JPH07305072A - 石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法および石炭液化触媒の回収方法 - Google Patents
石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法および石炭液化触媒の回収方法Info
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- JPH07305072A JPH07305072A JP12203594A JP12203594A JPH07305072A JP H07305072 A JPH07305072 A JP H07305072A JP 12203594 A JP12203594 A JP 12203594A JP 12203594 A JP12203594 A JP 12203594A JP H07305072 A JPH07305072 A JP H07305072A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 石炭液化プロセスを安定に運転操業していく
際に、減圧蒸留塔から液化残渣を安定に抜き出し、液化
残渣中の鉄系液化用触媒を回収する方法を提供する。 【構成】 原料石炭を粉砕した粉炭、石炭液化用溶剤、
石炭液化用触媒を混合して石炭スラリーを調整し、水素
の存在下で加圧、加熱して液化反応させ液化油を生成さ
せる石炭液化工程と、生成した液化油を常圧及び減圧条
件下で蒸留し、製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸
留工程、並びに液化油蒸留工程で得られた製品油の一部
を溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を添
加して水素化反応させた後、得られた溶剤を石炭液化用
溶剤として循環使用する石炭液化プロセスにおいて、液
化油蒸留工程の減圧蒸留塔底部から液化残渣を抜き出す
際に、液化残渣中の灰分を減圧蒸留塔入口側または出口
側において除去した後、抜き出す。
際に、減圧蒸留塔から液化残渣を安定に抜き出し、液化
残渣中の鉄系液化用触媒を回収する方法を提供する。 【構成】 原料石炭を粉砕した粉炭、石炭液化用溶剤、
石炭液化用触媒を混合して石炭スラリーを調整し、水素
の存在下で加圧、加熱して液化反応させ液化油を生成さ
せる石炭液化工程と、生成した液化油を常圧及び減圧条
件下で蒸留し、製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸
留工程、並びに液化油蒸留工程で得られた製品油の一部
を溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を添
加して水素化反応させた後、得られた溶剤を石炭液化用
溶剤として循環使用する石炭液化プロセスにおいて、液
化油蒸留工程の減圧蒸留塔底部から液化残渣を抜き出す
際に、液化残渣中の灰分を減圧蒸留塔入口側または出口
側において除去した後、抜き出す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温、高圧下で石炭を液
化して得られる液化油を減圧蒸留し、それによって得ら
れる液化残渣を安定に抜き出す方法、および液化残渣中
から鉄系の液化用触媒を回収する方法に関するものであ
る。
化して得られる液化油を減圧蒸留し、それによって得ら
れる液化残渣を安定に抜き出す方法、および液化残渣中
から鉄系の液化用触媒を回収する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】石炭液化プロセスに於ける石炭の液化方
法は、石炭と溶剤及び液化用触媒を混合して調整したス
ラリーを高温、高圧で触媒の存在下、水素添加により液
化反応させ、得られた液化油を常圧ないしは減圧下で、
軽質油、中質油、重質油等の製品油に蒸留分離して回収
するものである。
法は、石炭と溶剤及び液化用触媒を混合して調整したス
ラリーを高温、高圧で触媒の存在下、水素添加により液
化反応させ、得られた液化油を常圧ないしは減圧下で、
軽質油、中質油、重質油等の製品油に蒸留分離して回収
するものである。
【0003】このうち、軽質油、中質油については、常
圧条件下で蒸留を行って得られる。
圧条件下で蒸留を行って得られる。
【0004】重質油については、減圧条件下で蒸留し、
液化残渣と固液分離することにより、得られる。
液化残渣と固液分離することにより、得られる。
【0005】この重質油については、溶剤水素化工程に
於いて、高温、高圧のもと、溶剤水素化触媒の存在下
で、水素添加による溶剤水素化反応を行い、得られた溶
剤を石炭スラリー調整用の溶剤として循環使用し、再度
液化反応にかけられる。
於いて、高温、高圧のもと、溶剤水素化触媒の存在下
で、水素添加による溶剤水素化反応を行い、得られた溶
剤を石炭スラリー調整用の溶剤として循環使用し、再度
液化反応にかけられる。
【0006】この石炭液化プロセスにおいて操業上最も
重要な部分は、重質油を減圧蒸留するさいに、高軟化
点、高灰分の液化残渣を安定に抜き出すことであり、こ
の操作を順調に行うことが石炭液化プロセス全体の安定
操業を行う上で重要なポイントとなっている。
重要な部分は、重質油を減圧蒸留するさいに、高軟化
点、高灰分の液化残渣を安定に抜き出すことであり、こ
の操作を順調に行うことが石炭液化プロセス全体の安定
操業を行う上で重要なポイントとなっている。
【0007】また石炭液化プラントの操業において、減
圧蒸留塔で極力、液化残渣の軟化点を上昇させ重質油成
分を絞り出すことは、液化油の収率を上昇させることに
なり、液化油の製造コストダウンにつながる重要な操業
ポイントでもある。
圧蒸留塔で極力、液化残渣の軟化点を上昇させ重質油成
分を絞り出すことは、液化油の収率を上昇させることに
なり、液化油の製造コストダウンにつながる重要な操業
ポイントでもある。
【0008】一方、減圧蒸留塔において極力、液化残渣
の軟化点を上昇させる操業は、液化残渣中の流動化し易
い比較的軽質な成分を取り除くことであり、残された液
化残渣中の固体成分(灰分や重質な炭素成分等)の濃度
を上昇させ、液化残渣の流動性が低下することになる。
の軟化点を上昇させる操業は、液化残渣中の流動化し易
い比較的軽質な成分を取り除くことであり、残された液
化残渣中の固体成分(灰分や重質な炭素成分等)の濃度
を上昇させ、液化残渣の流動性が低下することになる。
【0009】しかしながら、石炭液化プラントにおいて
取り扱う石炭は歴青炭から亜歴青炭までの幅広い炭種を
対象としており、石炭中の灰分レベルも低灰分から高灰
分まで様々であることから、液化残渣中の灰分の濃度が
高くなり、液化残渣の軟化点を上昇させることが困難な
場合が発生している。
取り扱う石炭は歴青炭から亜歴青炭までの幅広い炭種を
対象としており、石炭中の灰分レベルも低灰分から高灰
分まで様々であることから、液化残渣中の灰分の濃度が
高くなり、液化残渣の軟化点を上昇させることが困難な
場合が発生している。
【0010】また、液化反応工程において混合された液
化用触媒の大部分は、減圧蒸留塔において液化残渣中の
灰分として系外に払い出されており、液化用触媒は液化
残渣中に均一に分散した状態で固化するため、系外に払
いだされた状況で液化用触媒を回収することは非常に困
難である。
化用触媒の大部分は、減圧蒸留塔において液化残渣中の
灰分として系外に払い出されており、液化用触媒は液化
残渣中に均一に分散した状態で固化するため、系外に払
いだされた状況で液化用触媒を回収することは非常に困
難である。
【0011】この液化用触媒は無水、無灰ベースの原料
石炭に対し、1〜5重量%使用しているが、循環再使用
していないため、使用量は膨大な量となり、液化油製造
コストを押し上げる一因となっている。
石炭に対し、1〜5重量%使用しているが、循環再使用
していないため、使用量は膨大な量となり、液化油製造
コストを押し上げる一因となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、上記石炭液化プロセスを安定に運転操業していく際
に重要なポイントとなる減圧蒸留塔から高軟化点の液化
残渣を安定に抜き出す方法と、液化残渣中の鉄系液化用
触媒を回収する方法を兼ね備えた方法を見出す点にあ
る。
は、上記石炭液化プロセスを安定に運転操業していく際
に重要なポイントとなる減圧蒸留塔から高軟化点の液化
残渣を安定に抜き出す方法と、液化残渣中の鉄系液化用
触媒を回収する方法を兼ね備えた方法を見出す点にあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな課題を解決すべく鋭意検討し、従来のプロセスを抜
本的に見直した結果、高軟化点の液化残渣を安定して系
外に抜き出す方法、および触媒の回収方法を兼ね備えた
方法を発明するに至った。
うな課題を解決すべく鋭意検討し、従来のプロセスを抜
本的に見直した結果、高軟化点の液化残渣を安定して系
外に抜き出す方法、および触媒の回収方法を兼ね備えた
方法を発明するに至った。
【0014】即ち、本発明は、原料石炭を粉砕した粉
炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化用触媒を混合して
石炭スラリーを調整し、該石炭スラリーを水素の存在下
で加圧、加熱して液化反応させ液化油を生成させる石炭
液化工程と、生成した液化油を常圧及び減圧条件下で蒸
留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸留工
程、並びに該液化油蒸留工程で得られた製品油の一部を
溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を添加
して水素化反応させた後、得られた溶剤を石炭液化用溶
剤として循環使用する溶剤水素化工程とを有する石炭液
化プロセスにおいて、液化油蒸留工程の減圧蒸留塔底部
から液化残渣を抜き出す際に、液化残渣中の灰分を減圧
蒸留塔入口側または出口側において除去した後、抜き出
すことを特徴とする石炭液化プロセスに於ける液化残渣
の抜き出し方法であり、特に液化残渣中の灰分を除去す
るにあたり、液化残渣中の灰分の主成分である鉄分を磁
性体フィルターを用いて除去するものである。
炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化用触媒を混合して
石炭スラリーを調整し、該石炭スラリーを水素の存在下
で加圧、加熱して液化反応させ液化油を生成させる石炭
液化工程と、生成した液化油を常圧及び減圧条件下で蒸
留し、各種製品油と液化残渣とに分離する液化油蒸留工
程、並びに該液化油蒸留工程で得られた製品油の一部を
溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を添加
して水素化反応させた後、得られた溶剤を石炭液化用溶
剤として循環使用する溶剤水素化工程とを有する石炭液
化プロセスにおいて、液化油蒸留工程の減圧蒸留塔底部
から液化残渣を抜き出す際に、液化残渣中の灰分を減圧
蒸留塔入口側または出口側において除去した後、抜き出
すことを特徴とする石炭液化プロセスに於ける液化残渣
の抜き出し方法であり、特に液化残渣中の灰分を除去す
るにあたり、液化残渣中の灰分の主成分である鉄分を磁
性体フィルターを用いて除去するものである。
【0015】また、除去した液化残渣中の鉄分を液化用
触媒として回収する。
触媒として回収する。
【0016】
【作用】以下、本発明を成すに至った石炭液化プロセス
を具体的に説明し、作用とともに本発明の内容を述べ
る。
を具体的に説明し、作用とともに本発明の内容を述べ
る。
【0017】図1は石炭液化プロセスの一例である。
【0018】原料となる石炭は、石炭スラリー性状、あ
るいは石炭液化の際の反応性等を考慮して、粉砕機1に
より通常150μm以下の収率が80重量%以上となる
ように粉砕される。
るいは石炭液化の際の反応性等を考慮して、粉砕機1に
より通常150μm以下の収率が80重量%以上となる
ように粉砕される。
【0019】粉砕された石炭は、スラリー調整槽2で石
炭液化用の循環溶剤および触媒と混合されてスラリー化
する。
炭液化用の循環溶剤および触媒と混合されてスラリー化
する。
【0020】スラリー濃度は通常、溶剤/石炭の比率が
1.0〜3.0程度の範囲となるようにして調整する。
1.0〜3.0程度の範囲となるようにして調整する。
【0021】また液化油収率を上げるため、鉄系の使い
捨て触媒(合成硫化鉄触媒、天然鉄鉱石触媒等)を同時
に混合して使用し、その添加量は、無水、無灰ベースの
原料石炭に対して1〜5重量%である。
捨て触媒(合成硫化鉄触媒、天然鉄鉱石触媒等)を同時
に混合して使用し、その添加量は、無水、無灰ベースの
原料石炭に対して1〜5重量%である。
【0022】このようにして調整された石炭スラリー
は、高温、高圧下に保持された液化反応塔3で所定時間
水素ガスと接触させて水素化分解反応を行わせる。
は、高温、高圧下に保持された液化反応塔3で所定時間
水素ガスと接触させて水素化分解反応を行わせる。
【0023】水素化分解反応の条件は、反応温度が43
0〜470℃、反応圧力が150〜190kg/cm2
Gで行われ、かかる分解反応によって原料石炭の液化反
応が進行する。
0〜470℃、反応圧力が150〜190kg/cm2
Gで行われ、かかる分解反応によって原料石炭の液化反
応が進行する。
【0024】こうして得られた液化油は、高温分離器
4、中、低温分離器5、油水分離器6によってガス、
水、油に分離される。
4、中、低温分離器5、油水分離器6によってガス、
水、油に分離される。
【0025】ここで分離された油の内、軽質油および中
質油は、蒸留塔7、8、9によってそれぞれ所定の製品
油として回収される。
質油は、蒸留塔7、8、9によってそれぞれ所定の製品
油として回収される。
【0026】残りの液化油は、スラリー減圧槽10ある
いは蒸留塔9を経て、さらに減圧蒸留塔11で真空蒸留
され、重質油と未反応の石炭、石炭中の灰分、および鉄
系の使い捨て液化用触媒の一部を含んだ538℃以上の
沸点留分の液化残渣となって系外に排出される。
いは蒸留塔9を経て、さらに減圧蒸留塔11で真空蒸留
され、重質油と未反応の石炭、石炭中の灰分、および鉄
系の使い捨て液化用触媒の一部を含んだ538℃以上の
沸点留分の液化残渣となって系外に排出される。
【0027】一方、538℃未満の沸点留分である重質
油は、高温、高圧に保持され、かつ水素化用触媒を充填
した固定床の溶剤水素化反応塔12で、所定時間水素ガ
スと反応させ、溶剤水素化反応を行うことにより、水素
供与性を高め、循環溶剤としてスラリー調整槽2へ戻し
て使用する。
油は、高温、高圧に保持され、かつ水素化用触媒を充填
した固定床の溶剤水素化反応塔12で、所定時間水素ガ
スと反応させ、溶剤水素化反応を行うことにより、水素
供与性を高め、循環溶剤としてスラリー調整槽2へ戻し
て使用する。
【0028】この内、減圧蒸留塔においては、減圧蒸留
塔に供給する供給液の加熱温度、スチーム吹き込み量、
熱媒の加熱温度、真空度等を操作することにより、液化
残渣中に残った538℃未満の沸点留分である重質油濃
度を調整して、液化残渣の軟化点を調整している。
塔に供給する供給液の加熱温度、スチーム吹き込み量、
熱媒の加熱温度、真空度等を操作することにより、液化
残渣中に残った538℃未満の沸点留分である重質油濃
度を調整して、液化残渣の軟化点を調整している。
【0029】図2は従来の減圧蒸留塔のフロー図を示す
ものである。
ものである。
【0030】減圧蒸留塔に供給される供給液は、加熱器
21で350℃に加熱された後、加熱器22によって5
00℃に加熱された過熱スチームとともに減圧蒸留塔2
3に供給される。
21で350℃に加熱された後、加熱器22によって5
00℃に加熱された過熱スチームとともに減圧蒸留塔2
3に供給される。
【0031】減圧蒸留塔23は取り付けられた電気ヒー
ター24によって加熱されるとともに、真空ポンプ25
によって通常40〜50Torrに減圧される。
ター24によって加熱されるとともに、真空ポンプ25
によって通常40〜50Torrに減圧される。
【0032】この条件下で供給液は蒸留され、538℃
以上の沸点留分は液化残渣となり、通常はラインAを通
って液化残渣の自重で自然落下し、残渣フレーカー26
へ排出された後、冷却固化される。
以上の沸点留分は液化残渣となり、通常はラインAを通
って液化残渣の自重で自然落下し、残渣フレーカー26
へ排出された後、冷却固化される。
【0033】液化残渣の軟化点が上昇しラインAからの
液化残渣の排出が困難となった場合は、ラインBを使用
し、ポンプ27によって強制的に残渣フレーカー26へ
抜き出しを行う。
液化残渣の排出が困難となった場合は、ラインBを使用
し、ポンプ27によって強制的に残渣フレーカー26へ
抜き出しを行う。
【0034】また、減圧蒸留塔23の塔底部およびライ
ンA、B、Cは二重管構造となっていて、加熱炉28で
280〜320℃に加熱された熱媒が循環供給される。
ンA、B、Cは二重管構造となっていて、加熱炉28で
280〜320℃に加熱された熱媒が循環供給される。
【0035】ラインA、B、Cには熱媒の温度を測定す
る温度計30、および熱媒の流量を制御できる弁31を
設置し、各ラインに与える熱媒の温度、流量を自由に制
御することが可能となっている。
る温度計30、および熱媒の流量を制御できる弁31を
設置し、各ラインに与える熱媒の温度、流量を自由に制
御することが可能となっている。
【0036】図3は、液化残渣の灰分濃度と粘度の関係
を示す図であり、液化残渣中の灰分濃度が増加すると、
粘度が上昇し、流動性が低下する傾向にある。
を示す図であり、液化残渣中の灰分濃度が増加すると、
粘度が上昇し、流動性が低下する傾向にある。
【0037】その結果、減圧蒸留塔の塔底から液化残渣
を系外に抜き出す際に、液化残渣抜き出し用配管に液化
残渣が付着、沈積するため、液化残渣の抜き出しが不良
となって減圧蒸留塔23の液面を適切な範囲に制御する
ことが不可能となり、減圧蒸留塔23の内部での滞留時
間にバラツキを生じ、その結果、液化残渣に与えられる
熱量も不均一となり、液化残渣の軟化点がバラツキを生
じる。
を系外に抜き出す際に、液化残渣抜き出し用配管に液化
残渣が付着、沈積するため、液化残渣の抜き出しが不良
となって減圧蒸留塔23の液面を適切な範囲に制御する
ことが不可能となり、減圧蒸留塔23の内部での滞留時
間にバラツキを生じ、その結果、液化残渣に与えられる
熱量も不均一となり、液化残渣の軟化点がバラツキを生
じる。
【0038】本発明者らはこのような問題に着目し、液
化残渣の軟化点を下げることなく、高軟化点の液化残渣
を安定に抜き出す方法を検討した。
化残渣の軟化点を下げることなく、高軟化点の液化残渣
を安定に抜き出す方法を検討した。
【0039】図4は、液化反応工程において添加した鉄
系液化用触媒量と液化残渣の灰分中の鉄分の関係を示す
図であり、液化残渣の灰分中に鉄分が15〜30重量%
含まれていること、および鉄系液化用触媒添加量が増加
すると、灰分中の鉄分が増加することがわかる。
系液化用触媒量と液化残渣の灰分中の鉄分の関係を示す
図であり、液化残渣の灰分中に鉄分が15〜30重量%
含まれていること、および鉄系液化用触媒添加量が増加
すると、灰分中の鉄分が増加することがわかる。
【0040】このことから、本発明者らは、鉄系液化用
触媒を液化残渣中から除去することにより、液化残渣の
灰分濃度を下げ液化残渣の流動性を向上させること、お
よびその方法として、鉄系液化用触媒または該鉄系液化
用触媒の変化物が磁性を有することから、電気式磁性体
フィルターを用いることを発明するに至った。
触媒を液化残渣中から除去することにより、液化残渣の
灰分濃度を下げ液化残渣の流動性を向上させること、お
よびその方法として、鉄系液化用触媒または該鉄系液化
用触媒の変化物が磁性を有することから、電気式磁性体
フィルターを用いることを発明するに至った。
【0041】図5は電気式磁性体フィルターを減圧蒸留
塔供給液側に設置した場合のフロー図を示すものであ
る。
塔供給液側に設置した場合のフロー図を示すものであ
る。
【0042】電気式磁性体フィルター41は、減圧蒸留
塔供給液加熱器21から減圧蒸留塔23の間に、例えば
複数個、並列に設置し、供給液の濾過とフィルターの洗
浄を切り換えながら、電気式磁性体フィルター群として
連続的に供給液を濾過する。
塔供給液加熱器21から減圧蒸留塔23の間に、例えば
複数個、並列に設置し、供給液の濾過とフィルターの洗
浄を切り換えながら、電気式磁性体フィルター群として
連続的に供給液を濾過する。
【0043】なお、図5には、電気式磁性体フィルター
を1個とした場合を示す。
を1個とした場合を示す。
【0044】電気式磁性体フィルター41の切り換え
は、電気式磁性体フィルター41の前後に設置した圧力
計42の差圧、または一定時間経過毎に切り換えるタイ
マーにより、行う。
は、電気式磁性体フィルター41の前後に設置した圧力
計42の差圧、または一定時間経過毎に切り換えるタイ
マーにより、行う。
【0045】電気式磁性体フィルター41の洗浄は、減
圧蒸留塔供給液の通液を停めた後、電源を切り、フィル
ターの磁力を失わせた後に、石炭液化プロセスで用いて
いる循環溶剤の一部を通液させる。
圧蒸留塔供給液の通液を停めた後、電源を切り、フィル
ターの磁力を失わせた後に、石炭液化プロセスで用いて
いる循環溶剤の一部を通液させる。
【0046】図6は電気式磁性体フィルターを減圧蒸留
塔循環液配管に設置した場合のフロー図を示すものであ
る。
塔循環液配管に設置した場合のフロー図を示すものであ
る。
【0047】電気式磁性体フィルター41は、減圧蒸留
塔循環液ポンプ29の吐出側から減圧蒸留塔23の間
に、例えば複数個、並列に設置し、供給液の濾過とフィ
ルターの洗浄を切り換えながら、電気式磁性体フィルタ
ー群として連続的に循環液を濾過する。
塔循環液ポンプ29の吐出側から減圧蒸留塔23の間
に、例えば複数個、並列に設置し、供給液の濾過とフィ
ルターの洗浄を切り換えながら、電気式磁性体フィルタ
ー群として連続的に循環液を濾過する。
【0048】なお、図6には、電気式磁性体フィルター
を1個とした場合を示す。
を1個とした場合を示す。
【0049】電気式磁性体フィルター41の切り換え
は、電気式磁性体フィルター41の前後に設置した圧力
計42の差圧、または一定時間経過毎に切り換えるタイ
マーにより、行う。
は、電気式磁性体フィルター41の前後に設置した圧力
計42の差圧、または一定時間経過毎に切り換えるタイ
マーにより、行う。
【0050】電気式磁性体フィルター41の洗浄は、減
圧蒸留塔循環液の通液を停めた後、電源を切り、フィル
ターの磁力を失わせた後に、石炭液化プロセスで用いて
いる循環溶剤の一部を通液させる。
圧蒸留塔循環液の通液を停めた後、電源を切り、フィル
ターの磁力を失わせた後に、石炭液化プロセスで用いて
いる循環溶剤の一部を通液させる。
【0051】
【実施例】図7は図5で示したようなプロセスで減圧蒸
留塔を運転したときの、炭種Aにおける液化残渣中の灰
分濃度を示したものである。
留塔を運転したときの、炭種Aにおける液化残渣中の灰
分濃度を示したものである。
【0052】電気式磁性フィルター稼働時では、液化残
渣の灰分中の鉄分が除去され、液化残渣中の灰分濃度を
低下させることができた。
渣の灰分中の鉄分が除去され、液化残渣中の灰分濃度を
低下させることができた。
【0053】図8は図6で示したようなプロセスで減圧
蒸留塔を運転したときの、炭種Bにおける液化残渣中の
灰分濃度を示したものである。
蒸留塔を運転したときの、炭種Bにおける液化残渣中の
灰分濃度を示したものである。
【0054】図7と同様に、電気式磁性フィルター稼働
時では、液化残渣の灰分中の鉄分が除去され、液化残渣
中の灰分濃度を低下させることができた。
時では、液化残渣の灰分中の鉄分が除去され、液化残渣
中の灰分濃度を低下させることができた。
【0055】図9は、図6で示したようなプロセスで減
圧蒸留塔を運転したときの、炭種Bにおける液化残渣の
軟化点推移を示したものである。
圧蒸留塔を運転したときの、炭種Bにおける液化残渣の
軟化点推移を示したものである。
【0056】電気式磁性フィルター稼働前では、液化残
渣の軟化点を上昇させる運転を行うと液化残渣中の灰分
濃度が上昇し、液化残渣の抜き出し性が悪化するため、
軟化点を下げる必要が生じ、結果として、液化残渣の軟
化点がバラツクことになった。
渣の軟化点を上昇させる運転を行うと液化残渣中の灰分
濃度が上昇し、液化残渣の抜き出し性が悪化するため、
軟化点を下げる必要が生じ、結果として、液化残渣の軟
化点がバラツクことになった。
【0057】しかし、電気式磁性フィルターを稼働させ
ると、液化残渣中の灰分濃度が低下し、液化残渣の抜き
出し性を良好な状態で維持できるため、高軟化点におけ
る安定した抜き出し性を確保できた。
ると、液化残渣中の灰分濃度が低下し、液化残渣の抜き
出し性を良好な状態で維持できるため、高軟化点におけ
る安定した抜き出し性を確保できた。
【0058】図10は、図6で示したようなプロセスで
減圧蒸留塔を運転し回収した鉄分を鉄系液化用触媒と混
合して使用した場合の、液化油収率の推移を示したもの
である。
減圧蒸留塔を運転し回収した鉄分を鉄系液化用触媒と混
合して使用した場合の、液化油収率の推移を示したもの
である。
【0059】液化油収率は、回収した鉄分によらず、ほ
ぼ安定した結果を得た。
ぼ安定した結果を得た。
【0060】
【発明の効果】本発明により、石炭液化プロセスにおい
て、減圧蒸留塔からの液化残渣の抜き出し作業を、高軟
化点においても安定して行うこと、かつ、液化残渣中の
鉄系液化用触媒を回収することが可能となった。
て、減圧蒸留塔からの液化残渣の抜き出し作業を、高軟
化点においても安定して行うこと、かつ、液化残渣中の
鉄系液化用触媒を回収することが可能となった。
【図1】石炭液化プロセスの全体フロー図である。
【図2】従来法における減圧蒸留塔のフローと液化残渣
抜き出し方法の概略を示す説明図である。
抜き出し方法の概略を示す説明図である。
【図3】液化残渣中の灰分濃度と粘度との関係図であ
る。
る。
【図4】液化用触媒の添加量と液化残渣の灰分中の鉄分
濃度との関係図である。
濃度との関係図である。
【図5】本発明において減圧蒸留塔供給液中の鉄分を除
去する場合のフローと概略を示す説明図である。
去する場合のフローと概略を示す説明図である。
【図6】本発明において減圧蒸留塔循環液中の鉄分を除
去する場合のフローと概略を示す説明図である。
去する場合のフローと概略を示す説明図である。
【図7】本発明において、減圧蒸留塔供給液中の鉄分を
除去する対策を実施したときの、炭種Aにおける液化残
渣中の灰分濃度変化図である。
除去する対策を実施したときの、炭種Aにおける液化残
渣中の灰分濃度変化図である。
【図8】本発明において、減圧蒸留塔循環液中の鉄分を
除去する対策を実施したときの、炭種Bにおける液化残
渣中の灰分濃度変化図である。
除去する対策を実施したときの、炭種Bにおける液化残
渣中の灰分濃度変化図である。
【図9】本発明において、減圧蒸留塔循環液中の鉄分を
除去する対策を実施したときの、炭種Bにおける液化残
渣の軟化点推移図である。
除去する対策を実施したときの、炭種Bにおける液化残
渣の軟化点推移図である。
【図10】本発明において、回収した鉄分を鉄系液化用
触媒に混合して使用したときの、液化油収率の変化図で
ある。
触媒に混合して使用したときの、液化油収率の変化図で
ある。
1 粉砕機 2 スラリー調整槽 3 液化反応塔 4 高温分離器 5 中、低温分離器 6 油水分離器 7 蒸留塔 8 蒸留塔 9 蒸留塔 10 スラリー減圧槽 11 減圧蒸留塔 12 溶剤水素化反応塔 21 加熱器 22 加熱器 23 減圧蒸留塔 24 電気ヒーター 25 真空ポンプ 26 液化残渣フレーカー 27 ポンプ 28 熱媒加熱炉 29 抜き出しポンプ 30 温度計 31 流量調節弁 41 電気式磁性フィルター 42 圧力計 43 流量調節弁 44 流量調節弁 45 弁
Claims (3)
- 【請求項1】 原料石炭を粉砕した粉炭、石炭液化用溶
剤、および石炭液化用触媒を混合して石炭スラリーを調
整し、該石炭スラリーを水素の存在下で加圧、加熱して
液化反応させ液化油を生成させる石炭液化工程と、生成
した液化油を常圧及び減圧条件下で蒸留し、各種製品油
と液化残渣とに分離する液化油蒸留工程、並びに該液化
油蒸留工程で得られた製品油の一部を溶剤水素化用触媒
の存在下で加圧、加熱し、水素を添加して水素化反応さ
せた後、得られた溶剤を石炭液化用溶剤として循環使用
する溶剤水素化工程とを有する石炭液化プロセスにおい
て、液化油蒸留工程の減圧蒸留塔底部から液化残渣を抜
き出す際に、液化残渣中の灰分を減圧蒸留塔入口側また
は出口側において除去した後、抜き出すことを特徴とす
る石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法。 - 【請求項2】 請求項1に於いて液化残渣中の灰分を除
去するにあたり、液化残渣中の灰分の主成分である鉄分
を磁性体フィルターを用いて除去することを特徴とす
る、石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方
法。 - 【請求項3】 請求項2に於いて除去した液化残渣中の
鉄分を液化用触媒として回収する、石炭液化触媒の回収
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12203594A JPH07305072A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法および石炭液化触媒の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12203594A JPH07305072A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法および石炭液化触媒の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07305072A true JPH07305072A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14825988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12203594A Withdrawn JPH07305072A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | 石炭液化プロセスに於ける液化残渣の抜き出し方法および石炭液化触媒の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07305072A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010052735A1 (en) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | Tata Steel Limited | A method of recovery of organic solvents required in refining of coal |
CN106554793A (zh) * | 2014-01-21 | 2017-04-05 | 北京金菲特能源科技有限公司 | 一种通用型重质原料催化浆料加氢轻质化方法与装置 |
CN108410491A (zh) * | 2018-03-14 | 2018-08-17 | 煤炭科学技术研究院有限公司 | 一种采用煤液化残渣制备沥青的方法和系统 |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP12203594A patent/JPH07305072A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010052735A1 (en) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | Tata Steel Limited | A method of recovery of organic solvents required in refining of coal |
AU2009292609B2 (en) * | 2008-11-07 | 2014-01-16 | Tata Steel Limited | A method of recovery of organic solvents required in refining of coal |
US9815026B2 (en) | 2008-11-07 | 2017-11-14 | Tata Steel Limited | Method of recovery of organic solvents required in refining of coal |
CN106554793A (zh) * | 2014-01-21 | 2017-04-05 | 北京金菲特能源科技有限公司 | 一种通用型重质原料催化浆料加氢轻质化方法与装置 |
CN108410491A (zh) * | 2018-03-14 | 2018-08-17 | 煤炭科学技术研究院有限公司 | 一种采用煤液化残渣制备沥青的方法和系统 |
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