JPH07305301A - 軌道用防振装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フローティングスラブの横方向に防振ゴムを
設けずに横揺れを防止して軌道の安全性を確保する。 【構成】 フローティングスラブ３の下面に固着される
上部ブラケット４と剛性路盤１上に固着される下部ブラ
ケット５との間に弾性体６を介在し、上部ブラケット４
の横方向への移動を下部ブラケット５により規制した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、剛性路盤上に、上部
にレール連結装置を介してレールを支持するフローティ
ングスラブを弾性的に支持する軌道用防振装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の軌道用防振装置としては、図５に
示すように、剛性路盤１上に、上部にレール２を支持す
るフローティングスラブ３を防振ゴム１００で支持した
ものが知られている。フローティングスラブ３は、平板
状又は枠型のプレキャストコンクリート製であり、この
フローティングスラブ３を防振ゴム１００で部分的に支
承し、支持面積を減らし、自由表面を増加させて軟かい
支持ばね係数を得るようになっている。防振ゴム１００
としては、例えばフローティングスラブ３の下面所定位
置に弾性ゴムマットを貼付し、その下に高さを調整する
ためにセメントアスファルトモルタルを注入した構成の
ものや、２液混合方式による常温硬化型ポリウレタン系
樹脂を主体とするものであり、さらには金具とゴムとを
組合せたもの等が知られている。電車１０１が走行する
と、フローティングスラブ３は横揺れし、この横揺れを
防止するためにフローティングスラブ３の両側面に対向
する位置に防振ゴム１０２を設けていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】フローティングスラブ
の横方向に防振ゴム１０２を設けても、軌道の横ずれ値
１〜３mmを確保できるか疑問であり、また防振ゴム１０
０の他にも防振ゴム１０２を使用するので経済的ではな
かった。

【０００４】そこで、この発明は、フローティングスラ
ブの横方向に防振ゴムを設けずに横揺れを防止して軌道
の安全性を確保することのできる軌道用防振装置を提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、剛性路盤上で、上部にレール連結装置
を介してレールを支持するフローティングスラブを弾性
的に支持する軌道用防振装置において、フローティング
スラブの下面に固着される上部ブラケットと剛性路盤上
に固着される下部ブラケットとの間に弾性体を介在し、
上部ブラケットの横方向への移動を下部ブラケットによ
り規制したものである。

【０００６】

【作用】この発明では、フローティングスラブ側の上部
ブラケットが剛性路盤側の下部ブラケットにより横方向
の移動が規制され、しかもこれら上下のブラケット間に
弾性体が設けられているので、騒音，振動の低減を図り
つつフローティングスラブの横揺れを防止している。ま
た、防振装置の個所で横揺れを防止しているので、横揺
れ防止専用の防振ゴムも不要となり経済的である。

【０００７】

【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照して説明する。

【０００８】図１に示す実施例において、剛性路盤１上
に、上部にレール連結装置（図示せず）を介してレール
を支持するフローティングスラブ３を弾性的に支持する
防振装置１０を設けてある。この防振装置１０は、フロ
ーティングスラブ３の下面に固着される上部ブラケット
４と、剛性路盤１上に固着される下部ブラケット５と、
これら上部ブラケット４と下部ブラケット５との間に介
在される弾性体６とから成る。上部ブラケット４はフロ
ーティングスラブ３に固着される平板部４Ａと、底部４
Ｂを備えた筒部４Ｃとから成り、下部ブラケット５は剛
性路盤１に固着される平板部５Ａと、この平板部５Ａと
から立ち上がった中空筒部５Ｂとから成る。弾性体６は
この中空筒部５Ｂ内に設けてあり、上部ブラケット４の
筒部４Ｃの底部４Ｂが弾性体６上に接触載置される。

【０００９】この実施例では、上部ブラケット４の横方
向への移動を下部ブラケット５により規制している。具
体的には、横方向への規制手段として上部ブラケット４
に筒部４Ｃを設け、下部ブラケット５に中空筒部５Ｂを
設け、筒部４Ｃが中空筒部５Ｂに嵌まり込むことにより
上部ブラケット４の横方向への移動を規制している。ま
た、中空筒部５Ｂの内周面と筒部４Ｃの外周面とが重な
り合う個所に負荷低減用の摩擦材７を取付けてある。摩
擦材７としてはテフロン（登録商標）等のような摩擦係
数の小さい材料を用いることができる。

【００１０】中空筒部５Ｂと筒部４Ｃの形状は円筒形，
多角形その他の形状のものを用いることができる。ま
た、中空筒部５Ｂの替りに単に横方向両側に立壁を設け
たものであっても良い。

【００１１】図２においては、摩擦材７としてボール軸
受を使用した例を示す。

【００１２】図１および図２で使用される弾性体６とし
ては、天然ゴムや減衰性に優れた減衰ゴムを使用するこ
とができる。

【００１３】図３はフローティングスラブ３の部分的な
平面図であり、防振装置１０の取付位置を示している。

【００１４】図４は図３のＡ−Ａ線断面図を示し、防振
装置１０のフローティングスラブ３と剛性路盤１への取
付け状態を示すものである。ここで上部ブラケット４は
平板部４Ａの外周に立ち上がり部４Ｄを形成し、平板部
４Ａに中実の筒部４Ｃを設けたものであり、スタッドボ
ルト８により平板部４Ａと立ち上がり部４Ｄをフローテ
ィングスラブ３に固着してある。中実の筒部４Ｃは下部
ブラケット５の中空筒部５Ｂに嵌まり込み、平板部５Ａ
と中実の筒部４Ｃとの間に弾性体６を挟み込んである。
下部ブラケット５はアンカーボルトやレジンコンクリー
トで剛性路盤１に固定してある。

【００１５】上述した負荷低減用の摩擦材７としてはテ
フロン材料から成るものやボールあるいはコロ等が使用
でき、これら摩擦材７を設けることにより、筒部４Ｃと
中空筒部５Ｂとがすれて電車の乗り心地に影響を与えな
いようにするとともに、両者が破損しないようにする機
能を有する。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、上部ブラケットの横方向への移動を下部ブラケット
により規制したので、フローティングスラブの横方向に
別個の防振ゴムを設ける必要もなく、軌道の横揺れを防
止することができ、軌道の安全を確保することができ
る。また、横揺れ防止手段は、剛性路盤とフローティン
グスラブとの間に設けられる防振装置に設けてあるの
で、横揺れ防止のための施工も簡単となり、別個に防振
ゴムを設ける必要もないので経済的効果が大きいもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の好適な実施例を示す断面図。

【図２】摩擦部材の他の例を示す断面図。

【図３】フローティングスラブの部分的な平面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【図５】従来の横揺れ防止手段を示す説明図。

【符号の説明】

１ 剛性路盤 ２ レール ３ フローティングスラブ ４ 上部ブラケット ４Ｃ 筒部 ５ 下部ブラケット ５Ｂ 中空筒部 ６ 弾性体 ７ 摩擦材 １０ 防振装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 剛性路盤上で、上部にレール連結装置を
   介してレールを支持するフローティングスラブを弾性的
   に支持する軌道用防振装置において、 フローティングスラブの下面に固着される上部ブラケッ
   トと剛性路盤上に固着される下部ブラケットとの間に弾
   性体を介在し、 上部ブラケットの横方向への移動を下部ブラケットによ
   り規制したことを特徴とする軌道用防振装置。
2. 【請求項２】 上部ブラケットに筒部を設け、下部ブラ
   ケットに中空筒部を設け、筒部を中空筒部内へ嵌め込ん
   だことを特徴とする請求項１に記載の軌道用防振装置。
3. 【請求項３】 筒部と中空筒部とが重なり合う個所に負
   荷低減用の摩擦材を取付けたことを特徴とする請求項２
   に記載の軌道用防振装置。