JPH07304767A - 複素環式化合物 - Google Patents

複素環式化合物

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JPH07304767A
JPH07304767A JP7109565A JP10956595A JPH07304767A JP H07304767 A JPH07304767 A JP H07304767A JP 7109565 A JP7109565 A JP 7109565A JP 10956595 A JP10956595 A JP 10956595A JP H07304767 A JPH07304767 A JP H07304767A
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スコット・カーソン・ミラー
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(I)の化合物その製造法ならびに当該化
合物を含有する医薬組成物。 (式中、例えば、Q1 は4−ヒドロキシ−4−フェニル
ピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
ノ、4−(1−ヒドロキシ−1−プロピルブチル)ピペ
リジノ、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ又は
4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピ
ペリジノ;Q2 はヒドロキシ;Q3 は水素;Q4 はフェ
ニル;Tはトリアゾール−5−イル;そしてQ5 はフェ
ニルである。) 【効果】 ニューロキニンAのアンタゴニストであっ
て、喘息の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ニューロキニン類と
して知られている1種の内因性神経ペプチドタキキニン
類の薬学的機能に、特にニューロキニン2(NK2)レ
セプターにおいて拮抗する新規な複素環式化合物に関す
る。この新規な複素環式化合物は、かかる拮抗作用が望
まれるときはいつでも有用である。かくして、かかる化
合物は、NK2レセプターが関係する疾患の治療におい
て、例えば、喘息及び関連する状態の治療において価値
があるといえる。本発明は、かかる治療に用いるこれら
新規な複素環式化合物を含有する医薬組成物、それらを
用いる方法、及びそれら新規な複素環式化合物を製造す
る方法及び中間体も提供する。
【0002】
【従来の技術】哺乳動物ニューロキニン類は、抹消及び
中枢神経系に見出されるペプチド神経伝達物質の部類を
含む。3種の主要なニューロキニンは、サブスタンスP
(SP)、ニューロキニンA(NKA)及びニューロキ
ニンB(NKB)である。少なくともNKAのN−末端
伸長型もある。少なくとも3種のレセプタータイプが、
これら3種の主要なニューロキニンについて知られてい
る。ニューロキニンアゴニストSP、NKA及びNKB
をそれぞれ好むそれらの相対的選択性に基づいて、これ
らレセプターは、それぞれニューロキニン1(NK
1)、ニューロキニン2(NK2)及びニューロキニン
3(NK3)レセプターとして分類される。抹消では、
SP及びNKAは、C線維として知られている非有髄神
経末端により特徴付けられるC求心性感覚ニューロン内
に局在しており、これらニューロンの選択的脱分極、又
はこれらC線維の選択的刺激により放出される。C線維
は気道上皮に局在しており、これらタキキニンが、喘息
において認められる多くの症状に明らかに匹敵する際立
った作用を起こすことが知られている。哺乳動物気道内
でのタキキニンの放出又は導入の作用には、気管支収
縮、微小血管透過性の増加、血管拡張及び肥満細胞の活
性化が含まれる。かくして、これらタキキニンは、喘息
で認められる病態生理及び気道の高応答性に関係してお
り、放出されたタキキニンの機能の遮断は、喘息及び関
連する状態の治療において有用であり得る。ペプチド性
NK2アンタゴニストが報告されている。例えば、L−
659,877として知られている環状ヘキサペプチド
は、選択的NK2アンタゴニストとして報告されてい
る。非ペプチド性NK2アンタゴニストも、例えば、ヨ
ーロッパ特許出願、公開番号(EPA)428434、
EPA474561、EPA512901、EPA51
2902及びEPA515240に、並びにEPA55
9538、EPA625509及びEPA630887
及び国際出願公開番号WO94/148,184に報告さ
れている。本発明者らは、一連の非ペプチド性NK2ア
ンタゴニストを発見し、そしてこれが本発明の基礎とな
っている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明のよれば、式Iの
化合物(式は、ローマ数字が付された他の式と一緒に実
施例の後に示されている)〔式中、Q1 は、式Ia、I
b、Ic、Id、Ie、If、Ig、Ih、Ij及びI
kの基の群から選ばれる(Zで結合した)基であり:式
Iaの基については、Za は窒素又は基CRad(Rad
水素であるか又はRadはRac及び存在する炭素−炭素結
合と一緒に二重結合を形成する)であり;RaaはAr又
はHetであり;Rabは水素であり;そしてRacは水素
若しくはヒドロキシであるか又はRacはRad及び存在す
る炭素−炭素結合と一緒に二重結合を形成するか、又は
acとRadが一緒に二価基−(CH2)j −(jは1〜5
の整数である)を形成するか;又はRabとRacが一緒に
二価基−(CH2)k −(kは2〜6の整数である)を形
成するか、又はRabとRacが一緒にオキソ又は式=N−
O−(CH2)q −NRaeaf(qは2又は3の整数であ
り、Rae及びRafは独立して水素又は(1〜4C)アル
キルであるか、又は基NRaeafがピロリジノ、ピペリ
ジノ又はモルホリノである)のジアルキルアミノアルキ
ルオキシイミノであり;式Ibの基については、Zb
置換イミノ基RbaN又はRbaCH2N(Rbaは(3〜7
C)シクロアルキル、Ar又はHetである)である
か;又はZb は二置換メチレン基Rbb(CH2)p −C−
bc{RbbはAr又はHetであり、pは0又は1の整
数であり、そしてRbcは水素、ヒドロキシ、(1〜4
C)アルコキシ、(1〜4C)アルカノイルオキシ、C
OORbd(Rbdは水素又は(1〜3C)アルキルであ
る)、シアノ、NRbebf若しくはSRbg(Rbe及びR
bfは独立して水素、(1〜4C)アルキル、(1〜4
C)ヒドロキシアルキル又は(1〜4C)アルカノイル
であるか、又は基NRbebfがピロリジノ、ピペリジノ
又はモルホリノである)であり、そしてRbgは水素又は
(1〜4C)アルキルである)であるか、又はRbcはそ
れが結合している炭素原子及びこのピペリジン環内の隣
接する炭素原子と二重結合を形成する}であるか;又は
b はスピロ環を形成する二置換メチレン基RbhCRbi
{Rbhはオルト置換二価基Xb によりRbiに繋がってい
るフェニルであって、このフェニルRbhはハロ、(1〜
3C)アルキル、(1〜3C)アルコキシ、ヒドロキ
シ、(1〜3C)アルキルチオ、(1〜3C)アルキル
スルフィニル及び(1〜3C)アルキルスルホニルから
選択される置換基を更に有していてもよく、二価基Xb
はメチレン、カルボニル又はスルホニルであり、そして
biはオキシ又は式−NRbj−(Rbjは水素又は(1〜
3C)アルキルである)のイミノである}であり;式I
cの基については、RcaはAr又はHetであり;そし
てZc はオキソ、チオ、スルフィニル、スルホニル又は
式−NRcb−{Rcbは(1〜3C)アルキル又はRcc
cdN−(CH2)q −(qは2又は3の整数であり、そし
てRcc及びRcdは独立して水素又は(1〜3C)アルキ
ルであるか又は基RcccdNがピロリジノ、ピペリジノ
又はモルホリノである)である}のイミノであり;式I
dの基については、Rdaは水素、(1〜6C)アルキ
ル、Ar、Het、α−ヒドロキシベンジル、スチリ
ル、又はRdb−(1〜3C)アルキル(Rdbはアリー
ル、ピリジル、ピリジルチオ又は1−メチル−2−イミ
ダゾリルチオである)であって、Rdaの芳香族基又は部
分は1又は2以上のハロ、ヒドロキシ、(1〜4C)ア
ルキル又は(1〜4C)アルコキシ置換基を有していて
もよく;Xd はオキシ又は−CHRdc−{Rdcは水素、
ヒドロキシ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜4C)ア
ルカノイルオキシ、NRddde(Rdd及びRdeは独立し
て水素若しくは(1〜4C)アルキルであるか又は基N
dddeがピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノであ
る)又は(1〜4C)アルカノイルアミノである}であ
り;pは0又は1の整数であり;そしてZd は単結合
(Rdaが水素であるか又はpが1である場合を除く)、
メチレン又はカルボニルであり;式Ieの基について
は、Je は酸素、硫黄又はNRea(Reaは水素又は(1
〜3C)アルキルである)であり;Rebは水素、ヒドロ
キシ置換基及び/又は1〜3のフルオロ置換基を有して
いてもよい(1〜6C)アルキル、(3〜6C)アルケ
ニル(ビニル炭素は窒素に結合していない)、2−ヒド
ロキシエチル、(3〜7C)シクロアルキル、Ar又は
Hetであり;Recは水素、ヒドロキシ置換基及び/又
は1〜3のフルオロ置換基を有していてもよい(1〜6
C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、(1〜5
C)アルコキシ(Je が酸素である場合に限る)、(3
〜6C)シクロアルコキシ(Je が酸素である場合に限
る)、又は0〜7の炭素原子を含有する式NRed
ee{Red及びReeはそれぞれ独立して水素、(1〜5
C)アルキル又は(3〜6C)シクロアルキルである
か、又は基NRedeeがピロリジノ、ピペリジノ、モル
ホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又は
ピペラジニル(このピペラジニル基は4位に(1〜3
C)アルキル置換基を有していてもよい)である}のア
ミノ基であり;式Ifの基については、Jf は酸素、硫
黄又はNRfa(Rfaは水素又は(1〜3C)アルキルで
ある)であり;Lf は二価の炭化水素基であって、その
1位が基Jf を有する炭素に結合しており、この二価基
f はトリメチレン、 cis−プロペニレン、テトラメチ
レン、 cis−ブテニレン、 cis−3−ブテニレン、 ci
s,cis−ブタジエニレン、ペンタメチレン、及び cis−
ペンテニレンから選択され、二価基Lf 自体が1又は2
のメチル置換基を有していてもよく;式Igの基につい
ては、Zg は(1〜8C)アルキル又は(3〜8C)シ
クロアルキルであって、ハロ、(3〜6C)シクロアル
キル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(1〜4C)アル
コキシ、(1〜5C)アルカノイルオキシ、アロイル、
ヘテロアロイル、オキソ、イミノ((1〜6C)アルキ
ル、(3〜6C)シクロアルキル、(1〜5C)アルカ
ノイル又はアロイル置換基を有していてもよい)、ヒド
ロキシイミノ(酸素上に(1〜4C)アルキル又はフェ
ニル置換基を有していてもよい)、式NRgagbのアミ
ノ基、式NRgcgdのアミノ基、式C(=NRgg)NR
gegfのアミジノ基、及び式CON(ORgh)Rgiのカ
ルバモイル基からなる群から選択される1又は2以上の
置換基(ヒドロキシとオキソ置換基が一緒にカルボキシ
基を形成するあらゆる基を除く)を有していてもよく
{式NRgagbのアミノ基は0〜7の炭素原子を含有
し、Rga及びRgbはそれぞれ独立して水素、(1〜5
C)アルキル若しくは(3〜6C)シクロアルキルであ
るか又は基NRgagbがピロリジノ、ピペリジノ、モル
ホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又は
ピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3C)
アルキル置換基を有していてもよい)であり;そしてR
gcは水素又は(1〜3C)アルキルであり、Rgdは(1
〜5C)アルカノイル、アロイル若しくはヘテロアロイ
ルであるか;又はRgdは式C(=Jg ) NRgegfの基
(Jg は酸素、硫黄、NRgg又はCHRgjである)であ
り;そしてアミノ基NRgegfは0〜7の炭素原子を含
有し、Rge及びRgfはそれぞれ独立して水素、(1〜5
C)アルキル若しくは(3〜6C)シクロアルキルであ
るか、又は基NRgegfがピロリジノ、ピペリジノ、モ
ルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又
はピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3
C)アルキル置換基を有していてもよい)であるか又は
geが水素又は(1〜4C)アルキルでありRgfがRgg
と一緒にエチレン又はトリメチレン基を形成し;Rgg
水素、(1〜4C)アルキルであるか又はRgfと一緒に
エチレン又はトリメチレン基を形成し;Rgjはシアノ、
ニトロ又はSO2gkであってRgkは(1〜4C)アルキ
ル又はフェニルであり;Rgh及びRgiは独立して(1〜
3C)アルキルである};そしてZg上の置換基である
か又はZg 上の置換によって形成される環状基は、更な
る置換基として炭素上に1又は2以上の(1〜3C)ア
ルキル基を有していてもよく;そして基Zg の一部であ
るアリール又はヘテロアリール基は、1又は2以上のハ
ロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、
シアノ、トリフルオロメチル又はニトロ置換基を有して
いてもよく;式Ihの基については、Gh は単結合、二
重結合又は二価の炭化水素基を表し;Jh はGh が二重
結合を表す場合には単結合によりこの環に結合する基を
表すが他の場合には二重結合により結合する基を表し;
h はヘテロ原子、置換ヘテロ原子、又は単結合を表
し;そしてLh は1位がMh に結合している炭化水素基
を表し;Gh 、Jh 、Mh 及びLh の意義は下記の (a)
〜(h) : (a) Gh が単結合であり;Jh がオキソ又はチオキソで
あり;Mh がオキシ、チオ又はNRhaであり;そしてL
h がLhaである; (b) Gh が単結合であり;Jh がNRhbであり;Mh
NRhaであり;そしてLh がLhaである; (c) Gh が二重結合であり;Jh がORha、SRha又は
NRhchdであり;Mh が窒素であり;そしてLh がL
haである; (d) Gh が1又は2のメチル置換基を有していてもよい
メチレンであり;Jh がオキシ、チオ又はNRheであ
り;Mh がオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル又
はNRhaであり;そしてLh がLhbである; (e) Gh が単結合であり;Jh がオキソ、チオキソ又は
NRheであり;Mhが窒素であり;そしてLh がLhc
ある; (f) Gh が(1〜3C)アルキル置換基を有していても
よいメチンであり;Jh がオキソ、チオキソ又はNRhe
であり;Mh が窒素であり;そしてLh がLhdである; (g) Gh が1又は2のメチル置換基を有していてもよい
cis−ビニレンであり;Jh がオキソ、チオキソ又はN
heであり;Mh が窒素であり;そしてLhがLheであ
る;及び (h) Gh が単結合であり;Jh がオキソ又はチオキソで
あり;Mh が単結合であり;そしてLh がLhfである;
{Rhaは水素又は(1〜3C)アルキルであり;Rhb
水素、(1〜3C)アルキル、シアノ、(1〜3C)ア
ルキルスルホニル又はニトロであり;Rhc及びRhdは独
立して水素又は(1〜3C)アルキルであるか又は基N
hchdがピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオ
モルホリノ(又はそのS−オキシド)又はピペラジニル
(このピペラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置換
基を有していてもよい)であり;Rheは水素又は(1〜
3C)アルキルであり;Lhaはエチレン、 cis−ビニレ
ン、トリメチレン又はテトラメチレンであって、基Lha
自体が1又は2のメチル置換基を有していてもよく;L
hbはエチレン又はトリメチレンであって、基Lhb自体が
1又は2のメチル置換基を有していてもよく;Lhcは2
−プロペン−1−イリデン−3−イルであって、基Lhc
自体が1又は2のメチル置換基を有していてもよく;L
hdは cis−ビニレンであって、基Lhd自体が1又は2の
メチル置換基を有していてもよく;Lheはメチンであっ
て、基Lhe自体が(1〜3C)アルキル置換基を有して
いてもよく;そしてLhfは4−オキサブタン−1,4−ジ
イルである}から選択されるものであり;式Ijの基に
ついては、Xj は(1〜6C)アルキル、−CH2
ja、−CH2SRja、−CH2S(O)Rjg、−CH2
(O)2jg、−CORja、−COORja、−C(=
ja)NRjbjc、−C(Rja)(ORjd)(O
je)、−CH2N(Rja)C(=Jja)Rjf、−CH2
(Rja)COORjg又は−CH2N(Rja)C(=Jja
NRjbjcであり;Bj は直接結合でLj は1位がBj
に結合している炭化水素鎖であって、Lj がトリメチレ
ン、テトラメチレン、 cis−1−ブテニレン及び cis,c
is−ブタジエニレンから選択されるか;又はBj はN
(Rjh)でLj がエチレン、トリメチレン及び cis−ビ
ニレンから選択される炭化水素鎖であるか;又はBj
NでLj は1位がBj に結合している炭化水素鎖であっ
て、Lj が cis,cis−2−プロペン−1−イリデン−3
−イルであり;Jj 及びJjaは独立して酸素又は硫黄で
あり;Rja、Rjf及びRjhは独立して水素又は(1〜6
C)アルキルであり;Rjb及びRjcは独立して水素又は
(1〜6C)アルキルであるか;又は基NRjbjcがピ
ロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ
(又はそのS−オキシド)又はピペラジニル(このピペ
ラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置換基を有して
いてもよい)であり;Rjd及びRjeは独立して(1〜3
C)アルキルであるか又は一緒になってエチレン及びト
リメチレンから選択される二価の炭化水素鎖を形成し;
jgは(1〜6C)アルキルであり;そして式Ikの基
については、Zk は式IIの窒素連結基〔式中、E1 、E
2 、E3 及びE4 は、E1 、E2 、E3 及びE4 それぞ
れがメチンであるか又はE1 、E2、E3 及びE4 の1
又は2が窒素であって残りのE1 、E2 、E3 及びE4
がメチンである二価の4員鎖(−E1=E2−E3=E4−)を
形成し;更にメチンである1又は2以上のE1 、E2
3 及びE4 がハロ、(1〜3C)アルキル、ヒドロキ
シ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜3C)アルキルチ
オ、(1〜3C)アルキルスルフィニル又は(1〜3
C)アルキルスルホニル置換基を有していてもよく;そ
して、基Fk 、Gk 及びIk (Xk )は下記の (a)〜
(d) : (a) Gk が直接結合であり、Ik (Xk )が式=C(M
k )−を有する基であり、そしてFk が−CH=及び−
N=から選択される基である; (b) Gk が直接結合であり、Ik (Xk )が式−C(=
k )−を有する基であり、そしてFk が−N(Rkf
−、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−CH2−N(R
kf)−及び−CH=N−から選択される基である; (c) Gk が式−CH2−を有する基であり、Ik (Xk
が式−C(=Jk )−を有する基であり、そしてFk
−CH2−及び−N(Rkf)−から選択される;及び (d) Gk が−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−
及び−N=CH−から選択され、Ik (Xk )が式−C
(=Jk )−を有する基であり、そしてFkが直接結合
である;{Jk は酸素又は硫黄であり;Mk は−O
ka、−SRka、−CORka、−COORka、−C(=
ka)NRkbkc又は−C(Rka)(ORkd)(O
ke)であり;Jkaは酸素又は硫黄であり;Rka及びR
kfは独立して水素又は(1〜6C)アルキルであり;R
kb及びRkcは独立して水素又は(1〜6C)アルキルで
あるか;又は基NRkbkcがピロリジノ、ピペリジノ、
モルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)
又はピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3
C)アルキル置換基を有していてもよい)であり;Rkd
及びRkeは独立して(1〜3C)アルキルであるか又は
kdとRkeが一緒にエチレン又はトリメチレンを形成す
る}から選択される。〕であるか;又はZk はフタルイ
ミド、スクシンイミド、マレイミド、グルタルイミド、
及び3−オキサグルタルイミド、3−チアグルタルイミ
ド及び3−アザグルタルイミドから選択されるイミド基
であって、1又は2以上の(1〜3C)アルキル置換基
を有していてもよく、加えて、フタルイミドの芳香族部
分が1又は2以上のハロ、ヒドロキシ又は(1〜3C)
アルコキシ置換基を有していてもよい基であり;そして
1 基については、Arは、フェニル基又は少なくとも
1の環が芳香族である9〜10の環員原子のオルト縮合
二環式炭素環基であって、Ar基は無置換であっても、
ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、(1〜4C)アル
キル、(1〜4C)アルコキシ、メチレンジオキシ、ヒ
ドロキシ、メルカプト、−S(O)nxa、(1〜5
C)アルカノイル、(1〜5C)アルカノイルオキシ、
ニトロ、NRxbxc、NRxdxe、C(=NRxf)NR
xgxh、CONRxbxc及びCOORxj{nは0、1又
は2の整数であり;Rxaは(1〜6C)アルキル、(3
〜6C)シクロアルキル又はフェニル(このフェニルは
ハロ、トリフルオロメチル、(1〜3C)アルキル又は
(1〜3C)アルコキシ置換基を有していてもよい)で
あり、基NRxbxcは0〜7の炭素を含有し、そしてR
xb及びRxcそれぞれは独立して水素、(1〜5C)アル
キル又は(3〜6C)シクロアルキルであるか、又は基
NRxbxcがピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チ
オモルホリノ(又はそのS−オキシド)又はピペラジニ
ル(このピペラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置
換基を有していてもよい)であり;そしてRxdは水素又
は(1〜4C)アルキルであり;Rxeは(1〜5C)ア
ルカノイル、ベンゾイル、又は式C(=Jx )NRxg
xhの基(Jx は酸素、硫黄、NRxf又はCHRxiであ
る)であり;Rxfは水素、(1〜5C)アルキル又はR
xgと一緒にエチレン又はトリメチレン二価基を形成し、
基NRxgxhは0〜7の炭素を含有して、Rxg及びRxh
それぞれは独立して水素、(1〜5C)アルキル又は
(3〜6C)シクロアルキルであるか、又は基NRxg
xhがピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホ
リノ(又はそのS−オキシド)又はピペラジニル(この
ピペラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置換基を有
していてもよい)であるか;又はRxgがRxfと一緒にエ
チレン又はトリメチレン二価基を形成してRxhが水素又
は(1〜5C)アルキルであり;Rxiはシアノ、ニト
ロ、(1〜5C)アルキルスルホニル又はフェニルスル
ホニルであり;そしてRxjは水素、(1〜5C)アルキ
ル又はベンジルである}から選択される1又は2以上の
置換基を有していてもよく;そしてHetは、酸素、硫
黄及び窒素から選択される1〜4のヘテロ原子と炭素か
らなる5又は6の環員原子を含有する単環式芳香環の環
員炭素を介して結合した基(又はその安定なN−オキシ
ド)であるか、又はプロペニレン、トリメチレン、テト
ラメチレン又はベンズ二価基を縮合させることによって
それから誘導されるオルト縮合二環式複素環であって、
このHet基は無置換であっても、Arについて上で定
義した1又は2以上の置換基により炭素上で置換されて
いても(1〜3C)アルキルにより窒素上で置換されて
いてもよく;Q2 は、ヒドロキシ、(1〜3C)アルコ
キシ、−SR5 、−OC(=O)R6 及び−OC(=
O)NR78 から選択される一価基であるか;又はチ
オキソ及びオキソから選択される二価基であり;R5
は、水素、(1〜3C)アルカノイル、(1〜3C)ア
ルキル、フェニル、又はフェニル(1〜3C)アルキル
であって、いずれのフェニルも、ハロ、(1〜3C)ア
ルキル及び(1〜3C)アルコキシから選択される1〜
3の置換基によって任意に置換されていてもよく;R6
は、(1〜4C)アルキル、フェニル、又はフェニル
(1〜3C)アルキルであって、いずれのフェニルも、
ハロ、(1〜3C)アルキル、及び(1〜3C)アルコ
キシから選択される1〜3の置換基によって任意に置換
されていてもよく;R7 及びR8 は独立して、水素、
(1〜4C)アルキル、フェニル、又はフェニル(1〜
3C)アルキルであって、いずれのフェニルも、ハロ、
(1〜3C)アルキル、及び(1〜3C)アルコキシか
ら選択される1〜3の置換基によって任意に置換されて
いてもよく;Q3 は、水素又は(1〜3C)アルキルで
あり;Q4 は、ハロ、トリフルオロメチル、ヒドロキ
シ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜3C)アルキル及
びメチレンジオキシから独立に選択される1又は2の置
換基を有していてもよいフェニルであるか;又はQ4
は、ハロ置換基を有していてもよいチエニル、イミダゾ
リル、ベンゾ〔b〕チオフェニル又はナフチルである
か;又はQ4 は、ビフェニリルあるか;又はQ4 は、1
位にベンジル置換基を有していてもよい炭素連結インド
リルであり;Tは、2〜3の窒素を含有する炭素連結5
員芳香環であって、連結炭素に隣接する環の位置で基Q
5 により置換されており;そしてQ5 は、(1〜6C)
アルキル(二重又は三重結合を含有していてもよい)、
(3〜6C)シクロアルキル(二重を含有していてもよ
い)、(3〜6C)オキサシクロアルキル(二重を含有
していてもよい)、アリール、アリール(1〜3C)ア
ルキル、又は酸素、硫黄及び窒素から選択される1〜4
のヘテロ原子と炭素からなる5員又は6員ヘテロアリー
ル(又はそのN−オキシド)であって、アリール若しく
はヘテロアリール基又は基の部分が(1〜3C)アルキ
ル、(1〜3C)アルコキシ、メチレンジオキシ、ハロ
ゲノ、ヒドロキシ、(1〜4C)アシルオキシ及びNR
AB (RA 及びRB は独立して、水素又は(1〜3
C)アルキルであるか、又はRA が水素又は(1〜3
C)アルキルであってRB が(1〜4C)アシルであ
る)から選択される1又は2以上の置換基を炭素上に有
していてもよい。〕 又はΔにより示されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素
である場合はQ1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒
素)のそのN−オキシド;又は薬学的に許容できるその
塩;又はその4級アンモニウム塩であって、Δにより示
されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ
1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアン
モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1
(1〜4C)アルキル又はベンジルであって、結合して
いる対イオンAが薬学的に許容できるアニオンである
塩、である本発明のコンパウンドが提供される。
【0004】本発明のサブグループは、Q2 がヒドロキ
シ、アセトキシ、(1〜3C)アルコキシ及びオキソか
ら選択される一価又は二価の基であり、Q1 、Q2 、T
及びQ5 が式Iの化合物について上で与えられたいずれ
かの意義を有する式Iの化合物;又はΔにより示される
ピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ1 のい
ずれかの塩基性ピペラジニル窒素)のそのN−オキシ
ド;又は薬学的に許容できるその塩;又はその4級アン
モニウム塩であって、Δにより示されるピペリジノ窒素
(又はZa が窒素である場合はQ1 のいずれかの塩基性
ピペラジニル窒素)が四価のアンモニウム窒素であり、
その窒素上の4番目の基R1 が(1〜4C)アルキル又
はベンジルであって、結合している対イオンAが薬学的
に許容できるアニオンである塩である。
【0005】本発明のもう1つのサブグループは、Q1a
が、式Iの化合物について上で定義したZが窒素を表す
式Q1 の基であり、Q2 、T及びQ5 が式Iの化合物に
ついて上で与えられたいずれかの意義を有する式III の
化合物、又は薬学的に許容できるその塩である。
【0006】式I(又は III)の化合物は、1又は2以
上の不斉置換炭素原子を含有するので、そのような化合
物は、光学活性体、ラセミ体及び/又はジアステレオマ
ー体で単離され得ることが分かるであろう。化合物は互
変異性を示し得る。化合物は多形現象を示し得る。本発
明が、NK2アンタゴニスト特性を有する、あらゆるラ
セミ体、光学活性体、ジアステレオマー体、互変異性
体、多形体若しくは立体異性体、又はそれらの混合物を
包含することが理解されるべきであり、如何にして光学
活性体を調製するか(例えば、ラセミ体の分割により又
は光学活性な出発原料からの合成により)及び以下に説
明する標準試験によって如何にしてNK2アンタゴニス
ト特性を測定するかは、当該技術分野においてよく知ら
れている。例えば、少なくとも95%、98%又は99
%で特定の鏡像体を過剰に含有するとして特徴付けられ
る光学的に純粋な形の式I(又は III)の化合物を用い
ることが好ましいといえる。例えば、少なくとも95
%、98%又は99%で、式において星印(*)で示さ
れる不斉中心において(R)又は(S)配置を有する形
の鏡像体を過剰に含有するとして特徴付けられる形の式
I(又は III)の化合物又はその特定のジアステレオマ
ー体を用いることが好ましいといえる。
【0007】この明細書において、Raa、Rab、R1
2 等は、一般基を表し他の意義を持たない。一般用語
“(1〜6C)アルキル”には、直鎖及び分枝鎖アルキ
ル基のいずれも含まれるが、“プロピル”の如き個々の
アルキル基への言及は、直鎖(“ノルマル”)基だけを
包含し、“イソプロピル”の如き分枝鎖異性体は、具体
的に言及するものと理解されるべきである。同様な取り
決めが他の一般基、例えば、アルコキシ、アルカノイル
等に適用される。ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又
はヨードである。アリール(より具体的に定義れる場合
を除く)は、フェニル基又は約9〜10の環員原子を有
するオルト縮合二環式炭素環基であって、少なくとも1
つの環が芳香族である環基を表す。ヘテロアリール(よ
り具体的に定義れる場合を除く)は、酸素、硫黄及び窒
素から選択される1〜4のヘテロ原子と炭素からなる5
の環員原子を含有するか又は1若しくは2の窒素と炭素
からなる6の環員原子を含有する単環式芳香環の環員炭
素を介して結合した基、並びにそれから誘導される約8
〜10原子のオルト縮合二環式複素環の基、特にベンズ
誘導体、又はプロペニレン、トリメチレン又はテトラメ
チレン二価基をそれに縮合させることによって誘導され
る誘導体、並びにその安定なN−オキシドを包含する。
アロイルはアリールカルボニルであり、ヘテロアロイル
はヘテロアリールカルボニルである。
【0008】薬学的に許容できる塩は、生理学的に許容
できるアニオンを提供する酸で作られる塩である。
【0009】上記した基又は部分(例えば、(1〜3
C)アルキルについての特定的な意義は、(1〜3C)
アルコキシ又は(1〜3C)アルキルスルフィニルのア
ルキル部分についての特定的な意義を与える)、置換基
及び式I又は式III の化合物の範囲についての特定的な
意義を説明のためにのみ以下に挙げる。それらは、他の
定義した意義又は基若しくは置換基について定義した範
囲内の他の意義を排除するものではない。
【0010】Arについての特定的な意義は、無置換で
あっても、クロロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ又は
メチルスルフィニル置換基を有していてもよいフェニル
基である。Hetについての特定的な意義は、無置換で
あっても、クロロ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、メ
チルスルフィニル、メトキシカルボニル又はエトキシカ
ルボニル置換基を有していてもよいフリル、チエニル、
2−イミダゾリル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イ
ル、ピリジル又はピリミジニルである。アリールについ
ての特定的な意義は、フェニルである。ヘテロアリール
についての特定的な意義は、フリル、ピリジル又はピリ
ミジニルである。ハロについての特定的な意義は、クロ
ロ又はブロモである。(1〜3C)アルキルについての
特定的な意義は、メチル、エチル、プロピル又はイソプ
ロピルであり;(1〜4C)アルキルについては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル又はt−ブチルであり;(1〜5C)アルキルにつ
いては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル又はイソペン
チルであり;(1〜6C)アルキルについては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル
又はイソヘキシルであり;(1〜8C)アルキルについ
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソ
ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシ
ル、1−プロピルブチル、又はオクチルである。(3〜
6C)シクロアルキルについての特定的な意義は、シク
ロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであ
り;(3〜7C)シクロアルキルについては、シクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘ
プチルであり;そして(3〜8C)シクロアルキルにつ
いては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル又はシクロオクチルである。(3
〜6C)アルケニルについての特定的な意義は、アリ
ル、2−ブテニル又は3−メチル−2−ブテニルであ
る。(1〜4C)アルカノイルについての特定的な意義
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又は
イソブチリルであり;そして(1〜5C)アルカノイル
については、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル又はピバ
ロイルである。
【0011】Arについてのより特定的な意義は、無置
換であっても、メトキシ、ヒドロキシ又はメチルスルフ
ィニル置換基を有していてもよいフェニル基である。H
etについてのより特定的な意義は、無置換であって
も、メトキシ、ヒドロキシ又はメチルスルフィニル置換
基を有していてもよいピリジル又はピリミジニルであ
る。ヘテロアリールについてのより特定的な意義は、ピ
リジルである。ハロについてのより特定的な意義は、ク
ロロである。(1〜3C)アルキルについてのより特定
的な意義は、メチルであり;(1〜4C)アルキルにつ
いては、メチル又はエチルであり;(1〜5C)アルキ
ルについては、メチル、エチル、プロピル又はイソプロ
ピルであり;(1〜6C)アルキルについては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル又はt−ブチルであり;そして(1〜8C)アルキ
ルについては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、1−エチルプロピル又は1−プロピルブチルであ
る。(3〜6C)シクロアルキルについてのより特定的
な意義は、シクロプロピル又はシクロペンチルであり;
(3〜7C)シクロアルキルについては、シクロプロピ
ル又はシクロペンチルであり;そして(3〜8C)シク
ロアルキルについては、シクロプロピル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。(3〜
6C)アルケニルについてのより特定的な意義は、アリ
ルである。(1〜4C)アルカノイルについてのより特
定的な意義は、ホルミル又はアセチルであり;そして
(1〜5C)アルカノイルについては、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル又はイソブチリルであ
る。
【0012】Q1 についての特定的な意義は、4−ベン
ジルピペリジノ、4−(3−メトキシフェニル)ピペリ
ジノ、4−(2−メチルスルフィニル)フェニルピペリ
ジノ、4−(2−ピリジル)ピペリジノ、4−(3−ピ
リジル)ピペリジノ、4−(2−メチルスルフィニルピ
リド−3−イルピペリジノ、4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペ
リジノ、4−(N−フェニルアセトアミド)ピペリジ
ノ、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジノ、4−
(1−ヒドロキシ−1−プロピルブチル)ピペリジノ、
4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ピペリジノ、
4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−
チオキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(2−オキソパ
ーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−エト
キシカルボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリ
ジノ、4−メトキシカルボニル−4−(2−オキソパー
ヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ、4−(1−
オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジノ、4−
(2−オキソ−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−1
−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソ−1,2,3,4−テ
トラヒドロキナゾリン−3−イル)ピペリジノ又は4−
メチルアミノカルボニル−4−(2−オキソパーヒドロ
ピリミジン−1−イル)ピペリジノである。
【0013】Q2 についての特定的な意義は、ヒドロキ
シである。
【0014】Q3 についての特定的な意義は、水素であ
る。
【0015】Q4 についての特定的な意義は、3,4−ジ
クロロフェニル又は3,4−メチレンジオキシフェニルで
ある。
【0016】Tについての特定的な意義は、イミダゾー
ル−2−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−3
−イル、ピラゾール−5−イル、トリアゾール−4−イ
ル、又はトリアゾール−5−イルである。
【0017】Q5 についての特定的な意義は、フェニル
である。
【0018】R1 についての特定的な意義は、メチル又
はベンジルであり、Aについては、例えば、クロリド、
ブロミド又はメタンスルホネートである。
【0019】Q1 についてのより特定的な意義は、4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ、4−アセトアミ
ド−4−フェニルピペリジノ、4−アセトアミド−4−
(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−(1−エチ
ル−1−ヒドロキシプロピル)ピペリジノ、4−(2−
オキソピペリジノ)ピペリジノ、又は4−(2−オキソ
パーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノである。
【0020】Tについてのより特定的な意義は、トリア
ゾール−5−イルである。
【0021】式III の化合物の特定的なグループは、Q
1aが式If、Ih又はIgの基である化合物であって、
Jが酸素でありそして基及び置換基が上に定義したいず
れの意義、特定的な意義又はより特定的な意義を有して
もよい化合物、又は薬学的に許容できるその塩である。
【0022】式Iの化合物の特定的なグループは、J
e 、Jf 、Jg 、Jj 、Jja、Jk 及びJkaが酸素であ
りJh がオキソであり;Q2 がヒドロキシであり;Q3
が水素であり;Q4 がハロ、トリフルオロメチル及びメ
チレンジオキシから選択される1又は2の置換基を有し
ていてもよいフェニルであり;そしてQ5 がフェニルで
ある化合物である。
【0023】式Iの化合物のより特定的なグループは、
1 が式If、Ih又はIjの基である化合物であっ
て、Jが酸素でありそして基及び置換基が上に定義した
いずれの意義、特定的な意義又はより特定的な意義を有
してもよい化合物、又は薬学的に許容できるその塩であ
る。
【0024】式I及び式III において★で示される不斉
中心が(S)配置のものであること、及びQ2 が一価基
である場合は、Q2 が結合している炭素における絶対配
置が(R)のものであることが好ましい。一般に、式I
又は式III の化合物については、その立体化学が上で特
定したものと一致することが好ましいが、(R)−又は
(S)のような不斉中心の指定は、命名法の順序の規則
に基づいて分子ごとに変動し得る。
【0025】式I(及び式 III)の具体的化合物は、実
施例に記載されている。
【0026】式I(又は式 III)の化合物の薬学的に許
容できる塩には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタン
スルホン酸、又はp−トルエンスルホン酸の如き、生理
学的に許容できるアニオンを付与する無機又は有機の強
酸で作った塩が含まれる。
【0027】式I(又は式 III)の化合物は、構造的に
類似する複素環式化合物の製造について化学技術分野で
知られている方法を包含する方法により作ることができ
る。式I(又は式 III)の化合物の製造についてのかか
る方法及び中間体が、本発明の更なる特徴として提供さ
れ、次の操作により示される。この際、一般基の意義
は、特に示さない限り、上で定義した通りである。
【0028】(a) Zが窒素を表す式Iの化合物について
(又は式III の化合物について)は、式 IIIa(式中、
1aは、式Iの化合物について上に定義したZが窒素を
表す式Q1 の基である)のピペリジンを、式IV(又は式
IVa)のアルデヒドで、還元的アルキル化によってアル
キル化する。このアルキル化は、好ましくは、例えば実
施例1に記載したような慣用の還元的アルキル化によっ
て、in situ でイミニウム塩を酸触媒で生成させた後、
アルコール性溶媒中でシアノ水素化ホウ素ナトリウムで
還元することによって行う。又は (b) 式 IIIaのピペリジンを、式V(又は式Va)(式
中、Yは脱離基である)のアルキル化剤でアルキル化す
る。Yの典型的な意義には、例えば、ヨージド、ブロミ
ド、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、
トリフルオロメタンスルホネート、及びそれらに類した
ものが含まれる。この反応は、標準的条件下、例えば、
適する溶媒中で−20〜+100℃、好ましくは0〜5
0℃の温度で行うことができる。
【0029】(c) 式I(又は式 III)の化合物のΔによ
り示されるピペリジノ窒素のN−オキシドについては、
式Iの化合物のΔにより示されるピペリジノ窒素を、例
えば、メタノール中で過酸化水素を用いるか、不活性溶
媒(ジクロロメタンの如きもの)中で過酢酸又は3−ク
ロロ過安息香酸を用いるか、又はアセトン中でジオキシ
ランを用いる如き慣用的操作を用いて酸化する。
【0030】(d) 式I(又は式 III)の化合物のΔによ
り示されるピペリジノ窒素の4級アンモニウム塩につい
ては、式I(又は式 III)の化合物のΔにより示される
ピペリジノ窒素を式R1 Yのアルキル化剤でアルキル化
するか又は式 IIIbのピペリジンを式V(Yは脱離基で
ある)のアルキル化剤でアルキル化した後に、必要な
ら、対イオンYを慣用的方法により異なる対イオンに交
換する。Yについての典型的意義には、上に掲げたもの
が含まれる。対イオンの交換は“A”型の塩基性イオン
交換樹脂を用いて慣用的に行うことができる。
【0031】(e) Q1 が式Idの基である式Iの化合物
については、式VIの対応する出発原料の二重結合を慣用
的方法を用いて還元する。
【0032】(f) Q1 が式Idの基である式Iの化合物
については、式VIaの化合物の窒素を式Rda−(Xd
p −Zd −の基で慣用的方法を用いて置換する。
【0033】(g) スルフィニル基を有する式I(又は式
III)の化合物については、スルフィド基を有する式I
(又は式 III)の対応する化合物の硫黄を慣用的方法を
用いて酸化する。
【0034】(h) スルホニル基を有する式I(又は式 I
II)の化合物については、式I(又は式 III)の対応す
る化合物のスルフィド基又はスルフィニル基を慣用的方
法を用いて酸化する。
【0035】(i) 芳香族水酸基を有する式I(又は式 I
II)の化合物については、芳香族アルコキシ基を有する
式I(又は式 III)の対応する化合物のエーテルを慣用
的方法を用いて開裂する。
【0036】(j) Q2 がオキソである式Iの化合物につ
いては、式 VII(式中、R2 とR3 は独立して(1〜3
C)アルキルである)のアミドを、例えば、実施例1に
記載したような適するカルバニオンと反応させる。
【0037】(k) Q2 がヒドロキシである式Iの化合物
については、Q2 がオキソである式Iの対応する化合物
を、例えば、実施例2に記載ように水素化ホウ素ナトリ
ウムの如き適する還元剤で還元する。この方法は、Q2
がヒドロキシでありQ3 が水素でありそしてQ2 とQ4
が syn−配置にある式Iの化合物の調製に好ましいとい
える。というのは、この syn−生成物は、この還元で有
利に生成できるからである。又は(l) 式VIIIのアルキン
を適する双極性試薬、例えば、ジアゾメタン又はアジド
と慣用的方法を用いて反応させて、ヘテロ芳香族基Tを
生成させる。例えば、適する条件は、実施例3及び4に
記載されている。
【0038】(m) Q2 がヒドロキシである式Iの化合物
については、式Iの対応するアセトキシ化合物を慣用的
方法を用いて加水分解する。例えば、実施例10に記載
したような塩基性水性条件下で加水分解を行うことがで
きる。
【0039】(n) Q2 がアセトキシ又は(1〜3C)ア
ルコキシである式Iの化合物については、Q2 がヒドロ
キシである式Iの対応する化合物を慣用的条件下で処理
して、アセトキシ又は(1〜3C)アルコキシ基を形成
する。
【0040】上記の方法の全部又は一部の間、保護基を
随意に用い、次いで最終化合物を生成させようとすると
きに除去するのが望ましいといえる。
【0041】その後に、上記操作のいずれかについて、
式Iの化合物の薬学的に許容が必要な場合は、式Iの化
合物を生理学的に許容できる対イオンを付与する酸と反
応させることにより又は他の何らかの慣用操作によりそ
れを得ることができる。
【0042】本発明の化合物中の種々の任意の置換基の
うち一定のものを、上の方法の前又は直後のいずれか
に、標準的芳香族置換反応により導入しても、又は慣用
的な官能基修飾によって生成させてもよく、そしてそう
いうものも本発明の方法側面に包含されることも分かる
であろう。かかる反応及び修飾には、例えば、ニトロ又
はハロゲノの導入及びニトロの還元が含まれる。かかる
操作のための試薬及び反応条件は、化学技術分野でよく
知られている。
【0043】市販されていない場合には、上の操作に必
要な出発原料を、複素環化学の標準的技術、既知の構造
的類似化合物の合成法に類似する技術(特に上記のEP
A公報及びそれらの同一内容物に記載されたもの)、及
び上記操作若しくは実施例に記載した操作に類似する技
術から選ばれる操作により作ることができる。出発原料
及びそれらの調製操作は、本発明の追加の側面である。
【0044】出発原料の調製の一般的合成ルートの概略
をスキームI〜IVに示す。スキームIに概略を示すよう
に、Q2 がアセトキシである式IVの中間体は、R4 が例
えば(1〜3C)アルキルである式IXのエステルを適す
る塩基で処理した後に臭化アリルで処理してエステルX
を得ることにより調製することができる。エステルXの
酸XIへの加水分解後にアミドを生成させて、式XII のア
ミドを得る。式XII のアミドを式XVIII の化合物のアニ
オンのランタン又はセリウム塩で処理すると、ケトンXI
IIが生成する。このケトンXIIIをアルコールXIV に還元
して、これをアセトキシ化合物XVに転化することができ
る。Q2 がアセトキシである出発原料のアルデヒドIV
は、XVから、このオレフィンを、例えば、実施例7のf
に記載したような慣用的操作を用いて酸化的に開裂する
ことにより調製することができる。この合成ルートは、
2 がアセトキシであり、Q3 が水素であり、そしてQ
2 とQ4 が syn−配置にある式IVの化合物の調製に好ま
しいといえる。というのは、この syn−生成物は、アル
コールXIV へのケトンXIIIの転化で有利に生成できるか
らである。
【0045】スキームIIに概略を示すように、Q2 がア
セトキシである式IVの中間体は、R4 が例えば(1〜3
C)アルキルである式XIX のエステルから、アルコール
XXへの還元及びアルデヒドXXI への転化により調製する
ことができる。式XXI のアルデヒドを式XVIII の化合物
のアニオンのランタン又はセリウム塩で処理すると、式
XXIIのアルコールが生成する。Q2 がアセトキシである
出発原料のアルデヒドIVは、XXIIから、アセトキシ化合
物XVへ転化した後に、このオレフィンを、例えば、実施
例7のfに記載したような慣用的操作を用いて酸化的に
開裂することにより調製することができる。この合成ル
ートは、Q2 がアセトキシであり、Q3が水素であり、
そしてQ2 とQ4 が anti-配置にある式IVの化合物の調
製に好ましいといえる。というのは、この anti-生成物
は、アルコールXXIIへのアルデヒドXXI の転化で有利に
生成できるからである。
【0046】スキームIII に概略を示すように、Zが窒
素である式VII の中間体は、式XIIのアミドから調製す
ることができる。XII を式XVI のアルデヒドへ転化した
後に式 IIIaの化合物と還元的にカップリングすると、
Zが窒素である式VII の出発原料が生成する。
【0047】スキームIVに概略を示すように、Q2 がオ
キソである式VIIIの出発原料は、式VII のアミドとMが
適当な対イオンを表す式XVIIのアニオンとの反応により
調製することができる。例えば、式VIIIの中間体の調製
に適する条件は、実施例3のaに記載されている。
【0048】式 IIIaの出発原料ピペリジンは、市販原
料、例えば、1位が保護された4−ピペリドン又は1位
が保護された4−アミノピペリジンから、慣用的方法を
用いて調製することができる。式 IIIaの化合物は、以
下の実施例に記載した方法と類似の方法を用いて調製す
ることもできる。チオカルボニル基を含有する式 IIIa
の化合物が必要なときは、カルボニル基酸素を含有する
1位が保護された対応するピペリジン中間体から、五硫
化リン又は Lawesson 試薬、つまり2,4−ビス(4−メ
トキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスホエタ
ン−2,4−ジスルフィドで処理した後にピペリジノ窒素
を脱保護することにより、都合よくそれを得ることがで
きる。
【0049】式 IIIbの出発原料ピペリジンは、式 III
aのピペリジンを還元的にアルキル化して置換基R1
導入しても、式 IIIaのピペリジンの調製と類似のやり
方で調製してもよい。
【0050】式VIの出発原料ピペリジンは、式VIbの対
応するケトンから、慣用的方法により、例えば、Rdx
dyが一緒になってトリフェニルホスホラニリデン基を
形成する式VIcの化合物との縮合又はRdxがジメチルホ
スホノ基でありRdyが水素である式VIcの化合物の脱プ
ロトンにより得られるアニオンとの縮合により調製する
ことができる。式VIcの化合物は、慣用的方法を用いて
式Vの化合物から得ることができる。式VIaの出発原料
は、1位が保護された4−ピリドンから、同じようにし
た後、還元及び脱保護することにより調製することがで
きる。
【0051】当業者には明白であろうが、これら出発原
料の調製には種々の順序が可能であり、本発明の出発原
料及び生成物を導く順序は、合成方法及び存在する基に
関する適切な考慮が伴うならば、変更してもよい。
【0052】本発明の化合物又は薬学的に許容できるそ
の塩(以下“コンパウンド”と総称する)の有用性は、
上記のEPA428434又はEPA474561(又
は米国特許第5,236,921号)の如きEPA公報に開
示されたもの及び以下に記載するものを含む、標準的試
験及び臨床的研究によって更に証明することができる。
【0053】ニューロキニンA(NKA)レセプター結
合アッセイ(試験A) NK2レセプターにおけるNKAの結合に拮抗する本発
明のコンパウンドの能力は、Aharony, D., Little, J.,
Thomas, C., Powell, S., Berry, D.及び Graham, A.
Isolation and Pharmacological Characterization of
a Hampster Neurokinin A Recepter cDNA, Molecular P
harmacology, 1994, 45, 9-19 に記載された通りに、マ
ウス赤白血病(MEL)細胞内で発現されたヒトNK2
レセプターを用いるアッセイを用いて証明することがで
きる。このアッセイを最初に用いるに際し、標準化合物
L−659,877について測定したIC50が、MELに
結合する3H−NKAに対して30nMであることが分か
った。
【0054】NK2レセプターでの結合についてのコン
パウンドの選択性は、標準的アッセイ、例えば、NK1
レセプターに対して選択的な組織試料中のSPのトリチ
ウム標識誘導体を用いるアッセイ又はNK3レセプター
に対して選択的な組織試料中のNKBのトリチウム標識
誘導体を用いるアッセイを用いて、他のレセプターでの
その結合性を測定することにより示すことができる。
【0055】モルモットアッセイ(試験B) 肺組織内でのNKA又は〔β−ala8 〕−NKA(4
−10)のいずれかのアゴニストの機能に拮抗する本発
明のコンパウンドの能力は、次のようにして行われるモ
ルモット気管内での機能性アッセイを用いて証明するこ
とができる。選んだアゴニストは、この記載を通してA
Gと言う。
【0056】後頭部を一撃することにより雄モルモット
を殺す。その気管を切除し、余分な組織を切り取って2
片に分割する。次の組成(mM)(NaCl,119;
KCl,4.6;CaCl2 ,1.8;MgCl2 ,0.5;
NaH2PO4 ,1;NaHCO3 ,25;グルコース,
11;チオルファン,0.001;及びインドメタシン,
0.005)の生理的塩類溶液を含有する水ジャケット
(37.5℃)付き組織浴中のステンレススチール製あぶ
み金の間に、各片をリングにして吊るして、95%O2
−5%CO2 を継続的に吹き込む。各組織にかける初期
張力は1gであり、他の薬品を添加する前の0.5〜1.5
時間の平衡時間全体にわたって維持する。グラースFT
−03力変換器 (Grass FT-03 force transducer) を介
するグラースポリグラフ(Grass polygraph) で収縮応答
を測定する。
【0057】30分の間隔を介在させ、その間に洗浄し
て張力をベースラインレベルに戻しながら、組織を単一
濃度のAG(10nM)で繰り返し攻撃する。AGに対
する収縮の大きさは、2回攻撃した後に一定レベルに達
するので、アゴニストに3回又は続けて曝す15分前に
組織浴に各コンパウンドを添加することにより、AGに
対する応答の阻害について試験する。コンパウンド存在
下でのAGに対する収縮応答を(コンパウンド不存在下
での)2回目のAG攻撃で得られた応答と比較する。コ
ンパウンドが満足のゆく有意な収縮低下(p<0.05)
をもたらしたときは阻害量を測定して、2回目収縮応答
を100%として用い阻害率(%)を計算する。
【0058】選択したコンパウンドの効力は、試験した
各濃度についての見掛け解離定数(KB )を標準式: KB =〔アンタゴニスト〕/(用量比−1) を用いて計算することにより評価する。ここで、用量比
=真数〔(AG− log(コンパウンドなしのモルE
50))−(AG− log(コンパウンド有りのモルEC
50))〕である。これらKB 値を負の対数に変換して−
log モルKB (即ち、pKB )として表してもよい。こ
の評価のために、対の気管リングを用いて、AGについ
ての完全な濃度−応答曲線をコンパウンドの存在下及び
不存在下(インキュベーション時間30分)で得る。A
Gの効力は、各曲線におけるそれ自体の最大応答レベル
の50%で測定する。EC50値を負の対数に変換して−
log モルEC50として表す。AGに対する最大応答を開
始平衡時間後に加えたカルバコール(30μM)により
起こる収縮のパーセンテージとして表すことにより、A
Gに対する最大収縮応答を定める。AGに対する最大応
答の満足のゆく有意な低下(p<0.05)がコンパウン
ドによりもたらされたときは、その阻害率(%)を、用
いた未処理の対の組織におけるカルバコール収縮を10
0%として計算する。
【0059】モルモット窮迫複式呼吸(呼吸困難)アッ
セイ(試験C) NK2レセプターにおけるNKAのアンタゴニストとし
ての本発明のコンパウンドの活性は、例えば、Snyderら
(Snyder, D.W., Liberati, N.J.と McCarthy,M.M., Co
nscious guinea-pig aerosol model for evaluation of
peptide leukotriene antagonists. J. Pharmacol. Me
th. (1988) 19, 219 )によりロイコトリエンアンタゴ
ニストの評価のために記載された定型的モルモットエア
ロゾル試験を適応することによって、実験動物で in vi
vo で証明できる。気管支収縮薬アゴニストに頭部だけ
をエアロゾルで曝すためにモルモットを固定する、以前
にSnyder らにより記載された透明プラスチック室を用
いて、6匹の意識あるモルモットにアゴニストをエアロ
ゾルにより各操作の間同時に投与する。タキキニンNK
2選択性アゴニスト、つまり〔β−ala8 〕−NKA
(4−10),3×10-5Mを、2L/分の速度でこの
室内に入ってゆく空気流中に Devilbiss Model 25 超音
波ネブライザからエアロゾル化する。
【0060】モルモット(275〜400g)を実験の
約16時間前に固定する。〔β−ala8 〕−NKA
(4−10)の作用の遮断について評価しようとするコ
ンパウンド又はそれらの媒質(生理食塩水中の10%P
EG400)を、エアロゾルアゴニストで攻撃する前の
種々の時点で経口又は静脈内投与する。全ての動物をア
トロピン(10mg/kg,腹腔内,45分前処理)、
インドメタシン(10mg/kg,腹腔内,30分前処
理)、プロプラノロール(5mg/kg,腹腔内,30
分前処理)、及びチオルファン(5分間の1mg/ml
のエアロゾル,15分前処理)で前処理する。
【0061】アゴニストでのエアロゾル攻撃で、最初に
呼吸速度が上昇した後、腹筋が僅かに連動する初期の徴
候を伴って低下する。曝し続けるにつれて、呼吸速度は
更に低下して、腹筋のより大きな連動を伴って呼吸はよ
り窮迫する。明確に認識できる終点は、モルモットの呼
吸パターンが一定してゆるやかになり深くかつ落ち着い
て、顕著な腹筋の連動が見られる時点である。エアロゾ
ル攻撃の開始からこの終点までの時間(秒)を、ストッ
プウォッチを用いて各動物について測定する。動物達は
終点に達した後は一般に虚脱状態になってアゴニスト誘
発呼吸困難から回復することはない。アンタゴニスト
は、終点に達する時間を長くする。動物達は、最大時間
で780秒の間、アゴニストのエアロゾル投与を受け
る。
【0062】薬品処理グループと対応する媒質処理コン
トロールグループ間の差を、スチューデントt検定を用
いて、対ではない観察について比較する。
【0063】本発明のコンパウンドの効力を証明する臨
床研究を、標準的方法を用いて行うことができる。例え
ば、喘息又は喘息様状態の症状を予防又は治療するコン
パウンドの能力は、吸入冷気又はアレルゲンの攻撃及び
統計分析の標準的方法により分析される標準的肺測定、
例えば、FEV1 (1秒量)及びFVC(努力性肺活
量)による評価を用いて証明することができる。
【0064】試験A又は試験Bにおけるコンパウンドの
活性は、喘息との関係に限定されず、むしろ、この試験
は、NKAの一般的アンタゴニストの証拠を提供するこ
とが分かるであろう。一般に、試験した本発明のコンパ
ウンドは、試験Aにおいて1μM又はそれより大いに低
いKi の統計的に有意な活性を示した。例えば、実施例
2に記載した化合物は、典型的には、34nMのKi
有することが見出された。試験Bにおいては、本発明の
コンパウンドについて、5又はそれより大きいpKB
一般に測定された。例えば、6.6のpKB が実施例3に
記載した化合物について測定された。試験AにおいてK
i 値として測定されたコンパウンドの活性と試験Bにお
いて測定されたpKB の如き他のアッセイにおいて測定
された値の間の直接の相互関係が常にあるとは限らない
ことに留意すべきである。
【0065】上で説明したように、式Iの化合物又は薬
学的に許容できるその塩は、NKAアンタゴニスト特性
を有している。従って、それは、気管支収縮、微小血管
透過性の増加、血管拡張及び肥満細胞の活性化を含むこ
とが知られているNKAの機能の少なくとも1種と拮抗
する。従って、本発明の1つの特徴は、式Iの化合物又
は薬学的に許容できるその塩を、NKAが関係している
ためにその機能の拮抗作用が望まれる疾患の治療に、例
えば、喘息又は関連障害の治療に、それを必要とするヒ
ト又は他の動物において用いることである。加えて、本
発明のもう1つの特徴は、式Iの化合物又はその塩を、
NKAが関係する疾患を治療するための又はそれらの診
断用アッセイのための新たな治療剤の開発に用いるため
の新たな疾患モデル又はアッセイの開発及び標準化のた
めの薬学的スタンダードとしての使用により提供され
る。
【0066】そのような疾患の治療に用いる場合、本発
明の化合物は、一般に、先に定義した式Iの化合物又は
薬学的に許容できるその塩及び薬学的に許容できる希釈
剤又はキャリヤーを含む適当な医薬組成物として投与さ
れ、その組成物を選ばれる特定の投与ルートに適応させ
る。そのような組成物は、本発明の更なる特徴として提
供される。それは、慣用操作及び賦形剤及び結合剤を用
いて得ることができ、そして種々の投与形態をとること
ができる。そのような形態には、例えば、経口投与用の
錠剤、カプセル剤、溶液剤又は懸濁剤;直腸投与用の坐
剤;静脈内若しくは筋肉内輸注又は注射により投与する
ための滅菌溶液剤又は懸濁剤;吸入により投与するため
のエアロゾル又はネブライザ溶液剤又は懸濁剤;又ガス
注入により投与するためのラクトースの如き薬学的に許
容できる固体希釈剤を伴った散剤が含まれる。
【0067】経口投与用には、250mgまで(典型的
には5〜100mg)の式Iの化合物を含有する錠剤又
はカプセル剤が好都合に用いられる。吸入による投与に
ついては、式Iの化合物を例えば5〜100mgの1日
量で、1回分量で又は2〜4回に分割した1日量でヒト
に投与する。同じく、静脈内若しくは筋肉内注射又は輸
注については、10%w/wまで(典型的には0.05〜
5%w/w)の式Iの化合物を含有する滅菌溶液剤又は
懸濁剤が好都合に用いられる。
【0068】投与すべき式Iの化合物の用量は、投与ル
ート及び状態の重さ及び治療される患者の大きさや年齢
を考慮し、当該技術分野で周知の原則に従って、必然的
に変動する。しかしながら、一般に、式Iの化合物が
(ヒトの如き)温血動物に、例えば、0.01〜25mg
/kg(通常は0.1〜5mg/kg)の用量で与えられ
るように投与される。概して等量の薬学的に許容できる
式Iの化合物の塩を用い得ることが理解されるであろ
う。
【0069】以下の非限定的実施例により本発明を説明
する。この際、特に断らない限り、 (i) 温度は摂氏(℃)で示している;操作は、室温又は
周囲温度、即ち、18〜25℃の温度で行った; (ii) 有機溶液は、無水硫酸マグネシウムで乾燥した;
溶媒の留去は、減圧下(600〜4000パスカル;4.
5〜30mmHg)でロータリーエバポレーターを用い
て60℃までの浴温で行った; (iii) クロマトグラフィーは、シリカゲルでのフラッシ
ュクロマトグラフィーを意味する;逆相クロマトグラフ
ィーは、“PREP−40−ODS”(米国ペンシルバ
ニア州アストンの Bodman Chemicals からの商品731
740−100)として知られている32〜74μの粒
径を有するオクタデシルシラン(ODS)被覆支持体で
のフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロ
マトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレートで行
った;ラジアルクロマトグラフィーは、Harrison Resea
rch Model 8924 Chromatotron での円形薄層シリカゲル
プレート(Analtech)上でのクロマトグラフィーを意味
する; (iv) 一般に、反応経過はTLCで追跡し、反応時間は
説明のためにのみ示している; (v) 融点は無補正のものであり、(dec) は分解を示して
いる;示した融点は、記載した通りに調製した物質につ
いて得られたものである;多形性により幾つかの試料に
おいて異なる融点を有する物質が単離されることがあ
る; (vi) 最終生成物は、満足のゆくプロトン核磁気共鳴
(NMR)スペクトルを有した; (vii) 収率は説明のためにのみ示したものであり、必ず
しも究めた方法により得ることができるものではない;
より多くの物質が必要な場合には調製を繰り返した; (viii) 示される場合には、NMRデータは、主要な特
性プロトンについてのδ値の形であって、内部標準とし
てのテトラメチルシラン(TMS)に比較した100万
当たりの部(ppm)で示されており、重水素化ジメチ
ルスルホキシド(DMSO−d6)を溶媒に用いて300
MHzで測定したものである;シグナルの形については
慣用的略号を用いている;ABスペクトルについては、
直接に認められたシフトを報告している;カップリング
定数(J)はHzで示している;Arは、そのような帰
属がなされるときには芳香族プロトンを示している; (ix) 化学記号はそれらの通常の意味を有する;SI単
位及び記号を用いている; (x) 減圧度はパスカル(Pa)での絶対圧として示して
いる;高圧度はゲージ圧としてバールで示している; (xi) 溶媒比率は容量:容量(v/v)表示で示してい
る;そして (xii) マススペクトル(MS)は、直接暴露プローブ(d
irect exposure probe) を用いる電子衝撃(EI)式で
70電子ボルトの電子エネルギーで運転した;示される
場合には、イオン化を化学イオン化法(CI)又は高速
原子衝撃法(FAB)により行った;m/zについての
値を示している;一般に、ペアレントマスを示すイオン
だけを報告している。
【0070】
【実施例】実施例1 2−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4
−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチロ
イル〕−1−フェニルイミダゾール・塩酸塩 テトラヒドロフラン(5mL)中のn−ブチルリチウム
(0.91mLの2.44Mヘキサン溶液)の溶液を−78
℃に冷却して、テトラヒドロフラン(2mL)中の1−
フェニルイミダゾール(0.320g)の溶液を滴下し
た。滴下が完了するとすぐに、得られた黄色溶液を−7
8℃で30分間攪拌してから、テトラヒドロフラン(5
mL)中のN−メトキシ−N−メチル−2−〔(3,4−
ジクロロフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジノ)〕ブチルアミド(0.50g)の溶液を
滴下した。得られた混合液を室温まで温めてから16時
間攪拌した。この反応を飽和塩化アンモニウム水溶液を
添加することによって停止させて、ジクロロメタンで抽
出した。この有機抽出液を飽和塩化アンモニウム水溶液
及び食塩水で続けて洗浄し、乾燥し、濾過し、そして溶
媒を留去すると、橙色オイルが残った。クロマトグラフ
ィー(ジクロロメタン:アセトン:メタノール=65:
35:10)により精製すると、純粋なケトン(0.10
7g)が得られ、これをジエチルエーテル中で塩化水素
ガスで処理することにより塩酸塩に転化した。この塩酸
塩は白色粉末として得られた;m.p.128〜131℃;
NMR(CD3OD):7.59 (d, 1), 7.59-7.27 (m, 1
2), 7.21 (m, 2), 5.13 (t, 1), 3.44 (m, 4), 3.15-2.
95 (m, 2), 2.60 (m, 1), 2.24 (m, 3), 1.95 (m, 2);
MS: m/z=536 ((M + H), 37Cl), 534 ((M + H), 35C
l)。 C30H29Cl2N3O2・1.0 HCl ・0.5 H2O の分析:計算
値:C, 62.13;H, 5.39 ;N, 7.25 ;測定値:C, 62.0
5;H, 5.10 ;N, 7.22 。
【0071】出発原料の2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ノ)−N−メトキシ−N−メチルブチルアミドは、次の
ようにして調製した。
【0072】a. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−ペンテン酸メチル。テトラヒドロフラン中のジイ
ソプロピルアミン(12.75g)の溶液を−10℃に冷
却してヘキサン中のn−ブチルリチウムの溶液(50m
Lの2.44M溶液)を滴下した。得られた溶液を−78
℃に冷却し、3,4−ジクロロフェニル酢酸メチル(25.
0g)を滴下して濃黄色溶液を得た。この溶液に1,3−
ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(H)−ピリミ
ジノン(16.15g)を添加し、続けて臭化アリル(1
5.24g)を添加した。この反応混合液を室温まで温
め、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することによっ
て反応を停止させて、酢酸エチルで抽出した。この有機
抽出液を洗浄(飽和塩化アンモニウム水溶液、食塩水)
し、乾燥し、そして溶媒を留去すると、黄褐色オイルが
残った。分留により精製して、このペンテン酸エステル
体を透明液体(23.08g)として得た;b.p.125〜
130℃,1.1Pa;NMR:7.41 (d, 1), 7.39 (d,
1), 7.15 (dd, 1), 5.65 (m, 1), 5.10-5.00 (m, 3),
3.67 (s, 3), 3.59 (m, 1), 2.77 (m, 1), 2.48 (m,
1)。
【0073】b. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−ペンテン酸。メタノール(100mL)及びテト
ラヒドロフラン(100mL)中の2−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−4−ペンテン酸メチル(5.0g)の溶液
を、水(100mL)中の水酸化リチウム・1水和物
(4.05g)の溶液で処理した。この反応液を18時間
攪拌してから、溶媒を留去し、そして残渣を水に溶解さ
せた。この溶液に1N塩酸を添加することによって約p
H2の酸性にしてジクロロメタンで抽出した。この有機
抽出液を食塩水で洗浄し、合わせて乾燥し、濾過し、そ
して溶媒を留去して、この酸を無色シロップ(4.61
g)として得た;NMR:7.42 (d, 1), 7.40(d, 1),
7.12 (dd, 1), 5.66 (m, 1), 5.12-5.03 (m, 2), 3.61
(t, 1), 2.78 (m, 1), 2.50 (m, 1);MS: m/z=247
((M + H), 37Cl), 245 ((M + H), 35Cl)。
【0074】c. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−N−メトキシ−N−メチル−4−ペンテン酸アミド。
ジクロロメタン(50mL)中のN,O−ジメチルヒドロ
キシルアミン・塩酸塩(2.18g)の溶液をトリエチル
アミン(5.65g)、2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−ペンテン酸(4.56g)、1−(3−ジメチルア
ミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩
(7.11g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.22
7g)で処理した。得られた混合液を18時間攪拌し、
酢酸エチルで希釈し、そして洗浄(水、2N塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム及び食塩水)した。この有機抽出液
を乾燥し、そして溶媒を留去すると、黄色シロップ(5.
31g)が残った。ジクロロメタン:メタノール(9
5:5)で溶離するクロマトグラフィーに付して、この
アミド体を無色シロップ(4.18g)として得た;NM
R:7.46-7.16 (m, 3), 5.68 (m, 1), 5.09-4.98 (m,
2), 4.03(broad t, 1), 3.55 (s, 3), 3.16 (s, 3), 2.
78 (m, 1), 2.42 (m, 1);MS:m/z=290 ((M + H),
37Cl), 288 ((M + H), 35Cl)。
【0075】d. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−N−メトキシ−N−メチル−4−オキソブチルアミ
ド。ジエチルエーテル(40mL)、水(40mL)及
びテトラヒドロフラン(13mL)中の2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4−ペ
ンテン酸アミド(4.00g)の溶液に、四酸化オスミウ
ム(1.05mLの0.2M水溶液)及び過ヨウ素酸ナトリ
ウム(6.53g)を20分間かけて分割添加した。この
混合液を1.5時間激しく攪拌すると、ヨウ素酸ナトリウ
ムの白色沈殿が生成した。この混合液を水で希釈して酢
酸エチルで抽出した。この有機抽出液を洗浄(水、食塩
水)し、乾燥し、珪藻土及びシリカゲルで濾過し、そし
て溶媒を留去すると、このアルデヒド体が暗黄褐色シロ
ップが残った。これをそれ以上精製しなかった;NM
R:9.77 (s, 1), 7.41-7.13 (m, 3), 4.50 (m, 1), 3.
65 (s, 3), 3.49 (dd, 1), 2.69 (dd, 1) ;MS: m/z
=292 ((M + H), 37Cl), 290 ((M + H), 35Cl)。
【0076】e. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−
N−メトキシ−N−メチルブチルアミド。メタノール
(100mL)中の2−(3,4−ジクロロフェニル)−
N−メトキシ−N−メチル−4−オキソブチルアミド
(3.51g)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ン(2.57g)及び氷酢酸(3mL)の溶液を0℃に冷
却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.06g)を3
等分して添加した。この反応液を室温まで温めて18時
間攪拌した。溶媒を留去し、その残渣をジクロロメタン
中に溶解し、洗浄(1N水酸化ナトリウム、食塩水)
し、乾燥し、そして溶媒を留去すると、褐色泡状物(4.
41g)が残った。ジクロロメタン:メタノール:アン
モニア水(950:50:1)で溶離するクロマトグラ
フィーに付して、このアルコール体を淡黄褐色シロップ
(2.76g)として得た;NMR(CD3OD):7.54-
7.19 (m, 8), 4.19 (broad, 1), 3.65 (s, 3), 2.80 (b
road s, 3), 2.78 (m, 2), 2.54-2.29 (m, 5), 2.11
(m, 2), 1.91 (m, 1), 1.73 (m, 2) ;MS: m/z=453
((M +H), 37Cl), 451 ((M + H), 35Cl)。この生成物の
一部をエーテル性塩化水素で処理してこのピペリジノブ
チルアミド体の塩酸塩を白色粉末として得た,m.p.10
8〜110℃; C23H28Cl2N2O3・1.00 HCl・0.5 H2O の
分析:計算値:C, 55.60;H, 6.09 ;N, 5.64 ;測定
値:C, 55.60;H, 6.02 ;N, 5.59 。
【0077】実施例2 2−〔(1RS,2RS)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニルイミダゾール・塩酸塩 実施例1に記載した通りに調製した、メタノール(5m
L)中の2−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチロイ
ル〕−1−フェニルイミダゾール(0.191g)の溶液
を0℃に冷却して水素化ホウ素ナトリウム(15mg)
で処理した。この反応混合液を室温まで温めて4時間攪
拌した。溶媒を留去して残渣を酢酸エチルに溶解し、洗
浄(水、食塩水)し、乾燥し、濾過し、そして溶媒を留
去すると、白色泡状物(0.167g)が残った。ジクロ
ロメタン:メタノール:アンモニア水(930:70:
1)で溶離するクロマトグラフィーに付して、表題の化
合物を白色泡状物(0.121g)として得た。この生成
物をジエチルエーテル中で塩化水素ガスで処理して、塩
酸塩を白色粉末(0.115g)として得た;m.p.161
〜163.5℃;NMR(CD3OD):7.60-7.24 (14),
6.93 (d, 1), 5.24 (broad s, 1), 3.44-3.20 (m, 4),
3.19 (m, 1), 3.02 (m, 1), 2.85 (m, 1), 2.40-2.19
(m, 4), 1.95(m, 2);MS: m/z=538 ((M + H), 35C
l), 536 ((M + H), 35Cl)。 C30H31Cl2N3O2・1.00 HCl
・2.00 H2Oの分析:計算値:C, 59.17;H, 5.96 ;N,
6.90 ;測定値:C, 59.10;H, 5.90 ;N, 6.86 。
【0078】実施例3 4−〔2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリ
ジノ)ブチロイル〕−3−フェニル−1H−ピラゾール ジエチルエーテル(25mL)中の4−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−6−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピ
ペリジノ)−1−フェニル−1−ヘキシン−3−オン
(0.30g)の溶液を0℃に冷却してジアゾメタン(N
−メチル−N−ニトロソ−p−トルエンスルホンアミド
のエーテル性溶液とエタノール性水酸化カリウムとの反
応により生成させた (Anal. Chem., 45, 2302, 1973))
で処理した。得られた混合液を室温まで温めて3日間攪
拌した。溶媒を留去した。ジクロロメタン:メタノール
(勾配;97.5:2.5,95:5)で溶離するラジアル
クロマトグラフィーに付して、表題の化合物(50m
g)を白色粉末として得た;m.p.112〜114℃;N
MR:8.13 (s, 1), 7.56-7.26 (m, 12), 7.08 (d, 1),
4.33 (broad s, 1), 2.68 (m, 2), 2.37 (m, 3), 2.05
(broad s, 1), 1.86 (broad s, 1), 1.73-1.43 (m,
5);MS: m/z=534 (M + 1) 。 C30H29Cl2N3O2・0.75
H2Oの分析:計算値:C, 65.75;H, 5.61 ;N, 7.67 ;
測定値:C, 65.71;H, 5.60 ;N, 7.83 。
【0079】出発原料のケトンは、次のようにして調製
した。
【0080】a. 4−(3,4−ジクロロフェニル)
−6−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−
1−フェニル−1−ヘキシン−3−オン。テトラヒドロ
フラン(8mL)中のフェニルアセチレン(0.454
g)の溶液を−20℃に冷却してヘキサン中のn−ブチ
ルリチウムの溶液(1.91mLの2.44M溶液)で処理
した。得られた暗色溶液を−20℃で15分間攪拌して
から−78℃に冷却し、実施例1eに記載した通りに調
製した、テトラヒドロフラン(10mL)中の2−(3,
4−ジクロロフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−
フェニルピペリジノ)−N−メトキシ−N−メチルブチ
ルアミド(1.00g)の溶液で処理した。この混合液を
−78℃で2時間攪拌し、−30℃に温め、そして飽和
塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させた。この混合
物を酢酸エチルで抽出した。この有機抽出液を洗浄(食
塩水)し、乾燥し、そして溶媒を留去すると、淡緑色シ
ロップが残った。ヘキサン:酢酸エチル(20:80)
で溶離するクロマトグラフィーに付して、このケトン体
を淡黄褐色泡状物(0.703g)として得た。性質を明
らかにするため、この生成物の一部をエーテル性塩化水
素で処理することによって対応する塩酸塩に転化して白
色粉末を得た;m.p.99〜101℃;C29H27Cl2NO2・0.
5 H2O ・1.0 HCl の分析:計算値:C, 64.75;H, 5.43
;N, 2.60 ;測定値:C, 64.73;H, 5.32 ;N, 2.56
【0081】実施例4 3−〔2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリ
ジノ)ブチロイル〕−4−フェニル−1H−ピラゾール 実施例3で単離した粗製物質をラジアルクロマトグラフ
ィーにより精製して、表題の化合物を白色粉末として得
た;m.p.108〜110℃;NMR:7.63 (s,1), 7.50
-7.25 (m, 12), 7.08 (broad d, 1), 4.71 (broad s,
1), 2.76 (m, 2), 2.54-2.44 (m, 4), 2.15-1.72 (m,
3), 1.53 (m, 2), 1.43 (broad s, 1) ;MS: m/z=5
34 (M + 1) 。 C30H29Cl2N3O2・0.50 H2Oの分析:計算
値:C, 66.30;H, 5.56 ;N, 7.73 ;測定値:C, 66.3
1;H, 5.55 ;N, 7.74 。
【0082】実施例5 4−〔(1RS,2RS)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−3−フェニル−1H−ピラゾール 実施例3に記載した通りに調製した、メタノール(3m
L)中の4−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチロイ
ル〕−3−フェニル−1H−ピラゾール(95mg)の
溶液を0℃に冷却して水素化ホウ素ナトリウム(9m
g)で処理した。この混合液を室温まで温めて1時間攪
拌した。溶媒を留去して残渣を水及び酢酸エチルに分配
した。この有機抽出液を洗浄(水、食塩水)して合わ
せ、乾燥し、濾過し、そして溶媒を留去して、白色泡状
物を得た。エーテル:ヘキサン(1:2)で磨り潰し
て、表題の化合物を白色固体(62mg)として得た;
m.p.133〜135℃;NMR:7.57-7.23 (m, 13),
7.03 (m, 1), 5.11 (d, 1), 3.04 (m, 1), 2.86 (m,
2), 2.51 (m, 2), 2.37 (m, 2), 2.23 (m, 2), 1.95
(m, 1), 1.81-1.60 (m, 3) ;MS: m/z=536 (M + 1)
。 C30H31Cl2N3O2・1.00 H2Oの分析:計算値:C, 64.9
8;H, 5.82 ;N, 7.83 ;測定値:C, 64.91;H, 5.74
;N, 7.53 。
【0083】実施例6 3−〔(1RS,2RS)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−4−フェニル−1H−ピラゾール 5−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4−ヒ
ドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチロイル〕−4
−フェニル−1H−ピラゾールを用いたこと以外は、実
施例5に記載した操作と同様の操作により、表題の化合
物を白色粉末として得た;m.p.122〜124℃;NM
R:7.52 (m, 2), 7.43-7.18 (m, 8), 7.10 (m, 2), 6.
88 (d, 1), 5.40 (m, 1), 3.10 (m, 1), 2.95 (m, 2),
2.70-2.48 (broad m, 2), 2.43 (m, 2), 2.24 (m, 2),
1.98-1.78 (broad m, 3), 1.55 (m, 1) ;MS: m/z=
536 (M + 1) 。 C30H31Cl2N3O2・0.25 H2Oの分析:計算
値:C, 66.60;H, 5.87 ;N, 7.77 ;測定値:C, 66.3
9;H, 5.86 ;N, 7.67 。
【0084】実施例7 5−〔(1S,2S)−1−アセ
トキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕−1−
フェニルピラゾール・クエン酸塩 メタノール中の5−〔(1S,2S)−1−アセトキシ−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル〕
−1−フェニルピラゾール(89mg)及び4−ヒドロ
キシ−4−フェニルピペリジン(41mg)の溶液を、
氷酢酸を添加することによりpH=5.5に調節した。得
られた混合液をシアノ水素化ホウ素ナトリウム(15m
g)で処理して3時間攪拌した。溶媒を留去し、その残
渣を1N水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンに分
配した。その有機抽出液を洗浄(食塩水)し、乾燥し、
濾過し、そして溶媒を留去すると、くすんだ白色泡状物
(110mg)が残った。クロマトグラフィー(クロロ
ホルム/メタノール/アンモニア水=100:2.5:0.
1)により精製して、表題の化合物(77.5mg)を白
色泡状物として得た。この物質をジエチルエーテル/メ
タノール(10:1)中でクエン酸で処理することによ
ってクエン酸塩を調製した。m.p.112〜117℃;N
MR:7.66 (d, 1, J=1.7), 7.50-7.22 (m, 12), 7.04
(dd, 1, J=1.7, 8.4), 6.41 (d, 1, J=1.7), 6.03 (d,
1, J=6.6), 5.18 (broad, 1), 3.34 (broad m), 2.60
(q, J=14.0 Hz, クエン酸), 2.00 (broad m), 1.94 (s,
3), 1.71 (m, 2) ;MS: m/z=606 ((M + 1 + 28),
13%), 582 (12), 581 (15), 580((M + 1), 37Cl, 58),
579 (24), 578 ((M + 1), 35Cl, 86), 562 (25), 560
(36), 520 (38), 518 (54) 。 C32H33Cl2N3O3・1.00 C6
H8O7 ・0.7 H2O の分析:計算値:C, 58.27;H, 5.46
;N, 5.36 ;測定値:C, 58.36;H, 5.60 ;N, 5.23
【0085】出発原料の5−〔(1S,2S)−1−アセ
トキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソ
ブチル〕−1−フェニルピラゾールは、次のようにして
調製した。
【0086】a. (S)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−ペンテン酸。酢酸エチル(100mL)
中の2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテン酸
(24.2g)の溶液を酢酸エチル(100mL)中の
(S)−(α)−メチルベンジルアミン(12.1g)の
溶液で処理した。生成した結晶性の豊富な方のジアステ
レオマー塩を濾過により単離した。この富化ジアステレ
オマー塩を酢酸エチルから5回再結晶(150mL,1
50mL,100mL,100mL,75mL)して高
度に富化された塩を得た(6.13g,17%,HPLC
により測定したジアステレオマー比95:5)。この塩
を水(25mL)に溶解し、得られた溶液を2.5N塩酸
でpH2〜3の酸性にしてから酢酸エチル(2×100
mL)で抽出した。この有機抽出液を洗浄(水)し、乾
燥し、濾過し、そして溶媒を留去して、光学的に富化さ
れた酸を透明オイル(3.87g)として得た;〔α〕D
=+54.1°(C=3.43,メタノール)。
【0087】HPLC分析:カラム:Ultron Ovomucoid
(ES-OVM) 15cm×6mm;溶離液:30%アセトニ
トリル/1M水酸化カリウムでpH5.5に調節した70
%KH2PO4 水性緩衝液(10mM);流速:1mL/
分;波長:230mm;保持時間:(S)鏡像体4.11
分,(R)鏡像体5.91分。
【0088】b. (S)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4−ペンテン酸
アミド。(S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4
−ペンテン酸を用いたこと以外は、実施例1cに記載し
た操作と同様の操作を用いてこのアミド体を淡黄褐色オ
イル(75%)として調製した;NMR:7.43 (d, 1),
7.37 (d, 1), 7.17 (dd, 1), 5.68 (m, 1), 5.02 (m,
2), 4.03 (broad t, 1),2.77 (m, 1), 2.40 (m, 1) 。
【0089】c. 5−〔(S)−2−(3,4−ジク
ロロフェニル)−4−ペンテノイル〕−1−フェニルピ
ラゾール。塩化ランタン (III)・7水和物(830m
g)を2時間減圧乾燥(140℃;0.2mmHg)し
て、窒素気流下で室温に冷やして乾燥テトラヒドロフラ
ン(5mL)中に懸濁させた。この懸濁液を室温で24
時間攪拌した。別のフラスコで、テトラヒドロフラン
(4mL)中の1−フェニルピラゾールの溶液を−30
℃に冷却して、n−ブチルリチウム(0.84mLの2.4
8Mヘキサン溶液)を滴下した。得られた黄褐色懸濁液
を室温まで温めて0.5時間攪拌した。塩化ランタン/テ
トラヒドロフラン懸濁液を−78℃に冷却し、この5−
リチオール−1−フェニルピラゾール溶液をカニューレ
を介して添加した。得られた懸濁液を−78℃で0.25
時間攪拌し、テトラヒドロフラン(5mL)中の(S)
−2−(3,4−ジクロロフェニル)−N−メトキシ−N
−メチル−4−ペンテン酸アミド(450mg)の溶液
で処理した。この反応混合液を−78℃で1時間攪拌
し、0℃にゆっくり温めて酢酸水溶液(5mL,1%)
を添加して反応を停止させた。この混合液を酢酸水溶液
(50mL,1%)中に注ぎ込んで酢酸エチルで抽出し
た。この有機抽出液を洗浄(食塩水)し、乾燥し、そし
て溶媒を留去すると、黄褐色オイル(640mg)が残
った。このオイルをラジアルクロマトグラフィー(2m
m SiO2 ,ヘキサン/酢酸エチル=8:1,ヘキサ
ン/酢酸エチル=4:1,ヘキサン/酢酸エチル=1:
1)により精製して、表題の化合物を無色オイル(31
0mg)として得た;NMR:7.66 (d, 1), 7.47-7.21
(m, 7), 7.11 (dd, 1), 6.96 (d, 1), 5.65 (m, 1),
5.02 (m, 2), 4.30 (t, 1), 2.83 (m, 1), 2.46 (m, 1)
【0090】d. 5−〔(1S,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニルピラゾール。メタノール(5mL)
中の5−〔(S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−
4−ペンテノイル〕−1−フェニルピラゾール(130
mg)の溶液を0℃に冷却して水素化ホウ素ナトリウム
(20mg)で処理した。得られた混合液を0.25時間
攪拌し溶媒を留去した。この残渣を水と酢酸エチル(2
×)に分配した。この有機抽出液を洗浄(食塩水)して
合わせ、濾過し、そして溶媒を留去すると、このアルコ
ール体が白色泡状物(118mg)として残った。NM
Rにより、この物質は約95%の(1S,2S)ジアステ
レオマーであることが分かった;NMR:7.61 (d, 1),
7.53-7.15(m, 7), 6.90 (dd, 1), 6.28 (d, 1), 5.36
(m, 1), 4.85 (m, 3), 2.90 (m, 1), 2.38-2.04 (m, 2)
。キラルな固定相でのHPLCによりこの物質を分析
したところ、次の組成を有することが分かった:86.5
%(1S,2S),保持時間=18.1分、7.5%(1R,2
S),保持時間=13.7分、5.4%(1R,2R),保持
時間=16.8分、0.5%(1S,2R),保持時間=15.
3分。分析条件:カラム:4.6mm×25cm Chiralc
el OD ;溶離液:ヘキサン:イソプロパノール=90:
10;流速:0.8mL/分;検出:UV215nm,0.
2AUFS。
【0091】e. 5−〔(1S,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニルピラゾール。ジクロロメタン(2m
L)中の5−〔(1S,2S)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−フ
ェニルピラゾール(110mg)の溶液をトリエチルア
ミン(35mg)、無水酢酸(36mg)及び4−N,N
−ジメチルアミノピリジン(3mg)で処理した。得ら
れた混合液を室温で0.5時間攪拌して1N塩酸(10m
L)中に注ぎ込んで、酢酸エチル(2×)で抽出した。
この有機抽出液を10%(w/v)炭酸水素ナトリウム
水溶液及び食塩水で洗浄して合わせ、乾燥し、濾過し、
そして溶媒を留去して、このアセトキシ化合物を透明オ
イル(92mg)として得た。これは精製しないで用い
た;MS: m/z=417 ((M + 1), 37Cl), 415 ((M + 1),
35Cl)。
【0092】f. 5−〔(1S,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブ
チル〕−1−フェニルピラゾール。テトラヒドロフラン
(1mL)、ジエチルエーテル(2mL)及び水(2m
L)中の5−〔(1S,2S)−1−アセトキシ−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニル〕−1−
フェニルピラゾール(90mg)の溶液を四酸化オスミ
ウム(0.07mLの0.2M水溶液)及び過ヨウ素酸ナト
リウム(100mg)で処理した。得られた2相混合液
を室温で4時間激しく攪拌した。この混合液を水で希釈
して酢酸エチルで抽出した。この有機抽出液を洗浄(食
塩水)し、乾燥し、そして溶媒を留去して、表題の化合
物を淡黄褐色泡状物(89mg)として得た。この物質
はすぐに用いた;NMR:9.57 (s, 1), 7.62 (d, 1),
7.45-7.21 (m, 6), 6.99 (d, 1), 6.72 (dd, 1), 6.31
(d, 1), 6.15 (d, 1), 3.63 (m, 1), 2.77 (m, 2), 2.0
3 (s,3);MS: m/z=419 ((M + 1), 37Cl), 417 ((M
+ 1), 35Cl)。
【0093】実施例8 4−〔(1RS,2RS)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−5−フェニル−(1H)−1,2,3−トリアゾール・二
塩酸塩 5−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4−ヒ
ドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチロイル〕−4
−フェニル−(1H)−1,2,3−トリアゾールを用いた
こと以外は、実施例2に記載した操作と同様の操作によ
り、表題の塩酸塩を白色粉末として得た;m.p.153〜
155℃;NMR(d4-MeOH):7.50-7.20 (broad
m, 12), 6.99 (m, 1), 5.24 (d, 1), 5.07 (d, 1), 3.
52-3.20(broad m, 6), 2.91 (m, 1), 2.32-2.02 (broad
m, 4), 1.96 (m, 2);MS: m/z=539 ((M + 1), 37C
l), 537 ((M + 1), 35Cl)。 C29H30Cl2N4O2・2.00 HCl
・2.5 H2O の分析:計算値:C, 53.14;H, 5.68 ;N,
8.54 ;測定値:C, 53.14;H, 5.40 ;N, 8.52 。
【0094】出発原料の5−〔2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリ
ジノ)ブチロイル〕−4−フェニル−(1H)−1,2,3
−トリアゾールは、次のようにして調製した。
【0095】a. 4−(3,4−ジクロロフェニル)
−6−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−
1−フェニル−1−ヘキシン−3−オン。テトラヒドロ
フラン(8mL)中のフェニルアセチレン(454m
g)の溶液を−20℃に冷却してn−ブチルリチウム
(1.91mLの2.44Mヘキサン溶液)で処理した。こ
の混合液を−20℃で0.25時間攪拌し、−78℃に冷
却し、そして実施例1eに記載した通りに調製した、テ
トラヒドロフラン(10mL)中の2−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピ
ペリジノ)−N−メトキシ−N−メチルブチルアミド
(1.00g)の溶液で処理した。この反応混合液を−7
8℃で2時間攪拌し、−30℃に温め、そして飽和塩化
アンモニウム水溶液で反応を停止させて、酢酸エチルで
抽出した。この有機抽出液を洗浄(飽和塩化アンモニウ
ム水溶液、食塩水)し、乾燥し、そして溶媒を留去する
と、緑色シロップ(1.12g)が残った。ヘキサン:酢
酸エチル(80:20)で溶離するクロマトグラフィー
に付して、このアセチレン体(703mg)を黄褐色泡
状物として得た。この生成物のサンプル(100mg)
をジエチルエーテル中の塩化水素ガスで塩酸塩に転化し
て、黄褐色粉末として単離した;m.p.99〜100℃;
NMR(d4-MeOH):7.65-7.25 (m, 13), 4.11
(5, 1), 3.64-3.31 (m,5), 3.07 (m, 1), 2.68 (m, 1),
2.30 (m, 3), 1.98 (m, 2);MS: m/z=494((M +
1), 37Cl), 492 ((M + 1), 35Cl)。C29H27Cl2NO2・1.0
HCl ・0.5 H2O の分析:計算値:C, 64.75;H, 5.43 ;
N, 2.60 ;測定値:C, 64.72;H, 5.32 ;N,2.56 。
【0096】b. 5−〔2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−4−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ノ)ブチロイル〕−4−フェニル−(1H)−1,2,3−
トリアゾール。N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)
中のアジ化ナトリウム(38mg)の懸濁液に、N,N−
ジメチルホルムアミド(4mL)中の4−(3,4−ジク
ロロフェニル)−6−(4−ヒドロキシ−4−フェニル
ピペリジノ)−1−フェニル−1−ヘキシン−3−オン
(287mg)の溶液を滴下した。この反応混合液を3
5℃まで温めて3時間攪拌した。水を添加することによ
ってこの反応を停止させ酢酸エチルで抽出した。有機抽
出液を合わせて、洗浄(水、食塩水)し溶媒を留去し
て、橙色シロップを得た。このシロップをジクロロメタ
ンで磨り潰してこのトリアゾール体を淡黄褐色粉末(2
60mg,83%)として得た。NMR(DMSO−
d6):7.89 (m, 2), 7.63 (d, J=1.8 Hz, 1), 7.57 (d,
J=8.3 Hz, 1), 7.45-7.17 (m, 9), 5.24 (t, J=7.3 H
z, 1H, H-C(2')), 4.91 (broad s,1H, O), 2.86-2.50
(m, 7), 1.95-1.49 (m, 5H)。
【0097】実施例9 5−〔(1RS,2SR)−1−
アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニルピラゾール・クエン酸塩 還元的アルキル化のアルデヒド成分として5−〔(1R
S,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−オキソブチル〕−1−フェニルピラゾー
ルを用いたこと以外は、実施例7に記載した操作と同様
の操作を用いて表題の化合物のクエン酸塩を白色粉末と
して調製した(43%);m.p.93〜95℃;NMR
(d4-MeOH):7.60 (d, 1), 7.50-7.32 (m, 6),
7.24 (m, 3), 7.15 (m, 2), 7.10 (s, 1), 6.73 (d,
1), 6.60 (d, 1), 5.88 (d, 1), 3.36(m, 2), 3.20 (m,
2), 3.07 (m, 1), 2.86-2.71 (q, クエン酸), 2.45
(m, 1),2.32 (m, 2), 2.18 (s, 3), 1.86 (broad d, 2)
;MS: m/z=580 ((M + 1),37Cl), 578 ((M + 1),
35Cl)。 C32H32Cl2N3O3・1.0 C6H8O7・1.5 H2O の分
析:計算値:C, 57.22;H, 5.56; N, 5.27;測定値:C,
57.22;H, 5.41 ;N, 4.91。
【0098】出発原料のアルデヒド体は、次のようにし
て調製した。
【0099】a. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−ペンテノール。ジエチルエーテル(25mL)中
の水素化リチウムアルミニウム(1.65g)の懸濁液を
0℃に冷却して、実施例1aに記載した通りに調製し
た、ジエチルエーテル(75mL)中の2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−ペンテン酸メチル(7.50g)
の溶液を滴下した。この反応混合液を0℃で2時間攪拌
し、室温に温めて1時間攪拌した。この混合液を0℃に
冷却し、飽和硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を添加
することによって反応を停止させた。この混合液を水と
ジエチルエーテル(3×)に分配した。その有機抽出液
を合わせて、洗浄(水、食塩水)し、乾燥し、そして溶
媒を留去して、表題の化合物を透明オイル(6.69g,
94%)として得た;NMR:7.40 (d, 1), 7.32 (d,
1), 7.05 (dd, 1), 5.65 (m, 1), 4.99 (m, 1), 3.87-
3.71 (m, 3), 2.84 (m, 1), 2.51-2.31 (broad m, 2)
【0100】b. 2−(3,4−ジクロロフェニル)
−4−ペンテナール。ジクロロメタン(35mL)中の
塩化オキサリル(6.85g)の溶液を−78℃に冷却し
てジクロロメタン(10mL)中のジメチルスルホキシ
ド(4.64g)を滴下した。得られた溶液を−78℃で
0.5時間攪拌し、ジクロロメタン(50mL)中の2−
(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテノール(6.2
4g)の溶液で処理した。この混合液を−78℃で2時
間攪拌し、トリエチルアミン(13.66g)で処理し
た。この混合液を室温まで温めて1時間攪拌した。この
混合液をジクロロメタン(250mL)で希釈し、洗浄
(水、食塩水)し、乾燥し、そして溶媒を留去して、こ
のアルデヒド体を淡黄色オイル(6.35g)として得
て、精製せずに次工程に用いた;MS: m/z=231 ((M
+ 1), 37Cl), 229 ((M + 1), 35Cl)。
【0101】c. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペ
ンテニル〕−1−フェニルピラゾール。塩化セリウム
(III)・7水和物(9.70g)を140℃で0.2mmH
gで2時間乾燥し、室温まで冷やして乾燥テトラヒドロ
フラン(100mL)中に懸濁させた。この懸濁液を室
温で24時間攪拌した。別のフラスコで、テトラヒドロ
フラン(40mL)中のn−ブチルリチウム(9.14m
Lの2.44Mヘキサン溶液)の溶液を−30℃に冷却し
て、テトラヒドロフラン(10mL)中の1−フェニル
ピラゾール(3.22g)の溶液で処理した。得られた橙
色溶液を室温に温め、0.5時間攪拌し、そして冷却(−
78℃)した塩化セリウム/テトラヒドロフラン懸濁液
に添加した。得られた橙色懸濁液を−78℃で0.5時間
攪拌し、テトラヒドロフラン(30mL)中の2−(3,
4−ジクロロフェニル)−4−ペンテナール(4.26
g)の溶液で処理した。この反応混合液を0℃に温めて
1時間攪拌し、そして酢酸水溶液(1%)の添加により
反応を停止させた。この混合液を酢酸水溶液(100m
L,1%)中に注ぎ込んで酢酸エチルで抽出した。この
有機抽出液を洗浄(酢酸水溶液(1%)、食塩水)し、
乾燥し、そして溶媒を留去すると、橙色オイル(8.45
g)が残った。ヘキサン:酢酸エチル(80:20)で
溶離するクロマトグラフィーに付して、表題の化合物
(2.35g)を淡黄褐色オイルとして得ると共に、(1
RS,2RS)ジアステレオマーが混ざった表題の化合物
を含有する画分(2.20g)を得た。これら混合画分を
ラジアルクロマトグラフィー(4mm SiO2 ,ジク
ロロメタン/メタノール=97:3)により更に精製し
て、追加の(1RS,2SR)化合物(0.22g)を淡黄
褐色オイルとして得た;NMR:7.54 (d, 1), 7.49-7.
15 (m, 6), 6.86 (d, 1), 6.62 (dd, 1), 6.27 (d, 1),
5.45 (m, 1), 4.93-4.81 (m, 3), 2.91 (m, 1), 2.71
(m, 1), 2.33 (m, 1) 。
【0102】d. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペン
テニル〕−1−フェニルピラゾール。5−〔(1RS,2
SR)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロ
キシ−4−ペンテニル〕−1−フェニルピラゾールを用
いたこと以外は、実施例7eに記載した操作と同様の操
作を用いて、表題の化合物を白色泡状物(73%)とし
て得た;NMR:7.56 (d, 1), 7.46-7.02 (m, 6), 6.7
5 (d, 1), 6.48 (dd, 1), 6.40 (d, 1), 5.96 (d, 1),
5.39 (m, 1), 4.89 (m, 2), 2.96 (m, 1), 2.60 (m,
1), 2.32 (m, 1), 2.14 (s, 3)。
【0103】e. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキ
ソブチル〕−1−フェニルピラゾール。5−〔(1RS,
2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−4−ペンテニル〕−1−フェニルピラゾールを
用いたこと以外は、実施例7fに記載した操作と同様の
操作を用いて、このアルデヒド体を白色泡状物(89
%)として調製した;MS: m/z=419 ((M + 1), 37C
l), 417 ((M + 1), 35Cl)。
【0104】実施例10 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニルピラゾール・クエン酸塩 実施例9に記載した通りに調製した、メタノール(5m
L)中の5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4−ヒドロキシ
−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕−1−フェニルピ
ラゾール(150mg)の溶液を、水(0.6mL)中の
水酸化リチウム・1水和物(22mg)の溶液で処理し
た。得られた混合液を室温で16時間攪拌し、1N塩酸
を添加することによってpH=3に調節した。溶媒を留
去し、残渣をジクロロメタン:メタノール:アンモニア
水(95:5:0.1)で溶離するクロマトグラフィーに
付すると、くすんだ白色泡状物(115mg)が残っ
た。この生成物をジエチルエーテル(25mL)中に溶
解してクエン酸の溶液(メタノール中0.5N)で処理
し、表題の化合物(98mg)を白色粉末として得た;
m.p.127〜130℃;NMR(d4-MeOH):7.55
-7.24 (broad m, 11), 7.12 (d, 1), 6.81 (s, 1), 6.6
0 (d, 1), 6.39 (s, 1), 4.84 (d, 1), 3.06-2.83 (bro
ad m, 3), 2.78 (m, 1), 2.53 (m, 3), 2.39-2.18 (bro
ad m, 2), 2.10 (m, 1), 1.85 (m, 3);MS: m/z=53
8 ((M + 1), 37Cl), 536 ((M + 1), 35Cl)。 C30H31Cl2
N3O2・1.00C6H8O7 の分析:計算値:C, 59.34;H, 5.40
;N, 5.77 ;測定値:C, 59.70;H, 5.47 ;N, 5.83
【0105】実施例11 5−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニルピラゾール・クエン酸塩 ピペリジン成分として4−アセトアミド−4−フェニル
ピペリジンを用い、アルデヒド成分として5−〔(1R
S,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−オキソブチル〕−1−フェニルピラゾー
ルを用いたこと以外は、実施例7に記載した操作と同様
の操作を用いて、表題の化合物をクエン酸塩として調製
した(58%);m.p.112〜115℃;NMR(d4-
MeOH):8.19 (s, 1), 7.61 (d, 1), 7.44-7.36
(m, 6), 7.25 (m, 3), 7.12 (m, 2), 7.00 (s, 1), 6.7
4 (d, 1), 6.62 (d, 1), 5.90 (d, 1), 3.34 (m, 2),
3.19(m, 1), 2.89-2.73 (m, 2), 2.89 (q, 4), 2.64
(m, 3), 2.45 (m, 1), 2.19 (s,3), 2.38-2.08 (m, 4),
1.98 (s, 3) ;MS: m/z=621 ((M + 1), 37Cl), 61
9 ((M + 1), 35Cl)。 C34H36Cl2N4O3・1.25 C6H8O7
1.0 H2O の分析:計算値:C, 56.78;H, 5.51 ; N, 6.
38;測定値:C, 57.13;H, 5.55 ; N, 5.98。
【0106】出発原料の4−アセトアミド−4−フェニ
ルピペリジンは、次のようにして調製した。
【0107】a. 4−ヒドロキシ−4−フェニル−
1−トリフルオロアセチルピペリジン。ジクロロメタン
(100mL)中の4−ヒドロキシ−4−フェニルピペ
リジン(20g)の懸濁液に、トリフルオロ酢酸エチル
(14.8mL)を添加した。アセトニトリル(50m
L)を補助溶媒として添加し、この溶液を一晩攪拌し
た。この混合液を洗浄(炭酸水素ナトリウム水溶液)
し、そして分液した有機相を乾燥し溶媒を留去して、こ
のトリフルオロアセチル化合物を黄色固体として得た;
MS: m/z=274 (M + 1) 。
【0108】b. 4−アジド−4−フェニル−1−
トリフルオロアセチルピペリジン。0℃に冷却したクロ
ロホルム(100mL)及びトリフルオロ酢酸(115
mL)中のナトリウムアジド(9.5g)の懸濁液に、ク
ロロホルム(100mL)中の上記のピペリジン体(2
0g)を1時間かけて滴下した。この混合液を周囲温度
まで徐々に温めて一晩攪拌した。クロロホルム及びトリ
フルオロ酢酸を留去した後、得られた混合液を炭酸水素
ナトリウム水溶液で希釈してジクロロメタンで抽出し
た。この有機抽出液を乾燥し溶媒を留去して、このアジ
ドピペリジン体を粘稠オイル(20g)として得た;N
MR:7.41 (m, 5), 4.51 (m, 1), 3.97 (m,1), 3.61
(m, 1), 3.26 (m, 1), 2.10 (m, 4);MS: m/z=299
(M + 1) 。
【0109】c. 4−アミノ−4−フェニル−1−
トリフルオロアセチルピペリジン及びN−〔4−フェニ
ル−1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン
−4−イル〕アセトアミド。エタノール(150mL)
中の上記アジド(15g)と20%パラジウム担持炭素
(1.5g)の溶液を1バールの水素圧下で一晩攪拌し
た。この反応混合液を珪藻土で濾過して濾液を減圧濃縮
した。得られたオイルをジクロロメタン中に溶解させて
薄い塩酸で抽出した。この酸性水相をジクロロメタンで
2回抽出し(このジクロロメタンは捨てた)、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で中和し、そしてジクロロメタン
で抽出した。この有機抽出液を乾燥し溶媒を留去して、
このアミン体を得た;NMR(CD3OD):7.34 (m,
5), 3.17 (m,1), 3.04 (m, 1), 2.64 (m, 1), 2.15 (m,
1) 。
【0110】d. 4−アセトアミド−4−フェニル
−1−トリフルオロアセチルピペリジン。ジクロロメタ
ン(80mL)中の上記アミン体に、無水酢酸(1.6m
L)とトリエチルアミン(2.5mL)を添加した。この
混合液を一晩攪拌し、洗浄(薄い塩酸、薄い炭酸水素ナ
トリウム水溶液)し、乾燥し、溶媒を留去して、このア
セトアミド体を白色固体(13.0g)として得た;NM
R:7.30 (m, 5), 6.08(s, 1), 4.24 (m, 1), 3.82 (m,
1), 3.48 (m, 1), 3.23 (m, 1), 2.65 (m, 1),2.42
(m, 1), 2.09 (m, 2), 2.00 (s, 3);MS: m/z=315
(M + 1) 。
【0111】e. 4−アセトアミド−4−フェニル
ピペリジン。メタノール(120mL)中の上記アセト
アミド体(13.0g)の溶液に、水(30mL)中の水
酸化リチウム・1水和物(5.2g)を添加した。3時間
攪拌した後、この混合液の溶媒を留去し、水で希釈し、
そしてジクロロメタンで抽出した。この水相を塩化ナト
リウムで飽和させて酢酸エチルで抽出した。合わせた有
機抽出液を乾燥し溶媒を留去して、アセトニトリルから
の析出によりこの脱保護ピペリジン体を白色固体(2.5
g)として得た;NMR(CD3OD):7.29 (m, 5),
2.98 (m, 4), 2.44(m, 2), 1.97 (m, 5);NMR(CD3
OD/CF3COOH):7.31 (m, 5), 3.28 (m, 4), 2.
68 (m, 2), 2.18 (m, 2), 2.02 (s, 3) ;MS: m/z=
219 (M + 1) 。
【0112】実施例12 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−(N−アセチルアミノ)−4−フェニルピペリジ
ノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール 5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−(4−アセトアミド−4−
フェニルピペリジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾー
ルを用いたこと以外は、実施例10に記載した操作と同
様の操作により表題の化合物を白色粉末として得た(5
4%);m.p.115〜118℃;NMR:7.51 (s, 1),
7.45-7.32 (broad m, 6), 7.27 (m, 4), 7.21 (d, 1),
6.80 (s, 1), 6.58 (d, 1), 6.37 (s, 1), 5.49 (s,
1), 4.82 (d, 1), 2.94 (m, 2), 2.81 (m, 1), 2.54-2.
41 (broad m, 5), 2.28 (broad m, 3), 2.01 (broad s,
4), 1.85 (m, 1) ;MS: m/z=579 ((M + 1), 37C
l), 577 ((M + 1), 35Cl)。
【0113】実施例13 5−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール・クエン酸塩 アミン成分として4−(1−エチル−1−ヒドロキシプ
ロピル)ピペリジンを用い、アルデヒド成分として5−
〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−オキソブチル〕−1−フェニル
ピラゾールを用いたこと以外は、実施例7に記載した操
作と同様の操作を用いて、表題の化合物をクエン酸塩と
して調製した(53%);m.p.76〜79℃;NMR
(d4-MeOH):7.61 (d, 1), 7.61-7.36 (m, 3),
7.21 (d, 1), 7.12 (m, 2), 6.97 (s, 1), 6.71 (d,
1), 6.61 (d, ), 5.89 (d, 1), 3.47 (m, 2), 3.25
(m, 1), 2.91-2.72 (m, 4), 2.91 (m, 4), 2.55-2.45
(broad m, 2), 2.19 (s, 3), 1.85(broad s, 2), 1.56
(broad s, 3), 1.51 (m, 4);MS: m/z=574 ((M +
1),37Cl), 572 ((M + 1), 35Cl)。 C31H39Cl2N3O3・1.0
0 C6H8O7 ・1.5 H2O の分析:計算値:C, 56.13;H, 6.
37 ;N, 5.31 ;測定値:C, 56.44;H, 6.24 ;N, 4.94
【0114】出発原料の4−(1−エチル−1−ヒドロ
キシプロピル)ピペリジンは、次のようにして調製し
た。
【0115】a. 1−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−4−ピペリジンカルボン酸エチル。クロロホルム
(200mL)中の4−ピペリジンカルボン酸エチル
(14.71g)及びトリエチルアミン(12.04g)の
溶液を0℃に冷却してクロルギ酸ベンジル(17.91
g)を滴下した。得られた混合液を0℃で1時間攪拌
し、室温に温めて12時間攪拌した。この混合液を洗浄
(食塩水、1N塩酸)し、乾燥し、そして溶媒を留去し
て、淡黄色オイル(26.4g)を得た。ジクロロメタ
ン:メタノール(95:5)で溶離するクロマトグラフ
ィーに付して、このベンジル化合物を無色シロップ(2
2.15g)をとして得た;NMR:7.35 (m, 5), 5.07
(s, 2), 4.06 (q, 2), 3.91 (broad d, 2), 2.95 (broa
d, 2), 2.53 (m, 1),1.82 (broad d, 2), 1.41 (m, 2),
1.18 (t, 3) 。
【0116】b. 1−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)ピ
ペリジン。テトラヒドロフラン(25mL)中の塩化エ
チルマグネシウム(10.7mLの2Mテトラヒドロフラ
ン溶液)の溶液を−60℃に冷却してテトラヒドロフラ
ン(10mL)中の1−(ベンジルオキシカルボニル)
−4−ピペリジンカルボン酸エチル(2.50g)の溶液
を滴下した。得られた溶液を−60℃で1時間攪拌し、
0℃に温めて1時間攪拌し、1N塩酸を添加することに
よって反応を停止し、水で希釈し、そして酢酸エチルで
抽出した。この有機抽出液を洗浄(食塩水、1N塩酸)
し、乾燥し、そして溶媒を留去して、表題の化合物を無
色オイル(2.49g)をとして得た。この物質は、精製
することなく次工程で使用した;NMR:7.35 (m, 5),
5.12 (s, 2), 4.27 (m, 2), 2.71 (broad, 2), 1.67-
1.29 (m, 10), 0.86 (t, 6)。
【0117】c. 4−(1−エチル−1−ヒドロキ
シプロピル)ピペリジン。エタノール(50mL)中の
1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(1−エチル
−1−ヒドロキシプロピル)ピペリジン(2.44g)の
溶液を10%パラジウム担持炭素(100mg)で4時
間水素化した(3.45バール)。この混合液を濾過し溶
媒を留去して、このピペリジン体を無色オイルとして得
た。これは、放置すると固体化した(1.37g);NM
R:3.26 (broad d, 2), 2.69 (m, 2), 1.71 (broad d,
2), 1.60-1.39 (m, 7), 0.86 (t, 6)。
【0118】実施例14 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール・クエン酸塩 5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−(4−(1−エチル−1−
ヒドロキシプロピル)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェ
ニルピラゾールを用いたこと以外は、実施例10に記載
した操作と同様の操作を用いて、表題の化合物を白色粉
末として調製した(54%);m.p.80〜83℃;NM
R(d4-MeOH):7.57 (s, 1), 7.47 (m, 3), 7.22
(d, 1),7.08 (m, 2), 7.01 (s, 1), 6.78 (d, 1), 6.6
0 (s, 1), 4.75 (d, 1), 3.50 (m, 2), 2.95 (m, 3),
2.83-2.59 (broad m, 4), 2.00 (broad s, 1), 1.86 (b
road s, 2), 1.58 (broad s, 2), 1.48 (m, 4), 0.85
(t, 6) ;MS: m/z=532((M + 1), 37Cl), 530 ((M +
1), 35Cl)。 C29H37Cl2N3O2・1.00 C6H8O7 ・0.75H2O
の分析:計算値:C, 57.10;H, 6.37 ;N, 5.71 ;測定
値:C, 57.14;H, 6.28 ;N, 5.48 。
【0119】実施例15 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール 5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−(4−アセトアミド−4−
フェニルピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3
−(1H)−トリアゾールを用いたこと以外は、実施例
10に記載した操作と同様の操作を用いて、表題の化合
物を淡黄褐色粉末として調製した(78%);m.p.12
5〜128℃;NMR:7.72 (s, 1), 7.50-7.23 (broa
d m, 10), 7.12 (d, 1), 6.80 (s, 1), 6.56 (d, 1),
5.57 (s, 1), 4.85 (d, 1), 2.93-2.66 (broad m, 3),
2.60-2.22 (broad m, 8), 2.02 (s, 4), 1.86 (broad
d, 1) ;MS: m/z=580 ((M + 1), 37Cl), 578 ((M +
1), 35Cl)。 C31H33Cl2N5O2・0.5 H2O の分析:計算
値:C, 63.37;H, 5.83 ;N, 11.92;測定値:C, 63.5
1;H, 5.76 ;N, 11.56。
【0120】出発原料の5−〔(1RS,2SR)−1−
アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
は、次のようにして調製した。
【0121】a. 1−フェニル−4−トリメチルシ
リル−1,2,3−トリアゾール。ヘキサン(35mL)中
のフェニルアジド(2.10g,ヘキサン中20%)及び
トリメチルシリルアセチレン(5.18g)の溶液を30
℃に3日間加熱した。この混合液を室温まで冷却し、生
成した結晶を濾過により単離し、そして冷ヘキサンで洗
浄して1−フェニル−4−トリメチルシリル−1,2,3−
トリアゾールを得た(46%);NMR:7.94 (s, 1),
7.74 (m, 2), 7.54-7.26 (m, 3), 0.38 (s, 9)。
【0122】b. 1−フェニル−1,2,3−トリアゾ
ール。10%(w/v)水酸化カリウム水溶液中の1−
フェニル−4−トリメチルシリル−1,2,3−トリアゾー
ル(1.76g)の溶液をフッ化テトラブチルアンモニウ
ム(2mg)で50℃で15時間処理した。追加量(1
0mg)のフッ化テトラブチルアンモニウムを添加して
この反応を更に50℃で24時間継続した。冷却した反
応混合液をジエチルエーテルと水に分配した。この有機
抽出液を洗浄(水、食塩水)し、乾燥し、そして溶媒を
留去すると、白色泡状物が残った。ジエチルエーテル:
ヘキサン(1:2)から再結晶して、表題の化合物をく
すんだ白色固体(970mg)として得た;NMR:8.
00 (d, 1), 7.86 (d, 1), 7.74 (m, 2), 7.57-7.26 (m,
3) 。
【0123】c. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペ
ンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリア
ゾール。1−フェニル−1,2,3−トリアゾールを−50
℃でのリチウム化に用いたこと以外は、実施例9cに記
載した操作と同様の操作を用いて、このアルコール体を
淡黄褐色シロップとして調製した(17%);NMR:
7.71 (s, 1), 7.54-7.50 (m, 3), 7.26-7.17 (m, 3),
6.85 (d, 1), 6.62 (dd, 1), 5.44 (m, 1), 4.94-4.90
(m, 3), 2.92 (m, 2), 2.74 (m, 1), 2.38 (m, 1)。
【0124】d. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペン
テニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾ
ール。5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−
フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾールを用いたこ
と及びラジアルクロマトグラフィー(2mm SiO
2 ,ヘキサン/酢酸エチル=75:25)により精製し
たこと以外は、実施例7eに記載した操作と同様の操作
を用いて、このアセテート体を無色ガラス状物として調
製した(61%);NMR:7.75 (s, 1), 7.47 (m,
3), 7.18 (m, 2), 7.09 (d, 1), 6.76 (d, 1),6.49 (d
d, 1), 5.92 (d, 1), 5.38 (m, 1), 4.91 (m, 2), 3.00
(m, 1), 2.70(m, 1), 2.32 (m, 1), 2.16 (s, 3)。
【0125】e. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキ
ソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリア
ゾール。5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニル〕−1
−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾールを用いた
こと以外は、実施例7fに記載した操作と同様の操作を
用いて、このアルデヒド体を白色泡状物として調製し
た。これを精製することなく次工程に用いた;MS: m
/z=420 ((M + 1), 37Cl), 418 ((M + 1), 35Cl)。
【0126】f. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4
−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕−
1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール。アミ
ン成分として4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
ンを用い、アルデヒド成分として5−〔(1RS,2S
R)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾールを用いたこと以外は、実施例7
に記載した操作と同様の操作を用いて、このカップリン
グ生成物を白色泡状物として調製した(61%);NM
R:7.75 (s, 1), 7.50-7.01 (m, 10), 6.79 (d,1), 6.
53 (dd, 1), 5.94 (d, 1), 5.41 (s, H), 3.03 (m, 1),
2.65-2.45 (m,2), 2.33 (m, 2), 2.16 (s, 3), 2.10-
1.98 (m, 6), 1.97 (s, 3), 1.65 (broadm, 2)。
【0127】実施例15fの化合物も本発明の化合物で
ある。
【0128】実施例16 5−〔(1RS,2RS)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニルピラゾール 5−〔(1RS,2RS)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−(4−アセトアミド−4−
フェニルピペリジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾー
ルを用いたこと以外は、実施例10に記載した操作と同
様の操作を用いて、表題の化合物を白色粉末として調製
した(77%);m.p.128〜130℃;NMR:7.55
(s, 1), 7.45-7.20 (broad m, 12), 6.94 (d, 1), 6.1
7 (s, 1), 5.47 (s, 1), 5.03 (d, 1), 3.00 (m, 1),
2.82 (m, 1), 2.66 (m, 1), 2.47-2.16 (broad m, 8),
2.02 (s, 3), 1.95 (m, 1), 1.78-1.52 (broad m, 2)
;MS: m/z=579 ((M + 1), 37Cl), 577 ((M + 1),
35Cl)。 C32H34Cl2N4O2・0.25H2Oの分析:計算値:C, 6
6.03;H, 5.97 ;N, 9.63 ;測定値:C, 66.01;H, 6.0
4 ;N, 9.37 。
【0129】出発原料の5−〔(1RS,2RS)−1−
アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニルピラゾールは、次のようにして調製
した。
【0130】a. 5−〔2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−4−ペンテノイル〕−1−フェニルピラゾー
ル。ジクロロメタン(5mL)中の塩化オキサリル(6
33mg)の溶液を−78℃に冷却してジクロロメタン
(2mL)中のジメチルスルホキシド(442mg)を
滴下した。得られた溶液を−78℃で0.5時間攪拌し、
実施例9cに記載した通りに調製した、ジクロロメタン
(5mL)中の5−〔2−(3,4−ジクロロフェニル)
−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニルピ
ラゾール(anti/syn =70:30)(960mg)の
溶液と処理した。この混合液を−78℃で2時間攪拌
し、トリエチルアミン(1.30g)で処理し、室温まで
温めて1時間攪拌した。この混合液を水中に注ぎ入れて
ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を洗浄(水、食
塩水)し、乾燥し、そして溶媒を留去して、このケトン
体を黄色オイル(880mg)として得た;NMR:7.
66 (d, 1), 7.46-7.36 (m, 5), 7.25-7.22 (m, 2), 7.1
1 (dd, 1), 6.96 (d, 1), 5.64 (m, 1), 5.02 (m, 2),
4.30 (t, 1), 2.82 (m, 1), 2.49 (m, 1) 。
【0131】b. 5−〔(1RS,2RS)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペ
ンテニル〕−1−フェニルピラゾール。5−〔(2R
S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテノ
イル〕−1−フェニルピラゾールを用いたこと以外は、
実施例2に記載した操作と同様の操作を用いて、表題の
アルコール体を透明ガラス状物として得た(87%);
NMR:7.55 (d, 1), 7.46-7.36 (m, 5), 7.27 (d,
1), 7.12 (d, 1), 6.84 (dd, 1), 6.21 (d, 1), 5.31
(m, 1), 4.81 (m, 3), 2.85 (m, 1), 2.28 (m, 1), 2.1
4 (m, 1) 。
【0132】c. 5−〔(1RS,2RS)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペン
テニル〕−1−フェニルピラゾール。5−〔(1RS,2
RS)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロ
キシ−4−ペンテニル〕−1−フェニルピラゾールを用
いたこと以外は、実施例7eに記載した操作と同様の操
作を用いて、このアセテート体を透明シロップとして得
た(85%);NMR:7.58 (d, 1), 7.50-7.38 (m,
5), 7.23 (d, 1), 7.02 (d, 1), 6.74 (dd, 1), 6.20
(d, 1), 6.09 (d, 1), 5.33 (m, 1), 4.84 (m, 2), 2.9
0 (m, 1), 2.29 (m,2), 1.99 (s, 3)。
【0133】d. 5−〔(1RS,2RS)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキ
ソブチル〕−1−フェニルピラゾール。5−〔(1RS,
2RS)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−4−ペンテニル〕−1−フェニルピラゾールを
用いたこと以外は、実施例7fに記載した操作と同様の
操作を用いて、このアルデヒド体を黄褐色オイルとして
調製した(97%);MS: m/z=419 ((M + 1), 37C
l), 417 ((M + 1), 35Cl)。
【0134】e. 5−〔(1RS,2RS)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(4
−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕−
1−フェニルピラゾール。アミン成分として4−アセト
アミド−4−フェニルピペリジンを用い、アルデヒド成
分として5−〔(1RS,2RS)−1−アセトキシ−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチル〕−
1−フェニルピラゾールを用いたこと以外は、実施例7
に記載した操作と同様の操作を用いて、表題の化合物を
白色泡状物として得た(65%);NMR:7.58 (d,
1), 7.48-7.21 (m,11), 7.09 (d, 1), 6.81 (dd, 1),
6.22 (d, 1), 6.09 (d, 1), 5.39 (s, 1),3.06 (m, 1),
2.51 (m, 2), 2.31 (m, 2), 2.15-2.00 (m, 7), 1.98
(s, 3), 1.96 (s, 3), 1.75 (m, 1), 1.43 (m, 1) 。
【0135】実施例16eの化合物も本発明の化合物で
ある。
【0136】実施例17 5−〔(1RS,2RS)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)
ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール アミン成分として4−(2−オキソパーヒドロピリミジ
ン−1−イル)ピペリジンを用いたこと以外は、実施例
7に記載した操作と同様の操作を用いて、表題の化合物
を白色粉末として調製した;m.p.174.5〜176℃;
NMR:7.55 (s, 1), 7.44-7.22 (broad m, 6), 7.15
(s, 1), 6.88 (d, 1), 6.17 (s, 1), 5.06 (d, 1), 4.5
7 (broad s, 1), 4.40 (m, 1), 3.28 (m, 2), 3.20 (m,
2), 3.08 (broad d, 1), 2.98-2.78 (broad m, 2), 2.
32-2.11 (broad m, 4), 1.93 (m,3), 1.78-1.52 (broad
m, 7) ;MS: m/z=544 ((M + 1), 37Cl), 542 ((M
+1), 35Cl)。 C28H32Cl2N5O2・0.25 H2Oの分析:計算
値:C, 61.59;H, 6.00 ;N, 12.83;測定値:C, 61.6
6;H, 6.10 ;N, 12.33。
【0137】出発原料の4−(2−オキソパーヒドロピ
リミジン−1−イル)ピペリジンは、次のようにして調
製した。
【0138】a. 8−ベンジルオキシカルボニル−
1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン。クロ
ルギ酸ベンジル(57.0g)を、ジクロロメタン(30
0mL)中の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕
デカン(50.2g)及びピリジン(54.0mL)の溶液
に−5℃で滴下した。この混合液を周囲温度まで温めて
一晩攪拌した。この混合液を洗浄(1N塩酸、炭酸水素
ナトリウム水溶液)し、乾燥し、そして溶媒を留去し
て、このベンジルオキシカルボニル化合物をオイル(9
2.9g)として得た。これを精製せずに次工程に用い
た;NMR:7.35 (m,5), 5.13 (s, 2), 3.96 (s, 4),
3.59 (m, 4), 1.67 (m, 4) ;MS: m/z=278 (M + 1)
【0139】b. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−オキソピペリジン。トリフルオロ酢酸(100m
L)及び水(20mL)中の上記のベンジルオキシカル
ボニル化合物(92.9g)の溶液を50℃に1.5時間加
熱した後、2分間還流した。この混合液の溶媒を留去
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、水で希釈
し、そしてジクロロメタンで抽出した。この有機抽出液
を乾燥し、溶媒を留去し、そして蒸留(156〜164
℃;11.33〜12.00Pa)してこのケトン体を無色
液体(59g)として得た;NMR:7.37 (m, 5), 5.1
8 (s, 2), 3.80 (m, 4), 2.46 (m, 4);MS: m/z=23
4 (M + 1) 。
【0140】c. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−(3−アミノプロピルアミノ)ピペリジン。メタノ
ール(250mL)中の上記ケトン体(32.0g)を、
メタノール(250mL)中の1,3−ジアミノプロパン
(17.2mL)及び酢酸(23.6mL)の溶液に添加し
た。30分後、メタノール(250mL)中のシアノ水
素化ホウ素ナトリウム(25.9g)を一度に添加した。
一晩攪拌した後、この混合液の溶媒を留去して得られた
残渣を1N塩酸(100mL)に溶解した。濃塩酸を滴
下してガス発生が静まるまで攪拌し続けた。この酸性水
性混合液をジクロロメタンで抽出し(このジクロロメタ
ンは捨てた)、10N水酸化ナトリウムでpH10の塩
基性にし、そしてジクロロメタンで抽出した。この後者
のジクロロメタン抽出液を乾燥し溶媒を留去して、この
ジアミン体を粘稠な淡黄色オイル(25.4g)として得
た;NMR(CD3OD):7.33 (m, 5), 5.10 (s, 2),
4.13(m, 2), 2.86 (m, 2), 2.65 (m, 5), 1.90 (m, 2),
1.65 (m, 2), 1.23 (m, 2);MS: m/z=292 (M + 1)
【0141】d. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−(2−オキソテトラヒドロピリミジン−1−イル)
ピペリジン。クロロホルム(250mL)中の上記ジア
ミン体(10.1g)及び1,1'−カルボニルジイミダゾー
ル(6.2g)の攪拌した溶液を加熱して2時間還流し
た。この混合液を水で洗浄し、分液した有機相を乾燥
し、溶媒を留去し、そしてジクロロメタン:メタノール
(90:10)を溶離液とするクロマトグラフィーに付
して、1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−オキ
ソテトラヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジンを白
色固体(7.4g)として得た;NMR:7.35 (m, 5),
5.12 (s, 2), 4.75 (m, 1), 4.50 (m, 1), 4.26(m, 2),
3.27 (m, 2), 3.13 (m, 2), 1.89 (m, 2), 1.63 (m,
4) ;MS: m/z=318 (M + 1) 。
【0142】e. 4−(2−オキソパーヒドロピリ
ミジン−1−イル)ピペリジン。エタノール(100m
L)中の1−ベンジルオキシカルボニル−4−(2−オ
キソテトラヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン
(3.0g)と20%パラジウム担持炭素(0.410g)
の溶液を1気圧の水素圧下で3.5時間攪拌した。この反
応混合液を珪藻土で濾過し、濾液の溶媒を留去して、こ
のピリミドン体を白色固体(1.6g)として得た;NM
R(CD3OD):4.25 (m, 1), 3.22 (m, 4), 3.08(m,
2), 2.63 (m, 2), 1.87 (m, 2), 1.60 (m, 4);MS:
m/z=184 (M + 1)。
【0143】実施例18 5−〔(1S,2S)−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシブチル〕
−1−フェニルトリアゾール 実施例10で用いたアセトキシ化合物を5−〔(1S,2
S)−4−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
ノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)ブチル〕−1−フェニルトリアゾールに置き換えた
こと以外は、実施例10に記載した操作と同様の操作を
用いて、表題の化合物を白色粉末として調製した;m.p.
124〜126℃;NMR:7.49-7.23 (broad m, 12),
7.19 (s,1), 6.93 (d, 1), 5.57 (s, 1), 5.10 (d,
1), 3.03 (s, 1), 2.92 (m, 1), 2.79(m, 1), 2.58-2.2
5 (broad m, 5), 2.21 (m, 2), 2.02 (broad s, 4), 1.
86 (m, 1), 1.47 (m, 2);MS: m/z=580 ((M + 1),
37Cl), 58), 578 ((M + 1),35Cl) 。 C31H33Cl2N5O2
1.00 H2Oの分析:計算値:C, 62.42;H, 5.91 ; N,11.
74 ;測定値:C, 62.39;H, 5.81 ; N, 11.59 。
【0144】やはり本発明の化合物である出発原料の5
−〔(1S,2S)−4−(4−アセトアミド−4−フェ
ニルピペリジノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジク
ロロフェニル)ブチル〕−1−フェニルトリアゾール
は、7cで用いた1−フェニルピラゾールを1−フェニ
ル−1,2,3−(1H)−トリアゾールに置き換えたこと
及び還元的アミノ化に用いた4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジンを4−アセトアミド−4−フェニルピペ
リジンに置き換えたこと以外は、実施例7及びその分節
に記載したのと同様の手順を用いて調製した。
【0145】実施例19 5−〔(1S,2S)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニルトリアゾール 実施例10で用いたアセトキシ化合物を5−〔(1S,2
S)−4−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
ノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)ブチル〕−1−フェニルトリアゾールに置き換えた
こと以外は、実施例10に記載した操作と同様の操作を
用いて、表題の化合物を白色粉末として調製した;m.p.
130〜132℃;NMR:7.52 (s, 1), 7.47 (m,
3), 7.26 (m,2), 7.20 (d, 1), 7.11 (s, 1), 6.86 (d,
1), 5.10 (d, 1), 4.57 (s, 1), 4.48 (m, 1), 3.28
(m, 2), 3.18 (m, 2), 3.08 (broad d, 1), 2.98 (m,
1), 2.48-2.07 (broad m, 4), 2.02-1.51 (broad m, 1
1);MS: m/z=545 ((M + 1),3 7Cl), 543 ((M + 1),
35Cl)。 C28H32Cl2N5O2・0.25 H2Oの分析:計算値:C,
61.59;H, 6.00 ; N, 12.83 ;測定値:C, 61.66;H,
6.10 ; N, 12.33 。
【0146】やはり本発明の化合物である出発原料の5
−〔(1S,2S)−4−(4−アセトアミド−4−フェ
ニルピペリジノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジク
ロロフェニル)ブチル〕−1−フェニルトリアゾール
は、7cで用いた1−フェニルピラゾールを1−フェニ
ル−1,2,3−(1H)−トリアゾールに置き換えたこと
及び還元的アミノ化に用いた4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジンを4−(2−オキソパーヒドロピリミジ
ン−1−イル)ピペリジンに置き換えたこと以外は、実
施例7及びその分節に記載したのと同様の手順を用いて
調製した。
【0147】実施例20 5−〔(1R,2S)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−ト
リアゾール 5−〔(1R,2S)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−(2−オキソパーヒドロピリミ
ジン−1−イル)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル
トリアゾールを用いたこと以外は、実施例10に記載し
た操作と同様の操作を用いて、表題の化合物を白色粉末
として調製した(73%);m.p.116〜118℃;N
MR:7.75 (s, 1), 7.47 (m, 3), 7.25 (m, 2), 7.11
(d, 1),6.77 (s, 1), 6.55 (d, 1), 4.85 (d, 1), 4.59
(s, 1), 4.44 (broad s, 1), 3.31-3.17 (broad m,
4), 3.00 (broad d, 1), 2.86 (broad t, 1), 2.50-2.4
0 (broad m, 3), 2.12-1.53 (broad m, 12);MS: m/
z=545 ((M + 1), 37Cl), 543 ((M + 1), 35Cl)。 C27H
32Cl2N6O2・0.75 H2Oの分析:計算値:C, 58.22;H,6.0
6 ; N, 15.09 ;測定値:C, 58.31;H, 5.89 ; N, 1
5.09 。
【0148】出発原料の5−〔(1R,2S)−1−アセ
トキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(2−
オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)
ブチル〕−1−フェニルトリアゾールは、次のようにし
て調製した。
【0149】a. (S)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−ペンテノール。(S)−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−ペンテン酸を用いたこと及び球
間蒸留(bulb to bulb distillation) により精製したこ
と以外は、実施例9aに記載した操作と同様の操作を用
いて、このアルコール体を透明オイルとして調製した。
これは放置すると結晶化してろう状固体になった(86
%);m.p.33〜34.5℃;〔α〕D =+10.1°(c
=3.475,メタノール);NMR:7.38 (d, 1), 7.3
1 (d, 1), 7.05 (dd, 1), 5.65 (m, 1), 4.99 (m, 2),
3.77 (m, 2), 2.83 (m, 1), 2.51-2.28 (m, 2);C11H12
Cl2Oの分析:計算値:C, 57.17;H, 5.23;測定値:C,
57.17;H, 5.26 。
【0150】b. (S)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−4−ペンテナール。(S)−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−ペンテノールを用いたこと以外
は、実施例9bに記載した操作と同様の操作を用いて、
このアルデヒド体を淡黄色シロップ(99%)として調
製した。これはすぐに次工程に用い、放置するとラセミ
化することが分かった;MS: m/z=231 ((M + 1), 37
Cl), 229 ((M + 1), 35Cl)。
【0151】c. 5−〔(1R,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。塩化ランタン (III)(3.24g)を2.5時間乾燥
(140℃;0.2mmHg)し、窒素気流下で室温に冷
やしてテトラヒドロフラン(25mL)中に懸濁させ
た。この懸濁液を16時間攪拌した。別のフラスコで、
n−ブチルリチウム(2.27mLの2.44Mヘキサン溶
液)及びテトラヒドロフラン(5mL)の溶液を−50
℃に冷却して、テトラヒドロフラン(10mL)中の1
−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール(760
mg)の溶液を滴下した。得られた溶液を−50℃で1
時間攪拌し、カニューレを介して冷(−78℃)塩化ラ
ンタン/テトラヒドロフラン懸濁液に入れ、−50℃で
1時間攪拌し、そしてテトラヒドロフラン(25mL)
中の(S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペ
ンテナール(1.00g)の溶液と処理した。この混合液
を−50℃で1時間攪拌し、0℃に温め、1%酢酸水溶
液(50mL)の添加により反応を停止させた。この混
合液を1%酢酸水溶液で希釈して酢酸エチルで抽出し
た。この有機抽出液を洗浄(食塩水、1%酢酸水溶液)
し、乾燥し、そして溶媒を留去すると、黄色シロップが
残った。ラジアルクロマトグラフィー(2mm SiO
2 ,ヘキサン/酢酸エチル=80:20,ヘキサン/酢
酸エチル=50:50,2回流し,各回で粗製物質を1
/2ずつ)により精製して、このアルコール体を淡黄色
泡状物(502mg)として得た;NMR:7.70 (s,
1), 7.57-7.48 (m, 3), 7.23-7.16 (m, 3),6.86 (d,
1), 6.62 (dd, 1), 5.45 (m, 1), 4.92 (m, 3), 2.90
(m, 1), 2.74(m, 1), 2.38 (m, 1) 。
【0152】クロマトグラフィー精製から(1S,2S)
ジアステレオマーも淡黄色オイル(420mg)として
単離した;NMR:7.56 (s, 1), 7.56-7.16 (m, 7),
6.84(dd, 1), 5.38 (m, 1), 5.08 (m, 1), 4.85 (m,
2), 2.88 (m, 1), 2.44-2.21 (m, 2) 。
【0153】d. 5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。5−〔(1R,2S)−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニ
ル−1,2,3−(1H)−トリアゾールを用いたこと以外
は、実施例7eに記載した操作と同様の操作を用いて、
このアセトキシ化合物を透明シロップとして調製した
(84%);NMR:7.76 (s, 1), 7.49-7.45 (m, 3),
7.19-7.08 (m, 2), 6.75 (d, 1), 6.49 (dd, 1), 5.92
(d, 1), 5.36 (m, 1), 4.91 (m, 2), 3.00 (m, 1), 2.
74 (m, 1), 2.32 (m, 1)。
【0154】e. 5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブ
チル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。5−〔(1R,2S)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−ペンテニル〕−1−フェニ
ル−1,2,3−(1H)−トリアゾールを用いたこと以外
は、実施例7fに記載した操作と同様の操作を用いて、
このアルデヒド体を白色泡状物として調製した(98
%);NMR:9.63 (s, 1), 7.81 (s, 1), 7.52-7.45
(m, 5), 7.18-7.12 (m, 3), 6.80 (d, 1), 6.56 (dd,
1), 5.89 (d, 1), 3.63 (m, 1), 2.98-2.73 (m, 2) 。
【0155】f. 5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(2−オ
キソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)ブ
チル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イ
ル)ピペリジン及び5−〔(1R,2S)−1−アセトキ
シ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
を用いたこと以外は、実施例7に記載した操作と同様の
操作を用いて、表題の化合物を白色泡状物として調製し
た(34%);MS: m/z=587 ((M + 1), 37Cl), 585
((M + H), 35Cl)。
【0156】実施例20fの化合物も本発明の化合物で
ある。
【0157】この表題の化合物は、また、次のようにし
て調製することができる。
【0158】g. メタノール40mL中の実施例2
2の化合物0.709gの溶液を2.7mLの0.9N水酸化
リチウムで処理した。1時間攪拌した後、この反応混合
液の溶媒を留去し、得られた生成物をクロロホルム:メ
タノール=39:1を用いるロータリークロマトグラフ
ィーにより精製して、所期の生成物を得た;m.p.115
〜117℃;MS: m/z=542 (M + 1) ;NMR(CD3
OD):2.0 (m, 12), 3.0 (m, 3), 3.5 (m, 4), 4.17
(m, 1), 4.91 (m, 1), 6.82 (dd, 1, J=2, 8), 7.05
(d, 1, J=2), 7.27 (m, 3), 7.61 (m, 3), 7.88 (s,
1);C27H32N6O2Cl2 の分析:計算値:C, 59.66;H, 5.9
3 ;N, 15.46;測定値:C, 58.75;H, 5.95 ;N, 14.7
8。
【0159】実施例21 5−〔(1R,2S)−4−
(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジノ)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシブチル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール 実施例10で用いたアセトキシ化合物を5−〔(1R,2
S)−4−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
ノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾールに置き換えたこと以外は、実施例10に記載し
た操作と同様の操作を用いて、表題の化合物を白色粉末
として調製した;m.p.129.5〜131.5℃;NMR:
7.73 (s, 1), 7.48 (broad m, 3), 7.35 (m, 3), 7.26
(m, 4), 7.12 (d, 1), 6.80 (s, 1), 6.56 (d, 1), 5.5
4 (s, 1), 4.86 (d, 1), 3.01-2.75 (m, 3), 2.59-2.18
(broad m, 9), 2.03 (broad s, 4), 1.78 (m, 1) ;M
S: m/z=580 ((M + 1), 37Cl), 578 ((M + 1), 35C
l)。 C31H33Cl2N5O2・0.25 H2Oの分析:計算値:C, 63.
86;H, 5.79 ; N, 12.01 ;測定値:C, 63.76;H, 5.7
7 ; N, 11.53 。
【0160】やはり本発明の化合物である出発原料の5
−〔(1R,2S)−4−(4−アセトアミド−4−フェ
ニルピペリジノ)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジク
ロロフェニル)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1
H)−トリアゾールは、実施例20fで用いた4−(2
−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン
を4−アセトアミド−4−フェニルピペリジンに置き換
えたこと以外は、実施例20fに記載した操作と同様の
操作を用いて調製した。
【0161】実施例22 5−〔(1R,2S)−1−ア
セトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(2
−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジ
ノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾール・クエン酸塩 メタノール20mL中の0.417gの5−〔(1S,2
S)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾールの溶液を、0.183gの4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジンで処理し、氷酢酸を添加することによってこの反応
混合液のpHを5.5に調節した。この反応混合液を15
分間攪拌した後、0.936gのシアノ水素化ホウ素ナト
リウムを添加し、得られた混合液を18時間攪拌した。
この時間の終わりに、この反応混合液を3mLの水で希
釈して減圧濃縮した。残渣を塩化ナトリウム溶液で希釈
してクロロホルムで2回抽出した。合わせた有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。得られたオ
イルをシリカゲルでのロートクロマトグラフィーにより
精製して、0.27gの所期の物質を得た。この生成物を
エーテル中に溶解させてメタノール中のクエン酸溶液で
処理することによりクエン酸塩に転化した。得られた溶
液を減圧濃縮して残渣をエーテルで磨り潰した。こうし
て得られたオイル状物質を減圧乾燥して、0.254gの
所期の生成物を得た;m.p.75〜77℃;MS: m/z=
585 (M + 1) ;NMR(CD3OD):3.2 (m, 5), 3.62
(s, 3), 4.3 (m, 1), 5.9 (d, 1, J=10), 6.74 (dd,
1, J=2, 8), 7.04 (m, 1), 7.17 (m, 2), 7.52 (m, 3),
7.94 (s,1) ; C29H34N6O3Cl2・1.15 C6H8O7 ・0.05 H
2Oの分析:計算値:C, 53.41;H,5.41 ;N, 10.41;測
定値:C, 53.77;H, 5.66 ;N, 9.75 。
【0162】中間体の5−〔(1S,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブ
チル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ルは、次のようにして調製した。
【0163】a. 5−〔(1R,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。無水テトラヒドロフラン80mL中の5−〔(S)
−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテノイ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
(3.11g,実施例7cで用いた1−フェニルピラゾー
ルを1−フェニルトリアゾールに置き換えた以外は、実
施例7cに記載した操作と同様の操作を用いて調製した
もの)の溶液を無水三塩化ランタン(7.96gの三塩化
ランタン・7水和物を減圧下で16時間加熱することに
より調製したもの)に添加して、得られた懸濁液を2.5
時間攪拌した。この時間の終わりに、この反応混合液を
−78℃に冷却し、0.402gの水素化ホウ素ナトリウ
ムで処理して1時間攪拌した。室温に温めて、この反応
混合液を追加の水素化ホウ素ナトリウム0.4gで処理し
て16時間攪拌した。この時間の終わりに、50mLの
水と20mLの1N水酸化ナトリウムをこの反応混合液
に添加してクロロホルムで抽出した。有機層を食塩水で
洗浄して水層をクロロホルムで2回抽出した。この有機
層を乾燥して溶媒を留去し、粗製物質を得た。この生成
物を、ヘキサン:酢酸エチル=70:30を溶離液とす
るクロマトグラフィーにより精製して、0.52gの(1
S,2S)異性体;m.p.50〜51℃;〔α〕D =−89.
47°(C=0.57,EtOH);MS: m/z=372 (M
+ 1) ;NMR(CDCl3):2.22 (m, 1), 2.35 (m,
1), 2.86 (m,1), 4.85 (m, 2), 4.99 (d, 1, J=6.6),
6.87 (dd, 1, J=2, 8), 7.18 (d, 1,J=2), 7.26 (m,
1), 7.37 (m, 2), 7.5 (m, 4)、異性体4:m.p.116
〜117℃;〔α〕D =52°(C=0.61,EtO
H);MS: m/z=372 (M + 1) ;及び0.52gの所期
の(1R,2S)異性体;NMR(CDCl3):2.4 (m,
1),2.6 (m, 1), 2.7 (m, 1), 4.93 (m, 3), 5.46 (m,
1), 6.65 (dd, 1, J=2.1, 8.4), 6.87 (d, 1, J=2), 7.
23 (m, 3), 7.53 (m, 3), 7.73 (s, 1) を得た。
【0164】b. 5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。ジクロロメタン20mL中のaからの化合物1.14
gの溶液を、0.344mLの無水酢酸及び0.47mLの
トリエチルアミンで処理してから、0.037gのジメチ
ルアミノピリジンで処理した。16時間攪拌して、この
反応混合液をジクロロメタンで希釈し1N塩酸で洗浄し
た。水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を
乾燥し溶媒を留去して、1.28gのこのアセテート体を
得た。これは以下のfにおける物質と類似のマススペク
トル及びNMRデータを有した。
【0165】c. 5−〔(1S,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブ
チル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。5mLのテトラヒドロフランを含有する10mLの
エーテル中のbからの化合物1.28gの溶液及び10m
Lの水を、0.3mLの0.16M四酸化オスミウム溶液で
処理してから、1.449gの過ヨウ素酸カリウムを3分
割して添加した。この反応混合液を3時間攪拌して水で
希釈した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして溶媒を留去して、
1.1gのこのアルデヒド体を得た;NMR(CDC
l3):2.14 (s, 3), 2.81 (m, 2), 3.59 (m, 1), 5.90
(d, J=10Hz, 1), 6.57 (d, d, J1=2Hz, J2=8Hz, 1), 7.
1 (m, 3), 7.45(m, 3), 7.80 (s, 1), 9.62 (t, J=1)
【0166】aに記載した(1R,2S)アルコール体
は、以下に記載する手順を用いて、aでも単離された
(1S,2S)アルコール体から調製することができる。
【0167】d. 5−〔(1S,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−メシルオキシ−4−ペンテ
ニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。無水ピリジン25mL中のaからの(1S,2S)ア
ルコール体1.74gの0℃の溶液を、5.59mLの塩化
メタンスルホニルで処理した。得られた反応混合液を0
℃で45分間攪拌して1.5時間で室温に温めた。この反
応混合液を氷水中に注いでジクロロメタンで4回抽出し
た。有機層を水層が中性になるまで水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、そして溶媒を留去して、2.3g
のメシレート体を得た;NMR(CDCl3):2.37 (m,
2), 2.79 (s, 3), 2.93 (m, 1), 4.96 (m, 2), 5.35
(m, 1), 5.93 (d, 1, J=6), 6.75 (dd, 1, J=2, J=8),
7.04 (d, 1,J=2), 7.40 (m, 3), 7.58 (m, 3), 7.83
(m, 1)。
【0168】e. 5−〔(1R,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。ジメチルスルホキシド16mLとジメチルホルムア
ミド24mL中のdからの化合物0.56gの溶液を、0.
327gの18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−
ヘキサオキサシクロオクタデカン)で処理した。0℃に
冷却して、この反応混合液を0.308gの超酸化カリウ
ムで処理して10分間攪拌した。この反応混合液を水で
希釈し、チオ硫酸ナトリウムで処理し、そしてエーテル
で4回抽出した。有機層を塩化ナトリウム溶液で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして溶媒を留去し
て粗生成物を得た。この物質をヘキサン:酢酸エチル=
6:4を溶離液とするクロマトグラフィーにより精製し
て、このアルコール体を得た。これは、aにおける(1
R,2S)異性体について記載したのと類似のマススペク
トル及びNMRデータを有した。
【0169】f. 5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ル。ジクロロメタン10mL中のeの化合物0.652g
の溶液を、0.196mLの無水酢酸、0.289mLのト
リエチルアミンで処理してから、0.021gのジメチル
アミノピリジンで処理した。1.5時間攪拌して、この反
応混合液をジクロロメタンで希釈して1N塩酸で洗浄し
た。その水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機
層を乾燥し溶媒を留去して、0.68gのこのアセトキシ
化合物を得た;MS: m/z=416 (M + 1) ;NMR(C
DCl3):2.03 (s, 3), 2.31 (m, 1), 2.62(m, 1), 3.
02 (td, 1, J=10, 4), 4.9 (m, 2), 5.4 (m, 1), 5.9
(d, 1, J=10), 6.50 (dd, 1, J1=2, 8), 6.76 (d, 1, J
=2), 7.16 (d, 1, J=8), 7.18 (m, 2), 7.48 (m, 3),
7.76 (s, 1)。
【0170】実施例23 5−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−ト
リアゾール・クエン酸塩 実施例22のaで用いた5−〔(S)−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−ペンテノイル〕−1−フェニル
−1,2,3−(1H)−トリアゾールをラセミ体の5−
〔2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテノイ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
と置き換えたこと以外は、実施例22及びその分節に記
載した操作と同様の操作を用いて、表題の化合物を調製
した;m.p.135〜140℃;MS及びNMRは、実施
例22の化合物について記載したものと類似していた。
【0171】実施例24 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−ト
リアゾール 実施例23の化合物を実施例20fに記載した操作と同
様の操作に付して、表題の化合物を得た;m.p.110〜
115℃;MS及びNMRは、実施例20の化合物につ
いて記載したのと類似していた。
【0172】実施例25 5−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
〔4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ〕ブチル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール 実施例23で用いた4−(2−オキソパーヒドロピリミ
ジン−1−イル)ピペリジンを4−(2−オキソピペリ
ジノ)ピペリジンと置き換えたこと、18時間の代わり
に2時間攪拌したこと、及びクエン酸塩への転化を省い
たこと以外は、実施例23に記載したのと同様の操作を
用いて、表題の化合物を調製した;m.p.65〜67℃;
MS: m/z=588 (M + 1) ;NMR(CD3OD):1.7
(m, 12),2.13 (s, 3), 2.35 (m, 2), 2.85 (m, 2), 3.1
3 (m, 3), 4.29 (m, 1), 5.92 (d, 1, J=10), 6.7 (dd,
1, J=2, 8), 6.98 (d, 1, J=2), 7.22 (m, 3), 7.50
(m, 3), 7.9 (s, 1)。 C30H35N5O3Cl2・2.0 H2O の分
析:計算値:C, 58.06;H, 6.33 ;N, 11.28;測定値:
C, 57.54;H, 5.61 ;N, 11.13。
【0173】中間体の4−(2−オキソピペリジノ)ピ
ペリジンは、国際出願公開番号WO/148,184の実
施例8のa〜cに記載された通りに調製することができ
る。実施例26 5−〔(1R,2S)−2−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−(2−オキソピペ
リジノ)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3
−(1H)−トリアゾール 実施例20gで用いた5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(2−オ
キソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)ブ
チル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾー
ルを5−〔(1R,2S)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−(2−オキソピペリジノ)
ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1
H)−トリアゾールと置き換えたこと以外は、実施例2
0gに記載した操作と同様の操作を用いて、表題の化合
物を調製した;m.p.75〜80℃;MS: m/z=546 (M
+ 1) ;NMR(CD3OD):1.57 (m, 2), 1.77 (m,
7), 2.09 (m, 3), 2.27 (m,4), 2.92 (m, 3), 3.21 (m,
2), 4.34 (m, 1), 6.7 (d, d, J1=2Hz, J2=8Hz, 1),7.
01 (d, J=2Hz, 1), 7.22 (m, 3), 7.50 (m, 3), 7.9
(s, 1)。 C28H33N5O2Cl2・1.0 H2O の分析:計算値:C,
59.50;H, 5.93 ;N, 12.21;測定値:C, 59.90;H,
6.29 ;N, 12.49。
【0174】中間体の5−〔(1R,2S)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(2−オ
キソピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル
−1,2,3−(1H)−トリアゾールは、実施例22で用
いた4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イ
ル)ピペリジンを4−(2−オキソピペリジノ)ピペリ
ジンと置き換えたこと、反応液を18時間の代わりに2
時間攪拌したこと、及びクエン酸塩への転化を行わなか
ったこと以外は、実施例22に記載した操作と同様の操
作を用いて調製した。
【0175】実施例27 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
〔4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール 5−〔(1RS,2SR)−1−アセトキシ−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−4−〔4−(2−オキソピペリ
ジノ)ピペリジノ〕ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾールを実施例20gに記載した操作
と同様の操作に付して、表題の化合物を得た;m.p.85
〜90℃;マススペクトル及びNMRは、実施例26の
化合物について記載したものと類似していた。 C28H33N
5O2Cl2・1.0 H2O の分析:計算値:C, 59.50;H, 5.93
;N, 12.21;測定値:C, 59.67;H, 5.93 ;N, 12.3
1。
【0176】実施例28 5−〔(1R,2S)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−4−
〔4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソ
ピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,
2,3−(1H)−トリアゾール 5−〔(1R,2S)−1−アセトキシ−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−4−〔4−(メチルアミノカルボニ
ル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
を、その生成物をクエン酸塩に転化したこと以外は、実
施例20gに記載した操作と同様の操作に付した;m.p.
95〜97℃;MS: m/z=599 (M + 1) ;NMR(C
D3OD):1.7 (m, 4), 2.3 (m, 6), 2.35 (m, 2), 2.8
5 (m, 16), 3.43 (m, 2), 6.7 (dd, 1, J=2, 8), 7.06
(d, 1, J=2), 7.16 (m, 3), 7.57 (m, 3), 7.9 (s, 1)
。C30H36N6O3Cl2・0.8 H2O の分析:計算値:C, 52.9
;H, 5.63 ;N, 9.95 ;測定値:C, 53.29;H, 5.74
;N, 9.07 。
【0177】中間体の5−〔(1S,2R)−1−アセト
キシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−〔4−
(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピペリ
ジノ)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾールは、実施例22で用いた4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジンを4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オ
キソピペリジノ)ピペリジンと置き換えたこと、及び反
応液を11日間攪拌したこと以外は、実施例22に記載
した操作と同様の操作を用いて調製した。
【0178】中間体の4−(メチルアミノカルボニル)
−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジンは、次のよ
うにして調製した。
【0179】a. 8−ベンジル−1,3,8−トリアザ
スピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン。1−ベンジル−
4−ピペリドン(100g)を、水(700mL)及び
エタノール(700mL)中の炭酸アンモニウム(48
8.5g)とシアン化ナトリウム(70.0g)の懸濁液中
に一度に添加した。この反応混合液を60℃で12時間
攪拌した。これら無機塩はこの溶液中に徐々に溶解して
スピロヒダントイン体の結晶が生成した。室温まで冷却
して、その固体を濾取し、温水(2L)で洗浄し、80
%エタノール(2L)から再結晶し、エタノールで洗浄
し、そして50℃の真空オーブン内で乾燥して、このヒ
ダントイン体(122g)を白色固体として得た;M
S: m/z=260 (M + 1) ;NMR(DMSO−d6):1
0.64 (bs, 1),8.45 (broad s, 1), 7.29 (m, 5), 3.48
(s, 2), 2.69 (m, 2), 2.28 (m, 2),1.81 (m, 2), 1.51
(m, 2)。
【0180】b. 4−アミノ−1−ベンジル−4−
カルボキシピペリジン。水(500mL)中のヒダント
イン体(40.0g)と水酸化リチウム・1水和物(32.
4g)の攪拌した溶液を加熱して40時間還流した。こ
の混合液を室温に冷却し、濾過して白色析出物を除去
し、そして濾液の溶媒を留去した。この濃縮液のpHを
濃塩酸で12から5に調節し、そしてこの溶液を乾固し
た。残渣をメタノール中に懸濁すると白色析出物が生成
し、これを濾取し、メタノールで洗浄し、そして風乾し
てこのアミン体(32.7g)を白色固体として得た;M
S: m/z=235 (M +1) ;NMR(DMSO−d6):7.4
0 (m, 5), 3.89 (m, 2), 2.92 (m, 4), 2.12 (m, 2),
1.84 (m, 2) 。
【0181】c. 4−アミノ−1−ベンジル−4−
エトキシカルボニルピペリジン。塩化チオニル(43.0
mL)をエタノール(400mL)中のこのアミノ酸
(23.0g)の懸濁液中に0℃で滴下して透明溶液を得
た。この反応混合液を室温に温め、5時間還流し、そし
て室温で一晩攪拌した。この混合液の溶媒を留去してト
ルエンで2回ストリッピングした。得られたオイルを水
に溶解させ、1N水酸化ナトリウムでpH3に調節し、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、そしてジクロ
ロメタンで抽出した。この有機抽出液を乾燥し溶媒を留
去して、このエステル体(21.5g)をオイルとして得
た;MS: m/z=263 (M + 1) ;NMR:7.28 (m, 5),
4.17 (q, 2, J=7.1), 3.52 (s, 2), 2.50 (m, 4), 2.1
3 (m, 2), 1.54 (m, 4), 1.27 (t, 3, J=7.1) 。
【0182】d. 1−ベンジル−4−(5−クロロ
バレルアミド)−4−エトキシカルボニルピペリジン。
ジクロロメタン(50mL)中の塩化5−クロロバレリ
ル(13.2g)をジクロロメタン(250mL)中の上
記アミノエステル体(20.3g)とピリジン(13.1m
L)の溶液に0℃で滴下すると、20分以内に粘稠なス
ラリーが生成した。一晩で室温に温めた後、このスラリ
ーを炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈して、透明な二相
溶液を得た。これを更にジクロロメタンで抽出した。こ
の有機抽出液を乾燥し溶媒を留去して淡褐色半固体を得
た。この物質をエーテル中に懸濁して濾過し、このアミ
ド体(16.8g)を白色固体として得た;MS: m/z=
381 (M + 1) ;NMR(CD3OD):7.28 (m, 5), 4.1
1 (q, 2, J=7.1), 3.55 (m, 4), 2.68 (m, 2), 2.26
(m, 4), 2.05 (m, 4), 1.75 (m, 4),1.21 (t, 3, J=7.
1)。
【0183】e. 1−ベンジル−4−エトキシカル
ボニル−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。テ
トラヒドロフラン(50mL)中の上記アミド体(16.
8g)の溶液を、テトラヒドロフラン(150mL)中
の水素化ナトリウム(2.1g)の懸濁液中にカニューレ
で入れた。一晩攪拌した後、この反応混合液の反応を水
で停止し、濃縮(テトラヒドロフランの除去)し、水で
希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有
機抽出液を乾燥して溶媒を留去した。この粗生成物を、
ジクロロメタン:メタノール(勾配97:3,95:
5)を溶離液とするクロマトグラフィーに付して、1−
ベンジル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソ
ピペリジノ)ピペリジン(13.2g)を固体として得
た;MS: m/z=345 (M + 1) ;NMR(CD3OD):
7.30 (m, 5), 4.11 (q, 2, J=7.1), 3.54 (s, 2), 3.44
(m, 2), 2.66 (m, 2), 2.52 (m, 2), 2.32 (m, 2), 2.
20 (m, 2), 2.01 (m, 2), 1.85 (m, 2), 1.74 (m, 2),
1.20 (t, 3, J=7.1)。
【0184】f. 4−エトキシカルボニル−4−
(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。エタノール(1
50mL)中の1−ベンジル−4−エトキシカルボニル
−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(12.4
g)及び20%水酸化パラジウム担持炭素(2.0g)の
溶液を水素圧下(1バール)で一晩攪拌した。この反応
混合液を珪藻土で濾過し、そして濾液の溶媒を留去し
て、4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピペリ
ジノ)ピペリジン(9.1g)を粘稠オイルとして得た;
MS: m/z=255 (M + 1) ;NMR(CD3OD):4.13
(q, 2, J=7.1), 3.44 (m, 2), 2.95 (m, 4), 2.32 (m,
2), 2.19 (m, 2), 1.88 (m, 4), 1.74 (m, 2),1.23
(t, 3, J=7.1)。
【0185】g. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−(エトキシカルボニル)−4−(2−オキソピペリ
ジノ)ピペリジン。ジクロロメタン(25mL)中の4
−(エトキシカルボニル)−4−(2−オキソピペリジ
ノ)ピペリジン(9.0g)を、ジクロロメタン(150
mL)中のN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ス
クシンイミド(8.8g)とトリエチルアミン(5.4m
L)の溶液に添加した。1.5時間後、この反応混合液を
1.0N塩酸及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で続けて
洗浄した。分液した有機層を乾燥し溶媒を留去して、表
題の化合物(11.6g)を淡黄色固体として得た;M
S: m/z=389 (M + 1) ;NMR(CDCl3/CF3CO
OH):7.37 (m, 5), 5.16 (s, 2), 4.28 (q, 2, J=7.
1), 4.09 (m, 2), 3.40 (m, 2), 3.28 (m, 2), 2.53
(m, 2), 2.34 (m, 2), 1.83 (m, 6), 1.30(t, 3, J=7.
1)。
【0186】h. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−カルボキシ−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリ
ジン。テトラヒドロフラン(150mL)、1.0N水酸
化ナトリウム(50mL)、及びメタノール(透明溶液
を得るために必要な容量)中の1−ベンジルオキシカル
ボニル−4−エトキシカルボニル−4−(2−オキソピ
ペリジノ)ピペリジン(11.4g)の溶液を加熱して1
0時間還流した。この反応混合液の溶媒を留去し、得ら
れた水溶液を水で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出
して未反応出発原料(3.7g)を回収した。水相を1.0
N塩酸でpH3の酸性にしてジクロロメタンで抽出し
た。合わせた有機抽出液を水で洗浄し、乾燥し、溶媒を
留去して淡黄色固体を得た。この物質をエーテル中に懸
濁させて濾過し、表題の化合物(6.3g)を白色固体と
して得た;MS: m/z=361 (M + 1);NMR(CDCl
3/CF3COOH):7.37 (m, 5), 5.17 (s, 2), 4.11
(m, 2), 3.45-3.32 (m, 4), 2.55 (m, 2), 2.37 (m,
2), 1.94-1.78 (m, 6) 。
【0187】i. 1−ベンジルオキシカルボニル−
4−(メチルアミノカルボニル)−4−(2−オキソピ
ペリジノ)ピペリジン。ジクロロメタン中の1−ベンジ
ルオキシカルボニル−4−カルボキシ−4−(2−オキ
ソピペリジノ)ピペリジン、塩酸メチルアミン、4−
(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミン、及び
塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミドの溶液を一晩攪拌した。この反応混合液
をジクロロメタンで希釈して、1.0N塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、及び水で続けて洗浄した。分液し
た有機層を乾燥し溶媒を留去して、このアミド体を吸湿
性白色固体として得た;NMR:7.35 (m, 5), 6.72
(m, 1), 5.12 (s, 2), 3.56 (m, 4), 3.30 (m, 2), 2.7
8 (d, 3, J=4.8), 2.43 (m, 2), 2.27 (m, 2), 2.20
(m, 2), 1.76 (m, 4) 。
【0188】j. 4−(メチルアミノカルボニル)
−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン。1−ベン
ジルオキシカルボニル−4−(メチルアミノカルボニ
ル)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジンを20
%水酸化パラジウム担持炭素でエタノール中で一晩水素
化した。この混合液を珪藻土で濾過し、そして濾液の溶
媒を留去して、このピペリジン体を得た;MS: m/z=
240 (M + 1) ;NMR(CD3OD):3.45 (m, 2), 3.1
0 (m, 2), 2.96 (m, 2), 2.68 (m, 3), 2.32 (m, 2),
2.22 (m, 2), 1.90 (m, 4), 1.75 (m, 2)。
【0189】実施例29 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−ト
リアゾール 実施例22で用いた5−〔(1S,2S)−1−アセトキ
シ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
を5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジクロロフェ
ニル)−1−メトキシ−4−オキソブチル〕−1−フェ
ニル−1,2,3−(1H)−トリアゾールに置き換えたこ
と以外は、実施例22に記載した操作と同様の操作を用
いて、表題の化合物を調製した;m.p.68〜70℃;M
S: m/z=535 (M + 1) 。NMR(CD3OD):1.28
(m, 4), 2.0 (m, 12), 2.3 (m, 1), 2.85 (m, 3), 3.2
(m,4), 3.36 (s, 3), 4.09 (m, 1), 4.58 (d, 1, J=9),
6.77 (dd, 1, J=2, 8), 7.00 (d, 1, J=2), 7.21 (m,
3), 7.55 (m, 3), 7.89 (s, 1); C28H34N6O2Cl2・0.7
H2O の分析:計算値:C, 58.80;H, 6.27 ;N, 14.69;
測定値:C, 58.86;H, 6.53 ;N, 13.11。
【0190】中間体の5−〔(1S,2S)−2−(3,4
−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−4−オキソブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
は、次のようにして調製した。
【0191】a. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−4−ペン
テニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾ
ール。テトラヒドロフラン10mL中の5−〔(1RS,
2SR)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒド
ロキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾール(0.857g)の溶液を、テト
ラヒドロフラン10mL中の0.0549gの水素化ナト
リウムの懸濁液に0℃で添加した。0.5時間攪拌した
後、この反応混合液をテトラヒドロフラン3mL中の0.
712mLのヨウ化メチルの溶液で処理して2.5時間攪
拌した。この時間の終わりに、この反応混合液を塩化ナ
トリウム溶液で処理して酢酸エチルで2回抽出した。こ
の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去して
粗生成物を得た。これをロータリークロマトグラフィー
により精製して、0.525gの所期の生成物を得た;M
S: m/z=388 (M + 1) ;NMR(CDCl3):2.29
(m, 1), 2.78 (m, 2), 3.32 (s, 3),4.4 (d, 1), 4.9
(m, 2), 5.43 (m, 1), 6.57 (dd, 1, J=2, 8), 6.87
(d, 1,J=2), 7.1 (m, 2), 7.49 (m, 3), 7.75 (s, 1)。
【0192】b. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−4−オキ
ソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリア
ゾール。実施例22cで用いた5−〔(1R,2S)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
ペンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾールを5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジク
ロロフェニル)−1−メトキシ−4−ペンテニル〕−1
−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾールに置き換
えたこと以外は、実施例22cに記載した操作と同様の
操作を用いて、このアルデヒド体を調製した;MS: m
/z=326 (M + 1) 。NMR(CDCl3):2.68 (m, 1),
3.0 (m, 1), 3.0 (s, 3), 3.43 (m, 1), 4.4 (d, 1, J
=9), 6.61 (dd, 1, J=2), 6.83 (d, 1, J=2), 7.06 (m,
2), 7.53 (m, 3), 7.78 (s, 1) 。
【0193】実施例30〜35 実施例7で用いた5−〔(1S,2S)−1−アセトキシ
−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オキソブチ
ル〕−1−フェニルピラゾール及び4−ヒドロキシ−4
−フェニルピペリジンを、所要のアルデヒド成分及びピ
ペリジン成分に置き換えたこと以外は、実施例7に記載
したカップリング操作と同様の操作を用いて、次の化合
物を調製した。
【0194】実施例30 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ピバロイルオキシ
−4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)
ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1
H)−トリアゾール・クエン酸塩;NMR(選択したシ
グナル):7.68 (s, 1), 7.44 (m, 2), 7.27 (m, 2),
7.10 (d, 1), 6.79 (m, 1), 6.50 (d, 1), 5.88 (d,
1), 4.60 (m, 1), 4.24 (m, 1) 。 C32H40Cl2N6O3・1.1
C6H8O7・0.5 H2O の分析:計算値:C, 54.68;H, 5.92
; N, 9.91;測定値:C, 54.93;H, 6.07 ; N, 9.6
8。
【0195】実施例31 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ピバロイルオキシ
−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール・ク
エン酸塩;NMR(選択したシグナル):7.68 (s, 1),
7.47 (m, 2), 7.27 (m, 2), 7.08 (d, 1), 6.78 (d,
1), 6.48 (dd, 1), 5.85 (d, 1), 4.45 (m, 1) ; C33H
41Cl2N5O3・C6H8O7・H2Oの分析:計算値:C, 55.98;H,
6.14 ; N, 8.37;測定値:C, 56.23;H, 6.00; N,
8.26。
【0196】実施例32 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ベンゾイルオキシ
−4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)
ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1
H)−トリアゾール・クエン酸塩;NMR(選択したシ
グナル):8.07 (d, 1), 7.77 (s, 1), 7.63 (m, 1),
7.49 (m, 3H), 7.15 (d, 1), 6.61 (dd, 1), 6.21 (d,
1) ; C35H37Cl2N5O3・1.2C6H8O7の分析:計算値:C, 5
6.35;H, 5.23 ; N, 9.57;測定値:C, 56.25;H,5.57
; N, 9.32。
【0197】実施例33 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ベンゾイルオキシ
−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール・ク
エン酸塩;NMR(選択したシグナル):8.08 (d, 1),
7.54 (m, 1), 7.49 (m, 3H), 7.32 (m, 1), 7.12 (d,
1), 6.61 (dd, 1), 6.21 (d, 1), 4.45 (m, 1); C35H
37Cl2N5O3・C6H8O7・H2Oの分析:計算値:C, 57.48;H,
5.53 ; N, 8.17;測定値:C, 57.215 ;H, 5.35; N,
8.09。
【0198】実施例34 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−メトキシベ
ンゾイルオキシ)−4−(2−オキソパーヒドロピリミ
ジン−1−イル)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル
−1,2,3−(1H)−トリアゾール・クエン酸塩;NM
R(選択したシグナル):8.03 (d, 1), 7.50 (m, 2),
7.31 (m, 1), 7.14 (d, 2), 6.99 (d, 1), 6.85 (d,
1), 6.60 (dd, 1), 6.18 (d, 1), 4.55 (s, 1), 4.23
(m, 1), 3.90 (s, 3); C35H38Cl2N6O4・1.1 C6H8O7
0.5 H2O の分析:計算値:C, 55.35;H, 5.37 ; N, 9.
16;測定値:C, 55.64;H, 5.36 ; N, 9.36。
【0199】実施例35 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−(4−メトキシベ
ンゾイルオキシ)−4−(2−オキソピペリジノ)ピペ
リジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−
トリアゾール・クエン酸塩;NMR(選択したシグナ
ル):8.03 (d, 1), 7.52 (m, 2), 7.32 (m, 1), 7.14
(d, 1), 6.99 (d, 2), 6.96 (d, 1), 6.60 (dd, 1), 6.
19 (d, 1), 4.45 (m, 1),3.90 (s, 3) ; C36H39Cl2N5O
4・1.1 C6H8O7・0.5 H2O の分析:計算値:C, 57.04;
H, 5.48 ; N, 7.80;測定値:C, 56.89;H, 5.43 ;
N, 7.88。
【0200】実施例30〜35で用いた中間体アルデヒ
ド体は、次のようにして調製した。
【0201】実施例30a〜35a 実施例7eで用いた無水酢酸を、所要の酸塩化物に置き
換えたこと以外は、実施例7eに記載した操作と同様の
操作を用いて、R9 が示した意義を有する式XXIII の次
の化合物を調製した。
【0202】実施例30a及び実施例31a9 =ピ
バロイル;MS(Cl)458 (M + H)実施例32a及び実施例33a9 =ベンゾイル;M
S(Cl)478 (M + H)実施例34a及び実施例35a9 =4−メトキシベ
ンゾイル;MS(Cl)508 (M + H)実施例30b〜35b 実施例7fで用いた5−〔(1S,2S)−1−アセトキ
シ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペンテニ
ル〕−1−フェニルピラゾールを、所要のアルケンに置
き換えたこと以外は、実施例7fに記載した操作と同様
の操作を用いて、R10が示した意義を有する式XXIVの次
のアルデヒドを調製した。
【0203】実施例30b及び実施例31b10=ピ
バロイル;MS(Cl):460 (M + H)実施例32b及び実施例33b10=ベンゾイル;M
S(Cl):480 (M + H)実施例34b及び実施例35b10=4−メトキシベ
ンゾイル;MS(Cl):510 (M + H)実施例36 5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジ
クロロフェニル)−1−アセチルチオ−4−(2−オキ
ソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジノ)ブチ
ル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール
・クエン酸塩 メタノール(13mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
1−アセチルチオ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−
4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)
−トリアゾール(0.43g)の攪拌した溶液に、4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジン(0.218g)を添加して、2,3滴の酢酸でpH
を約6.0に調節した。この溶液を冷やして(氷浴)、シ
アノ水素化ホウ素ナトリウム(0.087g)を一度に添
加した。10分後に氷浴を外し、この溶液を室温で一晩
攪拌した。水を添加し、この反応混合液を1N NaO
Hを用いて塩基性にした。この混合液を酢酸エチルで抽
出して、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒
を留去して白色固体(0.60g)を得た。少量のメタノ
ールに溶解させたこの固体に無水クエン酸(0.188
g)を添加した。メタノールを減圧留去し、ジエチルエ
ーテル(10mL)を添加してメタノールを減圧で除去
した。2回目のジエチルエーテルを添加してこの工程を
繰り返し、表題の化合物(0.60g)を白色固体として
得た;m.p.120〜125℃;NMR:1.47-3.39 (m,
30), 4.09 (m, 1), 4.77 (d, 1), 6.23 (s, 1), 6.93-
7.94 (m, 9);MS(Cl, CH4):601 (M + 1) 。C29H34C
l2N6O2S・1.0 C6H8O4・1.0 H2O の分析:計算値:C, 5
1.79;H, 5.46 ;N, 10.35;測定値:C, 51.97;H, 5.2
6 ;N,9.97 。
【0204】中間体の5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セチルチオ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オ
キソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾールは、次のようにして調製した。
【0205】a. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セチルチオ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ペ
ンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリア
ゾール。ジメチルホルムアミド(40mL)中の調製し
たばかりのチオ酢酸セシウム(1.02g)及び5−
〔(1S,2S)−2−(3,4−ジクロロフェニル)−1
−メシルオキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニル−1,
2,3−(1H)−トリアゾール(2.0g)の溶液を室温
で一晩攪拌した。この反応混合液を水と酢酸エチルに分
配し、有機層を分液し、水(3×50mL)で洗浄し、
乾燥し、濾過し、そして溶媒を留去した。ヘキサン:エ
ーテル=3:2を溶離液とするクロマトグラフィーに付
して、このチオ化合物(1.20g)を透明な粘着性固体
として得た;NMR(CDCl3):2.17-2.28 (m, 1),
2.38 (s, 3), 2.57-2.65 (m, 1), 2.88-2.96 (m, 1),
4.80-4.95 (m, 3), 5.26-5.39 (m, 1), 6.58 (dd, 1),
7.00 (d,1), 7.18 (d, 1), 7.25 (m, 2), 7.59 (m, 3),
7.63 (s, 1);MS(Cl, CH4):432 (M + 1) 。
【0206】b. 5−〔(1RS,2SR)−1−ア
セチルチオ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−オ
キソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾール。ジエチルエーテル(4mL)、水(4m
L)、及びテトラヒドロフラン(2mL)中の5−
〔(1RS,2SR)−1−アセチルチオ−2−(3,4−
ジクロロフェニル)−4−ペンテニル〕−1−フェニル
−1,2,3−(1H)−トリアゾール(1.2g)の攪拌し
た溶液に、0.1M四酸化オスミウム水溶液(0.26m
L)を添加した。5分後に過ヨウ素酸ナトリウム(1.3
g)を分割添加した。室温で2時間してから、殆どの固
体が溶解するまでこの反応混合液に水を添加した。この
混合液を酢酸エチルで抽出(2×50mL)し、合わせ
た有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を留去した。ジ
クロロメタン:酢酸エチル(9:1)を溶離液とするク
ロマトグラフィーに付して、表題の化合物(1.0g)を
粘着性泡状物として得た;NMR(CDCl3):2.39
(s, 3), 2.71-2.97 (m, 2), 3.54-3.62 (m, 1), 4.93
(d, 1), 6.67 (dd, 1), 6.89 (d, 1), 7.17-7.21 (m,
3), 7.52-7.57 (m, 3), 7.70 (s, 1), 9.52 (s, 1) ;
MS(Cl, CH4):434 (M + 1) 。
【0207】実施例37 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−アセチルチオ−4
−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)ブチル〕−1
−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール・クエン
酸塩 メタノール(13mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
1−アセチルチオ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−
4−ペンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−
トリアゾール(0.43g)の攪拌した溶液に、4−(2
−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリジン
(0.218g)を添加して、2,3滴の酢酸でpHを約
6.0に調節した。この溶液を冷やして(氷浴)、シアノ
水素化ホウ素ナトリウム(0.087g)を一度に添加し
た。10分後に氷浴を外し、この溶液を室温で一晩攪拌
した。水を添加し、この反応混合液を1N NaOHで
塩基性にした。この混合液を酢酸エチルで抽出して、合
わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を留去して
白色固体(0.51g)を得た。少量のメタノールに溶解
させたこの固体に無水クエン酸(0.163g)を添加し
た。メタノールを留去して除去し、ジエチルエーテル
(10mL)を添加してメタノールを留去により除去し
た。2回目のジエチルエーテルを添加してこの工程を繰
り返し、表題の化合物(0.45g)を白色固体として得
た;m.p.120〜125℃;NMR:1.48-3.33 (m, 3
2), 4.24 (m, 1), 4.77 (d, 1), 6.93-7.94 (m, 9) ;
MS(Cl,CH4):600 (M + 1) 。C29H34Cl2N6O2S・1.0 C
6H8O4・1.0 H2O の分析:計算値:C, 53.33;H, 5.59
;N, 8.64 ;測定値:C, 52.93;H, 5.36 ;N, 8.87
【0208】実施例38 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバモ
イルオキシ−4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−
1−イル)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,
3−(1H)−トリアゾール・クエン酸塩 メタノール(10mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバ
モイルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,
2,3−(1H)−トリアゾール(0.30g)の溶液に、
4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピ
ペリジン(0.128g)を添加して、2,3滴の酢酸で
pHを約6.0に調節した。この溶液を冷やして(氷
浴)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.057g)を
一度に添加した。10分後に氷浴を外し、この溶液を室
温で一晩攪拌した。水を添加し、この反応混合液を1N
NaOHで塩基性にした。この混合液を酢酸エチルで
抽出して、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶
媒を留去して黄褐色固体(0.40g)を得た。少量のメ
タノールに溶解させたこの固体に無水クエン酸(0.11
6g)を添加した。メタノールを留去し、ジエチルエー
テル(10mL)を添加して留去した。2回目のジエチ
ルエーテルを添加してこの工程を繰り返し、表題の化合
物(0.31g)を黄褐色固体として得た;m.p.130〜
135℃;NMR:1.47-3.41 (m, 27), 4.10 (m, 1),
5.86 (d, 1), 6.21 (s, 1), 6.85-7.98 (m, 14) ;MS
(Cl, CH4):662 (M + 1) 。 C34H36Cl2N7O3・1.0 C6H8
O4・1.0 H2O の分析:計算値:C, 55.11;H, 5.32 ;N,
11.24;測定値:C, 54.88;H, 5.27 ;N, 10.84。
【0209】中間体の5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバモイ
ルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3
−(1H)−トリアゾールは、次のようにして調製し
た。
【0210】a. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバモイ
ルオキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾール。ジクロロメタン(10mL)
中の5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−フ
ェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール(1.0g)の
攪拌した溶液に、フェニルイソシアネート(0.32g)
及び2滴のトリエチルアミンを添加して、この混合液を
加熱して一晩還流した。ジクロロメタンを溶離液とする
クロマトグラフィーに付して、表題の化合物(1.0g)
を白色固体として得た;m.p.180〜183℃;NMR
(CDCl3):2.34-2.37 (m, 1), 2.68 (m, 1), 2.98-
3.05 (m, 1),4.87-4.92 (m, 2), 5.37-5.43 (m, 1), 6.
01 (d, 1), 6.49 (dd, 1), 6.78 (d,1), 7.08-7.51 (m,
11), 7.79 (s, 1) ;MS(Cl, CH4):493 (M + 1) 。
C26H21Cl2N4O2の分析:計算値:C, 63.42;H, 4.30 ;
N, 11.38;測定値:C, 63.44;H, 4.64 ;N, 11.40。
【0211】b. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバモイ
ルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3
−(1H)−トリアゾール。
【0212】ジエチルエーテル(4mL)、水(4m
L)、及びテトラヒドロフラン(2mL)中の5−
〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジクロロフェニル)
−1−フェニルカルバモイルオキシ−4−ペンテニル〕
−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール(1.
0g)の攪拌した溶液に、0.16M四酸化オスミウム水
溶液(0.22mL)を添加した。5分後に過ヨウ素酸ナ
トリウム(0.96g)を分割添加した。室温で2時間し
てから、殆どの固体が溶解するまでこの反応混合液に水
を添加した。この混合液を酢酸エチルで抽出(2×50
mL)し、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶
媒を留去して、粗生成物をオイルとして得た。ジクロロ
メタン:酢酸エチル(9:1)を溶離液とするクロマト
グラフィーに付して、表題の化合物0.65g(65%)
を白色固体として得た;NMR:3.12 (d, 2), 3.71-3.
75 (m, 1), 5.84 (d, 1), 6.8 (dd, 1), 7.03 (t, 1),
7.17-7.57 (m, 11), 8.01 (s, 1), 9.54 (s, 1) ;MS
(Cl, CH4):495 (M + 1) 。
【0213】実施例39 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバモ
イルオキシ−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジ
ノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリ
アゾール・クエン酸塩 メタノール(10mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−フェニルカルバ
モイルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,
2,3−(1H)−トリアゾール(0.35g)の溶液に、
4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピ
ペリジン(0.148g)を添加して、2,3滴の酢酸で
pHを約6.0に調節した。この溶液を冷やして(氷
浴)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.062g)を
一度に添加した。10分後に氷浴を外し、この溶液を室
温で一晩攪拌した。水を添加し、この反応混合液を1N
NaOHで塩基性にした。この混合液を酢酸エチルで
抽出して、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶
媒を留去して黄褐色固体(0.47g)を得た。少量のメ
タノールに溶解させたこの固体に無水クエン酸(0.13
6g)を添加した。メタノールを留去し、ジエチルエー
テル(10mL)を添加して留去した。2回目のジエチ
ルエーテルを添加してこの工程を繰り返し、表題の化合
物(0.30g)を黄褐色固体として得た;m.p.145〜
150℃ (dec);NMR:1.55-3.33 (m,32), 4.35 (m,
1), 5.85 (d, 1), 6.76-7.99 (m, 14);MS(Cl, C
H4):661 (M+ 1) 。 C35H38Cl2N6O3・1.2 C6H8O4・2.0
H2O の分析:計算値:C, 54.61;H,5.60 ;N, 9.05 ;
測定値:C, 54.34;H, 5.24 ;N, 9.07 。
【0214】実施例40 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモイ
ルオキシ−4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1
−イル)ピペリジノ)ブチル〕−1−フェニル−1,2,3
−(1H)−トリアゾール・クエン酸塩 メタノール(10mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモ
イルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,
3−(1H)−トリアゾール(0.32g)の溶液に、4
−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペ
リジン(0.15g)を添加して、2,3滴の酢酸でpH
を約6.0に調節した。この溶液を冷やして(氷浴)、シ
アノ水素化ホウ素ナトリウム(0.065g)を一度に添
加した。10分後に氷浴を外し、この溶液を室温で一晩
攪拌した。水を添加し、この反応混合液を1N NaO
Hで塩基性にした。この混合液を酢酸エチルで抽出し
て、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を留
去して白色固体(0.35g)を得た。少量のメタノール
に溶解させたこの固体に無水クエン酸(0.138g)を
添加した。メタノールを留去し、ジエチルエーテル(1
0mL)を添加して留去した。2回目のジエチルエーテ
ルを添加してこの工程を繰り返し、表題の化合物(0.3
9g)を白色固体として得た;m.p.135〜140℃
(dec);NMR:1.49-3.41 (m, 30), 4.10 (m, 1), 5.7
0 (d, 1), 6.22 (s, 1), 6.78-7.87 (m, 9);MS(Cl,
CH4):600 (M + 1) 。 C29H34Cl2N7O3・1.1 C6H8O4
1.0 H2O の分析:計算値:C, 51.59;H, 5.45 ;N, 11.
83;測定値:C, 51.35;H, 5.31 ;N, 11.37。
【0215】中間体の5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモイル
オキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾールは、次のようにして調製した。
【0216】a. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモイル
オキシ−4−ペンテニル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾール。ジクロロメタン(10mL)
中の5−〔(1RS,2SR)−2−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1−ヒドロキシ−4−ペンテニル〕−1−フ
ェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾール(1.0g)の
攪拌した溶液に、メチルイソシアネート(0.17g)及
び2滴のトリエチルアミンを添加して、この混合液を一
晩還流下で攪拌した。溶媒を留去して、表題の化合物1.
0g(87%)を黄色オイルとして得た;NMR(CD
Cl3):2.22-2.35 (m, 1), 2.61-2.69 (m, 1), 2.85
(d, 3), 2.86-2.98 (m, 1), 4.84-4.90 (m, 2), 5.30-
5.44 (m, 1), 5.89 (d, 1), 6.46 (dd, 1), 6.74 (d,
1), 7.06 (d, 1), 7.22-7.26 (m, 2), 7.43-7.51 (m,
3), 7.73 (s, 1) ;MS(Cl, CH4):431 (M + 1) 。
【0217】b. 5−〔(1RS,2SR)−2−
(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモイル
オキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,3−
(1H)−トリアゾール。ジエチルエーテル(4m
L)、水(4mL)、及びテトラヒドロフラン(2m
L)中のa(1.0g)の攪拌した溶液に、0.16M四酸
化オスミウム水溶液(0.22mL)を添加した。5分後
に過ヨウ素酸ナトリウム(1.1g)を分割添加した。室
温で2時間してから、殆どの固体が溶解するまでこの反
応混合液に水を添加した。この混合液を酢酸エチルで抽
出(2×50mL)し、合わせた有機層を乾燥し、濾過
し、そして溶媒を留去した。ジクロロメタン:酢酸エチ
ル(8:2)を溶離液とするクロマトグラフィーに付し
て、表題の化合物0.65gを透明オイルとして得た;N
MR:2.56 (d, 3), 2.93-3.02 (m, 2), 3.61-3.69 (m,
1), 5.71 (d, 1), 6.80 (d, 1), 7.15-7.56 (m, 7),
7.90 (s, 1),9.51 (s, 1) ;MS(Cl, CH4):433 (M +
1) 。
【0218】実施例41 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモイ
ルオキシ−4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ)
ブチル〕−1−フェニル−1,2,3−(1H)−トリアゾ
ール・クエン酸塩 メタノール(10mL)中の5−〔(1RS,2SR)−
2−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルカルバモ
イルオキシ−4−オキソブチル〕−1−フェニル−1,2,
3−(1H)−トリアゾール(0.30g)の攪拌した溶
液に、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジン(0.1
45g)を添加して、2,3滴の酢酸でpHを約6.0に
調節した。この溶液を冷やして(氷浴)、シアノ水素化
ホウ素ナトリウム(0.061g)を一度に添加した。1
0分後に氷浴を外し、この溶液を室温で一晩攪拌した。
水を添加し、この反応混合液を1N NaOHで塩基性
にした。この混合液を酢酸エチルで抽出して、合わせた
有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を留去して白色固
体(0.42g)を得た。少量のメタノールに溶解させた
この固体に無水クエン酸(0.135g)を添加した。メ
タノールを留去し、ジエチルエーテル(10mL)を添
加して留去した。2回目のジエチルエーテルを添加して
この工程を繰り返し、表題の化合物(0.40g)を白色
固体として得た;m.p.>135℃ (dec);NMR:1.48
-3.41 (m, 32), 4.26 (m, 1), 5.70 (d, 1), 6.76-7.86
(m, 9) ;MS(Cl, CH4):599 (M + 1) 。 C30H35Cl2
N6O3・1.1 C6H8O4・1.0 H2O の分析:計算値:C, 53.0
3;H, 5.69 ;N, 10.14;測定値:C, 52.86;H, 5.62
;N, 10.08。
【0219】実施例42〜47 上記に記載した操作と同様の操作を用いて、次の化合物
を調製した。
【0220】実施例42 2−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニルイミダゾール;m.p.166〜168℃;
MS: m/z=578 (M + 1) 。
【0221】実施例43 5−〔(1RS,2SR)−1
−アセトキシ−2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)ブチル〕
−1−フェニルピラゾール;m.p.93〜95℃;MS:
m/z=578 (M + 1) 。
【0222】実施例44 5−〔2−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−〔4−
(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピペリ
ジノ〕ブチル〕−1−フェニルピラゾール;m.p.125
〜127.5℃;MS: m/z=556 (M + 1) 。
【0223】実施例45 5−〔2−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1−ヒドロキシ−2−メチル−4−〔4−
(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)ピペリジノ〕
ブチル〕−1−フェニルピラゾール;m.p.109.5〜1
11.5℃;MS:544 (M + 1)。
【0224】実施例46 5−〔(1RS,2RS)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−2−
メチル−4−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール;m.p.133
〜135℃;MS: m/z=591(M + 1) 。
【0225】実施例47 5−〔(1RS,2SR)−2
−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシ−2−
メチル−4−(4−アセトアミド−4−フェニルピペリ
ジノ)ブチル〕−1−フェニルピラゾール;m.p.134.
5〜136.5℃;MS: m/z=591 (M + 1) 。
【0226】実施例48 以下は、式Iの化合物、Δに
より示されるピペリジノ窒素のそのN−オキシド、又は
薬学的に許容できるその塩、又はその4級アンモニウム
塩(以下“コンパウンドX”という)の治療的又は予防
的投与に用いることができる代表的な医薬投与製剤を示
すものである。
【0227】 (i) 錠剤1 mg/錠剤 コンパウンドX 100.0 ラクトース 77.5 ポビドン (Povidone) 15.0 クロスカルメロース (croscarmellose) ・ナトリウム 12.0 微結晶性セルロース 92.5 ステアリン酸マグネシウム 3.0 300.0 (ii) 錠剤2 mg/錠剤 コンパウンドX 20.0 微結晶性セルロース 410.0 スターチ 50.0 スターチグリコール酸ナトリウム 15.0 ステアリン酸マグネシウム 5.0 500.0 (iii) カプセル剤 mg/カプセル コンパウンドX 10.0 コロイド状二酸化ケイ素 1.5 ラクトース 465.5 ゼラチン化前スターチ 120.0 ステアリン酸マグネシウム 3.0 600.0 (iv) 注射剤1(1mg/mL) mg/mL コンパウンドX(酸フリー体) 1.0 リン酸水素二ナトリウム 12.0 リン酸二水素ナトリウム 0.7 塩化ナトリウム 4.5 1.0N水酸化ナトリウム溶液 所要量 (7.0〜7.5にpH調節) 注射用蒸留水 1mLへの所要量 (v) 注射剤2(10mg/mL) mg/mL コンパウンドX(酸フリー体) 10.0 リン酸二水素ナトリウム 0.3 リン酸水素二ナトリウム 1.1 ポリエチレングリコール400 200.0 0.1N水酸化ナトリウム溶液 所要量 (7.0〜7.5にpH調節) 注射用蒸留水 1mLへの所要量 (vi) エアロゾル mg/カン コンパウンドX 20.0 オレイン酸 10.0 トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0 ジクロロジフルオロメタン 10,000.0 ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0 上記医薬組成物は、異なる量及びタイプの活性成分“コ
ンパウンドX”を収容する周知の薬学技術に従って変動
してもよいことが分かるであろう。エアロゾル(vi)
は、標準的な計量された用量のエアロゾルディスペンサ
ーと共に用いることができる。
【0228】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 401/14 231 233 249 (72)発明者 スコット・カーソン・ミラー アメリカ合衆国デラウェア州19897,ウィ ルミントン,コンコード・パイク・アン ド・ニュー・マーフィー・ロード(番地な し),ゼネカ・インコーポレーテッド内 (72)発明者 アショックマー・ビカッパ・シェンヴィ アメリカ合衆国デラウェア州19897,ウィ ルミントン,コンコード・パイク・アン ド・ニュー・マーフィー・ロード(番地な し),ゼネカ・インコーポレーテッド内 (72)発明者 シラス・ジョン・オーンマクト アメリカ合衆国デラウェア州19897,ウィ ルミントン,コンコード・パイク・アン ド・ニュー・マーフィー・ロード(番地な し),ゼネカ・インコーポレーテッド内 (72)発明者 クリス・アラン・ヴェイル アメリカ合衆国デラウェア州19897,ウィ ルミントン,コンコード・パイク・アン ド・ニュー・マーフィー・ロード(番地な し),ゼネカ・インコーポレーテッド内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式Iの化合物 【化1】 〔式中、 Q1 は、下式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、I
    g、Ih、Ij及びIkの基の群から選ばれる(Zで結
    合した)基であり: 【化2】 【化3】 【化4】 式Iaの基については、Za は窒素又は基CRad(Rad
    は水素であるか又はRadはRac及び存在する炭素−炭素
    結合と一緒に二重結合を形成する)であり;RaaはAr
    又はHetであり;Rabは水素であり;そしてRacは水
    素若しくはヒドロキシであるか又はRacはRad及び存在
    する炭素−炭素結合と一緒に二重結合を形成するか、又
    はRacとRadが一緒に二価基−(CH2)j −(jは1〜
    5の整数である)を形成するか;又はRabとRacが一緒
    に二価基−(CH2)k −(kは2〜6の整数である)を
    形成するか、又はRabとRacが一緒にオキソ又は式=N
    −O−(CH2)q −NRaeaf(qは2又は3の整数で
    あり、Rae及びRafは独立して水素又は(1〜4C)ア
    ルキルであるか、又は基NRaeafがピロリジノ、ピペ
    リジノ又はモルホリノである)のジアルキルアミノアル
    キルオキシイミノであり;式Ibの基については、Zb
    は置換イミノ基RbaN又はRbaCH2N(Rbaは(3〜7
    C)シクロアルキル、Ar又はHetである)である
    か;又はZb は二置換メチレン基Rbb(CH2)p −C−
    bc{RbbはAr又はHetであり、pは0又は1の整
    数であり、そしてRbcは水素、ヒドロキシ、(1〜4
    C)アルコキシ、(1〜4C)アルカノイルオキシ、C
    OORbd(Rbdは水素又は(1〜3C)アルキルであ
    る)、シアノ、NRbebf若しくはSRbg(Rbe及びR
    bfは独立して水素、(1〜4C)アルキル、(1〜4
    C)ヒドロキシアルキル又は(1〜4C)アルカノイル
    であるか、又は基NRbebfがピロリジノ、ピペリジノ
    又はモルホリノである)であり、そしてRbgは水素又は
    (1〜4C)アルキルである)であるか、又はRbcはそ
    れが結合している炭素原子及びこのピペリジン環内の隣
    接する炭素原子と二重結合を形成する}であるか;又は
    b はスピロ環を形成する二置換メチレン基RbhCRbi
    {Rbhはオルト置換二価基Xb によりRbiに繋がってい
    るフェニルであって、このフェニルRbhはハロ、(1〜
    3C)アルキル、(1〜3C)アルコキシ、ヒドロキ
    シ、(1〜3C)アルキルチオ、(1〜3C)アルキル
    スルフィニル及び(1〜3C)アルキルスルホニルから
    選択される置換基を更に有していてもよく、二価基Xb
    はメチレン、カルボニル又はスルホニルであり、そして
    biはオキシ又は式−NRbj−(Rbjは水素又は(1〜
    3C)アルキルである)のイミノである}であり;式I
    cの基については、RcaはAr又はHetであり;そし
    てZc はオキソ、チオ、スルフィニル、スルホニル又は
    式−NRcb−{Rcbは(1〜3C)アルキル又はRcc
    cdN−(CH2)q −(qは2又は3の整数であり、そし
    てRcc及びRcdは独立して水素又は(1〜3C)アルキ
    ルであるか又は基RcccdNがピロリジノ、ピペリジノ
    又はモルホリノである)である}のイミノであり;式I
    dの基については、Rdaは水素、(1〜6C)アルキ
    ル、Ar、Het、α−ヒドロキシベンジル、スチリ
    ル、又はRdb−(1〜3C)アルキル(Rdbはアリー
    ル、ピリジル、ピリジルチオ又は1−メチル−2−イミ
    ダゾリルチオである)であって、Rdaの芳香族基又は部
    分は1又は2以上のハロ、ヒドロキシ、(1〜4C)ア
    ルキル又は(1〜4C)アルコキシ置換基を有していて
    もよく;Xd はオキシ又は−CHRdc−{Rdcは水素、
    ヒドロキシ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜4C)ア
    ルカノイルオキシ、NRddde(Rdd及びRdeは独立し
    て水素若しくは(1〜4C)アルキルであるか又は基N
    dddeがピロリジノ、ピペリジノ又はモルホリノであ
    る)又は(1〜4C)アルカノイルアミノである}であ
    り;pは0又は1の整数であり;そしてZd は単結合
    (Rdaが水素であるか又はpが1である場合を除く)、
    メチレン又はカルボニルであり;式Ieの基について
    は、Je は酸素、硫黄又はNRea(Reaは水素又は(1
    〜3C)アルキルである)であり;Rebは水素、ヒドロ
    キシ置換基及び/又は1〜3のフルオロ置換基を有して
    いてもよい(1〜6C)アルキル、(3〜6C)アルケ
    ニル(ビニル炭素は窒素に結合していない)、2−ヒド
    ロキシエチル、(3〜7C)シクロアルキル、Ar又は
    Hetであり;Recは水素、ヒドロキシ置換基及び/又
    は1〜3のフルオロ置換基を有していてもよい(1〜6
    C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル、(1〜5
    C)アルコキシ(Je が酸素である場合に限る)、(3
    〜6C)シクロアルコキシ(Je が酸素である場合に限
    る)、又は0〜7の炭素原子を含有する式NRed
    ee{Red及びReeはそれぞれ独立して水素、(1〜5
    C)アルキル又は(3〜6C)シクロアルキルである
    か、又は基NRedeeがピロリジノ、ピペリジノ、モル
    ホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又は
    ピペラジニル(このピペラジニル基は4位に(1〜3
    C)アルキル置換基を有していてもよい)である}のア
    ミノ基であり;式Ifの基については、Jf は酸素、硫
    黄又はNRfa(Rfaは水素又は(1〜3C)アルキルで
    ある)であり;Lf は二価の炭化水素基であって、その
    1位が基Jf を有する炭素に結合しており、この二価基
    f はトリメチレン、 cis−プロペニレン、テトラメチ
    レン、 cis−ブテニレン、 cis−3−ブテニレン、 ci
    s,cis−ブタジエニレン、ペンタメチレン、及び cis−
    ペンテニレンから選択され、二価基Lf 自体が1又は2
    のメチル置換基を有していてもよく;式Igの基につい
    ては、Zg は(1〜8C)アルキル又は(3〜8C)シ
    クロアルキルであって、ハロ、(3〜6C)シクロアル
    キル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(1〜4C)アル
    コキシ、(1〜5C)アルカノイルオキシ、アロイル、
    ヘテロアロイル、オキソ、イミノ((1〜6C)アルキ
    ル、(3〜6C)シクロアルキル、(1〜5C)アルカ
    ノイル又はアロイル置換基を有していてもよい)、ヒド
    ロキシイミノ(酸素上に(1〜4C)アルキル又はフェ
    ニル置換基を有していてもよい)、式NRgagbのアミ
    ノ基、式NRgcgdのアミノ基、式C(=NRgg)NR
    gegfのアミジノ基、及び式CON(ORgh)Rgiのカ
    ルバモイル基からなる群から選択される1又は2以上の
    置換基(ヒドロキシとオキソ置換基が一緒にカルボキシ
    基を形成するあらゆる基を除く)を有していてもよく
    {式NRgagbのアミノ基は0〜7の炭素原子を含有
    し、Rga及びRgbはそれぞれ独立して水素、(1〜5
    C)アルキル若しくは(3〜6C)シクロアルキルであ
    るか又は基NRgagbがピロリジノ、ピペリジノ、モル
    ホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又は
    ピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3C)
    アルキル置換基を有していてもよい)であり;そしてR
    gcは水素又は(1〜3C)アルキルであり、Rgdは(1
    〜5C)アルカノイル、アロイル若しくはヘテロアロイ
    ルであるか;又はRgdは式C(=Jg ) NRgegfの基
    (Jg は酸素、硫黄、NRgg又はCHRgjである)であ
    り;そしてアミノ基NRgegfは0〜7の炭素原子を含
    有し、Rge及びRgfはそれぞれ独立して水素、(1〜5
    C)アルキル若しくは(3〜6C)シクロアルキルであ
    るか、又は基NRgegfがピロリジノ、ピペリジノ、モ
    ルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又
    はピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3
    C)アルキル置換基を有していてもよい)であるか、又
    はRgeが水素又は(1〜4C)アルキルでありRgfがR
    ggと一緒にエチレン又はトリメチレン基を形成し;Rgg
    は水素、(1〜4C)アルキルであるか又はRgfと一緒
    にエチレン又はトリメチレン基を形成し;Rgjはシア
    ノ、ニトロ又はSO2gkであってRgkは(1〜4C)ア
    ルキル又はフェニルであり;Rgh及びRgiは独立して
    (1〜3C)アルキルである};そしてZg 上の置換基
    であるか又はZg 上の置換によって形成される環状基
    は、更なる置換基として炭素上に1又は2以上の(1〜
    3C)アルキル基を有していてもよく;そして基Zg
    一部であるアリール又はヘテロアリール基は、1又は2
    以上のハロ、(1〜4C)アルキル、(1〜4C)アル
    コキシ、シアノ、トリフルオロメチル又はニトロ置換基
    を有していてもよく;式Ihの基については、Gh は単
    結合、二重結合又は二価の炭化水素基を表し;Jh はG
    h が二重結合を表す場合には単結合によりこの環に結合
    する基を表すが他の場合には二重結合により結合する基
    を表し;Mh はヘテロ原子、置換ヘテロ原子、又は単結
    合を表し;そしてLh は1位がMh に結合している炭化
    水素基を表し;Gh 、Jh 、Mh 及びLh の意義は下記
    の (a)〜(h) : (a) Gh が単結合であり;Jh がオキソ又はチオキソで
    あり;Mh がオキシ、チオ又はNRhaであり;そしてL
    h がLhaである; (b) Gh が単結合であり;Jh がNRhbであり;Mh
    NRhaであり;そしてLh がLhaである; (c) Gh が二重結合であり;Jh がORha、SRha又は
    NRhchdであり;Mh が窒素であり;そしてLh がL
    haである; (d) Gh が1又は2のメチル置換基を有していてもよい
    メチレンであり;Jh がオキシ、チオ又はNRheであ
    り;Mh がオキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル又
    はNRhaであり;そしてLh がLhbである; (e) Gh が単結合であり;Jh がオキソ、チオキソ又は
    NRheであり;Mhが窒素であり;そしてLh がLhc
    ある; (f) Gh が(1〜3C)アルキル置換基を有していても
    よいメチンであり;Jh がオキソ、チオキソ又はNRhe
    であり;Mh が窒素であり;そしてLh がLhdである; (g) Gh が1又は2のメチル置換基を有していてもよい
    cis−ビニレンであり;Jh がオキソ、チオキソ又はN
    heであり;Mh が窒素であり;そしてLhがLheであ
    る;及び (h) Gh が単結合であり;Jh がオキソ又はチオキソで
    あり;Mh が単結合であり;そしてLh がLhfである;
    {Rhaは水素又は(1〜3C)アルキルであり;Rhb
    水素、(1〜3C)アルキル、シアノ、(1〜3C)ア
    ルキルスルホニル又はニトロであり;Rhc及びRhdは独
    立して水素又は(1〜3C)アルキルであるか又は基N
    hchdがピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオ
    モルホリノ(又はそのS−オキシド)又はピペラジニル
    (このピペラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置換
    基を有していてもよい)であり;Rheは水素又は(1〜
    3C)アルキルであり;Lhaはエチレン、 cis−ビニレ
    ン、トリメチレン又はテトラメチレンであって、基Lha
    自体が1又は2のメチル置換基を有していてもよく;L
    hbはエチレン又はトリメチレンであって、基Lhb自体が
    1又は2のメチル置換基を有していてもよく;Lhcは2
    −プロペン−1−イリデン−3−イルであって、基Lhc
    自体が1又は2のメチル置換基を有していてもよく;L
    hdは cis−ビニレンであって、基Lhd自体が1又は2の
    メチル置換基を有していてもよく;Lheはメチンであっ
    て、基Lhe自体が(1〜3C)アルキル置換基を有して
    いてもよく;そしてLhfは4−オキサブタン−1,4−ジ
    イルである}から選択されるものであり;式Ijの基に
    ついては、Xj は(1〜6C)アルキル、−CH2
    ja、−CH2SRja、−CH2S(O)Rjg、−CH2
    (O)2jg、−CORja、−COORja、−C(=
    ja)NRjbjc、−C(Rja)(ORjd)(O
    je)、−CH2N(Rja)C(=Jja)Rjf、−CH2
    (Rja)COORjg又は−CH2N(Rja)C(=Jja
    NRjbjcであり;Bj は直接結合でLj は1位がBj
    に結合している炭化水素鎖であって、Lj がトリメチレ
    ン、テトラメチレン、 cis−1−ブテニレン及び cis,c
    is−ブタジエニレンから選択されるか;又はBj はN
    (Rjh)でLj がエチレン、トリメチレン及び cis−ビ
    ニレンから選択される炭化水素鎖であるか;又はBj
    NでLj は1位がBj に結合している炭化水素鎖であっ
    て、Lj が cis,cis−2−プロペン−1−イリデン−3
    −イルであり;Jj 及びJjaは独立して酸素又は硫黄で
    あり;Rja、Rjf及びRjhは独立して水素又は(1〜6
    C)アルキルであり;Rjb及びRjcは独立して水素又は
    (1〜6C)アルキルであるか;又は基NRjbjcがピ
    ロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ
    (又はそのS−オキシド)又はピペラジニル(このピペ
    ラジニルは4位に(1〜3C)アルキル置換基を有して
    いてもよい)であり;Rjd及びRjeは独立して(1〜3
    C)アルキルであるか又は一緒になってエチレン及びト
    リメチレンから選択される二価の炭化水素鎖を形成し;
    jgは(1〜6C)アルキルであり;そして式Ikの基
    については、Zk は下式II: 【化5】 〔式中、E1 、E2 、E3 及びE4 は、E1 、E2 、E
    3 及びE4 それぞれがメチンであるか又はE1 、E2
    3 及びE4 の1又は2が窒素であって残りのE1 、E
    2 、E3 及びE4 がメチンである二価の4員鎖(−E1
    E2−E3=E4−)を形成し;更にメチンである1又は2以
    上のE1 、E2 、E3 及びE4 がハロ、(1〜3C)ア
    ルキル、ヒドロキシ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜
    3C)アルキルチオ、(1〜3C)アルキルスルフィニ
    ル又は(1〜3C)アルキルスルホニル置換基を有して
    いてもよく;そして、基Fk 、Gk 及びIk (Xk )は
    下記の (a)〜(d) : (a) Gk が直接結合であり、Ik (Xk )が式=C(M
    k )−を有する基であり、そしてFk が−CH=及び−
    N=から選択される基である; (b) Gk が直接結合であり、Ik (Xk )が式−C(=
    k )−を有する基であり、そしてFk が−N(Rkf
    −、−CH2−CH2−、−CH=CH−、−CH2−N(R
    kf)−及び−CH=N−から選択される基である; (c) Gk が式−CH2−を有する基であり、Ik (Xk
    が式−C(=Jk )−を有する基であり、そしてFk
    −CH2−及び−N(Rkf)−から選択される;及び (d) Gk が−CH2−、−CH2−CH2−、−CH=CH−
    及び−N=CH−から選択され、Ik (Xk )が式−C
    (=Jk )−を有する基であり、そしてFkが直接結合
    である;{Jk は酸素又は硫黄であり;Mk は−O
    ka、−SRka、−CORka、−COORka、−C(=
    ka)NRkbkc又は−C(Rka)(ORkd)(O
    ke)であり;Jkaは酸素又は硫黄であり;Rka及びR
    kfは独立して水素又は(1〜6C)アルキルであり;R
    kb及びRkcは独立して水素又は(1〜6C)アルキルで
    あるか;又は基NRkbkcがピロリジノ、ピペリジノ、
    モルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)
    又はピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3
    C)アルキル置換基を有していてもよい)であり;Rkd
    及びRkeは独立して(1〜3C)アルキルであるか又は
    kdとRkeが一緒にエチレン又はトリメチレンを形成す
    る}から選択される。〕の窒素連結基であるか;又はZ
    k はフタルイミド、スクシンイミド、マレイミド、グル
    タルイミド、及び3−オキサグルタルイミド、3−チア
    グルタルイミド及び3−アザグルタルイミドから選択さ
    れるイミド基であって、1又は2以上の(1〜3C)ア
    ルキル置換基を有していてもよく、加えて、フタルイミ
    ドの芳香族部分が1又は2以上のハロ、ヒドロキシ又は
    (1〜3C)アルコキシ置換基を有していてもよい基で
    あり;そしてQ1 基については、Arは、フェニル基又
    は少なくとも1の環が芳香族である9〜10の環員原子
    のオルト縮合二環式炭素環基であって、Ar基は無置換
    であっても、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、(1
    〜4C)アルキル、(1〜4C)アルコキシ、メチレン
    ジオキシ、ヒドロキシ、メルカプト、−S(O)n
    xa、(1〜5C)アルカノイル、(1〜5C)アルカ
    ノイルオキシ、ニトロ、NRxbxc、NRxdxe、C
    (=NRxf)NRxgxh、CONRxbxc及びCOOR
    xj{nは0、1又は2の整数であり、Rxaは(1〜6
    C)アルキル、(3〜6C)シクロアルキル又はフェニ
    ル(このフェニルはハロ、トリフルオロメチル、(1〜
    3C)アルキル又は(1〜3C)アルコキシ置換基を有
    していてもよい)であり、基NRxbxcは0〜7の炭素
    を含有し、そしてRxb及びRxcそれぞれは独立して水
    素、(1〜5C)アルキル又は(3〜6C)シクロアル
    キルであるか、又は基NRxbxcがピロリジノ、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキ
    シド)又はピペラジニル(このピペラジニルは4位に
    (1〜3C)アルキル置換基を有していてもよい)であ
    り;そしてRxdは水素又は(1〜4C)アルキルであ
    り;Rxeは(1〜5C)アルカノイル、ベンゾイル、又
    は式C(=Jx )NRxgxhの基(Jx は酸素、硫黄、
    NRxf又はCHRxiである)であり;Rxfは水素、(1
    〜5C)アルキル又はRxgと一緒にエチレン又はトリメ
    チレン二価基を形成し、基NRxgxhは0〜7の炭素を
    含有して、Rxg及びRxhそれぞれは独立して水素、(1
    〜5C)アルキル又は(3〜6C)シクロアルキルであ
    るか、又は基NRxgxhがピロリジノ、ピペリジノ、モ
    ルホリノ、チオモルホリノ(又はそのS−オキシド)又
    はピペラジニル(このピペラジニルは4位に(1〜3
    C)アルキル置換基を有していてもよい)であるか;又
    はRxgがRxfと一緒にエチレン又はトリメチレン二価基
    を形成してRxhが水素又は(1〜5C)アルキルであ
    り;Rxiはシアノ、ニトロ、(1〜5C)アルキルスル
    ホニル又はフェニルスルホニルであり;そしてRxjは水
    素、(1〜5C)アルキル又はベンジルである}から選
    択される1又は2以上の置換基を有していてもよく;そ
    してHetは、酸素、硫黄及び窒素から選択される1〜
    4のヘテロ原子と炭素からなる5又は6の環員原子を含
    有する単環式芳香環の環員炭素を介して結合した基(又
    はその安定なN−オキシド)であるか、又はプロペニレ
    ン、トリメチレン、テトラメチレン又はベンズ二価基を
    縮合させることによってそれから誘導されるオルト縮合
    二環式複素環であって、このHet基は無置換であって
    も、Arについて上で定義した1又は2以上の置換基に
    より炭素上で置換されていても(1〜3C)アルキルに
    より窒素上で置換されていてもよく;Q2 は、ヒドロキ
    シ、(1〜3C)アルコキシ、−SR5 、−OC(=
    O)R6 及び−OC(=O)NR78 から選択される
    一価基であるか;又はチオキソ及びオキソから選択され
    る二価基であり;R5 は、水素、(1〜3C)アルカノ
    イル、(1〜3C)アルキル、フェニル、又はフェニル
    (1〜3C)アルキルであって、いずれのフェニルも、
    ハロ、(1〜3C)アルキル及び(1〜3C)アルコキ
    シから選択される1〜3の置換基によって任意に置換さ
    れていてもよく;R6 は、(1〜4C)アルキル、フェ
    ニル、又はフェニル(1〜3C)アルキルであって、い
    ずれのフェニルも、ハロ、(1〜3C)アルキル、及び
    (1〜3C)アルコキシから選択される1〜3の置換基
    によって任意に置換されていてもよく;R7 及びR8
    独立して、水素、(1〜4C)アルキル、フェニル、又
    はフェニル(1〜3C)アルキルであって、いずれのフ
    ェニルも、ハロ、(1〜3C)アルキル、及び(1〜3
    C)アルコキシから選択される1〜3の置換基によって
    任意に置換されていてもよく;Q3 は、水素又は(1〜
    3C)アルキルであり;Q4 は、ハロ、トリフルオロメ
    チル、ヒドロキシ、(1〜3C)アルコキシ、(1〜3
    C)アルキル及びメチレンジオキシから独立に選択され
    る1又は2の置換基を有していてもよいフェニルである
    か;又はQ4 は、ハロ置換基を有していてもよいチエニ
    ル、イミダゾリル、ベンゾ〔b〕チオフェニル又はナフ
    チルであるか;又はQ4 は、ビフェニリルあるか;又は
    4 は、1位にベンジル置換基を有していてもよい炭素
    連結インドリルであり;Tは、2〜3の窒素を含有する
    炭素連結5員芳香環であって、連結炭素に隣接する環の
    位置で基Q5 により置換されており;そしてQ5 は、
    (1〜6C)アルキル(二重又は三重結合を含有してい
    てもよい)、(3〜6C)シクロアルキル(二重を含有
    していてもよい)、(3〜6C)オキサシクロアルキル
    (二重を含有していてもよい)、アリール、アリール
    (1〜3C)アルキル、又は酸素、硫黄及び窒素から選
    択される1〜4のヘテロ原子と炭素からなる5員又は6
    員ヘテロアリール(又はそのN−オキシド)であって、
    アリール若しくはヘテロアリール基又は基の部分が(1
    〜3C)アルキル、(1〜3C)アルコキシ、メチレン
    ジオキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、(1〜4C)アシル
    オキシ及びNRAB (RA 及びRB は独立して、水素
    又は(1〜3C)アルキルであるか、又はRA が水素又
    は(1〜3C)アルキルであってRB が(1〜4C)ア
    シルである)から選択される1又は2以上の置換基を炭
    素上に有していてもよい。〕 又はΔにより示されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素
    である場合はQ1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒
    素)のそのN−オキシド;又は薬学的に許容できるその
    塩;又はその4級アンモニウム塩であって、Δにより示
    されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ
    1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアン
    モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1
    (1〜4C)アルキル又はベンジルであって、結合して
    いる対イオンAが薬学的に許容できるアニオンである
    塩。
  2. 【請求項2】 Q2 がヒドロキシ、アセトキシ、(1〜
    3C)アルコキシ及びオキソから選択される一価又は二
    価の基である請求項1記載の式Iの化合物;又はΔによ
    り示されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合
    はQ1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)のそのN
    −オキシド;又は薬学的に許容できるその塩;又はその
    4級アンモニウム塩であって、Δにより示されるピペリ
    ジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ1 のいずれか
    の塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアンモニウム窒素
    であり、その窒素上の4番目の基R1 が(1〜4C)ア
    ルキル又はベンジルであって、結合している対イオンA
    が薬学的に許容できるアニオンである塩。
  3. 【請求項3】 下式III の化合物である、請求項1記載
    の式Iの化合物: 【化6】 (式中、Q1aは、請求項1で定義したZが窒素を表す式
    1 の基であり;そしてQ2 、T及びQ5 は、請求項1
    で与えた定義を有する。) 又はΔにより示されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素
    である場合はQ1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒
    素)のそのN−オキシド;又は薬学的に許容できるその
    塩;又はその4級アンモニウム塩であって、Δにより示
    されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ
    1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアン
    モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1
    (1〜4C)アルキル又はベンジルであって、結合して
    いる対イオンAが薬学的に許容できるアニオンである
    塩。
  4. 【請求項4】 Arが、無置換であっても、クロロ、メ
    チル、メトキシ、ヒドロキシ又はメチルスルフィニル置
    換基を有していてもよいフェニル基であり;Hetが、
    無置換であっても、クロロ、メチル、メトキシ、ヒドロ
    キシ、メチルスルフィニル、メトキシカルボニル又はエ
    トキシカルボニル置換基を有していてもよいフリル、チ
    エニル、2−イミダゾリル、1,3,4−オキサジアゾール
    −2−イル、ピリジル又はピリミジニルであり;アリー
    ルが、フェニルであり;ヘテロアリールが、フリル、ピ
    リジル又はピリミジニルであり;ハロが、クロロ又はブ
    ロモであり;(1〜3C)アルキルが、メチル、エチ
    ル、プロピル又はイソプロピルであり;(1〜4C)ア
    ルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
    ブチル、イソブチル又はt−ブチルであり;(1〜5
    C)アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
    ピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル又は
    イソペンチルであり;(1〜6C)アルキルが、メチ
    ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
    チル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル
    又はイソヘキシルであり;(1〜8C)アルキルが、メ
    チル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソペンチ
    ル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1
    −プロピルブチル、又はオクチルであり;(3〜6C)
    シクロアルキルが、シクロプロピル、シクロペンチル又
    はシクロヘキシルであり;(3〜7C)シクロアルキル
    が、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル
    又はシクロヘプチルであり;(3〜8C)シクロアルキ
    ルが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシ
    ル、シクロヘプチル又はシクロオクチルであり;(3〜
    6C)アルケニルが、アリル、2−ブテニル又は3−メ
    チル−2−ブテニルであり;(1〜4C)アルカノイル
    が、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又は
    イソブチリルであり;そして(1〜5C)アルカノイル
    が、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
    ソブチリル、バレリル、イソバレリル又はピバロイルで
    ある請求項1記載の式Iの化合物;又はΔにより示され
    るピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ1
    いずれかの塩基性ピペラジニル窒素)のそのN−オキシ
    ド;又は薬学的に許容できるその塩;又はその4級アン
    モニウム塩であって、Δにより示されるピペリジノ窒素
    (又はZa が窒素である場合はQ1 のいずれかの塩基性
    ピペラジニル窒素)が四価のアンモニウム窒素であり、
    その窒素上の4番目の基R1 が(1〜4C)アルキル又
    はベンジルであって、結合している対イオンAが薬学的
    に許容できるアニオンである塩。
  5. 【請求項5】 Q1 が、4−ベンジルピペリジノ、4−
    (3−メトキシフェニル)ピペリジノ、4−(2−メチ
    ルスルフィニル)フェニルピペリジノ、4−(2−ピリ
    ジル)ピペリジノ、4−(3−ピリジル)ピペリジノ、
    4−(2−メチルスルフィニルピリド−3−イルピペリ
    ジノ、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ、4−
    アセトアミド−4−フェニルピペリジノ、4−(N−フ
    ェニルアセトアミド)ピペリジノ、4−(2−ヒドロキ
    シエチル)ピペリジノ、4−(1−ヒドロキシ−1−プ
    ロピルブチル)ピペリジノ、4−(2−オキソピロリジ
    ン−1−イル)ピペリジノ、4−(2−オキソピペリジ
    ノ)ピペリジノ、4−(2−チオキソピペリジノ)ピペ
    リジノ、4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−
    イル)ピペリジノ、4−エトキシカルボニル−4−(2
    −オキソピペリジノ)ピペリジノ、4−メトキシカルボ
    ニル−4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イ
    ル)ピペリジノ、4−(1−オキソイソインドリン−2
    −イル)ピペリジノ、4−(2−オキソ−2,3−ジヒド
    ロベンズイミダゾール−1−イル)ピペリジノ、4−
    (2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3
    −イル)ピペリジノ又は4−メチルアミノカルボニル−
    4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)ピ
    ペリジノであり;Q2 がヒドロキシであり;Q3 が水素
    であり;Q4 が、3,4−ジクロロフェニル又は3,4−メ
    チレンジオキシフェニルであり;Tが、イミダゾール−
    2−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−3−イ
    ル、ピラゾール−5−イル、トリアゾール−4−イル、
    又はトリアゾール−5−イルであり;そしてQ5 がフェ
    ニルである請求項1記載の式Iの化合物;又はΔにより
    示されるピペリジノ窒素のそのN−オキシド;又は薬学
    的に許容できるその塩;又はその4級アンモニウム塩で
    あって、Δにより示されるピペリジノ窒素が四価のアン
    モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1 がメ
    チル又はベンジルであって、結合している対イオンAが
    クロリド、ブロミド又はメタンスルホネートである塩。
  6. 【請求項6】 Q1 が、4−ヒドロキシ−4−フェニル
    ピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
    ノ、4−(1−ヒドロキシ−1−プロピルブチル)ピペ
    リジノ、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリジノ、又
    は4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1−イル)
    ピペリジノであり;そしてTがトリアゾール−5−イル
    である請求項1記載の式Iの化合物;又はΔにより示さ
    れるピペリジノ窒素のそのN−オキシド;又は薬学的に
    許容できるその塩;又はその4級アンモニウム塩であっ
    て、Δにより示されるピペリジノ窒素が四価のアンモニ
    ウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1 が(1〜
    4C)アルキル又はベンジルであって、結合している対
    イオンAが薬学的に許容できるアニオンである塩。
  7. 【請求項7】 Je 、Jf 、Jg 、Jj 、Jja、Jk
    びJkaが酸素でJhがオキソであり;Q2 がヒドロキシ
    であり;Q3 が水素であり;Q4 がハロ、トリフルオロ
    メチル及びメチレンジオキシから選択される1又は2の
    置換基を有していてもよいフェニルであり;そしてQ5
    がフェニルである請求項1記載の式Iの化合物;又はΔ
    により示されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である
    場合はQ1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)のそ
    のN−オキシド;又は薬学的に許容できるその塩;又は
    その4級アンモニウム塩であって、Δにより示されるピ
    ペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ1 のいず
    れかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアンモニウム
    窒素であり、その窒素上の4番目の基R1 が(1〜4
    C)アルキル又はベンジルであって、結合している対イ
    オンAが薬学的に許容できるアニオンである塩。
  8. 【請求項8】 Q1 が、4−ヒドロキシ−4−フェニル
    ピペリジノ、4−アセトアミド−4−フェニルピペリジ
    ノ、4−アセトアミド−4−(2−オキソピペリジノ)
    ピペリジノ、4−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピ
    ル)ピペリジノ、4−(2−オキソピペリジノ)ピペリ
    ジノ、又は4−(2−オキソパーヒドロピリミジン−1
    −イル)ピペリジノである請求項7記載の式Iの化合
    物;又はΔにより示されるピペリジノ窒素のそのN−オ
    キシド;又は薬学的に許容できるその塩;又はその4級
    アンモニウム塩であって、Δにより示されるピペリジノ
    窒素が四価のアンモニウム窒素であり、その窒素上の4
    番目の基R1 が(1〜4C)アルキル又はベンジルであ
    って、結合している対イオンAが薬学的に許容できるア
    ニオンである塩。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に定義した
    式Iの化合物;又はΔにより示されるピペリジノ窒素
    (又はZa が窒素である場合はQ1 のいずれかの塩基性
    ピペラジニル窒素)のそのN−オキシド(Zd がカルボ
    ニルである場合を除く);又は薬学的に許容できるその
    塩;又はその4級アンモニウム塩であって、Δにより示
    されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ
    1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアン
    モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1
    (1〜4C)アルキル又はベンジルであって、結合して
    いる対イオンAが薬学的に許容できるアニオンである塩
    (Zd がカルボニルである場合を除く);及び薬学的に
    許容できる希釈剤又はキャリヤーを含む医薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に定義し
    た式Iの化合物;又はΔにより示されるピペリジノ窒素
    (又はZa が窒素である場合はQ1 のいずれかの塩基性
    ピペラジニル窒素)のそのN−オキシド(Zd がカルボ
    ニルである場合を除く);又は薬学的に許容できるその
    塩;又はその4級アンモニウム塩であって、Δにより示
    されるピペリジノ窒素(又はZa が窒素である場合はQ
    1 のいずれかの塩基性ピペラジニル窒素)が四価のアン
    モニウム窒素であり、その窒素上の4番目の基R1
    (1〜4C)アルキル又はベンジルであって、結合して
    いる対イオンAが薬学的に許容できるアニオンである塩
    (Zd がカルボニルである場合を除く)の製造方法であ
    って、下記工程を特徴とする方法。 (a) Zが窒素を表す式Iの化合物について(又は式III
    の化合物について)は、下式 IIIa: 【化7】 (式中、Q1aは、式Iの化合物について上に定義したZ
    が窒素を表す式Q1 の基である)のピペリジンを、下式
    IV(又は下式IVa): 【化8】 のアルデヒドで、還元的アルキル化によってアルキル化
    するか;又は (b) 式 IIIaのピペリジンを、下式V(又は下式V
    a): 【化9】 (式中、Yは脱離基である)のアルキル化剤でアルキル
    化する; (c) 式Iの化合物のΔにより示されるピペリジノ窒素の
    N−オキシドについては、式Iの化合物のΔにより示さ
    れるピペリジノ窒素を酸化する; (d) 式I(又は式 III)の化合物のΔにより示されるピ
    ペリジノ窒素の4級アンモニウム塩については、式I
    (又は式 III)の化合物のΔにより示されるピペリジノ
    窒素を式R1 Yのアルキル化剤でアルキル化するか又は
    下式 IIIb: 【化10】 のピペリジンを式V(Yは脱離基である)のアルキル化
    剤でアルキル化する; (e) Q1 が式Id: 【化11】 の基である式Iの化合物については、式VI: 【化12】 の対応する出発原料の二重結合を還元するか;又は (f) Q1 が式Idの基である式Iの化合物については、
    式VIa: 【化13】 の化合物の窒素を式Rda−(Xdp −Zd −の基で置
    換する; (g) スルフィニル基を有する式I(又は式 III)の化合
    物については、スルフィド基を有する式I(又は式 II
    I)の対応する化合物の硫黄を酸化する; (h) スルホニル基を有する式I(又は式 III)の化合物
    については、式I(又は式 III)の対応する化合物のス
    ルフィド基又はスルフィニル基を酸化する; (i) 芳香族水酸基を有する式I(又は式 III)の化合物
    については、芳香族アルコキシ基を有する式I(又は式
    III)の対応する化合物のエーテルを開裂する; (j) Q2 がオキソである式Iの化合物については、式 V
    II: 【化14】 (式中、R2 及びR3 は独立して(1〜3C)アルキル
    である)のアミドを適するカルバニオンと反応させる; (k) Q2 がヒドロキシである式Iの化合物については、
    2 がオキソである式Iの対応する化合物を還元する
    か;又は (l) 式VIII: 【化15】 のアルキンを適する双極性試薬と反応させる; (m) Q2 がヒドロキシである式Iの化合物については、
    式Iの対応するアセトキシ化合物を加水分解する; (n) Q2 がアセトキシ又は(1〜3C)アルコキシであ
    る式Iの化合物については、Q2 がヒドロキシである式
    Iの対応する化合物を処理して、アセトキシ又は(1〜
    3C)アルコキシ基を形成する。
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