JPH07306040A - 変位計 - Google Patents

変位計

Info

Publication number
JPH07306040A
JPH07306040A JP9718594A JP9718594A JPH07306040A JP H07306040 A JPH07306040 A JP H07306040A JP 9718594 A JP9718594 A JP 9718594A JP 9718594 A JP9718594 A JP 9718594A JP H07306040 A JPH07306040 A JP H07306040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
measurement
tank
amount
constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9718594A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Yamaga
一徳 山賀
Keiichi Nishida
恵一 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO SOKKI KENKYUSHO KK
Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
Original Assignee
TOKYO SOKKI KENKYUSHO KK
Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO SOKKI KENKYUSHO KK, Tokyo Sokki Kenkyujo Co Ltd filed Critical TOKYO SOKKI KENKYUSHO KK
Priority to JP9718594A priority Critical patent/JPH07306040A/ja
Publication of JPH07306040A publication Critical patent/JPH07306040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造物の一つ又は複数の測定箇所の上下の変位
量を水盛りの原理を基礎として測定する場合に各測定箇
所に測定用の液体を流しつつ液体の凍結や、各測定箇所
等における温度むら、ひいては密度むらを防止すること
ができ、それにより上下の変位量を精度よく測定するこ
とができる変位計を提供する。 【構成】回収槽15に収容した基準液槽1,2を一定高
さの基準箇所13に設置し、基準液槽1,2に両端部を
連通・接続した液体流通管3を構造物の測定箇所9〜1
1を経由して配管する。基準液槽1の液面は基準液槽2
の液面よりも一定の高さだけ高くなるように、ポンプ1
4により液体を基準液槽1に給液する。各測定箇所9〜
11において、液体流通管3に圧力計16〜18を介装
して圧力を測定し、その圧力の変化量により上下の変位
量を測定開始時を基準として測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物等の構造物の経
時的な上下の変位量を測定する変位計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の変位計としては、所謂水
盛りの原理を利用して、静水力学的に構造物の任意の測
定箇所の上下の変位量を測定するものが一般に知られて
いる。この変位計においては、上下変位を生じない一定
高さの基準箇所に一定の液面レベルを有する基準液槽が
設けられると共に、該基準液槽から導出した連通管が構
造物の一つ又は複数の測定箇所を経由して配管される。
そして、各測定箇所において、連通管は構造物と一体的
に上下変位可能に取付けられ、また、連通管に連通する
液柱管が構造物に固定的に立設され、あるいは、連通管
内の液圧を検出するための圧力計が連通管に接続されて
構造物に固設される。
【0003】このような構成の変位計によれば、構造物
の各測定箇所が経時的に上下に変位すると、各測定箇所
における前記液柱管内の液体の液位あるいは前記連通管
内の液圧が設置当初の液位あるいは液圧に対して、構造
物の測定箇所が当初の高さに対して上下に変位した分だ
け変化する。このため、変位計の設置当初の各測定箇所
における前記液柱管内の液体の液位あるいは前記連通管
内の液圧を基準として該液位の変化量あるいは液圧の変
化量を測定することで、構造物の測定箇所の上下の変位
量が測定される。
【0004】しかしながら、従来のこの種の変位計にあ
っては、基準液槽と各測定箇所との間、あるいは、各測
定箇所間での液体の流通はほとんどなく、前記連通管内
等の液体は基本的には静水状態であるために次のような
不都合があった。
【0005】すなわち、この種の変位計においては一般
に多量の液体を必要とするため、通常は、安価でまた容
易に入手可能な水が使用され、このように水を使用した
場合には、気温の低い環境下で凍結し、測定を行うこと
ができなくなる。そこで、このような凍結を防止するた
めに、使用する水に不凍液を混入することがあるが、こ
のような不凍液を混入すると、水の流通がほとんどない
ために、時間の経過に従って、連通管内等の各所におけ
る液体の密度が不均一なものとなり易い。ところが、上
記のような変位計にあっては、基準液槽や連通管の各所
における液体の密度は、各測定箇所における液位や液圧
に影響を及ぼし、各測定箇所の上下変位が生じていなく
とも、液体の密度が変化すると、液位や液圧が変化す
る。従って、このような場合には、各測定箇所の上下変
位量を精度よく測定することができない。
【0006】また、この種の変位計にあっては、一般に
は基準液槽や各測定箇所は相互に離間した異なる環境下
にあるため、それらの箇所で液体の温度が同一とはなら
ない場合が多々ある。そして、このような場合には、基
準液槽や連通管の各所における液体の密度に差異を生じ
るため、上記の場合と同様に各測定箇所の上下変位量を
精度よく測定することができなくなると共に、各測定箇
所で変位量の測定値の精度が相互にばらつきを生じる。
【0007】このような不都合を解消するものとして、
例えば特開昭61−95209号公報に開示されている
ものが知られており、このものにおいては、測定を行う
毎に、基準液槽や測定液槽(液柱管)に貯液槽から液体
を供給し、測定が終了すると、基準液槽や測定液槽から
液体を貯液槽に廃液するようにしている。
【0008】しかしながら、このようなものにおいて
は、測定時に基準液槽や測定液槽等の各所における温度
むらを少ないものとして密度を比較的均一なものとする
ことが可能であるものの、廃液設備等が必要となって、
装置構成が大型化する。また、特に測定箇所が多い場合
には、基準液槽や各測定液槽に液体を供給し、さらに液
面レベルが安定するまで時間がかかると共に、その間は
測定を行うことはできず、一回の測定に際して多大な時
間を要してしまうという不都合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような変
位計の改良を目的とし、構造物の一つ又は複数の測定箇
所の上下の変位量を水盛りの原理を基礎として測定する
場合に各測定箇所に測定用の液体を流しつつ液体の凍結
や、各測定箇所等における温度むら、ひいては密度むら
を防止することができ、それにより上下の変位量を精度
よく測定することができ、しかも構成を簡単なものとす
ることができる変位計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は種々
の検討を行った結果、従来の変位計において、構造物の
測定箇所を経由して配管された液体流通管(連通管)に
液体を継続的に流した場合、該測定箇所における液圧に
応じた圧力水頭と流速に応じた速度水頭と高さに応じた
位置水頭との総和である全水頭が時間的に変化せずに一
定であり、しかも、該測定箇所における流速が時間的に
変化せずに一定であれば、該測定箇所における液体の液
圧は、該測定箇所の高さにのみ依存し、従って、該測定
箇所における液圧の変化量を測定することで、あるい
は、該測定箇所において液体流通管に連通して立設した
液柱管における液位の変化量を測定することで、該測定
箇所の上下の変位量を測定することが可能であると知見
した。また、測定に際して必要な上記の条件は、例えば
液体流通管の両端部にそれぞれ一定高さの基準液槽を連
通・接続すると共に、それらの基準液槽の液面レベルに
一定の高低差を形成することで達成することが可能であ
るということを知見した。
【0011】そこで、本発明はかかる目的を達成するた
めに、構造物の一つ又は複数の測定箇所の上下方向の変
位量を測定する変位計であって、前記各測定箇所を経由
して配管され、該測定箇所において該測定箇所と一体に
上下変位可能に取り付けられた液体流通管と、前記各測
定箇所における前記液体流通管内の液体の全水頭が一定
で、且つ少なくとも該測定箇所における液体流通管内の
液体の流速が一定となるように該液体流通管に液体を流
す液体流通手段と、前記各測定箇所における前記液体流
通管内の液圧の変化量又は前記各測定箇所で前記液体流
通管に連通して立設された液柱管の液位の変化量を測定
開始時を基準として測定し、その測定された液圧の変化
量又は液柱管の液位の変化量を該測定箇所の測定開始時
を基準とした上下の変位量として得る測定手段とを備え
たことを特徴とする。
【0012】さらに、前記液体流通手段は、前記測定箇
所と離間した一定高さの基準箇所で前記液体流通管の一
端部に連通・接続された第1の基準液槽と、該第1の基
準液槽内の液体の液位が一定となるように該第1の基準
液槽から液体をオーバーフローさせつつ該第1の基準液
槽に液体を供給する給液手段と、前記基準箇所又は前記
測定箇所と離間した一定高さの他の基準箇所で前記液体
流通管の他端部に連通・接続され、前記第1の基準液槽
に液体流通管を介して連通された第2の基準液槽とから
成り、該第2の基準液槽は、その内部の液体が前記第1
の基準液槽の液位よりも低い一定の液位でオーバーフロ
ーしつつ前記第1の基準液槽から供給されるよう構成さ
れていることを特徴とする。
【0013】さらに、前記第1の基準液槽及び第2の基
準液槽は、同一の基準箇所に設けられると共に、両基準
液槽からオーバーフローした液体を回収する回収槽に収
容され、前記給液手段は、該回収槽内に回収された液体
を前記第1の基準液槽に供給することを特徴とする。
【0014】また、前記液体流通管を通って流れる液体
の温度を略一定に保持する保温手段を備えたことを特徴
とする。
【0015】
【作用】本発明によれば、構造物の各測定箇所の上下の
変位量を測定するに際して、前記液体流通手段により前
記液体流通管に液体を流し、この時、各測定箇所におけ
る前記液体流通管内の液体の全水頭が一定で、且つ該測
定箇所における液体流通管内の液体の流速が一定となる
ように該液体流通管に液体を流すことで、前述したよう
に各測定箇所における液体の液圧は、該測定箇所の高さ
にのみ依存する。すなわち、該測定箇所における液圧
は、従来の静水圧下における変位計と同様に該測定箇所
が一定の高さに維持されておれば、変化せず、該測定箇
所の高さが上下方向で変位すると、その変位量に応じた
量だけ液圧が変化する。また、この場合、該測定箇所に
おいて、液体流通管に連通させて液柱管を立設すると、
該液柱管における液位は該測定箇所における液圧に応じ
たものとなる。従って、該測定箇所における液体流通管
の液体の液圧の変化量、あるいは、該液体流通管に立設
した液柱管の液位の変化量を測定開始時を基準として測
定すれば、その測定値により、測定箇所の上下の変位量
を測定開始時を基準として測定することが可能となる。
そして、このように測定に際して液体流通管に液体を継
続的に流しておくことで、各測定箇所等における液体の
温度を均一なものとし、ひいては、液体の密度も均一な
ものとすることが可能となり、これにより、変位の測定
精度を高めることが可能となる。また、例えば前記液体
として水を使用した場合には、気温の低い環境下でも該
液体の凍結を防止することが可能となり、さらに、該液
体に不凍液を混入した場合であっても、各測定箇所等に
おける液体の密度を均一なものとすることが可能とな
る。
【0016】上記のような条件でもって、前記液体流通
管に液体を流す前記液体流通手段は、例えば、前記液体
流通管の両端部に連通・接続した前記第1及び第2の基
準液槽と前記給液手段とにより実現される。すなわち、
第1の基準液槽の液位は第2の基準液槽の液位よりも高
いので、第1の基準液槽から第2の基準液槽に前記液体
流通管を通って液体が各測定箇所を経由して流れる。こ
のとき、第1の基準液槽から第2の基準液槽に流れる液
体の単位時間当たりの流量は、液体流通管における液体
の損失水頭(エネルギー損失)の影響を受けるが、該液
体流通管の長さを充分に長くしておくことで、該液体流
通管が各測定箇所において上下に変位しても該損失水頭
は、略一定に維持することが可能で、これにより、流量
を一定に維持することができ、従って、液体流通管の各
所における流速を一定に維持することができる。また、
第1の基準液槽には、その液面(オーバフロー面)が一
定の高さレベルとなるように給液手段により液体が供給
されるので、該液面における位置水頭は一定で、また、
該液面における流速は“0”であるので速度水頭も一定
となる。さらに、該液面における圧力水頭は大気圧に応
じたものとなるのであるが、大気圧の経時的変化は微小
であるので一定と考えることができ、圧力水頭も一定と
なる。従って、第1の基準液槽の液面における全水頭は
一定となる。一方、流体力学におけるベルヌーイの定理
を適用すると、各測定箇所における流体流通管内の液体
の全水頭は、第1の基準液槽の液面における全水頭か
ら、該第1の基準液槽と各測定箇所との間の損失水頭を
差し引いたものとなるのであるが、該損失水頭は、該第
1の基準液槽と測定箇所との間の液体流通管の長さを充
分に長くしておくことで略一定とすることができる。従
って、各測定箇所における全水頭、すなわち、圧力水頭
と速度水頭と位置水頭との総和は、各測定箇所の上下変
位を生じても一定となる。そして、前記したように、各
測定箇所における流速は一定であるので、速度水頭も一
定で、従って、各測定箇所における圧力水頭と位置水頭
との総和が各測定箇所の上下変位を生じても一定とな
る。このため、各測定箇所が上下方向に変位すると、そ
の変位量に応じた分だけ液圧が変化し、これにより、前
述したように、各測定箇所における液圧の変化量、ある
いは各測定箇所に立設した液柱管の液位の変化量によ
り、該測定箇所の上下の変化量が測定されることとな
る。
【0017】この場合、前記両基準液槽は、互いに異な
る箇所に設けてもよいが、特に同一の基準箇所に設けた
ときには、両基準液槽を、それらからオーバーフローし
た液体を回収する回収槽に収容し、該回収槽内に回収さ
れた液体を再び前記第1の基準液槽に供給することが好
ましい。このようにすると、液体は両基準液槽間で循環
することとなり、これにより、液体が効率よく使用され
ると共に、液体流通管や両基準液槽の各所における液体
の温度をより均一なものとして、液体の密度を均一なも
のとすることが可能となる。
【0018】そして、より好ましくは、液体流通管を流
れる液体の温度が一定となるように保温手段を備えるこ
とが好ましい。このようにすることで、液体流通管を流
れる液体の温度を常時一定に保つことができ、液体の密
度をさらに均一的なものとして変位の測定精度を向上さ
せることが可能となる。
【0019】尚、前記のように各測定箇所における全水
頭及び流速を一定とするためには、例えば液体流通管の
下流端部を所定の高さで大気中に開放し、上流端部から
定量ポンプや流量制御弁等を用いて一定流量の液体を液
体流通管に供給するようにしてもよい。また、前記保温
手段は、例えば前記回収槽に設ける。
【0020】
【実施例】まず、本発明の基本原理を図1を参照して説
明する。図1は本発明の基本原理を説明するための説明
図である。
【0021】図1を参照して、1,2は基準液槽、3は
これらの基準液槽1,2を連通・接続する液体流通管で
ある。基準液槽1,2は、その上端面が大気中に開口し
た容器状のもので、それらの基準液槽1,2の下端中央
部に液体流通管3の両端部が連通・接続されている。
【0022】ここで、基準液槽1,2は、それぞれ経時
的な上下変位を生じない一定高さの基準箇所4,5に垂
直姿勢で固定的に設置されている。また、基準液槽2
は、その水平な上端開口面が基準液槽1の水平な上端開
口面よりも所定の高さZ0だけ低い位置となるように設
けられている。そして、基準液槽1,2や、これらを連
通する液体流通管3には水等の液体が充填されている。
この場合、基準液槽1には、その内部の液体の液面レベ
ルが該基準液槽1の上端開口面からオーバーフローしつ
つ一定レベル(基準液槽1の開口上端面のレベル)に維
持されるように、図示しない給液源から常時液体が供給
されているものとする。
【0023】また、液体流通管3は、その中間部が経時
的な上下変位を生じる構造物の測定箇所6を経由して配
管された可撓性のもので、該測定箇所6において、構造
物と一体的に上下変位可能に構造物に固定されている。
そして、該測定箇所6には、液体流通管3に連通して液
柱管7が垂直姿勢で立設されている。
【0024】このような構成において、基準液槽1の液
面レベルは基準液槽2の液面レベルよりも高いため、基
準液槽1から基準液槽2に液体流通管3を通って継続的
に液体が流れ、流れた液体は、基準液槽2において、そ
の上端開口面からオーバーフローする。
【0025】このような両基準液槽1,2間の液体の流
れの定常状態において、周知のベルヌーイの定理を適用
すると、例えば基準液槽1の液面(上端開口面)のA点
における全水頭、すなわち圧力水頭と速度水頭と位置水
頭との総和は、基準水槽2の液面(上端開口面)のB点
における全水頭に、A点,B点間の液体の損失水頭を加
えたものと一致する。
【0026】ここで、大気圧をP0 、A点,B点におけ
る流速をVA ,VB 、A点,B点間の損失水頭をΣH、
液体の密度をγとし、さらに、図1に示すように任意の
水平面を基準とした基準液槽1,2の液面レベル(A
点,B点の高さ)を(Z0 +Z1 +Z2 ),(Z1 +Z
2 )とすると、上記の関係は次式(1)により表され
る。
【0027】 (P0 /γ)+(VA2/2g)+(Z0 +Z1 +Z2 ) =(P0 /γ)+(VB2/2g)+(Z1 +Z2 )+ΣH ……(1) 但し、gは重力加速度 上式(1)において、左辺第1項、第2項、第3項は、
それぞれA点の圧力水頭、速度水頭、位置水頭であり、
右辺第1項、第2項、第3項は、それぞれB点の圧力水
頭、速度水頭、位置水頭である。
【0028】この場合、基準液槽1には、その液面レベ
ルが開口上端面のレベルに維持されるように常時、液体
が供給されているので、A点における流速VA =0で、
従って、式(1)は、次式(2)となる。
【0029】 (P0 /γ)+(Z0 +Z1 +Z2 ) =(P0 /γ)+(VB2/2g)+(Z1 +Z2 )+ΣH ……(2) そして、式(2)をVB について解けば、 VB =〔2g(Z0 −ΣH)〕1/2 ……(3) を得る。
【0030】ここで、A点,B点間の前記損失水頭ΣH
は、A点からB点まで液体流通管3を通って液体が流れ
る際に失われるエネルギーを示すもので、その大きさ
は、主に、該液体流通管3の長さや、該液体流通間3の
各所における曲がり具合、断面積等に依存する。従っ
て、厳密にいえば、前記測定箇所6の上下変位が生じて
液体流通管3の曲がり具合や、断面積の変化等が生じる
と、損失水頭ΣHは変化する。しかるに、例えば液体流
通管3の長さを充分に長いものとし、両基準液槽1,2
と測定箇所6との間で充分な弛みを設けておけば、測定
箇所6の上下変位が生じても、液体流通管3の各所にお
ける曲がり具合や、断面積はほとんど変化せず、従っ
て、該損失水頭ΣHは、その変化が無視できる程度に、
ほぼ一定に維持されると考えられる。そして、このよう
に損失水頭ΣHが一定であれば、式(3)から明らかな
ように、B点における流速VB 、すなわち、基準液槽2
の液面における流速VB は一定となる。さらに、このと
き、基準液槽2の開口面積は一定であるので、基準液槽
1から基準液槽2に流れる液体の単位時間当たりの流量
も一定となる。
【0031】従って、液体流通管3の長さを充分に長い
ものとしておけば、測定箇所6における流量も一定で、
また、このとき、該測定箇所6の上下変位が生じても、
該測定箇所における液体流通管3の断面積の変化は無視
できる程度に小さいと考えられるので、該測定箇所6に
おける液体流通管3内のC点における流速VC は測定箇
所6の上下変位にかかわらず一定に維持される。
【0032】具体的には、C点における液体流通管3の
断面積をSC 、基準液槽2のB点における開口面積をS
B とすると、C点における流速VC は次式(3)により
表される。
【0033】 VC =(SB /SC )・VB (=一定) ……(3) 次に、測定箇所6におけるC点が、初期状態において図
1に実線で示すように基準水平面から高さZ2 の位置に
あり、ある時間の経過後に同図に仮想線で示すように基
準水平面の高さに変位したとし、それらの初期状態と変
位後の状態とでそれぞれ基準液槽1のA点及び測定箇所
6のC点についてベルヌーイの定理を適用する。
【0034】すなわち、初期状態において、A点の全水
頭(=式(2)の左辺)は、C点の全水頭に、A点,C
点間の損失水頭を加えたものに一致し、この関係は、C
点の圧力をPC 、流速をVC 、A点,C点間の損失水頭
をΣhc とすると、次式(4)により表される。
【0035】 (P0 /γ)+(Z0 +Z1 +Z2 ) =(PC /γ)+(VC2/2g)+Z2 +Σhc ……(4) 式(4)において、右辺第1項、第2項、第3項がそれ
ぞれC点における圧力水頭、速度水頭、位置水頭であ
り、それらの総和がC点の全水頭である。
【0036】また、測定箇所6の変位後の状態におい
て、初期状態と同様に、A点の全水頭(=式(2)の左
辺)は、C点の全水頭に、A点,C点間の損失水頭を加
えたものに一致する。そして、この場合、前述したよう
に液体流通管3を充分に長いものとしておけば、変位後
の状態におけるA点,C点間の損失水頭は、初期状態の
損失水頭Σhc に等しいと考えてよい。また、一般に大
気圧の経時変化は微小であるので、A点における大気圧
P0 は略一定であると考えられる。さらに、式(3)に
示したように、C点における流速VC は一定である。
【0037】従って、変位後の状態における上記の関係
は、変位後のC点の圧力をPC'とすると、次式(5)に
より表される。
【0038】 (P0 /γ)+(Z0 +Z1 +Z2 ) =(PC'/γ)+(VC2/2g)+Σhc ……(5) 式(5)において、右辺第1項、第2項がそれぞれ変位
後のC点の圧力水頭、速度水頭である。そして、この場
合、変位後のC点は、基準水平面上に位置するので、位
置水頭は“0”で、圧力水頭及び速度水頭の総和がC点
の全水頭となる。
【0039】式(4),(5)により、次式(6)が得
られる。
【0040】 (PC /γ)+(VC2/2g)+Z2 =(PC'/γ)+(VC2/2g) ……(6) 式(6)は、初期状態と変位後の状態とで、C点の全水
頭が一致し、すなわち、C点の全水頭が一定であること
を示す。そして、C点の流速VC は一定値であるので、
式(6)から次式(7)が得られる。
【0041】Z2 =(PC'−PC )/γ ……(7) 式(7)から判るように、C点の上下変位量、すなわち
測定箇所6の上下変位量Z2 は、C点の圧力の変化量
(PC'−PC )に比例する。
【0042】以上の説明から明らかなように、測定箇所
6における液体流通管3内の液体の全水頭が一定で、し
かも、その箇所における流速VC が一定となるように、
液体流通管3に液体を継続的に流せば、該測定箇所6の
上下変位量は、該測定箇所6における液体の圧力の変化
量に依存し、従って、初期状態からの圧力の変化量を測
定することで、測定箇所6の初期状態からの上下変位量
を測定することができるということが判る。そして、液
体を流す際の上記のような条件は、例えば二つの前記基
準液槽1,2を用いることで実現されることが判る。こ
れが、本発明の基本原理である。
【0043】尚、測定箇所6において立設した液柱管7
においては、該液柱管7が静水圧測定構造を有しておれ
ば、図1に示すように初期状態と変位後の状態とで、そ
れぞれ液柱管7の下端部(C点)から(PC /γ),
(PC'/γ)の高さの液面レベルを有する液柱が生じ、
従って、液柱管7における液柱の高さの変化量は、測定
箇所6の上下変位量と一致する。この場合、液柱管7に
おける液面の基準水平面からの高さは一定である。そし
て、この場合、液柱管7が静水圧測定構造となっていな
い場合には、液柱管7における液面の基準水平面からの
高さは、C点における流速VC の影響を受けるが、該流
速VC は一定であるので、一定のレベルに維持され、従
って、液柱管7における液柱の高さの変化量は、測定箇
所6の上下変位量と一致する。
【0044】かかる本発明の基本原理を基礎として、次
に、本発明の具体的な実施例を図2を参照して説明す
る。図2は本実施例の変位計のシステム構成図である。
尚、本実施例の変位計の基本構成は、図1のものと同一
であり、図1のものと同一構成のものについては、同一
の参照符号を付して説明する。
【0045】図2を参照して、8は構造物の複数(本実
施例では例えば三つ)の測定箇所9,10,11を順次
経由して配管された可撓性の液体流通管3に継続的に液
体を流す液体流通手段、12は各測定箇所9,10,1
1における液体の圧力により各測定箇所9,10,11
の上下方向の変位量を測定する測定手段である。液体流
通手段8は、上下方向の変位を生じない基準箇所13に
設けられている。また、液体流通管3は、基準箇所13
と測定箇所9,11との間、測定箇所9,10の間、並
びに測定箇所10,11の間で、それらの間隔よりも充
分に長い長さを有して配管されている。尚、本実施例に
おいては、測定用の液体として例えば水を使用する。
【0046】液体流通手段8は、図1のものと同一構成
の基準液槽1(第1の基準液槽)及び基準液槽2(第2
の基準液槽)を備えると共に、基準液槽1に給液する給
液手段としての定量ポンプ14を備え、これらは、単一
の基準箇所13に固設された回収槽15内に収容されて
いる。両基準液槽1,2は、回収槽15の底部に垂直姿
勢で固設され、それらの基準液槽1,2の底部に図1の
ものと同様に液体流通管3の各端部が連通・接続されて
いる。この場合、回収槽15内には、基準液槽1,2の
開口端よりも低い液面レベルで液体が収容されており、
前記定量ポンプ14は、回収槽15内の液体をくみ上げ
て基準液槽1に連続的に定量づつ給液し、これにより、
基準液槽1内の液体をその開口上端面から回収槽15内
にオーバーフローさせつつ、その液面レベルを一定のレ
ベル(基準液槽1の開口上端面のレベル)に維持するよ
うにしている。尚、図1のものと同様に、基準液槽2の
開口上端面のレベルは、基準液槽1の開口上端面のレベ
ルよりも低いので、基準液槽1から液体流通管3を通っ
て基準液槽2に液体が流れ、その流れた液体は、基準液
槽2の開口上端面からオーバーフローする。そして、基
準液槽2からオーバーフローした液体は回収槽15内に
回収される。
【0047】測定手段12は、各測定箇所9,10,1
1における液体流通管3内の液体の圧力を検出すべく各
測定箇所9,10,11の位置で液体流通管3に介装さ
れた互いに同一構成の圧力計16,17,18と、それ
らの圧力計16,17,18との間で信号の授受を行う
ことにより各測定箇所9,10,11の変位量を測定す
る本体測定器19とにより構成されている。
【0048】各圧力計16,17,18は、そのハウジ
ング20が各測定箇所9,10,11に固設されると共
に、該ハウジング20に液体流通管3が接続され、液体
流通管3は、各測定箇所9,10,11において、各圧
力計16,17,18を介して各測定箇所9,10,1
1に固設されている。
【0049】そして、各圧力計16,17,18の内部
には、液体流通管3に連続的に連通する流通路21と、
該流通路21に連通する収容室22とが設けられ、収容
室22には、流通路21内を流れる液体の圧力をそれに
応じた電気信号に変換して出力する歪ゲージ式変換器2
3が設けられている。この場合、各圧力計16,17,
18の歪ゲージ式変換器23の内部は密閉された空室と
なっており、その空室は、連通管24を介して回収槽1
5内の空室に連通され、該回収槽15内の大気圧と同じ
気圧とされている。
【0050】尚、各圧力計16,17,18には、液体
内に生じた気泡を排出するための気泡抜きバルブ25が
設けられている。
【0051】本体測定器19は、マイクロコンピュータ
等を含む電子回路により構成されたもので、各圧力計1
6,17,18の変換器23の歪ゲージ(図示しない)
に給電してこれを起動すると共に、変換器23から各測
定箇所9,10,11における液体の圧力に応じて出力
される電気信号を基に、各測定箇所9,10,11にお
ける液体の圧力を検出し、その検出した圧力から前記式
(7)に従って各測定箇所9,10,11の上下変位量
を求めるようにしている。そして、本体測定器19は、
求めた上下変位量を図示しないレコーダに記憶し、ある
いは図示しない表示器に表示するようにしている。
【0052】また、回収槽15には、その内部の液体の
温度を例えば常温程度で一定に保持するためのヒーター
(保温手段)26が設けられ、該ヒータ26は、図示し
ないサーモスタットの作動により、自動的にON/OF
Fし、回収槽15内の液体の温度を略一定に保持するよ
うにしている。
【0053】次に、本実施例の変位計の作動を説明す
る。
【0054】図2に示すように、回収槽15や各圧力計
16,17,18を設置すると共に液体流通管3を配管
した状態で、定量ポンプ14が駆動され、この時、図1
において説明したように、基準液槽1から基準液槽2に
液体流通管3を通って一定流量の液体が継続的に流れ
る。この場合、液体流通管3の長さを充分に長いものと
しておくことで、各測定箇所9,10,11における液
体の流速及び全水頭は、各測定箇所9,10,11の上
下変位にかかわらず一定に維持される。
【0055】また、このように液体を流すのと並行し
て、前記ヒータ26が作動され、回収槽15内の液体の
温度が常温程度で一定に保持される。この場合、液体流
通管3を通って流れた液体は、基準液槽2から一定温度
に保温された回収槽15内にオーバーフローし、それが
定量ポンプ14により再び基準液槽1に給液されるの
で、両基準液槽1,2の液体は液体流通管3及び回収槽
15を介して循環する。従って、液体が効率よく使用さ
れると共に、両基準液槽1,2間で液体流通管3を通っ
て流れる液体の温度がほぼ一定に維持される。
【0056】一方、各圧力計16,17,18等を設置
した初期において、本体測定器19は、各圧力計16,
17,18の歪ゲージ式変換器23を起動し、各測定箇
所9,10,11を流れる液体の圧力を各圧力計16,
17,18の歪ゲージ式変換器23の出力信号により検
出する。そして、本体測定器19は、各測定箇所9,1
0,11に対応して検出された液体の圧力を測定開始時
の初期圧力として図示しないメモリに記憶保持する。
【0057】次いで、適当な時間の経過後、本体測定器
19は、初期の場合と全く同様にして各測定箇所9,1
0,11を流れる液体の圧力を各圧力計16,17,1
8を介して検出する。この時、例えば測定箇所9が初期
に対して上下に変位しておれば、図1の場合と同様に、
液体の圧力が該測定箇所9の上下変位量に相当する分だ
け初期に対して変化しており、この場合には、本体測定
器19は、前記式(7)に従って該測定箇所9の上下の
変位量を初期時(測定開始時)を基準として求め、これ
をレコーダ(図示しない)に記憶したり、あるいは表示
器(図示しない)に表示させる。このことは他の測定箇
所10,11についても同様である。
【0058】ここで、前記式(7)や、これを導く過程
で得られた前記(1)〜(6)式を参照して判るよう
に、式(7)を用いて各測定箇所9,10,11におけ
る上下の変位量を正しく測定するためには、液体の流路
の各所における密度γが均一であることが前提となる。
【0059】このような前提に対し、本実施例の変位計
にあっては、液体は液体流通管3や基準液槽1,2内を
継続的に流れると共に循環し、しかも、ヒータ26によ
りほぼ一定温度に保温されているため、液体流通管3や
基準液槽1,2内の各所において、液体の密度が均一的
に維持される。
【0060】従って、各測定箇所9,10,11におけ
る液体の圧力の変化量を上記のように測定することで、
各測定箇所9,10,11の上下の変位量を精度よく測
定することができる。
【0061】この場合、本実施例においては、ヒータ2
6を備えているため、液体として水を使用しても気温の
低い条件下で該液体が凍結することがないのは明らかで
あるが、仮にヒータ26を使用しなくとも、液体が継続
的に流れるため、該液体が凍結するのが防止され、ま
た、少なくとも測定時には各測定箇所9,10,11や
基準箇所13で液体の温度、ひいては密度のばらつきが
生じるのが防止され、従って、各測定箇所9,10,1
1で変位量の測定精度がばらつくような事態が回避され
る。そして、このことは、液体に例えば不凍液を混入し
た場合でも同様である。
【0062】尚、本実施例において、各圧力計16,1
7,18による各測定箇所9,10,11における液体
の圧力の検出は、例えばJIS/B8302に示される
ような静圧測定構造として液体の静圧を検出するように
してもよいが、必ずしも静圧測定構造とする必要はな
い。すなわち、各圧力計16,17,18が静圧測定構
造となっていない場合には、液体の静圧に加えて液体の
流れに起因する動的な圧力成分も検出されることとなる
が、各測定箇所9,10,11における液体の流速は一
定であるので、動的な圧力成分は一定で、従って、各測
定箇所9,10,11の上下変位量を得る際に検出され
る液体の圧力の変化量は、動的な圧力成分にかかわりな
く、液体の静圧の変化量となる。このため、各圧力計1
6,17,18は静圧測定構造とする必要はない。
【0063】また、本実施例においては、各測定箇所
9,10,11における液体の圧力により、各測定箇所
9,10,11の変位量を測定するようにしたが、図1
に示したような液柱管を各測定箇所9,10,11にお
いて液体流通管3に連通させて立設し、該液柱管におけ
る液位の変化量により各測定箇所9,10,11の変位
量を測定することも可能であることはもちろんである。
この場合には、液柱管における液位の変化量は、従来の
変位計に見られるような差動トランスや超音波または光
等を用いた公知の技術を用いて測定することができる。
【0064】また、本実施例においては、基準液槽1,
2を同一の基準箇所13に設けたが、それらの基準液槽
1,2を図1に示したように各別の基準箇所に設置する
ようにしてもよい。そして、この場合において、基準液
槽2からオーバーフローした液体を適宜の給液管やポン
プを用いて基準液槽1側に再び給液するようにしてもよ
い。但し、本実施例のように、基準液槽1,2の同一の
基準箇所13に設置すると共に、回収槽15内に収容す
ることで、変位計の構成を小型なものとすることができ
ると共に、液体を効率よく使用することができる。
【0065】また、本実施例においては、二つの基準液
槽1,2を使用することで、各測定箇所9,10,11
における液体の流速や全水頭が一定となるようにした
が、例えば液体流通管3の上流端部に水道管を接続する
と共に、該水道管から定量ポンプや流量制御弁等を用い
て一定流量の水を液体流通管3に供給し、さらに、液体
流通管3の下流端部を一定高さの基準箇所に固定して開
放するようにしてもよい。このようにした場合には、液
体流通管3の下流端における全水頭が一定で、しかも液
体流通管3を流れる液体の流量が一定であるので、液体
流通管3の下流端から各測定箇所までの長さを充分に長
いものとしておけば、各測定箇所における液体の流速や
全水頭は一定となる。従って、本実施例と同様に、液体
流通管3に液体を流しながら各測定箇所の変位量を測定
することができることとなる。
【0066】また、本実施例においては、一回の測定と
次の測定との合間も液体を流すようにしたが、例えば液
体の凍結を生じず、かつ温度差のないような環境下で
は、測定を行う直前に液体を流すのを開始するようにし
てもよい。
【0067】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、各測定箇所を経由して配管されて各測定箇所
に取付けられた液体流通管に、各測定箇所における液体
の全水頭及び流速が一定となるように液体を流し、この
状態で、各測定箇所における液体の圧力の変化量、ある
いは各測定箇所において液体流通管に連通させて立設し
た液柱管の液位の変化量を測定開始時を基準として測定
し、その測定値により各測定箇所の測定開始時を基準と
した上下の変位量を得るようにしたことによって、液体
の流路の各所における温度むらを防止して、各所におけ
る液体の密度むらを防止することができ、これにより、
各測定箇所における変位量の測定精度のばらつきを防止
してその測定精度を高めることができる。また、温度の
低い環境下で液体として例えば水を使用した場合であっ
ても、該液体の凍結を防止することができる。そして、
例えば液体の凍結防止をより確実なものとするために、
該液体に不凍液を混入した場合であっても、液体が流れ
ることにより、液体の流路の各所における密度を均一的
なものとすることができる。
【0068】さらに、液体流通管に液体を流す液体流通
手段として一組の基準液槽を用いたときには、簡単な構
成で、各測定箇所における液体の全水頭及び流速が一定
となるように液体を液体流通管に流すことができ、従っ
て、各測定箇所の上下の変位量を上記のように精度よく
測定し得る変位計の構成を簡単なものとすることができ
る。
【0069】さらに、一組の基準液槽を回収槽に収容
し、両基準液槽間で液体流通間を介して液体を循環させ
るようにしたときには、測定のための液体を効率よく使
用することができると共に、液体の温度が経時的にも変
化を生じ難いものとなって、液体流通管等の各所におけ
る密度が安定し、これにより、各測定箇所の変位量の測
定精度を高めることができる。
【0070】また、液体流通管を流れる液体の温度を一
定に維持する保温手段を備えたときには、液体流通管の
各所における液体の密度を確実に均一的に一定に維持す
ることができ、各測定箇所の上下の変位量をより高精度
で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するための説明図。
【図2】本発明の一例の変位計のシステム構成図。
【符号の説明】 1…第1の基準液槽、2…第2の基準液槽、3…液体流
通管、4,5,13…基準箇所、6,9,10,11…
測定箇所、7…液柱管、8…液体流通手段、12…測定
手段、14…定量ポンプ(給液手段)、15…回収槽、
26…ヒータ(保温手段)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物の一つ又は複数の測定箇所の上下方
    向の変位量を測定する変位計であって、前記各測定箇所
    を経由して配管され、該測定箇所において該測定箇所と
    一体に上下変位可能に取り付けられた液体流通管と、前
    記各測定箇所における前記液体流通管内の液体の全水頭
    が一定で、且つ少なくとも該測定箇所における液体流通
    管内の液体の流速が一定となるように該液体流通管に液
    体を流す液体流通手段と、前記各測定箇所における前記
    液体流通管内の液圧の変化量又は前記各測定箇所で前記
    液体流通管に連通して立設された液柱管の液位の変化量
    を測定開始時を基準として測定し、その測定された液圧
    の変化量又は液柱管の液位の変化量を該測定箇所の測定
    開始時を基準とした上下の変位量として得る測定手段と
    を備えたことを特徴とする変位計。
  2. 【請求項2】前記液体流通手段は、前記測定箇所と離間
    した一定高さの基準箇所で前記液体流通管の一端部に連
    通・接続された第1の基準液槽と、該第1の基準液槽内
    の液体の液位が一定となるように該第1の基準液槽から
    液体をオーバーフローさせつつ該第1の基準液槽に液体
    を供給する給液手段と、前記基準箇所又は前記測定箇所
    と離間した一定高さの他の基準箇所で前記液体流通管の
    他端部に連通・接続され、前記第1の基準液槽に液体流
    通管を介して連通された第2の基準液槽とから成り、該
    第2の基準液槽は、その内部の液体が前記第1の基準液
    槽の液位よりも低い一定の液位でオーバーフローしつつ
    前記第1の基準液槽から供給されるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の変位計。
  3. 【請求項3】前記第1の基準液槽及び第2の基準液槽
    は、同一の基準箇所に設けられると共に、両基準液槽か
    らオーバーフローした液体を回収する回収槽に収容さ
    れ、前記給液手段は、該回収槽内に回収された液体を前
    記第1の基準液槽に供給することを特徴とする請求項2
    記載の変位計。
  4. 【請求項4】前記液体流通管を通って流れる液体の温度
    を略一定に保持する保温手段を備えたことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の変位計。
JP9718594A 1994-05-11 1994-05-11 変位計 Pending JPH07306040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9718594A JPH07306040A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 変位計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9718594A JPH07306040A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 変位計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07306040A true JPH07306040A (ja) 1995-11-21

Family

ID=14185530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9718594A Pending JPH07306040A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 変位計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07306040A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010014435A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Toyoko Elmes Co Ltd 沈下測定装置及び沈下測定方法
CN102288157A (zh) * 2011-08-02 2011-12-21 上海同禾土木工程科技有限公司 一种地基深层沉降监测方法
CN102620715A (zh) * 2012-04-16 2012-08-01 河海大学 一种基于液位差的地基沉降的观测方法
JP2016211959A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 株式会社大林組 鉛直変位計測装置
CN117249809A (zh) * 2023-11-17 2023-12-19 中铁电气化局集团有限公司 一种铁路桥梁轨道标高转移指示装置及其施工方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010014435A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Toyoko Elmes Co Ltd 沈下測定装置及び沈下測定方法
CN102288157A (zh) * 2011-08-02 2011-12-21 上海同禾土木工程科技有限公司 一种地基深层沉降监测方法
CN102620715A (zh) * 2012-04-16 2012-08-01 河海大学 一种基于液位差的地基沉降的观测方法
JP2016211959A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 株式会社大林組 鉛直変位計測装置
CN117249809A (zh) * 2023-11-17 2023-12-19 中铁电气化局集团有限公司 一种铁路桥梁轨道标高转移指示装置及其施工方法
CN117249809B (zh) * 2023-11-17 2024-02-06 中铁电气化局集团有限公司 一种铁路桥梁轨道标高转移指示装置及其施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4765945A (en) Method and apparatus for measuring the filling level in a reactor pressure vessel of a boiling-water reactor
JP2010014435A (ja) 沈下測定装置及び沈下測定方法
CN110779596A (zh) 通过压力感测装置的水位检测
US4807464A (en) Leak detector apparatus and method
JPH07306040A (ja) 変位計
CN217155542U (zh) 一种液化气体汽车罐车用液位计校准装置
JP2009300298A (ja) 沈下測定装置
US4393451A (en) Method and apparatus for measuring total liquid volume flow
US6416582B2 (en) Liquid usage detector for a coating apparatus
AU2017372870B2 (en) Method for compensating for venturi effects on pressure sensors in moving water
US11733123B1 (en) System and method for leak detection by flow matching
JP2006047185A (ja) タンク内液体の漏れ検知装置
JPH03105217A (ja) 差圧式水位測定装置
JPH04332824A (ja) バブリング用液体原料の残量測定方法及びそのシステム
CN216770746U (zh) 一种污水流量计检测台
JP2596055B2 (ja) 水位検知装置
JPH081480Y2 (ja) 泥水の密度及び粘性自動測定装置
JP2649576B2 (ja) エンジンオイル消費量測定装置
JP3301652B2 (ja) 自動水量計測装置および自動水量計測システム
JPS6210367B2 (ja)
EP0428524B1 (en) Warm water consumption meter
SU591712A2 (ru) Устройство дл поверки уровнемеров жидкости
JPH09152335A (ja) 水準測定方法およびトンネルの水準測定装置
JPS6132375Y2 (ja)
JPS6232319A (ja) 液位検出装置