JPH07300741A - 保温性を有する布帛 - Google Patents

保温性を有する布帛

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JPH07300741A
JPH07300741A JP6107903A JP10790394A JPH07300741A JP H07300741 A JPH07300741 A JP H07300741A JP 6107903 A JP6107903 A JP 6107903A JP 10790394 A JP10790394 A JP 10790394A JP H07300741 A JPH07300741 A JP H07300741A
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Japan
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fine particles
aluminum oxide
heat
oxide fine
fiber
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JP6107903A
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Tsunekatsu Furuta
常勝 古田
Yoshiaki Kijima
由明 來島
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた保温性を有する布帛を提供する。 【構成】 平均粒径5μm以下,結晶型がα型であり,
かつ脂肪酸金属塩で表面処理されている酸化アルミニウ
ム微粒子を0.1〜20重量%含する繊維から構成されて
なる布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,防寒衣料やスポーツ衣
料に適した保温性を有する布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,防寒衣料やスポーツ衣料にお
いては,透湿性と防水性を有する表地とその裏地との間
に中綿を挿入した三層構造により,中綿の空気層(デッ
ドエアー)を利用して保温性を得てきた。このような三
層構造の布帛は,特に動きやすさを要求されるスポーツ
衣料としては,重く嵩張り,自由な動きが阻害される欠
点を有していた。
【0003】近年,アルミニウム, ステンレス, チタン
等の金属を蒸着した布帛を裏地として用いることにより
体熱を反射する保温性布帛(特開平59−156743
号)や,炭化ジルコニウムに代表される遷移金属炭化物
等を繊維中に含有せしめて太陽光エネルギーを吸収し,
吸収した光エネルギーを熱エネルギーに転換,放射する
保温性布帛(特公平2−9202号)が提案されてお
り,これらの保温性布帛により,用いる中綿の量を少な
くしたり,あるいは全く用いないようにして,前述の重
く嵩張り自由な動きが阻害される欠点を解消してきた。
【0004】しかしながら前述のアルミニウム, ステン
レス, チタン等の金属を蒸着した布帛は,蒸着加工に伴
うコストアップ,蒸着加工前の準備工程における布帛の
微妙な取り扱いによる蒸着斑の発生や,洗濯あるいは着
用時の摩擦に起因する蒸着金属の脱落による保温性能の
低下等,種々の問題があった。また,炭化ジルコニウム
に代表される遷移金属炭化物等を繊維に含有せしめた保
温性布帛は,太陽光の照射の下では十分な保温性を有す
るものの,非照射時や日陰の下では十分な保温性を得る
ことができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて行われたもので,蒸着加工のような後加工を
行わずに,しかも,日陰においても良好な保温性を有す
る布帛を得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は「平均粒径が5μm以下で,結晶型がα型
であり,かつ脂肪酸金属塩で表面処理されている酸化ア
ルミニウム微粒子を0.1〜20重量%含有する繊維から構
成されてなることを特徴とする保温性を有する布帛」を
要旨とするものである。
【0007】以下,本発明について詳細に説明を行う。
【0008】本発明では,優れた保温性を発揮させるた
めに,繊維中に酸化アルミニウム微粒子を含有せしめ
る。ここで用いる酸化アルミニウムは,(1)その結晶
型がα型であること,( 2 )脂肪酸金属塩で表面処理され
ていること,(3)平均粒径が5μm以下であること,
の3条件を満たす必要がある。
【0009】一般に,酸化アルミニウムの結晶型は,α
型の他にκ型,θ型,δ型,η型,χ型,ρ型,γ型が
知られているが,α型以外の結晶型の酸化アルミニウム
に脂肪酸金属塩を表面処理したものを用いても,本発明
の目的とする保温性を得ることはできない。また,α型
の酸化アルミニウムであっても,脂肪酸金属塩による表
面処理が施されていない場合には,良好な保温性を発揮
することができない。
【0010】ここで,結晶型がα型の酸化アルミニウム
を得るには,例えば,天然に産するボーキサイトやギブ
サイトを出発原料とし,これに水酸化ナトリウムを作用
させて原料中のアルミニウムをアルミン酸ナトリウムと
した後,これを加水分解してジブサイト,バイアライ
ト,ベーマイト等の水酸化アルミニウムとし,さらに,
1200℃以上で加熱分解する公知の方法により得るこ
とができる。
【0011】本発明で用いられる酸化アルミニウム微粒
子の表面処理剤である脂肪酸金属塩は,脂肪酸と金属酸
化物あるいは金属水酸化物等とを加熱反応することによ
り得られるものであり,具体的にはステアリン酸ナトリ
ウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシ
ウム,オレイン酸ナトリウム,オレイン酸リチウム,オ
レイン酸マグネシウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリ
ン酸カルシウム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
等を挙げることができる。
【0012】ここで,酸化アルミニウムを上記脂肪酸金
属塩で表面処理するには,例えば,脂肪酸金属塩を溶解
した水溶液あるいは有機溶剤溶液中に酸化アルミニウム
微粒子を添加し,攪拌分散後,噴霧乾燥する方法等の公
知の方法により表面処理を行うことができる。
【0013】酸化アルミニウム微粒子の表面に脂肪酸金
属塩を付着せしめる際の付着量は,使用する酸化アルミ
ニウムの粒径や脂肪酸金属塩の種類によりそれぞれ異な
るため,本発明では特に限定しないが,一般には,酸化
アルミニウムの重量に対して5%以下であることが好ま
しい。
【0014】本発明で用いる酸化アルミニウム微粒子
は,平均粒径5μm以下であることが必要であり, 好ま
しくは2μm以下,さらに好ましくは1μm以下がよ
い。平均粒径が5μmを超えると,製糸工程で濾材への
目塞りや糸切れ等により可紡性の低下等の問題が生じ,
たとえ紡糸を行うことができても,延伸工程で糸切れ等
の問題が発生するので,不適当である。
【0015】本発明で用いられる繊維としては,ナイロ
ン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成繊
維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエス
テル系合成繊維,ポリエチレン,ポリプロピレン等で代
表されるポリオレフイン系合成繊維,または,これらを
主成分とする繊維形成性の良好な熱可塑性重合体からな
る合成繊維や,ポリアクリロニトリル系合成繊維,ポリ
ビニルアルコール系合成繊維,ポリ塩化ビニル系合成繊
維,トリアセテート等の半合成繊維,レーヨン等の再生
繊維等を挙げることができる。
【0016】上述の繊維への酸化アルミニウム微粒子の
含有量は,繊維重量に対して0.1〜20重量%の範囲に
あることが必要であり,1〜10重量%の範囲にある
と,より一層好ましい。酸化アルミニウム微粒子の含有
量が0.1重量%より少ない場合には,目的とする保温性
が得られず,また,20重量%を越える場合には,保温
性の効果が飽和に達するばかりか,繊維の生産性が悪く
なり,しかも,糸質的に十分な強伸度が得られなくなる
ので好ましくない。
【0017】酸化アルミニウム微粒子を繊維に含有せし
める方法としては,原料ポリマーに直接混合して紡糸す
る方法,予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有
せしめたマスターバツチを製造し,これを紡糸時に所定
の濃度に希釈調整してから紡糸する方法等がある。
【0018】ここで,繊維へ酸化アルミニウム微粒子を
含有せしめた状態の一例を繊維の断面図によって説明す
る。図1は,いずれも本発明の保温性を有する繊維の断
面を示すものであり,(1)は繊維1に酸化アルミニウ
ム微粒子を均一に含有せしめた状態を示し,(2)〜
(3)はいずれも芯鞘構造糸で,(2)は芯部2に,ま
た,(3)は鞘部4にそれぞれ酸化アルミニウム微粒子
を均一に含有せしめた状態,(4)は断面の3箇所6に
含有せしめた状態,(5)は分割糸で,16分割のうち
8分割部8に含有せしめた状態,(6)は3層構造糸
で,中層部10に含有せしめた状態,(7)はサイド・
バイ・サイド糸の中央部12に含有せしめた状態,
(8)は海島構造糸の島部14に含有せしめた状態を示
す。
【0019】これらの各断面構造の繊維のうち,(1)
に示す繊維は,その断面の全面に酸化アルミニウム微粒
子を含有しているので,ある程度強力的に低い水準の繊
維となるのは止むを得ないが,この点(2)〜(8)に
示す繊維は,それぞれ酸化アルミニウム微粒子を含有し
ていない部分3,5,7,9,11,13,15を有し
ているので,その程度に応じて酸化アルミニウム微粒子
を含有することによる強度低下が軽減される利点を有し
ている。また,(2),(6),(8)に示す繊維は,
酸化アルミニウム微粒子を含有している部分2,10,
14がそれぞれ繊維の内部にあって表面に露出していな
いので,繊維の製造時や織編物の製造時に繊維中の酸化
アルミニウム微粒子が紡糸機や織機,編機のローラーや
ガイド等を摩擦によって損傷したりすることがないとい
う利点も有している。
【0020】(4),(5),(7)の繊維は,酸化ア
ルミニウム微粒子を含有している部分6,8,12がそ
れぞれ繊維の表面に露出しているとはいえ,露出の程度
が,(1)に示す繊維よりはるかに少ないので,その程
度に応じて上記摩擦損傷の問題も低減される。(2)〜
(8)に示す繊維では,酸化アルミニウム微粒子を含有
している部分とそうでない部分が異種のポリマーであっ
てもいっこうに差し支えない。
【0021】繊維への酸化アルミニウム微粒子の含有
は,(1)〜(8)の形状のほかにも種々の形状で可能
である。本発明の布帛は,上記酸化アルミニウム微粒子
を含有する繊維による織物,編物,不織布をいい,該酸
化アルミニウム含有の異種繊維または酸化アルミニウム
を含有しない繊維との混繊,混紡,交織,交編等による
ものでもよい。本発明の布帛は,そのまま,あるいは染
色,樹脂加工して用いられる。
【0022】本発明は,以上の構成を有するものであ
る。
【0023】
【作 用】本発明者らの測定によると,α型の酸化アル
ミニウム微粒子は,低熱伝導率を有する物質であるが,
これを繊維中にそのまま含有せしめても,酸化アルミニ
ウムの二次凝集が起こり,微分散できないので,繊維全
体の熱伝導率を低下させることができず,目的とする保
温性を得ることはできないが,本発明のごとく,このα
型の酸化アルミニウムを脂肪酸金属塩で表面処理する
と,繊維形成性ポリマーとの相溶性が改善され,繊維中
に酸化アルミニウム微粒子を均一にミクロ分散すること
が可能となり,その結果,繊維全体の熱伝導率が低下
し,優れた保温性を発揮せしめることができるようにな
る。
【0024】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定,評価
は,下記の方法で行った。 (1)保温性 温度20℃,湿度65%の恒温恒湿の室内に,図2に側
断面図で示すごとき精密迅速熱物性測定装置KES−F
7(カトーテック株式会社製)を設置し,温度22℃に
保ったWater Box 21上に試料22を載せ,さらに,そ
の上に温度32℃に保った恒温ボックス(以下B. T. Bo
x という。)23の熱板部24が試料22と接触するよ
うに載せ,5分後に消費熱量検出器25により消費熱量
を読み取り,下記式〔1〕を用いて熱伝導率H(W/cm
・℃)を算出した。 H=( W/S × D )/ΔT──────〔1〕 W : 消費熱量(W) S : B. T. Box の熱板部4の面積(cm2) D : 試料の厚さ(cm) ΔT : B. T. Box とWater Box との温度差(℃)
【0025】実施例1 まず,平均粒径0.4μm,結晶型がα型の酸化アルミニ
ウム微粒子(AKP−30,住友化学工業株式会社製)
1000gをステアリン酸ナトリウム(脂肪酸金属塩)
0.3%水溶液10リットル中に添加し,攪拌分散後,噴
霧乾燥して,本発明で用いる脂肪酸金属塩による表面処
理酸化アルミニウム微粒子を得た。
【0026】次に,m−クレゾール溶媒中で,濃度0.5
g/デシリットル,温度20℃にて測定した相対粘度
2.6の6ナンロン98重量部と上記酸化アルミニウム微
粒子2重量部とを均一に溶融混合後,紡糸した。この際
に,紡糸温度を250℃とし,速度1500m/分にて
引き取り,続いて延伸温度85℃,延伸倍率2.6倍, 熱
処理温度165 ℃にて延伸, 熱処理し, 表面処理酸化アル
ミニウム微粒子を含有するナイロンマルチフィラメント
70d/24fを得た。
【0027】ここで経糸,緯糸の双方に上述のナイロン
マルチフィラメント70デニール/24フィラメントを
用いて,経糸密度120本/吋,緯糸密度90本/吋の
平織物を製織し,その生機を用いて常法により精練,プ
レセット後 , Suminol FastYellow 2GP(住友化学株式
会社製,酸性染料) 2%owf にて染色し,本発明の保温
性を有する布帛を得た。
【0028】本発明との比較のため,下記比較例1〜5
により,比較用の保温性布帛5点を製造した。
【0029】比較例1 本実施例1において,酸化アルミニウム微粒子を省くほ
かは,本実施例とまったく同一の方法により比較用の保
温性布帛を得た。
【0030】比較例2 本実施例1において,酸化アルミニウム微粒子をステア
リン酸ナトリウム(脂肪酸金属塩)で表面処理する工程
を省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により,
比較用の保温性布帛を得た。
【0031】比較例3 本実施例1において,酸化アルミニウム微粒子を平均粒
径が0.2μm,結晶型がγ型の酸化アルミニウム微粒子
(AKP−G,住友化学工業株式会社製)に代えるほか
は,本実施例と全く同一の方法により,比較用の保温性
布帛を得た。
【0032】比較例4 本実施例1において,酸化アルミニウム微粒子を平均粒
径が0.2μm,結晶型がγ型の酸化アルミニウム微粒子
(AKP−G)に代え,かつステアリン酸ナトリウムで
表面処理する工程を省くほかは,本実施例とまったく同
一の方法により比較用の保温性布帛を得た。
【0033】比較例5 本実施例1において,6ナイロンを98重量部から99.
95重量部に変え,酸化アルミニウム微粒子を2重量部
から0.05重量部に変えるほかは,本実施例とまったく
同一の方法により比較用の保温性布帛を得た。
【0034】上記比較例のほかに,更に本実施例1にお
いて用いた酸化アルミニウム微粒子を平均粒径が7.2μ
m,結晶型がα型の酸化アルミニウム微粒子(AM−2
8,住友化学工業株式会社製)に代えるほかは,本実施
例とまったく同一の方法により,ナイロンマルチフィラ
メントの紡糸を試みたが,糸切れが多発し,まともなマ
ルチフィラメント糸が得られなかった。
【0035】さらに本実施例1において,6ナイロンを
78重量部から75重量部に変え,酸化アルミニウム微
粒子を2重量部から25重量部に変えるほかは,本実施
例とまったく同一の方法により,ナイロンマルチフィラ
メントの紡糸を試みたが,糸切れが多発し,まともなマ
ルチフィラメント糸が得られなかった。
【0036】上述の如くして得られた本発明および比較
用の保温性布帛の性能を測定し,その結果を合わせて表
1に示した。
【表1】
【0037】表1より明らかなごとく,本発明の保温性
布帛は,比較例1〜5の布帛と比較して熱伝導率が低
く,優れた保温性を有していた。
【0038】実施例2 まず平均粒径1.0μm,結晶型がα型の酸化アルミニウ
ム微粒子(A−50N昭和電工株式会社製)2500g
を,ラウリン酸カルシウム( 脂肪酸金属塩 )0.5%エタ
ノール溶液10リットル中に添加し,攪拌分散後,噴霧
乾燥して,本発明で用いる脂肪酸金属塩による表面処理
酸化アルミニウム微粒子を得た。
【0039】次に,フェノールとテトラクロロエタンの
等重量混合溶媒中で,濃度0.5g/デシリットル,温度
25℃にて測定した相対粘度1.38のポリエチレンテレ
フタレート92重量部と上記酸化アルミニウム微粒子8
重量部とを均一に溶融混合したものを芯成分とし,酸化
アルミニウム微粒子を添加しない同じポリエチレンテレ
フタレートを鞘成分として,芯/鞘の重量比が60/4
0の同心円型芯鞘複合繊維を溶融紡糸した。この際に,
紡糸温度を260℃とし,速度3000m/分にて引き
取り,続いて延伸温度120℃,延伸倍率1.5倍, 熱処
理温度160℃にて延伸, 熱処理し, 表面処理酸化アル
ミニウム微粒子を芯部に含有するポリエステル芯鞘複合
マルチフィラメント75d/24fを得た。
【0040】ここで,経糸,緯糸の双方に上述のポリエ
ステル芯鞘複合マルチフィラメント70デニール/24
フィラメントを用いて,経糸密度115本/吋,緯糸密
度90本/吋の平織物を製織し,その生機を用いて, 常
法により精練,プレセット後 ,Kayalon Polyester Blue
2R-SL(日本化薬株式会社製,分散染料) 2%owfにて
染色し,本発明の保温性を有する布帛を得た。
【0041】本発明との比較のため,下記比較例6〜1
0により,比較用の保温性布帛5点を製造した。
【0042】比較例6 本実施例2において,鞘成分として用いたポリエチレン
テレフタレートを芯成分および鞘成分の両方に用いるほ
かは,本実施例とまったく同一の方法により比較用の保
温性布帛を得た。
【0043】比較例7 本実施例2において,酸化アルミニウム微粒子をラウリ
ン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)で表面処理する工程を
省くほかは,本実施例とまったく同一の方法により,比
較用の保温性布帛を得た。
【0044】比較例8 本実施例2において,酸化アルミニウム微粒子を平均粒
径が0.1μm,結晶型がθ型の酸化アルミニウム微粒子
(HIT−80G,住友化学工業株式会社製)に代える
ほかは,本実施例と全く同一の方法により比較用の保温
性布帛を得た。
【0045】比較例9 本実施例2において,酸化アルミニウム微粒子を平均粒
径が0.1μm,結晶型がθ型の酸化アルミニウム微粒子
(HIT−80G)に代え,かつ,ラウリン酸カルシウ
ムで表面処理する工程を省くほかは,本実施例とまった
く同一の方法により比較用の保温性布帛を得た。
【0046】比較例10 本実施例2において,芯成分に用いるポリエチレンテレ
フタレートを92重量部から97.85重量部に変え,酸
化アルミニウム微粒子を8重量部から0.15重量部に変
えるほかは,本実施例とまったく同一の方法により比較
用の保温性布帛を得た。
【0047】上記比較例のほかに,さらに,本実施例2
において用いた酸化アルミニウム微粒子を,平均粒径が
6.3μm,結晶型がα型の酸化アルミニウム微粒子(A
M−315,住友化学工業株式会社製)に代えるほか
は,本実施例とまったく同一の方法により,マルチフィ
ラメントの紡糸を試みたが,糸切れが多発し,まともな
マルチフィラメント糸が得られなかった。
【0048】さらに,本実施例2において,芯成分に用
いるポリエチレンテレフタレートを92重量部から65
重量部に変え,酸化アルミニウム微粒子を8重量部から
35重量部に変えるほかは,本実施例とまったく同一の
方法によりマルチフィラメントの紡糸を試みたが,糸切
れが多発し,まともなマルチフィラメント糸が得られな
かった。
【0049】上述の如くして得られた本発明および比較
用の保温性布帛の性能を測定し,その結果を合わせて表
2に示した。
【表2】
【0050】表2より明らかなごとく,本発明の保温性
布帛は,比較例6〜10の保温性布帛と比較して熱伝導
率が低く,優れた保温性を有していることが分かる。
【0051】
【発明の効果】本発明の保温性布帛は,優れた保温性を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(8)は,いずれも本発明で用いる酸
化アルミニウム微粒子を含有する繊維の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明の布帛の保温性を測定する装置の要部の
概略側断面図である。
【符号の説明】
1, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14 ─酸化アルミニウム微粒子
を含有している部分 3, 7, 9, 11, 13, 15 ────酸化アルミニウム微粒子
を含有していない部分 21─────────────Water Box 22─────────────試 料(布帛) 23─────────────B. T. Box 24─────────────熱 板 25─────────────消費熱量検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 Q 8/04 Z D02G 3/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が5μm以下で,結晶型がα型
    であり,かつ脂肪酸金属塩で表面処理されている酸化ア
    ルミニウム微粒子を0.1〜20重量%含有する繊維から構
    成されてなることを特徴とする保温性を有する布帛。
JP6107903A 1994-04-22 1994-04-22 保温性を有する布帛 Pending JPH07300741A (ja)

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