JPH07303974A - 電極チップの溶着状態検出方法 - Google Patents

電極チップの溶着状態検出方法

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JPH07303974A
JPH07303974A JP9872594A JP9872594A JPH07303974A JP H07303974 A JPH07303974 A JP H07303974A JP 9872594 A JP9872594 A JP 9872594A JP 9872594 A JP9872594 A JP 9872594A JP H07303974 A JPH07303974 A JP H07303974A
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JP9872594A
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Daisuke Kiriishi
大輔 桐石
Tomohiko Ito
友彦 伊藤
Toshiya Watanabe
寿也 渡辺
Kensaku Kaneyasu
健策 金安
Kengo Takamizawa
健吾 高見沢
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電極チップとワークの溶着状態を容易かつ確実
に検出し、前記電極チップの完全溶着を防止するととも
に、溶接作業全体の効率化を可能にする。 【構成】電極チップ46、48でワークWを挟持して溶
接した後、ガンアーム22、24の開放動作時にシリン
ダ30内でのピストン32の移動速度が検出される。そ
して、電極チップ46の損耗等に起因してこの電極チッ
プ46とワークWにいわゆる餅つき現象が発生すると、
検出速度が、予め設定された正常溶接状態での基準速度
範囲V0 ±ΔV0 に対して、V(=V0 ±ΔV0 )、
V' (<V0−ΔV0 )およびV" (>V0 +ΔV0
と順次変化し、電極チップ46とワークWが自動分離可
能な溶着状態であることを、容易かつ確実に検出するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スポット溶接ガン装置
を構成する電極チップとワークの溶着状態を検出するた
めの電極チップの溶着状態検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、開閉自在なガンアームに装着され
た一対の電極チップでワーク(被溶接材)を挟持した状
態で前記電極チップ間に通電することにより、このワー
クに溶接処理を施すスポット溶接が広く採用されてい
る。
【0003】この場合、スポット溶接作業を継続して行
うと、電極チップの損耗等により前記電極チップとワー
クが完全に溶着(貼り付き)するおそれがある。そし
て、電極チップとワークが完全に溶着すると、次なるス
ポット溶接を継続して行うことができず、溶接作業の中
断が惹起されて生産性が低下するとともに、前記電極チ
ップとワークを分離させる作業が必要となり、この種の
作業が相当に煩雑なものとなってしまう。
【0004】そこで、特開平1−299784号公報
(以下、従来例1という)に開示されているように、開
閉自在なスポットガンの間に被溶接材を挟んで前記スポ
ットガンに通電することにより前記被溶接材を溶接し、
この後、前記スポットガンを開いて前記スポットガンと
前記被溶接材とが電気的に通電するか否かを検査し、電
気的に導通しているときは前記スポットガンが前記被溶
接材に溶着したと判断し、前記スポットガンで再び前記
被溶接材を挟んで少なくとも1回以上再通電することに
より、前記被溶接材と前記スポットガンとの溶着部分を
溶解させることを特徴とするスポットガンの溶着解除方
法が知られている。
【0005】さらに、特開平5−305452号公報
(以下、従来例2という)に開示されているように、電
極チップを被溶接物からわずかに離した状態でガン用電
極とチェック用電極との間の導通状態を電流測定器によ
り検出し、これによって電極チップの貼り付きを速やか
かつ確実に検出することを可能にしたスポット溶接ガン
のチップ貼付検知装置が知られている。
【0006】さらにまた、特開平1−215476号公
報(以下、従来例3という)に開示されている自動溶接
機の制御装置では、溶接ガンの一対のガンアームが共に
開き側に動き始めたことが確認されたとき、ロボットの
動作指令信号を出力し、少なくとも一方のガンアームが
所定時間経過しても開き側に動き始めないとき、溶着信
号を出力する信号発生手段を設けることが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例1および従来例2では、共に電極チップとワーク
の電気的な導通状態を検出するものであり、この電極チ
ップが前記ワークに完全に貼り付いた後(完全溶着後)
の状態を検出している。また、上記の従来例3は、ガン
アームが所定時間経過しても開き側に動き始めないこと
を検出しており、これも従来例1および従来例2と同様
に、電極チップがワークに完全に溶着した後の状態を検
出している。
【0008】このように引用例1〜引用例3は、溶接チ
ップにワークが完全に溶着した後の状態を検出するもの
であり、この検出後には前記完全溶着状態にある電極チ
ップとワークを分離させる作業が必要となる。従って、
電極チップとワークを分離する際に、この電極チップま
たはワークが破損したり、前記電極チップの補修に手間
がかかる等の問題が指摘されている。
【0009】本発明はこの種の問題を解決するためのも
のであり、電極チップとワークの溶着状態を容易かつ確
実に検出することができ、これにより前記電極チップの
完全溶着を防止するとともに、溶接作業全体の効率化が
可能な電極チップの溶着状態検出方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、シリンダの作用下に開閉自在なガンア
ームに装着された電極チップでワークを挟持して溶接を
行う際、前記電極チップと前記ワークの溶着状態を検出
するための電極チップの溶着状態検出方法であって、前
記ガンアームの開放動作時に前記シリンダ内をピストン
が移動する速度Vを検出する工程と、前記検出された速
度Vを、予め設定された正常溶接状態のガンアーム開放
動作時におけるシリンダ内でのピストンの基準速度範囲
0 ±ΔV0 と比較する工程と、を有し、前記検出され
た速度Vが、V=V0 ±ΔV0 、V<V0 −ΔV0 およ
びV>V 0 +ΔV0 と順次変化する際に、前記電極チッ
プと前記ワークが自動的に分離可能な溶着状態であると
判定することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明に係る電極チップの溶着状態検出方法で
は、ガンアームの開放動作時にシリンダ内を移動するピ
ストンの速度Vが検出され、この検出された速度Vが、
予め設定された正常溶接状態のガンアーム開放動作時に
おけるシリンダ内でのピストンの基準速度範囲V0 ±Δ
0 と比較される。そして、検出された速度Vが、V=
0 ±ΔV0 、V<V0 −ΔV0 およびV>V0 +ΔV
0 と順次変化する際、電極チップとワークが自動的に分
離可能な溶着状態であると判断される。
【0012】一般に、スポット溶接工程において、正常
な溶接状態から突然に電極チップとワークの完全溶着
(ガンアーム開放動作によっても電極チップとワークが
剥がれない状態)が発生するものではなく、この電極チ
ップとワークが徐々に完全溶着に向かう現象、所謂、餅
つき現象が惹起される。この餅つき現象とは、溶着状態
の弱いものであると考えることができ、現実的には電極
チップとワークが互いに貼り着いているが、ガンアーム
が開放動作される際には、この電極チップが前記ワーク
から自動的に剥がれる状態をいい、完全溶着より弱い溶
着状態をいう。
【0013】このため、ガンアームの開放動作時に、電
極チップとワークの貼り着きに起因してシリンダ内での
ピストンの速度が遅くなり(V<V0 −ΔV0 )、さら
に前記電極チップが前記ワークから剥がれると、前記ピ
ストンの速度が一時的に早くなる(V>V0 +Δ
0 )。従って、このピストンの速度変化を検出するこ
とにより、電極チップとワークの溶着状態が容易かつ正
確に判定される。
【0014】
【実施例】本発明に係る電極チップの溶着状態検出方法
について実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下
詳細に説明する。
【0015】図1において、参照符号10は、本発明の
溶着状態検出方法を実施するための第1の実施例に係る
X型ガンであるスポット溶接ガン装置を示す。この溶接
ガン装置10は、ブラケット12を備え、このブラケッ
ト12の後方側にトランス14が装着されるとともに、
前記ブラケット12の前方側には支軸16を介してアー
ムホルダ18、20が上下に軸支されている。各アーム
ホルダ18、20には、上下一対のガンアーム22、2
4の後端部が絶縁材を介してボルト締めされ、このガン
アーム22、24にトランス14の各二次端子26がオ
ンス銅板28を介して接続される。
【0016】上側のアームホルダ18の上端側にシリン
ダ30が固定され、このシリンダ30内には、ピストン
32により第1室34と第2室36が分離形成される。
ピストン32に固着されたピストンロッド38は、下方
に突出しており、リンク40を介して下側のアームホル
ダ20に連結される。ブラケット12には、回動シリン
ダ42が設けられ、この回動シリンダ42により回動さ
れるストッパ部材44は、ガンアーム22、24に係合
してこれらの開放時の開度を2段階に切り換えるように
構成されている。各ガンアーム22、24の先端部に
は、互いに対向して電極チップ46、48が装着されて
いる。
【0017】シリンダ30の第1室34および第2室3
6には、ソレノイドバルブ50を介して圧縮空気供給源
52が切り換え自在に連通する。ピストン32には、ボ
ールねじ式のナット54が固定され、このナット54に
螺杆56が螺挿されるとともに、この螺杆56が回転角
センサ58にジョイント60を介して連結されている。
【0018】回転角センサ58で検出される螺杆56の
回転角、すなわち、ピストン32の変位が位置検出部6
2に入力される。位置検出部62は、速度検出部64お
よびCPU66に接続される一方、この速度検出部64
が前記CPU66に接続される。このCPU66は、デ
ータ設定装置68と異常表示出力装置70とを備えてお
り、前記データ設定装置68によって後述する正常溶接
状態のガンアーム開放動作時におけるシリンダ30内で
のピストン32の基準速度範囲が予め設定される。
【0019】次に、このように構成される溶接ガン装置
10の動作について、本実施例に係る溶着状態検出方法
との関連で説明する。なお、図2〜図4には、ガンアー
ム22、24の溶接時から開放終了までの状態が概略的
に示されている。図5には、ガンアーム22、24の開
放動作中のピストン32の位置と経過時間の関係が示さ
れている。
【0020】まず、図1に示すように、ガンアーム2
2、24が開放された状態で、電極チップ46、48間
に被溶接材であるワークWが配設される。そして、シリ
ンダ30の第1室34に圧縮空気供給源52からソレノ
イドバルブ50を介して圧縮空気が導入されると、ピス
トン32と一体的にピストンロッド38が下方に突出
し、リンク40を介して下側のアームホルダ20とガン
アーム24が支軸16を支点に揺動し、電極チップ48
がワークWの下面側に当接する。さらに、ピストンロッ
ド38が下方に突出することにより、上側のアームホル
ダ18とガンアーム22が一体的に支軸16を支点に揺
動し、電極チップ46がワークWの上面側に当接する。
【0021】そこで、電極チップ46、48によりワー
クWが所定の押圧力で挟持された状態で、トランス14
を介してそれぞれの電極チップ46、48間に電流が供
給される。これによって、ワークWの所定の部位にスポ
ット溶接が施される(図2参照)。
【0022】次いで、ソレノイドバルブ50の切換作用
下に第2室36に圧縮空気が供給されると、ピストン3
2およびピストンロッド38が上方に移動し、リンク4
0を介してアームホルダ20とガンアーム24が前記と
は逆方向に揺動し、まず、電極チップ48がワークWの
下面側から離間する(図3参照)。そして、アームホル
ダ20がストッパ部材44に当接支持されることによ
り、アームホルダ18とガンアーム22が揺動を開始
し、電極チップ46がワークWの上面側から離間する
(図4参照)。
【0023】この場合、電極チップ46、48でワーク
Wを挟持して溶接した後、この電極チップ46、48を
前記ワークWから離間させる動作時、すなわち、ガンア
ーム22、24の開放動作時に、シリンダ30内で移動
するピストン32の速度Vが検出される。
【0024】図5に示すように、溶接終了時にはピスト
ン32が位置H0 に配置されており、ガンアーム24の
開放動作が開始されると、このピストン32が回転角セ
ンサ58側に移動してナット54を介して螺杆56が回
転され、その回転角が前記回転角センサ58で検出され
る。位置検出部62は、回転角センサ58で検出された
回転角からピストン32の変位を検出し、さらに速度検
出部64は、この位置検出部62で検出された変位に基
づいて前記ピストン32の速度Vを検出してCPU66
に入力する。
【0025】CPU66は、この検出された速度Vと、
データ設定装置68を介して予め設定された正常溶接状
態のガンアーム開放動作時におけるシリンダ30内での
ピストン32の基準速度範囲V0 ±ΔV0 とを比較す
る。その際、ガンアーム24の開放動作時(図5中、時
間T1)には、V=V0 ±ΔV0 の関係となっている。
なお、ΔV0 は、許容範囲に設定された速度誤差を表し
ている。
【0026】次いで、時間T1が経過した後、アームホ
ルダ20がストッパ部材44に当接支持され、シリンダ
30の作用下に上側のアームホルダ18とガンアーム2
2が移動を開始する。これにより、電極チップ46が、
ワークWから離間する動作を開始し、時間T2経過後に
この電極チップ46が前記ワークWから所定の位置まで
離間して待機することになる。
【0027】ここで、正常な溶接状態では、上側のガン
アーム22が移動を開始して所定の位置に至るまでの間
において、シリンダ30内で移動するピストン32の速
度Vは、ほぼ一定である。従って、時間T2において、
検出速度V=V0 ±ΔV0 の関係が維持された時、正常
溶接状態であると判定される。
【0028】一方、電極チップ46の損耗等に起因し
て、この電極チップ46とワークWに、所謂、餅つき現
象が発生すると、餅つき現象が発生した電極チップ46
をワークWから剥がすためには、ある程度の開放力が必
要となり、この開放力に至るまでピストン32の変位が
規制される。従って、時間T1経過後、まず、検出速度
V' <V0 −ΔV0 が得られる(図5参照)。
【0029】次に、第2室36の内圧が上昇して電極チ
ップ46がワークWから剥がれると、ピストン32が比
較的高速で移動して検出速度V" >V0 +ΔV0 が得ら
れる。これにより、ガンアーム22、24の開放動作中
に、検出速度V(=V0 ±ΔV0 )、V' (<V0 −Δ
0 )およびV" (>V0 +ΔV0 )が順次検出される
ことにより、電極チップ46、48とワークWが溶着直
前状態であると判断される。
【0030】また、ガンアーム22、24の開放動作中
に、検出速度V(=V0 ±ΔV0 )およびV'1(<V0
−ΔV0 )のみが順次検出された時には、電極チップ4
6とワークWが完全に溶着状態であると判断される(図
5参照)。
【0031】なお、他側の電極チップ48がワークWに
貼り付いた場合には、上記の電極チップ46の溶着状態
と同様の速度変化が惹起される。
【0032】さらに、電極チップ46、48が共に貼り
付いた場合には、図6に示すように、時間T1の間に位
置の変化がほとんどなく、電極チップ46、48が同時
に、または片方だけ剥がれた時、急激な位置変化(速度
変化)が現れる。次いで、時間T1経過後に電極チップ
46、48の一方がワークWに貼り付いている時、位置
の変化はほとんどなく(図6中、破線参照)、該一方が
前記ワークWから剥がれる際に急激な位置変化(速度変
化)が現れる。従って、電極チップ46、48の一方お
よび両方の貼り付き状態を容易かつ確実に検出すること
が可能になる。
【0033】このように、第1の実施例では、電極チッ
プ46、48とワークWが完全に溶着する前の状態(餅
つき現象)を検出することができるため、この電極チッ
プ46、48の損耗、例えば、ワークWとの溶融による
合金化等の連続溶接作業による損耗等を予め検出するこ
とが可能になり、前記ワークWに完全に溶着される前に
前記電極チップ46、48のドレッシング処理等を行う
ことができる。
【0034】しかも、電極チップ46、48がワークW
に完全に溶着することがなく、従来のように、互いに溶
着した電極チップ46、48とワークWを分離させる作
業が不要となり、作業全体の簡素化並びに溶接作業全体
の効率化が可能になるという効果が得られる。
【0035】さらに、第1の実施例では、ピストン32
の速度変化を検出するだけで、正常溶接状態、餅つき状
態および完全溶着(貼り付き)状態を段階的かつ正確に
検出することができ、それぞれの状態の変化に応じて最
適な対処が遂行できるという利点がある。
【0036】次に、第2の実施例に係るスポット溶接ガ
ン装置100が、図7に示されている。この溶接ガン装
置100は、所謂、C型ガンであり、ロボット等の手首
先端102に接続されたブラケット103を備え、この
ブラケット103にトランス104が装着されるととも
に、このトランス104には、二次端子106a、10
6b、オンス銅板108a、108bを介して可動ガン
アーム110と固定ガンアーム112が接続される。可
動ガンアーム110と固定ガンアーム112の先端に
は、それぞれ電極チップ114、116が装着されてお
り、この固定ガンアーム112は、シリンダ122の固
定ガンアーム支持部123に固定されている。
【0037】可動ガンアーム110は、ブラケット10
3が固定されたロッド118とコイルスプリング120
a、120bにより進退自在にフローチング支持された
シリンダ122内に配設されるピストン部124を有
し、このピストン部124により前記シリンダ122内
に第1室126と第2室128が分離形成される。ピス
トン部124の変位は、例えば、差動変圧器(図示せ
ず)等によって検出され、その信号は、図1に示す第1
の実施例と同様に、速度検出部64およびCPU66に
入力される。
【0038】このように構成される溶接ガン装置100
では、第1室126に圧縮空気が供給されることにより
電極チップ114、116でワークWが挟持され、トラ
ンス104からこの電極チップ114、116に通電さ
れて前記ワークWにスポット溶接が行われる。
【0039】次いで、第2室128に圧縮空気が供給さ
れるとともに、第1室126内の圧縮空気が外部に排出
されると、可動ガンアーム110が上昇して電極チップ
114がワークWからの離間を開始する。その際、ピス
トン部124は、図8に示すように、時間の経過に伴っ
て変位し、検出速度V=V0 ±ΔV0 (基準速度範囲)
が得られる。
【0040】そして、可動ガンアーム110の開放動作
中に、電極チップ114とワークWに餅つき現象が発生
すると、検出速度V(=V0 ±ΔV0 )、V' (<V0
−ΔV0 )およびV" (>V0 +ΔV0 )が順次検出さ
れる。一方、可動ガンアーム110の開放動作中に、検
出速度V(=V0 ±ΔV0 )およびV'1(<V0 −ΔV
0 )のみが順次検出されることにより、電極チップ11
4とワークWが完全に溶着状態であると判断される。
【0041】従って、第2の実施例では、第1の実施例
と同様に、電極チップ114とワークWの正常溶接状
態、自動分離可能な溶着状態および完全溶着状態を容易
かつ確実に検出することができるという効果が得られ
る。
【0042】次いで、図9に、第3の実施例に係る固定
式(定置式)ガンであるスポット溶接ガン装置200が
示されている。この溶接ガン装置200は、固定ガンア
ーム202と可動ガンアーム204とを備え、この固定
ガンアーム202、可動ガンアーム204の先端に電極
チップ206、208が装着される。
【0043】可動ガンアーム204は、シリンダ210
により揺動自在に構成されており、このシリンダ210
は、ピストン212によって分離形成された第1室21
4と第2室216を有し、このピストン212の位置を
検出するために、差動変圧器(図示せず)等が設けられ
ている。
【0044】このように構成される溶接ガン装置200
では、第1室214に圧縮空気が供給されてピストン2
12が下降すると、可動ガンアーム204が下方に揺動
して電極チップ206、208によりワークWが挟持さ
れる。一方、第2室216に圧縮空気が供給されると、
可動ガンアーム204が上方に揺動して電極チップ20
8がワークWから離間する。従って、ピストン212の
位置は、図8と略同様に変化するものであり、第2の実
施例と同様に、電極チップ208とワークWの正常溶接
状態、自動分離可能な溶着状態および完全溶着状態が容
易かつ確実に検出されるという効果がある。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る電極チップの溶着状態検出
方法では、以下の効果乃至利点が得られる。
【0046】ガンアームの開放動作時に、シリンダ内を
移動するピストンの速度Vが検出され、この検出された
速度Vが、予め設定された正常溶接状態のガンアーム開
放動作時におけるシリンダ内でのピストンの基準速度範
囲V0 ±ΔV0 と比較されることにより、電極チップと
ワークの正常溶接状態、自動分離可能な溶着状態(完全
溶着前の状態)および完全溶着状態を容易かつ確実に検
出することができる。また、目視では判断できない弱い
溶着状態(餅つき現象)を定量的に検出することが可能
になる。従って、完全溶着前の状態が検出された場合
に、電極チップのドレッシング処理等を行えば、この電
極チップとワークの溶着を有効に防止できるとともに、
きわめて効率的な溶接作業が遂行される。しかも、ピス
トンの速度変化を検出するだけでよく、複雑な装置を用
いる必要がないため、設備費の高騰を惹起することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極チップの溶着状態検出方法を
実施するための第1の実施例に係るスポット溶接ガン装
置の概略構成図である。
【図2】前記溶接ガン装置によりワークを把持した状態
の説明図である。
【図3】溶接後にガンアームを開放動作する際の説明図
である。
【図4】前記ガンアームを開放した後の説明図である。
【図5】前記ガンアームの開放動作時において、電極チ
ップ46のみが溶着した状態のシリンダ内でのピストン
の位置変化と経過時間の関係図である。
【図6】前記ガンアームの開放動作時において、電極チ
ップ46、48が溶着した状態のシリンダ内でのピスト
ンの位置変化と経過時間の関係図である。
【図7】本発明方法を実施するための第2の実施例に係
る溶接ガン装置の概略構成図である。
【図8】前記第2の実施例に係る溶接ガン装置のガンア
ーム開放動作時におけるシリンダ内でのピストンの位置
変化と経過時間の関係図である。
【図9】本発明方法を実施するための第3の実施例に係
る溶接ガン装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10…溶接ガン装置 12…ブラケッ
ト 14…トランス 18、20…ア
ームホルダ 22、24…ガンアーム 30…シリンダ 32…ピストン 34、36…室 46、48…電極チップ 50…ソレノイ
ドバルブ 52…圧縮空気供給源 54…ナット 56…螺杆 58…回転角セ
ンサ 62…位置検出部 64…速度検出
部 66…CPU 68…データ設
定装置 70…異常表示出力装置 100…溶接ガ
ン装置 110…可動ガンアーム 112…固定ガ
ンアーム 114、116…電極チップ 122…シリン
ダ 124…ピストン部 200…溶接ガ
ン装置 202…固定ガンアーム 204…可動ガ
ンアーム 206、208…電極チップ 210…シリン
ダ 212…ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金安 健策 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 高見沢 健吾 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダの作用下に開閉自在なガンアーム
    に装着された電極チップでワークを挟持して溶接を行う
    際、前記電極チップと前記ワークの溶着状態を検出する
    ための電極チップの溶着状態検出方法であって、 前記ガンアームの開放動作時に前記シリンダ内をピスト
    ンが移動する速度Vを検出する工程と、 前記検出された速度Vを、予め設定された正常溶接状態
    のガンアーム開放動作時におけるシリンダ内でのピスト
    ンの基準速度範囲V0 ±ΔV0 と比較する工程と、 を有し、 前記検出された速度Vが、V=V0 ±ΔV0 、V<V0
    −ΔV0 およびV>V 0 +ΔV0 と順次変化する際に、
    前記電極チップと前記ワークが自動的に分離可能な溶着
    状態であると判定することを特徴とする電極チップの溶
    着状態検出方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記検出さ
    れた速度Vが、V=V0 ±ΔV0 およびV<V0 −ΔV
    0 とにのみ順次変化する際に、前記電極チップと前記ワ
    ークが完全溶着状態であると判定することを特徴とする
    電極チップの溶着状態検出方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020157316A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日産自動車株式会社 溶接チップの異常特定装置及び溶接チップの異常特定方法

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