JPH07304222A

JPH07304222A - プリンタ用媒体移送装置

Info

Publication number: JPH07304222A
Application number: JP10765195A
Authority: JP
Inventors: Huston W Rice; ヒューストン・ダヴリュ・ライス; Robert K Beretta; ロバート・ケイ・ベレッタ
Original assignee: Hewlett Packard Co
Current assignee: HP Inc
Priority date: 1994-05-03
Filing date: 1995-05-01
Publication date: 1995-11-21
Also published as: EP0680829A3; EP0680829A2

Abstract

(57)【要約】【目的】正確な媒体前進制御のために、低コスト、低
分解能光学センサを使用して前記媒体移送を監視し、そ
の監視情報をフィードバックするプリンタ用媒体移送装
置を提供する。【構成】本発明の前記媒体移送制御装置（40) は、廉
価で、低分解能の発光ダイオード光源（60) を有した光
学エンコーダ（60) 、及びＡ／Ｄ変換器（44) を使用し
て、前記コードホイール（50) 上の整数の縞（52) の間
に規定される距離の正確な段階的移動を達成する。本発
明の前記媒体移送制御装置（40) は、高価なエンコー
ダ、モータ、あるいは伝導装置に依存することなく、
"水平筋 "のような欠陥を実質的に減少あるいは除去す
るため、前記媒体移送の正確な制御を可能にしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プリンタに関し、特
に、媒体移送の正確な制御のための光学制御装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来技術】従来のプリンタは、該プリンタを通してペ
ーパのような記録媒体を前進させる媒体送出組立体を具
備している。前記媒体送出組立体は、主として、摩擦ロ
ーラまたは牽引送出装置及びそれらを回転駆動させるた
めに連結されたモータから成っている。前記媒体送出組
立体は、その印刷作用に同期して駆動されている。原文
あるいはグラフの各行が完成すると、前記媒体送出組立
体は、前記プリンタ内の前記記録媒体を次に行に向けて
増分的に前進する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術のプリンタの
問題点は、前記記録媒体の段階的前進における精度に関
するものである。この問題点は、余り厳しくない許容誤
差条件を有する比較的低コストのモータ及び伝導装置を
使用している廉価なプリンタで特に顕著である。前記廉
価なモータは、比較的低い許容誤差条件により本来的な
不正確さを有している。不完全な伝導装置は、歯車位置
の関数として変化するペーパの変位誤差をもたらすこと
になる。前記低精度のモータ及び伝導装置の複合効果
は、印刷品質を好ましくなく低下させるペーパ移送にお
ける誤差として現れる。或る共通の問題点としては、前
記印刷画像の水平筋（Horizontal Banding）として知ら
れていて、そのような印刷画像において、前記ペーパは
前記変位誤差により、印刷された各行間で間違った距離
を移送される。

【０００４】このペーパ取扱問題に関する従来の一つの
解決策は、単に精巧なモータ及び伝導装置を使用するこ
とであった。しかしながら、これらの構成部品は、低価
格のプリンタでの使用には高価で且つ実用的なものでな
かった。他の解決策として、センサを利用して前記ペー
パの移送を監視し、その移送情報をフィードバックして
前記ペーパの前進を制御することであった。この目的の
ために、光学センサが使用されて来た。

【０００５】前記光学センサには、通常、二種類のセン
サがあり、一つは低コスト、低精度の光学センサであ
り、他のセンサは、高コスト、高精度のものである。前
記低コスト光学センサは、その分解能が求められるプリ
ンタ用途に十分に正確なものでないと言う欠点を有して
いる。前記低コスト光学センサは、通常、0.001 インチ
程度の分解能を有している。一方、高価な光学センサ
（非常に正確な取り付け許容誤差を有するエンコーダ、
あるいは光源としてレーザを使用するセンサ）も、低価
格のプリンタの用途には余りにも高価なものである。前
記ペーパを監視することが可能な、非常に正確な磁界エ
ンコーダを含む他のタイプのセンサがあるが、これらの
センサは、一般に、非常に高価であり、低価格のプリン
タの用途には不適当なものである。従って、高価な構成
部品を使用することなく、ペーパ取扱を正確なものに改
良すべく継続した要請がある。

【０００６】そこで、本発明の目的は、前述した従来技
術の問題点を解消することにあり、且つ正確な媒体前進
制御のために、低コスト、低分解能光学センサを使用し
て前記媒体移送を監視し、その監視情報をフィードバッ
クするプリンタ用媒体移送装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
プリンタを通して記録媒体を増分的に移送する媒体取扱
組立体、隣接する境界間の等間隔に多数配置された境界
及び間隔を有するコードテンプレートと、前記境界及び
間隔を光学的に検出し識別するため、前記コードテンプ
レートに隣接するアナログ光学エンコーダと、前記コー
ドテンプレートあるいは前記光学エンコーダは、前記媒
体取扱組立体が前記プリンタを通して前記記録媒体を移
送するに従って、移動するように取り付けられ、前記光
学エンコーダは、前記プリンタを通した前記記録媒体の
移送量を表示する前記コードテンプレートに関する移動
量を検出し、前記光学エンコーダは、前記境界の検出に
おける第1 振幅及び前記間隔の検出における第2 振幅を
含む反復サイクルを有する前記移動量を表示するアナロ
グ信号を出力することと、前記アナログ信号を受信する
ために前記光学エンコーダに接続され、前記サイクル内
で前記アナログ信号を多数の離散的ディジタルレベルに
変換するため、前記アナログ信号をサンプルするＡ／Ｄ
変換器と、或るサイクルでの選択された離散的ディジタ
ルレベルと、次のサイクルでの同じ選択されたディジタ
ルレベルとの間のインターバル内での前記移動の増分を
規定している前記媒体取扱装置による前記記録媒体の移
送量、及び前記Ａ／Ｄ変換器からの前記離散的ディジタ
ルレベルを受信し、各サイクル毎に前記選択された離散
的ディジタルレベルの反復から引き出される選択された
数の移動増分まで前記記録媒体を移送させる前記媒体取
扱組立体を制御する前記Ａ／Ｄ変換器及び前記媒体取扱
組立体に連結された制御装置、からなることを特徴とす
るプリンタ用媒体移送装置によって達成される。

【０００８】

【作用】本発明のプリンタ用媒体移送装置は、前記媒体
が前記プリンタを通して供給されるにつれて回転するコ
ードホイール、及び該コードホイールに近接してその回
転を光学的に検出する光学エンコーダを具備している。
前記媒体移送制御装置は、さらに、前記アナログ光学エ
ンコーダに連結され、そのアナログ信号を受信し、その
信号を１サイクル内で多数の離散的ディジタルレベルに
変換するＡ／Ｄ変換器を具備している。制御目的のため
に、前記プリンタによる前記記録媒体の移送増加分は、
或るサイクルと次のサイクルとの間隔内で、選択された
離散的なディジタルレベル間の移送量として特定され
る。本発明の制御装置は、前記Ａ／Ｄ変換器に連結され
て前記Ａ／Ｄ変換器からの前記離散的なディジタルレベ
ルを受信し、各サイクル中に前記選択された離散的なデ
ィジタルレベルの反復から得られるような、選択された
個数の移送増分で前記媒体を制御自在に移送するもので
ある。

【０００９】本発明の前記制御装置の他の局面は、前記
選択された数の増分の完了で前記媒体の移送を正確に停
止させるため、残存する離散的なディジタルレベルを使
用して、最終段階の増分の移送中に、前記選択されたデ
ィジタルレベルを目標に設定することである。

【００１０】

【実施例】図1 は、コンピュータ用の媒体移送装置10を
示している。本発明の前記媒体移送装置10は、プリント
ヘッドの各プリント列の行が完成すると、前記媒体を所
定距離まで前進させるシャトル型プリンタのような不連
続の段階で移送させるプリンタ用に特に適している。従
って、前記媒体移送装置10は、インクジェットプリンタ
の文脈で記述する。しかしながら、本発明の局面は、ド
ットマトリックス及びデイジーホイールプリンタのよう
な他のタイプのプリンタにも使用可能である。

【００１１】前記媒体移送装置10は、前記プリンタによ
り記録媒体14を増分的に移送する媒体取扱組立体12を具
備している。前記媒体14は、連続形態あるいは個別のシ
ート原料であっても良く、それはペーパ、接着剤バック
層付ラベル、あるいはその他の印刷可能な材料から成る
ことが可能である。前記媒体取扱組立体12は、摩擦接触
により前記媒体14を前進させるローラ組立部品16、及び
該ローラ組立部品16に動力を与える駆動手段１8 から成
っている。前記駆動手段18は、それに付与される直流電
圧のレベル及び極性に関連して速度と方向を変更する直
流モータ19、及び前記ローラ組立部品16と前記直流モー
タ19を機械的に連結する伝導装置20から成っている。こ
らとは別に、前記駆動装置18を、間欠パルスに応じて速
度及び方向を変更するステッパモータから成ることも可
能である。

【００１２】前記ローラ組立部品16は、プリンタフレー
ム24に回転自在に取り付けられた第一駆動ローラ22を具
備している。前記駆動ローラ22は、前記プリンタにより
前記記録媒体14を増分的に移送するために前記駆動手段
18により回転駆動される。前記駆動ローラ22は、前記媒
体14に接触し、移送するために有効な摩擦面を有してい
る。前記ローラ組立部品16も、前記駆動ローラ22に近接
し、係合する1 個以上の第二ピンチローラ26（図2 ）を
有している。前記ピンチローラ26は、非駆動のものであ
り、前記第一ローラ22との係合により回転駆動する。前
記ピンチローラ26は、前記駆動ローラ22に対し前記媒体
14を支持して、前記プリントヘッドの下方に、前記プリ
ンタによる前記媒体14の移送を容易にしている。本発明
が牽引送出装置のような他の媒体取扱組立体とともに使
用可能であることを注目すべきである。

【００１３】プリントヘッド30が、前記駆動ローラ22に
隣接して取り付けられて、前記記録媒体14上に印刷画像
を付着する。此処に記述されているインクジェットプリ
ンタの文脈で、前記プリントヘッド30が、該プリントヘ
ッド30をプラテン36（図2 ）を横切って往復動するよう
に、固定された細長いロッド34上に滑動自在に軸装され
た往復作動するキャリッジ32上に設けられている。キャ
リッジ駆動組立部品（図示せず）は、前記キャリッジ32
及びプリントヘッド30を前記ロッド34に沿って前後に駆
動する。

【００１４】前記媒体移送装置10は、さらに、前記プリ
ンタによる前記記録媒体14の移送を制御するための媒体
移送制御装置40を有している。前記媒体移送制御装置40
は、アナログ光学エンコーダ装置42、Ａ／Ｄ（アナログ
／ディジタル）変換器44、及び制御装置46から成ってい
る。前記アナログ光学エンコーダ装置42は、前記媒体取
扱組立体12に隣接した検出位置に配設されて、該組立体
12の移動量を検出し、従って、前記記録媒体14の移送量
を検出する。図1 及び図2 に示されているように、前記
光学エンコーダ装置42は、好ましくは、前記第一ローラ
22に隣接して取り付けられた円形コード板あるいあホイ
ール50の形態であるコードテンプレートから成ってい
る。前記コードホイール50は、前記第一ローラ22が回転
すると、回転する。前記コードホイール50は、別の取り
付け位置も適用可能であるが、回転中の軸25の捩じれ効
果を減少させるため、前記伝導装置20の近くにある前記
第一ローラ22の端部に図示されている。前記コードホイ
ール50は、他の直径も可能であるが、前記第一ローラ22
と略同等の直径を有することが好ましい。前記第一ロー
ラ22の直径のい実例値は、約2 インチである。

【００１５】前記コードホイール50は、多重等間隔境界
52及びその円周縁に配設された前記隣接する境界52間に
間隔54を有している。前記境界52は、好ましくは、黒ず
んだ色調の半径方向に向けた縞形状に記される。隣接す
る縞52の中心間の間隔例としては、１／200 インチ（0.
005 インチ) である。前記コードホイール50は、好まし
くは、マイラー（Mylar ^TM）のような光透過材料から形
成される、前記縞52は、その上に印刷、あるいあ付着さ
れる非光透過性インクまたは染料から形成される。この
ような方法で、前記縞52は、そこを光が通過することを
阻止し、一方、前記間隔54は光の通過を許容する。しか
しながら、種々の形状（例えば、線状のコード縞）ある
いは境界（例えば、反射性染料あるいは孔）を有する他
のタイプのコードテンプレートが使用できることに注目
されるべきである。

【００１６】前記光学エンコーダ装置42は、さらに、前
記回転コードホイール50に隣接して光学エンコーダ60を
具備し、該エンコーダ60が、該コードホイール50上の前
記境界52及び間隔54を光学的に検出し、両者を区別して
いる。前記光学エンコーダ60は、前記コードホイール50
が前記光学エンコーダ60を通り過ぎて移動するように、
前記フレーム24に固定されている。

【００１７】図3 に示されているように、アナログ光学
エンコーダ60は、好ましくは、２チャンネルエンコーダ
である。前記光学エンコーダ60は、前記伝送コードホイ
ール50の半径方向に突出しているエッジを通して光ビー
ムを発光するように方向付けられた１個の光源62、及び
前記円状コードホイール50を通して通過する光を検出す
るように配置れた２個の受光器64ａ及び64ｂを有してい
る。前記光源62は、他のタイプの光源が使用可能である
が、好ましくは、発光ダイオード（ＬＥＤ）である。前
記受光器64の例としては、光電検出器、電荷結合素子、
フォトダイオード、およびフォトトランジスタ等が含ま
れる。前記光源62及び受光器64a,64b が前記コードホイ
ール50の同一側に配設されている場合、前記光学エンコ
ーダ60は、前述した実施例に代わり、反射型エンコーダ
として構成可能である。この変更例において、前記コー
ドホイール50上の前記境界52が前記光源62の光ビームを
前記受光器64a,64b に反射させる。

【００１８】前記駆動ローラ22は前記駆動手段18により
回転駆動されて、前記媒体14を前進させると、前記回転
コードホイール50は、同様に回転駆動されて、前記縞52
及び間隔54から成る交互のパターンを、前記光学エンコ
ーダ60を経て通過させる。それに応じて、前記光学エン
コーダ60は、前記ローラ22の回転を表示する少なくとも
１個、好ましくは２個のアナログ信号Ａ，Ｂを出力す
る。前記ローラ22の直径と同等にしてある前記コードホ
イール50の好ましい直径を以て、該コードホイル50のパ
ターン化されたエッジが、前記ローラ面と同じ半径で前
記エンコーダ60の前記発光ダイオード及び受光器の間を
通過し、それによって、前記エンコーダ出力と前記媒体
移送との間に対応関係を提供している。

【００１９】図4 は、前記コードホイール50上の前記縞
52と間隔54に関連して、前記エンコーダ60による１個の
アナログ出力信号を示している。前記アナログ信号は、
前記縞52の検出における第1 振幅70から前記間隔54の検
出における第2 振幅72を含む繰り返しサイクルを有して
いる。前記境界52は、該境界52の幅Ｗ_D及び間隔54の幅
Ｗ_Sが等しくなるように設定されている。このような設
定は、より連続するアナログ出力信号の発生を促してい
る。前記アナログ信号は、前記エンコーダ60と前記コー
ドホイール50の不完全さのため、完全なものではない
が、正弦波に近似している。必要に応じ、前記信号は、
高い振幅ピークが前記間隔54に対応し、低い振幅の谷が
前記境界52に対応するように変換可能である。

【００２０】前記光学エンコーダ60と比べ、従来の廉価
な光学センサは、二つの状態、即ちオン（または高）及
びオフ（または低）の間で切り替わるディジタル信号を
出力するように設計されている。そのような光学センサ
は、或るしきい値よりも高いアナログ信号と、そのしき
い値よりも低いアナログ信号に関連してオン及びオフ状
態間での遷移に対し、前記エンコーダのアナログ出力に
連結された内部シュミットトリガーを使用する。本発明
の光学エンコーダは、前記シュミットトリガーを使用せ
ず、代わりにアナログ信号を出力する。

【００２１】図5 は、2 チャンネル光学エンコーダ60の
2 個のアナログ信号Ａ，Ｂを示している。前記2 チャン
ネル光学エンコーダ60は、前記第1 ローラ22の位置及び
回転方向の検出を可能にしている。その回転方向は、前
記2 個の信号Ａ，Ｂ間での位相シフトにより決定され
る。前記第1 ローラ22の一方の回転方向に関し、前記出
力信号Ｂは、前記出力信号Ａに90°遅れている。それに
対して、逆の回転方向に関しては、前記出力信号Ｂは、
前記出力信号Ａに90°進む。

【００２２】図1 に戻ると、前記光学エンコーダ60から
の前記2 個のアナログ出力信号Ａ，Ｂは、前記Ａ／Ｄ変
換器44に入力される。前記Ａ／Ｄ変換器44は、前記両ア
ナログ信号をサンプルし、所定のサイクル内に多数の離
散的ディジタルレベルに各信号を変換する。前記Ａ／Ｄ
変換器44は、特に「高分解領域」として図5 に示されて
いるように前記正弦波の遷移部分内で、前記アナログ信
号の高分解能をもたらしている。

【００２３】ｎビットのＡ／Ｄ変換器は、前記アナログ
信号の高低振幅間で2 ⁿの離散的ディジタルレベルを供
給する。本発明は、好ましくは、0.001 インチ以上の
移動量を検出するタイプの廉価で、低分解能の光学エン
コーダを使用する。前記ｎビットＡ／Ｄ変換器におい
て、そのような低分解能光学エンコーダを利用している
媒体移送装置10は、コントローラ分解能を著しく改良
し、従って前記媒体のより正確な取り扱いを可能にする
約0.001 /2ⁿインチ（または回転移動で0.05/2ⁿ°）ま
での移送量を検出することが可能である。

【００２４】図5 を参照して次の実施例を考慮するに、
Ｃ点からＤ点までのアナログ信号Ａの1 サイクルが、1
/200インチ（0.005 インチ）のローラ移動量を示して
いるものと仮定する。これは、前述した各境界52の間の
中心−中心間隔に相当する。前記各振幅ピークアナログ
信号Ａの一部である前記遷移領域Ｔは、約1 /1000イン
チ（0.001 インチ）のローラ移動量を示している。
8 ビットＡ／Ｄ変換器は、前記各振幅ピーク間の前記遷
移領域Ｔを、約2⁸または256 の離散的ディジタルレベル
に分割し、それによりこの領域で約0.001/256インチ
または3.9 ×10^-6インチのアナログ信号の分解能を提供
する。前記256 の離散的ディジタルレベルの全てが前記
領域内で発生するように、前記Ａ／Ｄ変換器を前記領域
内のみで作動させるべく微調整することが可能である。
このことによって、前記シュミットトリガーあるいはそ
れに類似した回路を使用する従来センサにより得られた
単一データポイントと比べ、分解能が強化され、相当の
利点が得られる。

【００２５】前記Ａ／Ｄ変換器44により出力される多数
の離散的ディジタルレベルは、前記媒体移送制御装置40
を、高精度で前記アナログ曲線上の所望の位置に停止可
能である。図5 を参照すると、例えば、前記媒体移送制
御装置40は、サイクル１で或る選択された離散的ディジ
タルレベル（例えば、ポイントＣ）をまた、次のサイク
ル2 で同じく選択された離散的ディジタルレベル（例え
ば、ポイントＤ）を夫々高精度で識別できる。これは、
前記光学エンコーダ60からのアナログ信号出力の完全な
1 サイクル（即ち、或る離散的ディジタルレベル、ポイ
ントＣから次のサイクルで同じ離散的ディジタルレベ
ル、ポイントＤまで）のインターバル中、移動の各増分
が、前記ローラの移動量に等しくなる前記移動の複数の
離散的増分として特徴付けられる前記媒体移送量におい
て特に有効である。また一方、前記移動の増分は、或る
縞52（または間隔54）から次の縞52までの前記ローラ22
の回転量に相当するものである。

【００２６】前記光学エンコーダ60により出力された各
アナログ信号は、完全な正弦波ではないが、或るサイク
ルの所定位置から次のサイクルの同じ位置まで固有の周
波数精度が存在する。実際、前記精度は、前記コードホ
イール50の精度のみによって制限されが、その精度を非
常に正確にすることは可能である。

【００２７】前記制御装置46は、前記Ａ／Ｄ変換器44か
ら種々の離散的ディジタルレベルを受信し、フィードバ
ック制御情報を前記モータ18に供給して、前記駆動ロー
ラ22の正確な位置制御をする。このように、前記光学エ
ンコーダ装置42、Ａ／Ｄ変換器44、及び制御装置46は、
前記プリンタによる前記記録媒体の正確な移送制御のた
めのフィードバック手段を提供する。前記制御装置46
は、各サイクル（即ち、ポイントＣ，Ｄ，等）中に、前
記選択された離散的ディジタルレベルの繰り返しから引
き出される選択された数の移動増分だけ前記媒体14を移
送する。各サイクル内で前記アナログ信号を前記多数の
離散的ディジタルレベルに分割する能力は、前記制御装
置46に零点規正を可能にさせ、各サイクル中に前記アナ
ログ曲線に沿って特定箇所を目標に設定することを可能
にする。

【００２８】法令に従って、本発明は、その構造及び方
法の各特徴に関して多少特有の言語で記述した。しかし
ながら、此処に開示された手段は、本発明を実施するた
めの好ましい形態から成るので、本発明が開示された特
定の特徴事項に限定されないことは理解されるであろ
う。従って、本発明は、そこに開示された技術思想に従
って、適性に解釈される付記した特許請求項の適正な範
囲内に、如何なるその形態あるいは変形も属するもので
ある。

【００２９】以上、本発明の好ましい実施例について詳
述したが、ここで各実施例の理解を容易にするため、各
実施例ごとに要約して列挙する。

【００３０】１．プリンタを通して記録媒体（14) を増
分的に移送する媒体取扱組立体（12) 、隣接する境界間
の等間隔に多数配置された境界（52) 及び間隔（54) を
有するコードテンプレート（50) 、前記境界（52) 及び
間隔（54) を光学的に検出し識別するため、前記コード
テンプレート（50) に隣接するアナログ光学エンコーダ
（60) 、前記コードテンプレート（50) あるいは前記光
学エンコーダ（60) は、前記媒体取扱組立体（12) が前
記プリンタを通して前記記録媒体（14) を移送するに従
って、移動するように取り付けられ、前記光学エンコー
ダ（60) は、前記プリンタを通した前記記録媒体（14)
の移送を表示する前記コードテンプレート（50) に関す
る移動量を検出し、前記光学エンコーダ（60) は、前記
境界の検出にける第1 振幅及び前記間隔の検出における
第2 振幅を含む反復サイクルを有する前記移動量を表示
するアナログ信号を出力し、そして、前記アナログ信号
を受信するために前記光学エンコーダ（60) に接続さ
れ、前記サイクル内で前記アナログ信号を多数の離散的
ディジタルレベルに変換するため、前記アナログ信号を
サンプルするＡ／Ｄ変換器（44) 、或るサイクルでの選
択された離散的ディジタルレベルと、次のサイクルでの
同じ選択されたディジタルレベルとの間のインターバル
内での前記移動の増分を規定している前記媒体取扱装置
による前記記録媒体の移送量、及び前記Ａ／Ｄ変換器
（44) からの前記離散的ディジタルレベルを受信し、各
サイクル毎に前記選択された離散的ディジタルレベルの
反復から引き出される選択された数の移動増分まで前記
記録媒体（14) を移送させる前記媒体取扱組立体（12)
を制御する前記Ａ／Ｄ変換器（44) 及び前記媒体取扱組
立体（12) に連結された制御装置（46) 、からなること
を特徴とするプリンタ用媒体移送装置。

【００３１】２．最終の増分が前記選択された離散的デ
ィジタルレベルにより終結され前記選択された数の増分
が完了したら、前記制御装置（46) が、前記記録媒体
（14)の移送を停止させるように前記媒体取扱組立体（1
2) を制御し、前記最終の増分において前記選択された
離散的ディジタルレベルを目標に定めるために残りの離
散的ディジタルレベルを使用することを特徴とする上記
１に記載のプリンタ用媒体移送装置。

【００３２】３．前記光学エンコーダ（60) が、発光ダ
イオード（62) 及び受光器（64) からなることを特徴と
する上記１に記載のプリンタ用媒体移送装置。

【００３３】４．前記アナログ光学エンコーダ（60)
が、0.001 インチ以上の移動量を検出し、前記Ａ／Ｄ
変換器（44) が、n ビットＡ／Ｄ変換器からなり、わら
に、前記媒体移送装置が、約0.001 /2ⁿインチまでの移
動量を検出可能であることを特徴とする上記１に記載の
プリンタ用媒体移送装置。

【００３４】５．前記媒体取扱組立体（12) が、前記プ
リンタを通して前記記録媒体（14)を移送するために回
転するローラ（22) を具備し、前記コードテンプレート
（50) が、前記ローラの回転とともに回転するように前
記ローラ（22) 取り付けられた回転コードホイールから
なり、該回転コードホイールは、隣接する縞の間に等間
隔に、多数半径方向に配向させた縞及び間隔を有し、さ
らに、前記光学エンコーダ（60) が、前記半径方向の縞
及び間隔を光学的に検出し、識別するため、前記コード
ホイール（50) に隣接して取り付けられたことを特徴と
する上記１に記載のプリンタ用媒体移送装置。

【００３５】６．前記回転コードホイール（50) が、前
記縞がそこを通して光の通過を阻止する一方、前記間隔
がそこを通して光の通過を可能にするような伝達性を有
することを特徴とする上記５に記載のプリンタ用媒体移
送装置。

【００３６】７．前記アナログ光学エンコーダ（60)
が、反復サイクルを有している２個のアナログ信号Ａ，
Ｂを出力する２チャンネルアナログ光学エンコーダであ
り、前記Ａ／Ｄ変換器（44) が、各サイクル内で前記各
アナログ信号Ａ，Ｂを多数の離散的ディジタルレベルに
変換することを特徴とする上記１に記載のプリンタ用媒
体移送装置。

【００３７】８．フレーム（24) 、前記フレーム（24)
に回転自在に取り付けられた少なくとも１本のローラ
（22) を有しているローラ組立部品（16) 、前記プリン
タを通して記録媒体（14) を増分的に移送するために、
前記ローラ組立部品（16) 内の前記ローラ（22) を回転
させるための駆動手段（18) 、前記ローラ（22) の回転
とともに、回転するように前記ローラ組立部品（16)に
取り付けられ、隣接する境界の間に多数等間隔に配設さ
れた境界（52) 及び間隔（54) を有している回転コード
ホイール（50) 、前記境界（52) 及び間隔（54) を光学
的に検出し、識別するため、前記コードホイール（50)
に隣接して前記フレーム（24) に取り付けられ、前記境
界の検出における第１振幅と前記間隔の検出における第
２振幅を含む反復サイクルを有するアナログ信号を出力
して前記ローラの回転を表示する光学エンコーダ（60)
、前記アナログ信号をサイクル内で多数の離散的ディ
ジタルレベルに変換するため前記アナログ信号をサンプ
ルし、前記アナログ信号を受信するため前記光学エンコ
ーダ（60) に連結されたＡ／Ｄ変換器（44) 、或るサイ
クルでの選択された離散的ディジタルレベルと、次のサ
イクルでの同じ選択されたディジタルレベルとの間のイ
ンターバル内での前記ローラの回転の増分を規定してい
る前記ローラの回転量、及び前記Ａ／Ｄ変換器（44) か
らの前記離散的ディジタルレベルを受信し、各サイクル
毎に前記選択された離散的ディジタルレベルの反復から
引き出される選択された数の増分まで前記ローラ（22)
を回転させるように前記ローラ組立部品（16) を制御す
る前記Ａ／Ｄ変換器（44) 及び前記ローラ組立部品（1
6) に取り付けられた制御装置（46) 、からなることを
特徴とするプリンタ用媒体移送装置。

【００３８】９．前記回転コードホイール（50) が、前
記縞がそこを通して光の通過を阻止する一方、前記間隔
がそこを通して光の通過を可能にするような伝達性を有
すること特徴とする上記８に記載のプリンタ用媒体移送
装置。

【００３９】１０．前記駆動手段（18) が、直流モータ
（19) を具備してなることを特徴とする上記８に記載の
プリンタ用媒体移送装置。

【００４０】１１．前記アナログ光学エンコーダ（60)
が、発光ダイオード（62) 及び受光器からなるらことを
特徴とする上記８に記載のプリンタ用媒体移送装置。

【００４１】１２．前記光学エンコーダ（60) が、0.05
°以上の移動量を検出し、前記Ａ／Ｄ変換器（44) がn
ビットＡ／Ｄ変換器からなり、さらに、前記媒体移送装
置が、約0.05/2ⁿ°までの移動量を検出可能であること
を特徴とする上記８に記載のプリンタ用媒体移送装置。

【００４２】１３．隣接する境界の間に多数等間隔に配
設した境界（52) 及び間隔（54) を有するコードテンプ
レート（50) 、前記コードテンプレート（50) 上の前記
境界（52) 及び間隔（54) を光学的に検出し識別するた
め、前記コードテンプレート（50) に隣接するアナログ
光学エンコーダ（60) 、前記プリンタを通して前記記録
媒体（14) が移送されるに従って、他方に対して移動さ
れる少なくとも何れか一方の前記コードテンプレート
（50) あるいは前記光学エンコーダ（60) 、移動中に前
記コードテンプレート（50) 上の交互する前記境界（5
2) 及び間隔（54) を識別することによりその相対移動
を検出し、前記境界の検出における第1 振幅及び前記間
隔の検出における第2 振幅を含む前記移動量を表示する
反復サイクルを有するアナログ信号を出力する前記光学
エンコーダ（60) 、前記アナログ信号を受信するために
前記光学エンコーダ（60) に接続され、前記サイクル内
で前記アナログ信号を多数の離散的ディジタルレベルに
変換するため、前記アナログ信号をサンプルするＡ／Ｄ
変換器（44) 、及び前記Ａ／Ｄ変換器（44) からの前記
離散的ディジタルレベルを受信し、前記離散的ディジタ
ルレベルに従って他方に対して少なくとも何れか一方の
光学エンコーダ（60) あるいはコードテンプレート（5
0) の移動を制御するために、前記Ａ／Ｄ変換器（44)
に連結された制御装置（46) 、からなることを特徴とす
るプリンタ用媒体移送制御装置。

【００４３】１４．前記コードテンプレート（50) が、
可動媒体取扱組立体（12) に取り付けられる一方、前記
アナログ光学エンコーダ（60) は、前記コードテンプレ
ート（50) が前記アナログ光学エンコーダ（60) を越え
て移動するように固定されていることを特徴とする上記
１３に記載プリンタ用媒体移送制御装置。

【００４４】

【発明の効果】本発明の新規な効果は前述した通りであ
るが、本発明による前記媒体移送装置10の作用例とし
て、前記プリンタが、１インチ当たり8 行印刷するテキ
ストモードにセットされているものと仮定した上で、改
めて本発明の効果を以下に記述する。即ち、1 行から
次の行まで移送するため、前記媒体取扱組立体12が、前
記媒体14を1/8 インチまたは0.125 インチ増分す
る。1/200 インチの中心−中心間隔を有するコードホ
イールを例にとれば、この段階的移動は、25個の増分
（即ち、0.125 インチ/0.005インチ=25 ）に等しい。前
記媒体移送制御装置40は、前記駆動手段18に、各サイク
ル毎に或る選択されたディジタル出力レベル（即ち、ポ
イントＣ，Ｄ，他）の繰り返しにより認められるような
前記回転コードホイール50上の25個の縞だけ、前記駆動
ローラ22を駆動させるように指令を出す。前記制御装置
46は、最終のサイクルで前記選択されたディジタルレベ
ルに到達することにより示されるように、25番目の増分
が完了したら、前記媒体取扱組立体12を停止させる。

【００４５】前記ディジタル化された信号の固有のサイ
クル精度により、前記媒体移送制御装置40は、前記媒体
14を25個の増分だけ正確に移送することができる。本発
明の別の長所局面は、前記制御装置40が、最終の25番目
の増分に前記選択されたディジタルレベルを目標に設定
するために、前記選択された離散的ディジタルレベル
（即ち、ポイントＣ，Ｄ，他）以外に、各サイクル内で
前記残されている離散的ディジタルレベルを使用でき
る。このことは、前記25番目の増分中、前記制御装置40
が前記媒体取扱組立体12を減速することをを可能にし、
且つ前記選択された離散的ディジタルレベルに到達した
ら、正確に前記媒体取扱組立体12を停止することを可能
にしている。

【００４６】従って、本発明の前記媒体移送制御装置40
は、廉価で、低分解能の発光ダイオード光源を有した光
学エンコーダ、及びＡ／Ｄ変換器を使用して、前記コー
ドホイール上の整数の縞の間に規定される距離の正確な
段階的移動を達成する。本発明の前記媒体移送制御装置
は、高価なエンコーダ、モータ、あるいは伝導装置に依
存することなく、 "水平筋 "のような欠陥を実質的に減
少あるいは除去するため、前記媒体移送の正確な制御を
可能にしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】媒体取扱組立体として駆動ローラを使用してい
る本発明の媒体移送装置の図式的な説明図である。

【図２】本発明のコードホイールを示すために、図1 に
おける2 −2 線に沿って切断した駆動ローラの側断面図
である。

【図３】2 チャンネル光学センサ及び前記コードホイー
ルの相互作用をを示すために、図1 の前記コードホイー
ルの上方部を示す拡大図である。

【図４】前記コードホイール上で交互する各境界と間隔
を検出する関連で、図3 の2 チャンネル光学エンコーダ
からのアナログ出力信号を示す説明図である。

【図５】図3 の前記2 チャンネル光学エンコーダからの
略正弦曲線の出力信号Ａ及びＢを示し、信号Ａ及びＢ
は、互いに90°位相がズレているグラフである。

【符号の説明】

10 媒体移送装置 12 媒体取扱組立体 14 記録媒体 16 ローラ組立部品 18 駆動手段 19 直流モータ 20 伝導装置 22 駆動ローラ 24 フレーム 26 ピンチローラ 30 プリントヘッド 36 コードプラテン 40 媒体移送制御装置 42 光学エンコーダ装置 44 Ａ／Ｄ変換器 46 制御装置 50 コードホイール 52 境界 54 間隔 60 光学エンコーダ 62 光源 64ａ受光器 64ｂ受光器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プリンタを通して記録媒体（14) を増分
的に移送する媒体取扱組立体（12) 、隣接する境界間の等間隔に多数配置された境界（52) 及
び間隔（54) を有するコードテンプレート（50) 、前記境界（52) 及び間隔（54) を光学的に検出し識別す
るため、前記コードテンプレート（50) に隣接するアナ
ログ光学エンコーダ（60) 、前記コードテンプレート（50) あるいは前記光学エンコ
ーダ（60) は、前記媒体取扱組立体（12) が前記プリン
タを通して前記記録媒体（14) を移送するに従って、移
動するように取り付けられ、前記光学エンコーダ（60) は、前記プリンタを通した前
記記録媒体（14) の移送を表示する前記コードテンプレ
ート（50) に関する移動量を検出し、前記光学エンコーダ（60) は、前記境界の検出における
第1 振幅及び前記間隔の検出における第2 振幅を含む反
復サイクルを有する前記移動量を表示するアナログ信号
を出力し、前記アナログ信号を受信するために前記光学エンコーダ
（60) に接続され、前記サイクル内で前記アナログ信号
を多数の離散的ディジタルレベルに変換するため、前記
アナログ信号をサンプルするＡ／Ｄ変換器（44) 、或るサイクルでの選択された離散的ディジタルレベル
と、次のサイクルでの同じ選択されたディジタルレベル
との間のインターバル内での前記移動の増分を規定して
いる前記媒体取扱装置による前記記録媒体の移送量、及
び前記Ａ／Ｄ変換器（44) からの前記離散的ディジタル
レベルを受信し、各サイクル毎に前記選択された離散的
ディジタルレベルの反復から引き出される選択された数
の移動増分まで前記記録媒体（14) を移送させる前記媒
体取扱組立体（12) を制御する前記Ａ／Ｄ変換器（44)
及び前記媒体取扱組立体（12) に連結された制御装置
（46) 、からなることを特徴とするプリンタ用媒体移送装置。