JPH07306258A - レーダ信号処理装置 - Google Patents

レーダ信号処理装置

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JPH07306258A
JPH07306258A JP6098614A JP9861494A JPH07306258A JP H07306258 A JPH07306258 A JP H07306258A JP 6098614 A JP6098614 A JP 6098614A JP 9861494 A JP9861494 A JP 9861494A JP H07306258 A JPH07306258 A JP H07306258A
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antenna element
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antenna
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range bin
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智恵子 那須
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 DBF(Digital Beam For
ming)技術を用いた捜索または追尾レーダにおい
て、任意のレンジビン数に対しリアルタイムにアンテナ
ビームを形成することを目的とする。 【構成】 アンテナ素子1と、前処理2、FIFOメモ
リ3およびFIFOメモリ制御部4より構成されるアン
テナ素子データ前処理部5と、スイッチングネットワー
ク部A 6と、演算素子7、係数発生部8および3ステ
ートバッファ9より構成されるアンテナビーム形成部1
0と、制御部11より構成される。 【効果】 PRI内の任意の処理レンジビン数に対し、
コーナーターン処理を施しリアルタイムにアンテナビー
ムを形成することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はDBF(Digita
l Beam Forming)技術を用いてリアルタ
イムにアンテナビームを形成する必要のある捜索または
追尾レーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14および図16に従来の捜索または
追尾レーダにおけるレーダ信号処理装置の構成図を2つ
示す。まず図14において、1はアンテナ素子、2は前
処理、17はレジスタA、18は3ステートバッファ、
19は前処理2およびレジスタA 17ならびに3ステ
ートバッファ18より構成されるアンテナ素子データ前
処理部、7はアンテナビームを形成する演算素子、8は
アンテナビーム形成のための係数発生部、20はレジス
タB、21は演算素子7および係数発生部8ならびにレ
ジスタB 20より構成されるアンテナビーム形成部、
11は制御部である。
【0003】図14のように構成された従来のレーダ信
号処理装置における処理のタイムチャートを図15に示
す。ここでアンテナ素子数をN、レンジビン幅をτとす
る。レンジビンT1におけるアンテナ素子#1、#2、
……、#Nの受信データをD11、D21、……、DN
1 、レンジビンT2におけるアンテナ素子#1、#2、
……、#Nの受信データをD12、D22、……、DN
2 、以下同様にレンジビンTjにおけるアンテナ素子#
i(i=1、2、……、N)の受信データをDijと表
示する。図15(a)に示すようにアンテナ素子毎の各
レンジビンの受信データは前処理2において前段処理を
施された後各アンテナ素子データ前処理部19のレジス
タA 17に同時に保持され、かつレンジビン幅τ毎に
レンジビンデータが更新される。図14に示すようにN
個のアンテナ素子データ前処理部19の出力データは一
つのデータパス上に出力されるため、データが競合しな
いように制御部11が各アンテナ素子データ前処理部1
9内の3ステートバッファ18の出力ゲート信号を制御
する。その様子を図15(b)に示す。制御部11は幅
(τ/N)の出力ゲート信号をレンジビン幅τ内にN
個、アンテナ素子データ前処理部19 #1〜#Nに対
し順に発生する。その結果アンテナビーム形成部21に
入力されるデータ列は図15(c)のようになる。アン
テナビーム形成部21ではレンジビン毎にアンテナ素子
順に入力されるこれらのデータに対し次式に示す演算を
行い、アンテナビームデータを算出する。
【0004】
【数1】
【0005】算出されたアンテナビームデータはアンテ
ナビーム形成部21のレジスタB20にレンジビン毎に
保持され、これがアンテナビームデータとして装置の外
部に出力される。この様子を図15(d)に示す。
【0006】また図16において、1および2は図14
と同様、22はメモリA、23はメモリB、24はメモ
リ制御部、25は前処理2およびメモリA 22、メモ
リB23ならびにメモリ制御部24により構成されるア
ンテナ素子データ前処理部、6はスイッチングネットワ
ーク部A、7および8ならびに20は図14と同様、9
は3ステートバッファ、26は演算素子7、係数発生部
8、レジスタB 20および3ステートバッファ9より
構成されるアンテナビーム形成部、11は制御部であ
る。
【0007】図17はスイッチングネットワーク部A
6の構成図である。図において12は3ステートバッフ
ァ、13はセレクタである。
【0008】図16のように構成された従来のレーダ信
号処理装置における処理のタイムチャートを図18〜図
22に示す。ここでアンテナ素子数をN、アンテナビー
ム形成部の並列数すなわち演算素子数をM、レンジビン
幅をτとする。図15と同様にレンジビンTjにおける
アンテナ素子#i(i=1、2、……、N)の受信デー
タをDijと表示する。各アンテナ素子1で受信した信
号は前処理2で前段処理を施された後出力される。各ア
ンテナ素子データ前処理部25には2つのメモリA 2
2およびメモリB 23が存在し、前処理済みの最初の
Mレンジビンのアンテナ素子データは各アンテナ素子デ
ータ前処理部25のメモリA 22に書き込まれる。次
にメモリA 22からメモリB 23にアンテナ素子デ
ータの入力が切換わり、続くMレンジビンのアンテナ素
子データがメモリB 23に書き込まれる。この様子を
図18に示す。メモリB 23にアンテナ素子データが
書き込まれると同時に最初にメモリA 22に書込まれ
たMレンジビンのアンテナ素子データが読み出される。
この様子を図19に示す。以下同様にMレンジビン毎に
この動作を繰り返す。メモリ制御部24はメモリA 2
2およびメモリB23の入出力の切換え、メモリA 2
2およびメモリB 23への書き込み、読み出しに必要
なアドレスおよび制御信号を発生し両メモリを制御す
る。
【0009】ここで重要な点は各アンテナ素子データ前
処理部25のメモリA 22またはメモリB 23より
読み出すアンテナ素子データのレンジビンの潤である。
そのためにまず各アンテナ素子1に対応したアンテナ素
子データ前処理部25を次式に示す数値K毎にグループ
化し、同一時刻に読み出すレンジビンがグループ間で重
複しないように制御する必要がある。
【0010】
【数2】
【0011】例えば、図19ではアンテナ素子データ前
処理部#1〜#Kについてはレンジビン1、2、……、
Mの順に読み出されるが、アンテナ素子データ前処理部
#(K+1)〜#2KについてはレンジビンM、1、
2、……、(M−1)の順に読み出される。以下同様に
読み出すレンジビンが一つずつずれていき、アンテナ素
子データ前処理部#(N−K+1)〜#Nについてはレ
ンジビン2、……、M、1の順に読み出される。この動
作をMレンジビン毎にメモリA 22またはメモリB
23に切換えて繰り返す。
【0012】アンテナ素子データ前処理部25より読み
出されたアンテナ素子データは図17に示すように3ス
テートバッファ12を介してグループ毎に1つのデータ
パス上に出力され、セレクタ13のAポートの一つに入
力される。1つのグループ内における3ステートバッフ
ァ12はデータが競合しないように制御部11より出力
される入力ゲート信号により制御される。その様子を示
す図が図20である。図20(a)に示すように例えば
アンテナ素子データ前処理部#1〜#Kのグループにつ
いて幅(τ/K)の入力ゲート信号が制御部11より順
に出力される。この入力ゲート信号は全グループに共通
である。その結果、3ステートバッファ12を介してセ
レクタ13のAポートに入力されるデータは図20
(b)に示すようになる。例えばポートA1のレンジビ
ンT1についてはD11、D21、D31、……、D
(K-11 、DK1 の順にアンテナ素子データが入力さ
れる。こうして入力されたアンテナ素子データはセレク
タ13の論理回路によりコーナーターン処理と称する並
び変えが行われセレクタ13の出力ポートB1〜BMよ
り出力される。コーナーターン処理とはアンテナ素子毎
のレンジビンデータ列をレンジビン毎のアンテナ素子デ
ータ列に並び換える処理である。この処理のためには制
御部11より出力されるセレクタ制御信号C1〜CLが
必要である。セレクタ制御信号C1〜CLはちょうどレ
ンジビン番号のMによる剰余を2進数表現したものであ
る。これを図21(a)に示す。セレクタ制御信号C1
〜CLによりセレクタ13は次式に示す論理に従いアン
テナ素子データの並べ換えを行う。
【0013】
【数3】
【0014】こうしてセレクタ13の出力ポートB1〜
BMからは図21(b)に示すようにMレンジビンにつ
いてそれぞれN素子分のアンテナ素子データが出力さ
れ、アンテナビーム形成部26 #1〜#Mに入力され
る。各アンテナビーム形成部26における演算素子7で
はこのデータに対し係数発生部8が発生する係数を用い
て数1に従いアンテナビームを算出する。演算素子7で
算出したデータは(τ×M)間隔でレジスタB 20に
保持される。その様子を図22(a)に示す。各アンテ
ナビーム形成部26のレジスタB 20に保持されたア
ンテナビームデータは3ステートバッファ9を介して一
つのデータパス上に出力され装置の外部に出力される。
Mレンジビンのアンテナビームデータが競合しないよう
に制御部11は3ステートバッファ9の出力ゲート信号
を制御する。その様子を図22(b)に示す。その結
果、図22(c)に示すように装置の外部にはレンジビ
ンτ間隔で各レンジビンのアンテナビームデータが出力
される。このスイッチングネットワーク部A 6におけ
るコーナーターン処理からアンテナビームデータが出力
されるまでの処理についてもメモリA 22およびメモ
リB 23への書き込み、読み出しと同様Mレンジビン
毎に繰り返される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図14のように構成さ
れた従来のレーダ信号処理装置では動作原理的には可能
であっても実際に装置を構築しようとする場合、ボトル
ネックとなる点が2点上げられる。まず第一は、アンテ
ナ素子データ前処理部19からアンテナビーム形成部2
1にアンテナ素子データを転送する速度、すなわちデー
タレート(τ/N)である。レンジビン幅τを小さくし
レーダのレンジ分解能を上げようとする場合、あるいは
アンテナ素子数Nを増やしレーダのビーム方向の分解能
を上げようとする場合この方式ではアンテナ素子データ
の転送速度が限界に達し、装置を構築することが不可能
となる場合が生じる。第二は、アンテナビーム形成部2
1における演算素子7の演算速度である。この方式では
1レンジビン当たりのアンテナビーム形成に許容される
時間はレンジビン幅τである。アンテナ素子数Nが増大
するに従い演算速度が限界に達し装置を構築することが
不可能となる場合が生じる。
【0016】これらの限界に対するブレークスルーとし
て次に考えられるのが図16の構成である。図16のよ
うに構成された従来のレーダ信号処理装置では図14に
示す従来のレーダ信号処理装置と比較し、アンテナ素子
データ前処理部25からアンテナビーム形成部26にア
ンテナ素子データを転送する速度が(1/M)倍に低減
可能であり、かつアンテナビーム形成部26における演
算素子7の演算速度も(1/M)倍に低減可能である。
しかし、この構成ではアンテナビームの形成が可能であ
るのがレーダにおけるPRI(Pulse Repet
ition Interval)と呼ばれるタイミング
内の処理レンジビン数がMの整数倍の場合に限られる。
【0017】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、任意の処理レンジビン数のレーダ
においてリアルタイムにアンテナビームを形成すること
を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係るレーダ信
号処理装置は、アンテナ素子データ前処理部毎にFIF
O(First In First Out)メモリを
設けるとともに、グループ化したアンテナ素子毎のレン
ジビンデータ列に対しコーナーターン処理を行なうもの
である。
【0019】
【作用】この発明におけるレーダ信号処理装置は、各ア
ンテナビーム形成部に入力される1レンジビンのアンテ
ナ素子データ列がレンジビン毎にタイミングをずらして
入力されるように作用する。
【0020】
【実施例】
実施例1 図1はこの発明による一実施例の全体構成図である。こ
の図において1、2、6〜9および11は図16と同
様、3はFIFOメモリ、4はFIFOメモリ制御部、
5は前処理2およびFIFOメモリ3ならびにFIFO
メモリ制御部4より構成されるアンテナ素子データ前処
理部、10は演算素子7および係数発生部8ならびに3
ステートバッファ9より構成されるアンテナビーム形成
部である。また、図2にスイッチングネットワーク部A
6の構成を示す。この構成は図17と同様である。
【0021】図1のように構成されたレーダ信号処理装
置における処理のタイムチャートを図3〜7に示す。こ
こでアンテナ素子数をN、アンテナビーム形成部の並列
数すなわち演算素子数をM、レンジビン幅をτ、PRI
内の処理レンジビン数をXとする。図15と同様にレン
ジビンTjにおけるアンテナ素子#i(i=1、2、…
…、N)の受信データをDijと表示する。各アンテナ
素子1で受信した信号は前処理2で前段処理を施された
後出力される。各アンテナ素子データ前処理部5にはF
IFOメモリ3が存在し、前処理済みのアンテナ素子デ
ータが処理レンジビン数X分FIFOメモリ3に書込ま
れる。この様子を図3に示す。図3(a)が各アンテナ
素子1に対応したアンテナ素子データ前処理部5におけ
るFIFOメモリ3への入力データを示す。この入力に
応じ、FIFOメモリ制御部4がFIFOメモリ3に対
し図3(b)に示すようなFIFOメモリ3への書込み
パルスを出力することにより、FIFOメモリ3には図
3(c)に示すようなアンテナ素子毎の1PRI分のレ
ンジビンデータ列が書き込まれる。
【0022】次に、書き込んだアンテナ素子データを読
み出す様子を図4に示す。例えばアンテナ素子1 #1
について言えば、アンテナ素子データ前処理部5 #1
内のFIFOメモリ制御部4が図4中最上段に示す読み
出しパルスをFIFOメモリ3に対し処理レンジビン数
分すなわち1PRIにつきX回出力することにより、ア
ンテナ素子1 #1の受信データがD11、D12、D
13、……、D1Xの潤で読み出される。このとき図1
6に示した従来のレーダ信号処理装置の場合と同様にア
ンテナ素子1は数2で示した数値Kでグループ化されて
おり、アンテナ素子データ前処理部5 #2〜#Kにつ
いてもアンテナ素子データ前処理部5#1と同一のタイ
ミングと同一のデータ順でアンテナ素子データが読み出
される。
【0023】しかし次のアンテナ素子のグループ、すな
わちアンテナ素子データ前処理部5#(K+1)〜#2
Kについては、図4に示すように読出しタイミングが1
レンジビン遅れる。以下同様にグループ毎に1レンジビ
ンずつ読出しタイミングがずれていき、アンテナ素子デ
ータ前処理部5 #(N−K+1)〜#Nについては
(M−1)レンジビンだけ読出しタイミングが遅れる。
【0024】このようにして読み出されたデータは図1
6に示した従来のレーダ信号処理装置と同様に、スイッ
チングネットワーク部A 6内の3ステートバッファ1
2を介してグループ毎に1つのデータパス上に出力さ
れ、セレクタ13のAポートの一つに入力される。1つ
のグループ内における3ステートバッファ12はデータ
が競合しないように制御部11より出力される入力ゲー
ト信号により制御される。その様子を示す図が図5であ
る。図5の上段に示すように例えばアンテナ素子データ
前処理部#1〜#Kのグループについて幅(τ/K)の
入力ゲート信号が制御部11より順に出力される。その
結果、3ステートバッファ12を介してセレクタ13の
A1ポートに入力されるデータは図5に示すようにD1
1、D21、D31、……、D(K-11 、DK1 の順
に入力される。
【0025】次のアンテナ素子のグループ、すなわちア
ンテナ素子データ前処理部5 #(K+1)〜#2Kに
ついてもアンテナ素子データ前処理部5 #1〜#Kと
同様にレンジビンデータ列が1つのデータパスとしてセ
レクタ13の入力ポートA2に入力されるが、先に述べ
たようにアンテナ素子データ前処理部5より読み出され
るデータのタイミングが1レンジビン遅れるためにこれ
に呼応して制御部11よりスイッチングネットワーク部
A 6に対し出力される入力ゲート信号のタイミングが
遅れ、セレクタ13のA2ポートに入力されるデータの
タイミングは図5に示すように1レンジビン遅れる。以
下同様にグループ毎にセレクタ13のAポートへの入力
タイミングは1レンジビンずつずれていき、アンテナ素
子データ前処理部5 #(N−K+1)〜#Nについて
は(M−1)レンジビンだけ入力タイミングが遅れる。
【0026】このようにセレクタ13の入力ポートA1
〜AMに入力されたデータはセレクタ13の論理回路に
よりコーナーターン処理と称する並び換えが行なわれセ
レクタ13の出力ポートB1〜BMより出力される。こ
の処理のために制御部11より出力されるセレクタ制御
信号C1〜CLが必要である。セレクタ13の論理内容
およびセレクタ制御信号C1〜CLについては図16に
示す従来のレーダ信号処理装置と同様である。
【0027】しかしこのようにしてセレクタ13のポー
トB1〜BMから出力されるデータの順およびタイミン
グは図16に構成を示した従来のレーダ信号処理装置の
タイムチャート図21(b)とは異なり、図6のように
なる。すなわち、各アンテナビーム形成部10に入力さ
れる1レンジビンのアンテナ素子データ列はアンテナ素
子順であり、各アンテナビーム形成部10への入力タイ
ミングは1レンジビンずつ遅れる。
【0028】各アンテナビーム形成部10の演算素子7
では入力データに対し係数発生部8が発生する係数を用
いて数1に従いアンテナビームを演出する。その様子を
図7(a)に示す。各アンテナビーム形成部10で算出
されたアンテナビームデータは3ステートバッファ9を
介して一つのデータパス上に出力され装置の外部に出力
される。各アンテナビーム形成部10より出力されるデ
ータが競合しないように制御部11が各3ステートバッ
ファ9の出力ゲート信号を制御する。その様子を図7
(b)に示す。その結果、図7(c)に示すように装置
の外部にはレンジビンτ間隔で各レンジビンのアンテナ
ビームデータが出力される。これらの動作がXレンジビ
ン毎に、すなわちPRI毎に繰り返される。
【0029】実施例2 図8はこの発明による一実施例の全体構成図である。こ
の図において、1〜4および7〜11は図1と同様、1
4は3ステートバッファ、15は前処理2、3ステート
バッファ14、FIFOメモリ3およびFIFOメモリ
制御部4より構成されるアンテナ素子データ前処理部、
16はスイッチングネットワーク部Bである。
【0030】また図9はスイッチングネットワーク部B
16の構成図であり、図中13は図2と同様である。
【0031】図8のように構成されたレーダ信号処理装
置における処理のタイムチャートを図10〜13に示
す。ここでアンテナ素子数をN、アンテナビーム形成部
の並列数すなわち演算素子数をM、レンジビン幅をτ、
PRI内の処理レンジビン数をXとする。図15と同様
にレンジビンTjにおけるアンテナ素子#i(i=1、
2、……、N)のデータをDijと表示する。各アンテ
ナ素子1で受信した信号は前処理2で前段処理を施され
た後出力される。アンテナ素子1は図16に示した従来
のレーダ信号処理装置の場合と同様に数2で示した数値
Kでグループ化される。グループ毎に前処理2の出力デ
ータが3ステートバッファ14を介して1つのデータパ
ス上に出力され、FIFOメモリ3に書込まれる。1つ
のグループ内における3ステートバッファ14はデータ
が競合しないように制御部11より出力される入力ゲー
ト信号により制御される。FIFOメモリ3への書込み
はFIFOメモリ制御部4からFIFOメモリ3に対し
出力される書込みパルスにより行なわれる。この様子を
示す図が図10である。各アンテナ素子1に対する前処
理2の出力データが図10(a)の通りであるとする。
制御部11より出力される3ステートバッファ14に対
する入力ゲート信号を図10(b)に示す。図はアンテ
ナ素子データ前処理部15 #1の場合であり、幅(τ
/K)の入力ゲート信号がアンテナ素子1 #1〜#K
の出力バッファ14に対し順に出力される。アンテナ素
子データ前処理部15 #2〜#Mについても入力ゲー
ト信号は共通である。また、FIFOメモリ制御部4が
出力するFIFOメモリの書込みパルスは図10(c)
の通りであり、1レンジビン内にK回、1PRI内に
(K×X)回出力される。このFIFOメモリの書込み
パルスはアンテナ素子データ前処理部15 #1〜#M
において同様である。その結果、各アンテナ素子データ
前処理部15内のFIFOメモリ3へ書込まれるデータ
は図10(d)のようになる。例えば、レンジビンT1
においてアンテナ素子データ前処理部15 #1のFI
FOメモリ3にはD11、D21、D31、……、DK
1 のデータがこの順で書込まれる。
【0032】このようにしてFIFOメモリ3に書込ま
れたアンテナ素子データは図11のタイムチャートに従
い読み出される。例えば、アンテナ素子データ前処理部
15#1のFIFOメモリ3からは各レンジビンにおい
てアンテナ素子1 #1〜#Kの順にデータが読み出さ
れる。そのためにFIFOメモリ制御部4から(τ/
K)間隔でFIFOメモリ読出しパルスがFIFOメモ
リ3に対し出力される。アンテナ素子データ前処理部1
5 #2のFIFOメモリ3についてもアンテナ素子1
#(K+1)〜#2Kのデータが順に読み出されるが
その読み出すタイミングはアンテナ素子データ前処理部
15 #1に対し1レンジビン遅れる。以下同様にアン
テナ素子データ前処理部15毎に読み出すタイミングが
1レンジビンずつ遅れ、アンテナ素子データ前処理部1
5 #Mでは(M−1)レンジビン遅れる。
【0033】読み出されたデータはスイッチングネット
ワーク部B16のセレクタ13の入力ポートA1〜AM
に入力される。セレクタ13の論理回路によりコーナー
ターン処理と称する並び換えが行なわれ、その結果はセ
レクタ13の出力ポートB1〜BMより出力される。こ
の処理のためにはさらに制御部11よりセレクタ制御信
号C1〜CLが必要である。セレクタ13の論理内容お
よびセレクタ制御信号C1〜CLについては図16に示
す従来のレーダ信号処理装置と同様である。
【0034】しかしこのようにしてセレクタ13のポー
トB1〜BMから出力されるデータの順およびタイミン
グは図16に構成を示した従来のレーダ信号処理装置の
タイムチャート図21(b)とは異なり、図12のよう
になる。すなわち、各アンテナビーム形成部10に入力
される1レンジビンのアンテナ素子データ列はアンテナ
素子順であり、各アンテナビーム形成部10への入力タ
イミングは1レンジビンずつ遅れる。
【0035】各アンテナビーム形成部10の演算素子7
では入力データに対し係数発生部8が発生する係数を用
いて数1に従いアンテナビームを算出する。その様子を
図13(a)に示す。各アンテナビーム形成部10で算
出されたアンテナビームデータは3ステートバッファ9
を介して一つのデータパス上に出力され装置の外部に出
力される。各アンテナビーム形成部10より出力される
データが競合しないように制御部11が3ステートバッ
ファ9の出力ゲート信号を制御する。その様子を図13
(b)に示す。その結果、図13(c)に示すように装
置の外部にはレンジビンτ間隔で各レンジビンのアンテ
ナビームデータが出力される。
【0036】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、PRIにおける処理レンジビン数が任意の
場合についてリアルタイムにアンテナビームを形成する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるレーダ信号処理装置
の構成図である。
【図2】この発明の実施例1におけるスイッチングネッ
トワーク部Aの構成図である。
【図3】この発明の実施例1を示すFIFOメモリへの
書込みタイムチャートである。
【図4】この発明の実施例1を示すFIFOメモリから
の読出しタイムチャートである。
【図5】この発明の実施例1を示すセレクタへの入力デ
ータのタイムチャートである。
【図6】この発明の実施例1を示すアンテナビーム形成
部への入力データのタイムチャートである。
【図7】この発明の実施例1を示すアンテナビーム形成
部および装置全体としての出力データのタイムチャート
である。
【図8】この発明の実施例2によるレーダ信号処理装置
の構成図である。
【図9】この発明の実施例2におけるスイッチングネッ
トワーク部Bの構成図である。
【図10】この発明の実施例2を示すFIFOメモリへ
の書込みタイムチャートである。
【図11】この発明の実施例2を示すFIFOメモリか
らの読出しタイムチャートである。
【図12】この発明の実施例2を示すアンテナビーム形
成部への入力データのタイムチャートである。
【図13】この発明の実施例2を示すアンテナビーム形
成部および装置全体としての出力データのタイムチャー
トである。
【図14】従来のレーダ信号処理装置の一構成図であ
る。
【図15】図14によるレーダ信号処理装置のタイムチ
ャートである。
【図16】従来のレーダ信号処理装置の一構成図であ
る。
【図17】図16によるレーダ信号処理装置におけるス
イッチングネットワーク部Aの構成図である。
【図18】図16によるレーダ信号処理装置におけるメ
モリ入力データのタイムチャートである。
【図19】図16によるレーダ信号処理装置におけるメ
モリ出力データのタイムチャートである。
【図20】図16によるレーダ信号処理装置におけるセ
レクタへの入力データのタイムチャートである。
【図21】図16によるレーダ信号処理装置におけるセ
レクタからの出力データのタイムチャートである。
【図22】図16によるレーダ信号処理装置におけるア
ンテナビーム形成部および装置全体としての出力データ
のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ素子 2 前処理 3 FIFOメモリ 4 FIFOメモリ制御部 5 アンテナ素子データ前処理部 6 スイッチングネットワーク部A 7 演算素子 8 係数発生部 9 3ステートバッファ 10 アンテナビーム形成部 11 制御部 12 3 ステートバッファ 13 セレクタ 14 3ステートバッファ 15 アンテナ素子データ前処理部 16 スイッチングネットワーク部B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捜索または追尾レーダにおいて目標から
    の発信波または反射波を受信するアンテナ素子と、アン
    テナ素子毎に受信したデータに対し前段処理を行うアン
    テナ素子データ前処理部と、アンテナ素子毎のレンジビ
    ンデータ列をレンジビン毎のアンテナ素子データ列に並
    び換えるコーナーターン処理と称する処理を行うスイッ
    チングネットワーク部と、レンジビン毎にアンテナビー
    ムを形成し3ステートバッファを介して外部に出力する
    アンテナビーム形成部と、装置全体を制御する制御部と
    を備え、任意の処理レンジビン数の場合についてリアル
    タイムにアンテナビームを形成できるようにしたことを
    特徴とするレーダ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記のアンテナ素子データ前処理部はア
    ンテナ素子毎にFIFO(First In Firs
    t Out)メモリを備え、全アンテナ素子について同
    時に書き込んだレンジビンデータをアンテナ素子毎にず
    らして読み出すことを特徴とする請求項1記載のレーダ
    信号処理装置。
  3. 【請求項3】 上記のスイッチングネットワーク部は上
    記アンテナ素子データ前処理部の出力データに対する3
    ステートバッファとセレクタとを備え、任意の処理レン
    ジビン数の場合についてコーナーターン処理を可能とす
    ることを特徴とする請求項1記載のレーダ信号処理装
    置。
  4. 【請求項4】 上記のアンテナ素子データ前処理部は各
    アンテナ素子の受信データに対する3ステートバッファ
    とFIFOメモリとを備え、全アンテナ素子について同
    一レンジで書き込んだレンジビンデータをアンテナ素子
    毎にずらして読み出すことを特徴とする請求項1記載の
    レーダ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 上記のスイッチングネットワーク部はセ
    レクタを備え、任意の処理レンジビン数の場合について
    コーナーターン処理を可能とすることを特徴とする請求
    項1記載のレーダ信号処理装置。
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