方法で
あれば、特に限定的ではなく、従来から行われている方
法を適宜採用することができる。
【0030】さらに、本発明に係るZn−Al系合金め
っき方法において、溶融Zn−Al系合金めっきを行っ
た鋼材のめっき層の冷却速度は5℃/sec以上とし、
かつ、その後もめっき層が実質的に凝固するまで冷却を
続けるのであり、その結果、耐蝕性、表面外観がより一
層向上する。
っき方法において、溶融Zn−Al系合金めっきを行っ
た鋼材のめっき層の冷却速度は5℃/sec以上とし、
かつ、その後もめっき層が実質的に凝固するまで冷却を
続けるのであり、その結果、耐蝕性、表面外観がより一
層向上する。
【0031】そして、被めっき材の鋼材をめっき浴から
引き上げた後、凝固するまでの間に時として、めっき浴
と同等の組成を有する上部めっき層、Al−Fe−Zn
系合金めっき層および鋼材との間に過度の合金化が起こ
り、不均一な合金層が成長する場合がある。
引き上げた後、凝固するまでの間に時として、めっき浴
と同等の組成を有する上部めっき層、Al−Fe−Zn
系合金めっき層および鋼材との間に過度の合金化が起こ
り、不均一な合金層が成長する場合がある。
【0032】しかし、溶融めっきを行った後、めっき層
が実質的に凝固するまでの冷却速度を5℃/sec以上
とすることにより、不均一な合金層の成長は完全に抑制
され、表面外観が向上する。
が実質的に凝固するまでの冷却速度を5℃/sec以上
とすることにより、不均一な合金層の成長は完全に抑制
され、表面外観が向上する。
【0033】また、時には、上部めっき層中のAlが鋼
材側へ拡散することにより、上部めっき層中のAl含有
量が変動して、耐蝕性がばらつく場合があるが、めっき
層が実質的に凝固するまで5℃/sec以上の冷却速度
とすることにより、この上部めっき層のAl含有量の変
動を防止することができ、耐蝕性のばらつくことが抑制
される。
材側へ拡散することにより、上部めっき層中のAl含有
量が変動して、耐蝕性がばらつく場合があるが、めっき
層が実質的に凝固するまで5℃/sec以上の冷却速度
とすることにより、この上部めっき層のAl含有量の変
動を防止することができ、耐蝕性のばらつくことが抑制
される。
【0034】従って、めっき層が実質的に凝固するまで
の冷却速度は5℃/sec以上に規定し、さらに、その
後も引き続きめっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことが好ましい。
の冷却速度は5℃/sec以上に規定し、さらに、その
後も引き続きめっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことが好ましい。
【0035】
【実 施 例】本発明に係るZn−Al系合金めっき方
法およびそのめっき浴の実施例を比較例と共に説明す
る。
法およびそのめっき浴の実施例を比較例と共に説明す
る。
【0036】
【実 施 例 1】表1に示すように、めっき浴組成、浴
温度、浸漬時間を種々に変更して試料を作成し、そし
て、性能評価について示してある。
温度、浸漬時間を種々に変更して試料を作成し、そし
て、性能評価について示してある。
【0037】(No.1) めっき浴の調整 JIS H 2107の規定による蒸留亜鉛一種地金、純
度99.9wt%のアルミニウム地金および純度99w
t%のチタン地金を使用し、Al5wt%、 Ti0.
01wt%、残部不可避不純物からなる溶融亜鉛合金め
っき浴を、内 径φ30mm、深さ50mmの黒鉛坩堝
中で、電気炉を使用して溶製を行った。
度99.9wt%のアルミニウム地金および純度99w
t%のチタン地金を使用し、Al5wt%、 Ti0.
01wt%、残部不可避不純物からなる溶融亜鉛合金め
っき浴を、内 径φ30mm、深さ50mmの黒鉛坩堝
中で、電気炉を使用して溶製を行った。
【0038】被めっき材 母材として、φ4mm、組成0.9%C−1.1%Si−
0.7%Mn、めっき前の引張強さ210kg/mm2の
鋼線を使用した。前処理として、70℃の温度の鋼線を
アルカリ水溶液に5min浸漬して脱脂を行った後、5
0℃の温度の15wt%HClに4min浸漬して酸洗
し、さらに、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラ
ックス水溶液に20sec浸漬して引き上げるフラック
ス処理を行った後、最後に180℃の温度に保持されて
いる恒温層中において乾燥を行って被めっき材とした。
0.7%Mn、めっき前の引張強さ210kg/mm2の
鋼線を使用した。前処理として、70℃の温度の鋼線を
アルカリ水溶液に5min浸漬して脱脂を行った後、5
0℃の温度の15wt%HClに4min浸漬して酸洗
し、さらに、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラ
ックス水溶液に20sec浸漬して引き上げるフラック
ス処理を行った後、最後に180℃の温度に保持されて
いる恒温層中において乾燥を行って被めっき材とした。
【0039】めっき処理 上記において調整しためっき浴の温度を470℃に保
持し、で調整した被めっき材をめっき浴中に60se
c浸漬した後、引き上げた。この引き上げ時に冷却速度
20℃/secの温水冷却を行った。
持し、で調整した被めっき材をめっき浴中に60se
c浸漬した後、引き上げた。この引き上げ時に冷却速度
20℃/secの温水冷却を行った。
【0040】性能評価 において作成された被めっき材、即ち、鋼線のめっき
付着量を測定した。また、光学顕微鏡によりめっき層の
断面を観察し、Al−Fe−Zn系合金層の有無の確認
を行った。なお、めっき付着量は、上層のZn−Al系
合金めっき層と下層のAl−Fe−Zn系合金層の両者
を含んだ値である。
付着量を測定した。また、光学顕微鏡によりめっき層の
断面を観察し、Al−Fe−Zn系合金層の有無の確認
を行った。なお、めっき付着量は、上層のZn−Al系
合金めっき層と下層のAl−Fe−Zn系合金層の両者
を含んだ値である。
【0041】他方、めっき後の鋼線の引張強さを測定
し、以下のようにした強度低下率を算出した、評価基準
は以下の通りである。
し、以下のようにした強度低下率を算出した、評価基準
は以下の通りである。
【0042】さらに、JIS Z 2371に準拠した塩
水噴霧試験を行い、赤錆発生時間により評価した。評価
基準は以下の通りである。 ○:赤錆発生時間>500時間 △: 〃 300〜500時間 ×: 〃 <300時間
水噴霧試験を行い、赤錆発生時間により評価した。評価
基準は以下の通りである。 ○:赤錆発生時間>500時間 △: 〃 300〜500時間 ×: 〃 <300時間
【0043】(No.2)めっき浴のTi含有量を0.0
05wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
05wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0044】(No.3)めっき浴のTi含有量を0.5
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
【0045】(No.4)めっき浴のTi含有量を1w
t%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様
の性能評価を行った。
t%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様
の性能評価を行った。
【0046】(No.5)めっき浴のTi含有量を2w
t%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様
の性能評価を行った。
t%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様
の性能評価を行った。
【0047】(No.6)めっき浴のAl含有量を4.5
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
【0048】(No.7)めっき浴のAl含有量を10
wt%、Ti含有量を0.05wt%とした以外は、実
施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
wt%、Ti含有量を0.05wt%とした以外は、実
施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
【0049】(No.8)めっき時のめっき浴の温度を
430℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
430℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0050】(No.9)めっき浴のAl含有量を20
wt%、Ti含有量を0.10wt%とした以外は、実
施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
wt%、Ti含有量を0.10wt%とした以外は、実
施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
【0051】(No.10)めっき時のめっき浴温度を
450℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
450℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0052】(No.11)めっき時のめっき浴温度を
490℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
490℃に保持した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0053】(No.12)めっき時に、浴中に試料を
30秒浸漬した以外は、実施例1と同様の処理を行い、
同様の性能評価を行った。
30秒浸漬した以外は、実施例1と同様の処理を行い、
同様の性能評価を行った。
【0053】(No.13)めっき時に、浴中に試料を
120秒浸漬した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
120秒浸漬した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0054】(No.14)被めっきとして、φ4m
m、組成0.8%C−0.3%Si−0.5%Mn、めっ
き前の引張強さ145kg/mm2の鋼線を使用した以
外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を
行った。
m、組成0.8%C−0.3%Si−0.5%Mn、めっ
き前の引張強さ145kg/mm2の鋼線を使用した以
外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を
行った。
【0055】(No.15)被めっき材として、φ4m
m、めっき前の引張強さ80kg/mm2の普通鉄線S
WM−Bを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
m、めっき前の引張強さ80kg/mm2の普通鉄線S
WM−Bを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行
い、同様の性能評価を行った。
【0056】(No.16)被めっき材として、板厚5
mm、めっき前の引張強さ40kg/mm2の一般構造
用圧延鋼材SS330を使用した以外は、実施例1と同
様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
mm、めっき前の引張強さ40kg/mm2の一般構造
用圧延鋼材SS330を使用した以外は、実施例1と同
様の処理を行い、同様の性能評価を行った。
【0057】(No.17)被めっき材として、板厚0.
8mm、めっき前の引張強つ30kg/mm2の一般冷
間圧延鋼板SPCCを使用した以外は、実施例1と同様
の処理を行い、同様の性能評価を行った。
8mm、めっき前の引張強つ30kg/mm2の一般冷
間圧延鋼板SPCCを使用した以外は、実施例1と同様
の処理を行い、同様の性能評価を行った。
【0058】
【比 較 例 1】 (No.18)めっき浴調整時に、Tiを含有させない
こと以外は、実施例1と同様のの処理を行い、同様のの
性能評価を行った。
こと以外は、実施例1と同様のの処理を行い、同様のの
性能評価を行った。
【0059】(No.19)めっき浴後の調整時に、T
iを含有させず、めっき時のめっき浴温を550℃に保
持した以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性
能評価を行った。
iを含有させず、めっき時のめっき浴温を550℃に保
持した以外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性
能評価を行った。
【0060】(No.20)めっき浴のTi含有量を0.
0005wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を
行い、同様の性能評価を行った。
0005wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を
行い、同様の性能評価を行った。
【0061】(No.21)めっき浴のAl含有量を1
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
wt%とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
【0062】(No.22)めっき時のめっき浴温を4
20℃とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
20℃とした以外は、実施例1と同様の処理を行い、同
様の性能評価を行った。
【0063】めっき時のめっき浴温を550℃とした以
外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を
行った。
外は、実施例1と同様の処理を行い、同様の性能評価を
行った。
【0064】
【表1】
【0065】表1か明らかであるが、本発明に係るZn
−Al系合金めっき方法に規定する要件を満足する実施
例1のNo.1〜No.15は、その何れもが、Al−F
e−Zn系合金層が発達しており、300g/m2以上
の高いめっき付着量を達成しており、耐蝕性にも優れて
おり、かつ、被めっき材の強度低下も抑制されており、
さらに、めっき浴中のTi含有量が本発明に係るZn−
Al系合金めっき方法に規定する要件を満足していない
比較例No.18〜No.20、めっき浴中のAl含有量
が本発明に係るZn−Al系合金めっき方法に規定する
要件を満足していない比較例No.21、めっき浴温が
本発明に係るZn−Al系合金めっき方法に規定する要
件を満足していないNo.22、No.23は、何れも耐
蝕性および強度低下率の一方が劣っている。
−Al系合金めっき方法に規定する要件を満足する実施
例1のNo.1〜No.15は、その何れもが、Al−F
e−Zn系合金層が発達しており、300g/m2以上
の高いめっき付着量を達成しており、耐蝕性にも優れて
おり、かつ、被めっき材の強度低下も抑制されており、
さらに、めっき浴中のTi含有量が本発明に係るZn−
Al系合金めっき方法に規定する要件を満足していない
比較例No.18〜No.20、めっき浴中のAl含有量
が本発明に係るZn−Al系合金めっき方法に規定する
要件を満足していない比較例No.21、めっき浴温が
本発明に係るZn−Al系合金めっき方法に規定する要
件を満足していないNo.22、No.23は、何れも耐
蝕性および強度低下率の一方が劣っている。
【0066】
【実 施 例 2】この実施例はめっき後のめっき層を有
する試料の冷却速度を変化させた場合の、耐蝕性につい
て評価を行った。
する試料の冷却速度を変化させた場合の、耐蝕性につい
て評価を行った。
【0067】めっき浴の調整 JIS H 2107の規定による蒸留亜鉛一種地金、純
度99.9wt%のアルミニウム地金および純度99w
t%のチタン地金を使用し、Al5wt%、 Ti0.
01wt%、残部不可避不純物からなる溶融亜鉛合金め
っき浴を、内 径φ300mm、深さ500mmの黒鉛
坩堝中で、電気炉を使用して溶製を行った。
度99.9wt%のアルミニウム地金および純度99w
t%のチタン地金を使用し、Al5wt%、 Ti0.
01wt%、残部不可避不純物からなる溶融亜鉛合金め
っき浴を、内 径φ300mm、深さ500mmの黒鉛
坩堝中で、電気炉を使用して溶製を行った。
【0068】被めっき材 母材として、φ4mm、組成0.9%C−1.1%Si−
0.7%Mn、めっき前の引張強さ210kg/mm2の
鋼線を使用した。前処理として、70℃の温度の鋼線を
アルカリ水溶液に5min浸漬して脱脂を行った後、5
0℃の温度の15wt%HClに4min浸漬して酸洗
し、さらに、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラ
ックス水溶液に20sec浸漬して引き上げるフラック
ス処理を行った後、最後に180℃の温度に保持されて
いる恒温層中においてかんそうを行って被めっき材とし
た。
0.7%Mn、めっき前の引張強さ210kg/mm2の
鋼線を使用した。前処理として、70℃の温度の鋼線を
アルカリ水溶液に5min浸漬して脱脂を行った後、5
0℃の温度の15wt%HClに4min浸漬して酸洗
し、さらに、80℃の温度のZnCl2−NaF系フラ
ックス水溶液に20sec浸漬して引き上げるフラック
ス処理を行った後、最後に180℃の温度に保持されて
いる恒温層中においてかんそうを行って被めっき材とし
た。
【0069】めっき処理 上記において調整しためっき浴の温度を470℃に保
持し、で調整した被めっき材をめっき浴中に60se
c浸漬した後、引き上げた。この引き上げた後冷却を行
った。冷却は放冷、N2ガス冷却、ミスト冷却、冷水、
温水冷却により冷却速度を変化させた。
持し、で調整した被めっき材をめっき浴中に60se
c浸漬した後、引き上げた。この引き上げた後冷却を行
った。冷却は放冷、N2ガス冷却、ミスト冷却、冷水、
温水冷却により冷却速度を変化させた。
【0070】性能評価 において作成された被めっき材、即ち、鋼線のめっき
付着量を測定した。また、光学顕微鏡によりめっき層の
断面を観察し、Al−Fe−Zn系合金層の有無の確認
を行った。なお、めっき付着量は、上層のZn−Al系
合金めっき層と下層のAl−Fe−Zn系合金層の両者
を含んだ値である。
付着量を測定した。また、光学顕微鏡によりめっき層の
断面を観察し、Al−Fe−Zn系合金層の有無の確認
を行った。なお、めっき付着量は、上層のZn−Al系
合金めっき層と下層のAl−Fe−Zn系合金層の両者
を含んだ値である。
【0071】さらに、JIS Z 2371に準拠した塩
水噴霧試験を行い、赤錆発生時間により評価した。な
お、参考のために、評価基準を示す。 ○:赤錆発生時間>500時間 △: 〃 300〜500時間 ×: 〃 <300時間
水噴霧試験を行い、赤錆発生時間により評価した。な
お、参考のために、評価基準を示す。 ○:赤錆発生時間>500時間 △: 〃 300〜500時間 ×: 〃 <300時間
【0072】図1にめっき後の冷却速度と塩水噴霧試験
による赤錆発生時間との関係を示す。なお、使用した試
料のめっき付着量は310〜350g/m2であり、こ
れらは すべてAl−Fe−Zn系合金層を有してい
る。
による赤錆発生時間との関係を示す。なお、使用した試
料のめっき付着量は310〜350g/m2であり、こ
れらは すべてAl−Fe−Zn系合金層を有してい
る。
【0073】この図1から明らかであるが、本発明に係
るZn−Al系合金めっき方法における冷却速度が5℃
/sec以上の範囲においては、赤錆発生時間は500
時間以上を示しており、ばらつきも小さい。これに対し
て冷却速度が5℃/sec未満の場合には、赤錆発生時
間が300〜700時間と大きくばらついている。
るZn−Al系合金めっき方法における冷却速度が5℃
/sec以上の範囲においては、赤錆発生時間は500
時間以上を示しており、ばらつきも小さい。これに対し
て冷却速度が5℃/sec未満の場合には、赤錆発生時
間が300〜700時間と大きくばらついている。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るZn
−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴は上記の構
成であるから、一浴法によって高めっき付着量を達成す
ることができ、さらに、耐蝕性にも優れており、かつ、
めっきによる鋼材の強度低下が極めて少ないZn−Al
系合金めっき鋼材を製造することが可能となり、工業的
に実用価値の極めて高いという優れた効果を有する。
−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴は上記の構
成であるから、一浴法によって高めっき付着量を達成す
ることができ、さらに、耐蝕性にも優れており、かつ、
めっきによる鋼材の強度低下が極めて少ないZn−Al
系合金めっき鋼材を製造することが可能となり、工業的
に実用価値の極めて高いという優れた効果を有する。
【図1】溶融Zn−Al系合金めっき鋼材のめっき後の
冷却速度と塩水噴霧試験による試料の赤錆発生時間との
関係を示す図である。
冷却速度と塩水噴霧試験による試料の赤錆発生時間との
関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 谷 川 正 樹 兵庫県加古川市尾上町池田字池田開拓2222 番地1 株式会社神戸製鋼所加古川研究地 区内
Claims (6)
- 【請求項1】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物から
なるZn−Al系合金めっき浴を使用し、浴温430〜
500℃の温度において溶融めっきを行うことを特徴と
するZn−Al系合金めっき方法。 - 【請求項2】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行うことを特徴とするZn−Al系合金めっき
方法。 - 【請求項3】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物から
なるZn−Al系合金めっき浴を使用し、浴温430〜
500℃の温度において溶融めっきを行い、めっき層の
冷却速度を5℃/sec以上とし、かつ、めっき層が実
質的に凝固するまで冷却を行うことを特徴とするZn−
Al系合金めっき方法。 - 【請求項4】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなるZn−Al系合金めっき
浴を使用し、浴温430〜500℃の温度において溶融
めっきを行い、めっき層の冷却速度を5℃/sec以上
とし、かつ、めっき層が実質的に凝固するまで冷却を行
うことを特徴とするZn−Al系合金めっき方法。 - 【請求項5】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%を含有し、残部Znおよび不可避不純物から
なることを特徴とするZn−Al系合金めっき浴。 - 【請求項6】Al 2〜20wt%、Ti 0.001
〜2wt%、ミッシュメタル、Naの内から選ばれた1
種または2種以上5ppm〜1wt%を含有し、残部Z
nおよび不可避不純物からなることを特徴とするZn−
Al系合金めっき浴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12302494A JPH07310159A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | Zn−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12302494A JPH07310159A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | Zn−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07310159A true JPH07310159A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=14850335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12302494A Pending JPH07310159A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | Zn−Al系合金めっき方法およびそのめっき浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07310159A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100543286B1 (ko) * | 2001-12-20 | 2006-01-20 | 주식회사 포스코 | 내식성이 향상된 용융아연도금강판의 제조방법 |
CN116516215A (zh) * | 2023-05-08 | 2023-08-01 | 保定奥琦圣新型金属材料制造有限公司 | 一种锌铝合金及其制备方法和应用 |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP12302494A patent/JPH07310159A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100543286B1 (ko) * | 2001-12-20 | 2006-01-20 | 주식회사 포스코 | 내식성이 향상된 용융아연도금강판의 제조방법 |
CN116516215A (zh) * | 2023-05-08 | 2023-08-01 | 保定奥琦圣新型金属材料制造有限公司 | 一种锌铝合金及其制备方法和应用 |
CN116516215B (zh) * | 2023-05-08 | 2024-01-30 | 保定奥琦圣新型金属材料制造有限公司 | 一种锌铝合金及其制备方法和应用 |
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