JPH07305157A - 2層スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
2層スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH07305157A JPH07305157A JP9675794A JP9675794A JPH07305157A JP H07305157 A JPH07305157 A JP H07305157A JP 9675794 A JP9675794 A JP 9675794A JP 9675794 A JP9675794 A JP 9675794A JP H07305157 A JPH07305157 A JP H07305157A
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- Japan
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- plating
- steel sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、溶融亜鉛スプレー方法により、良
好な外観を有し、且つ、良好なめっき密着性を有する溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 前処理されて連続的に供給されてくる帯状鋼
板の表面に溶融亜鉛スプレーめっきして溶融亜鉛めっき
鋼板を製造するに際し、Al0.2wt%以上を含有し、
残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛をスプ
レーめっきして第一めっき層を形成した後、Al含有量
を0.08wt%以下に制限し、残部が亜鉛及び不可避的
不純物からなる溶融亜鉛をスプレーめっきして第二めっ
き層を形成する。
好な外観を有し、且つ、良好なめっき密着性を有する溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 前処理されて連続的に供給されてくる帯状鋼
板の表面に溶融亜鉛スプレーめっきして溶融亜鉛めっき
鋼板を製造するに際し、Al0.2wt%以上を含有し、
残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛をスプ
レーめっきして第一めっき層を形成した後、Al含有量
を0.08wt%以下に制限し、残部が亜鉛及び不可避的
不純物からなる溶融亜鉛をスプレーめっきして第二めっ
き層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯状鋼板の溶融亜鉛ス
プレーめっき方法、特に高品質の帯状鋼板を得ることが
できるめっき方法に関するものである。
プレーめっき方法、特に高品質の帯状鋼板を得ることが
できるめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛の如き溶融金属をスプレーによ
り微粒化し、これを連続的に送られてくる帯状鋼板の表
面に付着させてめっきする、スプレーめっき方法は、従
来から、特開昭53−99047号公報、特開平1−2
01456号公報で知られている。いずれも溶融亜鉛中
のAl含有量の重要性について、全く言及しておらず、
最適なAl含有量は規定されていない。従って、溶融亜
鉛中のAl含有量は、現状の浸漬してめっきする溶融亜
鉛めっき法で通常設定されている0.1〜0.2wt%の
含有量でも問題ないとされている。
り微粒化し、これを連続的に送られてくる帯状鋼板の表
面に付着させてめっきする、スプレーめっき方法は、従
来から、特開昭53−99047号公報、特開平1−2
01456号公報で知られている。いずれも溶融亜鉛中
のAl含有量の重要性について、全く言及しておらず、
最適なAl含有量は規定されていない。従って、溶融亜
鉛中のAl含有量は、現状の浸漬してめっきする溶融亜
鉛めっき法で通常設定されている0.1〜0.2wt%の
含有量でも問題ないとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融亜
鉛中のAl含有量が高くなると、溶融亜鉛の流動性が著
しく悪化する。そのため、前述の溶融亜鉛スプレーめっ
き方法では、付着した微粒化亜鉛が帯状鋼板上で十分に
拡がり切らずに、溶融亜鉛と鉄の合金化反応が不均一に
進行し、帯状鋼板表面上の至るところで、付着溶融亜鉛
が流動不良のままで固化して、斑点模様として残り、均
一なめっき外観を得ることが困難となる。従って、従来
の溶融亜鉛スプレーめっき方法では、斑点模様が鋼板表
面に散在し、めっき面全体が均一な外観を有する溶融亜
鉛めっき鋼板を得ることは極めて困難である。
鉛中のAl含有量が高くなると、溶融亜鉛の流動性が著
しく悪化する。そのため、前述の溶融亜鉛スプレーめっ
き方法では、付着した微粒化亜鉛が帯状鋼板上で十分に
拡がり切らずに、溶融亜鉛と鉄の合金化反応が不均一に
進行し、帯状鋼板表面上の至るところで、付着溶融亜鉛
が流動不良のままで固化して、斑点模様として残り、均
一なめっき外観を得ることが困難となる。従って、従来
の溶融亜鉛スプレーめっき方法では、斑点模様が鋼板表
面に散在し、めっき面全体が均一な外観を有する溶融亜
鉛めっき鋼板を得ることは極めて困難である。
【0004】一方、溶融亜鉛中のAl含有量が低含有量
であれば、溶融亜鉛の流動性が極めて良好なため、斑点
模様が形成されず、均一な外観のめっき鋼板を得ること
ができる。ところが、溶融亜鉛中に適正な含有量のAl
が存在しないと、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層と鋼板
の密着性を高める役割をするFe−Zn−Alの3元系
合金が形成されない。更に、Alによる合金化抑制作用
が存在しないので、溶融亜鉛と鉄の合金化反応が徒に速
く進行してしまい、亜鉛−鉄界面が半ば合金化した溶融
亜鉛めっき鋼板になってしまう。このため、この方法で
得られた溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性は、極めて
不良となり、通常の溶融亜鉛めっき鋼板(通称GIめっ
き鋼板)と同等のめっき密着性は得られない。
であれば、溶融亜鉛の流動性が極めて良好なため、斑点
模様が形成されず、均一な外観のめっき鋼板を得ること
ができる。ところが、溶融亜鉛中に適正な含有量のAl
が存在しないと、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層と鋼板
の密着性を高める役割をするFe−Zn−Alの3元系
合金が形成されない。更に、Alによる合金化抑制作用
が存在しないので、溶融亜鉛と鉄の合金化反応が徒に速
く進行してしまい、亜鉛−鉄界面が半ば合金化した溶融
亜鉛めっき鋼板になってしまう。このため、この方法で
得られた溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性は、極めて
不良となり、通常の溶融亜鉛めっき鋼板(通称GIめっ
き鋼板)と同等のめっき密着性は得られない。
【0005】このように、従来の溶融亜鉛スプレーめっ
き方法では、良好な外観を有し、且つ、良好なめっき密
着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を製造することはでき
ない。本発明は、溶融亜鉛スプレーめっき方法により、
良好な外観を有し、且つ、良好なめっき密着性を有する
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的と
する。
き方法では、良好な外観を有し、且つ、良好なめっき密
着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を製造することはでき
ない。本発明は、溶融亜鉛スプレーめっき方法により、
良好な外観を有し、且つ、良好なめっき密着性を有する
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的達成のための本
発明の要旨とするところは、前処理されて連続的に供給
されてくる帯状鋼板の表面に溶融亜鉛スプレーめっきし
て溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、Al0.2wt
%以上を含有し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からな
る溶融亜鉛をスプレーめっきして第一めっき層を形成し
た後、Al含有量を0.08wt%以下に制限し、残部が
亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛をスプレーめ
っきして第二めっき層を形成することを特徴とする2層
スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に
ある。
発明の要旨とするところは、前処理されて連続的に供給
されてくる帯状鋼板の表面に溶融亜鉛スプレーめっきし
て溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、Al0.2wt
%以上を含有し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からな
る溶融亜鉛をスプレーめっきして第一めっき層を形成し
た後、Al含有量を0.08wt%以下に制限し、残部が
亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛をスプレーめ
っきして第二めっき層を形成することを特徴とする2層
スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に
ある。
【0007】
【作用】本発明者らは、まず、吹き付ける溶融亜鉛にA
lを0.2wt%以上含有させた溶融亜鉛を用いること
で、極めてめっき密着性の良い溶融亜鉛めっき鋼板が製
造できることを確認した。これは、溶融亜鉛中のAl
が、速やかに亜鉛と鋼板の界面に移動して、Fe−Zn
−Alの3元系合金を形成し、めっき層と鋼板との密着
力を向上させるためである。ところが、めっき密着性は
極めて良好であるが、このままでは、亜鉛の流動性が悪
く、合金化反応が不均一に進行するため、至る所に斑点
模様が形成して、めっき外観は極めて不良である。そこ
で、本発明者らは、このめっき層の上に、更にAl含有
量を0.08wt%以下とした溶融亜鉛をスプレーめっき
することで、極めてめっき外観の良い溶融亜鉛めっき鋼
板が製造できることを確認した。Al含有量が0.08
wt%以下の溶融亜鉛は、極めて流動性が良好であるた
め、亜鉛粒子は帯状鋼板上で速やかに拡がり、粒子同士
が良好に重なりあって、均一な外観のめっき鋼板になる
ためである。また、第一めっき層(下層)は高Al含有
量の亜鉛めっき層であるので、溶融亜鉛と鉄の合金化反
応は、適正に抑えられる。従って、第二めっき層(上
層)にAl含有量が低い溶融亜鉛を吹き付けても、めっ
き密着性に悪影響を及ぼす溶融亜鉛と鉄の過度な合金化
反応は、第一めっき層(下層)で抑えられ、第一めっき
層と鋼板との優れた密着性が損なわれることはない。
lを0.2wt%以上含有させた溶融亜鉛を用いること
で、極めてめっき密着性の良い溶融亜鉛めっき鋼板が製
造できることを確認した。これは、溶融亜鉛中のAl
が、速やかに亜鉛と鋼板の界面に移動して、Fe−Zn
−Alの3元系合金を形成し、めっき層と鋼板との密着
力を向上させるためである。ところが、めっき密着性は
極めて良好であるが、このままでは、亜鉛の流動性が悪
く、合金化反応が不均一に進行するため、至る所に斑点
模様が形成して、めっき外観は極めて不良である。そこ
で、本発明者らは、このめっき層の上に、更にAl含有
量を0.08wt%以下とした溶融亜鉛をスプレーめっき
することで、極めてめっき外観の良い溶融亜鉛めっき鋼
板が製造できることを確認した。Al含有量が0.08
wt%以下の溶融亜鉛は、極めて流動性が良好であるた
め、亜鉛粒子は帯状鋼板上で速やかに拡がり、粒子同士
が良好に重なりあって、均一な外観のめっき鋼板になる
ためである。また、第一めっき層(下層)は高Al含有
量の亜鉛めっき層であるので、溶融亜鉛と鉄の合金化反
応は、適正に抑えられる。従って、第二めっき層(上
層)にAl含有量が低い溶融亜鉛を吹き付けても、めっ
き密着性に悪影響を及ぼす溶融亜鉛と鉄の過度な合金化
反応は、第一めっき層(下層)で抑えられ、第一めっき
層と鋼板との優れた密着性が損なわれることはない。
【0008】このように、下層(第一めっき層)にAl
含有量が0.2wt%以上の溶融亜鉛をスプレーめっきす
ることで、優れためっき密着性を確保し、その上層(第
二めっき層)にAl含有量が0.08wt%以下の溶融亜
鉛をスプレーめっきすることで、優れためっき外観を確
保することができるのである。更に、他の含有成分の影
響について検討した結果、第二めっき層の溶融亜鉛とし
て、Al含有量を0.08wt%以下に抑え、残部がZn
よりなる溶融亜鉛であれば、上記特性が発揮されること
を確認した。第一めっき層及び第二めっき層にめっきす
る溶融亜鉛中の不可避的不純物は、0.01wt%以下で
あれば、問題ない。
含有量が0.2wt%以上の溶融亜鉛をスプレーめっきす
ることで、優れためっき密着性を確保し、その上層(第
二めっき層)にAl含有量が0.08wt%以下の溶融亜
鉛をスプレーめっきすることで、優れためっき外観を確
保することができるのである。更に、他の含有成分の影
響について検討した結果、第二めっき層の溶融亜鉛とし
て、Al含有量を0.08wt%以下に抑え、残部がZn
よりなる溶融亜鉛であれば、上記特性が発揮されること
を確認した。第一めっき層及び第二めっき層にめっきす
る溶融亜鉛中の不可避的不純物は、0.01wt%以下で
あれば、問題ない。
【0009】更に、発明者らは、第一めっき層を形成す
る溶融亜鉛中のAlの影響を調査した。図2に第一めっ
き層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量がめっき密着性に
与える影響を調査した結果を示す。めっき密着性は、第
一めっき層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量が0.2wt
%以上であれば問題ないが、Al含有量が高くなる程、
良好になっていることが分かる。経済性から考えると、
Al含有量1.5wt%程度を上限とするのが実用的であ
る。Al1.2wt%を超えて含有させても密着性の向上
代は大きくならない。
る溶融亜鉛中のAlの影響を調査した。図2に第一めっ
き層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量がめっき密着性に
与える影響を調査した結果を示す。めっき密着性は、第
一めっき層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量が0.2wt
%以上であれば問題ないが、Al含有量が高くなる程、
良好になっていることが分かる。経済性から考えると、
Al含有量1.5wt%程度を上限とするのが実用的であ
る。Al1.2wt%を超えて含有させても密着性の向上
代は大きくならない。
【0010】図3に第二めっき層に用いた溶融亜鉛中の
Al含有量がめっき外観に与える影響を調査した結果を
示す。めっき外観は、第二めっき層に用いた溶融亜鉛中
のAl含有量が0.08wt%以下であれば問題ないが、
Al含有量が低くなる程、良好になっていることが分か
る。第二めっき層に用いる溶融亜鉛中のAl含有量は、
できるだけ低く抑え、0.01wt%以下にすることが望
ましい。更には溶融亜鉛中のAl含有量は、0.0wt%
にすることが最も好ましい。
Al含有量がめっき外観に与える影響を調査した結果を
示す。めっき外観は、第二めっき層に用いた溶融亜鉛中
のAl含有量が0.08wt%以下であれば問題ないが、
Al含有量が低くなる程、良好になっていることが分か
る。第二めっき層に用いる溶融亜鉛中のAl含有量は、
できるだけ低く抑え、0.01wt%以下にすることが望
ましい。更には溶融亜鉛中のAl含有量は、0.0wt%
にすることが最も好ましい。
【0011】
【実施例】図1に本発明を実施する製造プロセスの例を
示す。本実施例においては、表1左欄に示した製造条件
に従って、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。表1中の製
造条件による具体的な製造方法を下記に示す。
示す。本実施例においては、表1左欄に示した製造条件
に従って、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。表1中の製
造条件による具体的な製造方法を下記に示す。
【0012】帯状鋼板は、厚さ0.75mm×幅500m
m、低炭素Alキルド鋼の冷延鋼板を使用した。帯状鋼
板1は、予め酸洗処理又は水素還元加熱処理により十分
な脱脂を行い、表面の清浄化を図る。次に、非酸化性雰
囲気下で誘導加熱装置5により、めっき時の帯状鋼板1
の温度は、亜鉛の融点以上の所定温度まで加熱され、非
酸化性雰囲気を保持したまま、デフレクターロール2を
介して、めっき室3に送られる。帯状鋼板の温度は、め
っき室3に送られる前の適当な位置に放射温度計7を設
置して、帯状鋼板の温度を測定し、出力制御装置8によ
り、誘導加熱装置5の出力を調整して、制御する。次
に、めっき室3において、溶融亜鉛の吹き付けノズル4
で、帯状鋼板の両面に溶融亜鉛を吹き付けて、スプレー
めっきする。
m、低炭素Alキルド鋼の冷延鋼板を使用した。帯状鋼
板1は、予め酸洗処理又は水素還元加熱処理により十分
な脱脂を行い、表面の清浄化を図る。次に、非酸化性雰
囲気下で誘導加熱装置5により、めっき時の帯状鋼板1
の温度は、亜鉛の融点以上の所定温度まで加熱され、非
酸化性雰囲気を保持したまま、デフレクターロール2を
介して、めっき室3に送られる。帯状鋼板の温度は、め
っき室3に送られる前の適当な位置に放射温度計7を設
置して、帯状鋼板の温度を測定し、出力制御装置8によ
り、誘導加熱装置5の出力を調整して、制御する。次
に、めっき室3において、溶融亜鉛の吹き付けノズル4
で、帯状鋼板の両面に溶融亜鉛を吹き付けて、スプレー
めっきする。
【0013】この時、スプレーする亜鉛材料として、第
一めっき層には、所定のAl含有量に調整した溶融亜鉛
を用い、第二めっき層には、通常電気亜鉛めっきに用い
られるAl含有量0.0wt%のインゴットを用いた。ス
プレーめっき時の鋼板温度は表1中にめっき時の帯状鋼
板の温度として示している。溶融亜鉛の吹き付けノズル
4は、ガスアトマイズ方式、すなわち溶融亜鉛を窒素ガ
スで微粒化する方式であり、累積重量平均粒径50μm
以下に微粒化する。各層のめっきの目付量は、ノズルへ
の溶融亜鉛の供給圧力や帯状鋼板のライン速度、帯状鋼
板長手方向に並んだノズルの数で調整される。溶融亜鉛
温度は各層460℃である。その後、2〜3秒程度、保
熱炉6で、帯状鋼板温度を保持した後、ジェットクーラ
ーで速やかに常温まで冷却する。
一めっき層には、所定のAl含有量に調整した溶融亜鉛
を用い、第二めっき層には、通常電気亜鉛めっきに用い
られるAl含有量0.0wt%のインゴットを用いた。ス
プレーめっき時の鋼板温度は表1中にめっき時の帯状鋼
板の温度として示している。溶融亜鉛の吹き付けノズル
4は、ガスアトマイズ方式、すなわち溶融亜鉛を窒素ガ
スで微粒化する方式であり、累積重量平均粒径50μm
以下に微粒化する。各層のめっきの目付量は、ノズルへ
の溶融亜鉛の供給圧力や帯状鋼板のライン速度、帯状鋼
板長手方向に並んだノズルの数で調整される。溶融亜鉛
温度は各層460℃である。その後、2〜3秒程度、保
熱炉6で、帯状鋼板温度を保持した後、ジェットクーラ
ーで速やかに常温まで冷却する。
【0014】図1の製造プロセスに従って、本発明の
溶融亜鉛めっき鋼板の製造法によって製造された製品
と、従来のスプレー亜鉛めっき方法で製造された製
品、更に、比較方法で製造された製品、それぞれのめ
っき品質(めっき外観及びめっき密着性)を調査した結
果を表1右欄に示す。本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の
製造法によって製造された製品は、本表条件No.1か
らNo.39までに記載しており、いずれも、良好なめ
っき外観及びめっき密着性を有している。また、従来
のスプレー亜鉛めっき方法で製造された製品、即ち、1
層めっきで製造した場合の製品を本表条件No.40か
らNo.44に記載しており、めっき外観又はめっき密
着性の一方が不良となる。No.41の条件では、完全
に合金化してしまい、溶融亜鉛めっき鋼板としては、不
合格である。次に、比較方法で製造された製品は、本
表条件No.45からNo.60までに記載しており、
めっき密着性が良好な条件は存在するが、いずれも、め
っき外観は、斑点模様になっており、全体のめっき品質
としては、不良である。
溶融亜鉛めっき鋼板の製造法によって製造された製品
と、従来のスプレー亜鉛めっき方法で製造された製
品、更に、比較方法で製造された製品、それぞれのめ
っき品質(めっき外観及びめっき密着性)を調査した結
果を表1右欄に示す。本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の
製造法によって製造された製品は、本表条件No.1か
らNo.39までに記載しており、いずれも、良好なめ
っき外観及びめっき密着性を有している。また、従来
のスプレー亜鉛めっき方法で製造された製品、即ち、1
層めっきで製造した場合の製品を本表条件No.40か
らNo.44に記載しており、めっき外観又はめっき密
着性の一方が不良となる。No.41の条件では、完全
に合金化してしまい、溶融亜鉛めっき鋼板としては、不
合格である。次に、比較方法で製造された製品は、本
表条件No.45からNo.60までに記載しており、
めっき密着性が良好な条件は存在するが、いずれも、め
っき外観は、斑点模様になっており、全体のめっき品質
としては、不良である。
【0015】このように本発明によれば、2層溶融亜鉛
スプレーめっき方法により、良好な外観を有し、且つ、
良好なめっき密着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を得る
ことができる。
スプレーめっき方法により、良好な外観を有し、且つ、
良好なめっき密着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を得る
ことができる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】
【表8】
【0024】
【発明の効果】このように本発明によれば、2層溶融亜
鉛スプレーめっき方法によって、良好な外観を有し、且
つ、良好なめっき密着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を
得ることができる。
鉛スプレーめっき方法によって、良好な外観を有し、且
つ、良好なめっき密着性を有する溶融亜鉛めっき鋼板を
得ることができる。
【図1】本発明を実施する製造プロセスの例を示す。
【図2】第一めっき層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量
がめっき密着性に与える影響を調査した結果を示す。
がめっき密着性に与える影響を調査した結果を示す。
【図3】第二めっき層に用いた溶融亜鉛中のAl含有量
がめっき外観に与える影響を調査した結果を示す。
がめっき外観に与える影響を調査した結果を示す。
1 帯状鋼板 2 デフレクターロール 3 めっき室 4 吹き付けノズル 5 誘導加熱装置 6 保熱炉 7 放射温度計 8 出力制御装置 9 放射温度計
Claims (1)
- 【請求項1】 前処理されて連続的に供給されてくる帯
状鋼板の表面に溶融亜鉛スプレーめっきして溶融亜鉛め
っき鋼板を製造するに際し、Al0.2wt%以上を含有
し、残部が亜鉛及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛を
スプレーめっきして第一めっき層を形成した後、Al含
有量を0.08wt%以下に制限し、残部が亜鉛及び不可
避的不純物からなる溶融亜鉛をスプレーめっきして第二
めっき層を形成することを特徴とする2層スプレーめっ
きによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9675794A JPH07305157A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 2層スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9675794A JPH07305157A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 2層スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07305157A true JPH07305157A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14173533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9675794A Withdrawn JPH07305157A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 2層スプレーめっきによる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07305157A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018155245A1 (ja) * | 2017-02-24 | 2018-08-30 | Jfeスチール株式会社 | 連続溶融金属めっき処理装置及び該装置を用いた溶融金属めっき処理方法 |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP9675794A patent/JPH07305157A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018155245A1 (ja) * | 2017-02-24 | 2018-08-30 | Jfeスチール株式会社 | 連続溶融金属めっき処理装置及び該装置を用いた溶融金属めっき処理方法 |
US11162166B2 (en) | 2017-02-24 | 2021-11-02 | Jfe Steel Corporation | Apparatus for continuous molten metal coating treatment and method for molten metal coating treatment using same |
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