JP4346365B2 - 漏洩検出装置およびこれを用いた漏洩検出システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タンク等に貯蔵された液体の液位変動に基づいて液体の漏洩を検出する漏洩検出装置およびこれを用いた漏洩検出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重油,ガソリン,溶剤等の液体を貯蔵する地上タンクや地下タンクにおいて液体の漏洩を検出する場合には、タンクに設置した液面検出手段を用いて貯蔵された液体の液面を検出し、その検出結果に基づいて液体の漏洩の有無を判定していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−16500号公報 (第2−5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、地上または地下に設置されたタンクが、太陽光等によって、直接または地面を介して熱せられた場合、このタンクを構成する天板や側板等は、熱膨張に起因する形状歪みを起こす。特に、特許文献1の液面検出手段においては、液面検出手段がタンクの天板に固定されていることから、天板に形状歪みが生じた場合、この液面検出手段が、天板によって動かされ、これによって、液面検出手段と液面との位置が、大きく変化してしまう。
【0005】
一方、地上または地下に設置されたタンクが、雨や雪等によって、冷却された場合も、上述した太陽光等による加熱の場合と同様に、このタンクの熱収縮に起因する形状歪みによって、このタンクに設置された液面検出手段と液面との位置が変化してしまう。
【0006】
例えば、地上に設置され、液体が漏洩していないタンクにおいて、貯蔵された液体の液位変動速度を天板に固定した液面検出手段によって検出したところ、一例として図11に示す結果が得られた。図11において、液位変動速度は、12時間に亘って検出され、そのときの天候は、曇りのち雨であり、時間T1から時間T2までの間の天候が、雷雨であった。この場合、液位変動速度は、図示のように、時間T1から時間T2に亘って著しく変化した。このことは、タンクが、雷雨によって冷却されるとともに、形状歪みを起こし、これによって、液面検出手段が天板によって動かされ、液面検出手段と液面との位置が変化したためである。このように、天板に固定された液面検出手段を用いて液位変動速度を検出するタンクにおいては、環境温度の変化によって液面検出手段と液面との位置が変化してしまう結果、液体の液位変動に基づく漏洩検出を高精度に行うことが難しく、漏洩検出の誤認によってタンクの漏洩発生を早期に検出することが困難になり、漏洩した液体による環境汚染を招来するという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、環境温度の変化によるタンクの形状歪みに起因した漏洩検出精度の劣化を抑制し、高精度かつ早期に液体の漏洩を検出することができる漏洩検出装置およびこれを用いた漏洩検出システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる漏洩検出装置は、タンクに貯蔵された液体の液位変動をもとに、前記液体の漏洩を検出する漏洩検出装置であって、前記タンク内の液体が流入または流出する液入出部と、前記液入出部の上端に配置され、当該漏洩検出装置内の前記液体の液位変動に伴う流量を測定する流量測定部と、前記流量測定部の上方に配置され、前記液入出部から流入した前記液体を貯める空間を有する液貯め部と、を備え、当該漏洩検出装置の下端が前記タンクの底板に着脱自在に係止され、当該漏洩検出装置の上端が、前記液貯め部の空間と前記タンク内とを連通させるとともに、前記タンクの天板に設けられた貫通口に上下動自在に支持されていることを特徴とする。
【0009】
この請求項1の発明によれば、漏洩検出装置は、環境温度の変化によるタンクの形状歪みに起因した漏洩検出精度の劣化を抑制し、高精度かつ早期に液体の漏洩を検出するようにしている。
【0010】
また、請求項2の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、当該漏洩検出装置の下端は、磁石を介して前記タンクの底板に着脱自在に係止されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、当該漏洩検出装置の上端は、弾性体を介して前記貫通口に支持されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、前記流量測定部と前記液貯め部は、前記液体から保護すると共に、前記流量測定部と前記底板との距離を一定に保持し得る範囲の熱膨張係数を有する金属製の保護部材が外側に配置されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、前記保護部材は、前記タンクの側板と同一の素材であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、当該漏洩検出装置は、前記底板との間に磁性体からなる中間部材が配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7の発明に係る漏洩検出装置は、上記の発明において、前記流量測定部は、前記液貯め部の空間と前記液入出部との間における前記液体の流路と、前記流路内における液体の温度を検知する少なくとも1つの温度検知手段と、前記流路内の液体を加熱する加熱手段と、前記液貯め部内の液体の温度と前記流路内の液体の温度とを同一にするように、前記加熱手段による液体の加熱温度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
一方、上記目的を達成するため、請求項8に係る漏洩検出システムは、請求項1〜7のいずれか一つに記載の漏洩検出装置を用いたことを特徴とする。
【0017】
この請求項8の発明によれば、漏洩検出システムは、漏洩検出装置を用いることにより、環境温度の変化によるタンクの形状歪みに起因した漏洩検出精度の劣化を抑制し、高精度かつ早期に液体の漏洩を検出するようにしている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる漏洩検出装置およびこれを用いた漏洩検出システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1である漏洩検出装置およびこれを用いた漏洩検出システムについて説明する。図1は、漏洩検出システム10が設置されたタンク1の一部破断図である。図2は、漏洩検出装置11の支持構造を示すタンク1の要部破断斜視図である。図3は、漏洩検出装置11の内部構造を示す部分省略断面図である。漏洩検出システム10は、図1に示すように、漏洩検出装置11と制御装置19を備えている。制御装置19は、配線18を介して漏洩検出装置11の流量測定部13と電気的に接続され、タンク1の外部の所望の位置に設置される。配線18は、流量測定部13からキャップ16を貫通するように設けたガイド管Pgの内部に配置され、液体による腐食等から保護されている。ガイド管Pgの構成素材は、タンク1を構成する素材に近似した熱膨張係数を有する金属であれば良く、さらには、鋳鉄またはステンレス鋼等のタンク1の素材と同一金属であることが望ましい。
【0020】
ここで、タンク1は、計量口5および注入口6が配置された天板2と、抽出口7が配置された側板3と、底板4とを有しており、鋳鉄またはステンレス鋼等の磁性金属部材によって構成されている。したがって、漏洩検出装置11は、マグネット15を用いて、下端をタンク1の底板4に着脱自在に係止することができ、また、底板4から容易に取り外すことができる。
【0021】
漏洩検出装置11は、図1〜3に示すように、タンク1内に鉛直方向に配置され、液入出部12、流量測定部13、液貯め部14、マグネット15及びキャップ16を備えている。漏洩検出装置11は、タンク1の天板2に配置された計量口5を貫通し、液入出部12と流量測定部13と液貯め部14とをタンク1内部に収納しており、下端に配置されたマグネット15によって、タンク1の底板4に係止されている。漏洩検出装置11は、上端のキャップ16が計量口5に支持されている。したがって、漏洩検出装置11は、液体の表面LSを液貯め部14の範囲に保持することで、液入出部12および流量測定部13がタンク1に貯蔵された液体中に沈み込むようにタンク1に設置されている。
【0022】
ここで、図2に示すように、漏洩検出装置11は、キャップ16がOリング8を介して計量口5を貫通し、上端が計量口5に支持されている。Oリング8は、ボルト5cを用いて固定される支持基盤5bと支持板5aとの間に配置されている。これによって、漏洩検出装置11は、キャップ16の部分が計量口5に対して上下動自在に支持されている。
【0023】
したがって、環境温度の変化に伴う天板2の形状変化によって計量口5が変位しても、漏洩検出装置11は、下端がタンク1の底板4に係止され、Oリング8を配置したことによって上端側が計量口5に対して滑るので、流量測定部13とタンク1の底板4との距離が一定に保持される。
【0024】
液入出部12は、図3に示すように、フィルタ12aとフィルタカバー12bとを有し、上述したセンサホルダ13aの下端部に設置されたフィルタ12aをフィルタカバー12bによって固定するように構成されている。
【0025】
フィルタ12aは、ろ過機能を有する膜を備え、タンク1内の液体中に浮遊または沈殿するスラッジ等の異物を除去するとともに、液体のみを液貯め部14内に流入させる機能を有する。
【0026】
フィルタカバー12bは、フィルタ12aをセンサホルダ13aの下端部に固定するとともに、フィルタ12aを外力から保護し、また、マグネット15を介して、漏洩検出装置11を底板4に係止する機能を有する。さらに、フィルタカバー12bの側壁には、開口部が設けられており、液入出部12とタンク1との間における液体の流通を容易にしている。なお、フィルタカバー12bの素材は、タンク1を構成する素材に近似した熱膨張係数を有する金属であれば良く、さらには、鋳鉄またはステンレス鋼等のタンク1の素材と同一であることが望ましい。
【0027】
流量測定部13は、図3に示すように、センサホルダ13aの上部に、温度センサ136およびガイド管Pgが固定され、また、センサホルダ13aに、測定細管13b、温度センサ133,134、傍熱温度センサ135が固定されている。流量測定部13は、測定細管13bの外壁面において、温度センサ133、傍熱温度センサ135、温度センサ134が、液貯め部14側から順次配置された構成を有する。この場合、流量測定部13は、傍熱温度センサ135が測定細管13bの中央に配置され、かつ、温度センサ133,134が、傍熱温度センサ135からそれぞれ等距離に配置されている。
【0028】
また、センサホルダ13aは、下端が液入出部12の上部に固定され、外側が鞘管17によって覆われているので、温度センサ133,134、傍熱温度センサ135は、液体による腐食等から保護される。なお、センサホルダ13aまたは鞘管17の構成素材は、タンク1を構成する素材に近似した熱膨張係数を有する金属であれば良く、さらには、鋳鉄またはステンレス鋼等のタンク1の素材と同一金属であることが望ましい。
【0029】
測定細管13bは、液貯め部14とタンク1内の液体の流入経路または流出経路として機能する。測定細管13bは、断面積を鞘管19の断面積に対して十分小さく設定する必要があり、少なくとも1/50以下、好ましくは1/100以下、さらに好ましくは1/300以下に設定する。このように設定することで、測定細管13bは、液貯め部14内部の液体の微小な液面変動に対して、通過する液体の大きい流速を得ることができる。
【0030】
また、温度センサ133,134は、測定細管13b内部の液体温度を検知する機能を有し、傍熱温度センサ135は、測定細管13b内部の液体温度を検知するとともに、該液体温度が液貯め部14内部の液体温度と同一温度になるように測定細管13b内部の液体を加熱する機能を有し、温度センサ136は、液貯め部14内部の液体温度を検知する機能を有する。
【0031】
ここで、温度センサ133,134を用いた場合、測定細管13bにおける二定点の各液体温度を検知し、その温度差データを電気信号として出力することができ、さらに、この温度差データに対して所定の演算処理を行うことで、測定細管13b内部における液体流量を導出することができる。すなわち、温度センサ133,134を用いて、二定点の液体温度の差を検知して液体の流量を測定する二定点流量測定部M1を構成することができる。なお、二定点流量測定部M1の回路構成については、後述する。
【0032】
また、傍熱温度センサ135および温度センサ136を用いた場合、傍熱温度センサ135が、温度センサ136によって検知された液貯め部14における液体温度と測定細管13bにおける液体温度とが同じ温度になるように、測定細管13b内部の液体を加熱し、この加熱データを電気信号として出力することができる。さらに、この加熱データに対して、所定の演算処理を行って、測定細管13b内部における液体流量を導出することができる。すなわち、傍熱温度センサ135および温度センサ136を用いて、測定細管13b内部の液体流量を測定する定温制御流量測定部M2を構成することができる。なお、定温制御流量測定部M2は、測定細管13bにおける液体温度と液貯め部14における液体温度とを同じ温度に制御する加熱データから測定細管13b内部の液体流量を測定するが、その回路構成については後述する。
【0033】
液貯め部14は、流量測定部13とキャップ16との間に配置され、かつ、鞘管17に覆われた空間Gを有し、空間Gにタンク1に貯蔵される液体を貯めるように構成されている。このとき、キャップ16に後述する通気路16aを設けたことにより、液貯め部14内部の空間Gが外部のタンク1内と連通しているため、液貯め部14内部の液体とタンク1に貯蔵された液体との各液面位置は、同一となるように保持される。さらに、液面変動にともない、液貯め部14内部の液体が、タンク1に向けて流出し、または、タンク1に貯蔵された液体が、液貯め部14内部の空間に流入する。なお、液貯め部14における液体の流入または流出は、後述する流量測定部13の測定細管13bを介して行われる。また、液貯め部14内部の底面には、センサホルダ13aによって固定された温度センサ136が露出しており、液貯め部14内部の液体の温度を検知することができる。
【0034】
マグネット15は、予め漏洩検出装置11の下端部に取り付けられ、下端部をタンク1の底板4に着脱自在に係止する機能を有する。具体的には、フィルタカバー12bの底部と底板4とが、マグネット15を介して磁力で係止される。ただし、マグネット15の断面形状は、フィルタカバー12b断面形状に相似であり、マグネット15の直径は、フィルタカバー12bの内径以下の範囲で可能な限り大きくすることが望ましい。なお、マグネット15として、周知の永久磁石を用いることができるし、電磁石を用いてもよい。マグネット15を電磁石とする場合には、計量口5に対応したタンク1の底板4に取り付けておく。
【0035】
キャップ16は、鞘管17の上部に固定されており、計量口5に上下動自在に支持されている。キャップ16は、一端がタンク1内に、他端が液貯め部14の空間Gに、それぞれ開口し、空間Gとタンク1内とを連通させる通気路16aを有している。ここで、キャップ16は、タンク1の構成素材に近似した熱膨張係数を有する金属を用いることが望ましく、さらには、鋳鉄またはステンレス鋼等、タンク1と同一素材であることが望ましい。
【0036】
つぎに、上述した二定点流量測定部M1および定温制御流量測定部M2の各回路構成について、詳細に説明する。図4は、二定点流量測定部M1および定温制御流量測定部M2の各回路構成を示す図である。図4において、二定点流量測定部M1は、検知回路60と差動増幅回路61とを備えている。また、検知回路60は、抵抗体62と、可変抵抗体63と、感温部133a,134aとを有するブリッジ回路であり、抵抗体62と感温部134aとを結ぶ配線間における点cと、可変抵抗体63と感温部133aとを結ぶ配線間における点dとが、差動増幅回路61に接続されている。ただし、感温部133a,134aは、それぞれ温度センサ133および134の構成体である。
【0037】
ここで、直流電圧入力Vinが、不図示の電源回路から検知回路60に供給されると、検知回路60における点cの電圧Vcと点dの電圧Vdとが、差動増幅回路61に入力され、電圧Vcと電圧Vdとの差(Vc-Vd)が得られる。さらに、差動増幅回路61は、得られた差(Vc-Vd)に対応した信号S1を出力する。ただし、電圧Vcおよび電圧Vdは、感温部134aおよび感温部133aによって検知される温度に依存して変化するので、差(Vc-Vd)は、感温部134aによる検知温度と感温部133aによる検知温度との差に対応して変化する。すなわち、差動増幅回路61から出力される信号S1は、温度センサ133および134によって検知される各温度の差に対応している。
【0038】
なお、検知回路60の抵抗体62および可変抵抗体63の抵抗値を、予め適宜の値に設定しておくと、所望の液体流量における差(Vc-Vd)の値を基準値(たとえば、零)に設定することができる。また、温度センサ133,134によって検知した測定細管13b内部の液体温度の差に相当する電圧出力は、この基準値に基づく液体流量に対応しているので、測定細管13b内部の液体流量に対応した電圧出力を信号S1として得ることができる。
【0039】
一方、定温制御流量測定部M2は、検知回路50と、差動増幅回路51と、トランジスタ52と、発熱部135bとを備えている。また、検知回路50は、抵抗体53および55と、可変抵抗体54と、感温部135aおよび136aとを有するブリッジ回路であり、抵抗体53と感温部136aとを結ぶ配線間における点aと、可変抵抗体54と感温部135aとを結ぶ配線間における点bとが、差動増幅回路51に接続されている。また、差動増幅回路51の出力端子は、トランジスタ52の制御入力端子(ゲート)と接続され、トランジスタ52の出力端子(ソース)は、発熱部135bに接続されている。ただし、感温部135aおよび発熱部135bは、傍熱温度センサ135の構成体であり、感温部136aは、温度センサ136の構成体である。
【0040】
ここで、直流電圧入力Vinが、不図示の電源回路から検知回路50に供給されると、検知回路50における点aの電圧Vaと点bの電圧Vbとが、差動増幅回路51に入力され、電圧Vaと電圧Vbとの差(Va-Vb)が得られる。さらに、差動増幅回路51は、得られた差(Va-Vb)に対応して、トランジスタ52のゲート端子に制御信号を出力する。この場合、トランジスタ52を介して発熱部135bにかかる電圧は、この制御信号によって制御され、発熱部135bによる発熱量が制御される。すなわち、感温部136aと差動増幅回路51とトランジスタ52とを備えることで、発熱部135bにかかる電圧を制御する機能を有する。ただし、発熱部135bから発生した熱は、感温部135a付近の液体を加温する。また、この制御信号によって制御された電圧(ソース電圧)は、定温制御流量測定部M2の出力信号S2として出力される。
【0041】
ただし、電圧Vaおよび電圧Vbは、感温部136aおよび感温部135aによって検知される温度に依存して変化するので、差(Va-Vb)は、感温部136aによる検知温度と感温部135aによる検知温度との差に対応して変化する。すなわち、差動増幅回路51から出力される制御信号は、温度センサ136および傍熱温度センサ135によって検知された各温度の差に対応している。
【0042】
たとえば、測定細管13bにおける液体流量が増加し、感温部135aの検知温度が感温部136aの検知温度より低温となった場合、差動増幅回路51は、トランジスタ52のゲート端子に対して、トランジスタ52の抵抗値を減少させる制御信号を出力する。これによって、トランジスタ52を介して発熱部135bに流れる電力が増加するとともに、発熱部135bによる発熱量が増加し、測定細管13b内部の液体を加熱する。なお、発熱部135bによる液体の加熱は、感温部135aの検知温度が感温部136aの検知温度以上の温度になるまで継続される。
【0043】
一方、測定細管13bにおける液体流量が減少し、感温部135aの検知温度が感温部136aの検知温度より高温となった場合、差動増幅回路51は、トランジスタ52のゲート端子に対して、トランジスタ52の抵抗値を増加させるような制御信号を出力する。これによって、トランジスタ52を介して発熱部135bに流れる電力が減少するとともに、発熱部135bによる発熱量が減少し、測定細管13b内部の液体の加熱を抑制する。なお、発熱部135bに対する加熱の抑制は、感温部135aの検知温度が感温部136aの検知温度未満の温度になるまで継続される。
【0044】
なお、検知回路50の抵抗体53,55、可変抵抗体54の各抵抗値を予め適宜の値に設定しておくと、所望の液体流量における差(Va−Vb)の値を基準値(たとえば、零)に設定することができる。また、発熱部135bに印加される電圧(ソース電圧)は、この基準値に基づく液体流量に対応しているので、測定細管13b内部の液体流量に対応した電圧出力を信号S2として得ることができる。
【0045】
上述した信号S1,S2は、制御装置19に出力された後、所定の演算処理がなされ、タンク1に貯蔵された液体の液位変動速度が導出される。
【0046】
つぎに、制御装置19の構成について説明する。図5は、制御装置19の概略構成を示すブロック図である。制御装置19は、得られた液位変動速度をもとに、タンク1の状態を検出し、漏洩判定処理を行う。図5において、制御装置19は、A/Dコンバータ191と、制御部192と、記憶部193と、報知部194と、タイマ195とを有する。
【0047】
A/Dコンバータ191は、上述した二定点流量測定部M1から出力される信号S1と定温制御流量測定部M2から出力される信号S2とをデジタル信号に変換し、制御部192に送信する。ただし、A/Dコンバータ191による信号S1,S2の受信は、配線18を用いた有線通信によって達成される。なお、二定点流量測定部M1、定温制御流量測定部M2およびA/Dコンバータ191に無線通信用インターフェースを設置した場合、A/Dコンバータ191による信号S1,S2の受信は、無線通信によって達成することができる。
【0048】
制御部192は、デジタル信号に変換された信号S1,S2を受信した後、所定の演算処理によって、信号S1,S2に相当する測定細管13b内部の液体流量をそれぞれ導出し、得られた各液体流量を液位変動速度にそれぞれ変換する演算制御機能を有する。また、制御部192は、得られた液位変動速度を用いてタンク1の状態判定処理を行い、タンク1を漏洩状態であると判定した場合、アラーム制御信号を出力するアラーム制御機能を有する。さらに、制御部192は、得られたタンク1の状態判定結果を記憶部193に記憶させる記憶制御機能と、記憶させた状態判定結果を出力信号として送信する出力制御機能とを有する。
【0049】
記憶部193は、制御部192から受信したタンク1の状態判定結果を記憶する機能を有する。ただし、記憶部193は、制御部192が上記各制御機能を達成するためのプログラムを予め記憶している。なお、記憶部193として、上記プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)等の再書き込みが可能なメモリとを併用すればよいが、EEPROM(Electronic Erasable Programmable Read Only Memory)等の再書き込みが可能な不揮発性メモリを用いることが望ましい。また、これらのメモリを組み合わせて用いてもよい。
【0050】
報知部194は、受信した出力制御信号に対応して、アラームを出力する機能を有する。また、制御部192から出力信号を受信した場合、受信した情報を画面出力またはプリント出力する機能を有する。なお、報知部194が出力するアラームは、ブザーやサイレン等の音によるアラーム出力であってもよいし、警告灯等の光によるアラーム出力であってもよいし、モニタ表示等の画面出力であってもよいし、これらの組み合わせによるアラーム出力であってもよい。
【0051】
タイマ195は、制御部192が上述した各処理を行う場合、その現在の日付および時刻に相当するデジタル信号を制御部192に送信する機能を有する。すなわち、タイマ195は、制御部192に対して時刻情報を提供する時計として機能する。
【0052】
つぎに、漏洩検出システム10において、制御装置19がタンク1における液体の漏洩状態を検出し、アラームを発するまでの動作について、詳細に説明する。図6は、制御装置19が、測定細管13bにおける液体流量を検出し、該液体流量からタンク1に貯蔵された液体の液位変動速度を導出し、その後、タンク1の状態判定処理を行い、アラームを発するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
図6において、温度センサ133が、図3に示す測定細管13bの位置における液体の温度T1を検知し、温度センサ134が、図3に示す測定細管13b上の位置における液体の温度T2を検知した場合、二定点流量測定部M1は、温度T1と温度T2との差(T1−T2)に対応した信号S1を出力し、制御装置19に送信する。また、傍熱温度センサ135が、図3に示す測定細管上の位置における液体の温度T3を検知し、温度センサ136が、液貯め部14内部の液体の温度T4を検知した場合、定温制御流量測定部M2は、温度T3と温度T4とを同一温度にするように、傍熱温度センサ135によって測定細管13b内部の液体を加熱するとともに、該加熱作動に対応する信号S2を出力する。その後、制御装置19は、信号S1,S2を受信し、制御部192による演算処理を行って、信号S1に対応する液体の流量P1と信号S2に対応する液体の流量P2とを検出する(ステップS10)。ここで、測定細管13bを流れる液体は流出の場合と流入の場合があるが、液面変動を検出すればよいので、流れの方向は問わない。したがって、流量P1,P2および液位変動速度は、正の数として扱う。
【0054】
また、得られた流量P1,P2は、測定細管13b内部における液体の流量であり、液貯め部14および液入出部12の間を流通する液体の流量に相当する。したがって、流量P1,P2は、液貯め部14の断面積の値による除算処理を行って、液貯め部14内部の液体の液位変動速度に容易に換算される。すなわち、制御装置19は、流量P1,P2に対する上記除算処理を行って、液貯め部14における液位変動速度F1,F2をそれぞれ導出する(ステップS11)。なお、液貯め部14内部の液位は、タンク1内の液位と同一であるため、ステップS11によって得られた液位変動速度F1,F2は、ともにタンク1に貯蔵された液体の液位変動速度に相当する。
【0055】
つぎに、二定点流量測定部M1の出力信号S1をもとに導出した液位変動速度F1を用いて、液体の漏洩判定を行う(ステップS12)。なお、この漏洩判定処理は、予め設定した所定の液位変動速度範囲に対応する漏洩判定基準をもとに行われる。
【0056】
ここで、ステップS12による漏洩判定処理の結果、タンク1における液体漏洩の発生を検出した場合(ステップS13,Yes)、制御装置19は、定温制御流量測定部M2の出力信号S2をもとに導出した液位変動速度F2を用いて、タンク1の状態判定を行う(ステップS14)。なお、このタンク状態判定処理は、予め設定した所定の液位変動速度範囲に対応するタンク状態判定基準をもとに行われる。
【0057】
つぎに、ステップS14によるタンク状態判定処理の結果、タンク1における液体漏洩の発生を検出した場合(ステップS15,Yes)、制御部192は、漏洩発生に相当するアラーム制御信号とタイマ195による時間信号とを報知部194に送信する。その後、報知部194は、受信したアラーム制御信号および時間信号に基づき、漏洩発生時刻と漏洩発生とを報知する音、光、画面表示等によるアラームを発する(ステップS16)。さらに、制御部192は、上記漏洩検出結果と時間信号とを記憶部193に送信し、タンク状態対時間情報として記憶させる。その後、制御部192は、上述したステップS10の液体流量検出処理を継続的に行う。
【0058】
一方、ステップS12による漏洩判定処理によって、タンク1における液体漏洩の発生を検出しなかった場合(ステップS13,No)、制御部192は、この漏洩判定結果とタイマ195による時間信号とを記憶部193に送信し、タンク状態対時間情報として記憶させる。その後、制御部192は、上述したステップS10の液体流量検出処理を継続的に行う。
【0059】
また、ステップS14によるタンク状態判定処理によって、タンク1の液体漏洩の発生を検出しなかった場合(ステップS15,No)、制御部192は、このタンク状態判定結果とタイマ195による時間信号とを記憶部193に送信し、タンク状態対時間情報として記憶させる。その後、制御部192は、上述したステップS10の液体流量検出処理を継続的に行う。
【0060】
ここで、上述したタンク1の漏洩判定処理(ステップS12)およびタンク状態判定処理(ステップS14)について、さらに具体的に説明する。図7は、二定点流量測定部M1または定温制御流量測定部M2の各信号による出力電圧に対するタンク1内部の液位変動速度の関係を示す図である。図7において、線L1は二定点流量測定部M1の信号に対応した出力電圧であり、線L2は定温制御流量測定部M2の信号に対応した出力電圧である。ただし、二定点流量測定部M1は、タンク1の貯蔵液体の超微少な液位変動を検出する測定部であり、その液位変動速度の有効検出範囲は、0.001mm/h〜2mm/hである。また、定温制御流量測定部M2は、タンク1の貯蔵液体の多量な液位変動を検出可能な測定部であり、その液位変動速度の有効検出範囲は、2mm/h〜2000mm/hである。
【0061】
図7において、液位変動速度が0.002mm/h未満である場合、タンク1は貯蔵した液体の液位変動がほとんどない状態(停止状態)であり、液位変動速度が0.002mm/h〜100mm/hの範囲である場合、貯蔵した液体がタンク1の外部に漏洩した状態(漏洩状態)である。また、液位変動速度が100mm/h〜1000mm/hの範囲である場合、タンク1からの液体の汲み出しにともない、液位が急激に低下している状態(汲み出し状態)であり、液位変動速度が1000mm/h以上である場合、タンク1に対する液体の補充にともない、液位が急激に上昇している状態(補充状態)である。
【0062】
また、図4に示す二定点流量測定部M1の検知回路60を構成する抵抗体62および可変抵抗体63の各抵抗値を適宜設定して、液位変動速度が、0.001mm/h〜0.002mm/hの範囲に相当する信号S1の出力電圧を電圧V1[V]とし、また、液位変動速度が、2mm/hに相当する信号S1の出力電圧を電圧V2[V]とする。この場合、上述したステップS12におけるタンク1の漏洩判定基準は、信号S1の出力電圧が電圧V1[V]であると、漏洩発生なし(停止状態)と判定され、信号S1の出力電圧が電圧V1[V]から電圧V2[V]の間であると、漏洩発生あり(漏洩状態)と判定される。ただし、信号S1の出力電圧が電圧V2[V]を超えたときには、タンク1は漏洩状態であると判定されるが、この液面変動速度は、定温制御流量測定部M2からの出力信号S2を用いて検出される。
【0063】
さらに、図4に示す定温制御流量測定部M2の検知回路50を構成する抵抗体53,55、可変抵抗体54の各抵抗値を適宜設定して、液位変動速度2mm/hに相当する信号S2の出力電圧を電圧V3[V]とし、液位変動速度100mm/hに相当する信号S2の出力電圧を電圧V4[V]とし、液位変動速度1000mm/hに相当する信号S2の出力電圧をV5[V]とする。この場合、上述したステップS14におけるタンク1のタンク状態判定基準は、信号S2の出力電圧が電圧V3[V]から電圧V4[V]の間であると、漏洩発生あり(漏洩状態)と判定され、信号S2の出力電圧が電圧V4[V]から電圧V5[V]の間であると、汲み出し状態と判定され、信号S2の出力電圧が電圧V電圧V5[V]以上であると、補充状態と判定される。ただし、信号S2の出力電圧が電圧V3[V]未満であるときには、定温制御流量測定部M2における検出範囲外と判定され、タンク1の状態は、上述したタンク1の漏洩判定基準に従う。
【0064】
たとえば、二定点流量測定部M1および定温制御流量測定部M2が、信号S1および信号S2をそれぞれ出力し、信号S1の出力電圧が電圧V1[V]である場合、制御部192は、図7に示す線L1をもとに漏洩判定処理を行い、タンク1が停止状態であると判定する。なお、この場合の信号S2による出力電圧は、電圧V3未満であるため、定温制御流量測定部M2における検出範囲外である。
【0065】
また、信号S1の出力電圧が、電圧V1[V]超え、電圧V2[V]以下である場合、制御部192は、線L1をもとに漏洩判定処理を行い、タンク1が漏洩状態であると判定する。この漏洩判定処理によって、タンク1の貯蔵液体の漏洩が検出された場合、制御部192は、図7に示す線L2をもとにタンク状態判定処理を行い、タンク1の状態を判定する。しかし、信号S2の出力電圧は、電圧V3[V]未満であるため、定温制御流量測定部M2における検出範囲外である。したがって、制御部192は、上記漏洩判定結果をもとに、タンク1を漏洩状態であると判定する。
【0066】
さらに、信号S1の出力電圧が、電圧V1[V]を超え、かつ、信号S2の出力電圧が、電圧V3以上、電圧V4[V]未満である場合、制御部192は、線L1をもとに漏洩判定処理を行い、タンク1が漏洩状態であると判定した後、線L2をもとにタンク状態判定処理を行い、タンク1の状態を判定する。しかし、信号S2の出力電圧は、電圧V3[V]未満であるため、定温制御流量測定部M2における検出範囲外である。したがって、制御部192は、線L1に基づく漏洩判定結果をもとに、タンク1を漏洩状態であると判定する。
【0067】
また、信号S1の出力電圧が、電圧V1[V]を超え、かつ、信号S2の出力電圧が、電圧V4以上、電圧V5[V]未満である場合、制御部192は、線L1をもとに漏洩判定処理を行い、タンク1が漏洩状態であると判定した後、線L2をもとにタンク状態判定処理を行い、タンク1の状態を判定する。この場合、線L2によれば、タンク1が汲み出し状態であると判定される。したがって、制御部192は、線L2に基づくタンク状態判定結果をもとに、タンク1を汲み出し状態であると判定する。
【0068】
さらに、信号S1の出力電圧が、電圧V1[V]を超え、かつ、信号S2の出力電圧が、電圧V5[V]を超える場合、制御部192は、線L1をもとに漏洩判定処理を行い、タンク1が漏洩状態であると判定した後、線L2をもとにタンク状態判定処理を行い、タンク1の状態を判定する。この場合、線L2によれば、タンク1が補充状態であると判定される。したがって、制御部192は、線L2に基づくタンク状態判定結果をもとに、タンク1を補充状態であると判定する。
【0069】
以上のように、上述した漏洩検出およびタンク状態判定の各機能を有する漏洩検出システム10においては、漏洩検出装置11の液入出部12の下端が、図1に示すように、マグネット15を介して、タンク1の底板4に係止され、かつ、漏洩検出装置11の上端部が、図2に示すように、タンク1の計量口5に配置されたOリング8によって、タンク1内部の気密性を保持しつつ、タンク1に対して上下動自在に支持されている。このため、熱的環境変化によってタンク1の天板2または側板3の膨張収縮によって歪みが発生しても、計量口5が、漏洩検出装置11の上端部に対して滑り、かつ、漏洩検出装置11の下端部は、底板4に係止されるので、漏洩検出装置11は、この歪みによって、上下に動かされることがない。したがって、底板4に対する流量測定部13の高さは、常時一定であり、底板4に対する流量測定部13の高さ変位による擬似漏洩検出等の誤認識を抑制することができる。
【0070】
ここで、漏洩検出システム10を設置した新設で、液体の漏洩が発生していないタンク1において、タンク1内における液体の液位変動速度の時間変化を測定したところ、図8に示す結果が得られた。タンク1は、寒暖差が10度程度ある環境であったにもかかわらず、液位変動速度に大きな変化が見られず、ほぼ零近傍で安定していることが分かる。すなわち、漏洩検出装置11によれば、熱的環境変化にともなうタンク1の膨張収縮による歪み、特に天板2や側板3の歪みに起因する擬似漏洩等の誤認識が抑制され、高精度な漏洩検出処理が可能な漏洩検出システムを実現できる。
【0071】
以上に説明したように、この発明の実施の形態1である漏洩検出システム10は、二定点流量測定部M1および定温制御流量測定部M2を備えた漏洩検出装置11と、これら測定部によって検知された液体温度情報からタンク1に貯蔵された液体の液位変動速度を検出し、漏洩検出およびアラーム出力を行う制御装置とを有し、漏洩検出装置11の下端部が、マグネット15を介してタンク1の底板4に係止され、かつ、漏洩検出装置11の上端部が、計量口5に配置されたOリング8によってタンク1に対して上下動自在に支持されている。このため、漏洩検出装置11は、熱的環境変化にともなうタンク1の膨張収縮による歪み、特に天板2や側板3の歪みに対して影響を受けないとともに、タンク1の底板4に対する流量測定部13の高さが一定に保持され、底板4に対する流量測定部13の高さ変位による擬似漏洩検出等の誤認識を抑制することができ、高精度な漏洩検出処理が可能な漏洩検出システムを実現できる。
【0072】
また、漏洩検出システム10は、タンク1の貯蔵液体の液位変動速度を検出する手段として、温度センサ133および134を有する二定点流量測定部M1と、傍熱温度センサ135および温度センサ136を有する定温制御流量測定部M2を用いているので、超微少な液位変動から多量な液位変動に亘る6桁の有効検出範囲を有し、常時、漏洩流量の確認によるタンク状態判定処理を行うことができ、漏洩発生を早期に、かつ、容易に確認することができる。
【0073】
さらに、漏洩検出システム10による漏洩検出処理は、貯蔵液体の汲み出し作業等の予備作業やタンクの密閉工事等の予備工事等を必要としないので、漏洩検出処理を行う場合、タンク1の運用を停止する必要がなく、漏洩検出処理における経営者等に対する経済的損失を低減することができる。
【0074】
なお、この発明の実施の形態1では、制御部192と報知部194との信号の送受信が、制御装置19内部における有線通信によって行われている場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、制御部192および報知部194に無線通信用インターフェースを設置し、報知部194に対する制御部192の制御信号の送信が、無線通信によって達成される場合に適用することもできる。この場合、漏洩検出のアラーム出力を行う報知ユニットをタンク1に対して遠隔地に設置できるので、漏洩検出の遠隔モニタリングが可能な漏洩検出システムを実現できる。
【0075】
また、この発明の実施の形態1では、タンク1が、円筒状の地上タンクである場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、タンク形状は、球状や直方体等の円筒状以外の形状であってもよく、さらに、地下タンクであってもよい。
【0076】
また、この発明の実施の形態1では、漏洩検出装置11の形状が筒状である場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、漏洩検出装置の横断面形状が、楕円や多角形等の円以外であってもよい。
【0077】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、漏洩検出装置11の下端部を、マグネット15を介してタンク1の底板4に着脱自在に係止するようにしていたが、この実施の形態2では、液入出部12の下部にマグネット15を介してボーラーを設けるようにしている。
【0078】
図9は、この発明の実施の形態2である漏洩検出システム20の構成を、漏洩検出システム20をタンク1に設置した状態で示した部分省略断面図である。漏洩検出システム20は、実施の形態1の漏洩検出装置11における液入出部12の下端部にマグネット15を介して磁性体からなるボーラー21が設けられている。漏洩検出システム20は、その他の構成は、実施の形態1の漏洩検出システム10と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。また、図10は、ボーラー21の構造を示す下方斜視図である。
【0079】
ボーラー21は、上部に設置される漏洩検出装置11を、マグネット15を介してタンク1の底板4に固定する磁性体で、図9および図10に示すように、側壁に複数の開口部21aが設けられている。漏洩検出システム20は、漏洩検出装置11における液入出部12の下端部にマグネット15を介して磁性体からなるボーラー21を設けている。このため、漏洩検出システム20は、漏洩検出装置11をタンク1に取り付ける際、タンク1の底にスラッジ等の異物nが堆積していても、ボーラー21が底板4に磁気的に吸着するときに、ボーラー21が堆積したスラッジ等の異物nを排除すると共に、ボーラー21内部に巻き込まれた異物nは開口部21aから外部へ押し出される。このため、漏洩検出装置11は、ボーラー21の周壁下部と底板4との間に異物nが挟み込まれることがないので、下端がタンク1の底板4に磁力を保持した状態で適正に係止される。ここで、ボーラー21は、マグネット15によって磁性化されるので、磁力によって底板4に容易に係止できる。この場合、ボーラー21は、図9に示すように、液入出部12のフィルタ12aが異物nに埋まらない程度の高さを有していれば良い。
【0080】
さらに、上述したボーラー21の機能は、異物nが漏洩管理対象外の液体である場合でも、液入出部12のフィルタ12aがタンク1と漏洩検出装置11との間で貯蔵した液体を流通させるうえで、有効である。
【0081】
なお、ボーラー21の横断面形状は、円、楕円、多角形のいずれでもよく、フィルタカバー12bの横断面形状に相似であることが望ましい。また、ボーラー21の構成部材は、比較的磁性化され易い金属であれば良く、さらには、鋳鉄またはステンレス鋼等、タンク1と同一の金属素材であることが望ましい。また、ボーラー21として、永久磁石を用いてもよい。
【0082】
この実施の形態2では、漏洩検出装置11の液入出部12とタンク1の底板4との間に、マグネット15を介してボーラー21を配置し、漏洩検出装置11をタンク1に取り付ける際に、底板4に堆積したスラッジや漏洩管理対象外の液体等の異物を排除するようにし、さらに、フィルタ12a底部と底板4との距離(配置高さ)を異物nの堆積高さよりも大きくしているので、漏洩検出装置11を底板4に確実に係止させることができるとともに、フィルタ12aの液体流通効率の劣化を抑制することができ、タンク1の貯蔵液体の漏洩検出処理を確実に行うことができる。
【0083】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、タンクに貯蔵された液体の液位変動をもとに、前記液体の漏洩を検出する漏洩検出装置を、前記タンク内の液体が流入または流出する液入出部と、前記液入出部の上端に配置され、当該漏洩検出装置内の前記液体の液位変動に伴う流量を測定する流量測定部と、前記流量測定部の上方に配置され、前記液入出部から流入した前記液体を貯める空間を有する液貯め部と、を備え、当該漏洩検出装置の下端が前記タンクの底板に着脱自在に係止され、当該漏洩検出装置の上端が、前記液貯め部の空間と前記タンク内とを連通させるとともに、前記タンクの天板に設けられた貫通口に上下動自在に支持されている構成とし、漏洩検知システムを、上記漏洩検出装置を用いた構成としたので、環境温度の変化によるタンクの形状歪みに起因した漏洩検出精度の劣化を抑制し、高精度かつ早期に液体の漏洩を検出することができる漏洩検出装置および漏洩検出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムが設置されたタンクの一部破断図である。
【図2】この発明の実施の形態1である漏洩検出装置の支持構造を示すタンクの要部破断斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1である漏洩検出装置の内部構造を示す部分省略断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムにおける流量測定部の回路構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムにおける制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムの制御装置による漏洩検出処理手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムにおける出力電圧とタンク貯蔵液体の液位変動速度との関係を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1である漏洩検出システムによって検出されたタンク内における液体の液位変動速度の時間変化を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2である漏洩検出システムの構成を示す部分省略断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2である漏洩検出システムで用いるボーラーの構造を示す下方斜視図である。
【図11】従来の漏洩検出システムによって検出されたタンク貯蔵液体の液位変動速度と時間との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 タンク
2 天板
3 側板
4 底板
5 計量口
5a 支持板
5b 支持基盤
5c ボルト
6 注入口
7 抽出口
8 Oリング
10,20 漏洩検出システム
11 漏洩検出装置
12 液入出部
12a フィルタ
12b フィルタカバー
13 流量測定部
13a センサホルダ
13b 測定細管
14 液貯め部
15 マグネット
16 キャップ
16a 通気路
17 鞘管
18 配線
19 制御装置
21 ボーラー
21a 開口部
50,60 検知回路
51,61 差動増幅回路
52 トランジスタ
53,55,62 抵抗体
54,63 可変抵抗体
133a,134a,135a,136a 感温部
135b 発熱部
133,134,136 温度センサ
135 傍熱温度センサ
191 A/Dコンバータ
192 制御部
193 記憶部
194 報知部
195 タイマ
G 空間
L1,L2 線
LS 液面
M1 二定点流量測定部
M2 定温制御流量測定部
Pg ガイド管
S1,S2 信号
Vin 直流電圧入力
n 異物

Claims (8)

  1. タンクに貯蔵された液体の液位変動をもとに、前記液体の漏洩を検出する漏洩検出装置であって、
    前記タンク内の液体が流入または流出する液入出部と、
    前記液入出部の上端に配置され、当該漏洩検出装置内の前記液体の液位変動に伴う流量を測定する流量測定部と、
    前記流量測定部の上方に配置され、前記液入出部から流入した前記液体を貯める空間を有する液貯め部と、
    を備え、当該漏洩検出装置の下端が、前記タンクの底板に着脱自在に係止され、当該漏洩検出装置の上端が、前記液貯め部の空間と前記タンク内とを連通させるとともに、前記タンクの天板に設けられた貫通口に上下動自在に支持されていることを特徴とする漏洩検出装置。
  2. 当該漏洩検出装置の下端は、磁石を介して前記タンクの底板に着脱自在に係止されることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検出装置。
  3. 当該漏洩検出装置の上端は、弾性体を介して前記貫通口に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の漏洩検出装置。
  4. 前記流量測定部と前記液貯め部は、前記液体から保護すると共に、前記流量測定部と前記底板との距離を一定に保持し得る範囲の熱膨張係数を有する金属製の保護部材が外側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の漏洩検出装置。
  5. 前記保護部材は、前記タンクの側板と同一の素材であることを特徴とする請求項4に記載の漏洩検出装置。
  6. 当該漏洩検出装置は、前記底板との間に磁性体からなる中間部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の漏洩検出装置。
  7. 前記流量測定部は、
    前記液貯め部の空間と前記液入出部との間における前記液体の流路と、
    前記流路内における液体の温度を検知する少なくとも1つの温度検知手段と、
    前記流路内の液体を加熱する加熱手段と、
    前記液貯め部内の液体の温度と前記流路内の液体の温度とを同一にするように、前記加熱手段による液体の加熱温度を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の漏洩検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の漏洩検出装置を用いたことを特徴とする漏洩検出システム。
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