JPH073009B2 - 金属光沢を有する不燃性糸の製造方法 - Google Patents

金属光沢を有する不燃性糸の製造方法

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JPH073009B2
JPH073009B2 JP3192501A JP19250191A JPH073009B2 JP H073009 B2 JPH073009 B2 JP H073009B2 JP 3192501 A JP3192501 A JP 3192501A JP 19250191 A JP19250191 A JP 19250191A JP H073009 B2 JPH073009 B2 JP H073009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不燃性を有する内装用
織物に使用可能な、金属光沢を有する不燃性糸を製造す
るための方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】今日までに、織物や編み物の分野では、
優れた装飾性を付与するために、金属光沢を有した箔糸
や撚糸が使用されてきており、最も一般的なものとして
は、プラスチックフィルムや和紙の表面に、蒸着を施し
たものや、接着剤を用いて金属箔を貼り付けたもの等が
ある。
【0003】しかしながら、これまでに使用されてきた
金属箔糸や金属撚糸の場合、基材となるプラスチックフ
ィルムや和紙が可燃性のものであって、しかも使用され
る接着剤が可燃性であるために、箔糸や撚糸自体に不燃
性がなく、又、基材がプラスチックフィルムである場合
には、燃焼時に有毒なガスを発生することが大きな問題
となる。従って、不燃性を有する金属箔糸や金属撚糸を
用いて、内装用織物を製造することができれば、災害を
防止する上で最大の手段となり得る。
【0004】このような問題を解決するために、これま
で、優れた不燃性を有する新たな材料の開発や、一般的
な金属箔糸に不燃性を付与させるための加工方法の開発
等が検討されてきており、優れた不燃性を有する材料と
して良く知られているものにはガラス繊維がある。
【0005】特に、最近では、ガラス繊維を加工した製
品として、ガラス繊維からなる布帛やフェルト等が市販
され、その中でも、ガラス繊維を製織した布帛は、不燃
性カーテンや電気絶縁性織物に広く使用されるようにな
っている。
【0006】ところが、このような製織されたガラス繊
維布帛を用いて内装織物を製造しようとした場合には、
布帛を構成するガラス繊維糸間に隙間が存在し、しか
も、ガラス繊維布帛が互いに固定されていないために、
表面に力が加わった際、ガラス繊維糸が上下左右に移動
してしまうという問題点がある。
【0007】又、ガラス繊維布帛に対して金属光沢を付
与するのに、金属の蒸着を行った場合には、ガラス繊維
糸間に存在する隙間を、金属が通り抜けてしまい、ガラ
ス繊維布帛上に均一な厚さの金属膜が形成できないとい
う問題点もある。
【0008】更に、このようなガラス繊維布帛では、優
れた不燃性を維持したままで色彩を施すことが困難なた
めに優れた意匠性を有するものが得られず、不燃性を持
たない樹脂に着色剤を分散させて、ガラス繊維布帛の表
面に塗布しても、基材は燃えないが、表面層が燃えると
いう問題がある。このような現状から、今日までに、完
全な不燃性を有する、織物用又は編み物用の、金属光沢
を有する不燃性糸は提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を改良し、優れた金属光沢性と不燃性を有する、織物用
又は編み物用の金属箔糸を製造するための方法を提供す
ることを課題とする。又、本発明は、優れた金属光沢性
と不燃性を有する、金属撚糸を製造するための方法を提
供することも課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の、金属光沢を有
する不燃性糸の製造方法は、 工程A:珪酸カルシウムと水分散性ポリエステルウレタ
ン樹脂とを、固形分重量比率で40〜60:100の割
合で含む不燃化溶液を、ガラス繊維布帛の両面に塗布す
る工程 工程B:上記工程Aで処理したガラス繊維布帛の両面
に、金属薄層を設ける工程 工程C:上記工程Bで処理したガラス繊維布帛の両面
に、フッ素系樹脂を塗布してフッ素系樹脂層を形成させ
る工程 工程D:熱処理を行う工程、及び 工程E:上記工程Dで処理したガラス繊維布帛を、糸条
に裁断して金属箔糸に形成する工程 からなることを特徴とする。
【0011】即ち、本発明では、ガラス繊維布帛の両面
に、水分散性ポリエステルウレタン樹脂と珪酸カルシウ
ムとを一定の比率で含有する不燃化溶液を塗布し、乾燥
させた後、このガラス繊維布帛の両面に金属薄層を形成
させ、更に、その後、表面強度の向上等を目的として、
表面にフッ素系樹脂を塗布してフッ素系樹脂層を形成さ
せ、その後、布帛全体に熱を加えて、未硬化の樹脂を完
全に硬化させることによって、不燃性を有する金属箔を
得る。そして、このようにして得た金属箔を、スリッタ
ー等を用いて糸条に裁断すると、優れた不燃性を有し、
内装用織物に適した金属箔糸が得られる。
【0012】以下に、本発明の、金属光沢を有する不燃
性糸の製造方法における各工程を説明する。まず、本発
明における第1の工程Aでは、水分散性ポリエステルウ
レタン樹脂と珪酸カルシウムとを均一に分散させて不燃
化溶液を調製し、その後、この不燃化溶液を、ガラス繊
維布帛の両面に塗布して、乾燥を行う。この工程Aによ
り、ガラス繊維糸間に存在する隙間が、不燃性を有した
樹脂で埋められ、目詰め層が形成される。
【0013】本発明では、基布としてガラス繊維布帛が
使用されるが、このガラス繊維布帛は、細いガラス繊維
を緻密に製織して得られたものである。又、このガラス
繊維布帛としては、前もってシランカップリング処理さ
れた市販品を使用することができる。
【0014】一方、本発明における工程Aで使用される
不燃化溶液は、水分散性ポリエステルウレタン樹脂と珪
酸カルシウムとを含有するものであって、この珪酸カル
シウムには、水分散性ポリエステルウレタン樹脂の着火
性を防止し、接着力を増加させる働きがある。
【0015】特に、本発明では、珪酸カルシウムの添加
割合が重要であり、水分散性ポリエステルウレタン樹脂
の固形分100重量部に対する添加割合は、40〜60
重量部の範囲である。もし、珪酸カルシウムの添加割合
が、上記の樹脂100重量部に対して40重量部未満で
ある場合には充分な不燃性が得られなくなり、逆に60
重量部を越える場合には、ガラス繊維布帛を構成してい
るガラス繊維糸の表面に、珪酸カルシウムを確実に固定
できなくなる。
【0016】又、本発明で使用される水分散性ポリエス
テルウレタン樹脂は、良好な不燃性を有するだけでな
く、皮膜形成性の点においても優れているので、短時間
のうちにガラス繊維布帛の表面上に均一な樹脂皮膜を形
成することができるという利点を有する。
【0017】尚、本発明では、この水分散性ポリエステ
ルウレタン樹脂のグレード等が、特に限定されるもので
はなく、市販のものを使用することができるが、その中
でも特に適したものは、強度が大きく、柔軟性及び強力
な接着力を有し、しかも透明度の高い皮膜を形成し得る
ものである。このような物性を有する樹脂が使用される
ことで、ガラス繊維布帛を構成しているガラス繊維糸
の、縦横の糸を柔軟に固定でき、理想的な基布が得られ
る。本発明において好ましいポリエステルポリウレタン
水分散溶液としては、例えば IMPRANIL. DLN. DISP(バ
イエル社製)等が挙げられ、この溶液には、有機溶剤や
乳化剤が含まれない。
【0018】又、本発明では、不燃化溶液中における水
分散性ポリエステルウレタン樹脂の固形分濃度が、特に
限定されるものではなく、ガラス繊維布帛に対して塗布
し易い粘度となるように適宜、固形分濃度を調整して使
用するのが一般的である。本発明では、不燃化溶液中
に、一般的な増粘剤を添加することもできる。
【0019】本発明における工程Aでは、上述の不燃化
溶液をガラス繊維布帛に塗布する際の方法についても特
に限定されないが、ドクターコート法が一般的であり、
この方法を用いた場合には、簡単に、しかも非常に効率
良く、ガラス繊維布帛に塗布することができる。
【0020】上述の工程Aにより処理されたガラス繊維
布帛では、ガラス繊維布帛の表面に不燃化溶液が塗布さ
れて目詰め層が形成されることにより、ガラス繊維が互
いに固定され、ガラス繊維糸間に存在する隙間が埋めら
れるだけでなく、表面に力がかかった際にもガラス繊維
糸が移動しないという利点がある。
【0021】次に、第2の工程Bにおいては、上述の工
程Aで処理したガラス繊維布帛の両面に、金属薄層を形
成させて金属光沢を付与するが、この金属薄層の形成方
法としては、金属を蒸着させる方法や、上記不燃化溶液
を介して金属箔を両面に貼り合わせる方法が使用され
る。尚、金属を蒸着させる方法の場合には、工程Aで形
成させた目詰め層により、蒸発した金属がガラス繊維布
帛を通過せず、確実に、ガラス繊維布帛上に金属薄層が
形成できる。本発明では、蒸着に用いる金属は特に限定
されないが、最も一般的なものはアルミニウムである。
【0022】更に、第3の工程Cでは、上記のようにし
て、金属光沢が付与されたガラス繊維布帛の両面に、フ
ッ素系樹脂を均一に塗布してフッ素系樹脂層を形成さ
せ、ガラス繊維布帛に、耐光強度、不燃性、防汚性、耐
経時変化、耐摩耗性及び耐薬品性等の特性を付与する。
尚、ここで使用されるフッ素系樹脂は、市販のものが広
く使用できる。
【0023】そして、工程Dでは、工程Cの処理を行っ
たガラス繊維布帛を熱処理して、バインダー及びフッ素
系樹脂を完全に硬化させ、不燃性金属箔を得る。本発明
では、このような熱処理工程を行うことにより、金属箔
の表面強度を向上させることができ、しかも火災時にお
ける有毒ガス発煙係数を減少させることができる。一般
的に、この熱処理工程は、140〜150℃の温度で2
0〜30分間程度行うことが好ましい。
【0024】更に、最後の工程Eにおいては、上述の工
程により得た金属箔を、スリッター機などを用いて、所
望の幅で糸条に裁断し、金属箔糸に形成する。
【0025】次に、本発明により得られる不燃性金属箔
糸の断面構造を図1に示す。図1に示される如く、本発
明により得られる不燃性金属箔糸では、不燃性を有する
ガラス繊維布帛1が基材として使用され、このガラス繊
維布帛1の両面は、水分散性ポリエステルウレタン樹脂
と珪酸カルシウムとを含有する不燃化溶液から構成され
た、不燃性を有する目詰め層2で覆われている。そし
て、この目詰め層2の表面には、アルミニウム等の金属
を蒸着させるか、あるいは、金属箔を貼り合わせること
によって形成された金属薄層3が積層され、更にその上
には、フッ素系樹脂層4が設けられている。
【0026】図1に示されるように、ガラス繊維布帛1
の両面が目詰め層2で覆われることにより、ガラス繊維
布帛1を構成するガラス繊維糸は互いに固定されて一体
化され、しかも、ガラス繊維布帛1の両面には金属薄層
3が設けられることで、両面が金属化され、優れた金属
光沢を有し、装飾性のあるものになっている。
【0027】尚、本発明により得られる不燃性金属箔糸
では、厚さが薄く、平織りのガラス繊維布帛1を基布と
することによって、ガラス繊維布帛の特徴である不燃性
と強度を利用することができるだけでなく、ガラス繊維
布帛1の表面には、珪酸カルシウムを含有し、不燃性樹
脂からなる目詰め層2が形成されているために、ガラス
繊維の欠点である折損や飛散が防止されたものになると
いう利点もある。又、このようにして得られた不燃性金
属箔糸は、その不燃性と引張り強度において、従来の金
属箔糸よりも優れている。
【0028】本発明は、更に、金属光沢を有し、しかも
優れた不燃性を有する金属撚糸の製造方法でもあり、こ
の方法においては、前述の工程A〜Eにより金属箔糸を
製造した後、この金属箔糸をガラス繊維ヤーンと撚り合
わせることを特徴とする。特に、本発明では、金属撚糸
を製造する際、ガラス繊維のEファイバーBヤーンEC
D450の双糸に撚糸したヤーンを、金属箔糸と同じ色
に着色した後に、前述の方法によって得られた金属箔糸
と撚り合わせるのが一般的であるが、金属箔糸と合撚す
るガラスヤーンを異なった色とすることにより、多彩な
色を有する金属撚糸が得られる。
【0029】又、本発明において、色相を有した不燃性
糸を製造する際には、前述の不燃化溶液中に着色色素を
添加すれば良く、この際、使用可能な着色色素として
は、優れた耐光強度を有し、かつ熱による変色が起こら
ない色素であれば特に限定されるものではない。その中
でも、特に好ましい着色色素としては、耐候強度8級を
標準としての物性を有するインダンスレン系色素が挙げ
られ、例えば Resinカラー(松井色素社製)等が適して
いる。
【0030】更に、本発明では、金属薄層を設けた後の
平面状の金属箔に、不燃性を有する色素を用いて着色を
施し、更にフッ素樹脂コートをした後、適宜所望の幅に
糸条に裁断し、縦糸としてガラス繊維ヤーンを使用し
て、不燃性織物を製造することもできる。
【0031】尚、本発明では、金属光沢を有する不燃性
糸の表面に、金属光沢以外の光沢や色相を付与すること
で、優れた意匠性を有する不燃性糸を製造することもで
き、この場合には、前述の不燃化溶液中に、特定の無機
物質や着色色素を均一に分散させ、このような不燃化溶
液を、前述の工程A及び工程Bにより得られたガラス繊
維布帛の表面の金属薄層の上に塗布する。
【0032】例えば、ガラスビーズ又はガラス粉末を添
加した不燃化溶液を塗布した場合には、塗布後のガラス
繊維布帛の表面に微細な凹凸が形成され、その凹部から
の反射光と凸部からの反射光が複雑に作用し、色相に柔
らかと重厚さが備わった金属箔糸が得られる。この際、
不燃化溶液中に分散されるガラスビーズ又はガラス細片
の粒径は、特に限定されないが、170〜250メッシ
ュ程度のものが好ましい。
【0033】更に、本発明では、上記のガラスビーズ、
ガラス粉末の他に、目的に応じて例えば、酸化チタン、
亜鉛華、雲母粉、水晶粉末、方解粉末等の無機物質を、
不燃化溶液中に分散させても良く、この場合においても
優れた意匠性を有する不燃性金属箔糸が得られる。尚、
不燃化溶液中に珪酸カルシウムを添加した場合には、塗
布後の表面が艶消し状になるために、通常は、不燃化溶
液中に珪酸カルシウムが添加されることはない。
【0034】このように、本発明では、非常に意匠性に
富んだ不燃性糸を製造することができ、特に不燃化溶液
として、上記の無機物質と着色色素の両方を含有するも
のを使用した場合には、光沢の点においても優れ、色相
の点においても優れたものが得られる。
【0035】本発明では、無機物質と着色色素の両方を
含有する不燃化溶液として好ましいものは、上記の水分
散性ポリエステルウレタン樹脂の固形分100重量部に
対して、上記の無機物質が200重量部以上含まれ、し
かも、この無機物質が、亜鉛華と、ガラスビーズ又はガ
ラス細片であって、亜鉛華の重量がガラスビーズ又はガ
ラス細片の重量に対して0.8〜2倍、特に1〜1.5
倍含有されたものが挙げられ、この溶液を用いた場合に
は、光の散乱効果が高く、柔らかな色相で、鮮明かつ深
みのある金属箔糸が得られる。
【0036】本発明において、着色層を設けた際の不燃
性糸においては、その断面構造が、図2に示されるよう
になっており、基材となるガラス繊維布帛1を構成する
ガラス繊維糸間に存在する隙間は、不燃性を有した目詰
め層2によって埋められ、この目詰め層2の上には、両
面に金属薄層3が設けられている。そして、この金属薄
層3の上には、前述の着色色素を含有した不燃化溶液に
よって形成された着色層5が積層され、更にその外側面
は、フッ素系樹脂層4で覆われている。
【0037】本発明では、比較的簡単な工程により、美
しい金属光沢を有する不燃性糸が製造でき、しかも本発
明において使用される不燃化溶液は、有機溶剤や乳化剤
を含まない水性であるために、有害な有機溶剤の蒸気が
発生せず、又、不燃化溶液中に分散された各成分の分散
状態が安定しているという特徴がある。
【0038】又、本発明には、不燃化溶液に含有される
上記の無機物質と着色色素の種類及び添加割合を適宜変
化させることで、種々の色相を有する不燃性糸が製造で
きるという利点もあり、本発明により得られる不燃性糸
は、特に織物用として適し、加工適性の点においても優
れたものである。
【0039】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、これらに限定されるものでは
ない。
【実施例】
実施例1 まず、第1の工程Aにおいては、市販の水分散性ポリエ
ステルウレタン樹脂液IMPRANIL. DLN. DISP(バイエル
社製、樹脂固形分: 約 40%)50重量%、珪酸カルシウ
ム(徳山曹達社製、商品名:トクシール)10重量%及
び水50重量%を均一に混合して不燃化溶液を調製し、
この溶液を、製織されたガラス繊維布帛の両面に、ドク
ターコート法によって塗布した。そして、室温にて乾燥
を行い、ガラス繊維布帛の両面に、目詰め層を形成させ
た。
【0040】次に、工程Bでは、上記の工程Aで得たガ
ラス繊維布帛を蒸着機の中に入れ、真空下で、その両面
にアルミニウムを蒸着させて、金属薄層を形成させた。
その後、工程Cとして、得られたガラス繊維布帛の表面
に、フッ素系樹脂溶液を塗布し、更に、工程Dでは、こ
のガラス繊維布帛を140℃で30分間熱処理して、未
硬化の樹脂を完全に硬化させた。最後の工程Eにおいて
は、このようにして得た金属光沢を有するガラス繊維布
帛を幅約1mmに糸条に裁断し、金属箔糸とした。
【0041】この実施例1により得られた金属箔糸の防
火性能を、昭和45年建設省告示第1828号に規定する試験
方法により調べた結果、この試験に合格するものである
ことが確認された。尚、この実施例1により得られた金
属箔糸は、織物加工用として適したものであり、この金
属箔糸を用いて得られた内装用織物は、金属光沢が美し
く、優れた不燃性を示した。
【0042】実施例2 上記の実施例1に記載されるのと同様の、工程A及び工
程Bを行った後、これにより得られたガラス繊維布帛の
両面に、水分散性ポリエステルウレタン樹脂液IMPRANI
L. DLN. DISP(バイエル社製、樹脂固形分: 約 40%)5
0重量%、水50重量%、ガラスビーズ(岳南光機社
製、240 メッシュ、63〜75μm シランカップリング処理
品)40重量%及び、インダンスレン系色素 Resinカラ
ー(松井色素社製)2重量%を均一に混合して得た不燃
化溶液を、ドクターコートにより塗布した。
【0043】その後、このようにして表面が着色加工さ
れたガラス繊維布帛に対し、実施例1に記載されるのと
同様の工程C〜Eを実施して、不燃性金属箔糸を得た。
一方、ガラス繊維のEファイバーBヤーンECD450
の双糸に撚糸したヤーンを、前記の金属箔糸と同じ色に
着色した後、上記の金属箔糸と撚り合わせ、金属撚糸を
製造した。
【0044】この実施例2により得られた金属撚糸の防
火性能を、実施例1と同様の不燃性試験方法にて調べた
結果、この試験に合格する優れた不燃性を有するもので
あることが確認された。尚、この実施例2により得られ
た金属撚糸は、織物用として適したものであり、この金
属撚糸を用いて得られた内装用織物は、優れた不燃性を
示し、しかも、この織物の表面は、光の散乱効果が高
く、柔らかな色相を有し、意匠性に富んだものであっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法により得られる、金属光沢
を有する不燃性糸は、優れた不燃性を示し、かつ、表面
に形成された金属薄層により、美しい金属光沢を有す
る。又、本発明により得られる不燃性糸は、耐光強度、
防汚性、耐経時変化、耐摩耗性、耐薬品性、風合いのい
ずれの点においても優れ、特に織物用又は編み物用に適
している。
【0046】更に、本発明では、ガラス繊維布帛の表面
に、無機物質や着色色素が添加された不燃化溶液を塗布
することで、所望の色彩を有する着色層が形成でき、こ
のようにして製造された不燃性糸を使用した場合には、
優れた意匠性を有する織物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる、金属光沢を有する不燃
性糸の断面構造を示した図である。
【図2】着色層5を設けた際の、金属光沢を有する不燃
性糸の断面構造を示した図である。
【符号の説明】
1 ガラス繊維布帛 2 目詰め層 3 金属薄層 4 フッ素系樹脂層 5 着色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/18 D06M 11/46 11/83 15/37 15/576 // D06M 101:00 D06M 15/37 15/576

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工程A:珪酸カルシウムと水分散性ポリエ
    ステルウレタン樹脂とを、固形分重量比率で40〜6
    0:100の割合で含む不燃化溶液を、ガラス繊維布帛
    の両面に塗布する工程 工程B:上記工程Aで処理したガラス繊維布帛の両面
    に、金属薄層を設ける工程 工程C:上記工程Bで処理したガラス繊維布帛の両面
    に、フッ素系樹脂を塗布してフッ素系樹脂層を形成させ
    る工程 工程D:熱処理を行う工程、及び 工程E:上記工程Dで処理したガラス繊維布帛を、糸条
    に裁断して金属箔糸に形成する工程 からなることを特徴とする、金属光沢を有する不燃性糸
    の製造方法。
  2. 【請求項2】上記工程A〜Eにより得られた金属箔糸
    を、ガラス繊維ヤーンとを撚り合わせ、金属撚糸に形成
    することを特徴とする、請求項1記載の金属光沢を有す
    る不燃性糸の製造方法。
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