JPH0730331Y2 - 藺草泥染装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は藺草の泥染装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、圃場で刈取られた藺草束は泥染工程に搬送され、
泥染槽内に横向に挿入され、横向状態で泥染槽から搬出
されるため、泥染後の藺草束の取扱いによって作業者は
全身泥に汚れるという問題があった。

そこで藺草束の切断端を下にして直立させた状態でラッ
クに収容し、ラックと共に泥染槽に収容しラックと共に
乾燥機に搬出する方法が検討されているが、泥染液の供
給によって藺草束は浮上するため該束の上端まで充分に
泥染液内に浸漬させ難いという問題がある。

「考案が解決しようとする課題」 本案は藺草束を起立状態に泥染液槽内に収容することに
よって泥染液の藺草条間浸透を容易に行い、かつ浮上を
止めて泥染液内に容易に浸漬することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 上記の目的を達成するため本案は 両端板の側部に両端板接続用の水平連杆を間隔を介して
複数設けてなる藺草束直立支持枠の下部に多孔床を設
け、該多孔床の下部に泥染液流通空間を設けて藺草束直
立搬送ラックを形成し、該ラックを収容する泥染液槽内
に上記多孔床上の直立藺草束の側面を上記間隔を経て押
圧する側面押圧装置 側面押圧装置が上記液槽に設けたシリンダーと該シリン
ダーに設けた水平押圧杆とよりなる上記考案記載の藺草
泥染装置 によって構成する。

「作用」 従って圃場において刈取った藺草束５の切断下端部５′
を多孔床２上に支持して起立状態に上記ラック３内に収
容すると第４図に示すように該下端部５′は多孔床２に
刺る。そして該ラック３をクレーン７などでさらに上記
液槽４内に収容した後、該槽４内に泥染液８を供給し液
面が空間ｓから多孔床２上に上昇すると上記多孔床２に
刺った下端部５′は第５図に示すように若干浮上して多
孔床２から遊離する。その状態において藺草束５の側部
をシリンダー６′の力で水平押圧杆６″によって上記槽
４の内面に向かって上下の水平連杆１″、１″間の間隔
ｓを経て水平方向に押圧すると該藺草束５は上下方向に
固定されるから、その状態で泥染液８の液面を該藺草束
５の上端の上方まで上昇させて充分浸漬するものであ
る。

「実施例」 両端板１′、１′の両側部に両端板１′、１′の接続用
の水平連杆１″、１″を間隔ｓを介して複数設けてなる
藺草束直立支持枠１の下部に金網などによる多孔床２を
設け、上記間隔ｓは多孔床２の上面と水平連杆１″との
間の間隔ｓでもよい。そして該多孔床２の下部にフオー
ク挿入可能な泥染液流通空間ｓを設けて藺草束直立搬送
ラック３を形成し、かつ該ラック３を収容する泥染液槽
４内に上記多孔床２上の直立藺草束５の側面押圧装置６
を設けるものである。上記多孔孔２上には藺草束５の切
断下端部５′を載せて起立状態に支持し、該ラック３を
クレーン７で懸垂して槽４内に収容する（その状態を第
１図に示す）。槽４には泥染液８の供給管９及び排出管
10を接続し、両管９、10の下端は泥染液８のタンクに挿
入され、供給管９にはポンプが設けられ、排出管10には
開閉弁が設けられる。そして供給管９から槽４内に泥染
液８が供給され液面が多孔床２上に上昇すると上記下端
部５′は第４図に示す状態から第５図に示す状態に若干
浮上し、該下端部５′は多孔床２から離れる。その状態
で上記側面押圧具６を構成する水平押圧杆６″を第１図
実線位置から仮想線位置にシリンダー６′によって移動
させると上記藺草束５は槽４の内面に締付られて上下方
向に固定される。その状態において泥染液８の液面を藺
草束５の上端の上方まで上昇させて泥染を行うことがで
きる。その後泥染液８は排出管10からタンクに送出さ
れ、押圧杆６″を元の第２図実線位置に戻した後クレー
ン７によって上記ラック３を槽４外に搬出し乾燥機11の
熱風ダクト12上に載せられ該タクト12から上昇する熱風
によって上記藺草束５は起立状態のまま乾燥される（第
６図参照）。尚図中13で示すものは藺草束５の側面受
板、14はクレーン７の吊り杆、15は支持ローラ、16は収
容案内ガイドである。

「考案の効果」 本案は上述のように構成したので圃場から刈取った藺草
束５を起立状態のまま泥染液８内に浮上することなく容
易に浸漬し得て均一な泥染を迅速に行い得るばかりでな
く、上記ラック３を用い得て泥染工程の前後作業に人力
を要しないという便益がある。又本案では両端板の側部
に間隔を介して複数の水平連杆を用いているので藺草束
直立支持枠が軽量であって、しかも該支持枠内への泥水
の進入が速く泥染を迅速に行うことができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の藺草泥染装置を示す正面図、第２図は第
１図Ａ−Ａ線による平面図、第３図は搬送ラックの正面
図、第４図は多孔床上の藺草束の拡大正面図、第５図は
若干浮上した状態の正面図、第６図は乾燥状態の正面図
である。 １……藺草束直立支持枠、１′……両端板、１″……水
平連杆、ｓ……間隔、２……多孔床、ｓ……泥染液流通
空間、３……藺草束直立搬送ラック、４……泥染液槽、
５……直立藺草束、６……側面押圧装置、６′……シリ
ンダー、６″……水平押圧杆。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端板の側部に両端板接続用の水平連杆を
   間隔を介して複数設けてなる藺草束直立支持枠の下部に
   多孔床を設け、該多孔床の下部に泥染液流通空間を設け
   て藺草束直立搬送ラックを形成し、該ラックを収容する
   泥染液槽内に上記多孔床上の直立藺草束の側面を上記間
   隔を経て押圧する側面押圧装置を設けてなる藺草束泥染
   装置。
2. 【請求項２】側面押圧装置が上記液槽に設けたシリンダ
   ーと該シリンダーに設けた水平押圧杆とよりなる請求項
   （１）記載の藺草泥染装置。