JPH07301387A - 既設管の補修部材とその製造方法及び既設管の補修工法 - Google Patents

既設管の補修部材とその製造方法及び既設管の補修工法

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JPH07301387A
JPH07301387A JP6093478A JP9347894A JPH07301387A JP H07301387 A JPH07301387 A JP H07301387A JP 6093478 A JP6093478 A JP 6093478A JP 9347894 A JP9347894 A JP 9347894A JP H07301387 A JPH07301387 A JP H07301387A
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勝巳 中村
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Isao Natsubori
功 夏堀
Shuichi Takahashi
修一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】下水道の管渠などの既設管の補修を、掘削工事
などを行うことなく容易に行う。 【構成】既設管101の内周面に係止される筒部10
と、筒部10の一端に形成され既設管の端面に係止され
るフランジ部11とからなり、少なくともフランジ部1
1は形状記憶樹脂から形成されてフランジ部11の形状
が記憶され、かつ既設管101に挿入可能に変形された
補修部材1を既設管101内に挿入し、フランジ部11
を形状回復させて既設管101の一端面と係合させるこ
とを特徴とする。補修部材1を既設管101の他方から
挿入し、フランジ部11を形状回復するだけで取付管1
01の本管100に結合された端面を補修することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水道の管渠などの既
設管を補修するための補修部材と、その補修部材の製造
方法及びその補修部材を用いた補修工法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道の管渠などの既設管は、地震や地
盤沈下などにより割れたり継ぎ目部が離脱したりする場
合がある。また長年の使用により強度低下してひび割れ
が生じる場合もある。このように既設管に損傷が生じる
と、その損傷箇所から浸入する地下水などによって処理
水量が増大し、下水処理施設などに大きな負担をもたら
すことになる。しかし既設管を新品に交換するには、道
路を掘削するなど一般に大きな工事となり、交通事情の
制約も受けることとなって好ましくない。
【0003】そこで従来より、損傷した既設管はその位
置のままで補修することが行われている。例えば既設管
を掘削せずに補修や補強ができる工法として、ホースラ
イニング工法が知られている。このホースライニング工
法は、シールホースの一端をマンホール内で既設管の一
端部位置で固定し、圧縮空気で加圧することで反転させ
ながらシールホースを管内に挿入する。そして反転挿入
時にシールホース内に挿通したサーモホース内に蒸気を
供給してシールホースを加熱し、シールホース外周表面
に塗布された硬化性樹脂を硬化させて既設管内周表面と
一体化する。その後両側2か所のマンホール内にて両端
部を切り取り、既設管の端面部をシール材などで処理し
て仕上げる工法である。
【0004】また、特開平1−279197号公報に
は、形状記憶樹脂からなる補修スリーブを変形させて既
設管内に挿入し、その後形状を復元させることで硬化性
樹脂を使用しない補修を可能にする工法が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10に下水道管渠の
構造を断面図で示す。下水道管渠は、道路下に埋設され
た本管100と、民地に設けられた汚水ます200と本
管100を連結する取付管101とから構成されてい
る。ここで取付管101の内径は150mm程度であ
り、約3m程度の長さを有している。また本管100は
内径300mm程度である。そして取付管101は本管
100に穿設された穴に挿通され、継ぎ目はモルタルな
どにてシールされた構造となっている。
【0006】このような下水道管渠において、取付管1
01にひび割れが生じたり、取付管101と本管100
の継ぎ目が破損したりして地下水などの浸入が生じた場
合には、取付管101の径が小さくマンホールもないの
で、上記したマンホールを利用するホースライニング工
法の利用は困難である。また形状記憶樹脂からなる補修
スリーブを挿入し形状回復させて補修する工法であって
も、取付管101への挿入口(汚水ます200側)と反
対側の端部は本管100と結合されているので、補修ス
リーブの挿入長さを形状回復時の短縮化を考慮して決定
しなければならない。したがって誤差により取付管10
1の一部が未補修で残る場合もある。さらに、形状回復
後に本管100内に突出するように長めに補修スリーブ
を挿入しても、本管100内で取付管101と本管10
0との継ぎ目をシールする仕上げ処理を行うためには、
本管100側で自走車等を用いて工事を行う必要があ
る。しかし本管100の内径が小さい場合には、自走車
等を利用するのも困難な場合がある。
【0007】そのため従来では、例示されたような本管
100と取付管101の継ぎ目を補修する簡便な工法は
確立されておらず、道路を掘り返す多大な工数を費やし
て交換工事を行っているのが現状である。本発明はこの
ような事情に鑑みてなされたものであり、径が小さくホ
ースライニング工法などで補修困難な既設管であって
も、掘削工事などを行う必要なく容易に補修することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の既設管の補修部材は、既設管の内周面に係止される
筒部と筒部の一端に形成され既設管の端面に係止される
フランジ部とからなり、少なくともフランジ部は形状記
憶樹脂から形成されてフランジ部の形状が記憶されてい
ることを特徴とする。
【0009】筒部は、既設管の長さと略同等の長さをも
ち、拡径可能であることが好ましい。このようにすれ
ば、筒部を既設管内で拡径させることで既設管内周面に
圧接させることができ、既設管内周面を補修することが
できる。拡径には、例えば膨張可能な樹脂から形成して
加圧空気を導入し既設管内周面に接着して固定する方
法、熱可塑性樹脂から筒部を形成し熱風などにより軟化
させてから膨張させる方法などが利用できる。
【0010】筒部の少なくともフランジ部側の端部を形
状記憶樹脂から形成し、既設管の内径に応じた筒形状に
形状記憶させることも好ましい。このようにすれば形状
回復時に筒部は既設管の内周面に確実に圧接され、補修
と固定を確実に行うことができる。また筒部も形状記憶
樹脂から形成した場合は、筒部の形状回復温度をフラン
ジ部の形状回復温度より高く構成するとよい。このよう
にすれば、先ず低温に加熱することでフランジ部の形状
を回復させ、反対側より補修部材を引っ張るなどしてフ
ランジ部を確実に既設管の端面と係合させることができ
る。そしてその後に、高温に加熱して筒部の形状を回復
させて既設管内周面に圧接させることにより、寸法誤差
などには影響されずフランジ部を既設管の端面と確実に
係合させることができる。
【0011】なお、フランジ部は筒部側の表面に軟質の
シール部材をもつことが望ましい。これによりシール部
材が確実に既設管端面に密着し、シール性が向上する。
上記補修部材を得る本発明の補修部材の製造方法は、既
設管の内周面に係止される筒部と筒部の一端に形成され
既設管の端面に係止されるフランジ部とからなる補修部
材の少なくともフランジ部を既設管の端面に係止される
形状に形状記憶樹脂で型成形し、フランジ部の形状を記
憶した補修部材を得る工程と、少なくともフランジ部を
既設管に挿入可能な形状に変形させる工程と、からなる
ことを特徴とする。
【0012】さらに、上記補修部材を用いた本発明の補
修工法は、既設管に挿入可能に変形された上記補修部材
をフランジ部が既設管の一端面と係合可能な位置となる
まで既設管内に挿入する挿入工程と、フランジ部を形状
回復温度以上に加熱して形状回復させ既設管の一端面と
係合させる回復工程と、を行うことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では、既設管の内周面に係止される筒部
と筒部の一端に形成され既設管の端面に係止されるフラ
ンジ部とからなり、少なくともフランジ部は形状記憶樹
脂から形成されてフランジ部の形状が記憶された補修部
材が用いられる。この補修部材は、少なくともフランジ
部が既設管の管路の断面形状より小さな断面形状をもつ
挿入形状に変形される。このように変形するには、補修
部材を加熱軟化させて長さ方向に延伸させるか、径方向
に断面形状を変化させるか、あるいはその両方を行うこ
とで達成できる。
【0014】そして挿入形状とされた補修部材は、補修
すべき既設管の一端から挿入され、フランジ部が既設管
の他端面と係合可能な位置とされる。既設管の一端が例
えば汚水ますなどと連結されている場合には、補修部材
は汚水ます内に表出する一端開口から容易に挿入するこ
とができる。また他端面と係合可能な位置かどうかの判
断は、補修部材の挿入長さと既設管の長さを比較するこ
とで容易に判断できる。もしくは、本管内取付管接合部
付近にTVカメラ、調査車等を進入させ、モニターTV
画面で確認することも可能である。
【0015】その状態で、補修部材は少なくともフラン
ジ部の形状回復温度以上の温度に加熱される。この加熱
は、熱空気あるいは水蒸気などの加熱媒体を補修部材内
又は補修部材と既設管内周表面との間などに流すこと
で、容易に行うことができる。これにより既設管の少な
くともフランジ部は、既設管の端面と係合可能な形状に
形状回復する。この場合、フランジ部が既設管端面と係
合か不係合かは不明であるが、例えば挿入した側の一端
側から補修部材を引っ張ることにより容易にフランジ部
を既設管端面に係合させることができる。
【0016】そして筒部を何らかの手段で固定するなど
の方法により、フランジ部の係合状態を固定することで
既設管端面部を補修することができる。例えば筒部の少
なくともフランジ部側の端部も形状記憶樹脂から構成
し、既設管の内径より大きな外径をもつ形状に形状記憶
させ、それを既設管に挿入可能な形状に変形させて既設
管に挿入し、フランジ部が既設管の端面と係合すると同
時にまたは係合後に形状を回復させる。これにより筒部
の少なくともフランジ部側の端部は既設管内周面に圧接
し、圧接力によりその位置で固定される。
【0017】さらに、筒部は既設管とほぼ同等の長さを
もつ構成とし、筒部で既設管の内周面を補修するように
構成することが好ましい。そこで例えば筒部を膨張可能
な材質で形成し、フランジ部が既設管と係合後に加圧空
気などで膨張させて既設管の内周面と圧接させることが
望ましい。膨張形状を固定するには、接着剤などで既設
管内周面と接合してもよいし、熱軟化させた後に膨張さ
せた場合は冷却するだけで膨張形状を固定できる。
【0018】さらに望ましくは、筒部の全体を形状記憶
樹脂から形成し、既設管の内径より大きな外径をもつ形
状に形状記憶して用いるとよい。このようにすれば、筒
部を形状回復させることで筒部は膨張して既設管内周面
に圧接されるので、既設管内周面を補修することができ
る。ただ、膨張した筒部が既設管に圧接すると、補修部
材の既設管内の移動が困難となり、フランジ部が未係合
状態のままで固定される不具合が発生する場合がある。
そこで筒部は形状回復していない状態のままで、先ずフ
ランジ部を形状回復させることが望ましい。このように
すれば補修部材は既設管内で移動可能であるので、反対
側から引っ張る、又は本管側から送り込んだ治具等で押
し込むなどの方法により、フランジ部を既設管端面と確
実に係合させることができる。その後筒部を形状回復さ
せれば、筒部は既設管内周面に圧接されて固定され、内
周面が補修されるとともにフランジ部と既設管との係合
状態が固定される。
【0019】フランジ部を筒部より先に形状回復させる
には、例えば図10に示す取付管101を補修する場
合、本管100内に熱風を供給すれば、取付管101の
先端から本管100内に表出しているフランジ部を優先
的に加熱することができ、フランジ部を先に形状回復さ
せることができる。この場合、筒部の加熱を防止するた
めに、補修部材内にできれば断熱性の充填物を挿入して
おくことも好ましい方法である。
【0020】さらには、筒部の形状回復温度がフランジ
部の形状回復温度より高温となるように構成することが
望ましい。この場合先ず低温に加熱すれば、フランジ部
のみが形状回復し筒部は変形状態を維持している。した
がって補修部材は既設管内で移動可能であるので、反対
側から引っ張るなどしてフランジ部を係合位置とした後
に高温に加熱すれば、筒部が形状回復し既設管と圧接し
てその状態が固定される。
【0021】このようにして既設管の一端面と内周面が
補修される。そして最後に既設管の他端面(挿入側)に
おいて、補修部材の末端を処理する工程が行われる。こ
れは、例えば補修部材のはみ出し分を切除し、フランジ
部と同様に係合可能な形状が記憶され変形された部材を
挿入後形状回復させて既設管の他端面と係合させる方
法、あるいはシール材を塗布する方法などで行うことが
できる。
【0022】なお、フランジ部と既設管端面との係合に
おいて、単に圧接するだけではシール性に乏しい場合が
ある。そこでフランジ部の既設管端面と当接する表面に
シール部材をもつことが望ましい。このシール部材とし
ては、ゴム、粘着材などが例示され、シール部材がフラ
ンジ部と既設管端面との間に介在することによりシール
性が一層向上し、下水道本管と取付管の継ぎ目などから
の水の浸入を効果的に防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。なお
以下の実施例は図10に示す下水道管渠の取付管101
の補修工法と、それに用いた補修部材に関するものであ
る。 (実施例1)図2に実施例1で用いた補修部材を示す。
なお、図2は形状回復後の断面形状を示している。この
補修部材1は、筒部10と球面状に湾曲したフランジ部
11とから構成されている。
【0024】先ず形状記憶樹脂としてポリウレタン樹脂
(「ダイアリィ」三菱重工(株)製)を用い、射出成形
により円筒状の筒部10と筒部10の一端面から径方向
外方に鍔状に突出するフランジ部11とからなる補修部
材1を形成した。この補修部材では、筒部10は取付管
101の内径より僅かに大きく構成されている。またフ
ランジ部11は、取付管101と本管100の継ぎ目部
分における取付管101の端面及び本管100の内周面
に沿う形状となっている。そして用いられた形状記憶樹
脂の形状記憶温度は170℃、形状回復温度は50℃で
あり、射出成形後に冷却することで補修部材1はこの形
状が記憶されている。
【0025】次に、補修部材1を70℃の温水中に浸漬
しながらフランジ部11を筒部10と同軸の筒状に変形
させるとともに延伸して、取付管101の内径より小さ
な外径をもつ挿入形状とした。これを着脱自在に把持す
る図示しない治具に装着し、汚水ますに開口する取付管
101の開口から取付管101内にフランジ部11側を
先頭に挿入して、図3に示すようにフランジ部11が本
管100内に突出する位置まで挿入した。
【0026】その状態で本管100側から60℃の熱空
気を供給し、先ずフランジ部11のみの形状を回復させ
た。次に図示しない治具で把持しながら、汚水ます20
0側に引き寄せて、取付管101の端面及び本管100
の内周面に当接させた状態で、取付管101の汚水ます
200側の開口から60℃の熱空気を供給し、残りの筒
部10の形状を回復させた。つまり、図1に示すように
フランジ部11は取付管101の端面及び本管100の
内周面を覆ってシールし、筒部10が取付管101の端
部内周面に圧接されることで補修部材1は取付管101
と一体的に固定される。そして治具を取付管101内か
ら抜くことで、取付管101と本管100の継ぎ目部分
の補修が完了する。
【0027】なお、本実施例では筒部10も形状記憶樹
脂からフランジ部と一体的に形成された補修部材を用い
たが、筒部10は単なる熱可塑性樹脂から形成された補
修部材を用いることもできる。この場合は、上記と同様
にフランジ部11を取付管101の端面及び本管100
の内周面に当接させた状態で、筒部10を加熱しながら
加圧空気を供給して筒部10を膨張させる。これにより
筒部10は取付管101の端部内周面に圧接され、補修
部材は取付管101と一体的に固定される。 (実施例2)上記実施例1では、取付管101と本管1
00の継ぎ目部分の補修を行ったが、以下のようにすれ
ば取付管101の内周面をも補修することができる。
【0028】形状記憶樹脂としてスチレン−ブタジエン
共重合樹脂(「アスマー」旭化成(株)製)を用い、1
50℃での押出成形により外径が取付管101の内径よ
り僅かに大きい円筒状の第1部材2(図4参照)を形成
した。この形状記憶樹脂の形状記憶温度は120℃、形
状回復温度は75℃であり、押出成形後に冷却すること
で第1部材2はこの形状が記憶されている。
【0029】一方、形状記憶樹脂としてポリウレタン樹
脂(「ダイアリィ」三菱重工(株)製)を用い、射出成
形により円筒状の筒状部30と筒状部30の一端面から
径方向外方に鍔状に突出するフランジ部31とからなる
第2部材3(図4参照)を形成した。第2部材3の筒状
部30の外径は第1部材2の内径より僅かに大きく、フ
ランジ部31は、取付管101と本管100の継ぎ目部
分における取付管101の端面及び本管100の内周面
に沿う形状となっている。この形状記憶樹脂の形状記憶
温度は170℃、形状回復温度は50℃であり、射出成
形後に冷却することで第2部材3はこの形状が記憶され
ている。
【0030】次に、第1部材2を90℃の温水中に浸漬
しながら延伸し、取付管101の内径より小さな外径の
挿入形状とした。また第2部材3は70℃の温水中に浸
漬され、フランジ部31を筒状部30と同軸の筒状に変
形させるとともに延伸して、変形された第1部材2の内
径より小さな外径とした。そして第2部材3の筒状部3
0を第1部材2の端面から挿入し、筒状部30のみを熱
空気により60℃に加熱した。これにより筒状部30の
みが原形状に回復しようとし、挿入形状にある第1部材
2の内周表面に圧接して、図5に示すように第1部材2
と一体的に結合した補修部材が形成された。
【0031】このように挿入形状にある補修部材を用
い、第2部材3を先頭にして汚水ます100に開口する
取付管101の開口から取付管101内に挿入し、フラ
ンジ部31が本管100内に突出する位置とする。この
とき、汚水ます100と取付管101の間に段差がある
場合には、挿入の際に補修部材を形状回復速度が遅くか
つ変形可能な温度範囲で加熱変形させながら挿入すると
よい。
【0032】その状態で汚水ます200側から補修部材
内に水蒸気を供給し、補修部材を60℃に加温する。こ
れにより第2部材3は形状回復温度以上となるが、第1
部材2は形状回復温度未満である。したがって第2部材
3のみが形状回復し、本管100内にフランジ部31が
形成される。筒状部30は、大部分が第1部材2内にあ
るため、第1部材2により形状回復が規制されている
(図6参照)。
【0033】次に汚水ます200側から図6矢印方向に
補修部材を引っ張ると、補修部材はフランジ部31が取
付管101の端面及び本管100の内周面に当接した状
態で移動が規制されるので、その位置で引っ張りを停止
する。そして補修部材内に水蒸気を供給し、補修部材を
80℃に加温する。これにより第1部材2及び第2部材
3がともに形状回復温度以上となり、第1部材2は取付
管101の内周面に圧接される。また第2部材3は、筒
状部30が拡径して拡径した第1部材2の内周表面に圧
接される(図7参照)。したがって補修部材は、形状回
復により取付管101と圧接して一体的に結合する。
【0034】なお、第1部材2の形状の回復は、第2部
材3側から略一定の間隔で徐々に行うようにすることが
好ましい。この後、取付管101の汚水ます200側の
開口から突出している補修部材の第1部材2の端部を切
除し、挿入形状に変形された別の第2部材3の筒状部3
0を補修部材内に挿入する。そして水蒸気を供給して挿
入された第2部材3を60℃となるまで加温することに
より形状回復させると、フランジ部31が取付管101
の汚水ます200内の端面に当接し、筒状部30が第1
部材2内周面に圧接した状態で固定される。
【0035】したがって得られた補修後の取付管101
では、第1部材2が内周面全面を被覆し、両端面には第
2部材3のフランジ部31が周囲の本管100及び汚水
ます200の内周面に当接してシールしている。 (実施例3)本実施例の補修部材を、形状回復後の状態
で図8に示す。この補修部材は、筒部4(第1部材)と
フランジ部5(第2部材)の結合状態が異なること以外
は実施例2と同様の構成である。
【0036】本実施例では、先ず押出成形により筒部4
を形成する。筒部4は押出成形時の熱により押出形状が
記憶されている。次にその筒部4の一端部をフランジ部
5を成形する金型内に配置し、射出成形によりフランジ
部5を形成する。フランジ部5は筒部4の端部外周表面
に成形される。これにより筒部4とフランジ部5とは一
体的に接合され、一体成形品としての補修部材が得られ
る。なお、筒部4とフランジ部5との接合性が悪い場合
には、接着剤を使用することもできる。そして実施例2
と同様にして取付管101を補修することができる。 (実施例4)上記実施例では、補修部材を形状記憶樹脂
からのみ形成したが、例えば図9に示すように、フラン
ジ部51の取付管101端面に対向する表面、つまり挿
入形状時のフランジ部51の外周表面に、ブチルゴムや
ウレタンなどの粘弾性体からなるシール部材52を接着
などで一体的に設けておくことも好ましい。
【0037】このようにすれば、フランジ部51のみを
形状回復後引っ張る際に、シール部材52が取付管10
1端面及び本管100内周面に密着するので、シール性
が一層向上するとともに、シール部材52の変形により
引っ張り位置の誤差が吸収され、引っ張り不足によるシ
ール性低下を防止することができる。さらに、図示はし
ないが、補修部材の内周表面に塩化ビニル樹脂被膜など
のバリヤー層(補修後の既設管の耐久性を向上させるも
の)を形成しておくことも好ましい。
【0038】
【発明の効果】すなわち本発明の補修部材及びその補修
部材を用いた既設管の補修工法によれば、少なくとも既
設管の一端側では掘削を行わなくとも端面まで確実に補
修することができ、工数を大きく低減することができ
る。また接着剤などを用いなくても補修部材と既設管と
は強固に密着可能である。したがって従来の補修工法に
比べてコストと補修に要する期間を大きく低減すること
ができる。
【0039】そして本発明の補修部材の製造方法によれ
ば、上記補修工法に用いられる補修部材を容易に、かつ
安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の補修工法における補修後の
既設管及び補修部材の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の補修工法において用いられ
た補修部材を形状回復状態で示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例の補修工法において変形され
た補修部材を既設管内に挿入した状態をを示す断面図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施例の補修工法において用い
られた補修部材の構成を形状回復状態で示す断面図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施例の補修工法において補修
部材を変形させた状態で示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例の補修工法において補修
部材を既設管に挿入後係合部のみを形状回復させた状態
を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の補修工法における補修
後の既設管及び補修部材の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例の補修工法において用い
られた補修部材を形状回復状態で示す断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例の補修工法において用い
られた補修部材を形状回復状態で示す断面図である。
【図10】下水道の管渠構造断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1:補修部材 2:第1部材 3:第
2部材 10:筒部 11:フランジ部 100:下水道本管(既設管) 101:取付管
(既設管)
フロントページの続き (71)出願人 000219668 東海化成工業株式会社 愛知県小牧市大字北外山字下小管4203番地 の1 (72)発明者 中村 勝巳 東京都世田谷区上用賀1−7−3 管清工 業株式会社内 (72)発明者 三浦 修司 東京都中央区日本橋本町三丁目3番6号 日曹商事株式会社内 (72)発明者 夏堀 功 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 高橋 修一 愛知県小牧市大字北外山字下小管4203−1 番地 東海化成工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設管の内周面に係止される筒部と該筒
    部の一端に形成され該既設管の端面に係止されるフラン
    ジ部とからなり、少なくとも該フランジ部は形状記憶樹
    脂から形成されて該フランジ部の形状が記憶されている
    ことを特徴とする既設管の補修部材。
  2. 【請求項2】 筒部は既設管の長さと略同等の長さをも
    ち拡径可能である請求項1記載の補修部材。
  3. 【請求項3】 筒部の少なくともフランジ部側の端部は
    形状記憶樹脂から形成され既設管の内径以上の外径をも
    つ筒形状が記憶されていることを特徴とする請求項1記
    載の補修部材。
  4. 【請求項4】 筒部の形状回復温度はフランジ部の形状
    回復温度より高温であることを特徴とする請求項3記載
    の補修部材。
  5. 【請求項5】 フランジ部は筒部側の表面に軟質のシー
    ル部材をもつことを特徴とする請求項1記載の既設管の
    補修部材。
  6. 【請求項6】 既設管の内周面に係止される筒部と該筒
    部の一端に形成され該既設管の端面に係止されるフラン
    ジ部とからなる補修部材の少なくとも該フランジ部を該
    既設管の端面に係止される形状に形状記憶樹脂で型成形
    し、該フランジ部の形状を記憶した補修部材を得る工程
    と、 少なくとも該フランジ部を該既設管に挿入可能な形状に
    変形させる工程と、からなることを特徴とする既設管の
    補修部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 既設管の内周面に係止される筒部と該筒
    部の一端に形成され該既設管の端面に係止されるフラン
    ジ部とからなり、少なくとも該フランジ部は形状記憶樹
    脂から形成されて該フランジ部の形状が記憶され、かつ
    該既設管に挿入可能に変形された補修部材を該フランジ
    部が該既設管の一端面と係合可能な位置となるまで該既
    設管内に挿入する挿入工程と、 該フランジ部を形状回復温度以上に加熱して形状回復さ
    せ該既設管の一端面と係合させる回復工程と、を順次行
    うことを特徴とする既設管の補修工法。
  8. 【請求項8】 既設管の内周面に係止される筒部と該筒
    部の一端に形成され該既設管の端面に係止されるフラン
    ジ部とからなり、少なくとも該フランジ部は形状記憶樹
    脂から形成されて該フランジ部の形状が記憶され、かつ
    該既設管に挿入可能に変形された補修部材を該フランジ
    部が該既設管の一端面と係合可能な位置となるまで該既
    設管内に挿入する挿入工程と、 該フランジ部を形状回復温度以上に加熱して形状回復さ
    せ該既設管の一端面と係合させる回復工程と、 該筒部を該既設管の内周面に圧接させてその状態を固定
    する拡径工程と、を順次行うことを特徴とする既設管の
    補修工法。
  9. 【請求項9】 筒部の少なくともフランジ部側の端部は
    形状記憶樹脂からなり既設管の内径より大きな外径をも
    つように形状記憶され、拡径工程は該筒部を形状回復さ
    せて行うことを特徴とする請求項8記載の既設管の補修
    工法。
  10. 【請求項10】 フランジ部の形状回復温度は筒部の形
    状回復温度より低く、回復工程では該フランジ部を形状
    回復させた後補修部材を既設管の軸方向へ移動させるこ
    とで該フランジ部を該既設管の一端面と係合させること
    を特徴とする請求項9記載の既設管の補修工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10205681A (ja) * 1997-01-23 1998-08-04 Iseki Poly Tech Inc 埋設本管と取付管との接合部補修方法

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