JPH07308533A - 静電気除去フィルター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気を十分除去できる静電気除去フィルタ
ー装置を得る。 【構成】 ガイドパイプ２、同ガイドパイプに沿って内
面が案内装着された筒状フィルター３、ガイドパイプお
よび筒状フィルター間に配置された金網４、ガイドパイ
プに挿入され挿入端が先尖りでかつ複数の針状突起を持
つアース棒６ａを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は潤滑油、作動油等のろ過
に適用される静電気除去フィルター装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来装置は図６に示すように、下部に入
口ノズル７を持つフィルタ胴１と下部に出口ノズル８を
持つ下胴５が、境板９を介して継がれている。境板９上
に複数の穴を持つガイドパイプ３の基端がフィルタ胴１
の軸に平行に取付けられている。またガイドパイプ３に
案内されて、筒状フィルター３が配置されている。下胴
５内には先端が先尖りの棒状のアース電極６が、それぞ
れ、その先端をガイドパイプ３の下端に向けて配置され
ている。

【０００３】以上において、潤滑油や作動油は入口ノズ
ル７からフィルタ胴１内にはいり、フィルター３を経て
ろ過され、ガイドパイプ３内にはいる。そして、ガイド
パイプ３を通り下胴５に出て、アース電極６部を通って
出口ノズル８から流出する。

【０００４】フィルター３で発生した静電気はアース電
極６で部分的に除去される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来装置を連続運
転中、フィルターで発生した静電気がアース電極によっ
ても完全に除去されず、フィルターの二次室内（下胴
５）でスパーク（火花放電）が発生する恐れがあった。
またフィルター装置内で除去されなかった静電気が、油
とともに下流に流れ、エルボや他の機器の澱部で、内部
よりスパークが発生し火災を招く危険性もあった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため次の手段を講ずる。

【０００７】すなわち、静電気除去フィルター装置とし
て、ガイドパイプと、同ガイドパイプに沿って内面が案
内装着された筒状フィルターと、上記ガイドパイプおよ
び筒状フィルター間に配置された金鋼と、上記ガイドパ
イプに挿入され挿入端が先尖りでかつ複数の針状突起を
持つアース棒とを設ける。

【０００８】

【作用】上記手段において、絶縁性流体は、筒状フィル
ター、金網を経てガイドパイプ内にはいる。そしてガイ
ドパイプ内をアース棒方向に流れ、アース棒部を経て流
出する。この過程で、筒状フィルター通過時に発生した
静電気は、フィルター通過後、先ず、金網にて集電され
る。金網にて集電されなかった残りの静電気はアース棒
から集電される。

【０００９】このようにして、絶縁性流体は筒状フィル
ターでろ過されるとともに、静電気も完全に除去されて
排出される。従ってスパーク等の発生の危険性が大幅に
減少する。

【００１０】

【実施例】前記記載の本発明の一実施例を図１〜図５に
より説明する。なお、従来例で説明した部分は、同一の
番号をつけ説明を省略し、この発明に関する部分を主体
に説明する。

【００１１】図１にて、ガイドパイプ２の下端から所定
長のアース棒６ａが、同軸に挿入され、その下端は下胴
５の底板に固定される。アース棒６ａは図３に示すよう
に、挿入端Ａが先尖りで、周囲に複数の針状突起Ｂが、
軸に直交する方向に、かつ軸に沿い交互に突起軸を９０
°ずらせて設けられている。

【００１２】ガイドパイプ２部の詳細を図２に示す。下
端部に上部に筒を持つ下部フランジ１１が同軸に配置さ
れ、溶接されている。また上端には中央上方に軸１３を
持つふた１２が取付けられ、軸に同軸に上部フランジ１
４が配置されている。これら下部フランジ１１と上部フ
ランジ１４間に筒形のフィルター３が配置されている。
さらに下部および上部フランジ１１、１４間のガイドパ
イプ２の外側面上に、筒形の金網４が同軸に配置されて
いる。

【００１３】以上において、潤滑油または作動油は、筒
状フィルター３、金網４を経てガイドパイプ２内にはい
る。そしてガイドパイプ内をアース棒（電極）６ａ方向
に流れ、アース棒部を経て、ガイドパイプ２の下端から
流出する。この過程で、筒状フィルター３通過時に発生
した静電気は、フィルター通過後、先ず、金網４にて集
電される。金網にて集電されなかった残りの静電気はア
ース棒６ａから集電される。

【００１４】このようにして、潤滑油は筒状フィルター
３でろ過されるとともに、静電気も完全に除去されて排
出される。従ってスパーク等の発生の危険性が大幅に減
少する。

【００１５】以上の構成は、次のような８ケースの実験
にもとずき、決定されたものである。 ケース（１）…アース電極なしの配置。 ケース（２）…従来装置、すなわち先尖電極でガイドパ
イプ出口の直下に先端を配置。 ケース（３）…先端が避雷針のようになっており、軸端
及び４５°方向上向きに３本、計４本の針を有するアー
ス電極で、ガイドパイプ下端部に２４０mm挿入する。 ケース（４）…先尖の棒に５０mmピッチで９０°ずらし
て１４ケの針状突起をつけたアース電極で、ガイドパイ
プ下端部に３５０mm挿入する。 ケース（５）…５０mmピッチで９０°ずらして針状突起
をつけたアース電極で、ガイドパイプの全長に挿入す
る。 ケース（６）…従来型で、図４に示すように、φ２０の
鉄棒に振れ止め用のフラットバー１５を溶接したもの。 ケース（７）…ケース（２）のアース電極に、図５に示
すように、２０メッシュの金網１６を、出口ノズル上端
および下端の位置に延長面がくるよう２枚取付けたも
の。 ケース（８）…ガイドパイプとフィルターの間に、２０
メッシュの金網を入れたもの。

【００１６】実験はフィルターを通過する油の流量、温
度調整をそれぞれに行った後、下胴内の電位測定、アー
ス電流値によるアース電極の性能及び金網による除電性
能をテストした。その結果次のような結論がえられた。 アース電極はなるべく長い方が良い。 針状突起を有するもの、またはフラットバーを取付
けたものは効果が大きい。又針状突起は数が多い方がよ
い。 金網をフィルターとガイドパイプとの間に入れると
効果は十分ある。

【００１７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、フィルターで発生した静電気は金網およびアース棒
により完全に除電され、静電気によるスパーク現象を回
避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の部分断面図である。

【図２】同実施例のガイドパイプ部の詳細断面図であ
る。

【図３】同実施例のアース棒の詳細側面図である。

【図４】同実施例の説明図である。

【図５】同実施例の説明図である。

【図６】従来例の部分断面図である。

【符号の説明】

２ ガイドパイプ ３ フィルターエレメント ４ 円筒状金網 ６ａ 静電気アース棒（電極）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドパイプと、同ガイドパイプに沿っ
   て内面が案内装着された筒状フィルターと、上記ガイド
   パイプおよび筒状フィルター間に配置された金網と、上
   記ガイドパイプに挿入され挿入端が先尖りでかつ複数の
   針状突起を持つアース棒とを備えてなることを特徴とす
   る静電気除去フィルター装置。