JP2006047185A - タンク内液体の漏れ検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 誤検出を抑制し、液体量の増減の程度に応じたきめ細かく的確な表示や警告を可能にするタンク内液体の漏れ検知装置を提供する。
【解決手段】 流量センサ部の出力を用いて算出される流量対応値に基づき液量変化を検知する第1液量変化検知と、圧力センサにより測定される液位の時間変化率に基づき液量変化を検知する第2液量変化検知とを行う。第1段階S1にて第2液量変化検知で得られた液量変化の絶対値が第1所定値C1を越えないと判定された場合には、中間段階Siを経て第2段階S2にて複数回の第2液量変化検知で得られた液量変化から液量変化平均絶対値を得、これが第1所定値より小さい第2所定値C2を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る液量変化の平均値を液量変化として出力し、液量変化平均絶対値が第2所定値C2を越えないと判定された場合には第1液量変化検知で得られた液量変化を出力する。
【選択図】 図10
【解決手段】 流量センサ部の出力を用いて算出される流量対応値に基づき液量変化を検知する第1液量変化検知と、圧力センサにより測定される液位の時間変化率に基づき液量変化を検知する第2液量変化検知とを行う。第1段階S1にて第2液量変化検知で得られた液量変化の絶対値が第1所定値C1を越えないと判定された場合には、中間段階Siを経て第2段階S2にて複数回の第2液量変化検知で得られた液量変化から液量変化平均絶対値を得、これが第1所定値より小さい第2所定値C2を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る液量変化の平均値を液量変化として出力し、液量変化平均絶対値が第2所定値C2を越えないと判定された場合には第1液量変化検知で得られた液量変化を出力する。
【選択図】 図10
Description
本発明は、タンク内液体の漏れ検知装置に関するものであり、特にタンクからの液体漏れをタンク内液体の液位変動に基づく流動に変換して検知する装置に関する。
燃料油や各種液体化学品などはタンク内に貯蔵されている。例えば、近年では、集合住宅における集中給油システムが提案されており、このシステムでは集中灯油タンクから配管を通じて各住戸に燃料用灯油が供給される。
タンクは経時劣化により亀裂を生ずることがあり、この場合にはタンク内液体がタンク外へと漏れ出す。このような事態をいち早く検知して適切に対処することは、引火爆発又は周囲環境汚染又は有毒ガス発生などを防止するために重要である。
タンク内液体の漏れをできるだけ早く検知する装置として、特開2003−185522号公報(特許文献1)には、タンク内の液体が導入される測定管と該測定管の下方に位置する測定細管とを備え、該測定細管に付設したセンサ部を用いて測定細管内の液体の流量を測定することで、タンク内液体の微小な液面変動即ち液位変化を検知するようにしたものが開示されている。
この漏れ検知装置では、測定細管に付設されたセンサとして傍熱式流量計が使用されている。この流量計では、通電により発熱体を発熱させ、その発熱量のうちの一部を液体に吸収させ、この液体の吸熱量が液体の流量に応じて異なることを利用し、この吸熱の影響を感温体の温度変化による電気的特性値例えば抵抗値の変化により検知している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の漏れ検知装置に使用されている傍熱式流量計は、流量値が例えば1ミリリットル/h以下の極微量の領域では流量変化に対する電気回路出力の変化が小さくなるため、流量測定値の誤差が大きくなる傾向にある。このため、漏れ検知の精度の向上には限界があった。
特開2003−185522号公報
ところで、タンク内液体の液位変化は、種々の原因により発生する。例えば、上記のようなタンク亀裂に基づくタンク内液体のタンク外への漏れ以外にも、タンク亀裂を介しての外部液体のタンク内への浸入や、外部からタンク内への正規の液体の注入あるいはタンク内から外部への正規の液体の供給(汲み出し)が挙げられる。
また、現実にはタンク内液体の増減がない場合であっても、タンクに加えられる外力に基づき一時的にタンク内に部分的液位変化(波立ち)が生ずることがある。このような場合、流量計の位置での瞬時流量値に基づきタンク内液体の増減を検知すると、タンクからの液体の漏れやタンクへの液体流入があるものと誤って判断されることになる。
また、流量計から出力される電気信号は漏れ検知のための制御部へと入力されるのであるが、この信号伝達の経路に対して外部から電磁的ノイズが入り込むことがある。このノイズは、例えば雷などによる極めて短い時間のものであることが多い。その場合には、流量計から出力される信号が漏れ及び流入なしのものであっても、制御部に入力される信号は漏れまたは流入ありの場合のものと同様なものになる。この場合にも、上記同様に誤った判断がなされる。
以上のような状況に鑑みて、タンク内液体の量の変動(増減)を的確に把握し、その程度に応じてきめ細かく的確な表示や警告などを行うことが望まれる。
そこで、本発明の第1の目的は、流量計を用いた漏れ検知における誤検出の発生を抑制することの可能なタンク内液体の漏れ検知装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、タンク内液体の量の増減の程度に応じてきめ細かく的確な表示や警告などを行うことを可能にするタンク内液体の漏れ検知装置を提供することにある。
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
タンク内の液体の漏れを検知する装置であって、
前記タンク内の液体が下端から導入出される測定細管と、該測定細管の上端に接続され且つ前記測定細管より断面積が大きな測定管と、前記測定細管に付設され該測定細管内の液体の流量を測定するための流量センサ部と、前記液体の液位を測定するための圧力センサと、前記流量センサ部及び圧力センサに接続された漏れ検知制御部とを備えており、
該漏れ検知制御部は、
前記流量センサ部の出力を用いて算出される前記液体の流量に対応する流量対応値に基づき前記タンク内の液体の液量変化を第1の周期で検知する第1の液量変化検知と前記圧力センサにより測定される液位の時間変化率の大きさに基づき前記タンク内の液体の液量変化を第2の周期で検知する第2の液量変化検知とを行い、
第1段階にて前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の絶対値が第1の所定値を越えるか否かを判定し、ここで前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えないと判定された場合には、
第2段階にて複数回の前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の平均値の絶対値としての液量変化平均絶対値を得、該液量変化平均絶対値が前記第1の所定値より小さい第2の所定値を越えるか否かを判定し、ここで、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る前記液量変化の平均値を液量変化として出力し、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合には前記第1の液量変化検知で得られた液量変化を出力する、
ことを特徴とする、タンク内液体の漏れ検知装置、
が提供される。
タンク内の液体の漏れを検知する装置であって、
前記タンク内の液体が下端から導入出される測定細管と、該測定細管の上端に接続され且つ前記測定細管より断面積が大きな測定管と、前記測定細管に付設され該測定細管内の液体の流量を測定するための流量センサ部と、前記液体の液位を測定するための圧力センサと、前記流量センサ部及び圧力センサに接続された漏れ検知制御部とを備えており、
該漏れ検知制御部は、
前記流量センサ部の出力を用いて算出される前記液体の流量に対応する流量対応値に基づき前記タンク内の液体の液量変化を第1の周期で検知する第1の液量変化検知と前記圧力センサにより測定される液位の時間変化率の大きさに基づき前記タンク内の液体の液量変化を第2の周期で検知する第2の液量変化検知とを行い、
第1段階にて前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の絶対値が第1の所定値を越えるか否かを判定し、ここで前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えないと判定された場合には、
第2段階にて複数回の前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の平均値の絶対値としての液量変化平均絶対値を得、該液量変化平均絶対値が前記第1の所定値より小さい第2の所定値を越えるか否かを判定し、ここで、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る前記液量変化の平均値を液量変化として出力し、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合には前記第1の液量変化検知で得られた液量変化を出力する、
ことを特徴とする、タンク内液体の漏れ検知装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記第1の液量変化検知で得られた液量変化の絶対値が前記第2の所定値より小さい第3の所定値を越えない場合には、液量変化なしとみなす判断を行い、その判断結果を前記液量変化に代えて又はそれと共に出力する。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合において、前記第1の液量変化検知で得られた液量変化の符号が負の場合には液体漏れと判断し且つ正の場合には液体流入と判断し、その判断結果を前記液量変化に代えて又はそれと共に出力する。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えると判定された場合には、液体の漏れまたは流入に起因する要液量管理と判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力する。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると判定された場合には、外部からタンク内への液体注入あるいはタンク内から外部への液体供給であると判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力する。本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると判定された場合において、前記第2の液量変化検知で得られた液量変化の符号が負の場合には前記液体供給と判断し且つ正の場合には前記液体注入と判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力する。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると最後に判定された時から所定時間が経過した後に前記第2段階へと移行するようにし、前記所定時間中は液面安定待ちであることを示す信号を出力する。本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記所定時間中は前記第1の液量変化検知を停止する。本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記所定時間中は前記流量センサ部の動作を停止させる。
本発明の一態様においては、前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合には、出力される前記液量変化として、前記液量変化の平均値を求めた複数回の前記第2の液量変化検知に要する時間における前記第1の液量変化検知での平均的な液量変化を出力する。
本発明の一態様においては、前記流量センサ部は前記測定細管に沿って順に配置された第1の温度センサ、ヒータ及び第2の温度センサを含んでなり、前記漏れ検知制御部は、前記ヒータに電圧を印加する電圧発生回路と、前記第1の温度センサ及び第2の温度センサに接続され且つこれら温度センサにより感知される温度の差に対応する出力を生ぜしめる漏れ検知回路とを有している。本発明の一態様においては、前記第1の温度センサ及び第2の温度センサは何れも前記測定細管の外面と接触する熱伝達部材とこれに接合された感温体とを備えており、前記ヒータは前記測定細管の外面と接触する熱伝達部材とこれに接合された発熱体とを備えている。
本発明の一態様においては、前記電圧発生回路は前記ヒータに単一パルス電圧を印加するパルス電圧発生回路であり、前記漏れ検知制御部は、前記パルス電圧発生回路による前記ヒータへの単一パルス電圧の印加に応じて前記漏れ検知回路の出力と当該出力の当初値との差を積分することで前記液体の流量に対応する流量対応値を算出し、これに基づき前記タンク内の液体の液量変化を検知する。本発明の一態様においては、前記単一パルス電圧はパルス幅が2〜10秒であり、前記流量対応値は前記漏れ検知回路の出力を20〜150秒にわたって積分したものである。本発明の一態様においては、前記パルス電圧発生回路は前記単一パルス電圧を40秒〜5分但し前記漏れ検知回路の出力と当該出力の当初値との差の積分時間より長い時間の間隔をおいて前記ヒータに印加する。
本発明の一態様においては、前記電圧発生回路は前記ヒータに一定の電圧を印加する定電圧発生回路である。
本発明の一態様においては、前記圧力センサは前記測定細管の下端の近傍に配置されている。
本発明によれば、第1段階にて液体の液量変化の絶対値が第1の所定値を越えないと判定された場合に、第2段階にてタンク内液体の揺動発生などの一時的または瞬間的な要因に基づく部分的に液位の急激な変動があってもそれを時間平均化して液量変化平均絶対値を得る第2の液量検知を行い、この液量変化平均絶対値が第2の所定値を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る液量変化の平均値を液量変化として出力し、液量変化平均絶対値が第2の所定値を越えないと判定された場合には第1の液量変化検知で得られた液量変化を出力するので、流量計を用いた漏れ検知における誤検出の発生を抑制することが可能になる。また、本発明によれば、タンク内液体の量の増減の程度に応じてきめ細かく的確な表示や警告などを行うことが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明によるタンク内液体の漏れ検知装置の一実施形態を説明するための一部破断斜視図であり、図2は本実施形態の漏れ検知装置の一部省略断面図である。
タンク1は、計量口5及びタンク内へ液体を注入する際に使用される注液口6が形成された天板2と、タンク内からタンク外へと液体を供給する際に使用される給液口7が形成された側板3と、底板4とを有する。図1に示されている様に、タンク1内には、液体(例えばガソリン、軽油または灯油その他の可燃性液体)Lが収容されている。LSはその液面を示す。
漏れ検知装置11は、タンク1の天板2に形成された計量口5を通って、一部がタンク1内へと挿入されており、全体として鉛直方向に配置されている。漏れ検知装置11は、液導入出部12、流量測定部13、液溜め部14、キャップ16及び回路収容部15を備えている。液導入出部12、流量測定部13及び液溜め部14はタンク1の内部に位置しており、液面LSは液溜め部14の高さ範囲内に位置する。流量測定部13及び液溜め部14は、これらにわたって鉛直方向に延びた鞘管17を含んで構成されている。
流量測定部13では、図2に示すように、鞘管17内にセンサホルダ13aが配置されており、該センサホルダにより鉛直方向の測定細管13bが固定保持されている。測定細管13bには、第1の温度センサ133、ヒータ135及び第2の温度センサ134が上側からこの順に配置されて取り付けられている。ヒータ135は第1の温度センサ133及び第2の温度センサ134から等距離の位置に配置されている。センサホルダ13aは、外側が鞘管17により覆われているので、第1の温度センサ133、ヒータ135及び第2の温度センサ134は、液体Lによる腐食から保護される。測定細管13bは、液溜め部14と液導入出部12との間での液体の流通経路として機能する。また、第1の温度センサ133、ヒータ135及び第2の温度センサ134により測定細管13b内の液体の流量を測定するための流量センサ部が構成される。
流量測定部に13には、測定細管13bの下端の近傍においてセンサホルダ13aに取り付けられた圧力センサ137が設けられている。この圧力センサ137は、タンク内液体Lの液位を測定するためのものであり、例えばピエゾ素子やコンデンサータイプの圧力検知素子を利用することができ、液体の液位に対応した電気信号例えば電圧信号を出力する。
液導入出部12では、図2に示されるように、フィルタカバー12bがフィルタ12aをセンサホルダ13aの下部に対して固定している。フィルタ12aは、タンク内の液体に浮遊または沈殿するスラッジなどの異物を除去して、液体のみを測定細管13bを介して液溜め部14へと導入する機能を有する。また、フィルタカバー12bの側壁には開口部が設けられており、タンク1内の液体Lは液導入出部12のフィルタ12aを介して測定細管13bへと導入される。
液溜め部14は、流量測定部13の上方に位置しており、鞘管17により囲まれた空間Gを有し、この空間G内に測定細管13bから導入される液体を溜めるように構成されている。鞘管17の上部にはキャップ16が固定されており、該キャップには液溜め部14内と検知装置外のタンク内空間とを連通させる通気路16aが形成されている。キャップ16には回路収容部15が取り付けられており、該回路収容部には漏れ検知制御部15aが収容されている。上記鞘管17内にはセンサホルダ13aの上部とキャップ16とを接続するように延びたガイド管Pgが配置されており、流量測定部13の第1の温度センサ133、ヒータ135及び第2の温度センサ134並びに圧力センサ137と漏れ検知制御部15aとを接続する配線18がガイド管Pg内を通って延びている。
液溜め部14における鞘管17が本発明の測定管を構成する。測定細管13bの断面積は、鞘管17の断面積(但し、ガイド管Pgの断面積を除く)に対して十分小さく(例えば1/50以上、1/100以下、更には1/300倍以下)設定しておくことで、僅かな液体漏れの際の僅かな液位変化にも測定細管13b内に流量測定可能な液体流通を生ぜしめることができる。
鞘管17、センサホルダ13a、フィルタカバー12b、キャップ16及びガイド管Pgは、タンク1を構成する素材に近似した熱膨張係数を有する金属からなるのが好ましく、鋳鉄又はステンレス鋼などのタンク1の素材と同一の金属からなるのがより好ましい。
図3は、測定細管に対する第1の温度センサ133、ヒータ135及び第2の温度センサ134の取り付け部分の拡大斜視図であり、図4はその断面図である。ヒータ135は、測定細管13bの外面に接触して配置された熱伝達部材181と、該熱伝達部材181に電気絶縁性薄膜を介して積層された薄膜発熱体182とを有する。薄膜発熱体182は、所要のパターンに形成されており、それへの通電のための電極には配線182’が接続されている。熱伝達部材181は、例えば厚さ0.2mm、幅2mm程度の金属又は合金からなる。配線182’はフレキシブル配線基板等の配線基板24に形成された配線(図示せず)と接続されている。この配線が上記ガイド管Pg内の配線18に接続されている。熱伝達部材181、薄膜発熱体182及び配線182’は、配線基板24の一部及び測定細管13bの一部とともに合成樹脂からなる封止部材23により封止されている。尚、第1の温度センサ133及び第2の温度センサ134は、薄膜発熱体の代わりに薄膜感温体を使用することを除いて、ヒータ135と同様な構成を有する。
以上の様な漏れ検知装置11をタンク1の計量口5に取り付けると、上記のようにタンク内液体Lの液面LSは、液溜め部14の高さ範囲内に位置する。従って、圧力センサ137は液導入出部12のフィルタ12aにより濾過されたタンク内液体Lに浸漬され、また、タンク内液体Lは、流量測定部13の測定細管13bを通って上昇し、液溜め部14の空間G内へと導入され、ついには液溜め部14内の液体の液面が漏れ検知装置外のタンク内液体の液面LSと同一の高さになる。そして、タンク内液体の液面LSが変動すると、これに追従して液溜め部14内の液体の液面も変動し、この液面変動即ち液位変化に伴い測定細管13b内で液体の流動が生ずる。
図5は上記流量センサ部、圧力センサ及び漏れ検知制御部の回路構成を示す図である。これらの回路の電源としては、回路収容部15内に配置された不図示の電池を用いることができる。
ヒータ135の薄膜発熱体182は電圧発生回路67に接続されている。本実施形態では、電圧発生回路67としてパルス電圧発生回路が使用されている。該パルス電圧発生回路から適時単一パルス電圧が薄膜発熱体182に印加される。第1及び第2の温度センサ133,134を構成する薄膜感温体60,61は、漏れ検知回路71に接続されている。即ち、薄膜感温体60,61は、抵抗体62,63と共にブリッジ回路を構成する。該ブリッジ回路には電源電圧V1が供給され、そのa,b点の電位差に対応する電圧出力信号が差動増幅器65により得られる。この漏れ検知回路71の出力は、温度センサ133,134の薄膜感温体60,61により感知される温度の差に対応しており、A/Dコンバータ66を介してCPU68に入力される。又、上記パルス電圧発生回路67は、CPU68からの指令により動作制御される。一方、圧力センサ137の出力はA/Dコンバータ73を介してCPU68に入力される。CPUには、クロック69及びメモリ70が接続されている。
以下、本実施形態におけるタンク内液体の液量変化検知(漏れ検知を含む)の動作即ちCPU68の動作につき説明する。尚、以下の説明では液量変化すなわち種々の原因によるタンク内液体の増減を、「漏れ」により代表させている。従って、たとえば、第1の液量変化検知及び第2の液量変化検知は、それぞれ単に第1の漏れ検知及び第2の漏れ検知と称されている。
図6は、パルス電圧発生回路67から薄膜発熱体182に印加される電圧Qと漏れ検知回路71の電圧出力Sとの関係を示すタイミング図である。CPU68からは、クロック69に基づき、幅t1の単一パルス状電圧が所定の時間間隔t2で印加される。この単一パルス状電圧は、例えば、パルス幅t1が2〜10秒であり、パルス高Vhが1.5〜4Vである。これにより薄膜発熱体182で生じた熱は、測定細管13b及びその内部の液体を加熱し、周囲に伝達される。この加熱の影響は薄膜感温体60,61に到達し、これら薄膜感温体の温度が変化する。ここで、測定細管13b内での液体の流量が零の場合には、対流による熱伝達の寄与を無視すれば、2つの感温体60,61での温度変化は同等である。しかし、タンク内液体がタンクから漏れた時のようにタンク内液体の液面が低下した場合には、液溜め部14から測定細管13bを通じて液体が検知装置外のタンク内へと液体導入出部12から導出されるので、測定細管13b内の液体は上から下へと流動する。これにより、薄膜発熱体182からの熱は上側の温度センサ133の薄膜感温体60よりも下側の温度センサ134の薄膜感温体61の方へと多く伝達される。かくして、2つの薄膜感温体が検知する温度には差が生じて、これら薄膜感温体の抵抗値変化は互いに異なるものとなる。図6には、温度センサ133の薄膜感温体60に印加される電圧VT1及び温度センサ134の薄膜感温体61に印加される電圧VT2の変化が示されている。かくして、差動増幅器の出力即ち漏れ検知回路71の電圧出力Sは、図6に示されるように、変化する。
図7に、パルス電圧発生回路67から薄膜発熱体182に印加された電圧Qと漏れ検知回路71の電圧出力Sとの関係の具体例を示す。この例では、単一パルス状電圧はパルス高Vhが2Vでありパルス幅t1が5秒であり、液位変化速度F[mm/h]を変化させて電圧出力S[F]を得た。
CPU68では、パルス電圧発生回路67によるヒータ135の薄膜発熱体182への単一パルス電圧の印加に応じて、単一パルス電圧印加の開始後の時間t3において、漏れ検知回路の電圧出力Sとその当初値(即ち、単一パルス電圧印加開始時)S0との差(S0−S)を積分する。この積分値∫(S0−S)dtは、図6で斜線を付した領域に相当し、測定細管13b内の液体の流量に対応する流量対応値である。時間t3は、例えば20〜150秒である。
図8に、測定細管13b内の液体の流量Fに対応する液位変化速度と上記積分値∫(S0−S)dtとの関係の具体例を示す。この例では、積分値を得るための時間t3を30秒とし、互いに異なる3つの温度での関係を得た。液位変化速度1.5mm/h以下の領域において、液位変化速度と積分値∫(S0−S)dtとの間に温度によらず良好な直線的関係があることが分かる。尚、この例では液位変化速度1.5mm/h以下の領域で良好な直線的関係が示されたが、測定管断面積に対する測定細管断面積の比や測定細管の長さなどを適宜設定することで、液位変化速度20mm/h以下の領域で良好な直線的関係が得られるようにすることが可能である。
このような積分値∫(S0−S)dtと液位変化速度との代表的な関係は、予めメモリ70に記憶させておくことができる。従って、漏れ検知回路71の出力を用いて算出される流量対応値である積分値∫(S0−S)dtに基づき、メモリ70の記憶内容を参照して換算することにより、タンク内液体の漏れを液位変化速度として得ることができる。但し、或る値(例えば0.01mm/h)より小さな液位変化速度が得られた場合には、測定誤差範囲内であるとみなして、漏れなしと判断することができる。
この第1の漏れ検知は、適宜の時間t2の間隔をおいて(即ち第1の周期t1+t2で)繰り返し実行される。時間t2は、例えば40秒〜5分(但し、上記積分時間t3より長い時間)である。
更に、CPU68では、圧力センサ137からA/Dコンバータ73を介して入力される液位対応出力Pを直ちに液位pに換算することができる。この液位pの値は圧力センサ137の高さを基準としたものであるが、タンク1の計量口5の高さと漏れ検知装置の該計量口への取り付け部分から圧力センサ137迄の距離とを勘案することでタンク自体に対する液位値に変換することができる。これらの液位検知の結果を示す液位検知信号がCPU68から出力される。
また、CPU68では、一定時間tt例えば2〜10秒毎に(即ち第2の周期ttで)、液位pの値をメモリ70に記憶し、この記憶のたびに前回の記憶値との差分を算出し、これを液位の時間変化率p’の値としてメモリ70に記憶する。
図9に、液位変化速度と液位対応出力Pの時間変化率P’との関係の具体例を示す。液位変化速度150mm/h以下の領域において、液位変化速度と液位対応出力の時間変化率P’との間に良好な直線的関係があり、従って液位変化速度と液位時間変化率p’とが良好に対応することが分かる。尚、この例では液位変化速度150mm/h以下の領域で良好な直線的関係が示されたが、更に液位変化速度200mm/hまでの領域で良好な直線的関係が得られるようにすることが可能である。
従って、圧力センサ137により測定される液位pの時間変化率p’の大きさとして、タンク内液体の漏れを得ることができる。
この第2の漏れ検知は上記第1の漏れ検知に比べて広い液位変化速度範囲をカバーすることができる。一方、第1の漏れ検知は第2の漏れ検知に比べて微小な液位変化速度領域を高い精度で測定することができる。
ところで、タンク1内での液位変化は、注液口6からタンク内への液体の注入がなされる時あるいは給液口7から外部への液体供給がなされる時にも発生する。しかし、これらの場合のタンク1内の液位の上昇または下降の速度は、通常の漏れの場合の液位変化速度または液位時間変化率よりかなり大きいのが一般的である。
そこで、本実施形態では、漏れを含む液量変化の検知及びその結果の出力に関して、以下のような処理を行う。図10は、本実施形態におけるタンク内液体の液量変化の検知及びその結果の出力のフローを示す図である。
先ず、第1段階(S1)で、上記第2の漏れ検知で得られた液量変化ΔLV2(液位時間変化率p’に対応する)の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えるか否かを判定する。第1の所定値C1は、例えば、液位時間変化率換算で100〜200mm/h程度とすることができる。ここで、液量変化の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えると判定された場合には、続いて第1−1段階(S1−1:この段階は本発明でいう第1段階の一部である)で液量変化ΔLV2の符号を判別する。ここで、ΔLV2の符号が負の場合には液体供給と判断し且つ正の場合には液体注入と判断し、それらの判断結果を液量変化ΔLV2と共に出力する。この出力の内容は、CPU68に接続された不図示の表示部にて表示することができる。そして、第1段階S1へと戻る。
他方、第1段階S1で液量変化の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えないと判定された場合には、続いて中間段階(Si)において、第1段階S1で液量変化の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えると最後に判定された時から所定時間Trが経過したか否かを判定する。所定時間Trは、上記外部からタンク内への液体注入あるいはタンク内から外部への液体供給の後の液面LSの静定時間より若干長い時間とするのが好ましく、例えば10〜60分とすることができる。ここで、所定時間Trが経過していないと判定された時即ちこの所定時間中は、液面安定待ち(待機中)であることを示す信号を出力する。この出力の内容は、上記表示部にて表示することができる。漏れ検知制御部は、この所定時間中は第1の漏れ検知を停止させることができる。その際、流量センサ部の動作、具体的には電圧発生回路67及び漏れ検知回路71の動作を停止させることができ、これによれば電力消費量の低減が可能となる。そして、第1段階S1へと戻る。尚、第1段階S1で液量変化の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えると判定された場合(即ち、液体注入または液体供給が検知された時)には、液面安定待ちは中止される。他方、中間段階Siにおいて所定時間Trが経過したと判定された時には、第2段階(S2)へと進む。
第2段階S2では、複数回たとえば20〜300回の前記第2の漏れ検知で得られた前記液体の液量変化ΔLV2の平均値Av(ΔLV2)の絶対値としての液量変化平均絶対値|Av(ΔLV2)|を得る。即ち、この段階では、先ず、予め定められた上記複数回の第2の液量検知の結果が得られるまで、該検知結果をメモリに記憶する。これには、上記第2の周期に上記複数回の回数を乗じた時間(たとえば2〜10分)がかかる。そして、得られた液量変化平均絶対値|Av(ΔLV2)|が上記第1の所定値C1より小さい第2の所定値C2を越えるか否かを判定する。第2の所定値C2は、例えば、液位変化速度換算で10〜20mm/h程度とすることができる。ここで、液量変化平均絶対値|Av(ΔLV2)|が第2の所定値C2を越えると判定された場合には、当該液量変化平均絶対値|Av(ΔLV2)|に係る液量変化平均値Av(ΔLV2)を液量変化として出力する。この液量変化は、タンク内の液量管理の上から無視することができない量であるため、液体漏れまたは液体流入に起因する要液量管理と判断し、その判断結果を液量変化と共に出力する。この出力の内容は、CPU68に接続された不図示の表示部にて表示することができる。そして、第1段階S1へと戻る。尚、第1段階S1で液量変化の絶対値|ΔLV2|が第1の所定値C1を越えると判定された場合(即ち、液体注入または液体供給が検知された時)には、要液量管理は中止される。他方、第2段階(S2)において液量変化平均絶対値|Av(ΔLV2)|が第2の所定値C2を越えないと判定された場合には、第2−1段階(S2−1:この段階は本発明でいう第2段階の一部である)へと進む。
第2−1段階S2−1では、第1の漏れ検知で得られた液量変化ΔLV1の絶対値|ΔLV1|が上記第2の所定値C2より小さい第3の所定値C3を越えるか否かを判定する。第3の所定値C3は、例えば、液位変化速度換算で0.01〜0.03mm/h程度とすることができる。ここで、液量変化の絶対値|ΔLV1|が第3の所定値C3を越えないと判定された場合には、得られた液量変化は測定誤差の範囲内であり実質的には液量変化なし(漏れなし)とみなす判断を行い、その判断結果を液量変化に代えて又はそれと共に出力する。この出力の内容は、CPU68に接続された不図示の表示部にて表示することができる。そして、第1段階S1へと戻る。他方、第2−1段階S2−1で液量変化の絶対値|ΔLV1|が第3の所定値C3を越えると判定された場合には、第2−2段階(S2−2:この段階は本発明でいう第2段階の一部である)へと進む。
第2−2段階S2−2では、液量変化ΔLV1の符号を判別する。ここで、ΔLV1が負の場合には液体漏れと判断し且つ正の場合には液体流入と判断し、それらの判断結果を液量変化ΔLV1に代えて又はそれと共に出力する。この出力の内容は、CPU68に接続された不図示の表示部にて表示することができる。そして、第1段階S1へと戻る。
液位変化速度または液位時間変化率は漏れ量(単位時間あたりの漏れの量)等の液量変化と関係している。即ち、液位変化速度または液位時間変化率に当該液位でのタンク内部の水平断面積を乗じたものが液体の漏れ量等の液量変化に相当する。従って、予めタンクの形状(即ち高さ位置とタンク内部の水平断面積との関係)をメモリ70に記憶しておき、このメモリの記憶内容を参照して、上記のようにして検知された液位及び漏れ(液位変化速度または液位時間変化率)等の液量変化に基づき、タンク内液体の漏れ量等の液量変化量を算出することができる。
尚、タンクの形状が図1に示される縦型円筒形状などのようにタンク内部の水平断面積が高さによらず一定のものである場合には、液位変化速度または液位時間変化率と漏れ量等の液量変化とは単純な比例関係にあり、従って液位の値自体とは無関係に液位変化速度または液位時間変化率にタンク内部の水平断面積に応じた比例定数を乗ずることで容易に漏れ量等の液量変化を算出することができる。即ち、この場合には、上記の本発明装置により検知される漏れ等の液量変化は漏れ量等の液量変化量に基づくものと実質上同等である。
図11に、第2の漏れ検知で得られた液量変化ΔLV2と、上記第2段階での複数回の第2の漏れ検知で得られた液量変化ΔLV2の平均値Av(ΔLV2)との関係の具体例を示す。これは実際にはタンク内液量の変化がない条件下での検知結果を示すものであり、ここでは液量変化は対応する液位変化速度で表されている。液量変化ΔLV2は5秒ごとに得られ、液量変化平均値Av(ΔLV2)は5分ごとに得られたものである。第3の所定値C3が液位変化速度換算で0.02mm/hであるとして、液量変化ΔLV2では、漏れなしと判断される液位変化速度範囲から外れた測定値が比較的短い時間ではあるがしばしば現れている。この原因としては、出力線を介して検知装置内に進入する電磁波による電気回路や電子回路への影響や、一時的な機械的外力の印加による液面変動が考えられる。これに対して、比較的長い時間にわたって平均化された液量変化平均値Av(ΔLV2)では、漏れなしと判断される液位変化速度範囲から外れた測定値は現れていない。かくして、本発明によれば、実体を良好に反映した検知が可能であることが分かる。
図12は、種々の要因でタンク内液量が変化する場合の液位及び液位変化速度の変化、更にはこれらの各状態に伴いCPU68から出力される判断結果の内容を示す図である。タンク内への液体の注入及びそれに続く安定待ちの後の第2段階では、5分ごとに判断が示される。図示されているように、液体の漏れ(または流入)が3回継続した場合に異常ありと判定して警告を発するようにすることができる。
以上の実施形態では、時間t3にわたって積分して得られる積分値∫(S0−S)dtを用いて第1の漏れ検知(第1の液量変化検知)を行っているので、いわば平均化された液量変化が得られる。従って、誤検知の低減に有利である。
以上の実施形態では電圧発生回路67としてパルス電圧発生回路が用いられているが、本発明においては、電圧発生回路67としてヒータ135に一定の電圧(即ち一定の直流電圧)を印加する定電圧発生回路を用いることも可能である。以下、そのような実施形態につき説明する。
本実施形態では、上記図5の電圧発生回路67として使用される定電圧発生回路からヒータ135の薄膜発熱体182に対して直流定電圧Qが印加される。これにより、ヒータ135は一定の発熱状態を維持し、その熱の一部は熱伝達部材181を介して測定細管13b内の液体へと伝達され、これが液体加熱のための熱源として利用される。
測定細管13b内の液体が流通していない時、即ち測定細管13b内での液体の流量が零の場合には、対流による熱伝達の寄与を無視すれば、第1及び第2の温度センサ133,134の検知温度は実質上同一である。しかし、測定細管13b内で液体流通が生ずると、ヒータ135による液体加熱の影響は上流側より下流側の方に強く発生するので、第1及び第2の温度センサ133,134の検知温度が互いに異なるようになる。第1及び第2の温度センサ133,134の検知温度どうしの差に相当する電圧出力は流体流量に対応しているので、それを流量値出力とする。即ち、漏れ検知回路71のブリッジ回路のa,b点の電位が差動増幅回路65に入力される。予めブリッジ回路の抵抗体62,63の抵抗値を適宜設定することで、差動増幅回路から第1及び第2の温度センサ133,134の検知温度どうしの差に相当する電圧出力Sを得ることができる。
以上のようにして、二定点温度差検知式流量測定がなされる。本発明でいう二定点温度差検知式流量測定は、ヒータの上流側及び下流側にそれぞれ配置された第1及び第2の温度センサにより検知される温度差(実際には検知温度差に対応して検知される電気的特性の差)に基づき流量対応値を得るものをいう。
次に、本実施形態における液量変化検知(漏れ検知を含む)の動作即ちCPU68の動作につき説明する。本実施形態のCPU68の動作は、上記図1〜図12に関し既に説明した実施形態のものと、第1の漏れ検知の動作においてのみ相違し、他は同様である。
即ち、CPU68では、電圧出力Sに基づき、内蔵する検量線を用いて対応する流量値への換算を行う。図13はSの換算のための検量線の一例を示すものである。図13に示されているように、流量値に対応する液位変化速度が例えば10mm/hより小さい領域では、液位変化速度と電圧出力Sとの間に良好な直線状の対応関係がある。従って、CPU68では、漏れに関して、上記図1〜図12に関し説明した実施形態のものと同様な処理を行うことができる。
但し、電圧出力Sの取り出しは適宜のタイミングで行うことができるが、出力される液量変化としては、第2段階において液量変化平均値Av(ΔLV2)を求めた複数回の第2の液量変化検知に要する時間における平均的なものを出力するのが、誤検知の低減の観点からは、有利である。
本実施形態は、上記図1〜図12に関し説明した実施形態のものに比べて、CPU68での第1の漏れ検知における流量対応値を得る演算が簡単になるという利点がある。
1 タンク
2 天板
3 側板
4 底板
5 計量口
6 注液口
7 給液口
L 液体
LS 液面
11 漏れ検知装置
12 液導入出部
12a フィルタ
12b フィルタカバー
13 流量測定部
13a センサホルダ
13b 測定細管
133 第1の温度センサ
134 第2の温度センサ
135 ヒータ
137 圧力センサ
14 液溜め部
G 空間
15 回路収容部
15a 漏れ検知制御部
16 キャップ
16a 通気路
17 鞘管
Pg ガイド管
18 配線
181 熱伝達部材
182 薄膜発熱体
182’ 配線
23 封止部材
24 配線基板
60,61 薄膜感温体
62,63 抵抗体
65 差動増幅器
66 A/Dコンバータ
67 電圧発生回路
68 CPU
69 クロック
70 メモリ
71 漏れ検知回路
73 A/Dコンバータ
2 天板
3 側板
4 底板
5 計量口
6 注液口
7 給液口
L 液体
LS 液面
11 漏れ検知装置
12 液導入出部
12a フィルタ
12b フィルタカバー
13 流量測定部
13a センサホルダ
13b 測定細管
133 第1の温度センサ
134 第2の温度センサ
135 ヒータ
137 圧力センサ
14 液溜め部
G 空間
15 回路収容部
15a 漏れ検知制御部
16 キャップ
16a 通気路
17 鞘管
Pg ガイド管
18 配線
181 熱伝達部材
182 薄膜発熱体
182’ 配線
23 封止部材
24 配線基板
60,61 薄膜感温体
62,63 抵抗体
65 差動増幅器
66 A/Dコンバータ
67 電圧発生回路
68 CPU
69 クロック
70 メモリ
71 漏れ検知回路
73 A/Dコンバータ
Claims (17)
- タンク内の液体の漏れを検知する装置であって、
前記タンク内の液体が下端から導入出される測定細管と、該測定細管の上端に接続され且つ前記測定細管より断面積が大きな測定管と、前記測定細管に付設され該測定細管内の液体の流量を測定するための流量センサ部と、前記液体の液位を測定するための圧力センサと、前記流量センサ部及び圧力センサに接続された漏れ検知制御部とを備えており、
該漏れ検知制御部は、
前記流量センサ部の出力を用いて算出される前記液体の流量に対応する流量対応値に基づき前記タンク内の液体の液量変化を第1の周期で検知する第1の液量変化検知と前記圧力センサにより測定される液位の時間変化率の大きさに基づき前記タンク内の液体の液量変化を第2の周期で検知する第2の液量変化検知とを行い、
第1段階にて前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の絶対値が第1の所定値を越えるか否かを判定し、ここで前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えないと判定された場合には、
第2段階にて複数回の前記第2の液量変化検知で得られた前記液体の液量変化の平均値の絶対値としての液量変化平均絶対値を得、該液量変化平均絶対値が前記第1の所定値より小さい第2の所定値を越えるか否かを判定し、ここで、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えると判定された場合には当該液量変化平均絶対値に係る前記液量変化の平均値を液量変化として出力し、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合には前記第1の液量変化検知で得られた液量変化を出力する、
ことを特徴とする、タンク内液体の漏れ検知装置。 - 前記漏れ検知制御部は、前記第1の液量変化検知で得られた液量変化の絶対値が前記第2の所定値より小さい第3の所定値を越えない場合には、液量変化なしとみなす判断を行い、その判断結果を前記液量変化に代えて又はそれと共に出力することを特徴とする、請求項1に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合において、前記第1の液量変化検知で得られた液量変化の符号が負の場合には液体漏れと判断し且つ正の場合には液体流入と判断し、その判断結果を前記液量変化に代えて又はそれと共に出力することを特徴とする、請求項1に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えると判定された場合には、液体の漏れまたは流入に起因する要液量管理と判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると判定された場合には、外部からタンク内への液体注入あるいはタンク内から外部への液体供給であると判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると判定された場合において、前記第2の液量変化検知で得られた液量変化の符号が負の場合には前記液体供給と判断し且つ正の場合には前記液体注入と判断し、その判断結果を前記液量変化と共に出力することを特徴とする、請求項5に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記第1段階で前記液体の液量変化の絶対値が前記第1の所定値を越えると最後に判定された時から所定時間が経過した後に前記第2段階へと移行するようにし、前記所定時間中は液面安定待ちであることを示す信号を出力することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記所定時間中は前記第1の液量変化検知を停止することを特徴とする、請求項7に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記所定時間中は前記流量センサ部の動作を停止させることを特徴とする、請求項8に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記漏れ検知制御部は、前記液量変化平均絶対値が前記第2の所定値を越えないと判定された場合には、出力される前記液量変化として、前記液量変化の平均値を求めた複数回の前記第2の液量変化検知に要する時間における前記第1の液量変化検知での平均的な液量変化を出力することを特徴とする、請求項1〜9に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記流量センサ部は前記測定細管に沿って順に配置された第1の温度センサ、ヒータ及び第2の温度センサを含んでなり、前記漏れ検知制御部は、前記ヒータに電圧を印加する電圧発生回路と、前記第1の温度センサ及び第2の温度センサに接続され且つこれら温度センサにより感知される温度の差に対応する出力を生ぜしめる漏れ検知回路とを有していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記第1の温度センサ及び第2の温度センサは何れも前記測定細管の外面と接触する熱伝達部材とこれに接合された感温体とを備えており、前記ヒータは前記測定細管の外面と接触する熱伝達部材とこれに接合された発熱体とを備えていることを特徴とする、請求項11に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記電圧発生回路は前記ヒータに単一パルス電圧を印加するパルス電圧発生回路であり、前記漏れ検知制御部は、前記パルス電圧発生回路による前記ヒータへの単一パルス電圧の印加に応じて前記漏れ検知回路の出力と当該出力の当初値との差を積分することで前記液体の流量に対応する流量対応値を算出し、これに基づき前記タンク内の液体の液量変化を検知することを特徴とする、請求項11〜12のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記単一パルス電圧はパルス幅が2〜10秒であり、前記流量対応値は前記漏れ検知回路の出力を20〜150秒にわたって積分したものであることを特徴とする、請求項13に記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記パルス電圧発生回路は前記単一パルス電圧を40秒〜5分但し前記漏れ検知回路の出力と当該出力の当初値との差の積分時間より長い時間の間隔をおいて前記ヒータに印加することを特徴とする、請求項13〜14のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記電圧発生回路は前記ヒータに一定の電圧を印加する定電圧発生回路であることを特徴とする、請求項11〜12のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
- 前記圧力センサは前記測定細管の下端の近傍に配置されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載のタンク内液体の漏れ検知装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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